JP5113419B2 - 電動工具 - Google Patents

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Description

本発明は、主に電池により駆動されサイズの比較的大きな永久磁石整流子モータを備えた電動工具に関する。
電動工具等に用いられるモータとしては、永久磁石整流子モータが従来より知られており、一般にこのタイプの永久磁石整流子モータは主に電池により駆動される。
特開平11−136883号公報には、比較的小型の永久磁石整流子モータが記載されている。永久磁石整流子モータは、ハウジングと固定子と電機子とブラシと整流子とを有しており、固定子は、外形が略四角柱形状の筒状の固定子ヨークと界磁磁石とを有している。固定子ヨークの内周面は、軸方向に垂直に切った断面では円形をしている。略四角柱形状の固定子ヨークの外周面上であって、4つの角部に相当する位置には、それぞれ外方へ突出する継鉄部が設けられており、互いに隣合う2つの継鉄部の間にはそれぞれ界磁磁石が設けられている。従って、界磁磁石は計4つ設けられており、固定子ヨークの外側であって固定子ヨークの直径方向の互いに反対方向の相対向する位置に固着されている。固定子ヨークは、鋼板が積層されて構成されてなり、界磁磁石は永久磁石からなる。界磁磁石によって固定子には4極の界磁磁極が生じ、この4極の界磁磁極によって界磁が生ずる。
ブラシは、ブラシ保持装置を介してハウジングに固着されている。ハウジングは、略筒形状をしており、固定子ヨークに対して同軸的且つ移動不能に接続されている。ハウジングの内周面には、ハウジングの半径方向内方へ突出するようにしてブラシ保持装置が設けられており、ブラシはブラシ保持装置によって、ハウジングの半径方向内方へ突出している。ブラシは、電源を構成する電池に電気的に接続されている。
電機子は固定子の内方に設けられており、シャフトとコアとコイルとを有している。シャフトは固定子ヨークの軸心の位置に固定子ヨークに対して回転可能に設けられている。シャフトにはコアが固着されており、コアには複数のスロットが形成されている。コアには、スロットに掛けられるようにして導線が巻回されており、巻回された導線はコイルをなす。また、シャフト上であってブラシに対向する位置には、略円柱形状の整流子がシャフトに同軸的に固着されており、シャフトは、整流子及びコアとともに一体回転するように構成されている。整流子はコイルに電気的に接続され、また、ブラシと常時接触しており、ブラシ及び整流子を介してコイルへ電流が供給されて、電機子に回転トルクが発生するように構成されている。
特開平11−136883号公報(第2頁、図3)
しかし、上述の従来の永久磁石整流子モータでは、固定子ヨークは鋼板が積層されて構成されていたが、積層方向において隣合う鋼板を互いに結合する方法については開示されていなかった。例えば、隣合う鋼板どうしをカシメ固定することが考えられるが、従来の永久磁石整流子モータは小型であるため、鋼板にカシメ固定を行うための凹凸を設けると鋼板が変形する恐れがあり、実際にカシメ固定をすることは不可能である。また、固定子ヨークの外部に界磁磁石が設けられていたため、磁束を有効に利用できなくなり、モータの性能が低かった。
そこで本発明は、積層方向に隣接する鋼板どうしが、互いにカシメ固定されて結合されることにより固定子ヨークが構成され、磁束を有効に利用できる永久磁石整流子モータを備えた電動工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、外枠であるハウジングと、該ハウジングに収容される固定子であって、該ハウジングの内周面に支持される固定子ヨークと、該固定子ヨークの内周面に固着されて界磁磁極を生じさせる永久磁石とを有する固定子と、該固定子の内方に回転可能に設けられ、整流子を有する電機子と、該ハウジングの内周で支持されるブラシホルダであって、該整流子に電力を供給するブラシを保持するブラシホルダと、を備えた電動工具であって、該固定子ヨークは、薄板状の環状体であって外周と内周の間に形成された凸部を有する一の環状体と、該一の環状体と隣接する薄板状の環状体であって外周と内周の間に形成されて該凸部と嵌合する凹部を有する他の環状体とを備え、該凸部及び該凹部は該環状体の半径方向における該永久磁石の外方に設けられ、該凸部と該凹部との嵌合によるカシメ固定によって該凸部と該凹部とが互いにカシメ固定され、該環状体の内周であって該環状体の半径方向における該永久磁石の外方には凹部が形成されている電動工具を提供している。
請求項1記載の電動工具によれば、界磁磁石が固定子ヨークの内周面に設けられているため、磁束を有効に利用でき、高性能の永久磁石整流子モータとすることができる。また、積層方向において隣接する複数枚の環状体は、互いにカシメ固定されて接続されているため、容易に複数の環状体を積層して固定子ヨークを製造することができる。また、板状の複数枚の環状体が固定子ヨークの軸方向へ同軸的に積層されて固定子ヨークが構成されるため、環状体の軸方向の厚さを最小単位とすることができ、環状体を積層する枚数を所望の枚数とすることにより、固定子ヨークの軸方向の長さを任意に設定することができる。積層する環状体の枚数は、プレス加工時にプレス加工を行う機械において自動設定することができるので、軸方向の長さの異なる固定子ヨークを製造する場合であっても、機械を取換える必要もなく、極めて容易に軸方向長さの設定を変更することができる。このため、軸方向長さの違う固定子ヨークを製造する際に、コストダウンを図ることができる。また、環状体はプレス加工により製造されるため、プレス加工の型を変えてやることにより環状体の形状を任意の形状とすることができる。例えば、環状体の内周面に凸部等を部分的に設けることも容易である。そして、図15に示されるように凹凸部が設けられているので、ハウジングにこれらの凹凸部に係合可能な凸凹部を設ければ、固定子ヨークの凹凸部がハウジングの凸凹部に係合でき、固定子ヨークをハウジングに対して容易に位置決め固定できる。
本発明の第1の実施の形態による電動工具について図1乃至図4に基づき説明する。永久磁石整流子モータ1は、図1に示されるようにハウジング1Aと固定子10と電機子20とブラシ13と整流子24とを有している。ハウジング1Aは略円筒形状をしており、その内周の一部には後述する固定子ヨーク11の外周面が固着される。固定子10は固定子ヨーク11と2つの界磁磁石12、12とを有する。固定子ヨーク11は略円筒形状をなす。固定子ヨーク11の半径方向の厚さは3mm以上10mm以下程度である。固定子ヨーク11の外径はハウジング1Aの内径に一致しており、固定子ヨーク11の外周面はハウジング1Aの内周面の一部に固着されている。
2つの界磁磁石12、12は永久磁石からなり、略長方形をした板状の永久磁石が円弧状に湾曲された形状をしている。界磁磁石12の円弧状に湾曲した面は、固定子ヨーク11の内周面の形状に一致しており、2つの界磁磁石12、12は、固定子ヨーク11の内周面の一部であって固定子ヨーク11の直径方向の相対向する位置に、接着剤によってそれぞれ固着されている。従って、ハウジング1Aの半径方向の断面で見た場合には、図2に示されるように、界磁磁石12、固定子ヨーク11、ハウジング1Aは、この順番でハウジング1Aの半径方向内方から外方へ向かって順に配置されている。2つの界磁磁石12、12によって、固定子10には2極の界磁磁極が生じ、この2極の界磁磁極によって界磁が生ずるように構成されている。
ハウジング1Aの内周面であって固定子ヨーク11が設けられていない部分には、ブラシ13とブラシ13を保持するためのブラシホルダ13Aが設けられている。ブラシ13は、ハウジング1Aの内周面に固着されて設けられているブラシホルダ13A内に収納され保持されており、ブラシホルダ13A内に設けられた図示せぬスプリングによって付勢された状態で、固定子ヨーク11の半径方向内方へ突出している。ブラシ13は図示せぬリード線を介して電源をなす図示せぬ電池に電気的に接続されている。ハウジング1Aの一端11Aは、当該一端11Aを塞ぐ蓋部11Bをなしており、また、図示せぬ他端側には、後述のシャフト21を支承するための軸受15を固定する固定部16が設けられている。
固定子10の内方には電機子20が設けられている。電機子20は、シャフト21とコア22とコイル23とを有している。シャフト21の一端21Aは蓋部11Bに設けられた軸受14、14によって支承されており、シャフト21の他端は固定部16に設けられた軸受15によって支承されており、シャフト21は、固定子ヨーク11の軸心を中心に回転可能である。シャフト21の一部にはコア22が固着されており、コア22には図示せぬ複数のスロットが形成されている。コア22においては、図示せぬスロットに掛けられるようにして導線が巻回されており、巻回された導線はコイル23をなす。コイル23は、固定子10の界磁磁石12に対向する。
シャフト21の一端21A寄りの部分には、略円柱形状の整流子24がシャフト21に同軸的に固着されており、整流子24はシャフト21及びコア22とともに一体回転するように構成されている。整流子24はコイル23に電気的に接続されている。また、整流子24はブラシ13と対向接触する位置関係にあり、図示せぬ電池からブラシ13及び整流子24を介してコイル23へ電流が供給され、電機子20に回転トルクが発生するように構成されている。また、シャフト21には、冷却ファン17が固着されており、冷却ファン17はシャフト21と一体に回転して電機子20を冷却するように構成されている。
次に、固定子ヨーク11についてより詳細に説明する。固定子ヨーク11は、図3に示されるような環状体11Cによって構成されている。環状体11Cは鉄製であり複数設けられ、図4に示されるように、固定子ヨーク11の軸方向へ同軸的に積層されている。環状体11Cは、鉄板プレス型によって板状の鉄板が打抜かれることにより製造される。このため環状体11Cは、固定子ヨーク11の軸方向でみたときの厚さの小さい板状となっている。環状体11Cの積層されている順番は、順送プレスに対応している。
環状体11Cの外周と内周との間の位置にはそれぞれ4つのカシメ部11Dが設けられており、環状体11Cが積層された後に2つの界磁磁石がそれぞれ固着される固着位置相当位置において、周方向に沿ってそれぞれ2つずつ設けられている。2つずつ設けられたカシメ部11Dは、それぞれ固定子ヨーク11の軸心を中心として回転対称の位置関係をなし、カシメ部11Dの設けられている位置は、固定子10における界磁磁極の中央位置近傍である。複数の環状体が積層されているときの隣接する2つの環状体が互いに対向し合っている面において、一方の環状体の一のカシメ部11Dが凸部をなしているとすれば、当該カシメ部11Dに対向する他方の環状体のカシメ部11Dは凹部をなし、これらは互いに嵌合し合うように構成されている。従って、固定子ヨーク11の軸方向へ同軸的に積層された複数の環状体11Cにおいては、それぞれ一の環状体11Cのカシメ部11Dの凸部が、当該一の環状体11Cに隣接する他の環状体11Cのカシメ部11Dの凹部に嵌合することによって互いにカシメ固定されている。環状体11Cが積層されカシメ固定されて円筒形状の固定子ヨーク11が製造された後に、界磁磁石12は、固定子ヨーク11の内周面に接着剤によって固着される。
カシメ部11Dによって環状体11Cどうしをカシメ固定するようにしたため、容易に複数の環状体11Cを積層して固定子ヨーク11を製造することができる。また、略円筒状をした固定子ヨーク11の内周面に界磁磁石12を固着させるようにしたため、磁力のロスを少なくすることができ、高性能の永久磁石整流子モータ1とすることができる。また、個々の環状体の半径方向の幅は3mm〜10mmと比較的大きいので、プレス加工により容易にカシメ部を提供できる。
また、固定子ヨーク11を板状の環状体11Cで構成するようにしたため、環状体11Cの軸方向の厚さを最小単位とすることができ、環状体11Cを積層する枚数を所望の枚数とすることにより、固定子ヨーク11の軸方向の長さを任意に設定することができる。また、積層する環状体11Cの枚数は、プレス加工時にプレス加工を行う機械において自動設定することができるので、軸方向の長さの異なる固定子ヨーク11を製造する場合であっても、機械を取換える必要がなく、極めて容易に軸方向長さの設定を変更することができる。このため、軸方向長さの違う固定子ヨーク11を製造する際に、コストダウンを図ることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態による電動工具について図5に基づき説明する。第2の実施の形態による電動工具の永久磁石整流子モータでは、接着剤によってではなく固定子ヨーク11の内周面に設けられた凸部31Eによって、界磁磁石12が固定子ヨーク11の内周面に保持されている点のみが第1の実施の形態による永久磁石整流子モータ1とは異なる。
図5に示されるように、内周面に界磁磁石12を保持している固定子ヨーク31の部分を構成する環状体31Cには、2つの界磁磁石12を保持するための2対計4個の凸部31Eが設けられている。凸部31Eは、それぞれ固定子ヨーク31の内周面において保持される界磁磁石12の、固定子ヨーク31の周方向の端部の位置に設けられている。凸部31Eは、固定子ヨーク31の半径方向内方へ向かって突出しており、凸部31Eの設けられている部分における固定子ヨーク31の半径方向の厚さは、他の部分よりも大きくなっている。各対をなす凸部31E、31E間の固定子ヨーク31の周方向における距離は、同方向における界磁磁石12の長さよりもわずかに小さく、一方の界磁磁石12は、一方の一対の凸部31E、31E間に圧入されることによって当該一対の凸部31E、31Eに挟まれて保持されている。他方の界磁磁石12も同様に、他方の一対の凸部31E、31E間に圧入されることによって、当該一対の凸部31E、31Eに挟まれて保持されている。従って、固定子ヨーク31の内周面に界磁磁石12を固着させるための接着剤は不要となる。
凸部31Eは、製造された環状体に後から取付けられるのではなく、プレス加工による環状体の製造と同時に設けられる。このため、固定子ヨーク31の内周面に、軸方向へ連続した凸部31Eを高精度で設けることができる。
環状体31Cに凸部31Eを設けるようにして、凸部31Eによって界磁磁石12を保持するようにしたため、界磁磁石12を固定子ヨーク31の内周面に取付ける際に、界磁磁石12の位置決めをせずに済ませることができる。また、一対の凸部31E、31Eの間に界磁磁石12を挟むことによって界磁磁石12を固定子ヨーク31の内周面に保持するため、接着剤を用いずに界磁磁石12を固定子ヨーク31の内周面に固着させることができる。接着剤を用いる場合には、接着剤を塗布して乾燥するまでの間に界磁磁石12を固定子ヨーク31に圧接保持させるための冶具が必要であり、また、接着剤の乾燥に時間が浪費され、製造コストが余計にかかるが、本実施の形態では接着剤を用いないため、製造コストの低減を図ることができる。
なお、従来では、曲げ加工によって固定子ヨークを製造していたが、この場合であって固定子ヨークの半径方向の厚さが3mm以下である場合には、固定子ヨークの継鉄部に切込みを入れて曲げ加工することにより、固定子ヨークの内周面に凸部を設けることは可能である。しかし、このようにすると、切込みの部分が空隙となり固定子ヨークの継鉄部が磁路として有効に働かなくなるので、界磁磁石により生ずる主磁束が減少し永久磁石整流子モータの効率が低下する。また、固定子ヨークの継鉄部に外周より外力を加えて固定子ヨークを塑性変形させ、内面に突起を設けることも可能である。しかし、変形させた固定子ヨークの継鉄部は、曲げ加工による成形時の引張りや圧縮により、固定子ヨークの半径方向の厚さが小さくなるので、主磁束の減少を避けることができない。
これに対して第2の実施の形態では、空隙ができたりすることはなく、また、固定子ヨーク31の半径方向の厚さは凸部31Eの設けられている分大きくなっているため、主磁束が減少することはなく、整流子モータの効率低下を防止することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態による電動工具について図6に基づき説明する。第3の実施の形態による電動工具の永久磁石整流子モータでは、固定子ヨーク41の内周面に、固定子ヨーク41の軸方向へ指向する溝41aが形成されている点のみが第1の実施の形態による永久磁石整流子モータ1とは異なる。
図6に示されるように、内周面に界磁磁石12を保持している固定子ヨーク41の部分を構成する環状体41Cの内周面側には、凹部41bが形成されている。凹部41bは、略コの字形状に切欠かれた形状をなし、環状体41Cが積層され界磁磁石12が固定子ヨーク41の内周面に固着された状態では、固定子ヨーク41の軸方向へ指向する中空の溝41aをなす。凹部41bは、固定子ヨーク41の半径方向の断面で見た場合に、2つの界磁磁石12により固定子40において生成される界磁磁極の略中央に位置する。
近年の傾向として、前述のように、固定子ヨークの半径方向の厚さを大きくすることが挙げられるが、厚さが大きくなると固定子ヨークの磁気抵抗が小さくなり、第1の実施の形態による電動工具では図7に示されるように、整流子モータの駆動時に、電機子20のコイルに電流が流れることにより生じる電機子起磁力による電機子反作用磁束Bが流れやすくなる。この電機子反作用磁束Bは界磁磁石12により発生する主磁束Aの流れを阻害し電機子20の回転トルクの低下を引き起こすので整流子モータの効率が低下するという問題がある。図7に示されるように、主磁束Aの流れは電機子20のコアと固定子10の固定子ヨーク11とを通じて図7の左右に分かれて流れ、固定子10の界磁磁極の中央の位置付近では最も少なくなるため、第3の実施の形態のように溝41aを形成して界磁磁極の略中央の位置における固定子ヨーク41の断面積を小さくしても、主磁束Aの低減にはならない。それどころか第3の実施の形態では、界磁磁極の略中央の位置に溝41aを形成することにより、固定子ヨーク41の同位置における界磁磁路の断面積を小さくすることができるので、図7に示されるような従来の電機子反作用磁束Bの流れる磁路の磁気抵抗を増加させることができ、電機子反作用磁束の影響を少なくすることができ、主磁束を有効にトルクに寄与させて整流子モータの効率向上を図ることができる。
次に、本発明の第4の実施の形態による電動工具について図8に基づき説明する。第4の実施の形態による電動工具では、固定子ヨーク51の内周面に、固定子ヨーク51の軸方向へ指向する溝41aが形成されている点のみが第2の実施の形態による電動工具とは異なる。従って、第4の実施の形態による電動工具は、第1〜第3の実施の形態による電動工具の特徴の全てを併せ持つ構成となっている。溝41aを構成する環状体51Cの凹部41bの形状、位置及び個数は、第3の実施の形態による電動工具1の凹部41bの形状及び位置と同一である。また、環状体51Cに設けられた凸部31Eの形状、位置及び個数は、第2の実施の形態による電動工具の凸部31Eの形状、位置及び個数と同一である。
界磁磁極の略中央の位置に溝41aを形成することにより、固定子ヨーク51の同位置における界磁磁路の断面積を小さくすることができるので、電機子反作用磁束の流れる磁路の磁気抵抗を増加させることができ、電機子反作用磁束の影響を少なくすることができ、主磁束を有効にトルクに寄与させて整流子モータの効率向上を図ることができる。
また、凸部31Eによって界磁磁石12を保持するようにしたため、界磁磁石12を固定子ヨーク51の内周面に取付ける際に、磁石の位置決めをせずに済ませることができる。また、一対の凸部31Eの間に界磁磁石12を挟むことによって界磁磁石12を固定子ヨーク51の内周面に保持するため、接着剤を用いて界磁磁石12を固定子ヨーク51の内周面に固着させずに済む。このため製造コストの低減を図ることができる。また、固定子ヨーク51の半径方向の厚さは凸部31Eの設けられている分大きくなっているため、主磁束が減少することはなく、整流子モータの効率低下を防止することができる。
本発明による電動工具は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、第1の実施の形態による電動工具では、固定子ヨーク11は、半径方向における断面が外周、内周ともに円形であったが、図9に示されるように、界磁磁石12が固着されている位置に相当する外周の位置を直線状に切欠いた直線状部11Fとしてもよい。
また、第2の実施の形態による電動工具では、2対の凸部31Eは、それぞれ固定子ヨーク31の内周面において保持される界磁磁石12の、固定子ヨーク31の周方向の端部の位置に設けられ、固定子ヨーク31の半径方向内方へ向かって突出しているが、これら計4個の凸部31Eに代えて、図10に示されるように、内周面に界磁磁石12が設けられていない固定子ヨーク61の部分の半径方向の厚さを大きくするようにして当該部分を2つの凸部61Eとし、これら2つの凸部61E、61Eにより2つの界磁磁石12を保持するようにしてもよい。
また、固定子ヨーク31は、半径方向における断面で見たときの外周は円形であったが、図11に示されるように、界磁磁石12が固着されている位置に相当する外周の位置を直線状に切欠いた直線状部31Fとしてもよい。
また、固定子ヨーク31の半径方向における断面で見た場合に、図12に示されるように、界磁磁石12の両端すなわち磁極近傍の固定子ヨークの磁路面積を大きくするために、固定子ヨークの外周面の部分31Hを非同心円の曲線で構成すると共に凸部31Eを形成し、この凸部31Eを直線で結んでもよい。この場合には、カシメ部11Dを、環状体の一部であって界磁磁石12が固着されていない部分の外周と内周との間の位置に設ければよい。
または、内周を同心円とし、外周を同心円としなくてもよい。外周は、例えば図13に示されるように非同心円の曲線とする。この場合も、カシメ部11Dを、環状体の一部であって界磁磁石12が固着されていない部分の外周と内周との間の位置に設ければよい。
また、図14に示されるように、固定子ヨークの内周であって界磁磁石12が設けられていない位置を直線としてもよい。以上、図12〜図14に示されるような形状とする場合であっても、第2の実施の形態と同様に、2対計4つの凸部31Eによって2つの界磁磁石12、12を固定子ヨークの内周面に保持するように構成する。
また、図15に示されるように、固定子ヨークの外周であって内周に界磁磁石12が固着されている相当位置の略中央の位置に凹凸部31Iを設け、ハウジングにはこれらの凹凸部が係合可能な図示せぬ凸凹部を設けて、固定子ヨークの凹凸部31Iがハウジングの凸凹部に係合するようにして、固定子ヨークをハウジングに対して位置決め固定するようにしてもよい。
また、環状体の各対をなす凸部31E、31E間の固定子ヨーク31の周方向における距離は、同方向における界磁磁石12の長さよりもわずかに小さかったが、わずかに大きくしてもよい。この場合には、凸部31E、31E間に界磁磁石12を挿入した後に、凸部31E、31Eを界磁磁極に接近する方向へ機械的に塑性変形させて、界磁磁石12を凸部31E、31E間で保持させるようにすればよい。換言すれば、本発明の凸部31Eの半径方向内方への突出長さや、ヨーク周方向における幅は、凸部31Eの塑性変形により、界磁磁石12を保持しうる寸法とすればよい。
また、凸部31Eは、内周面に界磁磁石12を保持している固定子ヨーク31の部分を構成する1つの環状体31Cについて2対設けられていたが、1つの環状体に2対設けなくてもよい。例えば、2つの界磁磁石12のうちの一方の界磁磁石12を保持するための一対の凸部を第1の環状体と第3の環状体とにそれぞれ設け、他方の界磁磁石12を保持するための一対の凸部を第2の環状体と第4の環状体とにそれぞれ設けるというようにしてもよい。また、第1の環状体に一対の凸部のうちの一方の凸部のみを設けるようにし、第4の環状体に当該一対の凸部のうちの他方の凸部のみを設けるようにして、一方の界磁磁石12を保持するようにしてもよい。
また、第3の実施の形態による電動工具では、凹部41bは、環状体41Cの外方へ向かって略コの字形状に切欠かれた形状で形成されていたが、この形状に限定されない。例えば、略三角形状や略半円形状に切欠いた形状で形成されてもよい。
また、溝41aの中は中空であったが、接着剤を充填させて積層されている環状体41Cをそれぞれ互いに接着固定させるようにしてもよい。接着剤の充填は、環状体41Cを積層させ界磁磁石12を固定子ヨーク41の内周面に固着させた後に、この溝41aの一端に接着剤充填用の管を挿入して接着剤を注入させてゆくことにより行う。電動工具の種類によっては、構造上整流子モータ部に大きな振動が加わる場合もある。このような場合に、接着剤が溝41aに充填され環状体41Cどうしが接着されていると、カシメ部11Dにおいて互いにカシメ固定され積層されている環状体どうしが、互いに外れてしまうことを防止することができる。なお、接着剤を充填させてもよいことについては、第4の実施の形態についても同様である。
また、第4の実施の形態による電動工具では、溝41aを形成したが、図16に示されるように、溝41aに代えて非磁性体部51Jを設けてもよい。即ち、固定子ヨークの半径方向における断面で見た場合に、固定子ヨークの一部であって界磁磁石12が固着されている位置の略中央の部分を、それぞれ非磁性体51Jにより構成するようにしてもよい。この場合には、固定子ヨークは、環状体が積層されて構成されるのではなく、仮想的な環状体の一部をなす2つの略半円形状をした略同一形状の鉄製の板状体が複数枚積層され、積層された板状体の端部の間を、固定子ヨークの軸方向へ延出する棒状の非磁性体51Jが接続して構成され、固定子ヨークの半径方向に垂直な面で切った断面では環状となる。また、環状体が、環状体の一部をなす2つの略半円形状をした鉄製の板状体と、これら2つの略半円形状をした部分の両端をそれぞれ接続する2つの略円弧状をした板状の非磁性体とにより構成され、このような環状体が積層されて固定子ヨークが構成されてもよい。
また、上述の全ての実施の形態において、カシメ部11Dは、板状をした環状体の一方の面側を全て凸部とし、且つ他方の面側を全て凹部としてもよいし、一方の面側又は他方の面側において凸部と凹部とを混在させるようにしてもよい。
ハウジングと固定子ヨークとを別体で構成したが、固定子ヨークがハウジングを兼ねるようにしてもよい。
固定子ヨークの外観の形状を角柱形状の筒状としてもよい。このようにすることによってヨーク部の断面積が大きくなり、永久磁石が磁気飽和しにくくなる。
電源は電池により構成したが、電池以外の電源によって構成してもよい。
本発明の第1の実施の形態による電動工具の永久磁石整流子モータを示す要部断面図。 図1のII−II線に沿った断面図。 本発明の第1の実施の形態による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子を示す断面図。 本発明の第1の実施の形態による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子ヨークにおいて、環状体が積層されている状態を示す要部側面図。 本発明の第2の実施の形態による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子を示す断面図。 本発明の第3の実施の形態による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子を示す断面図。 本発明の第1の実施の形態による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子における主磁束の流れと電機子反作用磁束の流れとを示す概念図。 本発明の第4の実施の形態による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子を示す断面図。 本発明の第1の実施の形態の変形例による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態の第1の変形例による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態の第2の変形例による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態の第3の変形例による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態の第4の変形例による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態の第5の変形例による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態の第6の変形例による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子を示す断面図。 本発明の第4の実施の形態の変形例による電動工具の永久磁石整流子モータの固定子を示す断面図。
符号の説明
1 永久磁石整流子モータ
10 固定子
11 21 31 41 51 61 固定子ヨーク
11C 21C 31C 41C 51C 61C 環状体
12 界磁磁石
20 電機子
31E 51E 凸部
41a 溝
41b 凹部

Claims (1)

  1. 外枠であるハウジングと、
    該ハウジングに収容される固定子であって、該ハウジングの内周面に支持される固定子ヨークと、該固定子ヨークの内周面に固着されて界磁磁極を生じさせる永久磁石とを有する固定子と、
    該固定子の内方に回転可能に設けられ、整流子を有する電機子と、
    該ハウジングの内周で支持されるブラシホルダであって、該整流子に電力を供給するブラシを保持するブラシホルダと、
    を備えた電動工具であって、
    該固定子ヨークは、薄板状の環状体であって外周と内周の間に形成された凸部を有する一の環状体と、該一の環状体と隣接する薄板状の環状体であって外周と内周の間に形成されて該凸部と嵌合する凹部を有する他の環状体とを備え、該凸部及び該凹部は該環状体の半径方向における該永久磁石の外方に設けられ、該凸部と該凹部との嵌合によるカシメ固定によって該凸部と該凹部とが互いにカシメ固定され、
    該環状体の内周であって該環状体の半径方向における該永久磁石の外方には凹部が形成されていることを特徴とする電動工具。
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