JP5114313B2 - データ通信システム及びデータ通信方法 - Google Patents

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本発明は、親機と、中継機と、中継機に属する複数台の子機との間でデータ通信を行うデータ通信システム及びデータ通信方法に関し、特に、電力線を介して情報通信を行う電力線通信(PLC:Power Line Communication)システムに用いて最適なデータ通信システム及びデータ通信方法に関する。
パチンコ店等の遊技店(ホール)では当然遊技者ごとにパチンコ遊技機等の遊技機が設けられ、学校では児童、生徒又は学生及び教職員ごとにパーソナルコンピュータ(パソコン)が設けられていることが多い。さらに、最近の病院には、医師や看護婦ごとにパソコンが設けられているだけでなく、病棟のベッドごとに情報端末が設けられているものがある。
遊技機、パソコン、情報端末等(以下総称するときは、「端末」という。)とサーバや管理装置等は、通常、専用の通信ケーブルを介して接続されるが、既存の施設に通信ケーブルを敷設するのでは、経費も時間もかかってしまう。そこで、最近では、施設に当初より設置され、端末に電力を供給する電力線を介して情報通信を行うPLCシステムが以下に示すように提案されている。
すなわち、従来、電力線ネットワークを介してデータをポイント・ツー・マルチポイントディジタル伝送する多重アクセス及び多重伝送方法がある。この方法では、アップストリームチャンネル及びダウンストリームチャンネルにより、電力線ネットワーク上で双方向通信する複数のユーザ装置と1つのヘッドエンド装置とが設けられている。アップストリームチャンネルでは、データは複数のユーザ装置からヘッドエンド装置に伝送され、ダウンストリームチャンネルでは、データはヘッドエンド装置から複数のユーザ装置に伝送される。
各ユーザ装置及び各ヘッドエンド装置は、複数のユーザ装置が送信可能な情報量を最大化し、かつ、複数のユーザ装置における遅延時間を最小化するための媒体アクセスコントローラ(MAC)を含んでいる。電力線ネットワークは、周波数分割多重及び時分割多重の少なくとも一方によりアップストリームチャンネル及びダウンストリームチャンネルに分割される。
また、この方法では、OFDMA(直交周波数分割多重アクセス)、TDMA(時分割多重アクセス)及びCDMA(符号分割多重アクセス)のうちの少なくとも1つのアクセス方法を用いて、アップストリームチャンネルにおける複数のユーザ装置による同時アクセスが可能である。
さらに、この方法では、搬送波ごとのビット数増大又はS/N向上により、OFDMシステムにおける各搬送波の伝送容量を増大させ、アップストリームチャンネル及びダウンストリームチャンネルの両方において伝送容量を最大化するように、各搬送波を、その時点で送信する情報を有する1つ又は複数のユーザ装置に対して動的に割り当てる基準をサポートしている。
また、この方法では、情報のタイプと送信を要求するユーザ装置とに依存してサービス品質(QoS)を調整することをサポートしている。サービス品質は、異なる瞬間における周波数応答と、複数のユーザ装置及びヘッドエンド装置の間の異なる距離とに従って適応化可能である。
さらに、この方法では、システムの全帯域幅にわたって、複数のユーザ装置及びヘッドエンド装置によって観測されるS/Nを常に計算しかつモニタリングすることにより、個々の通信要求の間で、利用可能な帯域幅をヘッドエンド装置により動的に割り当てることをサポートしている。これにより、OFDMシステムにおけるすべての搬送波は、各瞬間における各ユーザ装置の送信の必要性と、当該ユーザ装置に対して確立されたサービス品質(QoS)パラメータと、システムの全容量を最大化する基準と、送信遅延時間を最小化する基準とに従って分配される。
分配される伝送リソースは、OFDMAが使用される場合には1つのシンボルに係る複数の搬送波において、TDMAが使用される場合には時間的にシンボル間において、CDMAが使用される場合には複数の符号において、複数のユーザ装置間で再分配され、常に変化する電力線の品質パラメータを常にモニタリングすることにより再分配を最適化している(例えば、特許文献1参照。)。
特表2004−531944号公報
ところで、前述したホール、学校、病院等の施設が大規模になるに従って、端末の台数も当然増大する。ホールでは、例えば、最大で2400台の遊技機が設置されることがある。ホールでは、複数台の遊技機をひとまとまりとして「島」と呼び、この「島」を複数個設けることにより全体のシステムを構築しており、大規模なホールでは最大63個の「島」が設けられていることが想定される。したがって、最大で2400台の端末が接続されるシステムを構築するには、63個の「島」入口それぞれに63個の中継機を設置するとともに、各中継機に最大で64台の子機をそれぞれ設置する必要がある。
このため、63台の中継機が同時に信号を送信した場合、信号の衝突を回避するために、63分割で信号を多重伝送する必要がある。信号の分割手法として、時間効率や符号効率の観点から周波数分割だけを採用した場合、63分割とする必要がある。市販されている屋内高速PLCモデムでは、最大64台同時利用が可能であり、リピータ機能を用いることにより、最大1024台にまで拡張できると宣伝されているものがある。例えば、http://www.hitachijoho.com/solution/network/plc.htmlを参照されたい。
ところが、PLCシステムでは、特定の周波数の伝送を保証できないため、安定した同期確立を行うためには、分割数をある程度、制限する必要がある。実際の分割数は、発明者らの過去の経験から最大でも16〜32分割以下に抑えた方が得策と考えられる。
一方、信号の分割手法として、符号分割を採用した場合には、各信号、特に、同期信号を識別するための必要最小限の識別利得を確保するためには、符号長が長くなり、オーバーヘッド(ユーザデータ伝送に直接関係しない時間)が増大し、MAC効率(対物理レイヤー利用効率)が低下してしまう。何故なら、1台の親機、複数台の中継機、中継機ごとの複数台の子機で構成した場合、各中継機は、親機から送信される同期信号(第1同期信号)を受信しているが、隣接する中継機は当該中継機に属する各子機に第1同期信号とは異なる同期信号(第2同期信号)を出力しているため、第1同期信号を識別できる必要がある。一方、子機は、親機から送信される第1同期信号や複数台の中継機から送信される複数の第2同期信号を受信する場合があるので、自機宛の第2同期信号を識別できない場合には、自機が属しない中継機から送信される第2同期信号に同期してしまうおそれがあるからである。
また、前述した多重アクセス及び多重伝送方法では、周波数と時間軸が分割され、多重化されているため、受信ダイナミックレンジが大きく確保できないという問題があった。以下、その理由を説明する。周波数分割多重でデータ通信した場合、例えば、子機を中心に考えると、近接した子機から送信された信号のレベルは大きい一方、遠く離れた中継機から送信された信号のレベルは小さい。これらの信号は、電力線で多重化された後、当該子機で受信される。当該子機の受信側のA/D変換器は、例えば、分解能が12ビットである場合、S/Nが最大で74dB程度に制限されている。受信信号を飽和させないで取り込む必要があるため、A/D変換器前段のアンプのゲインは低く抑えられる。この結果、小さな受信信号は益々ノイズに埋もれてしまうからである。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、前述のような問題を解決することを課題の一例とするものであり、これらの課題を解決することができるデータ通信システム及びデータ通信方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するために、請求項1記載の発明に係るデータ通信システムは、親機と、中継機と、前記中継機に属する複数台の子機との間でデータ通信を行うデータ通信システムであって、前記親機と前記中継機との間で同期を取るための第1の同期信号と、前記中継機と当該中継機に属する各子機との間で同期を取るための第2の同期信号とを発生する同期信号発生手段を有し、前記同期信号発生手段は、前記中継機の台数分の前記第2の同期信号を、異なる複数の多重符号で符号分割多重するとともに、前記多重符号ごとに周波数分割多重で発生し、前記第2の同期信号以外の前記データは、異なるユーザデータを周波数分割多重することなく伝送することを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデータ通信システムに係り、前記中継機が1台以上(n=k×m)台(n,k,mは正の整数)以下である場合、前記符号分割多重はk分割(1≦k≦8)であり、前記周波数分割多重はm分割(1≦m≦32)であることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のデータ通信システムに係り、前記多重符号は、異なるM系列符号であることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明に係るデータ通信方法は、親機と、中継機と、前記中継機に属する複数台の子機との間でデータ通信を行うデータ通信方法であって、前記親機と前記中継機との間で同期を取るための第1の同期信号を発生するとともに、前記中継機と当該中継機に属する各子機との間で同期を取るための前記中継機の台数分の第2の同期信号を、異なる複数の多重符号で符号分割多重するとともに、前記多重符号ごとに周波数分割多重で発生し、前記第2の同期信号以外の前記データは、異なるユーザデータを周波数分割多重することなく伝送することを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のデータ通信方法に係り、前記中継機が1台以上(n=k×m)台(n,k,mは正の整数)以下である場合、前記符号分割多重はk分割(1≦k≦8)であり、前記周波数分割多重はm分割(1≦m≦32)であることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載のデータ通信方法に係り、前記多重符号は、異なるM系列符号であることを特徴としている。
本発明によれば、親機と、複数台の中継機と、各前記中継機に属する複数台の子機を備えたデータ通信システムを構成する子機の台数が例えば、2400台程度と多数であって、複数台の中継機が同時に信号を送信した場合でも、信号が衝突することなく、また同期信号を識別するための必要最小限の識別利得を確保して、データ通信することができる。
また、本発明によれば、第2の同期信号以外のデータは、異なるユーザデータを周波数分割多重することなく伝送しているので、受信ダイナミックレンジを大きく確保することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムを適用したPLCシステムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るPLCシステムは、最大で2400台の遊技機(端末)1が設置されるホールに適用されるものである。各端末1には、それぞれPLCモデム(図示略)を有する子機2がそれぞれ接続されている。各端末1は、最大で64台がひとまとまりとなって島3を構成しており、各島3には、PLCモデム(図示略)を有する1台の中継機4が設けられている。島3は最大で63個設けられるため、中継機4は、最大で63台が必要となる。
各中継機4は、AC100Vの電力を供給するための電源ケーブル5を介して例えば、32分岐回路6及び分岐アダプタ(分岐ADP)7に接続されている。32分岐回路6は、後述するフロア入口分電盤31から供給されるAC100V単相2線又はAC100V単相3線の電圧を最大で32分岐して、電源ケーブル5及び8を介して、それぞれ中継機4、分岐ADP7及び変圧器9に供給する。分岐ADP7は、中継機4から電源ケーブル5を介して供給される信号を分岐して通信線10を介して各子機2に供給するとともに、各子機2から通信線10を介して供給される信号をまとめて電源ケーブル5を介して中継機4に供給する。変圧器9は、AC100Vの電圧をAC24Vに変換して、電源ケーブル11を介して各端末1に供給する。
一方、当該ホールが入っている建物の、例えば、屋上には、受電設備(図示略)が設けられている。この受電設備には、受電設備内分電盤21が設けられている。受電設備内分電盤21は、変圧器22と例えば、6分岐回路23とを有している。変圧器22は、外部から供給されるAC6.6kVの電圧をAC100Vの電圧に変換して電源ケーブル24を介して6分岐回路23に供給する。6分岐回路23は、変圧器22から供給されるAC100Vの電圧を最大で6分岐して、電源ケーブル25を介してフロア入口分電盤31に供給する。
フロア入口分電盤31は、1個の例えば、32分岐回路32と、複数個の例えば、32分岐回路33と、親機34及び34と、分岐アダプタ(分岐ADP)35とを有している。1個の32分岐回路32と、複数個の32分岐回路33とは、それぞれ独立した電源ケーブル25を介して前述した6分岐回路23からAC100Vの電力が供給されている。32分岐回路32は、電源ケーブル26を介して親機34にAC100Vの電力を供給している。この電源ケーブル26は、電源ケーブル42と接続されている。電源ケーブル42は、ホール内監視室41の壁コンセント43と接続されている。
親機34は、PLCモデム61(図6参照)を有しており、ホール内監視室41から電源ケーブル42及び26を介して供給される信号及び親機34から信号線37を介して供給される信号に基づいて、各種信号処理を行う。一方、親機34もPLCモデム(図示略)を有しており、親機34から信号線37を介して供給される信号及び分岐ADP35から通信線37を介して供給される信号に基づいて、各種信号処理を行う。また、親機34は、生成した信号を通信線37を介して分岐ADP35に供給する。分岐ADP35は、親機34から通信線37を介して供給される信号を分岐して電源ケーブル38を介して各32分岐回路33に供給するとともに、各32分岐回路33から電源ケーブル38を介して供給される信号をまとめて通信線37を介して親機34に供給する。
ホール内監視室41には、サーバ44と、ホール内LAN45と、子機46とが概略設置されている。子機46は、PLCモデム(図示略)を有しており、電源ケーブル47及び差し込みプラグ48を介して壁コンセント43に接続されているとともに、通信線49を介してホール内LAN45に接続されている。サーバ44は、通信線50を介してホール内LAN45と接続されている。ホール内LAN45は、通信線51、WAN52及び通信線53を介して、リモート監視センタ内に設置されたセンタ内サーバ54に接続されている。
前述した構成において、最大で63台の中継機4が同時に信号を送受信する場合、信号の衝突を回避するために、63分割で信号を多重伝送する必要がある。信号の分割手法として、周波数分割又は符号分割のいずれか一方だけでは、前述したPLCシステムの構築に不適切であることは既述の通りである。そこで、本実施の形態では、周波数分割を16分割とするとともに、符号分割を4分割とすることにより、合計63分割の条件を満たすこととした。
まず、周波数分割は16分割であり、前述した周波数分割数の限界である最大32分割より低く設定されているため、マージンが大きく、高い安定性が得られる。次に、符号分割数は4分割と少ないため、漏洩電波も6dB増以下に低減することが可能である。通常、符号を4個足すということは、4台の中継機4が同時に信号を送信することであり、漏洩電波も6dB増加することになるが、公知のピーク漏洩抑圧変調技術等を併用するとともに、直交関係にある符号系列を採用することにより、容易に漏洩電波も所望の許容値内に低減することが可能となる。なお、漏洩電波に関する許容値は、規格化されており、電気学会・高速電力線通信システムとEMC調査専門委員会編、「高速電力線通信システム(PLC)とEMC」、第1版第1刷、株式会社オーム社、平成19年11月20日(以下「技術文献」という。)のp.11〜p.15に詳しい。
ここで、公知のピーク漏洩抑圧変調技術とは、1個の信号を送信する際に、そのエネルギーを時間軸上で分散して送信することにより、多重した時のピークが分散されるので、結果としてピーク漏洩が抑圧されるものをいう。なお、公知のピーク漏洩抑圧変調技術については、例えば、前述した技術文献のp.97や特開2007−325071号公報を参照されたい。
次に、符号(多重符号)を選択する条件として、例えば、(1)直交できること、(2)他の信号と識別するための識別利得が確保できること、(3)符号分割多重ができること、(4)十分な周波数許容範囲を確保できること、(5)符号分割数に対応した個数の異なる符号が確保できること、が挙げられる。
これらのうち、前述した(5)の条件において、「0」及び「1」の並びが一見異なっていても、ビットシフトすることにより完全に重なる場合には、位相が異なるのみで同一の符号であるとみなせる。このような位相のみが異なる拡散符号は、複数の情報を同一のタイミングで同期をとって伝送する同期符号分割多重接続(S−CDMA:Synchronous Code Division Multiple Access)では使用可能である。しかし、本実施の形態のように、複数の情報を同一のタイミングで同期をとることなく伝送する非同期符号分割多重接続(A−CDMA:Asynchronous Code Division Multiple Access)では使用困難である。すなわち、符号は、すべて異なり、それぞれの符号間に相関(類似性)がないことが要求される。
そこで、前述した5つの条件を満たすものとして、疑似雑音(PN:pseudo noise)符号の一種であるM系列(Maximum length
sequence)符号を用いる。この点、Gold系列符号は、符号長が短い場合には前述した(2)の条件を満たさず、符号長が長い場合には前述した(4)の条件を満たさないため、適当でない。
本発明者らは、前述した(1)〜(4)の条件に基づいて、1段(1PN)、2段(1PN)、3段(1PN)、4段(1PN)、・・・と短い符号長から順に、(5)の条件である異なる種類の符号の数(今の場合、4個)を確保できるM系列符号を調査した結果、13段(13PN)が最も短い符号長であって、異なる4個のM系列符号を確保できることを突き止めた。このことから、本実施の形態では、図3に示す13段のM系列符号(13PN)を、周波数多重の同期信号であり、各中継機に属する各子機が当該中継機との間で同期を取るためのビーコン信号(同期信号)BC2の基本パターンとして採用している。なお、図3の詳細については、後述する。また、ビーコン信号(同期信号)BC2以外のデータは、ビーコン信号(同期信号)BC1含めて周波数分割多重することなく時分割多重で伝送する。
次に、本実施の形態では、子機2及び46、中継機4並びに親機34及び34を構成するPLCモデムは、後述する多重分離処理部73を構成するタイミング同期部(TIM抽出&PLL)82(図6参照)内に備えられたビーコン信号BC2検出回路101(図7参照)に、PNフィルタ(PNF)101及び109の二重のPNフィルタ構成(二重直交フィルタ手段)を用いている。また、信号系列再生回路107(図7参照)は、信号系列の相対位相信号を再生している。以上のことにより、親機34と子機46との間及び親機34と中継機4との間で同期をとるためのビーコン信号(同期信号)BC1又は、個々のチャネルが干渉せずに最終的なキャリアの位相及び振幅を調整するためのトレーニング信号TRのいずれかが存在する環境下でも、安定した高い識別利得をビーコン信号BC2を用いて実現することができる。
さらに、本実施の形態では、PLCモデムを有する子機2及び46、中継機4並びに親機34は、後述する多重分離処理部73を構成するタイミング同期部(TIM抽出&PLL)82(図6参照)内に備えられたビーコン信号BC2検出回路101(図7参照)の最終段に39周期分の最大抽出回路111を設けている。これにより、高い安定性と識別利得確保を実現することができる。
以下、本実施の形態について、さらに詳細に説明する。
図2は、本実施の形態に係るPLCシステムで送受信されるマスタフレームの構成の一例を示す図である。マスタフレームは、図2に示すように、同期信号としてのビーコン信号BC1及びBC2の送受信に用いられる同期信号エリアと、データの送受信に用いられるデータエリア等とから構成されている。図2から分かるように、ビーコン信号BC2は、符号4分割として、4個の異なる、ビーコン信号BC2A、ビーコン信号BC2B、ビーコン信号BC2C及びビーコン信号BC2Dが送受信されるとともに、周波数16分割として、ビーコン信号BC2A、BC2B、BC2C及びBC2Dごとに、16種類のビーコン信号BC2A#01〜BC2A#16、BC2B#01〜BC2B#16、BC2C#01〜BC2C#16及びBC2D#01〜BC2D#16が送受信される。
図3は、符号分割数4に対応した4個の異なる、ビーコン信号BC2A、BC2B、BC2C及びBC2Dについて、非反転パターンと反転パターンを示したものである。反転パターンは、非反転パターンの位相を180度回転したものであり、符号(正号「+」及び負号「−」)を反転したものとなっている。非反転パターンと反転パターンとを設けているのは、偶数チャネルと奇数チャネルで直交関係を維持し、高い識別利得を得るためである。
また、図4は、前述した4個の異なるビーコン信号BC2のうち、ビーコン信号BC2Aの自己相関特性の一例を示す図である。ビーコン信号BC2は、非反転パターンと反転パターンのいずれも同一の自己相関特性を示している。ビーコン信号BC2A〜BC2Dをこのように構成しているのは、できるだけ相関をとるとともに、多重したときの時間波形のピークを抑えたり、雑音との相関を避けて利得を稼ぐためである。
また、図5は、ビーコン信号BC2Aの送信パターンの一例を示す図である。図5は、ビーコン信号BC2Aの符号コードを上位と下位の2段に分け、図3に示す下位の符号コード(13PNの直交系列)の上位にさらに図3に示す上位の符号コード(13PNの直交系列)を二重に多重することにより、最終的な13周期分の送信コードを生成したものを示している。
図5において、符号パターンは偶数及び奇数の2段あるが、これは、周波数軸上の偶数チャネル及び奇数チャネルをそれぞれ示している。本実施の形態では、偶数チャネル及び奇数チャネルのコードを時間軸でずらすことにより、直交性を確保するとともに、送信側でのピーク値低減並びに、受信側での隣接間干渉の最小化、さらには、識別利得を確保している。なお、図5において、下位パターンには、非反転パターンと反転パターンの2種類のどちらかが用いられるが、このどちらを用いるかは、上位の符号コードの極性によって決定される。
図6は、親機34又は34を構成するPLCモデム61の構成を示すブロック図である。このPLCモデム61は、特許請求の範囲における多重伝送装置に該当する。PLCモデム61は、ディジタル部62と、アナログ部63と、電源部64と、送信ドライバ回路(DV)65と、トランス66と、コモンモードチョーク(CMC)67と、接続部68とから構成されている。
ディジタル部62は、PLCメディアアクセス(PLC−MAC)制御部71と、多重化処理部72と、多重分離処理部73とから概略構成されている。PLC−MAC制御部71は、接続部68を介して外部と送受信データの授受を行うとともに、CPU等からなるコントローラ85からの指示に基づいて、時分割処理等を行い、コントローラ85からの制御情報の転送やユーザデータのタイムスロット管理を実施する。多重化処理部72は、送信データを多重化して送信する。多重分離処理部73は、受信信号を分離して受信データとする。
多重化処理部72は、スクランブラ(SCR)・和分回路74と、信号点発生部75と、逆高速フーリエ変換部(IFFT)76と、変調部(MOD)77と、D/A変換器78とから構成されている。スクランブラ(SCR)・和分回路74は、PLC−MAC制御部71からの送信データをランダム化し、送信スペクトルの安定化又は漏洩電界の安定化を実現するとともに、回線変動に耐えるべく位相和分を行う。
信号点発生部75は、複数チャネルの送信信号点を発生するとともに、必要に応じて、ノッチの生成やスペクトル拡散等を行う。また、信号点発生部75は、同期信号であるビーコン信号BC1、ビーコン信号BC2A#01〜BC2A#16、BC2B#01〜BC2B#16、BC2C#01〜BC2C#16及びBC2D#01〜BC2D#16を、符号4分割の符号分割多重及び周波数16分割の周波数分割多重で発生する。
そして、符号分割多重時には、必要チャネルのみ特定の符号コードが送信されるように構成されている。このように構成することにより、周波数分割多重が16分割することができる。この周波数分割多重を16分割多重するためには、ノッチの技術を使用する。ノッチの技術は、IFTT76の特定のチャネルの送信を停止することで行う。なお、ノッチの技術の詳細については、例えば、前述した技術文献のp.54〜p.60を参照されたい。
なお、必要な送信パターンは、例えば、信号点発生部75内に設けられたROM等に予め記憶しておくことが好ましい。このビーコン信号BC1、ビーコン信号BC2A#01〜BC2A#16、BC2B#01〜BC2B#16、BC2C#01〜BC2C#16及びBC2D#01〜BC2D#16を発生する信号点発生部75の機能は、同期信号発生手段と呼ぶことができる。
IFFT76は、信号点発生部75から供給される複数チャネルの送信信号点である周波数軸上の情報を、時間軸上の情報に変換する。MOD77は、IFFT76から供給される時間軸上の情報を波形整形した後、変調する。IFTT76及びMOD77は、信号点を時間軸上はナイキスト時間間隔で、かつ、周波数軸上はナイキスト周波数間隔で多重化するように構成されている。D/A変換器78は、MOD77からの変調信号をアナログ信号に変換する。
多重分離処理部73は、A/D変換器79と、復調部(DEM)80と、高速フーリエ変換部(FFT)81と、タイミング同期部(TIM抽出&PLL)82と、信号点判定部83と、差分・デスクランブル(DSCR)回路84とから構成されている。A/D変換器79は、アナログ部63からの受信信号をディジタル信号に変換する。DEM80は、A/D変換器79からのディジタル信号に変換された受信信号を復調してベースバンド信号とした後、不要帯域を除去する。
FFT81は、DEM80からの信号の時間軸上の情報を周波数軸上の情報に変換する。信号点判定部83は、FFT81からの周波数軸上の情報について受信信号点を判定する。タイミング同期部82は、FFT81からの個々の周波数軸上の情報に基づいて、同期信号であるビーコン信号BC1、ビーコン信号BC2A#01〜BC2A#16、BC2B#01〜BC2B#16、BC2C#01〜BC2C#16及びBC2D#01〜BC2D#16について処理を行い、ビーコン信号BC1、BC2A#01〜BC2A#16、BC2B#01〜BC2B#16、BC2C#01〜BC2C#16及びBC2D#01〜BC2D#16を検出する。そして、タイミング同期部82は、DCXO94を制御して、所望の同期を確立する。
差分・DSCR回路84は、受信信号点が判定された信号の位相差分をとった後、ランダム化されていた状態を元に戻すことにより、送信データを再生する。この送信データは、PLC−MAC制御部71及び接続部68を介して端末(図示略)へ転送される。
アナログ部63は、第1ローパスフィルタ(LPF)91と、ハイパスフィルタ及びゲインスイッチ部(HPF&GSW)92と、第2LPF93と、ディジタル制御水晶発振器(DCXO)94とから構成されている。第1LPF91は、多重化処理部72から供給されるアナログ信号上の不要帯域を除去する。HPF&GSW92は、CMC67及びトランス66とを介して入力された受信信号より不要な低域成分を除去した後、所定レベルまで増幅する。第2LPF93は、HPF&GSW92からの受信信号の高域の不要帯域成分を除去する。DCXO94は、タイミング同期部82から供給されるアナログ信号に基づいて、所定の発振周波数の基準クロックを生成してA/D変換器79に供給する。
接続部68は、100BASE−TX側から入出力される信号(LANデータ)を処理するイーサネット(登録商標)処理部(Ether−PHY)86と、フィルタリング処理、フラグメント処理、再送処理、暗号化処理及びスイッチング処理等を行うPLCスイッチ部(PLC−SW)87とから構成されている。
電源部64は、例えば、DC電圧5Vの動作電圧を各部に供給する電源出力部95と、スイッチング電源で構成された電源出力部95のスイッチング雑音の漏洩を抑制する電源フィルタ96とを有している。送信ドライバ回路65は、第1LPF91から供給される信号を増幅した後、トランス66及びCMC67を介してAC100Vの屋内配電線側に送信する。
図7は、前述したタイミング同期部82内に備えられたビーコン信号BC2検出回路101の構成を示すブロック図である。ビーコン信号BC2検出回路101は、相関フィルタ回路(PNF)102と、二乗回路103と、最大パワー抽出回路104と、最大信号抽出回路105と、複素共役反転検出回路106と、信号系列再生回路107と、パワー信号再生回路108と、13周期フィルタ回路109と、二乗和回路110と、最大抽出回路111と、ビーコン検出回路112とから構成されている。
PNF102は、送信側のビーコン信号BC2の係数と同じ係数をフィルタ係数とした相関フィルタである。PNF102は、図6に示すFFT81から供給される周波数軸上の情報から周波数軸上の個々のチャネルのビーコン信号BC1及びBC2を相関検出する。PNF102は、13周期分のビーコン信号BC2を、上位の符号コードに従い、ピーク値の極性を反転させた波形を有する信号S1を出力する。
二乗回路103は、PNF102の出力信号S1を二乗して信号S2を出力する。最大パワー抽出回路104は、二乗回路103の出力信号S2の1周期(下位13PN時間長)内における最大パワー値S3及びその時間アドレス情報(以下「最大アドレス情報」という。)MAを抽出する。最大信号抽出回路105は、最大パワー抽出回路104から供給される最大アドレス情報MAに基づいて、PNF102の出力信号S1の最大信号点を抽出し、1周期に1サンプルの信号を代表点信号S4として出力する。
複素共役反転検出回路106は、最大信号抽出回路105から供給される代表点信号S4と、前周期で出力された代表点信号(基準)とに基づいて、新たに受信した代表点信号の位相が反転したか否かを判断し、位相反転がある場合には「1」となり、位相反転がない場合には「0」となる位相反転信号S5を出力する。信号系列再生回路107は、複素共役反転検出回路106から供給される位相反転信号S5を用いて、順次、信号系列の相対位相信号S6を再生する。
パワー信号再生回路108は、最大パワー抽出回路104から供給される最大パワー値S3と、信号系列再生回路107から供給される信号系列の相対位相信号S6とに基づいて、元の送信信号系列に近いパワー系列S7を再生する。パワー信号再生回路108は、タイミング同期部82内に備えられたPLLが引き込んでいない場合でも、1周期ごとの相対位相信号S6に基づいてビーコン信号BC2波形を再生しているため、高い周波数許容範囲が得られる。
PNF109は、パワー信号再生回路108から供給されるパワー系列S7の13周期分の相関波形S8を出力する。この場合、パワー系列S7は、PNF102から出力される信号S1のパワーの1周期ごとの最大点を用いているため、受信キャリアの位相に依存しない安定したビーコン信号BC2を検出することができる。
二乗和回路110は、PNF109から供給される13周期分の相関波形S8を二乗した後、チャネル数分、周波数軸上で多重化する。最大抽出回路111は、39周期分のビーコン信号BC2の中から最大のビーコン信号BC2を抽出する。ビーコン検出回路112は、図示しないが、dB中央値判定手段を有している。ここで、dB中央値判定とは、識別利得が例えば幅で12dBあった場合に、ビーコン信号BC2の検出閾値を典型値の理想受信点から12dBの半分の6dBダウン点で識別判断することにより、ビーコン信号BC2を検出するものである。
次に、前述した構成のビーコン信号BC2検出回路101の動作について、図8〜図13を参照して説明する。まず、図6に示すFFT81から供給される周波数軸上の情報が図示せぬビーコン相関フィルタを通過することにより、周波数軸上の個々のチャネルのビーコン信号BC1及びBC2が相関検出される。
次に、図7に示すPNF102は、13周期分のビーコン信号BC2を、上位の符号コードに従って周期ごとにピーク値の極性を反転させた波形を有する信号S1を出力する。図8は、1チャネル分の信号S1を示している。次に、二乗回路103は、PNF102の出力信号S1を二乗して図9に示す信号S2を出力する。図9から分かるように、マイナス成分は存在しない。図9は、1チャネル分の信号S1を示している。
次に、最大パワー抽出回路104は、二乗回路103の出力信号S2の1周期(下位13PN時間長)内における最大パワー値S3及びその時間アドレス情報(以下「最大アドレス情報」という。)MAを抽出する。一方、最大信号抽出回路105は、最大パワー抽出回路104から供給される最大アドレス情報MAに基づいて、PNF102の出力信号S1の最大信号点を抽出し、1周期に1サンプルの信号を図10に示す代表点信号S4として出力する。
次に、複素共役反転検出回路106は、最大信号抽出回路105から供給される代表点信号S4と、前周期で出力された代表点信号(基準)とに基づいて、新たに受信した代表点信号の位相が反転したか否かを判断し、位相反転がある場合には「1」となり、位相反転がない場合には「0」となる位相反転信号S5(図11参照)を出力する。
次に、信号系列再生回路107は、複素共役反転検出回路106から供給される位相反転信号S5を用いて、順次、信号系列の相対位相信号S6(図11参照)を再生する。これにより、パワー信号再生回路108は、最大パワー抽出回路104から供給される最大パワー値S3と、信号系列再生回路107から供給される信号系列の相対位相信号S6とに基づいて、元の送信信号系列に近いパワー系列S7(図11参照)を再生する。パワー信号再生回路108は、タイミング同期部82内に備えられたPLLが引き込んでいない場合でも、1周期ごとの相対位相信号S6に基づいてビーコン信号BC2波形を再生しているため、高い周波数許容範囲が得られる。
PNF109は、パワー信号再生回路108から供給されるパワー系列S7の13周期分の相関波形S8を出力する。この場合、パワー系列S7は、PNF102から出力される信号S1のパワーの1周期ごとの最大点を用いているため、受信キャリアの位相に依存しない安定したビーコン信号BC2を検出することができる。図12は、13周期分の相関波形S8のイメージを示しているが、13周期分の相関波形となっている。
次に、二乗和回路110は、PNF109から供給される13周期分の相関波形S8を二乗した後、チャネル数分(例えば、384チャネル)、周波数軸上で多重化する。これにより、S/Nの向上が図られている。次に、最大抽出回路111は、39周期分のビーコン信号BC2の中から最大のビーコン信号BC2'を抽出する。
そして、ビーコン検出回路112は、内部のdB中央値判定手段により、識別利得が例えば幅で12dBあった場合に、ビーコン信号BC2の検出閾値を典型値の理想受信点から12dBの半分の6dBダウン点で識別判断することにより、ビーコン信号BC2を検出する。雑音変動や干渉劣化等、大半がdB基準であるため、dBの中央値に判定閾値を設定することにより、安定した識別が可能となる。
ここで、図14に簡易なシミュレーションをした結果を示す。(1)は供給されたビーコン信号BC2Aが非反転の場合、(2)は供給されたビーコン信号BC2Aが反転の場合である。それぞれ第1段が最大パワー抽出回路105から出力される最大パワー値S3の値、第2段が最大信号抽出回路105から出力される代表点信号S4の値、第3段が複素共役反転検出回路106から出力される位相反転信号S5の値である。また、第4段は、それぞれ信号系列再生回路107から出力される信号系列の相対位相信号S6の非反転再生及び反転再生のそれぞれの値及び誤差である。図14からは、誤差が許容範囲であることが分かる。
このように、本実施の形態によれば、中継機4の63台数分のビーコン信号BC2を、異なる4個の符号で符号分割多重するとともに、符号ごとに16分割の周波数分割多重で発生している。したがって、複数台の中継機4が同時に信号を送信した場合でも、信号が衝突することなく、情報を多重伝送することができる。このため、オーバーヘッドが増大することなく、MAC効率も低下することはない。
また、本実施の形態によれば、最大パワー抽出回路104及び最大信号抽出回路105を設けることにより、本来のビーコン信号BC2の前後の誤った相関点への引き込み、すなわち、自機が属しない中継機4から送信されるビーコン信号BC2への同期が解消される。また、本実施の形態によれば、13PNの上位にさらに13PNの直交系列を二重に多重してビーコン信号BC2を送信するとともに、受信側に二重のPNF102及び109を設けている。これにより、必要最小限の識別利得を確保することができる。
また、本実施の形態によれば、受信側の周波数が引き込んでいない、すなわち、同期が確立していない場合に信頼の置ける情報である信号のパワー及び位相の相対変化に基づいて、他の信号系列の再生、構造上のチェック、符号量のチェック、フィルタリング、識別を行っている。したがって、ビーコン信号BC1を無視して当該子機2が属する中継機4からのビーコン信号BC2に安定的に同期することができる。
また、本実施の形態によれば、第2の同期信号以外のデータは、異なるユーザデータを周波数分割多重することなく時分割多重で伝送しているので、受信ダイナミックレンジを大きく確保することができる。何故なら、データ送信を時分割多重で行った場合、個々の信号が時間軸で独立しているため、A/D変換器79の前段に設けられているHPF&GSW92を構成するアンプ(図示略)のゲインを受信信号レベルに合わせて調整することにより、受信信号の取り込み範囲がかなり広くとることができるからである。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
上述の実施の形態では、親機34を構成するPLCモデム61の構成のみについて説明した。親機34 、子機2及び46並びに中継機4を構成するPLCモデムの構成は、接続部68の構成以外は、前述したPLC61の構成と異なることはない。ただし、各PLCモデムが取り扱う信号、データや実行されるプログラム等が異なっている。
また、上述の実施の形態では、中継機4の台数が最大で63台であるので、符号分割多重を4分割に設定するとともに、周波数分割多重を16分割に設定する例を示したが、これに限定されない。より一般化して以下のように示すことができる。すなわち、中継機が1台以上(n=k×m)台(n,k,mは正の整数)以下である場合、符号分割多重はk分割(1≦k≦8)とするとともに、周波数分割多重はm分割(1≦m≦32)とすることができる。kが8より大きい場合には、周波数の許容偏差が良好ではなくなる。
また、上述の実施の形態では、多重伝送装置としてのPLCモデムは、多重化処理部72及び多重分離処理部73の両方を備えている例を示したが、これに限定されない。多重伝送装置は、多重化処理部72又は多重分離処理部73のいずか一方のみを備えた構成とすることができるものであり、データ伝送における送信側の多重化処理部72を主要部とした多重伝送装置又は受信側の多重分離処理部73を主要部とした多重伝送装置とすることができる。また多重伝送方法においても、同様に、いずれか一方のみを適用することができる。
本発明の実施の形態に係る多重伝送装置を適用したPLCシステムの概略構成を示すブロック図である。 本実施の形態に係るPLCシステムで送受信されるマスタフレームの構成の一例を示す図である。 ビーコン信号BC2A〜BC2Dについて、非反転パターンと反転パターンを示す図である。 ビーコン信号BC2Aの自己相関特性の一例を示す図である。 ビーコン信号BC2Aの送信パターンの一例を示す図である。 親機を構成するPLCモデムの構成を示すブロック図である。 図5に示すタイミング同期部内に備えられたビーコン信号BC2検出回路の構成を示すブロック図である。 ビーコン信号BC2検出回路の動作を説明するための図である。 ビーコン信号BC2検出回路の動作を説明するための図である。 ビーコン信号BC2検出回路の動作を説明するための図である。 ビーコン信号BC2検出回路の動作を説明するための図である。 ビーコン信号BC2検出回路の動作を説明するための図である。 ビーコン信号BC2検出回路の動作を説明するための図である。 ビーコン信号BC2検出回路の動作を簡易にシミュレーションをした結果を示す図である。
符号の説明
1…遊技機(端末)、2,46…子機、3…島、4…中継機、5,8,11,24,25,26,38,42,47…電源ケーブル、6,32,33…32分岐回路、7,35…分岐アダプタ(分岐ADP)、9,22…変圧器、10,37,37,49,50,51,53…通信線、21…受電設備内分電盤、23…6分岐回路、31…フロア入口分電盤、34,34…親機、41…ホール内監視室、43…壁コンセント、44…サーバ、45…ホール内LAN、48…差し込みプラグ、52…WAN、54…センタ内サーバ、61…PLCモデム、62…ディジタル部、63…アナログ部、64…電源部、65…送信ドライバ回路(DV)、66…トランス、67…コモンモードチョーク(CMC)、68…接続部、71…PLCメディアアクセス(PLC−MAC)制御部、72…多重化処理部、73…多重分離処理部、74…スクランブラ(SCR)・和分回路、75…信号点発生部(同期信号発生手段)、76…逆高速フーリエ変換部(IFFT)、77…変調部(MOD)、78…D/A変換器、79…A/D変換器、80…復調部(DEM)、81…高速フーリエ変換部(FFT)、82…タイミング同期部(TIM抽出&PLL)、83…信号点判定部、84…差分・デスクランブル(DSCR)回路、85…コントローラ(CPU)、86…イーサネット処理部(Ether−PHY)、87…PLCスイッチ部(PLC−SW)、91…第1ローパスフィルタ(LPF)、92…ハイパスフィルタ及びゲインスイッチ部(HPF&GSW)、93…第2LPF、94…ディジタル制御水晶発振器(DCXO)、95…電源出力部、96…電源フィルタ、101…ビーコン信号BC2検出回路、102…相関フィルタ回路(PNF)、103…二乗回路、104…最大パワー抽出回路、105…最大信号抽出回路、106…複素共役反転検出回路、107…信号系列再生回路、108…パワー信号再生回路、109…13周期フィルタ回路、110…二乗和回路、111…最大抽出回路、112…ビーコン検出回路

Claims (6)

  1. 親機と、中継機と、前記中継機に属する複数台の子機との間でデータ通信を行うデータ通信システムであって、
    前記親機と前記中継機との間で同期を取るための第1の同期信号と、前記中継機と当該中継機に属する各子機との間で同期を取るための第2の同期信号とを発生する同期信号発生手段を有し、
    前記同期信号発生手段は、
    前記中継機の台数分の前記第2の同期信号を、異なる複数の多重符号で符号分割多重するとともに、前記多重符号ごとに周波数分割多重で発生し、
    前記第2の同期信号以外の前記データは、異なるユーザデータを周波数分割多重することなく伝送する
    ことを特徴とするデータ通信システム。
  2. 前記中継機が1台以上(n=k×m)台(n,k,mは正の整数)以下である場合、前記符号分割多重はk分割(1≦k≦8)であり、前記周波数分割多重はm分割(1≦m≦32)である
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータ通信システム。
  3. 前記多重符号は、異なるM系列符号であることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ通信システム。
  4. 親機と、中継機と、前記中継機に属する複数台の子機との間でデータ通信を行うデータ通信方法であって、
    前記親機と前記中継機との間で同期を取るための第1の同期信号を発生するとともに、
    前記中継機と当該中継機に属する各子機との間で同期を取るための前記中継機の台数分の第2の同期信号を、異なる複数の多重符号で符号分割多重するとともに、前記多重符号ごとに周波数分割多重で発生し、
    前記第2の同期信号以外の前記データは、異なるユーザデータ周波数分割多重することなく伝送する
    ことを特徴とするデータ通信方法。
  5. 前記中継機が1台以上(n=k×m)台(n,k,mは正の整数)以下である場合、前記符号分割多重はk分割(1≦k≦8)であり、前記周波数分割多重はm分割(1≦m≦32)である
    ことを特徴とする請求項4に記載のデータ通信方法。
  6. 前記多重符号は、異なるM系列符号であることを特徴とする請求項4又は5に記載のデータ通信方法。
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