JP5104584B2 - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は成膜装置及び成膜方法に関するものであり、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)に用いる磁気記録媒体表面にDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)からなる保護膜を成膜する際に、磁気記録媒体表面へのパーティクルの付着を防止するための構成に関するものである。
近年、情報記録装置である磁気ヘッドの浮上を伴う磁気記録装置(いわゆるハードディスクドライブ)はコンピュータや各種情報端末などの外部記憶装置として一般に広く使用されている。
現在の磁気ディスクは、ガラス基板等の硬質非磁性基板上に良好な磁気特性を示すコバルト系の合金を薄膜磁性合金層として設けたものからなる。この磁性合金層は耐久性、耐蝕性に著しく劣るため、磁気ヘッドとの接触、摺動による摩擦、摩耗や湿気吸着による腐食発生のため磁気特性の劣化や機械的または化学的損傷が生じ易い。
そこで現状では、磁性合金層表面に保護膜層を設け、さらにその直上を潤滑剤で被覆することで、耐久性、耐蝕性の向上を図っている。このような保護膜としては、SiO2 、SiNx 或いはAl2 O3 等の様々な材質も用いられるが、現状はアモルファスの炭素系保護膜が耐熱性、耐蝕性および耐摩耗性の点において磁気記録媒体および磁気ヘッドの保護膜として好適であるとされている。一般には、スパッタリング法やCVD法で堆積された炭素系保護膜が製品へ適用されている。
ところで、近年の情報化社会ではあらゆる用途において取り扱う情報量が増加する傾向にあり、主要な外部記録装置である磁気ディスクには一層の高記録密度化が切望されている。この要求に応えるためには素子部性能の向上に加え、磁気記録層と磁気ヘッドの書込/読み取り部間の間隔、所謂磁気スペーシングを短縮することが不可欠であり、保護膜自身の薄層化が必要となる。
そのため、3nm以下の極薄膜においても十分な耐久/耐蝕性を確保できる保護膜のニーズが高まっており、従来以上に良好な耐久性が得られる保護膜の形成が可能なフィルタードカソーディックアーク法(FCA法)に注目が集まっている。
FCA法は放電点温度が1万℃以上にものぼるアーク放電を利用しているため、耐熱性の高い炭素でも容易に溶融・昇華させることができる。本手法ではCVD法とは異なり炭素のみを材料とした成膜が可能である。また、保護膜を構成する炭素間の結合についても、ダイヤモンド結合と呼ばれるsp3結合量を50%以上に増加させることが容易であるため、ダイヤモンドに近い硬度・密度をアモルファス状で実現することができ、結果として極めて優れた耐久性能を有する。
因に、実際に本発明者等が調査した結果ではFCA法で形成した炭素系の保護膜(FCA膜)は1nmの膜厚においてもCVD法で成膜した3nm厚の保護膜(CVD膜)と同等以上の耐久性を有することが判っている。
また、FCA法では、アーク放電時に付随的に多量なマクロパーティクルが発生するため、成膜対象物上へ付着したパーティクルが原因で磁気ディスク保護膜としての所要を満たすことができないという古くからの技術課題が存在した。
図9は、従来のFCA装置のプラズマ発生部の概念的構成図であり、図9(a)は概念的上面図であり、図9(b)は概念的透視側面図である。プラズマ発生部10は、管部材11内に配置されるターゲット12を載置するカソード13、アノード14、アーク放電をトリガーするストライカー15とからなり、カソード13とアノード14の間にアーク電圧を印加した状態でストライカー15をターゲット12に近接させてアーク放電を誘起する。
アーク放電が発生すると、ターゲットからは炭素イオンからなるプラズマ21と同時に、中性の炭素原子や径が0.3μm以上のマクロパーティクル22が多数発生し、磁気ディスク等の被処理基板上にDLC膜とともに付着することになる。
付着したマクロパーティクルを研磨等の工程で取り除くにしても、その数が多ければ取り除いた跡が欠陥となる可能性があるため、実用的には成膜面の付着パーティクル数を100個以下にする必要がある。
そこでFCA法による炭素系保護膜の実用化には、成膜時におけるマクロパーティクルのフィルターリング技術が重要となる。従来においてはフィルターコイルやラスターコイルからなるマグネチックフィルターを用いて中性カーボン原子やマクロパーティクルを除去していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−277779号公報
しかし、マグネチックフィルターを用いてもマクロパーティクルの除去は不十分であり、依然として磁気記録媒体上へのマクロパーティクルの堆積が問題となる。これはマグネチックフィルターによる磁場では成膜室へ直接導かれないものの、浮遊するマクロパーティクルの一部が管壁に衝突しながら成膜室へ達するためである。
したがって、本発明は、FCA法により成膜する際に、成膜レートを維持しつつ、被成膜基板上に付着するマクロパーティクル数を低減することを目的とする。
本発明の一観点からは、アーク放電によるプラズマ発生ガンを備えたプラズマ発生部と、発生したプラズマを被成膜基板へ誘導するフィルターと、前記被成膜基板を保持および処理するチャンバーとを有する成膜装置であって、前記プラズマ発生部に前記発生したプラズマの中央位置に遮蔽物を設けない状態で発生させたプラズマ中心の強度の15%に低下した位置までの範囲のプラズマ径よりも小径で且つ前記プラズマ発生部の管径の1/12〜1/3の第1の防着板を設置するとともに、前記第1の防着板より小径の第2の防着板をプラズマ流の下流側に設け、前記第2の防着板を非可動性とし、前記第1の防着板を前記アーク放電によるプラズマ発生時にプラズマ流内に挿入し、発生から予め定めた所定時間経過した時点で退避させる機構を備える成膜装置が提供される。
また、本発明の別の観点からは、遮蔽物を設けない状態でアーク放電により発生させたプラズマ中心の強度の15%に低下した位置までの範囲のプラズマ径よりも小径で且つプラズマ発生部の管径の1/12〜1/3の第1の防着板を前記アーク放電によるプラズマ発生時にプラズマ流内に挿入し、発生から予め定めた所定時間経過した時点で退避させるとともに、前記第1の防着板より小径の第2の防着板をプラズマ流の下流側に設けて成膜を行う成膜方法が提供される。
開示の成膜装置及び成膜方法によれば、プラズマ流中におけるマクロパーティクルの分布確率の大きな領域を防着板で遮蔽するので、被成膜基板上に付着するマクロパーティクル数を減少できる。また、それを磁気記録媒体の保護膜形成に利用すれば、より磁気記録媒体の信頼性を向上することができる。
ここで、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態のFCA装置の概念的全体構成図であり、プラズマ発生部10、フィルター部30、及び、成膜部40とによって構成される。
プラズマ発生部10の詳細構造は後述するが、基本的には、従来のFCA装置と同様に、管部材11内に配置されるターゲット12を載置するカソード13、アノード14、アーク放電をトリガーするストライカー15と、管部材11の外部に配置されるカソードコイル16、アーク電源17からなる。カソード13を負極とし、アノード14を正極としてアーク電圧を印加した状態でストライカー15をターゲット12に近接させてアーク放電を誘起する。
フィルター部30は、湾曲管部材31の外周に上流側コイル32及び下流側コイル33を配置した構成となる。また、成膜部40は導入管部41と成膜室42とからなり、導入管部41の外周にはラスターコイル43が設けられて、このラスターコイル43もフィルター作用の一翼を担う。
また、成膜室42内には、磁気ディスク等の被成膜基板44を載置する試料載置板45が設けられ、基板バイアス電源46により負にバイアスされる。また、イオンアシストシステム47も併設されている。
図2は、FCA装置におけるプラズマ分布とマクロパーティクル分布の説明図であり、プラズマの分布関数は、ボルツマン方程式とポアソン方程式の連立方程式で表され、厳密な解析は非常に困難であるものの、近似的には正規分布(マクスウェル分布)として扱うことができる。ここでは、成膜実験を行った媒体の膜厚分布の実測値から、プラズマの正規分布関数を求めた。また、マクロパーティクルの付着分布に関しても実測し、正規分布関数を求め、これらを図2に示した。なお、本発明においては、プラズマ中心の強度の約15%に低下した位置までの範囲をプラズマ径とする。
そもそもプラズマ密度は中央が高く、周辺が低いため、成膜レートを向上するためには、プラズマの中心部を如何に被成膜基板へ向わせるかが成膜装置の開発方針であった。しかし、プラズマの中心部は図2に示すようにマクロパーティクルの分布が非常に大きいため、本発明においては、この中心部を遮蔽するという対策を採用した。
図3は、本発明の実施の形態のFCA装置のプラズマ発生部の概念的構成図であり、図3(a)は概念的上面図であり、図3(b)は概念的透視側面図である。図に示すように、プラズマ発生部10は、上述の構成に加えて防着板18を設けた。この防着板18は、プラズマ21の径よりも小径であり、マクロパーティクル22が多いプラズマ流の中央に配置する。
この場合、成膜レートをできるだけ落とさずに、実用的なパーティクル数、例えば、3nmの膜厚にDLC膜を成膜した時に、0.3μm径のマクロパーティクル数が2.5インチの被処理基板当たり100個以下になるようなサイズとする。実験結果としては、管部材11の管径の1/12〜1/3にする必要があることがわかった。1/3を超えると成膜レートが小さくなってスループットが低下し、一方、1/12未満であれば、防着板を設けた効果が小さく、0.3μm径のマクロパーティクル数が2.5インチの被処理基板当たり100個以上になる。
この時、アーク発生時にマクロパーティクルが最も発生するため、径が異なる複数の防着板を組み合わせる。即ち、アーク発生時には大径の防着板を導入しておき、アークを発生させる機構であるストライカーの動作からある時間の遅延をもって大径の防着板を移動させて、小径の防着板のみにすることで、成膜レートの低下を抑制しつつ、付着パーティクル数を減少することができる。
以上を前提として、本発明の実施例1を説明する前に、本発明の前提となる参考例1のFCA装置を説明する。図4は本発明の参考例1のFCA装置のプラズマ発生部の概念的構成図である。なお、本発明の参考例1のFCA装置の全体構成は図1に示した構成と同様である。
プラズマ発生部10は、例えば、管径が300mmの管部材11内に配置されるグラファイトからなるターゲット12を載置するカソード13、アノード14、アーク放電をトリガーするストライカー15、防着板18と、管部材11の外部に配置されるカソードコイル16、アーク電源17からなる。この場合の防着板18は、防着部が例えば、直径が20mmで厚さが1.2mmの表面をブラスト処理したステンレス製の防着板を用い、例えば、ターゲット12の表面から150mmの高さに設定する。
このFCA装置を用いたDLC膜の成膜を行い、成膜レートとDLC膜上の0.3μm径のマクロパーティクル評価を行った。図5は、評価を行った磁気ディスクの概念的断面図であり、2.5インチのアルミ合金基板51上に下地層52及びCo金属層53をスパッタリング法で積層した後、FCA装置を用いグラファイトターゲットを原料として、アーク電流60A、アーク電圧30Vの条件で厚さが1〜3nmのDLC保護層54を成膜した。
DLC保護膜54の膜厚を3nmとした場合のマクロパーティクル55の数についてOSA(光学表面分析装置)を用いて評価した。その結果、0.3μm径以上のマクロパーティクル数は、防着板18の導入前では213個であったが、防着板18を導入すると82個に減少した。なお、DLC保護膜54の平均膜厚の測長方法としては、TEM(透過型電子顕微鏡)による断面観察を用いた。
実際の生産工程では、DLC保護膜と同時に堆積するマクロパーティクルの数が100個/2.5インチディスク以下の磁気ディスクを良品として次の研磨工程に回し、100個/2.5インチディスクを超える磁気ディスクについては不良品とし廃棄する。マクロパーティクルの数が100個/2.5インチディスク以下の良品の磁気ディスクを研磨してマクロパーティクルを除去したのち、フッ素系潤滑剤を塗布することによって製品となる。
このように、本発明の参考例1においては、プラズマ径の中央部に径が管部材11の1/15(=20/300)で、且つ、プラズマ径より小さな防着板18を配置しているので、プラズマの中央部で分布密度の大きなマクロパーティクルを遮蔽しているので、DLC保護膜と同時に堆積するマクロパーティクルの数を100個/2.5インチディスクすることができる。
また、研磨工程において、除去するマクロパーティクルの数が少なくなるので、除去後のDLC保護膜の劣化も少なく、製品としての良品率も向上し、また、研磨時間も短くて済むのでスループットが向上することになる。
次に、図6を参照して、本発明の実施例1のFCA装置を説明する。図6は本発明の実施例1のFCA装置のプラズマ発生部の概念的構成図である。なお、本発明の実施例1のFCA装置の全体構成は図1に示した構成と同様である。
プラズマ発生部10は、参考例1と同様に例えば、管径が300mmの管部材11内に配置されるグラファイトからなるターゲット12を載置するカソード13、アノード14、アーク放電をトリガーするストライカー15、管部材11の外部に配置されるカソードコイル16、アーク電源17からなる。
但し、この実施例1においては、相対的に大径の防着板19と相対的に小径の防着板20とを2段構造に設け、上流側に設ける相対的に大径の防着板19は出し入れ自在にし、下流側に設ける相対的に小径の防着板20は固定状態で使用する。
この場合の防着板19は、防着部が例えば、直径が30mmで厚さが1.2mmの表面をブラスト処理したステンレス製の防着板を用い、例えば、ターゲット12の表面から150mmの高さに設定する。一方、防着板20は、防着部が例えば、直径が10mmで厚さが1.2mmの表面をブラスト処理したステンレス製の防着板を用い、例えば、ターゲット12の表面から300mmの高さに設定する。
次に、図7を参照して、本発明の実施例1のFCA装置を用いた成膜工程を説明する。まず、図7(a)に示すように、2枚の防着板19,20の両方をプラズマ経路内に導入した状態でストライカー駆動装置を駆動してアーク放電を行う。このアーク放電の初期においてはマクロパーティクル22が大量に発生するが、大径の防着板19により遮蔽される。なお、管径の1/3を超える防着板を用いた場合には、マクロパーティクルに対する遮蔽効果は充分に得られるものの、プラズマ21も遮蔽されるので成膜レートが大幅に低下することになる。
次いで、図7(b)に示すように、タミング制御装置の指令により、アーク放電の瞬間から例えば、1.0秒後に防着板駆動装置を駆動して防着板19を退避することで、防着板20のみでマクロパーティクル22を遮蔽した状態で成膜を行う。その結果、成膜レートは実施例1に対して20%向上した。また、DLC保護膜の膜厚を3nmとした場合のマクロパーティクル数をOSA装置で評価した結果、0.3μm径以上のマクロパーティクル数は78個/2.5インチディスクであり、参考例1より若干改善されていた。
本発明の実施例1においては、アーク放電初期のマクロパーティクルの発生量が多い時期は参考例1の防着板18より大径の防着板19でマクロパーティクルを遮蔽しているので、参考例1と比較して付着するマクロパーティクル数を低減することができる。また、マクロパーティクルの発生量が少なくなってからは参考例1の防着板18より小径の防着板20でマクロパーティクルを遮蔽し、プラズマの通過量を増やしているので参考例1と比較して成膜レートを向上することができる。
次に、図8を参照して、本発明の参考例2のDLC保護膜を設けた磁気ディスクを説明する。図8は、本発明の参考例2の磁気ディスクの概念的断面図であり、実際には、ガラス基板に対して表裏に対称な成膜構造となっているが、ここでは、一方の側の成膜構造のみを図示する。
図に示すように、例えば、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、例えば、直径が2.5インチのガラス基板61上に厚さが、例えば、10nmのTa下地層62、厚さが、例えば、300nmのNiFe裏打層63、厚さが、例えば、15nmのRu中間層64、及び、厚さが、例えば、15nmのCoCrPt磁気記録層65を順次堆積させる。
次いで、例えば、上記の参考例1のFCA装置を用いて、厚さが、1〜3nm、例えば、1nmのDLC保護膜66を堆積させる。このDLC保護層における炭素間結合の割合は、1≦sp3/sp2であり、ダイヤモンド結合と呼ばれるsp3結合量が50%以上になっている。
次いで、研磨によってDLC保護膜66と同時に表面に付着したマクロパーティクル(図示は省略)を除去したのち、フッ素系潤滑剤67を塗布するとによって、本発明の実施例3の磁気ディスクの基本構成が完成する。
以上、本発明の実施例を説明してきたが、本発明は、実施例に示した条件に限られるものではない。例えば、管部材の管径は任意であり、管径に応じて防着板の直径が管径の1/3以下になり且つ成膜レートが極端に低下しない範囲に設定すれば良い。
また、図1に示したFCA装置の全体構成は単なる一例であり、例えば、フィルター部がU字型湾曲していても良く、或いは、上述の特許文献1に開示されているように成膜室に対して直線上に折れ曲がったフィルター部であっても良い。
また、上記の実施例においては、防着板を2枚設けているが、2枚に限られるものではなく、3枚以上設けても良く、この場合にもプラズマ流の上流から順に直径の大きな防着板を設ければ良く、最下流の防着板以外は出し入れ自在の構成する。
また、本発明の実施例においては成膜対象をDLC膜にしているが、DLC膜に限られるものではなく、DLC膜と同様に融点の高い物質の成膜工程にも適用されるものである。
ここで、実施例1を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を開示する。
(付記1)
アーク放電によるプラズマ発生ガンを備えたプラズマ発生部と、
発生したプラズマを被成膜基板へ誘導するフィルターと、
前記被成膜基板を保持および処理するチャンバーと
を有する成膜装置であって、
前記プラズマ発生部に前記発生したプラズマの中央位置に遮蔽物を設けない状態で発生させたプラズマ中心の強度の15%に低下した位置までの範囲のプラズマ径よりも小径で且つ前記プラズマ発生部の管径の1/12〜1/3の第1の防着板を設置するとともに、
前記第1の防着板より小径の第2の防着板をプラズマ流の下流側に設け、
前記第2の防着板を非可動性とし、
前記第1の防着板を前記アーク放電によるプラズマ発生時にプラズマ流内に挿入し、発生から予め定めた所定時間経過した時点で退避させる機構を備える成膜装置。
(付記
遮蔽物を設けない状態でアーク放電により発生させたプラズマ中心の強度の15%に低下した位置までの範囲のプラズマ径よりも小径で且つプラズマ発生部の管径の1/12〜1/3の第1の防着板を前記アーク放電によるプラズマ発生時にプラズマ流内に挿入し、発生から予め定めた所定時間経過した時点で退避させるとともに、
前記第1の防着板より小径の第2の防着板をプラズマ流の下流側に設けて成膜を行う成膜方法。
(付記) 付記に記載の成膜方法が、磁気記録媒体の保護層の成膜方法であり、成膜直後における前記保護層における直径が0.3μm以上のマクロパーティクル数が100個以下である磁気記録媒体に対してのみ前記マクロパーティクルを除去するための表面研磨工程を行う磁気記録媒体の製造方法。
(付記) 付記に記載の成膜装置を用いて保護層を作製した磁気記録媒体であって、表面研磨工程前における前記保護層における直径が0.3μm以上のマクロパーティクル数が100個以下である磁気記録媒体。
(付記) 前記保護層における炭素間結合の割合が、1≦sp3/sp2である付記4に記載の磁気記録媒体。
(付記) 前記保護層の膜厚が、1〜3nmである付記4または付記5に記載の磁気記録媒体。
本発明の実施の形態のFCA装置の概念的全体構成図である。 FCA装置におけるプラズマ分布とマクロパーティクル分布の説明図である。 本発明の実施の形態のFCA装置のプラズマ発生部の概念的構成図である。 本発明の参考例1のFCA装置のプラズマ発生部の概念的構成図である。 評価を行った磁気ディスクの概念的断面図である。 本発明の実施例のFCA装置のプラズマ発生部の概念的構成図である。 本発明の実施例のFCA装置を用いた成膜工程の説明図である。 本発明の参考例2の磁気ディスクの概念的断面図である。 従来のFCA装置のプラズマ発生部の概念的構成図である。
符号の説明
10 プラズマ発生部
11 管部材
12 ターゲット
13 カソード
14 アノード
15 ストライカー
16 カソードコイル
17 アーク電源
18,19,20 防着板
21 プラズマ
22 マクロパーティクル
30 フィルター部
31 湾曲管部材
32 上流側コイル
33 下流側コイル
40 成膜部
41 導入管部
42 成膜室
43 ラスターコイル
44 被成膜基板
45 試料載置板
46 基板バイアス電源
47 イオンアシストシステム
51 アルミ合金基板
52 下地層
53 Co金属層
54 DLC保護層
61 ガラス基板
62 Ta下地層
63 NiFe裏打層
64 Ru中間層
65 CoCrPt磁気記録層
66 DLC保護膜
67 フッ素系潤滑剤

Claims (2)

  1. アーク放電によるプラズマ発生ガンを備えたプラズマ発生部と、
    発生したプラズマを被成膜基板へ誘導するフィルターと、
    前記被成膜基板を保持および処理するチャンバーと
    を有する成膜装置であって、
    前記プラズマ発生部に前記発生したプラズマの中央位置に遮蔽物を設けない状態で発生させたプラズマ中心の強度の15%に低下した位置までの範囲のプラズマ径よりも小径で且つ前記プラズマ発生部の管径の1/12〜1/3の第1の防着板を設置するとともに、
    前記第1の防着板より小径の第2の防着板をプラズマ流の下流側に設け、
    前記第2の防着板を非可動性とし、
    前記第1の防着板を前記アーク放電によるプラズマ発生時にプラズマ流内に挿入し、発生から予め定めた所定時間経過した時点で退避させる機構を備える成膜装置。
  2. 遮蔽物を設けない状態でアーク放電により発生させたプラズマ中心の強度の15%に低下した位置までの範囲のプラズマ径よりも小径で且つプラズマ発生部の管径の1/12〜1/3の第1の防着板を前記アーク放電によるプラズマ発生時にプラズマ流内に挿入し、発生から予め定めた所定時間経過した時点で退避させるとともに、
    前記第1の防着板より小径の第2の防着板をプラズマ流の下流側に設けて成膜を行う成膜方法。
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