JP5114716B2 - 直動式ポンプ装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、上述した従来技術が有する課題を解消し、摺動摩擦を低減し、ピストンの時間当たりの移動量を等しくして、吐出流量変化率を抑え、脈動の少ない直動式ポンプ装置を提供することにある。
この場合において、ピストン軸の両端部に各々ピストンを固着してもよく、ピストンの長さをピストン・ストロークの1.5倍以上としてもよく、軸ケース内に潤滑剤を充填してもよく、さらには、軸ケースに該軸ケース内に連通したタンクを接続してもよい。
図1Aにおいて、符号51は直動式ポンプを示す。この直動式ポンプ51は、二本のピストン軸52a,52bを並列に収納した軸ケース53を備えている。この軸ケース53は端壁53a,53bを備え、各端壁53a,53bには各々滑り軸受け55a〜55dが配置されている。この滑り軸受けには、ホワイトメタル、ケルメットメタル、アルミニウム合金、銀、青銅、鉛青銅等を使用したメタル軸受けや、低摩擦の滑り性能に優れた樹脂製軸受け等が好適である。
上記軸受け55a〜55dには上記ピストン軸52a,52bが各々軸ケース53内を往復動自在に支持されている。軸ケース53の一方の端壁53aを貫通したピストン軸52a,52bの各外端部には、各々ピストン59a,59bが固着されており、これらピストン59a,59bは、軸ケース53の一方の端壁53aに連結されたシリンダ61a,61b内に摺動自在に収容されている。
ピストン59a,59bの押し退け側にはポンプ室71a,71bが形成され、ピストン59a,59bのピストン軸側には背圧室73a,73bが形成されている。各背圧室73a,73bは、軸ケース53の端壁53a,53bに形成された開口75を通じて軸ケース53のケース室77に連通している。また、軸ケース53の他方の端壁53bを貫通したピストン軸52a,52bの各外端部は、カバー74で覆われており、該カバー74には、近接センサ76a,76bが各々取り付けられている。
上記ピニオンギア89は、各ピストン軸52a,52bに固定されたラックギア91a,91bに噛み合い、モータ79の駆動により該ピニオンギア89が回転すると、これに噛み合うラックギア91a,91bを介して、ピストン軸52a,52bが、ケース室27内を往復運動する。モータ79、ピニオンギア89、ラックギア91a,91b等は動力伝達機構を構成している。
これに対し、一方のピストン59aは、「上死点」から「下死点」に移動し、図中下のポンプ室71aの流体を膨張させて吸入行程を行う。
この時、モータ79は、行程間の負荷に関わらず“一定速度で制御”され、結果として、それぞれのピストン59a,59bは“等速度”で直動し、図2に示すように、「吐出{ロ→ハ→ニ}・{へ→ト→チ}/吸入{ワ→カ→ヨ}・{ヌ→ル→オ}」の如く、脈動のない一定流速で、流体が吐出/吸入される。
そして、それぞれのピストン59a,59bが「上死点」若しくは「下死点」近くに至った時点で、モータ79を逆回転させると、モータ79の回転速度が急速に減衰し、「上死点」若しくは「下死点」で、ピストン59a,59bの速度が「ゼロ」とされる。このために、他方のピストン59bでは「ニ→→ホ(上死点)」、一方のピストン59aでは「オ→ホ(下死点)」」のように、吐出/吸入作用が停止され、脈動を発生させる“息継ぎ期間”が生じる。
このように、2回の“息継ぎ(=モータ79の逆回転)期間”を経て、ピストン59a,59bは“等速度”で直動され、「吐出{ロ→ハ→ニ}・{ヘ→ト→チ}/吸入{ワ→カ→ヨ}・{ヌ→ル→オ}」の如く、吐出流体は脈動のない一定流速で「吐出/吸入」され、一サイクルに2回の吐出と吸入行程が実行される。
「ピストン」速度を一定に管理するために、上記モータ79には、「パルス・モータ」や「サーボ・モータ」等の正逆回転モータが使用され、「制御装置(不図示)」により、任意の「ピストン速度で制御」される。また、安全性の確保のために、この例では、近接センサ76a,76bにより、ピストン59a,59bの下死点(=一方のピストンの上死点)位置が検出され、モータ79に制御装置(不図示)を介して、モータ79の停止と逆回転命令が出力される。
また、「近接センサ76a,76b」で当該「ピストン59a,59b」位置を検出し、「ピストン」が所定の位置{=上死点、若しくは、下死点位置}に達した時に、「圧縮(吐出)」、「吸入」作用を反復動作させると共に、「正逆回転可能な、且つ定速度制御」の駆動モータ・システムを用いることにより、安全性の確保が図られる。「上死点、あるいは下死点」位置を検出し、モータを「停止・逆回転」させることで、制御トラブル防止、かつ安全なポンプを構成している。
符号151は直動式ポンプを示す。この直動式ポンプ151は、二本のピストン軸152a,152bを並列に収納した軸ケース153を備え、この軸ケース153は端壁153a,153bを備えている。各端壁153a,153bには、軸受け155a,155b、及びスラスト軸受け156a〜156dが配置され、軸受け155a,155b,155a〜155dには、上記ピストン軸152a,152bが各々回転自在、かつ軸ケース153内を往復動自在に支持されている。
軸ケース153の一方の端壁153aを貫通したピストン軸152a,152bの各外端部には、各々ピストン159a,159bが固着されており、これらピストン159a,159bは、軸ケース153の一方の端壁153aに連結されたシリンダ161a,161b内に摺動自在に収容されている。
また、軸ケース153の他方の端壁153bを貫通したピストン軸152a,152bの各外端部は、カバー174で覆われており、該カバー174には、近接センサ176a,176bが各々取り付けられている。
また、上記駆動軸183のギア189は、動力伝達ギア189dに噛み合い、該ギア189dは、軸受け190で保持したアイドル軸189cの軸部に固着されている。上記ギア189dは、動力伝達ギア189eに噛み合い、ギア189eは、スラスト軸受け156a,156bで保持された駆動ナット189fの外周に固着されている。上述した他方のピストン軸152bは、ねじ軸であり、このねじ軸は、駆動ナット189fの内周のめねじに螺入されている。
図4において、符号1は直動式ポンプを示す。この直動式ポンプ1は、ピストン軸2を収納した軸ケース3を備え、この軸ケース3は端壁3a,3bを備えている。各端壁3a,3bには各々軸受け5a,5bが配置され、一対の軸受け5a,5bには上記ピストン軸2が回転自在、かつ軸ケース3内を往復動自在に支持されている。軸ケース3の端壁3a,3bを貫通したピストン軸2の両外端部には、各々ピストン9a,9bが固着されており、これらピストン9a,9bは、軸ケース3の両端に連結されたシリンダ11a,11b内に摺動自在に収容されている。
ピストン9a,9bの押し退け側にはポンプ室21a,21bが形成され、ピストン9a,9bのピストン軸側には背圧室23a,23bが形成されている。各背圧室23a,23bは、軸ケース3の端壁3a,3bに形成された開口25を通じて軸ケース3のケース室27に連通している。軸ケース3の外側には正逆回転可能な電動モータ29が配置され、該モータ29の出力軸29aにはカップリング31を介して駆動軸33が連結されている。駆動軸33は封止部35、及び軸受け37を介してケース室27内に延出し、該駆動軸33の先端にはピニオンギア39が固着されている。
ピニオンギア39は、ピストン軸2に固定されたラックギア41に噛み合い、モータ29の駆動によりピニオンギア39が回転すると、これに噛み合うラックギア41を介してピストン軸2がケース室27内を往復運動する。モータ29、ピニオンギア39、ラックギア41等は動力伝達機構を構成している。
該ギア289は、動力伝達ギア289aに噛み合い、該ギア289aは駆動ナット289bの外周に固着されている。ピストン軸2は、ねじ軸であり、駆動ナット289bの内周のめねじに螺入され、駆動ナット289bの両端は、スラスト軸受け256a,256bで保持されている。
本構成は、図4と類似している。異なる点として、軸ケース3の上部に、該軸ケース3内に連通したタンク100が接続され、タンク100の上部空間に空気室を残した状態で、タンク100及び軸ケース3のケース室27に、CmHn等の潤滑剤が充填されている。また、漏洩防止のため、ピストン長がピストン・ストロークの「≧1.5倍」の長さを有するピストン9a,9bから構成され、「ピストン9a,9b」にはピストン上面側、ピストン下面側、中間の合計4箇所の部位に、ピストン・リング101,102,103,104が設けられている。
「ピストン9」の高さ=(11/6)×ストロークの関係にある。「ピストン9」には、3〜4個の「ピストン・リング101,102,103,104」が装着される(図示の例では、4個)。図中の符号Stは、「ピストン」上面の変位量(下死点←→上死点)を示し、符号Sdは、「ピストン」下面の変位量(下死点←→上死点)を示している。「ピストン」が下死点(図7A)から上死点(図7B)に移動する際には、「ピストン・リング」により、シリンダ壁面に付着した「吐出流体」と「潤滑剤」とが混在するおそれがある。本実施の形態では、「ピストン」が下死点近傍にある場合に、図7Aに示すように、ピストン・リング102が、中間点Pに位置し、「ピストン」が上死点近傍にある場合には、図7Bに示すように、中間点Pに、ピストン・リング103が位置する。すなわち、下死点側においては、「ピストン・リング103,104」が、潤滑剤領域のみでの作動となり、上死点側においては、「ピストン・リング101,102」が、吐出流体領域のみでの作動となる。この形態で言えば、「トップ・リング」と「ボトム・リング」とは、それぞれの流体に暴露されることなく、稼動する。
2,52a,52b ピストン軸
3,53,153 軸ケース
59a,59b ピストン
61a,61b シリンダ
71a,71b ポンプ室
29,79,179 モータ
83,183 駆動軸
Claims (5)
- 軸ケース内に複数のピストン軸を並列に配置し、
軸ケースの端壁にそれぞれ軸受けを介してピストン軸を往復動自在に支持し、
前記軸ケースの端壁を貫通した前記ピストン軸の外端部にピストンを固着し、
前記ピストンを前記軸ケースに連結したシリンダ内に収容し、
前記軸ケースの外部にモータを配置し、
前記モータと前記ピストン軸とを動力伝達機構を介して連結し、
前記ピストン軸を往復駆動することにより、前記ピストンをシリンダ内で往復駆動させると共に、当該ピストンの押し退け側に吸込口及び吐出口を備えたポンプ室を形成し、前記ピストンのピストン軸側の背圧室と前記軸ケースのケース室とを連通する開口を前記軸受け外周近傍の前記端壁に形成したことを特徴とする直動式ポンプ装置。 - 前記ピストン軸の両端部に各々ピストンを固着したことを特徴とする請求項1に記載の直動式ポンプ装置。
- 前記ピストンの長さをピストン・ストロークの1.5倍以上としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の直動式ポンプ装置。
- 前記軸ケース内に潤滑剤を充填したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の直動式ポンプ装置。
- 前記軸ケースに該軸ケース内に連通したタンクを接続したことを特徴とする請求項4に記載の直動式ポンプ装置。
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