JP5119311B2 - 被加工物固さの測定方法及び測定装置、浸漬加工装置 - Google Patents

被加工物固さの測定方法及び測定装置、浸漬加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、食材等の被加工物固さの測定方法及び測定装置、浸漬加工装置に関する。
食品の製造において、調味液と固体食品原料を混合し、煮熟しながら味受けをする操作がある。この操作においては、母液中の調味剤濃度は食品の水分と水分蒸発により変化し、その管理は母液の屈折率を測定し、塩分又は糖分に換算しているのが現状である。
この方法には、以下の問題がある。
流動性が乏しい場合は自動分析が難しく、サンプリング分析を行うが、サンプルが全体を代表しない恐れがある。
食品の母液が少ない場合は、固形物に妨害され、屈折計のセルの表面を十分に母液で濡らすことができず、測定が困難となる。
一方、固体食品原料中の水分が浸出し、どこまで母液の濃度が変化するか、予測することは、濃縮の終点を決定するため、品質管理上重要である。
更に、製造される食品がペースト状、塑性物、パサパサ状粉体などである場合、食品の流動性、固さも品質上重要で、簡易に品質判定する手段が望まれている。
特開平10−295280号公報
解決しようとする問題点は、屈折計による性状測定に限界があり、固さの簡易な測定ができない点である。
本発明は、固さを測定可能とするため、溶質物を添加した浸漬用液体に被加工物を浸漬しつつ前記溶質物を前記被加工物に移乗させつつ加熱浸漬加工中の被加工物の固さを固形分率として測定する被加工物固さの測定方法であって、前記浸漬前の被加工物の乾燥重量と浸漬加工中の全測定重量とから、
固形分率=被加工物の乾燥重量/浸漬加工中の全測定重量
とすることを主要な特徴とする。
本発明は、溶質物を添加した浸漬用液体に被加工物を浸漬しつつ前記溶質物を前記被加工物に移乗させつつ加熱浸漬加工中の被加工物の固さを固形分率として測定する被加工物固さの測定方法であって、前記浸漬前の被加工物の乾燥重量と浸漬加工中の全測定重量とから、
固形分率=被加工物の乾燥重量/浸漬加工中の全測定重量
とするため、固さを簡易に測定することができる。
加熱浸漬加工装置の一部を断面及び想像線で示した正面図である(実 施例1)。 かごの断面図である(実施例1)。 配管及び吹出口の分解配置図である(実施例1)。 (a)(b)は、吹出口上下の孔を示す平面図である(実施例1)。 配管に取り付けられた有孔フランジの平面図である(実施例1)。 糖液の粘度を示すグラフである(実施例1)。 餡の固形分と固さとの関係のグラフである(実施例1)。 練り餡の固さの測定例を示すグラフである(実施例1)。
屈折計を用いずに固さを簡易に測定可能にするという目的を
固形分率=被加工物の乾燥重量/浸漬加工中の全測定重量
とすることで実現した。
[加熱浸漬加工装置の構造]
図1は、本発明を適用した加熱浸漬加工装置に係り、一部を断面及び想像線で示した全体図、図2は、かごの断面図、図3は、配管及び吹出口の分解配置図、図4(a)(b)は、吹出口の孔を示す平面図、図5は、配管に取り付けられた有孔フランジの平面図である。
図1のように、本実施例の浸漬加工装置である加熱浸漬加工装置1は、筐体3に容器5が取り付けられ、容器5の底部に加熱部7が設けられ、容器5内部に、筒部9及び吹出口11が設けられている。
筐体3は、ベース・フレーム13に支持され、ベース・フレーム13は、脚部15にロード・セルなどにより構成された測定部を構成する重量センサ17が備えられている。
重量センサ17の検出信号は、溶質物重量濃度の測定装置及び被固形物固さの測定装置を構成するコントローラ18に入力され、煮塾が進んで水分が蒸発し、予め設定された溶質物重量濃度或いは固形分率となるように空気吹き出しを制御し、目標の糖度或いは固さに応じた重量になると装置の空気吹き出しの動作が自動的に停止制御される構成となっている。溶質物重量濃度或いは固形分率は、コントローラ18からの出力により液晶ディスプレィなどで構成された表示部20に逐次表示されるようになっている。溶質物重量濃度等の詳細については、後述する。
容器5は、縦型であり、被加工物である例えば豆類を浸漬用液体である糖液と共に収容可能である。この容器5は、本体部19及び上部21からなり、筐体3に取り付けられている。本体部19は、筐体3に固定され、上部21は、本体部19上に着脱自在に取り付けられ、蓋22を備えている。従って、容器5は、重量センサ17を備えたベース・フレーム13に支持された構成となっている。容器5の本体部19には、底部にドレン・パイプ23が結合されている。ドレン・パイプ23は開閉可能であり、開放により容器5内の糖液を排出することができる。
加熱部7は、電熱加熱ヒータで構成され、容器5の底面に取り付けられ、コントローラ18により動作制御され、容器5を加熱する構成となっている。なお、加熱部7は、電磁誘導型ヒータで構成することも可能である。この加熱部7は、独立に制御され、所定時間で停止制御される。
筒部9は、容器5の内部中央に上下に向けて配置され、上下開放となっている。筒部9は、下筒部25及び上筒部27からなり、上筒部27は、下筒部25に着脱自在に嵌合装着されている。図1,図2のように下筒部25には、多孔性の補助容器であるかご29が一体的に備えられている。かご29は、上部開放の円筒状に形成され、上部に把持部31を備えている。
吹出口11は、図1,図3のように、円筒の筐体状に形成され、筒部9の下部側に配置されている。吹出口11には、図1,図3,図4のように上下に吹き出し用の孔33,35が複数形成されている。上部の孔33は、二重の環状に複数配列され、下部の孔35は、孔33よりも少なく環状に複数配列されている。
吹出口11は、配管37,39を介して空気供給部41に接続されている。
配管37には、中間部に有孔フランジ43が取り付けられ、上部にカバー45が取り付けられている。配管37は、下部が、吹出口11の突管47にジョイント48により着脱自在に結合され、上部が配管39にジョイント50により着脱自在に結合されている。配管37の有孔フランジ43は、上筒部27内に配置され、配管37に対し上筒部27の位置決めを行っている。有孔フランジ43には、空気を通過させる孔52が設けられている。カバー45は、下向きに開放形状となっている。
配管39には、支持ステー49が取り付けられ、支持ステー49が、容器5の支持ブラケット51に着脱可能に支持されている。支持ブラケット51は、容器5の上部21に設けられている。
配管39は、容器5の上部21を貫通して外部に引き出され、筐体3の支持パネル53に着脱可能に支持されている。この配管39に、空気供給部41の配管55がジョイント57により着脱可能に接続されている。配管55は、筐体3の支持パネル59に着脱可能に支持されている。空気供給部41は、コンプレッサ等により構成され、コントローラ18により動作制御される。
[煮熟操作]
水の沸騰による豆の煮熟と煮熟した煮豆を糖液に浸漬する二段階の方法について説明する。
先ず、前述した装置から容器5の上部21、配管37を取り外し、容器5の上に蓋22を乗せた状態で豆の煮熟を行う。小豆をかご29の中に入れ、水を入れ小豆を煮熟する。かご29に小豆を収容するときは、かご29を容器5から取り出して行う。容器5に対するかご29の出し入れは、容器5の上部21を取り外して行う。
煮熟条件は水の沸騰下に行い前炊き20分、渋きり、給水、本炊き60分で行った。煮汁を切り、かご29内に煮豆がある状態で容器5の上部21、配管37を再装着し、容器5の上に蓋22を乗せた状態、即ち図1の状態とする。
容器5内に、例えば液面Aとなるように糖液を入れ、かご29に糖液に浸漬させる豆類を収容させる。
筒部9の上筒部27、吹出口11、及び配管37,39を組み付け、配管39に空気供給部41の配管55を組み付ける。
コントローラ18の制御により加熱部7を動作させて容器5を加熱し、所定温度に到達した後、空気供給部41を動作させる。
空気供給部41の動作によりエア・ポンプから配管55,39,37を通って吹出口11に空気が供給される。供給された空気は、吹出口11の孔33,35から筒部9内を上昇する。
筒部9内の空気の存在により筒部9内の平均密度が小さくなり、筒部9内下端側の圧力が筒部9下端側外の圧力よりも低下する。このため、筒部9下端側周囲から筒部9内下端側へ糖液が流入する。この糖液の流入により筒部9内の液容積が増大し、筒部9上端から矢印のように糖液が溢れ出て、筒部9内外を循環移動する。
また、糖液と空気とが接触することにより水の分圧の低い気泡中に飽和状態となるまで水分が蒸発する。蒸発した水分は筒部9上端から容器5内上部へ放出され、容器5内の糖液の濃度が高まる。
こうして、エア・リフトと言われる原理を用いた簡単な構造により糖液の濃度を高め且つ循環させることでかご29内の豆を糖液により短時間で品質よく糖を浸透させることができる。
この濃縮浸漬操作の際に、重量センサ17の検出値がコントローラ18に逐次入力され、予め定められた速度で糖液を濃縮するため、空気供給が調整され、予め定められた最終の重量糖度%となったときに空気供給部41の動作が自動的に停止され、さらに設定された浸漬時間となった時に加熱部7が自動的に停止され、濃縮浸漬操作を的確に完了させることができる。
煮熟完了後は、容器5の上部21を取り外して本体部19上部を開放し、把持部31を把持してかご29を本体部19外へ取り出すことができる。
容器5内の煮熟後の糖液は、ドレン・パイプ23を開放して下部から排出させることができる。
[溶質物重量濃度]
本実施例では、溶質物として砂糖を使用するため、溶質物重量濃度は、重量糖度として説明する。なお、溶質物は、食品の加工において砂糖以外にも塩その他の調味料を使用することができ、食品以外では、調味料以外のものも使用することができる。溶質物は、単体、或いは、複数種混合の何れにも適用することができる。
前記コントローラ18は、本実施例において、溶質物重量濃度の測定装置(被加工物固さの測定装置については後述)であり、溶質物である砂糖を水に添加した浸漬用液体に被加工物である小豆を浸漬しつつ前記砂糖を前記小豆に移乗させる所定割合を測定部としての演算部18aが重量糖度として測定、すなわち演算する。
前記砂糖の重量及び前記小豆の乾燥重量とを予め測定し、浸漬加工中の全測定してコントローラ18に入力し、浸漬加工中の全測定重量の変化は重量センサ17で測定され、コントローラ18に入力される。浸漬加工中の全測定重量の変化は、装置の重量等を除き、加工中の容器5中の水分等を含む餡の全重量である。
これらより、前記演算部18aは、
重量糖度%=砂糖の重量/(浸漬加工中の全測定重量−小豆の乾燥重量)×100
として演算する。
かかる演算式の前提を以下に示す。
重量糖度% = 餡中の全糖分/(餡中の全糖分+餡中の全水分)×100
即ち、重量糖度(溶質物重量濃度)は、完全に餡中の糖と水が均一に混合された場合の糖の濃度である。餡中の水に不溶なものは除外されている。(甘みを感じるのは糖液中の糖の濃度に相関されるので、この濃度が重要となる。)
糖(砂糖)以外の溶質物として一般化すると、
溶質物重量濃度=溶質物の重量/(浸漬加工中の全測定重量−被加工物の乾燥重量)
と表すことができる。
ここに、溶質物の重量とは、餡煉りの場合の糖の重量に相当する。食品原料を調理・漬け込む場合の水溶性物質(調味料など)のドライベースの重量である。被加工物の乾燥重量は、赤外線乾燥器、真空乾燥器などを用いて、少量のサンプルを乾燥して重量を測定し、その食材の単位重量当たり乾燥重量として求めたものである。
演算部18aの演算結果は、表示部20に逐次表示される。
従って、砂糖(溶質物)を水に添加した浸漬用液体に小豆(被加工物)を浸漬しつつ前記砂糖を前記小豆に移乗させる所定割合を重量糖度(溶質物重量濃度)として測定する溶質物重量濃度の測定方法であって、前記砂糖の重量及び前記小豆の乾燥重量と浸漬加工中の全測定重量とから、前記式により重量糖度を測定する測定方法を実現することができる。
こうして、砂糖(溶質物)を添加した浸漬用液体に小豆(被加工物)を浸漬しつつ前記砂糖を前記小豆に移乗させつつ小豆の性状である重量糖度を測定する被加工物性状の測定方法であって、前記性状を、浸漬加工中の全測定重量に基づいて測定することができる。
調味料(溶質物)が多岐に渡る場合、容器5(調理釜)に投入した調味料は、投入時に重量を記録しコントローラ18に入力すれば、その後、加熱攪拌操作を受けてもその割合は変化しないので、調味料の成分毎に溶質物重量濃度を演算・表示することも可能である。
[餡の評価基準]
餡の評価基準は種々の項目があり、代表的なものとして、餡製造時、餡煉りの終点判断で品質管理に用いられるのは、糖度と固さである。
前記のように、糖度は都度サンプリングして屈折計で測定するのが一般的である。しかし、操作が煩わしいだけでなく、固い餡等の場合、屈折計の界面が不明確になる。蔗糖以外の物質(小豆中の溶解成分、水飴、各種の糖、塩など)が糖液に溶解していると正しい値が表示されない、餡煉り後BRIXが経時変化する、など多くの問題点がある。
餡の固さは、目視により判定するが、経験が必要で個人の技量に依存し、個人差が発生する。
これらの問題点を総括すると、信頼性のある糖度と固さを常時表示しながら餡煉りできるようなシステムが望まれていると言える。製品の質量を計測しながら餡煉りするシステムSWS(自動計重量システム)で、餡煉りの終点を、仕上がり質量で定量的に管理する場合もある。
今回は、このシステムを更に進化させ、糖度として重量糖度、固さの尺度として固形分率を表示しながら餡煉りを行なう。
(糖度)
糖度とは蔗糖水溶液中の蔗糖の重量濃度と定義され、通常は屈折計で屈折率を測定し、その蔗糖含有量をBRIXで示す。即ちサンプルの屈折率を測定し、サンプルが蔗糖水溶液と仮定して物性が対応する蔗糖濃度を与えるもので、サンプルに蔗糖以外のものが溶解していれば、正しい値を示さない。つまり、砂糖(蔗糖)以外でも水溶性の物質であれば光を屈折する(物質により屈折率は異なる)ので、BRIX値が計測される。
屈折率n=c/v
真空中での速度cと、媒質中での速度vの比c/v
以下に、物質の屈折率(波長589nm)を示す。
Figure 0005119311
(餡の構造)
餡は、餡粒子と糖液が良く混合されたものである。餡粒子は、十数個の澱粉粒を細胞膜で包み込んだもので大きさ50〜100ミクロンの粒子である。この細胞膜はかなり強固なもので、餡粒子は安定して取り扱うことができる。
餡煉りはこの餡粒子を糖液でコーティングする作業ということができる。
餡粒子の中に糖液は入っていないか、入っていても、その濃度は低いと推定される。餡粒子の細胞膜は一種の半透膜で、大きさの小さい水分子は比較的自由に移動できるが蔗糖の分子はかなり大きい(分子量が水の20倍)ため移動は困難である。従って餡煉り終了時に、餡粒子の回りは糖液でコーティングされるが、餡粒子内に糖は入っていない。
すなわち、半透膜である餡粒子の細胞膜を隔てて水の濃度に差があるので、浸透圧が生じ、餡粒子内の水が糖液側に移動する。餡煉り後、時間が経つと、餡の糖液濃度が見かけ上減少する。場合によっては、餡と分離した糖液ができる現象を招く原因となる。
(餡の重量糖度)
餡の糖度は屈折計にサンプルを入れて圧迫し、屈折計のセルの表面に糖液を押し出し、この糖液の屈折率が測定され、BRIXとして計測される。つまり、餡粒子をコーティングしている糖液の糖度を測定している。
しかしながら、餡粒子の中にはまだ、糖液と置換されていない水があり、糖が、餡内に均一に分散された場合の濃度とは異なる。この均一に分散された場合の糖度を重量糖度と呼ぶ。重量糖度は以下の式で与えられる。
重量糖度%=糖の全重量/(糖の全重量 +水の全重量)×100
=餡中の糖の重量/(餡の全重量−乾燥餡の重量)×100
乾燥餡の重量とは、生餡を乾燥した場合の重量である。この計算は、餡を、糖と水分と乾燥餡とよりなるとしている。
重量糖度とは文字通り、重量基準の糖分濃度である。即ち、餡中の全水分と全糖分との合計に対する糖分の重量比率である。この場合、全水分には餡粒子に含まれる水分も含まれる。式を見て判るように、製品質量を常時測定すれば、重量糖度は常時表示することができる。
(重量糖度と屈折糖度の関係)
発明者等が試験した結果によると、漉し餡の餡煉りをした場合、屈折計を用いて測定した餡の糖度は、餡中の水に均一に糖分が分散した場合・即ち重量糖度に比べ、3〜4%高い糖度となる。屈折計を用いて測定した餡の糖度BRIX値を今後は屈折糖度と呼ぶ。屈折糖度は餡の表面にある糖液の濃度を測っており、餡全体の糖度を示す重量糖度とは当然異なり、どちらが正しいというものではない。
重量糖度に3−4%を加えれば屈折糖度になっており、重量糖度が表示されれば、屈折糖度は測定しなくとも、推定できる。重量糖度は仕込み重量と最終重量のみに依存し、その再現性・精度は高い。一方屈折糖度は餡の状態に依存し、ある程度の変動は避けられないので、重量糖度による管理が望ましい。
(固さについて)
餡の固さを決める因子
餡は、餡粒子と糖液よりなる分散体である。流動性を支配する因子は粒子と液体の比率である。この比率が僅かに変っても、流動性は大きく変化する。
例えば、図6のように、生餡のケーキは水と餡粒子より成る混合物で、含水率が63%〜68%であるが、1%の含水率の変化で流動性が大きく変化することは良く知られている。
この生餡と、煉り餡は、生餡中の水が糖液に置換されたものであり、基本的には同様な流動性を示す。従って煉り餡中の餡粒子と糖液の比率が、餡の流動性に強い影響を与える。糖液の比率が小さくなるほど、流動性が乏しくなる、即ち固くなる。
水の粘度は20℃で1cpであるが、糖液の粘度は濃度が高くなると増大する。50%程度までは小さいが、濃度70%程度では、20℃500cp程度であり、かなり大きいと言える。しかし、餡の固さに比べれば小さな値である。従って、餡の固さに大きな影響を与えるのは、餡中の餡粒子の比率である。これを後述の固形分率で代表させる。
(餡の固形分と固さの関係)
餡の固さをレオメーターで測定した。測定方法は、直径10mmの円板を餡中に60mm/分で侵入させる時の抗力の変化を記録した。
図7のようなチャートが得られ、ピーク値を固さとして採用した。単位はg重である。なお、図でマイナス側は付着性を示す。
測定結果の例を図8に示す。固形分率が1%変化しても、固さが大きく変ることが判った。
固形分率は次式で与えられる。
固形分率=乾燥餡の質量/全質量×100
一般的には、
固形分率=被加工物の乾燥重量/浸漬加工中の全測定重量
即ち、煉り餡の中の乾燥した生餡の質量の比率で、固形分率は固さの尺度として使用できる。
以上、餡煉りにおいて、重量センサ17の検出値をコントローラ18が取り込んで常時計測し、演算部18aにおいて重量糖度及び固形分率を上記式により演算し、表示部18aに常時重量糖度と固形分率とを表示し、これらの値から、餡煉りの終点を判定し、管理することができる。
重量糖度に関して言えば、その都度分析する手間が無くなるし、屈折計でBRIXを測定する場合に生じる、サンプリング点の問題、読み取り精度、餡粒子よりの水分移動による変化などの問題がなく、管理指標として適している。
また、従来、数値による管理が困難であった、固さに対しても、固形分率を使用して管理が可能である。
[実施例の効果]
砂糖を水に添加した浸漬用液体に小豆を浸漬しつつ前記砂糖を前記小豆に移乗させつつ小豆の糖度、固さの性状を測定する被加工物性状の測定方法であって、前記糖度、固さの性状を、予め測定した小豆の乾燥重量及び重量センサ17により検出した浸漬加工中の全測定重量に基づいて測定するため、屈折計を用いずに糖度を測定し、或いは固さを簡易に測定することができる。
砂糖を水に添加した浸漬用液体に小豆を浸漬しつつ前記砂糖を前記小豆に移乗させる所定割合を重量糖度として測定する溶質物重量濃度の測定方法であって、前記砂糖の重量及び前記浸漬前の小豆の乾燥重量と浸漬加工中の全測定重量とから、
重量糖度%=砂糖の重量/(浸漬加工中の全測定重量−小豆の乾燥重量)×100
とするため、屈折計を用いずに糖度を測定することができる。
砂糖を水に添加した浸漬用液体に小豆を浸漬しつつ前記砂糖を前記小豆に移乗させる所定割合を重量センサ17からの検出信号により演算部18aが演算し、重量糖度として測定するコントローラ18であって、前記演算部18aは、予め検出した前記砂糖の重量及び前記浸漬前の小豆の乾燥重量と重量センサ17で検出した浸漬加工中の全測定重量とから、
重量糖度=砂糖の重量/(浸漬加工中の全測定重量−小豆の乾燥重量)
とするため、屈折計を用いずに糖度を測定することができる。
砂糖を水に添加した浸漬用液体に小豆を浸漬しつつ前記砂糖を前記小豆に移乗させる所定割合を重量糖度として測定する重量センサ17及び演算部18aと、前記重量センサ17及び演算部18aが測定した重量糖度を表示する表示部20とを備えた加熱浸漬加工装置1であって、前記演算部18aは、予め検出した前記砂糖の重量及び前記浸漬前の小豆の乾燥重量と重量センサ17により検出した浸漬加工中の全測定重量とから、
重量糖度=砂糖の重量/(浸漬加工中の全測定重量−小豆の乾燥重量)
とするため、屈折計を用いずに糖度を測定し、その変化を逐次表示させることができる。このため、餡の加工管理を容易に行わせることができる。
砂糖を水に添加した浸漬用液体に小豆を浸漬しつつ前記砂糖を前記小豆に移乗させつつ浸漬加工中の小豆の固さを固形分率として測定する被加工物固さの測定方法であって、予め検出した前記浸漬前の小豆の乾燥重量と重量センサ17により検出した浸漬加工中の全測定重量とから、
固形分率=小豆の乾燥重量/浸漬加工中の全測定重量
とするため、餡の固さを数値等に換算して簡易に測定することができる。
砂糖を水に添加した浸漬用液体に小豆被を浸漬しつつ前記砂糖を前記小豆に移乗させつつ浸漬加工中の小豆の固さを重量センサ17及び演算部18aが固形分率として測定する被加工物固さの測定装置としてのコントローラ18であって、前記演算部18aは、予め検出した前記浸漬前の小豆の乾燥重量と重量センサ17により検出した浸漬加工中の全測定重量とから、
固形分率=小豆の乾燥重量/浸漬加工中の全測定重量
とするため、餡の固さを数値等に換算して簡易に測定することができる。
砂糖を水に添加した浸漬用液体に小豆を浸漬しつつ前記砂糖を前記小豆に移乗させつつ浸漬加工中の小豆の固さを固形分率として測定する重量センサ17及び演算部18aと、前記重量センサ17及び演算部18aが測定した餡の固さを表示する表示部20とを備えた加熱浸漬加工装置1であって、前記演算部18aは、予め検出した前記浸漬前の小豆の乾燥重量と重量センサ17により検出した浸漬加工中の全測定重量とから、
固形分率=小豆の乾燥重量/浸漬加工中の全測定重量
とするため、餡の固さを数値等に換算して簡易に測定し、表示部20に逐次表示させることができる。
[その他]
上記実施例では、重量糖度及び固形分率の双方を逐次測定し表示するようにしたが、何れか一方のみ測定し、表示させることもできる。
本発明の測定方法及び測定装置を適用する浸漬加工装置は、上記実施例以外に、その他、一般的な横型、縦型等の食品の加熱撹拌装置、煮熟装置にも適用することができる。また、食品以外の装置において溶質物重量濃度又は固形分率を測定し表示させることもできる。
前記小豆の煮熟は、水の沸点未満で行うことも可能である。しばしば、沸点100℃よりも低い温度で時間をかけて煮熟した方が豆全体を均一に柔らかく、かつ保形成良く炊くことができる場合がある。本装置1を用い、前記実施例の濃縮浸漬操作において、浸漬用液体を糖液の代わりに水を用いることで対応することができる。
前記実施例は、被加工物に小豆を用いた場合であるが、小豆は密煮すると煮熟が進まないため、煮熟と蜜漬けとを分離して行う必要がある。一方、豆によっては、蜜煮が可能なものもあり、蜜漬け操作のみで沸点以下での煮熟蜜漬けができる。
かご29は、備えない構成にすることも可能である。
かご29は、多孔であればよく、必ずしもかごである必要はない。
かご29と下筒部25とは、別体にすることもできる。下筒部25及び上筒部27は、一体にすることもできる。
加熱部7は、電熱コイルによる加熱部、或いはガスを用いた加熱部とすることもできる。
重量センサ17は、省略することもできる。
1 加熱浸漬加工装置(浸漬加工装置)
17 重量センサ(測定部)
18 コントローラ(溶質物重量濃度の測定装置、被加工物固さの測定装置)
18a 演算部(測定部)
20 表示部

Claims (3)

  1. 溶質物を添加した浸漬用液体に被加工物を浸漬しつつ前記溶質物を前記被加工物に移乗させつつ加熱浸漬加工中の被加工物の固さを固形分率として測定する被加工物固さの測定方法であって、
    前記浸漬前の被加工物の乾燥重量と浸漬加工中の全測定重量とから、
    固形分率=被加工物の乾燥重量/浸漬加工中の全測定重量
    とすることを特徴とする被加工物固さの測定方法。
  2. 溶質物を添加した浸漬用液体に被加工物を浸漬しつつ前記溶質物を前記被加工物に移乗させつつ加熱浸漬加工中の被加工物の固さを測定部が固形分率として測定する被加工物固さの測定装置であって、
    前記測定部は、前記浸漬前の被加工物の乾燥重量と浸漬加工中の全測定重量とから、
    固形分率=被加工物の乾燥重量/浸漬加工中の全測定重量
    とすることを特徴とする被加工物固さの測定装置。
  3. 溶質物を添加した浸漬用液体に被加工物を浸漬しつつ前記溶質物を前記被加工物に移乗させつつ加熱浸漬加工中の被加工物の固さを固形分率として測定する測定部と、
    前記測定部が測定した被加工物固さを表示する表示部と、
    を備えた浸漬加工装置であって、
    前記測定部は、前記浸漬前の被加工物の乾燥重量と浸漬加工中の全測定重量とから、
    固形分率=被加工物の乾燥重量/浸漬加工中の全測定重量
    とすることを特徴とする浸漬加工装置。
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