JP5100626B2 - レイヤ2スイッチ - Google Patents
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このように論理的にポートを遮断することをブロッキングと呼び、ブロッキングしているポートをブロッキングポートと呼ぶ。障害によりリングの一部が切断されると、スパニングツリープロトコルの再構成が行われ、ブロッキングポートが解除されてデータ中継を再開する。これにより、ネットワーク内のすべてのレイヤ2スイッチ間の通信が継続される。
また、この後、障害が復旧すれば、やはりスパニングツリープロトコルの再構成が行われ、ブロッキングを解除されていたポートが再びブロッキングされ、ループを回避する状態に戻る。
そこで、こうした問題を解決するためにメーカ独自のループ回避プロトコルを提唱するメーカもある。例えば、特許文献1、あるいは特許文献2で提案されている方式がある。
特許文献1では、アクティブとなったセカンダリノードがリング内の各ノードに登録削除を指示する登録削除メッセージパケットを送信する。登録削除メッセージパケットを受信したノードは、自ノードの転送テーブルから登録削除メッセージ宛のエントリを削除し、その後、再学習により正常な通信が行われるようになる。
また、特許文献2では、障害を検出したスレーブ装置がMACアドレス学習テーブルのエントリ削除を促すメッセージフレームを他の装置に送信する動作や、マスタ装置がMACアドレス学習テーブルのエントリ削除を促すアドレステーブルフラッシュ指示を管理フレームに格納して送信する動作が示されている。
リング状ネットワークを構成し、ループを回避するために固有プロトコルで動作するレイヤ2スイッチにおいて、
固有プロトコルで動作せず、所定時間以上に入力が停止したポートで学習していたMACアドレス学習内容を破棄するレイヤ2スイッチがすぐ隣に接続するポートを設定する手段、
及びループを回避するための固有プロトコルで動作する際に、設定されたポートを出力停止させ、所定の継続時間後に出力再開させる手段を備えたものである。
固有プロトコルで動作せず、所定時間以上に入力が停止したポートで学習していたMACアドレス学習内容を破棄するレイヤ2スイッチがすぐ隣に接続するポートを設定する手段、
及びループを回避するための固有プロトコルで動作する際に、設定されたポートを出力停止させ、所定の継続時間後に出力再開させる手段を備えたので、固有プロトコルで動作しないレイヤ2スイッチも、この発明にかかるレイヤ2スイッチがループを回避するための固有プロトコルで動作する際に、MACアドレス学習内容を破棄することができ、短時間に通信路の迂回を可能にすることができる。
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1によるリング状ネットワークを示す構成図である。
図1において、複数のレイヤ2スイッチ1〜3、11でリング状ネットワークを構成し、ループ回避プロトコルにより正常にループを回避している状態である。
特殊ノード1、特殊ノード2、特殊ノード3は、メーカ独自のループ回避プロトコル(固有プロトコル)で動作するレイヤ2スイッチであり、一般ノード11は、特殊ノードが実施するループ回避プロトコルで動作しないレイヤ2スイッチである。
端末A21、端末B22、端末C23は、リング状ネットワークを介して通信を行う端末装置であり、それぞれMACアドレスとしてMAC−A、MAC−B、MAC−Cを持つ。端末A21は、特殊ノード1に接続され、端末B22は、特殊ノード2に接続され、端末C23は、一般ノード11に接続されている。
図1では、特殊ノード3がポート2(P2)で、論理的にポートをブロッキング40しており、ループを回避できている。この状態で端末A21、端末B22、端末C23が相互に通信を行うと、結果として、各ノードの持つMACアドレス学習テーブルは図2に示す内容となる。
図2は、図1の状態における、各レイヤ2スイッチのMACアドレス学習テーブルの内容を示している。
図2(a)は、特殊ノード1のMACアドレス学習テーブルの内容で、MAC−A(端末A)がポート3(P3)の先にいると学習し、MAC−B(端末B)がポート1(P1)の先にいると学習している。
図2(b)は、特殊ノード2のMACアドレス学習テーブルの内容で、MAC−A(端末A)がポート2(P2)の先にいると学習し、MAC−B(端末B)がポート3(P3)の先にいると学習している。
図2(c)は、特殊ノード3のMACアドレス学習テーブルの内容で、MAC−A(端末A)がポート1(P1)の先にいると学習し、MAC−B(端末B)がポート1(P1)の先にいると学習している。
図2(d)は、一般ノード11のMACアドレス学習テーブルの内容で、MAC−A(端末A)がポート1(P1)の先にいると学習し、MAC−B(端末B)がポート1(P1)の先にいると学習している。
図3において、1〜3、11、21〜23は図1におけるものと同一のものである。図3では、特殊ノード1と特殊ノード2の間でケーブルに障害50が発生し、この間での通信はできなくなっている。このため、端末A21と端末B22間の通信は、迂回経路31として示す経路で行われることになる。
特殊ノード1〜3は、メーカ独自のループ回避プロトコル(固有プロトコル)により、この障害を検知し、特殊ノード3は、障害を迂回するためにポート2のブロッキングを解除し、データ中継を可能とする。
図4において、プロセッサ部61(出力停止及び出力再開させる手段)は、ポートへの出力停止や出力再開を指示する。送受信部62は、外部装置とパケットの送受信を行う。物理層処理部(PHY)63は、電気信号処理等を行う。パケット交換部64は、受信したパケットの中継先の判定と、判定に従ってパケットを適切な物理層処理部63に送信する処理を行う。
図5において、1〜3、11、21〜23、50は図3におけるものと同一のものである。特殊ノード1は、ポート2を出力停止にし、一般ノード11は、相手ポートが出力停止になっているので、ポート1を入力停止し、送受信処理を停止している。
図3は、図1のリング状ネットワークにおいて、障害が発生した場合の例を示すもので、特殊ノード1と特殊ノード2の間でケーブルに障害50が発生し、この間での通信はできなくなっている。このため、端末A21と端末B22間の通信は、迂回経路31として示す経路で行われることになる。
特殊ノード1〜3は、メーカ独自のループ回避プロトコルにより、この障害を検知し、特殊ノード3は、障害を迂回するためにポート2のブロッキングを解除し、データ中継を可能とする。
さらに、特殊ノード1〜3は、メーカ独自のループ回避プロトコルにより、それぞれの保有するMACアドレス学習テーブルの内容を破棄し、障害迂回前の古い学習内容を破棄する。
特殊ノード1は、ポート2の先に一般ノード11が接続していることを知っており、特殊ノード3は、ポート1の先に一般ノード11が接続していることを知っている。
なお、特殊ノードに対して、一般ノードと接続しているか否か、接続している場合、どのポートに接続しているかを設定する方法については、すでにレイヤ2スイッチが持つ設定機能(固有プロトコルで動作せず、所定時間以上に入力が停止したポートで学習していたMACアドレス学習内容を破棄するレイヤ2スイッチがすぐ隣に接続するポートを設定する手段)を使用するものとする。
この動作により、一般ノード11ではポート1の入力が停止し、したがって送受信処理を停止することになる。この状態は図5に示されている。
この動作により、一般ノード11では、ポート1が入力再開し、送受信処理を再開することになる。レイヤ2スイッチでは、一般的に、あるポートが入力停止するとそのポートで学習していたMACアドレス学習内容を破棄するようになっている。すなわち、一般ノード11では、ポート1が入力停止したときに、ポート1で学習していたMAC−A、MAC−Bの情報を破棄する。
この動作により、一般ノード11ではポート2が入力停止し、その後入力再開する。その結果、一般ノード11では、ポート2が入力停止したときに、ポート2で学習していたMACアドレス学習内容を破棄しようとするが、図2(d)に示されるように、学習しているアドレスはないため、何もしない。
また、障害が復旧したときも、特殊ノードは同様の動作をし、一般ノードのMACアドレス学習テーブルの内容を破棄させる。
したがって、特殊ノードが通信経路を切り換えるタイミングで、一般ノードにも通信経路の切替を行わせることができ、独自プロトコルで動作しないレイヤ2スイッチとの混在環境であっても、短時間に障害迂回が可能なものにすることができる。
実施の形態1では、特殊ノードは、一般ノードと接続するポートを出力停止した後、一定時間待った後に出力再開する。この待ち時間は、一般ノードが入力停止を検知できる程度に長い必要があるが、その一方で、短ければ短い程、通信の復旧が早くなる。
そこで、実施の形態2のレイヤ2スイッチでは、一般ノードがどのポートに接続しているかを設定する場合に、同時に出力停止状態を継続する時間を設定可能とする。
以下、この発明の実施の形態3を図に基づいて説明する。
図6は、この発明の実施の形態3によるリング状ネットワークを示す構成図である。
図6は、複数のレイヤ2スイッチでリング状ネットワークを構成し、ループ回避プロトコルにより正常にループを回避している状態を示している。
図6において、21〜23、30、40は図1におけるものと同一のものである。特殊ノード4、特殊ノード5、特殊ノード6は、メーカ独自のループ回避プロトコルで動作するレイヤ2スイッチであり、一般ノード12は、特殊ノードの持つメーカ独自ループ回避プロトコルで動作しないレイヤ2スイッチである。
端末A21、端末B22、端末C23は、リング状ネットワークを介して通信を行う端末装置であり、それぞれIPアドレスとしてIP−A、IP−B、IP−Cを持ち、MACアドレスとしてMAC−A、MAC−B、MAC−Cを持つ。端末A21は、特殊ノード4に接続され、端末B22は、特殊ノード5に接続され、端末C23は、一般ノード12に接続されている。
図7は、図6の状態における、各レイヤ2スイッチのMACアドレス学習テーブルを示している。
図7(a)は、特殊ノード4のMACアドレス学習テーブルの内容を示し、MAC−A(端末A)がポート3(P3)の先にいると学習し、MAC−B(端末B)がポート1(P1)の先にいると学習している。
図7(b)は、特殊ノード5のMACアドレス学習テーブルの内容を示し、MAC−A(端末A)がポート2(P2)の先にいると学習し、MAC−B(端末B)がポート3(P3)の先にいると学習している。
図7(c)は、特殊ノード6のMACアドレス学習テーブルの内容を示し、MAC−A(端末A)がポート1(P1)の先にいると学習し、MAC−B(端末B)がポート1(P1)の先にいると学習している。
図7(d)は、一般ノード12のMACアドレス学習テーブルの内容を示し、MAC−A(端末A)がポート1(P1)の先にいると学習し、MAC−B(端末B)がポート1(P1)の先にいると学習している。
ARPリクエストは、ブロードキャストアドレス宛に送信されるため、ネットワーク内の全装置(レイヤ2スイッチ及び端末)がこのARPリクエストを受信する。宛先IPアドレスを持つ装置は、このARPリクエストを受信して、自身のMACアドレス情報を格納したARPレスポンスをARPリクエストの送信元装置に返送する。このシーケンスにより、レイヤ2スイッチは、宛先IPアドレスに対応するMACアドレスを学習することができる。
図8(a)は、IPアドレスとMACアドレス情報を対応付けた特殊ノード4のARPテーブルの状態を示し、IP−AとMAC−Aとが対応し、IP−BとMAC−Bとが対応し、IP−CとMAC−Cとが対応している。
図8(b)は、IPアドレスとMACアドレス情報を対応付けた特殊ノード5のARPテーブルの状態を示し、IP−AとMAC−Aとが対応し、IP−BとMAC−Bとが対応し、IP−CとMAC−Cとが対応している。
図8(c)は、IPアドレスとMACアドレス情報を対応付けた特殊ノード6のARPテーブルの状態を示し、IP−AとMAC−Aとが対応し、IP−BとMAC−Bとが対応し、IP−CとMAC−Cとが対応している。
図9は、図6のリング状ネットワークにおいて障害が発生した場合の例を示している。
図9において、4〜6、12、21〜23は図6におけるものと同一のものである。特殊ノード4と特殊ノード5の間でケーブルに障害50が発生し、この間での通信はできなくなっている。このため、端末A21と端末B22間の通信は、迂回経路32として示す経路で行われることになる。
特殊ノード4〜6は、メーカ独自のループ回避プロトコルにより、この障害50を検知し、特殊ノード6は、障害50を迂回するためにポート2のブロッキングを解除し、データ中継を可能とする。
図10(a)の特殊ノード4のMACアドレス学習テーブルには何も格納されていない。
図10(b)の特殊ノード5のMACアドレス学習テーブルには何も格納されていない。
図10(c)の特殊ノード6のMACアドレス学習テーブルには何も格納されていない。
図10(d)は、一般ノード12のMACアドレス学習テーブルの内容を示し、MAC−A(端末A)がポート1(P1)の先にいると学習し、MAC−B(端末B)がポート1(P1)の先にいると学習し、MAC−C(端末C)がポート3(P3)の先にいると学習している。
図11において、一般ノード12は、MACアドレス学習テーブルで、MAC−A(端末A)がポート1(P1)の先にいると学習し、MAC−B(端末B)がポート2(P2)の先にいると学習し、MAC−C(端末C)がポート3(P3)の先にいると学習している。
図9は、図6のリング状ネットワークにおいて障害が発生した場合の例を示し、特殊ノード4と特殊ノード5の間でケーブルに障害50が発生し、この間での通信はできなくなっている。このため、端末A21と端末B22間の通信は、迂回経路32に示す経路で行われることになる。
特殊ノード4〜6は、メーカ独自のループ回避プロトコルによりこの障害を検知し、特殊ノード6は、障害を迂回するためにポート2のブロッキングを解除し、データ中継を可能とする。
さらに、特殊ノード4〜6は、メーカ独自のループ回避プロトコルによりMACアドレス学習テーブルの内容を破棄し、障害迂回前の古い学習内容を破棄するようになっている。
この結果、一般ノード12のMACアドレス学習テーブルの内容は、図11に示す内容となる。したがって、この時点で一般ノード12は、端末B22のMACアドレスに関して正しく再学習し、端末A21、端末B22、端末C23のすべてのMACアドレスについて、ネットワーク構成に照らして正しい学習状態となっている。
したがって、特殊ノードが通信経路を切り換えるタイミングで、一般ノードにも通信経路の切替を行わせることができ、独自プロトコルで動作しないレイヤ2スイッチとの混在環境であっても、短時間に障害迂回が可能にすることができる。
実施の形態3では、すべての特殊ノードが自身のARP学習内容に基づいてARPリクエストを送信する。この中には、実際には再学習には関係しないARPリクエストも含まれており、レイヤ2スイッチの台数が増えれば、それだけ不要なARPリクエストで無用にネットワークの帯域を浪費することになる。
実施の形態4では、障害発生箇所に隣接する特殊ノードは無条件にARPリクエストを送信するため、一般ノードが存在しない場合にもARPリクエストを送信することになる。しかし、一般ノードが存在せず、特殊ノードだけでレイヤ2ネットワークを構成している場合には、独自プロトコルによりMACアドレス学習テーブルの学習内容を破棄するため、ARPリクエストによる再学習は必要ない。
一般ノードが存在しないと設定されている場合には、特殊ノードは、ARPリクエストの送信を行わない。
なお、特殊ノードに対してレイヤ2ネットワーク内に一般ノードが存在するか否かを設定する方法については、すでにレイヤ2スイッチが持つ設定機能(固有プロトコルで動作しないレイヤ2スイッチが存在するか否かを設定する手段)を使用するものとする。
11、12 一般ノード
21〜23 端末
30 正常時通信経路
31、32 迂回経路
40 ブロッキング
50 障害
61 プロセッサ部
62 送受信部
63 物理層処理部
64 パケット交換部
Claims (5)
- リング状ネットワークを構成し、ループを回避するために固有プロトコルで動作するレイヤ2スイッチにおいて、
上記固有プロトコルで動作せず、所定時間以上に入力が停止したポートで学習していたMACアドレス学習内容を破棄するレイヤ2スイッチがすぐ隣に接続するポートを設定する手段、
及びループを回避するための固有プロトコルで動作する際に、上記設定されたポートを出力停止させ、所定の継続時間後に出力再開させる手段を備えたことを特徴とするレイヤ2スイッチ。 - 上記固有プロトコルで動作しないレイヤ2スイッチとの間を接続するポートごとに、上記所定の継続時間を設定できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレイヤ2スイッチ。
- リング状ネットワークを構成し、ループを回避するために固有プロトコルで動作するレイヤ2スイッチにおいて、
ARPリクエストを受信した場合に送信元のIPアドレスとMACアドレスの情報を学習する手段、
及びループを回避するための固有プロトコルで動作する際に、上記学習したIPアドレスに関するARPリクエストを送信する手段を備え、
上記ARPリクエストを送信する手段は、上記リング状ネットワークに障害が発生した場合に、上記ARPリクエストを送信することを特徴とするレイヤ2スイッチ。 - 自身が障害発生箇所に隣接するレイヤ2スイッチであると認識する手段を備え、
上記認識する手段により上記障害発生箇所に隣接すると認識された場合にのみ、上記ARPリクエストを送信することを特徴とする請求項3に記載のレイヤ2スイッチ。 - 上記リング状ネットワーク内に、上記固有プロトコルで動作しないレイヤ2スイッチが存在するか否かを設定する手段を備え、
上記固有プロトコルで動作しないレイヤ2スイッチが存在すると設定されていない場合には、上記ARPリクエストを送信しないことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のレイヤ2スイッチ。
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