JP3664243B2 - 再帰反射性マイクロカプセルを混入した再帰反射性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路標識、ガードレール、電柱、街路樹、縁石、橋脚、衣料品などに使用され、自動車のヘッドライトや船舶などの光源からの入射光線を再帰反射し、運転者が遠方から確認することができる再帰反射性マイクロカプセルを塗料用液状組成物に混入した再帰反射性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特公昭34−3783号公報では、透明ガラス微小球体(ガラスビーズ)の半球面を金属被膜によって反射体化したものをワニスに混入して、再帰反射性組成物を得ている。
【0003】
しかしながら、特公昭34−3783号公報においては、反射体化した多数の微小球体をワニスに混入して再帰反射性塗料を作製しており、この場合には、或る微小球体は、ワニスの塗膜上に露出して、直接、空気(屈折率1.0)と接する状態にあり、又、他の微小球体は、ワニス(屈折率約1.5)の中に埋設されて固定化されている状態にある。前者の場合では、最良の再帰反射光線を得る微小球体の屈折率は、約1.9であり、後者の場合では、約2.8のものが必要となる。更に、前者が雨水に濡れた場合は、約2.5でなければ、最良の再帰性反射光線は得られない。
すなわち、この場合には、前記のとおり、3種類の微小球体が必要であるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の諸問題を解決して、充分な再帰反射光線を得ることが可能であって、しかも安価な再帰反射性物品を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、屈折率が1.70乃至2.10の範囲内にある少なくとも1個以上複数個の半球面を反射体化したガラスビーズを核とし、その周囲を真空または気体が存在する状態で透明な膜壁で被覆してなることを特徴とする再帰反射性マイクロカプセルを塗料用液状組成物に混入したことを特徴とする再帰反射性組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するガラスビーズは、屈折率が1.70乃至2.10の範囲内にあるものであり、特に高屈折率のものでないので、安価である。ガラスビーズの球径は各種の球径とすることができ、10〜100ミクロンの範囲内のものが最適である。一つのマイクロカプセル中のガラスビーズは、一個でもよく、複数個であってもよい。
【0007】
ガラスビーズは半球面を反射体化しており、他の半球面は透明状態を維持しているものである。反射体化する手段としては、各種の手段が採用されるが、例えば高真空蒸着法や塗布法などを採用することができる。
前者の方法は、可塑化した樹脂層などの粘着性表面に多数のガラスビーズを半球部分が露出し、半球部分が埋没するように固着し、露出した半球部分に高真空室内でアルミニウム、錫、銅等の金属蒸着を施した後、樹脂層からガラスビーズを取外すことにより半球面を反射体化したガラスビーズを得ることができる。
後者の方法は、ガラスビーズの半球部分が露出し、半球部分が埋没するようにニカワ等の熱水可溶性被覆を施しておき、露出した半球部分に化学的メッキを施したり、金属カルボニルガスなどをあててメッキを施した後、熱水浴に通して熱水可溶性被覆を溶解することにより半球面を反射体化したガラスビーズを得ることができる。
【0008】
マイクロカプセル内部には、ガラスビーズのほかに、このガラスビーズの周囲には気体が存在している。この気体としては、屈折率が約1.0の各種の気体であればよく、例えば空気のほかに、マイクロカプセル中に膨張剤として封入したわずかの低沸点液体の熱膨張によって得られる気体などがあげられる。このようにガラスビーズ(屈析率:1.70〜2.10)は気体(屈析率:約1.0)と接している。なお、気体の代わりに、真空状態(屈折率:1.0)であってもよい。
【0009】
半球面を反射体化した多数のガラスビーズの反射体面、非反射体面は、全く配向性がなく、不規則な方向を向いている。従って、気体または真空中を通過した入射光線のあるものは、ガラスビーズの凸状反射体面にあたって散乱光線となり、また入射光線のあるものはガラスビーズの非反射体面を通過して凹状反射体面にて反射されて再帰反射光線となる。
これらマイクロカプセルを、あたかも顔料として、塗料用液状組成物に混入した場合、前記再帰反射光線は、光束となって、強い良好な再帰反射光線となる。
【0010】
マイクロカプセルの膜壁は、その内部にガラスビーズと気体または真空を保持するものであって、透明素材からなるものであれば、いかなるものでもよく、透明な合成樹脂、特にアクリル系ポリマーが最適である。膜壁の形状は、各種のものとすることができ、特に、製法、流動性の点で球形であることが最適である。本発明においては、このように、ガラスビーズがマイクロカプセルの膜壁にて被覆されているので、長期間にわたって日光、雨等に露出されても優れた耐久性を有する。
【0011】
本発明においては、上記マイクロカプセルを塗料用液状組成物に混入した再帰反射性組成物を形成する。この塗料用液状組成物としては、塗料のほか、塗料と同質の組成物であって、塗料用液状組成物の一例としてはワニス(屈折率:1.50)などが採用できる。この塗料用液状組成物は直接マイクロカプセルのガラスビーズと接していないので、塗料用液状組成物の屈折率が1.50や1.33などのように大きい値であっても、塗料用液状組成物の屈折率がガラスビーズの再帰反射性に影響を及ぼすものではない。
【0012】
【実施例】
本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0013】
実施例1を示す図1においては、1個の透明なガラスビーズ2の半球面がアルミニウム蒸着等により反射面3が形成されており、その周囲に気体4が存在する状態で透明な球状の膜壁5で被覆してなるマイクロカプセル1を示している。ガラスビーズ2の球径は、約15ミクロンである。マイクロカプセル1の膜壁物質としては、アクリルポリマーを使用した。
【0014】
実施例2を示す図2においては、複数個の透明なガラスビーズ2の半球面がアルミニウム蒸着等により反射面3が形成されており、その周囲に気体4が存在する状態で透明な球状の膜壁5で被覆してなるマイクロカプセル1を示している。ガラスビーズ2の球径は、10〜100ミクロンの範囲の大小混合したものを使用した。マイクロカプセル1の膜壁物質としては、アクリルポリマーを使用した。
【0015】
これら2例のマイクロカプセルは、水性のアクリル樹脂塗料に混入して、再帰反射性組成物とした場合、マイクロカプセル中における入反射光線の若干の損失を考慮しても、前記の特公昭34−3783号公報及び特公昭34−10479号公報に記載されたものと比較して、遥かに良好な再帰反射光線を得ることができた。
【0016】
【発明の効果】
本発明においては、屈折率が1.70〜2.10の安価なガラスビーズを使用し、しかもその周囲には屈折率の小さい真空または気体が存在し、従来のように部分的な露出と埋設がなされることもなく、雨でぬれることもないので、単一の屈折率のガラスビーズのみで最良の再帰反射光線を得ることができ、優れた再帰反射性を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロカプセルの実施例1を示す断面図である。
【図2】本発明のマイクロカプセルの実施例2を示す断面図である。
【符号の説明】
1 マイクロカプセル
2 ガラスビーズ
3 反射面
4 気体
5 膜壁
A 入射(再帰反射)光線の進路
A′再帰反射(入射)光線の進路
Claims (1)
- 屈折率が1.70乃至2.10の範囲内にあって、少なくとも1個以上複数個の半球面を反射体化したガラスビーズを核とし、その外周を真空または気体が存在する状態で透明な膜壁で被覆してなる再帰反射性マイクロカプセルを塗料用液状組成物に混入したことを特徴とする再帰反射性組成物。
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