JP5109364B2 - プロピレン系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン系ブロック共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プロピレン系ブロック共重合体の製造方法に関するものである。さらに詳細には、成形体にした場合、剛性、硬度および成形性に優れ、さらに靭性と低温耐衝撃性のバランスに優れたプロピレン系ブロック共重合体の製造方法に関するものである。
ポリプロピレン樹脂は、その優れた物理的性質により近年著しい需要の伸びを示している。結晶性のプロピレン重合体は優れた剛性と耐熱性を有するが、低温においては脆いという欠点があるため、エチレン等プロピレン以外のオレフィンとの低結晶性もしくは非結晶性共重合体成分を、多段重合法等によって含有せしめることによる改良方法が採られることがあり、このようなプロピレン系ブロック共重合体は剛性や耐衝撃性等に優れる材料であり、自動車内外装材や電気部品箱体等の成形体として、広範な用途に利用されている。
上記のような多段重合法で、プロピレン系ブロック共重合体を製造する方法は、一般的に、第一の重合工程において第一のプロピレン系重合体成分を製造した後、ひきつづき該成分の存在下に第二の重合工程において第二のプロピレン系重合体成分を製造するものである。
例えば、特許第3089713号公報には、マグネシウム、チタン、およびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分と、助触媒の有機アルミニウム化合物と、特定の構造を持つケイ素化合物との組み合わせでエチレン−プロピレンブロック共重合体を製造する際に、第二工程(エチレン−プロピレン共重合体を製造する工程)において特定のケイ素化合物をさらに添加することにより、安定的な重合反応を維持すると共に、耐衝撃性の良好なエチレン−プロピレンブロック共重合体を製造する方法が記載されている(特許文献1)。
特許第3304462号公報には、チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル処理した後、四塩化チタンで処理することにより得られる固体触媒成分と、助触媒の有機アルミニウム化合物と、特定の構造を持つケイ素化合物との組み合わせでエチレン−プロピレンブロック共重合体を製造する際に、第二工程(エチレン−プロピレン共重合体を製造する工程)において特定のケイ素化合物をさらに添加することにより、安定的な重合反応を維持すると共に、耐衝撃性の良好なエチレン−プロピレンブロック共重合体を製造する方法が記載されている(特許文献2)。
特開平5−178945号公報には、固体ハロゲン化チタン含有プロ触媒、有機アルミニウム化合物助触媒並びに選択性調節剤としての適当に立体障害性の芳香族複素環式アミンからポリプロピレンインパクト共重合体の製法が記載されている(特許文献3)。
特開2004−182981号公報には、有機ケイ素化合物の存在下、チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得られ、その平均粒子径が25ミクロン以上である固体触媒成分前駆体と、ハロゲン化化合物(例えば四塩化チタン)、電子供与体(例えば、エーテル化合物、エーテル化合物とエステル化合物の混合物)とを接触処理することにより得られる三価のチタン化合物含有固体触媒成分と、助触媒の有機アルミニウム化合物と、重合第三成分の電子供与性化合物との組み合わせにおいて粉体性状に優れたプロピレン系ブロック共重合体の製造が実現できることが知られている(特許文献4)。
特許第3089713号公報 特許第3304462号公報 特開平5−178945号公報 特開2004−182981号公報
しかし、上記の公報等に記載されているプロピレン系ブロック共重合体を用いたとしても、プロピレン系ブロック共重合体の剛性、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性については、必ずしも充分ではないことがあり、プロピレン系ブロック共重合体の剛性、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性については、さらなる改良が望まれていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、剛性、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に優れるプロピレン系ブロック共重合体を製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討の結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(A)チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を必須成分とする固体触媒成分と、(B)有機アルミニウム化合物と、(C)電子供与性化合物とを接触させて得られる重合用触媒の存在下に、プロピレンを単独重合またはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が90重量%以上である重合体成分(1)を製造する重合工程(I)を行い、引き続き、プロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が10〜90重量%である重合体成分(2)を製造する重合工程(II)を行うプロピレン系ブロック共重合体の製造方法であって、重合工程(I)と重合工程(II)の間で、あるいは重合工程(II)において、ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)と環状有機窒素化合物(E)を添加することを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の製造方法にかかるものである。
本発明によれば、成形材料として用いると、剛性、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に優れる成形体を得ることができるプロピレン系ブロック共重合体の製造方法が提供される。
本発明において使用される重合用触媒は、下記の成分(A)、(B)および(C)を接触させて得られる。
(A)チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を必須成分とする固体触媒成分
前記固体触媒成分(A)は、チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する公知のいかなる固体触媒成分であってもよい。
該固体触媒成分として、特公昭46−34092号公報、特公昭47−41676号公報、特公昭55−23561号公報、特公昭57−24361号公報、特公昭52−39431号公報、特公昭52−36786号公報、特公平1−28049号公報、特公平3−43283号公報、特開平4−80044号公報、特開昭55−52309号公報、特開昭58−21405号公報、特開昭61−181807号公報、特開昭63−142008号公報、特開平5−339319号公報、特開昭54−148093号公報、特開平4−227604号公報、特開平6−2933号公報、特開昭64−6006号公報、特開平6−179720号公報、特公平7−116252号公報、特開平8−134124号公報、特開平9−31119号公報、特開平11−228628号公報、特開平11−80234号公報、特開平11−322833号公報および特開平2004−182981号公報に記載された固体触媒成分を例示することができる。
該固体触媒成分として、チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子の他に、さらに電子供与体をも含有する固体触媒成分が好ましい。該電子供与体としては、後述の有機酸のエステル類もしくはエーテル類が好ましい。
該固体触媒成分の製造方法として、以下(1)〜(5)の方法を例示することができる。
(1)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物とを接触させる方法。
(2)ハロゲン化マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合物とを接触させる方法。
(3)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物とを電子供与性溶媒に溶解させて溶液を得、次いで、該溶液を担体物質に含浸させる方法。
(4)ジアルコキシマグネシウム化合物と、ハロゲン化チタン化合物と、電子供与体とを接触させる方法。
(5)マグネシウム原子、チタン原子および炭化水素オキシ基を含有する固体成分と、ハロゲン化化合物と、電子供与体および/または有機酸ハライドとを接触させる方法。
なかでも、マグネシウム原子、チタン原子および炭化水素オキシ基を含有する固体成分と、ハロゲン化化合物と、電子供与体および/または有機酸ハライドとを接触させる方法(5)が好ましい。
具体的には、(A)チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を必須成分とする固体触媒成分が、以下の(a)、(b)および(c)を接触させて得られる固体触媒成分であることが好ましい。
(a)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の存在下に、下記一般式[I]で表されるチタン化合物を、有機マグネシウム化合物で還元することにより得られ、その平均粒子径が25ミクロン以上である固体触媒成分前駆体
Figure 0005109364
[I]
(式中、aは1〜20の数を表し、Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。Xはハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのXは同一であっても異なっていてもよい。)
(b)ハロゲン化化合物
(c)電子供与体
(B)有機アルミニウム化合物
前記有機アルミニウム化合物(B)は、少なくとも分子内に一個のAl−炭素結合を有するものである。代表的なものを一般式で下記に示す。
2 wAlY3-w
34Al−O−AlR56
(式中、R2〜R6は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Yはハロゲン原子、水素原子またはアルコキシ基を表し、wは2≦w≦3を満足する数である。)
かかる有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン等のアルキルアルモキサンが例示できる。
これらの有機アルミニウム化合物のうち、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、または、アルキルアルモキサンが好ましく、とりわけトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物またはテトラエチルジアルモキサンが好ましい。
(C)電子供与性化合物
前記電子供与性化合物(C)としては、酸素含有化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物、硫黄含有化合物が挙げられ、なかでも酸素含有化合物または窒素含有化合物が好ましく、特に酸素含有化合物が好ましい。
酸素含有化合物としては、アルコキシケイ素類、エーテル類、エステル類、ケトン類などが挙げられ、なかでもアルコキシケイ素類またはエーテル類が好ましい。
アルコキシケイ素類としては、一般式 R7 rSi(OR84-r (式中、R7は炭素原子数1〜20の炭化水素基、水素原子またはヘテロ原子含有置換基を表し、R8は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、rは0≦r<4を満足する数を表す。全てのR7および全てのR8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)で表されるアルコキシケイ素化合物が好ましく用いられる。
7が炭化水素基の場合、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、等の分岐鎖状アルキル基、シクロペンンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基等が挙げられる。なかでもアルコキシケイ素化合物のケイ素原子と直接結合した炭素原子が2級もしくは3級炭素であるR7を少なくとも1つ持つことが好ましい。
7がヘテロ原子含有置換基の場合、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子が挙げられる。具体的にはジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルn−プロピルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、ピロリル基、ピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、パーヒドロインドリル基、パーヒドロイソインドリル基、パーヒドロキノリル基、パーヒドロイソキノリル基、パーヒドロカルバゾリル基、パーヒドロアクリジニル基、フリル基、ピラニル基、パーヒドロフリル基、チエニル基等が挙げられ、なかでも一般式(R910N)Si(OR113で表されるケイ素化合物が好ましい。ここでR9は炭素原子数1〜12の炭化水素基、R10は炭素原子数1〜12の炭化水素基または水素、R11は炭素原子数1〜6の炭化水素基である。
前記アルコキシケイ素化合物の具体例としては、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、tert−ブチル−n−ブチルジメトキシシラン、tert−アミルメチルジメトキシシラン、tert−アミルエチルジメトキシシラン、tert−アミルnプロピルジメトキシシラン、tert−アミル−n−ブチルジメトキシシラン、イソブチルイソプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、ジシクロブチルジメトキシシラン、シクロブチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロブチルイソブチルジメトキシシラン、シクロブチル−tert−ブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルイソブチルジメトキシシラン、シクロペンチル−tert−ブチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシル−tert−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルイソプロピルジメトキシシラン、フェニルイソブチルジメトキシシラン、フェニル−tert−ブチルジメトキシシラン、フェニルシクロペンチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、tert−ブチルメチルジエトキシシラン、tert−ブチルエチルジエトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジエトキシシラン、tert−ブチル−n−ブチルジエトキシシラン、tert−アミルメチルジエトキシシラン、tert−アミルエチルジエトキシシラン、tert−アミル−n−プロピルジエトキシシラン、tert−アミル−n−ブチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、2−ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ビス(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)メチルジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)メチルジメトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)エチルジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)エチルジメトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)(n−プロピル)ジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)(n−プロピル)ジメトキシシラン、((パーヒドロキノリノ)(tert−ブチル)ジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)(tert−ブチル)ジメトキシシラン、ジメチルアミノトリエトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、ジエチルアミノトリメトキシシラン、ジエチルアミノトリn−プロポキシシラン、ジn−プロピルアミノトリエトキシシラン、メチルn−プロピルアミノトリエトキシシラン、t−ブチルアミノトリエトキシシラン、エチルn−プロピルアミノトリエトキシシラン、エチルイソプロピルアミノトリエトキシシランおよびメチルエチルアミノトリエトキシシランが挙げられる。
エーテル類の例としては、ジアルキルエーテルおよび一般式
Figure 0005109364
(但し、R12〜R15はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは脂環式のアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、R13およびR14はそれぞれ独立に水素原子であってもよい。)で表されるジエーテル化合物を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上が好適に用いられる。
具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−3,7−ジメチルオクチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ヘプチル−2−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパン等を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上が好適に用いられる。
本発明のブロック共重合体製造用触媒を、前記各成分を接触させて得る際の接触方法としては、前記各成分が接触し、触媒が形成されるならいかなる方法でもよい。該方法として、上記成分を溶媒で希釈して、または、希釈せずに、(1)重合槽に供給する前に上記各成分を混合して接触させる方法や、(2)上記各成分を別々に重合槽に供給して重合槽中で接触させる方法、(3)重合槽に供給する前に上記各成分の一部を混合して接触させ、それと残りの成分を別々に重合槽に供給して接触させる方法を例示することができる。
上記の方法(1)における重合槽への触媒の供給や、方法(2)や(3)における重合槽への成分の供給は通常、窒素やアルゴンのような不活性ガス中、水分のない状態で実施される。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法は、前記触媒を用いた以下の工程よりなり、重合工程(I)と重合工程(II)の間にハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)と環状有機窒素化合物(E)を添加する。
重合工程1:(1)プロピレンを単独重合させてホモポリプロピレンを生成させる工程、または、(2)プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる群から選ばれるオレフィンとを共重合させて共重合体Aを生成させる工程。ここで、該共重合は、共重合体A中のプロピレンの重合単位含有量が90重量%以上、好ましくは95重量%以下(共重合体Aを100重量%とする)となるように実施される。
重合工程2:重合工程1で得られるホモポリプロピレンまたは共重合体Aの存在下に、プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる群から選ばれるオレフィンとを共重合させて共重合体Bを生成させ、ブロック共重合体を製造する工程。ここで、該共重合は、共重合体B中のプロピレンの重合単位含有量が10〜90重量%、好ましくは40〜60重量%(共重合体Bを100重量%とする)であり、かつ、ブロック共重合体中の共重合体Bの含有量が10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%(ブロック共重合体を100重量%とする)となるように実施される。
本発明において、前記の触媒をそのまま前記ブロック共重合体の製造方法に用いてもよいし(このときの重合を以下、「本重合」という)、該触媒に予備重合処理を施すことによって得られる予備重合触媒を予め得たのちにそれを本重合に用いてもよい。
予備重合触媒は通常、上記の固体触媒成分(A)および有機アルミニウム化合物(B)の存在下、少量のオレフィンを重合させる(予備重合させる)ことによって製造される。予備重合法として、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエンのような不活性炭化水素を溶媒とするスラリー重合法が好ましい。該溶媒の一部または全部を、液状のオレフィンに変えてもよい。
予備重合における有機アルミニウム化合物(B)の使用量は、固体触媒成分(A)中のチタン原子1モル当たり、通常0.5〜700モル、好ましくは0.8〜500モル、特に好ましくは1〜200モルである。
予備重合されるオレフィンの量は、固体触媒成分(A)1g当たり通常0.01〜1000g、好ましくは0.05〜500g、特に好ましくは0.1〜200gである。
上記スラリー重合法におけるスラリー濃度は、好ましくは1〜500g−固体触媒成分/リットル−溶媒、特に好ましくは3〜300g−固体触媒成分/リットル−溶媒である。予備重合温度は、好ましくは−20〜100℃、特に好ましくは0〜80℃である。予備重合における気相部のオレフィンの分圧は、好ましくは0.01〜20kg/cm2、特に好ましくは0.1〜10kg/cm2であるが、予備重合の圧力や温度において液状であるオレフィンについては、この限りではない。予備重合時間は特に制限されず、好ましくは通常、2分間から15時間である
予備重合において、固体触媒成分、有機アルミニウム化合物およびオレフィンを重合槽へ供給する方法として、(1)固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とを供給した後、オレフィンを供給する方法、および、(2)固体触媒成分とオレフィンとを供給した後、有機アルミニウム化合物を供給する方法、を例示することができる。オレフィンを重合槽へ供給する方法として、(1)重合槽内の圧力を所定の圧力に維持するようにオレフィンを順次供給する方法、および、(2)オレフィンの所定量の全量を一括して供給する方法、を例示することができる。予備重合で得られるオレフィン重合体の分子量を調節するために、水素のような連鎖移動剤を用いてもよい。
予備重合においては、必要に応じて、本重合で用いられる電子供与性化合物(C)の一部または全部を用いてもよい。予備重合で用いられる電子供与性化合物の量は、固体触媒成分中に含まれるチタン原子1モルに対して、通常0.01〜400モル、好ましくは0.02〜200モル、特に好ましくは、0.03〜100モルであり、有機アルミニウム化合物1モルに対して、通常0.003〜5モル、好ましくは0.005〜3モル、特に好ましくは0.01〜2モルである。
予備重合において、電子供与性化合物を重合槽へ供給する方法は特に制限されない。該方法として、(1)電子供与性化合物のみを供給する方法、および、(2)電子供与性化合物と有機アルミニウム化合物との接触物を供給する方法、を例示することができる。予備重合で使用されるオレフィンは、本重合で使用されるオレフィンと同一であっても異なっていてもよい。
本重合の方法として、(1)固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および電子供与性化合物を接触させて得られる触媒の存在下にオレフィンを重合させる方法、(2)予備重合触媒の存在下にオレフィンを重合させる方法、および(3)該予備重合触媒と、有機アルミニウム化合物と、電子供与性化合物との接触物の存在下にオレフィンを重合させる方法、を例示することができる。
本重合における有機アルミニウム化合物の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1モル当たり、通常1〜1000モル、好ましくは5〜600モルである。
本重合における電子供与性化合物の使用量は、固体触媒成分中に含まれるチタン原子1モルに対し、通常0.1〜2000モル、好ましくは0.3〜1000モル、特に好ましくは、0.5〜800モルであり、有機アルミニウム化合物1モルに対し、通常0.001〜5モル、好ましくは0.005〜3モル、特に好ましくは0.01〜1モルである。
本重合における重合温度は、通常−30〜300℃、好ましくは20〜180℃、より好ましくは50〜95℃である。重合圧力は特に制限されず、工業的かつ経済的であるという観点から、一般に常圧〜100kg/cm2、好ましくは2〜50kg/cm2程度である。重合形式はバッチ式でも連続式でもよい。重合方法として、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンのような不活性炭化水素溶媒を用いるスラリー重合法、該溶媒を用いる溶液重合法、重合温度において液状であるオレフィンを媒体とするバルク重合法、および、気相重合法を例示することができるが、特に前記の工程2は良好な粉体性状を得る観点から気相重合法であることが好ましい。
また、本発明の製造方法では、工程2において、あるいは工程1と工程2の間で、ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)と環状有機窒素化合物(E)を添加する。
上記ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)は、少なくとも分子内に一個のAl−炭素結合と一個Al−ハロゲン結合を有するものである。代表的なものを一般式で下記に示す。
aAlXbc
(式中、Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子、Yは水素原子またはアルコキシ基を表し、aとbは1≦a≦2、cは0≦c≦1を満足する数であり、a+b+c=3である。)
かかるハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物の具体例としては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムアイオダイド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジアイオダイド等のアルキルアルミニウムジハライド、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物が例示できる。
ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1モル当たり、通常0.1〜100モル、好ましくは0.5〜60モルである。
上記環状有機窒素化合物(E)としては、3〜8員環の環状有機窒素化合物が好ましく用いられる。そのような化合物としてはピリジン、ピリジン誘導体、ピペリジン、ピペリジン誘導体、ピロリジン、ピロリジン誘導体が挙げられ、より好ましくは窒素複素環部位が6員環構造である芳香族窒素複素環式化合物であり、2、6位に置換基を有する6員環の芳香族複素環式窒素化合物がさらに好ましい。
そのような化合物の具体例としては、2,6−ジメトキシピリジン、2,6−ジエトキシピリジン2,6−ジプロポキシピリジン、2,6−ジイソプロポキシピリジン、2,6−ジ−n−ブトキシピリジン、2,6−ジ−tert−ブトキシピリジン、2,6−ジベンジルオキシピリジン、2,4,6−トリベンジルオキシピリジン、2,6−ジフェノキシピリジン、2,6−ジアセトキシピリジン、2,6−ジフルオロピリジン、2,4,6−トリフルオロピリジン、2,6−ジクロロピリジン、または、2,4,6−トリクロロピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,6−ジエチルピリジン、2,6−ジプロピルピリジン、または、2,6−ジイソプロピルピリジン等が挙げられる。
環状有機窒素化合物(E)の使用量は、固体触媒成分中に含まれるチタン原子1モルに対し、通常0.1〜2000モル、好ましくは0.3〜1000モル、特に好ましくは、0.5〜800モルであり、ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)1モルに対し、通常0.001〜10モル、好ましくは0.005〜5モル、特に好ましくは0.01〜2モルである。
ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)と環状有機窒素化合物(E)の添加順序は、ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)と環状有機窒素化合物(E)を同時に添加するか、あるいはハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)を添加後に環状有機窒素化合物(E)を添加するのが好ましい。
また、添加方法はバッチ式であっても連続式であってもよい。添加のタイミングとしては、工程2の開始時であってもよいし、工程1の終了直前であってもよい。ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)と環状有機窒素化合物(E)は、そのまま用いても良いし、不活性炭化水素溶媒等で希釈して用いても良い。
本重合においては、得られるオレフィン重合体の分子量を調節するために、水素のような連鎖移動剤を用いてもよい。
本発明において製造されるプロピレン系ブロック共重合体は、第一工程においてプロピレン系重合体成分(1)を製造し、第二工程において該成分(1)の存在下にプロピレン系共重合体成分(2)を製造して得られたプロピレン系ブロック重合体である。
かかるプロピレン系重合体成分(1)としてより好ましくは、プロピレンの単独重合あるいはプロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜10のα−オレフィンとの共重合を行なうことにより得られ、エチレンおよび/または炭素原子数4〜10のα−オレフィンから誘導される繰り返し構造単位の含有量が0〜10重量%のプロピレン系重合体成分である。さらに好ましくはプロピレンの単独重合体であり、示差走査熱量計(DSC)によって測定される融点(Tm)が160℃以上であることが成形材料として用いた場合の剛性の点から好適である。
また、かかるプロピレン系共重合体成分(2)としてより好ましくは、プロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜10のα−オレフィンとの共重合を行うことにより得られ、エチレンおよび/または炭素原子数4〜10のα−オレフィンから誘導される繰り返し構造単位の含有量が10〜60重量%のプロピレン系共重合体成分であり、135℃のテトラリン中で測定される極限粘度([η])は、0.1〜10dl/gであり、好ましくは1〜8dl/gであり、より好ましくは2〜6dl/gである。
さらに、かかるプロピレン系共重合体成分(2)としてより好ましくは、示差走査熱量計(DSC)によって測定されるガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であり、プロピレンと共重合されるα―オレフィンがエチレンの場合、13C核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)によって測定されるエチレン−プロピレン結合部のメソピーク強度に対するラセミピーク強度比が0.01〜0.7である。
本発明におけるプロピレン系ブロック共重合体は、前記プロピレン系共重合体成分(2)の含有量が、プロピレン系ブロック共重合体全体に対して10〜50重量%であることが好ましく、15〜40重量%であることがさらに好ましい。
以下、本発明について、実施例および比較例を用いて説明する。実施例および比較例における各物性値は、下記の方法に従って測定した。
(1)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定した。
(1−1)プロピレン−エチレンブロック共重合体の極限粘度
(1−1a)結晶性ポリプロピレン部分の極限粘度:[η]P
プロピレン単独重合体又はプロピレンとエチレン若しくは炭素数4以上のα−オレフィンが1モル%以下共重合された結晶性ポリプロピレン部分の極限粘度[η]Pは、その製造時に、第1工程である結晶性ポリプロピレン部分の重合後に重合槽内より重合体パウダーを取り出し、上記(1)の方法で測定して求めた。
(1−1b)プロピレン−エチレン共重合体部分の極限粘度:[η]EP
プロピレン−エチレン共重合体部分の極限粘度:[η]EPは、プロピレン単独重合体部分の極限粘度:[η]Pとプロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度:[η]Tをそれぞれ上記(1)の方法で測定し、プロピレン−エチレン共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率:Xを用いて次式から計算により求めた。(プロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率:Xは、下記(2)の測定方法により求めた。)
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度
[η]T:プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度
(2)プロピレン−エチレン共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率(X、単位:重量%)及びプロピレン−エチレンブロック共重合体中のプロピレン−エチレン共重合体部分のエチレン含量:(C2’、単位:重量%)
下記の条件で測定した13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules 1982年、15号、1150ページ〜1152ページ)に基づいて求めた。10mmΦの試験管中で約200mgのプロピレン−エチレンブロック共重合体を3mlのオルソジクロロベンゼンに均一に溶解させて試料を調整し、その試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下で測定した。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
(3)プロピレン−エチレンブロック共重合体中のプロピレン−エチレン結合部のメソピーク強度に対するラセミピーク強度比
上記(2)と同様に測定した13C−NMRスペクトルから、Macromolecules,1984年、17巻,1950ページやJournal of Applied Polymer Science,1995年、56巻、1782ページに記載されている帰属に基づき、約37.5ppmと約37.9ppmに観測される2本のピーク強度の和(メソピーク強度)に対する約38.4ppmと約38.8ppmに観測される2本のピーク強度の和(ラセミピーク強度)を算出した。
(4)ガラス転移温度(Tg、単位:℃)
示差走査熱量測定装置(TAインスツルメンツ社製 DSC Q100)を使用し、試片約10mgを窒素雰囲気下で200℃で溶融させた後、200℃で5分間保持した後、10℃/分の降温速度で−90℃まで降温した後、10℃/分で昇温する際の吸熱曲線からJIS K7121に従い測定した。
(5)プロピレン系重合体成分の融解温度(Tm、単位:℃)
上記(4)で測定された吸熱ピークの内、150℃〜170℃の範囲に現れるピークをTmとした。
(6)プロピレン−エチレン共重合体成分の結晶化熱量(単位:J/g−EP)
上記(4)の降温過程で観測されるピークの内、90〜105℃の範囲に現れる結晶化ピーク(Tc)の結晶化熱量を、上記(2)で算出したプロピレン−エチレン共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率(X)で除して算出した。
実施例1
減圧乾燥、アルゴン置換後、冷却した内容積3リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内を真空とし、(B)成分としてトリエチルアルミニウム 4.4ミリモル、(C)成分としてtert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン0.44ミリモル及び(A)成分として特開2004−182981実施例1(2)記載の固体触媒成分11.7ミリグラムを、ガラスチャージャー内のヘプタン中で接触させた後一括に投入し、さらに液化プロピレン780gを仕込んだ後、水素 1MPaを前記オートクレーブに仕込んで80℃まで昇温し重合を開始した。重合開始10分後、未反応プロピレンを重合系外へパージした。オートクレーブ内をアルゴンで置換した後、少量のポリマーをサンプリングした。サンプリングしたポリマーの極限粘度[η]Pは1.05dl/gであった。
次いで、上記3リットルオートクレーブを減圧し、(D)成分としてジエチルアルミニウムクロライド1.0ミリモルとヘプタン20ミリリットルをガラスチャージャー内で混合してオートクレーブ内へ投入し、30分攪拌した。その後、(E)成分として2,6−ルチジン0.88ミリモルとヘプタン20ミリリットルをガラスチャージャー内で混合してオートクレーブ内へ投入し、30分攪拌した。
次いで、上記3リットルオートクレーブと連結した内容積30リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内を真空として、プロピレン440g、エチレン230gを添加した後80℃に昇温することで調製した混合ガスを上記3リットルオートクレーブへ連続的にフィードし、重合圧力を0.8MPaとして5時間重合を行った。5時間後オートクレーブ内のガスをパージして重合を終了し、生成した重合体を60℃で5時間減圧乾燥して240gの重合パウダーを得た。得られたポリマーの極限粘度[η]Tは1.68dl/gであり、分析の結果、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分(以下、EP部と称す)の含量は36.9重量%であったので、後段部(EP部)で生成したポリマーの極限粘度[η]EPは2.76dl/gであった。又、P部のTmは161.3℃、EP部でのエチレン含量は52重量%、EP部のTgは−51.1℃、EP部のTcは95.7℃であった。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
実施例2
(A)成分の使用量を10.6ミリグラムとし、(D)成分としてエチルアルミニウミジクロライドを用いた以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
比較例1
(A)成分の使用量を13.3ミリグラムとし、(D)成分と(E)成分を添加しない以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
比較例2
(A)成分の使用量を9.9ミリグラムとし、(D)成分を添加しない以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
比較例3
(A)成分の使用量を10.7ミリグラムとし、(E)成分を添加しない以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
比較例4
(A)成分の使用量を10.8ミリグラムとし、(D)成分としてジエチルアルミニウムクロライドの代わりにエチルアルミニウムジクロライドを用いた以外は比較例3と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
比較例5
(A)成分の使用量を11.0ミリグラムとし、(D)成分の代わりにトリエチルアルミニウム 1.0ミリモルを使用した以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
実施例3
(A)成分の使用量を9.1ミリグラムとし、3リットルオートクレーブと連結した内容積30リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内に添加するプロピレンとエチレンの量を、プロピレン580g、エチレン220gとし、プロピレン−エチレンランダム共重合体製造での重合圧力を1.0MPaとした以外は実施例2と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
実施例4
(A)成分の使用量を9.9ミリグラムとし、(D)成分のエチルアルミニウムクロライド使用量を0.5ミリモルとした以外は実施例3と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
実施例5
(A)成分の使用量を7.3ミリグラムとし、(D)成分としてエチルアルミニウムクロライドの代わりにエチルアルミニウムセスキクロライドを使用し、3リットルオートクレーブと連結した内容積30リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内に添加するプロピレンとエチレンの量を、プロピレン580g、エチレン220gとした以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
実施例6
(A)成分の使用量を6.9ミリグラムとし、(D)成分としてエチルアルミニウムクロライドの代わりにジメチルアルミニウムクロライドを使用した以外は実施例5と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
Figure 0005109364
Figure 0005109364

Claims (4)

  1. (A)チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を必須成分とする固体触媒成分と、(B)有機アルミニウム化合物と、(C)電子供与性化合物とを接触させて得られる重合用触媒の存在下に、プロピレンを単独重合またはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が90重量%以上である重合体成分(X)を製造する重合工程(I)を行い、引き続き、プロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が10〜90重量%である重合体成分(Y)を製造する重合工程(II)を行うプロピレン系ブロック共重合体の製造方法であって、重合工程(I)後にハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)を添加し、その後環状有機窒素化合物(E)を添加した後、重合工程(II)を行うことを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
  2. 環状有機窒素化合物(E)が6員環の芳香族複素環式窒素化合物であることを特徴とする請求項1記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
  3. 環状有機窒素化合物(E)が2、6位に置換基を有する6員環の芳香族複素環式窒素化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
  4. (A)チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を必須成分とする固体触媒成分が、以下の(a)、(b)および(c)を接触させて得られる固体触媒成分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
    (a)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(a1)の存在下に、下記一般式[I]で表されるチタン化合物(a2)を、有機マグネシウム化合物(a3)で還元することにより得られ、その平均粒子径が25ミクロン以上である固体触媒成分前駆体
    Figure 0005109364

    (式中、aは1〜20の数を表し、Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。Xはハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのXは同一であっても異なっていてもよい。)
    (b)ハロゲン化化合物
    (c)電子供与体
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