以下、図面を参照しながら、本発明に係る弾球遊技機の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では本発明に係る弾球遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
<1.構成の概要、図1、図2>
図示のパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図2参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出釦12(カード返却釦12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図2に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)を変動表示可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサ34a、35a(図3参照)が設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片(可動部材)47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が配設されている。
上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開閉する開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その両側に一般入賞口43が計4つ配設されている。各一般入賞口43は、それぞれ内部にセンサを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグを3桁に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LED等:図示せず)などが配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されている。
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御基板27(図3参照)において乱数抽選による大当りに関する抽選(大当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)を開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
本実施形態では液晶表示装置36により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)等で構成しても良い。この液晶表示装置36は、後述する液晶制御基板25(図3参照)の制御の下で、種々の演出を画像で表示させる。すなわち、上記特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出、つまり装飾図柄を変動表示させて上記装飾図柄変動表示ゲームを現出し、これに付随して種々の予告演出(たとえば、リーチ演出や背景演出など)を現出させる。
したがって、特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また、特別図柄表示装置38では特別図柄が大当りを示す所定の停止表示態様(たとえば、3個の7セグが全て「7」停止表示状態)となり、液晶表示装置36では「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の停止表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」停止表示状態)となる。
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイド42a(図3参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大15回(15R(ラウンド))繰り返されるようになっている。
上記大当り遊技は、上記図柄変動表示ゲームにて大当りを示す図柄が確定表示されてから開始される。大当りが開始すると、最初に大当り開始ファンファーレによるオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口40が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(たとえば、15ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口40が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中での大入賞口40の開放は、規定入賞個数(たとえば、9個)の遊技球が大入賞口40に入賞するまでの間、または規定時間(たとえば、29秒)が経過するまでの間、となっている。また、ラウンド遊技中では、対応するラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当り終了ファンファーレによるエンディング演出が行われ、大当りが終了する。
上記の大当り開始ファンファーレおよび大当り終了ファンファーレは、これを指定するコマンドが大当り中に主制御基板27から演出制御基板24に送信されることで実行される。このように大当り遊技の期間中に主制御基板27から演出制御基板24に送信されるコマンドには、大当り開始ファンファーレコマンド、大当り終了ファンファーレコマンド、ラウンド表示コマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンドなどがあり、これらを総称して、本明細書では「大当り中コマンド」と称する。
また普通図柄始動口37に遊技球が通過したことに基づき、普通図柄変動表示ゲームが開始され、普通図柄表示装置39が点滅等の変動表示を行い、一定時間経過後に、その普通図柄変動表示ゲームの結果を、LED39の点灯と非点灯の組み合わせまたは双方点灯の組み合わせにて停止表示する。すなわち、普通図柄始動口37に遊技球が通過したことに基づき普通図柄に関する乱数抽選が行われ、この抽選結果が当り(補助当り)であった場合には、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLED39が双方共に点灯状態)に表示させ、その後に、可動翼片47が開状態となって、遊技者に有利な遊技状態である補助遊技状態が発生する。
この補助遊技状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば、0.5秒)可動翼片47が閉まり下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返される。
また上記補助遊技状態中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に内部抽選が行われ、上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して排出される。
なお、上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力がある場合には、この検出信号に基づいて各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータである始動記憶(いわゆる、作動保留球数)を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶する。そして、この始動記憶個数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所にまたは液晶表示装置36による画面中に画像として表示させる。通常は、この始動記憶の発生順に、各始動記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記上限の所定個数として、特別図柄、普通図柄に関する始動記憶をそれぞれ4個まで主制御基板27に設けられるRAM273(図3参照)に記憶され、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板27(主制御CPU271:図3参照)がその機能部を担う、確率変動(以下、「確変」と称する)機能を備えている。これには特別図柄の確変機能と普通図柄の確変機能の二種類がある。
特別図柄の確変機能は、大当り終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率である通常確率(本実施形態では300分の1)から高確率(本実施形態では30分の1)に変動する確変状態を付与する機能である。すなわち、確変状態においては、大当り抽選確率が低確率である低確率状態から、大当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動している。大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが「確変大当り」となり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない大当りが「非確変大当り」となる。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、この確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態を継続させる条件は適宜定めることができる。たとえば、所定回数(たとえば、4回)の特別図柄変動表示ゲームが終了する迄の間(いわゆる、「回数切り確変(ST)」)、または次回の大当り遊技が開始される迄の間、もしくは抽選により低確率状態に移行することが決定される迄の間(いわゆる、「転落抽選」)を条件とすることができ、いずれの条件を付与するかは自由である。また、確変大当りを複数種類設けることにより、各確変大当りごとに、どの条件を付与するかを定めても良い。
普通図柄の確変機能は、大当り遊技終了後に補助当りの抽選確率(補助当りの当選確率)が低確率である通常確率(本実施形態では256分の1)から高確率(本実施形態では256分の255)に変動する確変状態を付与する機能である。すなわち、上述した特別図柄に関する確変状態と同じく、この確変状態においては、補助当り抽選確率が低確率である低確率状態から、補助当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動している。普通図柄の確変機能は、後述する普通図柄の変動時間短縮機能に連動する形態となっている。
またさらに、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU271がその機能部を担う、変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能を備えている。これには特別図柄の変動時間短縮機能と普通図柄の変動時間短縮機能の二種類がある。
特別図柄の時短機能は、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の変動時間が短縮された時短状態を遊技者に付与する機能である。特別図柄の変動時間について時短状態が付与されると、1回の特別図柄変動表示ゲームの時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、たとえば、30秒(時短状態が付与されていないとき)から5秒(時短状態が付与されているとき)に短縮される。すなわち、この時短状態は、単位時間当りの大当りの抽選回数が向上する抽選回数向上状態である。
普通図柄の時短機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる(下始動口35に遊技球を入賞し易くする)か否かの抽選結果を導出する普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の変動時間が短縮された時短状態を遊技者に付与する機能である。普通図柄の変動時間について時短状態が付与されると、1回の普通図柄変動表示ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、たとえば、30秒(時短状態が付与されていないとき)から3秒(時短状態が付与されているとき)に短縮される。すなわち、この時短状態は、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態である。
上記の時短状態は、本実施形態では、確変大当り終了後の確変状態が継続する間、または非確変大当り終了後の予め定めた回数の図柄変動表示ゲームが終了する迄の間、もしくは当該予め定めた回数に達する前に大当りが生起される迄の間付与される。
またさらに、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU271がその機能部を担う、開放延長機能を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長した開放延長状態を遊技者に付与する機能である。開放延長状態が付与されると、可動翼片47の開動作期間がたとえば0.2秒から2秒に延長され、また開閉回数が、たとえば最大2回(開放延長状態が付与されていないとき)から最大3回(開放延長状態が付与されているとき)に延長される。すなわち、開放延長状態は、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態である。開放延長機能は、上記時短機能に連動する形態となっている。したがって、上記時短状態では、普通図柄の確変機能および開放延長機能をも付与されるので、可動翼片47の作動率が著しく向上するようになっている。以下では、確変機能(普通図柄に関する)、時短機能、および開放延長機能が付与される状態を必要に応じて「時短状態」と称して説明する。
このように普通変動入賞装置41の可動翼片47は、時短状態が付与されている場合と、時短状態が付与されていない場合とでは、普通図柄変動表示ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作する。すなわち、可動翼片47は、時短状態が付与されている場合、時短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利な動作をするようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームで抽選される大当り(内部当選)の種別として、大当り終了後の遊技状態を、大当り当選確率が所定確率である低確率状態とする「通常大当り(非確変大当り(15R非確変(15R通常)大当り)と、それより高い当選確率の高確率状態とする「確変大当り(15R確変大当り、2R突然確変(2R突確)大当り、2R潜伏確変大当り)」とを設けてある。これらの大当りのうち、15R通常大当りと15R確変大当りは、大入賞口40の開放回数(ラウンド数)があらかじめ定めた最大回数の15ラウンド行われる大当りであり、2R突然確変(2R突確)大当りと2R潜伏確変大当りは、上記ラウンド数が2ラウンド行われる大当りである。なお、上記2R突然確変大当りや2R潜伏確変大当りにおける1回のラウンド遊技中での大入賞口40の開放時間は、上記15R通常大当りや15R確変大当りよりも短く(たとえば0.5秒)設定されている。しかしこの開放時間は特に制限されず、15ラウンドの大当り時の開放時間と同じにしてもよいし、大当り種別に応じて異なる開放時間としてもよい。また、既に説明したが「確変大当り」においては、大当り遊技終了後に少なくとも確変状態が付与される。本実施形態では、15R確変大当りと2R突然確変大当りには次回大当りとなるまで確変状態および時短状態が付与され、2R潜伏確変大当りには次回大当りとなるまで確変状態のみが付与されるようになっている。一方、非確変大当りである「通常大当り」においては、大当り遊技終了後に特別図柄変動表示ゲーム回数が所定回数(たとえば、100回)終了する迄の間か、またはその所定回数内で次回大当りとなる迄の間、時短状態が付与され、かつ確変状態が付与されないようになっている。
また上述した大当りの他、2R確変大当り(2R突確大当りまたは2R潜伏確変大当り)の大当り遊技状態の場合と同様の遊技態様で特別変動入賞球装置42が2回開閉される当り状態(小当り遊技状態)が付与される「小当り」を設けてある。具体的には、停止図柄が小当り図柄になると、短い期間(たとえば0.5秒)だけ特別可変入賞装置が2回開放される小当り遊技状態に移行し、この小当り遊技状態では、2R確変大当りの大当り遊技状態が発生したときに遊技者に付与される遊技価値と実質的に同じ遊技価値が付与されることになる。しかし小当り遊技状態終了後には、当該小当りの当選時の遊技状態がそのまま継続されるようになっており、この点において、少なくとも確変状態が付与される「2R確変大当り」とはその性質を異にする。たとえば、通常遊技状態中に2R潜伏確変大当りに当選したケースでは、その大当り終了後の遊技状態が確変状態(高確率、時短状態なし)となるが、小当りに当選したケースでは、その小当り遊技状態終了後は、小当り当選時の遊技状態である通常遊技状態(低確率、時短状態なし)が維持されることになる。なお、小当りが発生したときも、2R突然確変大当りのときと同様の特別な演出(確変隠匿演出)が実行される。ここで、上記した遊技価値とは、1回の大当り中に遊技者に付与される遊技価値(規定ラウンド数、1回のラウンド遊技中での大入賞口40の開放時間(ラウンド時間)、総ラウンド時間、または1回のラウンド遊技中での大入賞口40の閉鎖条件となる規定入賞個数(大入賞口最大入賞カウント数)など、大当り遊技態様に依存して遊技者に付与される価値の総称)としてもよいし、1回の大当り中に遊技者に付与される価値とその大当り終了後に付与される遊技状態により付与される価値との総称としてもよい。
ここに「確変隠匿演出」とは、確変大当りによる高確率状態が潜伏中(潜伏確変中)であるかのように装う演出であり、遊技者に確変状態の期待感を与えるものである。
また、いずれかの大当りに当選した場合、特別図柄表示装置38における特別図柄に関しては、そのまま抽選結果が反映した特別図柄が表示される。つまり特別図柄表示装置38には、確変大当りを報知する特別図柄または通常大当りを報知する特別図柄または確変大当りか通常大当りいずれかの可能性があることを報知する特別図柄が表示される。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1には、大当り終了後に液晶表示装置36に表示される遊技状態における演出の演出モードとして、現在の遊技状態が高確率状態、つまり確変状態であることを確定的に報知する演出をなす確変演出モードと、これとは異なり大当り当選確率が高確率状態であることを確定的に報知しない演出をなす時短演出モードを設けてある。上記時短演出モードは、原則として通常大当りを契機として移行する演出モードであり、現在の遊技状態が確変状態であることを確定的には報知しないが、時短状態であることを確定的に報知する演出をなすモードである。
また演出に関しては、特定当りである小当りの当選履歴情報、すなわち小当りフラグが設定状態であるかまたは非設定状態であるかの履歴情報に依存して決定される2つの演出モードを備えている。その一つは、図12に示すように、小当りフラグの当選履歴情報が設定状態(5A[H])のときにとる確変隠匿演出モード(ガセの場合)であり、他の一つは小当りフラグの当選履歴情報が非設定状態(00[H])のときにとる通常演出モードである。
<2.制御装置、図3>
図3は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技機制御を行う制御装置の構成の概要を示した制御ブロック図である。
この制御装置は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板27(主制御部)と、主制御基板27から演出制御コマンドを受けて、光と音についての演出制御を行う演出制御基板24と、この演出制御基板24からの指示を受けて画像についての演出制御を行う液晶制御基板25と、を中心に構成される。そして、液晶制御基板25には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書においては、場合により、演出制御基板24の機能と液晶制御基板25の機能を特に区別することなく、両機能を併せ持つ制御装置部分を「演出制御部」として説明する。なお本明細書において、演出装置といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置、可動体など、画像や光や音、可動体の動作態様によって演出を行う装置を広く指す。
また、主制御基板27には払出制御基板29が接続され、これに発射装置32を制御する発射制御基板28および遊技球払出装置19が接続されている。符号31は電源基板であり、電源基板31は外部電源(図示せず)に接続され、変圧トランスから供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、図3には電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御基板27)
主制御基板27は、主制御CPU271を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納したROM272と、ワークエリアが形成されるRAM273を搭載して、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
また主制御基板27には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサとが接続され、主制御基板27はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
また主制御基板27には、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41a、および、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための特別変動入賞装置ソレノイド42aが接続され、主制御基板27は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御基板27は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかを抽選するとともに、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄を決定し、少なくともこの抽選結果と変動パターンとを含む演出制御コマンドや、決定された停止図柄に基づく装飾図柄コマンドを作成して演出制御基板24に送信する構成となっている。
主制御基板27からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御基板24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御基板24を介して主制御基板27に入力されることを防止するためである。
(2−2.演出制御基板24)
演出制御基板24は、演出制御CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243と、を搭載していて、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。この演出制御基板24の主な役割は、主制御基板27からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶制御基板25への液晶制御コマンドの送信、スピーカ46の音制御、枠ランプ・LEDの発光制御、可動体の可動制御、各種エラーの報知などである。
演出制御基板24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
また、演出制御基板24は、演出制御コマンドを受けて、変動パターンに対応する演出パターンを抽選し、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせるべく、液晶制御基板25に対して液晶制御コマンドを送信する構成となっている。
また、演出制御基板24には、枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンからなり、遊技者参加型の昇格演出ゲームに遊技者が参加するときなどにおいて遊技者により操作される。
(23.液晶制御基板25)
液晶制御基板25には、演出制御基板24から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP60に出力する液晶制御CPU52と、液晶制御CPU52の動作手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROM53と、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAM54とが設けられている。
また、液晶制御基板25には、液晶制御CPU52に接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)60と、VDP60が画像展開する必要な画像データを格納した画像データROM55と、VDP60が展開した画像データを一時的に記憶するVRAM56とが設けられている。
遊技状態に関する情報は、まず、大当り抽選の結果(大当りかハズレかの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報が、演出制御コマンドにより主制御基板27から演出制御基板24へと送信される。なお、詳細は後述するが、現在の遊技状態は特別図柄変動パターンに間接的に内包された形で送信される。
演出制御基板24側では、主制御基板27から送られてくる演出制御コマンドにより指示された演出シナリオに対応する演出パターンが、あらかじめ用意された多数の演出パターンの中から抽選により決定され、この決定された演出パターンを実行指示する制御信号が演出制御基板24から音響発生装置46aおよび光表示装置45aに送られる。これにより、演出パターン対応する効果音の再生と、装飾ランプ45やLED等の点灯点滅駆動とが実現される。また演出制御基板24は、主制御基板27から送信される演出制御コマンドを受けて、これに関連付けられた液晶制御コマンドを、液晶表示装置36に表示する画像の再生が必要なタイミングで液晶制御基板25に対し送信する。液晶制御基板25はこれにより、演出パターンに対応した画像による演出が実現される。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)及びイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。即ち、主制御CPU271は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御基板にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。更に、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。演出制御CPU241は、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号は主制御CPU271により、演出制御CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板24は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板25にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。なお、ここでも不正な行為に対する安全性を確保するため、液晶制御基板25から主制御基板27へは信号が流れないように構成される。
<3.遊技動作処理、図4〜図19>
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1に係る遊技動作の制御を、図4〜図19に沿って詳細に説明する。以下では、本発明と係りの深い特別図柄変動表示ゲームおよび装飾図柄変動表示ゲームに着目した遊技動作について説明し、普通図柄変動表示ゲームについては、既に公知であるので詳細な説明は省略する。
まず、図4のフローにおいて、ステップS101の処理で、特別図柄始動口センサ34a、35aにより始動口(上始動口34または下始動口35)への遊技球の入賞が検出され、その検出信号が入力されることで主制御基板27(主制御CPU271)側で始動条件の成立が認識される(ステップS101:YES)。つまり、特別図柄変動表示ゲームの開始条件が成立する。このとき作動保留球数が4未満(ステップS102:NO)ならば作動保留球数を1加算する(ステップS103)。この後、増加した保留球数に対応した保留コマンドを送信する(ステップS104)。
上記始動条件の成立が認識されると、主制御基板27にて抽選用乱数(大当り判定用乱数)が取得され(ステップS105)、その乱数値が搭載RAM273(始動保留記憶手段)に記憶される。一方、作動保留球数が4以上の場合(ステップS102:YES)、上記ステップS103〜S105の処理は行わず、ステップS106の処理に進む。
次いで、ステップS106の処理に進み、作動保留球数が0であるか否かを確認し、作動保留球数が0の場合には(ステップS106:YES)、始動口への入賞は1つもないと判断され、再びステップS101に戻り、始動口への入賞を確認することになる。
作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS106:NO)、作動保留球数が1減算され(ステップS107)、減少した保留球数に対応した保留コマンドを送信する(ステップS108)。次いで、ステップS105で取得した乱数値に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかを抽選する大当り判定処理(内部抽選)を実行する(ステップS109)。次いで図示してないが、ステップS109の判定結果である当否情報に応じて図柄抽選により停止図柄(特別図柄)が決定され、図柄抽選を経ることで大当りの種別が決定される。そして、ステップS110の当選時情報記憶処理に進み、大当りに内部当選した時点における停止図柄や大当りの種別などの情報を記憶する(ステップS110)。
(3−1.当選時情報記憶処理、図6)
図6は当選時情報記憶処理(ステップS110)の内容を示したフローである。この当選時情報記憶処理では、主制御CPU271が、まず上記図4のステップS109で判定した大当り判定結果が大当り(小当りを含む)であるか否かを判断する(ステップS131)。この大当り判定結果が大当りの場合は(ステップS131:YES)、当選時情報として、大当りの種別および当選時の遊技状態(大当り前の状態)についてのデータ(大当り当選時データ)をRAM273のバッファに記憶する(ステップS132)。この当選時情報には停止させる特別図柄や装飾図柄の停止図柄情報が含まれる。
また大当り判定結果が大当りでない場合つまりハズレの場合は(ステップS131:NO)、何もせずにこの当選時情報記憶処理を終了する。
次いで、変動パターン決定処理に進む(ステップS111)。
<4.変動パターン決定処理、図7>
図7は、ステップS111の変動パターン決定処理の内容を示すフローチャートである。この変動パターン決定処理は、主制御基板27側で、上記大当り判定処理の結果に基づく特別図柄に関する変動パターンを、現在の遊技状態に応じて区分された変動パターンの中から抽選することにより決定し、決定した変動パターンを演出制御基板24に送信する処理である。
主制御CPU271は、現在の遊技状態を確認する(ステップS201)。本実施形態の場合、現在の遊技状態として、通常状態(低確率、開放延長なし)、時短状態(低確率、開放延長あり)、潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)、確変状態(高確率、開放延長あり)の4つを取り扱っている。なお、上記「開放延長あり」とは普通変動入賞装置41の開放延長機能が作用中、つまり時短状態を意味し、「開放延長なし」とは普通変動入賞装置41の開放延長機能が非作用中、つまり非時短状態を意味する。ここで、上記の「時短状態(低確率、開放延長あり)」と、前述で用いていた「確変機能(普通図柄に関する)、時短機能、および開放延長機能が付与される状態を称した“時短状態”」とを混同してはならない。つまり、「時短状態(低確率、開放延長あり)」とは、“大当り当選確率が「低確率」で「時短状態」が付与された遊技状態”を意味する。また上記の「確変状態(高確率、開放延長あり)」と、確変機能作用中を称した「確変状態」とを混同してはならない。つまり、上記の「確変状態(高確率、開放延長あり)」とは、“大当り当選確率が「高確率」で「時短状態」が付与された遊技状態”を意味する。
(4−1.モード転落抽選処理、図8)
次いで、確変隠匿演出モード(小当りフラグ5A[H])に入っている場合のモード転落抽選処理(ステップS202)を行う。このモード転落抽選処理における小当りフラグは、2R潜伏確変に当選した場合にも設定されることが望ましい。これにより潜伏確変状態でも、転落抽選に当選すると(演出上)通常状態となる可能性が出て来て、通常状態下か潜伏状態かが報知されないことに基づく本来の遊技性が発揮されるからである。
図8は、ステップS202のモード転落抽選処理を示すフローチャートである。
主制御基板27は、小当りフラグが設定状態(5A[H])にあるか否か判断する(ステップS211)。小当りに当選していた場合、つまり小当りフラグが設定状態(5A[H])であった場合は、大当り判定結果がハズレであることを確認し(ステップS212:YES)、モード転落抽選処理を実施する(ステップS213)。モード転落に当選していた場合は(ステップS214:YES)、小当りフラグを非設定状態(00H)に戻す。これにより、後にこの設定情報を含む変動パターンの決定・送信処理がなされ、演出制御基板24は、この変動パターンに基づき、小当り前の演出モード(たとえば確変隠匿演出モード)を終了し通常演出モードに戻る。またモード転落に当選していなかった場合は(ステップS214:NO)、小当りフラグを設定状態(5A[H])のまま維持する。主制御基板27で維持されている場合においては、演出制御基板24側でも同様に演出モードが維持される為、主制御基板27から小当りフラグが非設定状態(00H)に設定され、この設定に基づく変動パターンコマンドを受信しない限り、演出制御基板24は小当り前の演出モード(確変隠匿演出モード)を継続する。
図7に戻り、ステップS203の変動パターン抽選処理に進み、確認された現在の遊技状態の区分に属する変動パターン、正確には変動パターンコマンドを抽選により選択する(ステップS203)。
(4−2.変動パターン抽選処理、図9)
図9は、この変動パターン抽選処理の内容を、4つの遊技状態別に分岐させて示したものである。
図9は、遊技状態に応じステップS222〜S225に分岐される(ステップS221)。図柄変動時の現在の遊技状態が、通常状態(低確率、開放延長なし)である場合は、この通常状態(低確率、開放延長なし)の区分に属する変動パターンの中から該当する変動パターンを抽選により決定する(通常中変動パターン抽選処理)(ステップS222)。
また現在の遊技状態が、時短状態(低確率、開放延長あり)である場合は、この時短状態(低確率、開放延長あり)の区分に属する変動パターンの中から該当する変動パターンを抽選により決定する(時短中変動パターン抽選処理)(ステップS223)。
また、現在の遊技状態が、潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)中である場合または小当りフラグが設定状態(5A[H])中である場合(両者を含めて「潜伏中」と称する)は、この潜伏中状態の区分に属する変動パターンの中から該当する変動パターンを抽選により決定する(潜伏中変動パターン抽選処理)(ステップS224)。換言すれば、潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)中の場合と、通常状態中であって小当りフラグが5A[H]の場合は、同一の変動パターンコマンド抽選テーブルに基づいて抽選を行う。勿論、潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)と通常状態(低確率、開放延長なし、小当りフラグ=5A[H])とでそれぞれ異なる変動パターン抽選テーブルに基づき抽選を行なうようにしてもよい。この場合、変動パターンの種類数は同一とし各パターンの選択率を異ならせるようにしてもよい。このようにすることで、変動パターンの偏りにより遊技状態の示唆が可能となる。
また現在の遊技状態が、確変状態(高確率、開放延長あり)である場合は、この確変状態(高確率、開放延長あり)の区分に属する変動パターンの中から該当する変動パターンを抽選により決定する(確変中変動パターン抽選処理)(ステップS225)。
上記変動パターン抽選処理で4つの区分に分けられた変動パターンは、図12に示す変動パターンコマンドテーブルを参照することで、いずれの区分に属する変動パターンであるかが把握されることになる。これについては図11の演出抽選処理において詳述する。
(4−3.通常中変動パターン抽選処理、図10)
図10は、上記変動パターン抽選処理の代表例として、通常中変動パターン抽選処理(ステップS222)の内容を具体的に示したものである。
図10に示すように、通常中変動パターン抽選処理は内部抽選の大当り判定結果に応じ、さらにステップS232〜S237に分岐される(ステップS231)。
以下では「大当りの判定結果および図柄抽選等の結果として」という表現で装飾図柄の表示と大当りの種類を説明するが、正確には、上記内部抽選の大当り判定に続く図柄抽選を経ることで特別図柄の種別が決定され、これに対応して装飾図柄も確定すると共に、この決定される特別図柄に対応して確変・非確変の別とラウンド数が決定される。
大当り判定結果および図柄抽選等の結果として、液晶表示装置36側において装飾図柄がハズレ図柄にて変動停止されるケース(ハズレ)と判断される場合は(ステップS232)、予め用意されたハズレ用の変動パターンコマンドのうちから一つを抽選により選択する「ハズレ用変動パターン抽選処理」を実行する。つまり通常状態(低確率、開放延長なし)中に内部抽選でハズレを引いた場合は、このハズレ用の変動パターンコマンドを選択する。
また大当り判定結果および図柄抽選等の結果として、装飾図柄が確変大当り図柄で揃って変動停止されるケース(15R確変大当り)と判断される場合は(ステップS233)、予め用意された15R確変大当り用に区分された変動パターンコマンドの中から、一つの変動パターンコマンドを抽選により選択する(15R確変大当り用変動パターン抽選処理)。つまり通常状態(低確率、開放延長なし)中に内部抽選で15R確変大当りに当選した場合は、この15R確変大当り用の変動パターンコマンドを選択する。
また大当り判定結果および図柄抽選等の結果として、装飾図柄が15R非確変大当り図柄(通常大当り図柄)で揃って変動停止されるケース(15R非確変大当り)と判断される場合は(ステップS234)、予め用意された15R非確変大当り用に区分された変動パターンコマンドの中から、一つの変動パターンコマンドを抽選により選択する(15R非確変大当り用変動パターン抽選処理)。つまり通常状態(低確率、開放延長なし)中に内部抽選で15R非確変大当りに当選した場合は、この15R非確変大当り用の変動パターンコマンドを選択する。
また大当り判定結果および図柄抽選等の結果として、装飾図柄が2R突確大当り図柄で揃って変動停止されるケース、たとえば「357」などのチャンス図柄で変動停止されるケース(2R突確大当り)と判断される場合は(ステップS235)、2R突確大当り用に区分された変動パターンコマンドの中から、一つの変動パターンコマンドを抽選により選択する(2R突確大当り用変動パターン抽選処理)。つまり通常状態(低確率、開放延長なし)中に内部抽選で2R突確大当りに当選した場合は、この2R突確大当り用の変動パターンコマンドを選択する。
また大当り判定結果および図柄抽選等の結果として、装飾図柄が2R潜伏確変の大当り図柄、たとえば「135」などの停止目で揃って変動停止したケース(2R潜伏確変大当り)と判断される場合は(ステップS236)、2R潜伏確変大当り用の変動パターンコマンドの中から、一つの変動パターンコマンドを抽選により選択する(2R潜伏確変大当り用変動パターン抽選処理)。つまり通常状態(低確率、開放延長なし)中に内部抽選で2R潜伏確変大当りに当選した場合は、この2R潜伏確変用の変動パターンコマンドを選択する。
また大当り判定結果および図柄抽選等の結果として、装飾図柄が小当り図柄、たとえば「135」などの停止目(2R潜伏確変の大当り図柄と同じ停止目)で揃って変動停止した場合は(ステップS237)、小当り用に区分された変動パターンコマンドの中から、一つの変動パターンコマンドを抽選により選択する(小当り用変動パターン抽選処理)。つまり通常状態(低確率、開放延長なし)中に内部抽選で小当りに当選した場合は、この小当り用の変動パターンコマンドを選択する。
そして、最後に上記各分岐の抽選処理により選択された変動パターンコマンドをRAM273に記憶することにより(ステップS238)、大当り種別に対応した変動パターンコマンドの設定を行い、図9のステップS222に戻る。
図9における残りの変動パターン抽選処理、すなわち時短中変動パターン抽選処理、潜伏中変動パターン抽選処理、確変中変動パターン抽選処理(ステップS223、S224、S225)の内容も、図10で説明した通常中変動パターン抽選処理(ステップS222)の場合と同様である。
ただし、図12に示すように、小当りフラグは、通常状態(低確率、開放延長なし)である場合に通常演出モードとするか確変隠匿演出モードとするかの振り分け因子として寄与しているに過ぎず、他の残りの時短状態、潜伏確変状態、確変状態という3種類の演出モードの振り分けには関与していない。そこで、この通常状態を除く、残りの3種類の遊技状態(時短状態、潜伏確変状態、確変状態)については、実際上、小当りフラグの種別を無視して変動パターン抽選処理を実行する。
図7に戻り、上記の変動パターンコマンドの抽選(ステップS203)が終わると、主制御CPU271は、装飾図柄指定コマンドを決定し(ステップS204)、上述した変動パターンコマンドおよび装飾図柄指定コマンドを演出制御コマンドとして演出制御基板24(演出制御CPU241)に送信する(ステップS205)。この送信される変動パターンコマンドは、それ自体に、図柄の変動時間、内部抽選結果の当否情報(大当りやハズレの別)といった変動パターン情報を持つだけでなく、上記した4つの変動パターンの区分への振り分け、つまり通常状態(低確率、開放延長なし)、時短状態(低確率、開放延長あり)、潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)、確変状態(高確率、開放延長あり)という4つ区分への振り分けがなされ、それぞれの区分の中で、ハズレ用、15R確変大当り用、15R非確変大当り用、2R突確大当り用、2R潜伏確変大当り用、小当り用などの群から抽選された変動パターンコマンドが送信される。したがって、変動パターンコマンドは間接的に遊技状態に関する情報を含んだものとなっている。
上記変動パターンコマンドおよび装飾図柄指定コマンドの送信後、図4のステップS111に戻る。
(4−4.演出抽選処理、図11)
図4において、ステップS111の変動パターン決定処理を終わると、図11に詳細を示すステップS112の演出抽選処理に進む。
図11は演出制御基板24側が行う演出抽選処理の内容を示すフローチャートである。演出制御CPU241は、主制御基板27から演出制御コマンドを受信すると、これに含まれている変動パターンコマンドおよび装飾図柄指定コマンドを解析し、解析結果に基づいて、対応する演出シナリオを有する演出パターンを、演出パターン群の中から抽選により決定する(ステップS301)。
この演出抽選処理では、演出制御基板24側において装飾図柄に関する変動パターンや装飾図柄の変動表示と共に表示させるべき演出内容、つまり演出シナリオを決定することになる。ここでの「演出シナリオ」とは、装飾図柄の変動パターンに対応する狭義の演出パターン(停止表示を含む)に、背景演出や予告演出を含めた広義の演出パターンを指す。
したがって、この演出抽選処理では、主制御基板27から送られてくる変動パターンコマンドに基づき、大当りおよびハズレ別に、昇格演出ゲーム発生の有無、どのような装飾図柄内容を停止させるか(大当りの場合には確変大当り図柄または通常大当り図柄(非確変大当り図柄)のどちらで停止させるか、またその図柄の停止表示態様)、あるいは予告演出(リーチ演出や背景演出)の有無やその内容を含む演出シナリオを決定する。
また、演出制御CPU241は、受信した変動パターンコマンドがいずれの遊技状態の区分(図9参照)に属するかに基づいて、変動開始時の遊技状態を判定し、液晶表示装置36に表示すべき演出モードを決定する。
(4−5.変動パターンコマンド選択テーブル、図12)
図12は、上記した変動パターン抽選処理(図9)において選択される変動パターンコマンドと、変動パターンコマンドが属する変動開始時の遊技状態と、その属する遊技状態から把握される次変動開始後の演出モードとの対応関係を示した変動パターンコマンド選択テーブルである。
ここで変動開始時の遊技状態は、大当り当選確率の高低(高確率または低確率)と開放延長の有無の他に、小当りフラグ情報つまり当選履歴情報(設定または非設定の別)を加えた、計3つの判断要素の組合せにより決定される。
本実施形態において、大当りの種類として見るときは、小当りを他の大当りと区別することなく同列に扱っているが、遊技状態の情報として見るときは、この特定当たりの当否に関する当選履歴情報を小当りフラグ情報の形で管理し、その当選履歴情報を変動パターンコマンドに含ませている。
図12において、変動パターンコマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEVENT(コマンドの種類)を表す。
変動パターンコマンドA1**[H]は変動開始時の遊技状態が通常状態(低確率、開放延長なし)でかつ小当りフラグが非設定(00[H])である場合の区分に対応している。この16進表記のコマンドA1**[H]で指定される変動パターンコマンドであることが分かれば、変動開始時の遊技状態は、大当り当選確率が低確率で、かつ、開放延長機能が未作用の状態にあるケースであることが分かり、またこの通常状態(低確率、開放延長なし)で小当りフラグが非設定状態(00[H])であることを根拠に、次変動開始後の演出モードは、通常演出モード(たとえば昼間背景演出)に移行すべきことが分かる、という対応関係にある。
同様に変動パターンコマンドA2**[H]は変動開始時の遊技状態が通常状態(低確率、開放延長なし)でかつ小当りフラグが設定状態(5A[H])である場合の区分に対応している。このコマンドA2**[H]で指定される変動パターンコマンドであることが分かれば、変動開始時の遊技状態は、大当り当選確率が低確率で、かつ、開放延長機能が未作用の状態で、かつ小当りしているケースであることが分かり、またこの通常状態(低確率、開放延長なし)でかつ小当りフラグが5A[H]であることを根拠に、次変動開始後の演出モードは、確変隠匿演出モード(夕方背景演出)に移行すべきことが分かる、という対応関係にある。なお、小当りの当選確率については、どの遊技状態においても一定である。
また、変動パターンコマンドA3**[H]は変動開始時の遊技状態が時短状態(低確率、開放延長あり)である場合の区分に対応している。このコマンドA3**[H]で指定される変動パターンコマンドであることが分かれば、変動開始時の遊技状態は、大当り当選確率が低確率で、かつ、開放延長機能が作用状態であるケースであることが分かり、またこの時短状態(低確率、開放延長あり)であることを根拠に、次変動開始後は時短演出モード(たとえば朝方背景演出)に移行すべきことが分かる、という対応関係にある。
また変動パターンコマンドA4**[H]は変動開始時の遊技状態が潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)である場合の区分に対応している。このコマンドA4**[H]で指定される変動パターンコマンドであることが分かれば、変動開始時の遊技状態は、大当り当選確率が高確率で、かつ、開放延長機能が未作用状態であるケースであることが分かり、またこの潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)であることを根拠に、次変動開始後は確変隠匿演出モード(夕方背景演出)に移行すべきことが分かる、という対応関係にある。
また変動パターンコマンドA5**[H]は変動開始時の遊技状態が確変状態(高確率、開放延長あり)である場合の区分に対応している。このコマンドA5**[H]で指定される変動パターンコマンドであることが分かれば、変動開始時の遊技状態は、大当り当選確率が高確率で、かつ、開放延長機能が作用状態であるケースであることが分かり、またこの確変状態(高確率、開放延長あり)であることを根拠に、次変動開始後は確変確定演出モード(たとえば夜背景演出)に移行すべきことが分かる、という対応関係にある。
上記変動パターンコマンドの特徴的なところは、遊技状態の区分に対応しており、変動パターンコマンドが属する区分から遊技状態の種別が分かるところにある。換言すれば、従来では主制御装置から演出制御装置に、通常大当り指定コマンド、時短大当り指定コマンド、潜伏確変大当り指定コマンド、確変大当り指定コマンドなどが送信されているが、本実施形態においては、このような独立した大当り種別指定コマンドは存在しない。
上記において、確変隠匿演出モード(夕方背景演出)(ガセの場合)中の装飾図柄の変動時間と、通常演出モード(昼間背景演出)中の装飾図柄の変動時間は同一にしている。小当りフラグが非設定(00[H])または設定(5A[H])のいずれの状態にあるかの違いにより、通常演出モードと確変隠匿演出モード(ガセの場合)とを区別しているだけである。すなわち、通常演出モード中に小当りに当選したときは、小当りフラグを設定状態(5A[H])に設定し、その後、モード転落抽選を行い、小当りによるモード転落抽選に当選したときには小当りフラグを非設定状態(00[H])に戻す。通常演出モード中以外で小当りに当選しても小当りフラグの変更は行われない。たとえば、時短状態中に小当りしても時短演出モードを継続し、潜伏確変状態中に小当りに当選しても確変隠匿演出モードを継続し、確変状態中に小当りに当選しても確変確定演出モードを継続する。
したがって、小当りの当選に関しては、その当選時の遊技状態が通常状態中の場合のみ、確変隠匿演出モードに移行し、時短状態や確変状態中や潜伏確変中に小当りに当選しても、当選時の演出モードを継続し、他の演出モードには移行しない。変動パターンコマンドの決定時には、低確率かつ開放延長なしの場合にのみ、小当りフラグをチェックして、変動パターンコマンドを決定する。
小当りを扱っていても、上記のような小当りによる確変隠匿演出モード(夕方背景演出)への移行を主制御基板27で管理していない場合、特に問題になるのは、小当りが発生しているのか、または発生していないのか、定かでない通常状態(低確率、開放延長なし)中に、何らかの理由で演出制御基板24がリセットされると、演出制御基板24が通常演出モードまたは確変隠匿演出モードのいずれに居たのかを把握できなくなることである。よって、その後演出制御基板24の機能が回復したとき、演出制御基板24がリセット時の演出モードに正しく復帰できるためには、上記のように少なくとも小当りによるモード移行状態を主制御基板27側が把握している必要がある。
そこで、主制御基板27のCPU271が小当りフラグを用いて小当りの状態移行を管理し、この小当りフラグによる管理情報を遊技状態の情報と共に変動パターンコマンドに含ませて、つまり変動パターンコマンドA1**[H]と変動パターンコマンドA2**[H]に区分して演出制御基板24側に送信し、演出制御基板24側で、この区分のいずれに属する変動パターンコマンドであるかを知ることで、通常演出モードまたは確変隠匿演出モードのいずれに居たのかを把握できるようにしている。
図4に戻り、上記のように図柄変動パターンについての演出シナリオが決定されると、特別図柄の変動表示が開始され、このタイミングで装飾図柄の変動表示もこれに連動して開始される(ステップS113)。演出制御基板24側では、上記演出シナリオに対応するように、音制御信号や発光制御信号の出力が行われ、また演出制御基板24から液晶制御基板25に液晶表示装置36の「液晶制御コマンド」が送信される。これにより特別図柄表示装置38における特別図柄変動表示ゲームと、これと連動する形で液晶表示装置36における装飾変動表示ゲームが実現される。
ここで、特別図柄変動表示ゲームの結果(内部抽選結果)を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームになるので、本明細書では、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉え、特に必要がない限り特別図柄と装飾図柄を区別することなく単に「図柄」と表現し、以下では、装飾図柄に関する動作を中心に説明することにする。
上記図柄変動と演出の表示が開始された後、プログラムは図5のフローチャートに進み、図柄の変動表示を停止表示すると共に上記変動表示中の演出を終了する(ステップS114)。
ここで、主制御基板27は、特別図柄変動表示装置38における停止特別図柄が大当りを示す大当り図柄であるか否かを判断し(ステップS115)、大当り図柄でなければ(ステップS115:NO)、現在の遊技状態が時短中か否かを判断し(ステップS124)、時短中であれば(ステップS124:YES)、図柄変動の変動時間の短縮状態を管理する時短遊技管理処理(ステップS125)を実行した後、図4のステップS101に戻る。時短中でなければ(ステップS124:NO)、そのまま図4のステップS101に戻る。
ステップS115の判断として、大当り図柄であるならば(ステップS115:YES)、次いで、大当り開始Fコマンド決定処理が行われる(ステップS116)。
ここではステップS115の判断材料として停止図柄としているが、当否情報を含んだたとえば変動パターンコマンドの一部または全部を判断することで大当り状態を把握するようにしてもよい。勿論、大当り図柄に変わるフラグ等によって状態を管理し判断材料とするようにしてもよい。
<5.大当り開始Fコマンド決定処理、図13>
図13は大当り開始Fコマンド決定処理の内容を示すフローチャートである。なお「Fコマンド」はファンファーレコマンドの略称である(以下同じ)。
この大当り開始Fコマンド決定処理では、まず、当選時情報記憶処理(図6)のステップS132で記憶した「大当り当選時データ(大当り種別と当選時の遊技状態)」をロードし、ロードした大当り当選時データの内容(大当り種別および当選時の遊技状態)を確認する(ステップS401)。
次いで、図14に示す大当り開始Fコマンド選択テーブルに基づき、つまり大当り当選時の遊技状態と大当り種別とに基づき、大当り当選時データに対応する「大当り開始Fコマンド」を決定する(ステップS402)。
本実施形態の場合、大当り当選時の「遊技状態」としては、通常状態(低確率、開放延長なし、小当りフラグ非設定状態(00[H]))、ガセ確変隠匿状態(低確率、開放延長なし、小当りフラグ設定状態(5A[H]))、時短状態(低確率、開放延長あり)、潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)、確変状態(高確率、開放延長あり)の5状態がある。
また大当り当選時の「大当り種別」としては、15R確変大当り、15R非確変大当り、2R突確大当り、2R潜伏確変大当り、小当りの5種類を考えているが、更に多くの大当り種別を含ませることもできる。
この5種類の遊技状態と5種類の大当り種別との組合せで区分される大当り開始Fコマンドが、主制御基板27から演出制御基板24に送信される(ステップS403)。
演出制御基板24側は、この主制御基板27から送られて来る大当り開始Fコマンドが上記組合せのいずれの区分に属するかに基づいて、演出モード移行先を決定することが可能になる。
(5−1.Fコマンド選択テーブル、図14)
図14の大当り開始Fコマンド選択テーブルには、大当り当選時の「遊技状態」と大当り当選時の「大当り種別」の組み合わせにより区分される大当り開始Fコマンドが例示されている。通常状態(低確率、開放延長なし)に属する大当り開始FコマンドF901[H]〜F904[H]およびF701[H]のそれぞれは、大当り種別の15R確変大当り、15R非確変大当り、2R突確大当り、2R潜伏確変大当り、小当りに対応している。
小当りについては、この図14の大当り開始Fコマンド選択テーブルでは、小当りと関連づけた遊技状態を、1つの通常状態(低確率、開放延長なし)(F701[H])で示してあるが、通常状態(低確率、開放延長なし、小当りフラグ非設定状態(00[H]))とガセ確変隠匿状態(低確率、開放延長なし、小当りフラグ設定状態(5A[H]))とに対応するコマンドがそれぞれ存在する。図17の大当り停止Fコマンド選択テーブルについても同様である。
また、小当りについては、この図14の大当り開始Fコマンド選択テーブルでは他の大当りと区別することなく同列に扱っている。しかし、小当りは、複数の種別の大当りのうち、供与する利益価値が相対的に低い特定当りであるため、この特定当たりの当選に関する当選履歴情報を、たとえばフラグの形で管理することとし、このフラグ情報を追加的に大当り開始Fコマンドに含ませても良い。図17の大当り終了Fコマンド決定テーブルに示す小当りについても、同様に小当りをフラグの形で管理して、その小当りに関する当選履歴情報を追加的に大当り開始Fコマンドに含ませても良い。
大当り当選時の遊技状態が、時短状態(低確率、開放延長あり)に属する大当り開始FコマンドF911[H]〜F914[H]およびF711[H]や、潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)に属する大当り開始FコマンドF921[H]〜F924[H]およびF721[H]や、確変状態(高確率、開放延長あり)に属する大当り開始FコマンドF931[H]〜F934[H]およびF731[H]についても、それぞれ、大当り種別の15R確変大当り、15R非確変大当り、2R突確大当り、2R潜伏確変大当り、小当りに対応している。
したがって演出制御基板24側は、たとえば、受信した大当り開始FコマンドがF901[H]であることを知ることで、「大当りした当選時が通常状態(低確率、開放延長なし)であり、かつその時に内部当選した大当り種別が15R非確変大当りであった」ということを判定することができる。また、受信した大当り開始FコマンドがF902[H]であれば、「大当りした当選時が通常状態(低確率、開放延長なし)であり、かつその時に内部当選した大当り種別が2R潜伏確変大当りであった」と判定することができる。同様に、受信した大当り開始FコマンドがたとえばF903[H]であれば、通常状態(低確率、開放延長なし)において2R突確大当りに当選していたと判定することができる。同様に、受信した大当り開始FコマンドがF904[H]であれば、通常状態(低確率、開放延長なし)において15R確変大当りに当選していたと判定することができる。同様に、受信した大当り開始FコマンドがF701[H]であれば、通常状態(低確率、開放延長なし)において小当りに当選していたと判定することができる。
上記の関係は、他の大当り開始Fコマンドを受信した場合にも成り立ち、大当り当選時の遊技状態情報と大当り種別情報とを得ることができる。図13のステップS403では、このような情報を含む大当り開始Fコマンドが主制御装置27から演出制御基板24に送信されることになる。
その後、大当り開始Fコマンド決定処理(図13)を終了し、図5のステップS117に戻る。
(5−2.大当り開始処理、図15)
図5において、上記大当り開始Fコマンド決定処理(ステップS116)に続いて、大当り開始処理を実行する(ステップS117)。図15に詳細を示すように、この大当り開始処理においては受信した大当り開始Fコマンドを解析し(ステップS501)、解析結果に基づいて、対応する大当り中の演出(シナリオ)を決定する(ステップS502)。
大当り中の演出として、演出制御部(演出制御基板24、液晶制御基板25)は、まず大当りが開始することを液晶表示装置36での画像の表示、及びスピーカ46からの音声(開始ファンファーレ)の出力により遊技者に報知する。
ここで、大当り開始Fコマンドは、ファンファーレの本来の情報以外に、コマンドの区分けにより、間接的ではあるが、「大当り当選時の遊技状態」および「大当り種別」の情報を持つ。このため、仮に、大当りの開始直前に、何らかの原因により演出制御基板24だけがリセットされた場合、つまり主制御装置27は正常な状態であるが演出制御基板24の演出制御RAM243の内容が消失してしまった場合(以下単にリッセットされた場合という)、このような状況下でも、大当り開始Fコマンドのコードを解析すれば、「大当り種別に応じた大当り中の演出」を実行することができるようになる(詳細は図20においてケース5として後述する)。この点に、大当り開始Fコマンドがファンファーレ本来の情報以外の情報を持つことの利益がある。
又、後に述べるが、大当り終了時に送信される大当り終了Fコマンドは、終了ファンファーレの本来の情報以外に、コマンドの区分けにより、間接的ではあるが、「大当り当選時の遊技状態」および「大当り種別」の情報を持つ。このため、仮に、大当り開始Fコマンドの送信された後に、何らかの原因により演出制御基板24だけがリセットされたとしても、最悪、大当り終了Fコマンドにより「大当り種別に応じた大当り終了後の演出」を実行できる。このような場合の大当り中の演出は、大当り当選時の遊技状態や大当りの種別によらない予め定められた演出を行なうようにしてもよい。勿論、ラウンド毎に送信するコマンドに大当り当選時の遊技状態および大当り種別に関する情報を付加することで、より早く遊技状態に応じた大当り演出に復帰させることも可能である。
次いで、大当り中の遊技動作(大当り遊技)の実行および大当り中の演出の実行を行う(ステップS118)。ここで、大当り中の遊技動作の実行とは、特別変動入賞装置42や普通変動入賞装置41の開閉動作の実行である。また大当り中の演出の実行とは、上記オープニング演出に続くラウンド間インターバル中の演出やラウンド中の演出の実行である。
上記ステップS502(図15)により決定された大当り中の演出シナリオに基づき、演出制御基板24では大当り遊技の進行に伴い、大当り中の演出を実行制御し、主制御基板27では、特別変動入賞装置ソレノイド42aにソレノイド制御用の励磁制御信号を送信して特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当り遊技を実行制御する。また液晶制御基板25では、液晶表示装置36にラウンド間インターバル中の演出やラウンド中演出を表示する。
各制御基板27、24により上記大当り中の遊技動作(大当り遊技)と大当り中の演出とが実行制御されて行く(ステップS118〜S119)。主制御基板27側では、規定ラウンド数(たとえば、15ラウンド)に達して大当りの終了が到来したか否かを判断し(ステップS119)、上記規定ラウンド数に達していない場合には(ステップS119:NO)、その規定ラウンド数が終了するまで上記ステップS118〜S119を繰り返す。
<6.大当り終了Fコマンド決定処理、図16>
規定数の全ラウンドが終了した場合には(ステップS119:YES)、大当り終了Fコマンド決定処理を行う(ステップS120)。
図16はこの大当り終了Fコマンド決定処理(ステップS120)の詳細を示したフローチャートである。この大当り終了Fコマンド決定処理の内容は、ステップS116の大当り開始Fコマンド決定処理と同様である。
すなわち、この大当り終了Fコマンド決定処理では、まず、大当り当選時データの内容(大当り種別および当選時の遊技状態)を確認する(ステップS601)。次いで、図17に示す大当り終了Fコマンド選択テーブルに基づき、大当り当選時データに対応する大当り終了Fコマンドを決定し(ステップS602)、この大当り終了Fコマンドを主制御基板27から演出制御基板24に送信する(ステップS603)。
その後、大当り終了Fコマンド決定処理を終了し、図5のステップS120に戻る。
図5において、上記大当り終了Fコマンド決定処理(ステップS120)に続いて、大当り中エンディング演出(大当り終了演出)を実行する(ステップS121)。この大当り中エンディング演出においては、大当りが終了することを液晶表示装置36での画像の表示、及びスピーカ46からの音声(終了ファンファーレ)の出力により遊技者に報知することとなる。なお、この大当り中エンディング演出においては、必要に応じて確変報知演出が行われる。
上記の大当り中エンディング演出が終了すると、次に述べる遊技状態移行処理(ステップS122)および演出モード移行処理(ステップS123)を順次実行する。
<7.遊技状態移行処理、図18>
図18は、ステップS122の遊技状態移行処理の内容を示すフローチャートである。
この遊技状態移行処理において、大当り終了後の移行先として選択しうる遊技状態には、通常状態(低確率、開放延長なし)、時短状態(低確率、開放延長あり)、潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)、確変状態(高確率、開放延長あり)、の4つがある。
図18の遊技状態移行処理では、大当りの種別による分岐(ステップS701)にしたがい、大当り終了後の遊技状態を、上記4つの遊技状態のうちの一つに移行させる。
すなわち、15R確変大当りに内部当選した場合は、大当り後の遊技状態を「確変中(高確率、開放延長あり)」に設定する(ステップS702)。また「15R通常(非確変)大当り」に内部当選した場合は、大当り後の遊技状態を「時短中(低確率、開放延長あり)」に設定する(ステップS703)。また2R突確大当りに内部当選した場合は、大当り後の遊技状態を「確変中(高確率、開放延長あり)」に設定する(ステップS704)。また2R潜伏確変大当りに内部当選した場合は、大当り後の遊技状態を「潜伏確変中(高確率、開放延長なし)」に設定する(ステップS705)。なお、上記の設定処理における大当りは小当りの場合が含まれないので、小当りフラグについては非設定状態(00[H])に戻す(ステップS706)。
小当りに内部当選した場合には、遊技状態を変更せずにそのままの遊技状態を継続させ(ステップS707)、小当りフラグを設定状態の5A[H]に設定する(ステップS708)。
上記のステップS705の処理において、時短状態(低確率、開放延長あり)中に2R潜伏確変大当りに内部当選した場合は、大当り後の遊技状態を「確変中(高確率、開放延長あり)」に設定する。すなわち、この図18に従うと、大当り後の遊技状態は「潜伏確変中(高確率、開放延長なし)」に移行させることになるが、図14の大当り開始Fコマンド決定テーブルや図17の大当り終了Fコマンド決定テーブルから選択されるコマンドがコマンドF912[H]およびコマンドF312[H]である場合、すなわち大当り当選時遊技状態が時短状態中(低確率、開放延長なし)の情報を含むコマンドを主制御基板27から演出制御基板24に送信した場合は、演出制御基板24でこれらのコマンドを受信し、解析することにより、内部状態は「確変中(高確率、開放延長あり)」に移行する。この場合、演出モードは確変確定演出モードに移行する(図19のステップS804)。
次に、この内部状態が高確率状態にある確変隠匿演出モード中に演出制御基板24がリセットされ、その後機能が回復し、遊技状態を把握して正常に復帰した場合を考えてみる。この場合、演出制御基板24は復帰時に内部状態が高確率状態にあることを把握して、確変隠匿演出モードに復帰すべき演出モードを、確変確定演出モードに復帰する。本実施形態では、確変隠匿モード演出(ガセ、潜伏確変の両方を含む)を実行中に図8のステップS213に示すモード転落抽選に当選した場合であって、それ以降(小当り若しくは2R潜伏確変に当選するまで)の演出状態が、通常状態中であることを認識するような演出がなされている場合がある。すなわち、表示上は通常状態と変わらない状況であって内部状態としては確変状態の場合にリセットが発生する可能性もある。このような状況下でリセットされ、その後復帰するときは、「確変隠匿演出モード」に復帰するようにしてもよい。このような場合、一見矛盾した演出モードで復帰することになる。しかしこのケースは、遊技者に成り下がり感を与えずに状態復帰できるものであり、また内部状態と演出モードとの整合もとれているので、特に問題はない。
同様に、遊技者に成り下がり感を与えずに状態復帰できる、という点では、次のような状態移行を採用してもよい。
本実施形態では、通常状態(低確率、開放延長なし)中に2R潜伏確変大当りに当選し、再び2R潜伏確変大当りに当選したというケースの場合、2回目の2R潜伏確変大当り終了後の遊技状態を、潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)から確変状態(高確率、開放延長あり)に格上げ設定されるようになっている。また、時短状態(低確率、開放延長あり)、確変状態(高確率、開放延長あり)中に2R潜伏確変大当りに当選したというケースの場合にも、確変状態(高確率、開放延長あり)に設定されるようになっている。
ここで、15R非確変大当りの他、演出モードが時短演出モード(朝方背景演出)に移行する2R突然時短大当り(この大当り遊技状態における大入賞口の開放パターンは「2R確変大当り」と同一または類似するものであり、大当り遊技状態終了後の遊技状態は「時短状態(低確率、開放延長あり)」に設定される)を設けたタイプを採用した場合を考えてみる。上記のように、通常状態(低確率、開放延長なし)中に1回目の2R潜伏確変大当りに当選して、大当り終了後の遊技状態が「潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)」になり、続けて2回目の2R潜伏確変大当りに当選した場合には、遊技状態を確変状態(高確率、開放延長あり)に移行させ、その大当り終了後の演出モードを「確変暗示演出モード」に移行させるようにする。ここでいう「確変暗示演出モード」とは、たとえば、時短状態中と同一若しくは類似した演出を行なう演出状態をいい、内部状態が確変状態(高確率、開放延長あり)の場合の一部で「確変暗示演出モード」に移行する場合があり、この演出上で、時短状態(低確率、開放延長あり)若しくは確変状態(高確率、開放延長あり)のいずれかの状態であることが示唆される。しかし、「潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)(演出モードは確変隠匿演出モード)」や「確変状態(高確率、開放延長あり)」中に、2R突然時短大当りに当選した場合には、時短状態(低確率、開放延長あり)に設定され、演出モードを時短演出モードに移行するようにする。なお以下では、「確変暗示演出モード」と「時短演出モード」は同一のものとして説明する。本例において、上記のように2R潜伏確変大当りに連続当選したケースでは、演出モードは、順に、通常演出モード、確変隠匿演出モード、時短演出モードと遷移する。つまり、2回目に当選した大当りが2R潜伏確変大当りであっても、その大当り終了後の演出モードが時短演出モードとなるので、遊技者は時短演出モードであるにもかかわらず、確変状態であるかも知れないという期待感を抱いて遊技に興じることになる。ちなみに、さらに、3回目の2R潜伏確変大当りに当選した場合は、その大当り終了後の遊技状態は「確変確定演出モード」に移行する。また上記ケースにおいて、2回目に当選した大当りが2R突然時短大当りである場合には、その大当り終了後の遊技状態は「時短演出モード」に移行する。
ここで、ケース(A)として潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)中で2R潜伏確変大当りに当選しその大当り終了後(遊技状態は確変状態(高確率、開放延長あり)で演出モードは確変暗示演出モード(ここでは、時短演出モード))の遊技中に、演出制御基板24がリセットされ、その後機能が回復した場合、次回変動パターンコマンドを受信した際には、内部状態が「高確率、開放延長あり」である、と把握されるので、演出制御基板24は時短演出モードに復帰せず、確変確定演出モードで復帰することになる。他方、ケース(B)として潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)中で2R突然時短大当りに当選しその大当り終了後(遊技状態は時短状態(低確率、開放延長あり)で演出モードは時短演出モード)の遊技中に、演出制御基板24がリセットされ、その後機能が回復した場合には、次回変動パターンコマンドを受信した際には、内部状態が「低確率、開放延長あり」である、と把握されるので、演出制御基板24は時短演出モードに復帰する。
このように、上記ケース(A)の場合においては時短演出モード中にリセットされたのに、正常に復帰したときに確変確定演出モードに変わってしまうのは、一見矛盾する演出モードで復帰することになる。しかしながら、遊技者に成り下がり感を与えずに復帰できることになり、また内部状態と演出モードとの整合性もとれているので、特に不都合を生じない。また上記ケース(B)の場合においても、内部状態と演出モードとの整合性がとれているので不都合は生じない。
避けるべきは、確変隠匿演出モードに滞在していたのに、復帰後に通常演出モードに変化しまう、といった、成り下がり感のある復帰の仕方や、開放延長のない確変隠匿演出モードに滞在していたにもかかわらず開放延長ありの状態で実行される確変確定演出モードに変化してしまう、といった、演出状態と開放延長機能との矛盾が生じてしまう復帰の仕方である。
<8.演出モード移行処理、図19>
次いで、図5の演出モード移行処理(ステップS123)に進む。この出モード移行処理では、大当り開始Fコマンドまたは大当り終了Fコマンドに基づいて、移行先の演出モードを決定する。
図19は、この演出モード移行処理の内容を、大当り終了Fコマンドの場合を例にして示したフローチャートである。
まず受信した大当り終了Fコマンドを解析し(ステップS801)、大当り終了Fコマンドが図17のいずれの区分に属するか、という解析結果に基づいて、大当り終了後の演出モードの移行先を決定する(ステップS802〜S805)。この演出モード移行処理は、大当り中に何らかの原因により演出制御基板24だけがリセットされた場合、大当り終了Fコマンドの解析結果(大当り種別)に基づいて、大当り終了後の演出モードの移行先を決定する場合に適用される(詳細は図20においてケース4として後述する)。
しかし、大当り終了Fコマンドを大当り開始Fコマンドと読み替えることにより、大当り開始Fコマンドが図14のいずれの区分に属するか、という解析結果に基づいて、大当り終了後の演出モードの移行先を決定する処理にも適用することができる。そのように大当り開始Fコマンドを扱った演出モード移行処理では、大当りする直前において、何らかの原因により演出制御基板24だけがリセットされた場合、大当り開始Fコマンドの解析結果(大当り種別)に基づいて、大当り開始後の演出モードの移行先を決定する場合に適用される(詳細は図20においてケース5として後述する)。
演出制御基板24は、図19の演出種別データ別の分岐(ステップS802)に従い、図17の大当り終了Fコマンド決定テーブルを参照し、コマンドF301[H]、F311[H]、F321[H]、F331[H]に属する大当り終了Fコマンドであるときは、通常状態、時短状態、潜伏確変状態、確変状態のいずれの状態であったかに関わらず、15R非確変大当りに当選した場合と判断されるので、大当り終了後の遊技状態の演出モードを、時短演出モード(朝方背景演出)に移行設定する(ステップS803)。
またコマンドF811[H]に属する大当り終了Fコマンドであるとき、つまり時短状態中に小当りに当選した場合も、大当り終了後の遊技状態の演出モードを、時短演出モード(朝方背景演出)に移行設定する(ステップS803)。したがって、時短状態中に小当りに当選したときは、時短演出モード(朝方背景演出)が維持される。
次に、コマンドF303[H]、F313[H]、F323[H]、F333[H]に属する大当り終了Fコマンドであるときは、通常状態、時短状態、潜伏確変状態、確変状態のいずれの状態であったかに関わらず、2R突確大当りに当選した場合と判断される。また、コマンドF304[H]、F314[H]、F324[H]、F334[H]に属する大当り終了Fコマンドであるときは、通常状態、時短状態、潜伏確変状態、確変状態のいずれの状態であったかに関わらず、15R確変大当りに当選した場合と判断される。そこで、これらの場合は、大当り終了後の遊技状態の演出モードを、確変確定演出モード(夜背景演出)に移行設定する(ステップS804)。
またコマンドF831[H]に属する大当り終了Fコマンドであるとき、つまり確変状態中に小当りに当選した場合も、大当り終了後の遊技状態の演出モードを、確変確定演出モード(夜背景演出)に移行設定する(ステップS804)。したがって、確変状態中に小当りに当選したときは、確変確定演出モード(夜背景演出)が維持される。
次に、コマンドF302[H]、F312[H]、F322[H]、F332[H]に属する大当り終了Fコマンドであるときは、2R潜伏確変大当りに当選した場合と判断される。そこで、大当り終了後の遊技状態の演出モードを、確変隠匿演出モード(夕方背景演出)に移行設定する(ステップS805)ことになるが、これは通常状態(低確率、開放延長なし)で2R潜伏確変大当りに当選した場合、つまりコマンドF302[H]の場合のみ成される設定である。したがって、コマンドF302[H]の場合は、大当り終了後の演出モードを、確変隠匿演出モード(夕方背景演出)に移行設定し(ステップS805)、通常状態(低確率、開放延長なし)を除く時短状態(低確率、開放延長あり)、潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)、または確変状態(高確率、開放延長あり)で2R潜伏確変大当りした場合、つまりF312[H]、F322[H]、F332[H]の場合は、大当り終了後の演出モードを、確変確定演出モード(夜背景演出)に移行設定する(ステップS804)。
またコマンドF801[H]、F821[H]に属する大当り終了Fコマンドであるとき、つまり通常状態または潜伏確変状態において小当りに当選した場合も、大当り終了後の遊技状態の演出モードを、確変隠匿演出モード(夕方背景演出)に移行設定する(ステップS805)。したがって、潜伏確変状態中に小当りに当選したときは、確変隠匿演出モード(夕方背景演出)が維持される。
本実施形態の演出モード移行処理の場合、通常状態(低確率、開放延長なし)で小当りに当選した場合、その後の演出モードを、確変隠匿演出モード(夕方背景演出)に移行させるのが前提であるが、通常状態と同様の演出モード(昼間背景演出)を維持するように構成してもよい。またこの場合において、確変隠匿演出モードに移行させるか通常演出モードに移行させるかを抽選により決定しても良い。また、本実施形態の遊技状態移行処理の場合、大当りが終了した後、複数の種別の特別遊技状態(時短状態(低確率、開放延長あり)、潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)、確変状態(高確率、開放延長あり)が相当する)のうちからいずれの特別遊技状態に移行させるかを、大当りの種別に基づいて決定している。しかし、小当りとなった場合にその小当りの当選時の遊技状態と同様の遊技状態を維持する形態も含め、大当りの種別に対応した所定の遊技状態に移行させる構成としても良い。
<9.具体例、図20>
(ケース1〜3)
ここで変動パターンコマンドが「変動開始時の遊技状態」で区分けされていることの意義について説明する。
図20は、確変状態(高確率、開放延長あり)中に時刻t1で15R通常大当り(非確変大当り)に当選し、その大当りが終了した時刻t5で時短状態(低確率、開放延長あり)に移行し、所定変動回数だけ時短状態に滞在した後に、時刻t8で通常遊技状態(低確率、開放延長なしの通常状態)に戻るという遊技パターンを例示している。
ここで、大当り終了後の任意の時点、たとえば時短終了後の時刻t9(図20にケース1として示す)において、演出制御基板24のリセット(演出制御RAM243のクリア)が生じ、すぐに演出制御基板24の機能が回復した場合を考える。この時点において、液晶表示装置36における演出表示は、通常演出モード(昼間背景演出)となっている。
演出制御基板24の機能回復後、最初の変動パターンコマンドが主制御基板27から演出制御基板24に送信されると(時刻t10)、これを受信した演出制御基板24は、受信した変動パターンコマンドが、5つの遊技状態つまり通常状態(低確率、開放延長なし、小当りフラグ00[H])、ガセ確変隠匿状態(低確率、開放延長なし、小当りフラグ5A[H])、時短状態(低確率、開放延長あり)、潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)、確変状態(高確率、開放延長あり)のうちのいずれの状態区分に属するかに基づき、現在の遊技状態を把握する。すなわち、時刻t10において送信されてくる変動パターンコマンドは、通常状態(低確率、開放延長なし、小当りフラグ00[H])に属するコマンドA1**[H](図12参照)であるから、このコマンドA1**[H]から、現在の遊技状態を通常状態(低確率、開放延長なし、小当りフラグ00[H])であると把握する。そこで演出制御基板24は、液晶表示装置36に表示する演出モードを、通常演出モード(昼間背景演出)へ復帰させる。このように現在の遊技状態を把握して正しい演出モードに復帰することができる。
図20に示すケース2は、大当り終了後の時短状態(低確率、開放延長あり)中に、時刻t6で、演出制御基板24のリセットが生じ、すぐに正常状態に機能回復した場合である。この場合、時刻t7において送信されてくる変動パターンコマンドは、時短状態(低確率、開放延長あり)に属するコマンドA3**[H](図12参照)であるから、このコマンドA3**[H]から、現在の遊技状態を時短状態(低確率、開放延長あり)であると把握することができる。そこで演出制御基板24は、機能回復後に最初の変動パターンコマンドを受信した時刻t7において、液晶表示装置36における演出表示を、時短演出モード(朝方背景演出)へ復帰させる。
変動パターンコマンドは「変動開始時の遊技状態」を指標に4種に区分され、間接的に変動開始時の遊技状態の情報を持っている。このため、大当り終了後に演出制御基板24のリセットが生じても、その次の変動パターンコマンドの到来した時点で、早期に、正常な演出モードの液晶表示画面に復帰できる。
まれなケースとして、図20にケース3として示すように、大当り開始Fコマンドが送信される時点から大当り終了となるまでの間(時刻t4〜t5の間)に、演出制御基板24のリセットが生じ、すぐに正常状態に機能回復した場合である。
このケース3の場合、その後に主制御基板27が時短制御に入り、時刻t7で主制御基板27から最初に送られてくる変動パターンコマンドA3**[H](図12参照)を演出制御基板24が受信することで、時短演出モード(朝方背景演出)へ復帰する。図20中には、ケース2の場合と同じ時刻t7において送信されてくる変動パターンコマンドによって、時短演出モードへの復帰がなされるように示してあるが、単なる作図上の便宜のためであり、実際には最初に送られてくる変動パターンコマンドの受信時に正常な演出モードに復帰する。
このように、変動パターンコマンドが変動開始時の遊技状態で区分されていて、間接的に「変動開始時の遊技状態」の情報を持っていることは、大当り終了Fコマンドの受信から大当り終了までの間(時刻t4〜t5の間)に演出制御基板24のリセットが生じた場合(ケース3)においても、その後の最初の変動パターンコマンドの到来により、早期に、正常な演出モードの液晶表示画面に復帰できる、という利益をもたらすものである。
(ケース4)
次に、大当り終了Fコマンドが「大当り種別」と「当選時の状態」で区分けされていることの意義について説明する。
パチンコ遊技機は、大当りラウンド中は常に低確率状態となる。このため、大当り中の任意の時点、たとえば図20のt2〜t4の間における時刻t3において、演出制御基板24のリセット(演出制御RAM243のクリア)が生じ、すぐに演出制御基板24の機能が正常状態に回復した場合(図20にケース4として示す)、演出制御基板24側は、遊技機の状態が把握できなくなる。もちろん、変動パターンコマンドが主制御基板27から演出制御基板24に送信されれば、上述したケース2またはケース1で述べた作用により、復帰すべき演出モードを判定することはできる。しかし、仮に、大当り終了Fコマンドに状態区分の情報が含まれていない場合、これでは、最初の変動パターンコマンドが到来するまで大当り終了後の演出状態を把握することができない。即ち、大当り終了ファンファーレによる演出においてどのような演出状態に移行するかを報知することができず、変動パターンコマンドが送信されるまでは演出状態を把握することができなくなる。
この不都合は、大当り終了Fコマンドが「大当り種別」と「当選時の状態」で区分けされ、この区分を特定する情報を間接的に有することで解決される。すなわち、大当り中の時刻t4で、大当り終了Fコマンドが主制御基板27から演出制御基板24に送信されると、これを受信した演出制御基板24は、受信した大当り終了Fコマンドが、4つの遊技状態(通常状態、時短状態、潜伏確変状態、確変状態)のうちのいずれの状態区分に属するかの情報と、および大当りの種別情報(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R突確大当り、2R潜伏確変大当り、小当り)とに基づき、大当り終了後に移行すべき遊技状態を判断することができる。
図20のケース4の場合、時刻t4において送信されてくる大当り終了Fコマンドは、当選時の状態が確変状態(高確率、開放延長あり)で、大当りの種別が15R非確変大当りという区分に属するコマンドF331[H](図17参照)であるから、このF331[H]から、大当り終了後に移行すべき演出モードは時短演出モードであると判断することができる。そこで演出制御基板24は、液晶表示装置36における演出表示を、時短演出モード(朝方背景演出)へ復帰させる。
(ケース5)
次に、大当り開始Fコマンドが「大当り種別」と「当選時の状態情報」で区分けされていることの意義について説明する。
図20に示すケース5として示すように、図20の確変中に大当りする直前の変動である大当り変動中の時刻t1aにおいて、演出制御基板24がリセット(演出制御RAM243のクリア)され、すぐに機能が回復した場合を考える。
時刻t1で変動が停止し大当り図柄が揃って大当りとなり、同時刻t1で大当り開始Fコマンドが主制御基板27から演出制御基板24に送信されると、これを受信した演出制御基板24は、受信した大当り開始Fコマンドが、4つの遊技状態(通常状態、時短状態、潜伏確変状態、確変状態)のうちのいずれの状態区分に属するかと、および大当りの種別(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R突確大当り、2R潜伏確変大当り、小当り)とに基づき、大当り終了後に移行すべき遊技状態を判断する。
図20のケース5の場合、時刻t1において送信されて来る大当り開始Fコマンドは、「当選時の状態」が確変状態(高確率、開放延長あり)で、「大当りの種別」が15R非確変大当りという区分に属するコマンドF931[H](図17参照)であるから、このF931[H]から、大当り終了後に移行すべき演出モードは時短演出モードであると判断することができる。そこで演出制御基板24は、仮に大当り開始時の演出において時短用の演出が存在する場合、液晶表示装置36における演出表示を時短演出用の大当り開始演出に設定する。尚、大当り開始演出は予め定められた演出に設定してもよい。
このように、大当り開始Fコマンドが大当り種別と当選時の状態情報で区分けされていることは、ケース4の場合と同様に、変動パターンコマンドの到来を待たずに、早急に、つまり大当りの開始時に現在の遊技状態を把握して、正しい演出モードに復帰することができる、という利点を有する。しかも、このケース5の場合は、単に大当り中での液晶演出表示の復帰という点に留まらない。ケース5の場合は、大当り中演出の最初において現在の遊技状態を把握して正しい演出モードに復帰できること、つまり大当り中演出の最初から液晶演出表示を正しく表示できる、という点で、ケース4とは異なる意義を有する。
(ケース6)
他のケースとして、図20にケース6として示すように、大当り開始Fコマンドが送信されてから1ラウンド目の開始コマンドが送信されるまでの間(時刻t1〜t2の間)に、演出制御基板24がリセットされ、すぐに機能が回復する場合(ケース6)が考えられる。
このケース6の場合、その後に大当り遊技が終了した時点、すなわち時刻t4において、大当り終了Fコマンドが送信されて来るので、その時点で時短演出モードに復帰する。すなわち、時刻t4において送られて来る大当り終了Fコマンドは、当選時の状態が確変状態(高確率、開放延長あり)で、大当りの種別が15R非確変大当りである、という区分に属するコマンドF331[H](図17参照)である。そこで演出制御基板24は、このF331[H]から、大当り終了後に移行すべき演出モードは時短演出モードであると判断し、時短演出モード(朝方背景演出)へと復帰させる。
しかし、このケース6の場合、1ラウンド目開始コマンドに大当り種別と当選時の状態情報を含ませておくことで、さらに早期に時短演出モードに復帰させることができる。
すなわち、図20において、時刻t2で主制御基板27から送信される1ラウンド目開始コマンドは、大当り開始(終了)Fコマンドで説明した区分情報の形で、大当り種別と当選時状態の情報を有している構成とする。この構成の下において、大当り開始から1ラウンド目開始までの間にリセットが生じて機能回復がなされた場合、その直後の時刻t2において、すぐに1ラウンド目開始コマンドが送信されて来ることになる。そして、この1ラウンド目開始コマンドは、当選時の状態が確変状態(高確率、開放延長あり)で、大当りの種別が15R非確変大当りである、という区分に属するコマンドである。そこで演出制御基板24は、仮に大当り開始時の演出において時短用の演出が存在する場合、液晶表示装置36における演出表示を時短演出用の大当り開始演出に設定することとなり、大当り終了Fコマンドの到来(時刻t4)を待つことなく、時刻t2にて早期に時短演出モードに復帰させることができる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、図12の変動パターンコマンド選択テーブルに示したように、変動パターンコマンドに、遊技状態の情報とともに小当り情報を含ませ、これにより通常演出モードと確変隠匿演出モードとの区別を可能にし、より多彩な演出モードの創生を可能とした。
しかし、本発明は第1の実施形態における変動パターンコマンドから小当り情報を省略した簡易な形態とすることもできる。
図21は、この小当り情報を含まない実施形態(第2の実施形態)における変動パターンコマンド選択テーブルを示したものである。この図21の変動パターンコマンド選択テーブルでは、変動パターン抽選処理(図9)において選択される「変動パターンコマンド」と、変動パターンコマンドが所属する「変動開始時の遊技状態」と、その所属する遊技状態から演出制御基板24側で把握される演出モード(次変動開始後の演出モード)との対応関係が示され、図12のような「小当りフラグ」の情報との関係は含まれていない。
図21において、変動パターンコマンドA1**[H]は変動開始時の遊技状態が通常状態(低確率、開放延長なし)である場合の区分に対応している。このコマンドA1**[H]で指定される変動パターンコマンドであることが分かれば、変動開始時の遊技状態は通常状態(低確率、開放延長なし)であることが判り、これを根拠に次変動開始後は通常演出モード(昼間背景演出)に移行すべきことが分かる。
同様に、変動パターンコマンドA2**[H]は変動開始時の遊技状態が時短状態(低確率、開放延長あり)である場合の区分に対応している。このコマンドA2**[H]で指定される変動パターンコマンドであることが分かれば、変動開始時の遊技状態が時短状態であることが分かり、これを根拠に次変動開始後は時短演出モード(朝方背景演出)に移行すべきことが分かる。
また変動パターンコマンドA3**[H]は変動開始時の遊技状態が潜伏確変状態(高確率、開放延長なし)である場合の区分に対応している。このコマンドA3**[H]で指定される変動パターンコマンドであることが分かれば、変動開始時の遊技状態は潜伏確変状態であることが分かり、これを根拠に次変動開始後は確変隠匿演出モード(夕方背景演出)に移行すべきことが分かる。
また変動パターンコマンドA4**[H]は変動開始時の遊技状態が確変状態(高確率、開放延長あり)である場合の区分に対応している。このコマンドA4**[H]で指定される変動パターンコマンドであることが分かれば、変動開始時の遊技状態は確変状態であることが分かり、これを根拠に次変動開始後は確変確定演出モード(夜背景演出)に移行すべきことが分かる。
この小当り情報を含まない簡易な実施形態の制御は、図1〜図19において、図7からモード転落抽選処理(ステップS202)を省き、図10から小当り用変動パターン抽選処理(ステップS237)を省き、図14の大当り開始Fコマンド決定テーブルおよび図17の大当り終了Fコマンド決定テーブルからそれぞれ「小当り」の抽選部分を省き、図18からステップS706〜ステップS708を省き、図12の代わりに図21の変動パターンコマンド選択テーブルを用いたものとなる。
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態および第2の実施形態では、大当り中コマンドの一種である大当り開始Fコマンドまたは大当り終了Fコマンドと変動パターンコマンドに着目し、それらに遊技状態や大当りの種別や小当りフラグ情報を含ませた。
しかし、さらに、液晶表示装置に現出する変動中の演出を停止するための演出停止コマンドに着目し、これに「現在の遊技状態」を含ませる構成とすることもできる。
すなわち、図柄停止表示および演出終了を行うべく主制御基板27から送信される演出停止コマンド(図5のステップS114参照)を、少なくとも「現在の遊技状態」に応じて区分された演出停止コマンドの中から選択することによって決定し、この演出停止コマンドを主制御基板27から演出制御基板24に送信する。演出制御基板24側では、受信した演出停止コマンドにより特定される「現在の遊技状態」に基づいて、報知すべき現在の遊技状態に関連した演出モードを決定する。この場合、演出モードの決定は、受信した変動パターンコマンドにより特定される「現在の遊技状態」、受信した大当り中コマンドにより特定される「大当り当選時の遊技状態」と「大当りの種別」、および受信した演出停止コマンドにより特定される「現在の遊技状態」の少なくともいずれか一つに基づいて、報知すべき現在の遊技状態に関連した演出モードを決定することになる。
この第3の実施形態によれば、変動パターンコマンドを受信し、その変動中に演出制御基板がリセットされてしまった場合、つまり演出が途中までは正しく表示されているが突然リセットされてしまった場合でも、演出停止コマンドを受信することによって、再び早期に、演出の一部を復帰することが可能になる。たとえば演出停止コマンドを受信して復帰したときに、演出の後半であるハズレ図柄の停止姿態や当り図柄の停止姿態が現出可能になる、という利点が得られる。
ただし、始動口への入賞から遊技がスタートすると考えた場合、変動パターンコマンドの送信がなされ、指定された変動時間が経過した後に、演出停止コマンドが送信される。このため演出停止コマンドの送信は変動パターンコマンドの送信より後になるので、多くの場合は、リセット後に最初に生起するであろう変動パターンコマンドを受信した時点で、リセットされた演出制御基板が正常に復帰することになる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態として、上記の変動パターンコマンドまたは演出停止コマンドには、「現在の遊技状態」だけでなく、小当りの当否を管理するフラグ情報のような特定当りの当選履歴情報を追加的に含ませる形態としてもよい。この第4の実施形態によれば、「現在の遊技状態」と「特定当りの当選履歴情報」との組合せにより、更に多彩な演出を創生することができる。
この第4の実施形態の場合、演出モードの決定は、受信した変動パターンコマンドにより特定される「現在の遊技状態」、受信した大当り中コマンドにより特定される「大当り当選時の遊技状態と大当りの種別」、および受信した演出停止コマンドにより特定される「現在の遊技状態」の少なくともいずれか一つに基づいて、報知すべき現在の遊技状態に関連した演出モードを決定することになる。
[第5の実施形態]
上記第1の実施形態では、大当り中の演出を指示するための大当り中コマンドの例として、大当り開始Fコマンドと大当り終了Fコマンドを掲げると共に、さらに補足的に1ラウンド目開始コマンド(ケース6)を掲げ、これらに対して「大当り当選時の遊技状態」と「大当りの種別」を含ませた。
しかし、これ以外の大当り中コマンド、たとえば、ラウンド表示コマンド、ラウンド終了コマンドなどに「大当り当選時の遊技状態」と「大当りの種別」を含ませてもよい。
これらの大当り中コマンドに関しても、その大当り中コマンドを、大当りの種別とその大当り当選時の遊技状態とにより区分される大当り中コマンドの中から選択することで、大当りの種別とその大当り当選時の遊技状態とを特定して送信することができる。
演出制御基板側は、受信した大当り中コマンドにより特定される大当り当選時の遊技状態および大当りの種別と、受信した変動パターンコマンドにより特定される現在の遊技状態との少なくともいずれか一方に基づいて、報知すべき現在の遊技状態に関連した演出モードを決定することになる。
[第6の実施形態]
上記実施形態では、始動口34、35への入賞を契機として送信される変動パターンコマンドを対象とした。
しかし、遊技領域内には上記始動口34、35の他にも通常は2以上の入賞口(普通図柄始動口37、大入賞口40、一般入賞口43)が設けられている。そこで、第6の実施形態として、入賞口でもある始動口34、35、普通図柄始動口37、大入賞口40および一般入賞口43への入賞を契機として送信される入賞コマンドに着目し、当該入賞コマンドを、少なくとも現在の遊技状態に応じて区分された入賞コマンドの中から選択することにより決定し、演出制御基板24に送信してもよい。上記入賞コマンドは、たとえば、入賞口への入賞に伴う演出を現出する(ランプやスピーカーを通じて入賞があった旨の演出を現出する)際に用いられる演出制御コマンドである。
演出制御基板24側は、受信した大当り中コマンドにより特定される大当り当選時の遊技状態および大当りの種別と、受信した変動パターンコマンドにより特定される現在の遊技状態と、受信した入賞コマンドにより特定される現在の遊技状態との少なくともいずれか一つに基づいて、報知すべき現在の遊技状態に関連した演出モードを決定することになる。
この第6の実施形態によれば、入賞コマンドを受信した時点で、つまり上記の変動パターンコマンド、演出停止コマンド、大当り中コマンドを受信したタイミング以外のタイミングで、演出制御基板が遊技状態を把握することができる。
[第7の実施形態]
上記第6の実施形態において、上記入賞コマンドには、現在の遊技状態と共に特定当りの当選履歴情報を追加的に含ませてもよい。これにより一層多彩な演出を行うことが可能になる。
[第8の実施形態]
また、液晶表示装置に変動表示および変動停止させる装飾図柄を指定するための装飾図柄指定コマンド(図7、ステップS204)に着目し、その装飾図柄指定コマンドを、少なくとも現在の遊技状態に応じて区分された装飾図柄指定コマンドの中から選択することにより決定し、この装飾図柄指定コマンドを受信した演出制御基板24が、いずれの区分に属する装飾図柄指定コマンドであるかを知ることにより、現在の遊技状態を把握することができるように構成してもよい。