JP5109614B2 - 粉粒体処理装置、粉粒体処理システム、および、粉粒体の製造方法 - Google Patents
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Description
<粉粒体処理装置1の構成>
図1および図2に示される粉粒体処理装置1は、粉粒体に処理ガスを送り込んで種々の処理(乾燥、フッ素化等)を行う装置であり、容器2と、処理槽3と、ロート部4と、棒状部材14と、閉鎖部材6と、給気管7と、排気管8とを備えている。
図3には、本実施形態の粉粒体処理装置1の実施例として、コンピュータシミュレーションによって求めた容器2内部の熱風の流速分布が矢印で示されている。
図4の(a−1)〜(a−10)には、本実施形態の粉粒体処理装置1の実施例として、コンピュータシミュレーションによって求めた容器2内部のペレット層Pにおける処理開始から一定時間毎のペレット層Pの温度分布がそれぞれ示されている。
図5(a)には、比較例におけるペレット層P内部の温度モニタリングポイントPI〜PVを示す図、図5(b)には、本発明の実施例1〜3におけるペレット層P内部の温度モニタリングポイントPI〜PVを示す図である。
PI:処理槽3の外周部の壁際、
PII:処理槽3の外周部の壁際から所定の長さだけ中央側に入った所、
PIII:ペレット層Pの中央表層の所、
PIV:ペレット層P内部の所定位置
PV:ペレット層P内部の所定位置であって、PIVよりも下方の位置
である。
α-1:ペレット層Pの表層形状が中央を凸とする山形であり、
β-1:処理槽3のパンチング上部が閉鎖されておらず、
δ-1:ロート部4がパンチングされていない(通気性を有しない)、
仕様とされている。
同図6(c)は、本発明の実施例2(上記α+(β:閉鎖部材6によってパンチング上部2/5閉鎖))におけるペレット層P内部の温度モニタリングポイントPI〜PVにおいてコンピュータシミュレーションによってモニタリングされた各温度曲線I〜Vを示す図(VIは、熱風の流入温度)、
同図6(d)は、本発明の実施例3(上記α+β+(δ:ロート部4にパンチングにより通気性をもたせる))におけるペレット層P内部の温度モニタリングポイントPI〜PVにおいてコンピュータシミュレーションによってモニタリングされた各温度曲線I〜Vを示す図(VIは、熱風の流入温度)、
である。
(1)
第1実施形態では、処理槽3の内部にあるペレット層Pの中心表層を凹ませる棒状部材14を備えている。これにより、ペレットを処理槽3の内部に注入したときに棒状部材14の下部がペレット層Pの中心表層に埋まることにより、ペレット層Pの中心表層を凹ませることが可能になる。これにより、ペレット層Pの垂直軸中心(塔中心部)における厚みが薄くなり、塔中心部への熱風の流量を増加させることができる。その結果、熱風のペレット層Pにおける拡散が均一になるので、ペレット層Pの処理を一様化して、処理時間を大幅に短縮することが可能になる。
第1実施形態の粉粒体処理装置1では、処理槽3の少なくとも下部が、ペレットを処理する熱風などの処理ガスの通過を許す通気性を有する材料で作製されている。そして、処理槽3の上部は、処理槽3の下部よりも通気性が小さい。
とくに、第1実施形態の粉粒体処理装置1では、処理槽3の上部が熱風などの処理ガスが通過しないように閉鎖されているので、処理槽3の内部のペレットに均一に熱風を供給することができる。
第1実施形態の粉粒体処理装置1では、処理槽3の全体が、熱風などの処理ガスの通過を許す通気性を有する材料で製造され、しかも、閉鎖部材6によって、処理槽3の上部を熱風が通過しないように閉鎖しているので、処理槽3の上部における熱風の偏流を確実に防ぐことが可能である。また、処理状況に応じて、最適の幅や材質の閉鎖部材6を選定することも可能である。
第1実施形態の粉粒体処理装置1では、ペレットを排出口10へすべり落とすロート部4が通気性を有しているので、熱風がロート部4を通ることが可能になるため、ロート部4近傍のペレット層Pにおける淀み領域A3(図3参照)が大幅に縮小され、処理槽3中心部における予熱時間は更に短縮される。
第1実施形態の粉粒体処理装置1では、容器2の上端面に形成されたペレットの投入口9が、処理槽3の垂直軸中心CL付近に配置されているので、ペレット層Pが処理槽2の外周縁に偏って堆積することがなくなり、ペレット層P内の偏流を低減する。これにより、熱風がペレット層P下部より流入して放射状にペレット層Pを広がるようになり、熱風がペレット層Pを通過しないで処理槽3上部を流れるバイパス流れがなくなり、ペレット層P内の偏流が改善される。
(A)
なお、第1実施形態では、処理槽3全体をパンチングメタルで通気性を有するように製造し、その後、処理槽3の上部2/5を閉鎖部材6で閉鎖しているが、処理槽3と閉鎖部材6とを一体成形してもよい。この場合、部品点数を減少させることができ、粉粒体処理装置の製造が容易になる。
第1実施形態では、本発明の一実施形態である粉粒体処理装置1の処理の一例として、ペレットの予熱処理を例にあげて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の処理、例えば、予熱処理後に、熱風をフッ素ガスに切り換えてフッ素化処理を行い、ついで脱気ガスを導入して脱気処理し、その後冷却ガスを導入して冷却処理するなどのバッチ処理、またはいずれか1つの処理を行うことが可能である。
粉粒体としては、ペレットだけでなく、種々の形状、大きさの粉粒体を本発明の粉粒体処理装置1によって処理することが可能である。
本発明の粉粒体処理装置1では、溶融系のフッ素樹脂以外の粉粒体についても、適宜の処理ガスを用いて処理することが可能である。
上記第1実施形態では、パンチングメタルなどの通気性を有する処理槽3の上部を閉鎖部材6で閉鎖しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、処理槽3の上部を下部よりも通気性を低くするようにしていればよい。例えば、処理槽3のパンチングメタルの小孔の大きさを処理槽3の下部よりも上部へ行くほど小さくして、熱風が通りにくくするようにしてもよい。この場合も、ペレット層P下部を中心として熱風が放射状に拡散し、最も予熱時間の長い処理槽3の中心部における予熱時間を大幅に短縮することが可能である。
上記第1実施形態では、給気管7を介して、処理槽3の下方の下部空間11から処理ガスを導入しているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の変形例として、容器2の内部における処理槽3よりも上部の上部空間12に処理ガスを導入するガス導入管13(図1参照)をさらに備えてもよい。この場合、予熱処理およびフッ素化処理を連続してバッチ処理する場合に、処理槽3下方から給気管7を介して熱風を送って処理槽3内部のペレットなどの粉粒体を予熱した後、ガス導入管13からフッ素ガスなどの処理ガスを導入することにより、冷えやすいペレットの表層からフッ素化などの処理をすることが可能になる。
上記第1実施形態では、ペレットなどの粉粒体を容器2に投入した後に、容器2の内部に処理ガスを導入して処理を開始しているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の変形例として、ペレットなどの粉粒体を容器2の内部に投入しながら処理ガスによる処理を行ってもよい。この場合、ペレットなどの粉粒体を投入すると同時に処理を進めることができ、作業時間を短縮することが可能である。
上記第1実施形態では、給気管7を介して処理槽3の下方から処理ガスを導入し、処理槽3の上方から処理ガスを排気管8を介して排出しているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の変形例として、処理ガスは、処理槽3の上側から入って下側から出るようにしてもよい。この場合、処理ガスが処理槽3の上側の排気管8から入って下側の給気管7から出るので、処理槽3の上側から入ってくる処理ガスがペレットなどの粉粒体の層の全体に拡散し、最も処理時間の長い処理槽3の中心部における処理時間を大幅に短縮することが可能である。また、ペレットなどの粉粒体の充填量が少ない処理においても、処理槽3の通気性を有する部分の露出に伴う処理ガスの偏流を抑制することが可能であり、ペレットなどの粉粒体の充填量の変更に対しても粉粒体の層内の速度分布を一様に保つことが可能である。
上記の第1実施形態では、1台の粉粒体処理装置1によって、溶融系フッ素樹脂などのペレットの予熱処理、フッ素化処理、脱気処理、および冷却処理の一連の処理をバッチ処理することが説明されているが、本発明はこれに限定されるものではない。第2実施形態として、図7に示されるように、各処理を行うための粉粒体処理装置51〜54を互いに連結することにより1つのフッ素樹脂のペレットを処理する粉粒体処理システム50を構成することによって、ペレットを連続的に処理するようにしてもよい。この場合、1台の粉粒体処理装置1でバッチ処理する場合と比較してフッ素樹脂のペレットを処理する速度を大幅に向上することが可能である。
(A)
第2実施形態では、フッ素樹脂のペレットを処理するための粉粒体処理システム50を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の粉粒体を連続処理するための粉体処理システムについて本発明を適用することも可能である。
2 容器
3 処理槽
4 ロート部
6 閉鎖部材
9 投入口
10 排出口
14 棒状部材
50 粉粒体処理システム
51 予熱処理装置
52 フッ素化処理装置
53 脱気処理装置
54 冷却処理装置
Claims (4)
- フッ素樹脂粉粒体を内部に投入する投入口(9)を有する容器(2)と、
前記投入口(9)から投入される前記フッ素樹脂粉粒体を受け、下方に行くほど細くなる形状をしており、少なくとも下部が前記フッ素樹脂粉粒体を処理する処理ガスの通過を許す通気性を有する材料で作製されており、下端に排出口(10)が形成されている処理槽(3)と、
前記処理槽(3)の内部にある前記フッ素樹脂粉粒体の堆積層における中心表層を凹ませるために、あらかじめ前記投入口(9)の下方に垂れ下がるようにして配置されている凹部形成部材(14)と、を備え、
前記凹部形成部材は、小孔が開口されている、
粉粒体処理装置(1)。 - 請求項1記載のいずれかの粉粒体処理装置(1)の複数台が前記フッ素樹脂粉粒体を連続的に処理できるように互いに連結されることにより構成されている、
粉粒体処理システム(50)。 - 複数台の前記粉粒体処理装置は、
前記フッ素樹脂粉粒体に加熱ガスを供給して、前記フッ素樹脂粉粒体を予熱する予熱処理装置(51)、
前記フッ素樹脂粉粒体にフッ素ガスを供給して、前記フッ素樹脂粉粒体をフッ素化処理するフッ素化処理装置(52)、
前記フッ素樹脂粉粒体に脱気ガスを供給して、前記フッ素樹脂粉粒体を脱気する脱気処理装置(53)、および
前記フッ素樹脂粉粒体に冷却ガスを供給して、前記フッ素樹脂粉粒体を冷却する冷却処理装置(54)
のうちの少なくとも2つを選択したものから構成されており、
選択された少なくとも2つの処理装置(51、52、53、54)は、直列に連結されている、
請求項2に記載の粉粒体処理システム(50)。 - 投入口(9)を有する容器(2)と、
下方に行くほど細くなる形状をしており、少なくとも下部がフッ素樹脂粉粒体を処理する処理ガスの通過を許す通気性を有する材料で作製されており、下端に排出口(10)が形成されている処理槽(3)と、
あらかじめ前記投入口(9)の下方に垂れ下がるようにして配置されており、小孔が開口されている凹部形成部材(14)と、
を備えた粉粒体処理装置を用いて処理された粉粒体の製造方法において、
前記フッ素樹脂粉粒体を前記投入口(9)を介して前記容器(2)の内部に投入することで、前記処理槽(3)の内部に堆積する前記フッ素樹脂粉粒体の堆積層における中心表層が前記凹部形成部材(14)の下面によって凹んだ形状になるまで、前記処理槽(3)に前記フッ素樹脂粉粒体を充填させる第1工程と、
前記フッ素樹脂粉粒体が充填された前記処理槽(3)に対して処理ガスを通過させる第2工程と、
を有する粉粒体の製造方法。
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