JP5104676B2 - 光検出装置、測光装置と、これを有する撮影装置 - Google Patents

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本発明は、光検出装置、測光装置と、これを有する撮影装置に関する。
従来、一眼レフカメラ等の測光装置としてCCD等のイメージセンサが使用されている。そして、従来の測光装置では、使用するCCDイメージセンサにおける受光のための開口部以外の領域(本明細書中では不感帯と記す)に集光された光が入射しても受光素子に光が到達せず、測光できないと言う問題があり、これを解決するためにイメージセンサに入射する光束をぼかすことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−78858号公報
しかしながら、従来の測光装置では、測光光学系の軸上色収差を考慮していないため偽解像、偽色等が発生すると言う問題がある。
上記課題を解決するため、本発明は、複数色の色フィルタを有するイメージセンサと、前記イメージセンサの受光面より前方の焦点面に結像する結像レンズと、前記結像レンズの前に前記受光面における少なくとも2色光の軸上色収差を所定値以下にする回折光学素子と、を有することを特徴とする光検出装置を提供する。
また、本発明は、前記光検出装置と、前記光検出装置の出力信号に基づいて測光演算を行う演算部と、を有することを特徴とする測光装置を提供する。
また、本発明では、前記測光装置と、前記測光装置の演算結果に基づき露光制御を行う制御部と、を有することを特徴とする撮影装置を提供する。
本発明によれば、軸上色収差による偽解像、偽色等を抑制した高精度の光検出装置、測光装置と、これを有する撮影装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態にについて図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、発明の理解の容易化のためのものに過ぎず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において当業者により実施可能な付加・置換等を施すことを排除することは意図していない。
図1は、実施の形態にかかる一眼レフ電子カメラを説明する図である。図1において、一眼レフ電子カメラ本体10にレンズ12および絞り14を内蔵する交換レンズ16が装着されている。
交換レンズ16を通過してカメラ本体10に入射した不図示の被写体からの光束は、不図示のレリーズボタンを半押しした時は、クイックリターンミラー18より上方へ導かれてフォーカシングスクリーン20に結像すると共に、被写体光束の一部はサブミラー22で下方に反射されて焦点検出装置24にも結像する。
フォーカシングスクリーン20に結像した被写体光束はさらに、レンズ26を介してペンタプリズム28へ入射される。ペンタプリズム28は、入射された被写体光束を接眼レンズ30へ導く一方、その一部をプリズム32へも導く。プリズム32へ入射された光束は絞り33および後述する回折レンズ50A(結像レンズ34)を介して測光素子36に入射される。なお、回折レンズ50Aは、後述する複層密着型回折レンズである。
レリーズボタンを全押しした時は、クイックリターンミラー18が上方へ回動して光路から退避し、シャッタ38が開放されて被写体光束が撮影用の撮像素子40へ導かれる。なお、クイックリターンミラー18が回動後シャッタ38のシャッタ幕(不図示)が開く前は、被写体光束はシャッタ幕面で反射され、レンズ42を介して調光用測光装置44に入射される。
図2は、実施の形態にかかる光検出装置44の光学系の概略構成図である。なお、図2において、レンズ26、ペンタプリズム28、およびプリズム32等は、記載を省略し、回折光学素子は後述する単層回折光学素子の場合を示している。
図2において、測光素子36は、CCDやCMOS等の2次元イメージセンサを用いる。被写体の輝度分布および色分布は測光素子36により光電変換され、その信号を用いてCPU48内の演算部に転送される。演算部は輝度分布や色分布を演算し、この結果は、ほかの信号の演算結果と共にCPU48で使用される。CPU48は、これらの結果から最適な露光量を算出し、シャッタ38や絞り14を制御して撮像素子40に被写体像を撮像させる。なお、撮像素子40には、CCDやCMOS等の2次元イメージセンサや、銀塩フィルムが用いられる。
フォーカシングスクリーン20からの光束は、絞り33を通過したのち回折光学素子50に入射する。回折光学素子50を通過した光束は、結像レンズ34に入射して、撮像素子36の前方で収束したのち、撮像素子36上に焦点ボケによる散乱円82(図3参照)を形成する。この焦点ボケによる散乱円82は、不感帯を生じさせないために行うものであり既知の技術である。
回折光学素子50は、光検出装置44の光学系の少なくとも2つの色光の色収差が所定値を下回るように形成されている。
また、回折光学素子50は、図2に示すように、赤色光Rと青色光Bとの色収差(軸上色収差)ΔZ(後述する)が所定値を下回る、あるいは赤色光Rの焦点ボケによる散乱円82R(図3参照)と青色光Bの焦点ボケによる散乱円82B(図3参照)の半径差ΔC(後述する)が所定値を下回るように形成されている。
図3は、測光素子36に用いられるイメージセンサの一部を模式的に示すと共に、測光素子36の受光面における、赤色光R、緑色光G、青色光Bそれぞれの散乱円82R、82G、82Bを示している。図3(a)は、実施の形態にかかる回折光学素子で軸上色収差補正をした場合を、図3(b)は、軸上色収差補正をしていない場合をそれぞれ示す。
図3(a)(b)において、測光素子36は、矩形状の画素81が縦9列横3列のマトリクス状に並んでいる。各画素81には赤、緑、青の色フィルタがオンチップフィルタとして形成されている。本実施の形態では、同一種類の色フィルタが縦一列に設けられた、ストライプタイプのオンチップフィルタが用いられている。
左端の縦1列の各画素81には赤色の色フィルタ(以下ではRフィルタと称する)が設けられており、その右側の縦一列の各画素81には緑色の色フィルタ(以下ではGフィルタと称する)が設けられており、さらに右側の縦一列の各画素81には青色の色フィルタ(以下ではBフィルタと称する)が設けられている。このように、測光素子36には、図示左右方向にR、G、B、R、G、B、…のようにR、G、Bフィルタが周期的に設けられている。
回折光学素子50を通過し結像レンズ34で測光素子36の前方に集光された光束が、図3(a)の散乱円82R、82G、82Bで示すように、測光素子36の色フィルタ81R、81G、81Bを一組含むような散乱円となる位置に測光素子36が配置されている。
光検出装置44が、このような構成を持つことにより、被写体光に含まれるR光成分、G光成分およびB光成分の検出を精度良く行うことができる。ここで、R色フィルタが設けられている画素81を画素81Rと表し、同様に、G色フィルタが設けられている画素81を画素81G、B色フィルタが設けられている画素81を画素81Rと表している。
一方、光検出装置44の光学系が大きな軸上色収差を有する場合(軸上色収差補正をしていない場合)、図2、図3(b)に示すように、赤色光と青色光の軸上色収差ΔZが大きくなると共に、図3(a)に比べて赤色光の散乱円82Rが小さくなり青色光の散乱円82Bとの半径差ΔCが大きくなる。この結果、赤色フィルタ81Rに入射する光が減少し、本来の色とは異なる色が検出されてしまう偽色、あるいは偽解像が発生する。
また、散乱円82が大きすぎると、二箇所の青色フィルタ81Bや赤色フィルタ81Rに光が入射し、緑色フィルタ81Gには一箇所しか光が入射しないため、偽色あるいは偽解像が発生する。
このため、実施の形態にかかる光検出装置44では、回折光学素子50と結像レンズ34と測光素子36との位置を所定の焦点ボケによる散乱円82となるように設定している。すなわち、この散乱円82は、画素81R、画素81G、および画素81Bをそれぞれ1個含むものである。このように、光検出装置44は、結像レンズ34と測光素子36を所定の位置関係に配置することで焦点ボケによる所定の散乱円82を測光素子36上に形成し、かつ結像レンズ34の前に回折光学素子50を配置して散乱円82の軸上色収差を補正することで、輝度の低下、偽色、および偽解像を防止することができる。
また、実施の形態にかかる光検出装置44の光学系では、回折光学素子50は、以下の条件式(1)の満足するように形成されていることが望ましい。
(1) ΔZ<2×P
ただし、ΔZは赤色光と青色光の軸上色収差を、Pは画素ピッチである色フィルタのピッチをそれぞれ示す。
条件式(1)を満足することで色収差を所定値より小さくすることができ、偽色、偽解像の発生を防止するができる。なお、発明の効果をより確実にするために、条件式(1)は、ΔZ<Pを満足することが好ましい。また、ΔZを規定する2つの波長は、赤色光と青色光に限定されず、色フィルタを透過する波長のうち最も波長の離れた2つの波長で規定しても良い。
また、実施の形態にかかる光検出装置44の光学系では、回折光学素子50は、以下の条件式(2)の満足するように形成されていることが望ましい。
(2) ΔC<P/2
ただし、ΔCは測光素子36の受光面上における散乱円半径差を、Pは画素ピッチである色フィルタのピッチをそれぞれ示す。
条件式(2)を満足することで散乱円半径差を所定値より小さくすることができ、偽色、偽解像の発生を防止するができる。なお、発明の効果をより確実にするために、条件式(2)は、ΔC<P/4を満足することが好ましい。また、ΔCを規定する2つの波長は、赤色光と青色光に限定されず、色フィルタを透過する波長のうち最も波長の離れた2つの波長で規定しても良い。
なお、条件式(1)のΔZと条件式(2)のΔCとは、次の関係式で結ばれている。
ΔC=ΔZ×NA
ただし、NAは結像レンズ34の開口数である。
次に、実施の形態の光検出装置46に使用できる結像レンズ34と回折光学素子50について図面を参照しつつ説明する。図4は、回折光学素子とレンズとが別体の場合を示している。図5は、回折光学素子とレンズとが一体となった回折レンズの場合を示している。
図4(a)では、結像レンズ34と回折光学素子50は、光軸上に個別に配置されている。この場合、回折光学素子50は、図4(b)に示すような単層回折光学素子50a、あるいは図4(c)に示すような複層回折光学素子50bを使用することができる。
単層回折光学素子50a、または50bを使用することにより、光検出装置46を安価に構成することができる。
また、図5(a)では、結像レンズ34と回折光学素子50とを一体的に形成した回折レンズ50Aを使用することもできる。この場合、回折レンズ50Aは、図5(b)に示すような単層密着型回折レンズ50c、あるいは図5(c)に示すような複層密着型回折レンズ50dを使用することができる。
回折レンズ50Aを使用することにより、光検出装置46をより小型化することができ、組み立ても簡単になる。また、図4、図5の両方とも回折光学素子の効果により色別の散乱円のバラツキが7分の1に抑えられ、偽色および偽解像の発生をより良く防止することができる。
以上の述べたように、実施の形態にかかる光検出装置によれば、測光光学系に回折光学素子を配置することで、軸上色収差あるいは散乱円半径差を所定値より小さくすることができ、偽色や偽解像の発生を防止することができる。また、散乱円の変動を抑えることができ、偽色や偽解像の発生を防止することができる。また、回折光学素子として複層密着型回折レンズを使用することで、フレアを小さく抑えることができる。
実施の形態にかかる一眼レフ電子カメラを説明する図。 実施の形態にかかる光検出装置の光学系の概略構成図。 測光素子に用いられるイメージセンサの一部を模式的に示し、(a)は、実施の形態にかかる回折光学素子で軸上色収差補正をした場合を、(b)は、軸上色収差補正をしていない場合をそれぞれ示す。 実施の形態にかかる光検出装置に用いられる回折光学系の例。 実施の形態にかかる光検出装置に用いられる回折レンズの例。
符号の説明
10 一眼レフ電子カメラ
12、26、34、42 レンズ
14、33 絞り
16 交換レンズ
18 クイックリターンミラー
20 フォーカシングスクリーン
22 サブミラー
24 焦点検出装置
28 ペンタプリズム
30 接眼レンズ
32 プリズム
36 測光素子
38 シャッタ
40 撮像素子
44 調光用測光装置
46 光検出装置
48 CPU
50 回折光学素子
50A 回折レンズ

Claims (13)

  1. 複数色の色フィルタを有するイメージセンサと、
    前記イメージセンサの受光面より前方の焦点面に結像する結像レンズと、
    前記結像レンズの前に前記受光面における少なくとも2色光の軸上色収差を所定値以下にする回折光学素子と、
    を有することを特徴とする光検出装置。
  2. 前記回折光学素子は、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光検出装置。
    ΔZ<2×P
    ただし、
    ΔZ:前記2色光の軸上色収差
    P:前記色フィルタのピッチ
  3. 前記回折光学素子は、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光検出装置。
    ΔC<P/2
    ΔC:前記受光面上における前記2色光の散乱円半径差
    P:前記色フィルタのピッチ
  4. 前記複数の色フィルタは、赤色、緑色、青色からなり、
    前記2色光は、前記赤色光と前記青色光であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光検出装置。
  5. 前記複数色の色フィルタは、同一色の列フィルタを有し、
    前記列フィルタを所定の配色パターンで当該列フィルタと直交する方向に配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光検出装置。
  6. 前記回折光学素子の前方に絞りを有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光検出装置。
  7. 前記回折光学素子は、単層回折素子であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光検出装置。
  8. 前記回折光学素子は、複層回折素子であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光検出装置。
  9. 前記結像レンズと前記回折光学素子とが一体的に形成された密着型回折レンズであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光検出装置。
  10. 前記密着型回折レンズは、単層密着型回折レンズであることを特徴とする請求項9に記載の光検出装置。
  11. 前記密着型回折レンズは、複層密着型回折レンズであることを特徴とする請求項9に記載の光検出装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の光検出装置と、
    前記光検出装置の出力信号に基づいて測光演算を行う演算部と、
    を有することを特徴とする測光装置。
  13. 請求項12に記載の測光装置と、
    前記測光装置の演算結果に基づき露光制御を行う制御部と、
    を有することを特徴とする撮影装置。
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