JP4923977B2 - 端末収容装置、パケット経路切替方法及びパケット経路切替プログラム - Google Patents

端末収容装置、パケット経路切替方法及びパケット経路切替プログラム Download PDF

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本発明は端末収容装置、パケット経路切替方法及びパケット経路切替プログラムに関し、例えば、あるアクセスポイントに接続する端末が別のアクセスポイントに接続先を変更したときに短時間で通信経路の切り替えを行うことができるようにしたものである。
従来、例えば図2に示すようなIEEE802.11仕様の無線LANアクセスポイント(22、23)を複数有し、それを1台のレイヤ2で動作するスイッチングハブ21で接続したネットワークを構築した場合、ある無線LANアクセスポイント22に接続する端末24が別の無線LANアクセスポイント23に接続を変更するハンドオーバーなどの動作をすると、ハンドオーバー直後におけるスイッチングハブ21のARP(Address Resolution Protocol)テーブルではハンドオーバーした端末24のMAC(Media Access Control)アドレスはハンドオーバー前の無線LANアクセスポイント22向けのポートに対して登録されている。
このとき、例えば、スイッチングハブ21に接続されている別の端末25からハンドオーバーした端末24へ向けてパケットが送信された場合、そのパケットはスイッチングハブ21ARPテーブルの登録状況によりハンドオーバー前の無線LANアクセスポイント22へ向けて送信されることになる。そのため、端末25から端末24への通信はハンドオーバー直後、即時に開始することができないという問題があった。
スイッチングハブ21のARPテーブルについてハンドオーバー後の無線LANアクセスポイント23向けのポートに対して端末24のMACアドレスが登録されるには、新たに端末24からスイッチングハブ21へ向けて何らかのパケットが送出される必要がある。
そこで、特許文献1に記載のデータ通信システムでは、端末が別の無線LANアクセスポイントへハンドオーバーした場合に、ハンドオーバー後の無線LANアクセスポイントからスイッチングハブへ向けて端末のMACアドレスをソースアドレスとしたダミーのパケットが送出され、スイッチングハブが、そのパケットを受信してARPテーブルの情報を更新する構成が提案されている。図2の構成に置き換えて説明すると、端末24のハンドオーバー直後に無線LANアクセスポイント23がスイッチングハブ21へ向けて端末24のMACアドレスをソースアドレスとするパケットを送出し、スイッチングハブ21はそのパケットを受信してARPテーブルを更新する。これにより、新たに端末24からのパケット送出を待たずに、スイッチングハブ21のARPテーブルにはハンドオーバー後の無線LANアクセスポイント23向けのポートに対して端末24のMACアドレスが登録されて、端末24と端末25は双方向の通信を開始することができる。
また、特許文献1に記載のデータ通信システムでは、スイッチングハブが端末の無線LANアクセスポイントへの接続状況に関する情報を管理しており、端末が別の無線LANアクセスポイントへハンドオーバーした場合にスイッチングハブがハンドオーバー前と後の両方の無線LANアクセスポイントへ並列的にデータ送信する構成も提案されている。図2の構成に置き換えて説明すると、端末24が無線LANアクセスポイント22から無線LANアクセスポイント23へハンドオーバーすると、無線LANアクセスポイント23はスイッチングハブ21に端末24がハンドオーバーした旨のメッセージを送信し、スイッチングハブ21はその後端末24向けのデータは無線LANアクセスポイント22及び無線LANアクセスポイント23の両方へデータを送信する。これにより、端末24のハンドオーバー後スイッチングハブ21のARPテーブルの更新の状況によらず端末24と端末25は双方向の通信を開始することができる。
特開2004−48334号公報
しかしながら、従来の方式では、スイッチングハブ11に特殊な情報を登録させる機能などを持たせない限り、端末24のハンドオーバー後、スイッチングハブ21が上記ダミーのパケットを受信してからARPテーブルを更新するまでの間は、他の端末25は端末24への通信をすることができなかった。また、スイッチングハブ21の性能や負荷状況によっては上記ダミーのパケットを受信してもARPテーブルの更新までに長時間を要したり、更新されない場合があった。
そのため、端末収容装置の上位のネットワーク装置の登録情報の更新有無に関わらず、ある端末収容装置から他の端末収容装置へ接続が変更された端末と他の端末が、接続変更後直ちに双方向の通信を開始することができる端末収容装置、パケット経路切替方法及びパケット経路切替プログラムが望まれている。
第1の本発明の端末収容装置は、(1)収容している端末の情報を記憶しているデータベースと、(2)上記データベースの情報と受信したパケットの送信先情報との照合により、受信したパケットが、自装置が収容している端末宛でない到達先不正パケットであると判断したときに、上記到達先不正パケットの送信先に該当する端末を収容しているか否かを問い合わせる問い合わせ信号を、他の端末収容装置に送信する端末接続先問い合わせ手段と、(3)他の端末収容装置からの問い合わせ信号を受信すると、上記データベースの情報に基づき、問い合わせ対象の端末を自装置が収容しているか否かを判別し、収容しているときに、問い合わせ元の他の端末収容装置へ応答信号を送信する端末接続先応答手段と、(4)応答信号を受信すると、応答元の他の端末収容装置へ上記到達先不正パケットを転送する到達先不正パケット転送手段と、(5)転送された到達先不正パケットを受信すると、到達先不正パケットをその送信先の端末へさらに転送する到達先不正パケット再転送手段とを有することを特徴とする。
第2の本発明のパケット経路切替方法は、(0)複数の端末収容装置がそれぞれ、収容している端末の情報を記憶しているデータベース、端末接続先問い合わせ手段、端末接続先応答手段、到達先不正パケット転送手段及び到達先不正パケット再転送手段を備え、(1)任意の端末収容装置の上記端末接続先問い合わせ手段は、自装置のデータベースの情報と受信したパケットの送信先情報との照合により、受信したパケットが、自装置が収容している端末宛でない到達先不正パケットであると判断したときに、上記到達先不正パケットの送信先に該当する端末を収容しているか否かを問い合わせる問い合わせ信号を、他の端末収容装置に送信し、(2)問い合わせ信号を受信した他の端末収容装置の端末接続先応答手段は、自装置のデータベースの情報に基づき、問い合わせ対象の端末を自装置が収容しているか否かを判別し、収容しているときに、問い合わせ元の端末収容装置へ応答信号を返信し、(3)応答信号が返信された端末収容装置の到達先不正パケット転送手段は、応答元の他の端末収容装置へ上記到達先不正パケットを転送し、(4)転送された到達先不正パケットを受信した他の端末収容装置の到達先不正パケット再転送手段は、転送された到達先不正パケットをその送信先の端末へさらに転送することを特徴とする。
第3の本発明のパケット経路切替プログラムは、端末を収容している端末収容装置に設けられているコンピュータを、(1)収容している端末の情報を記憶しているデータベースと、(2)上記データベースの情報と受信したパケットの送信先情報との照合により、受信したパケットが、自装置が収容している端末宛でない到達先不正パケットであると判断したときに、上記到達先不正パケットの送信先に該当する端末を収容しているか否かを問い合わせる問い合わせ信号を、他の端末収容装置に送信する端末接続先問い合わせ手段と、(3)他の端末収容装置からの問い合わせ信号を受信すると、上記データベースの情報に基づき、問い合わせ対象の端末を自装置が収容しているか否かを判別し、収容しているときに、問い合わせ元の他の端末収容装置へ応答信号を送信する端末接続先応答手段と、(4)応答信号を受信すると、応答元の他の端末収容装置へ上記到達先不正パケットを転送する到達先不正パケット転送手段と、(5)転送された到達先不正パケットを受信すると、到達先不正パケットをその送信先の端末へさらに転送する到達先不正パケット再転送手段として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、端末収容装置の上位のネットワーク装置の登録情報の更新有無に関わらず、ある端末収容装置から他の端末収容装置へ接続が変更された端末と他の端末が、接続変更後直ちに双方向の通信を開始することができる。
(A)主たる実施形態
以下、本発明による端末収容装置、パケット経路切替方法及びパケット経路切替プログラム一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態の端末収容装置を含む通信システムの機能的構成を示すブロック図である。この通信システムは、無線LANを含むシステムであり、無線LANアクセスポイントが実施形態の端末収容装置である。
図1において、通信システム1は、大きく分けて、スイッチングハブ11、無線LANアクセスポイント12、13、無線LANクライアント端末14及び端末15を有する。
スイッチングハブ11は、例えば、レイヤ2(すなわち、OSI参照モデルのデータリンク層)で動作するスイッチングハブ(レイヤ2スイッチ)で、レイヤ2でのパケット(フレーム)の中継を行うものである。スイッチングハブ11は、レイヤ2で動作可能なスイッチングハブの機能を含むネットワーク機器であれば良い。また、スイッチングハブ11は、図1においては1台の構成として記載されているが、複数台のレイヤ2スイッチなどを接続して動作するものであっても良い。
無線LANクライアント端末14は、いずれかの無線LANアクセスポイント12、13と接続し、スイッチングハブ11を経由して端末15と通信を行う端末である。無線LANクライアント端末14は、図1では1台を示しているが、複数台を有して良いことは勿論である。
端末15は、スイッチングハブ11と有線LANで接続された端末であり、無線LANクライアント端末14と通信を行うものである。端末15も、複数台存在しても良い。
無線LANアクセスポイント12、13は、無線LANクライアント端末14を収容してスイッチングハブ11へ接続させる装置である。無線LANアクセスポイント12、13はそれぞれ、有線LANインターフェース部12a、13a、無線LANインターフェース部12b、12b、パケット転送送信処理部12c、13c、パケット転送受信処理部12d、13d、パケット制御部12e、12e、切断端末リスト12f、13f、接続端末異常状態テーブル12g、13g、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13hを有している。なお、図1の通信システム1では、無線LANアクセスポイント12、13は2台の構成となっているが、3台以上有する構成であっても良い。
パケット制御部12e、13e、パケット転送送信処理部12c、13c、パケット転送受信処理部12d、13dなどは、例えば、無線LANアクセスポイント12、13のCPU(中央処理装置)が所定のプログラムを実行することで、その機能部分が構築される。また、切断端末リスト12f、13f、接続端末異常状態テーブル12g、13g、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13hは、無線LANアクセスポイント12、13が端末14との接続状況に関する情報を管理するためのものであり、これらは、ハードウエア的には不揮発性記憶手段(ハードディスクやROMなど)や揮発性記憶手段(RAMなど)が該当し、ソフトウエア的には各種のファイルなどが該当する。
有線LANインターフェース部12a、13aは、接続する有線回線との間で情報を送受信するためのインターフェース部であり、既存する有線ネットワークのインターフェース部を適用し得る。
無線LANインターフェース部12b、13bは、IEEE802.11で標準化されたインフラストラクチャ・モードで動作する一般的な無線LANインターフェース部であり、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)によるチャネルアクセス制御方式により、所定の無線チャネルを用いて無線LANクライアント端末14との間で信号を授受するものである。
パケット転送送信処理部12c、13cは、本来、他の無線LANアクセスポイント13、12の配下の無線LANクライアント端末14向けに送信されたパケットが自無線LANアクセスポイント12、13に到達してしまう到達先不正パケットである場合に、そのパケットをデータ領域に入れたパケットを生成し、有線LANインターフェース部12a、13aを介して本来到達すべき無線LANアクセスポイント13、12へ転送する機能を担っている。また、パケット転送送信処理部12c、13cは、パケット制御部12e、13eと接続しており、パケット制御部12e、13eから転送されてきたパケットについて他の無線LANアクセスポイント13、12へ転送を行う。
上記パケットの転送では、例えば、UDP/IPを用いて転送する場合であれば、図3のような構成の、UDP/IPヘッダ部301、データ部302、FCS部303を有するパケットを送出する。UDP/IPヘッダ部301は、UDP/IPのプロトコルに基づくパケットの制御情報を格納するものであり、主として送信元の無線LANアクセスポイント12、13のIPアドレスと送信先の無線LANアクセスポイント13、12のIPアドレスが格納される。データ部302には、転送する到達先不正パケットの全体をデータとして格納する。FCS部303は、誤り訂正をするための符号であるFCS(Frame Check Sequence )のデータが格納される。なお、転送送信処理部12c、13cが生成するパケットの形式はUDP/IPだけでなく、TCP/IPなどの他のプロトコルに基づいて生成されるパケットでも良い。
パケット転送受信処理部12d、13dは、他の無線LANアクセスポイント13、12からパケット転送送信処理部13c、12cにより転送されてきたパケットを復号して、無線LANインターフェース部12b、13bを介して該当する無線LANクライアント端末14に更にパケットを転送する機能を担っている。上記パケットの復号は、例えば、転送されてきたパケットが上述した図3のような構成のUDP/IPのパケットであった場合、データ部302に格納されている内容を取り出すことにより行われる。また、パケット転送受信処理部12d、13dは、パケット制御部12e、13eと接続しており、パケット制御部12e、13eから転送されてきたパケットについて他の無線LANアクセスポイント13、12へ転送を行う。
切断端末リスト12f、13fは、以前に当該無線LANアクセスポイント12、13に接続していたが、既に切断された無線LANクライアント端末14や他の無線LANアクセスポイント13、12へのハンドオーバーを検知した無線LANクライアント端末14のMACアドレスとハンドオーバー先の無線LANアクセスポイント13、12のIPアドレスに関する情報を記憶する機能を担っている。
切断端末リスト12f、13fは、図4のような構造のテーブルであり、切断端末MACアドレス401、接続アクセスポイントIPアドレス402の情報を有する。切断端末MACアドレス401は、以前に当該無線LANアクセスポイント12、13に接続していたが、既に切断された無線LANクライアント端末14や他の無線LANアクセスポイント13、12へのハンドオーバーを検知した無線LANクライアント端末14のMACアドレスを示す情報である。接続アクセスポイントIPアドレス402は、切断端末MACアドレス401に該当する無線LANクライアント端末14が接続している無線LANアクセスポイント13、12のIPアドレスを示す情報である。なお、接続アクセスポイントIPアドレス402は、該当する無線LANクライアント端末14のハンドオーバー先のIPアドレスが不明な場合には、未確認であることを示す情報が入力されるが、ここでは、例えば、他では使用されないIPアドレスとして「0.0.0.0」が入力されるものとする。
接続端末異常状態テーブル12g、13gは、当該無線LANアクセスポイント12、13に接続中の無線LANクライアント端末14に対して送信されたパケットが到達先不正パケットとして他の無線LANアクセスポイント13、12へ到達してしまった場合、その無線LANクライアント端末14のMACアドレスや接続状態に関する情報を記憶する機能を担っている。
接続端末異常状態テーブル12g、13gは、図5のような構造のテーブルであり、接続中端末MACアドレス501、送信元MACアドレス502、接続状態情報503の情報を有する。
接続中端末MACアドレス501は、現在、当該無線LANアクセスポイント12、13に接続中の無線LANクライアント端末14に対して送信されたパケットが他の無線LANアクセスポイント13、12へ到達先不正パケットとして到達してしまった無線LANクライアント端末14のMACアドレスを示す情報である。送信元MACアドレス502は、接続中端末MACアドレス501に示すMACアドレスに対してパケットを送信したが、到達先不正パケットとなってしまった端末15のMACアドレスを示す情報である。接続状態情報503は、送信元MACアドレス502に該当する端末15から接続中端末MACアドレス501に該当する無線LANクライアント端末14へのパケットが到達先不正パケットになってしまう状況が正常か異常かを示す情報であり、「正常」又は「異常」のどちらかのフラグが入力される。
「正常」、「異常」の判断について、例えば、送信元MACアドレス502に該当する端末15から接続中端末MACアドレス501に該当する無線LANクライアント端末14へのパケットが到達先不正パケットとして別の無線LANアクセスポイント13、12へ到達してしまった場合、当初は「異常」となるが、その後一度でも同じ送信元と送信先のパケットが自無線LANアクセスポイント12、13に到達した場合には以降「正常」となる。
切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13h)は、到達先不正パケットを受信した場合に、その状態の「正常」又は「異常」の情報について記憶する機能を担っている。
切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13hは、図6のような構造のテーブルであり、切断端末MACアドレス601、送信元MACアドレス602、接続状態情報603の情報を有する。切断端末MACアドレス601は、到達先不正パケットの送信先の無線LANクライアント端末14のMACアドレスを示す情報である。また、送信元MACアドレス602は、到達先不正パケットの送信元の端末15のMACアドレスを示す情報である。接続状態情報603は、送信元MACアドレス602に該当する端末15から切断端末MACアドレス601に該当する無線LANクライアント端末14へのパケットが到達先不正パケットとして別の無線LANアクセスポイント13、12へ到達してしまう状況が正常か異常かを示す情報であり、「正常」又は「異常」のどちらかの情報が入力される。なお、「正常」、「異常」の判断方法については上述した接続状態情報503の内容と同様である。
パケット制御部12e、13eは、主としてスイッチングハブ11から有線LANインターフェース部12a、13aを介して受信したパケットについて次にどの装置に転送すべきか、又は廃棄するべきかを判断して転送するなどの機能を担っており、有線LANインターフェース部12a、13a、無線LANインターフェース部12b、13b、パケット転送送信処理部12c、13c、パケット転送受信処理部12d、13d、切断端末リスト12f、13f、接続端末異常状態テーブル12g、13g、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13hと接続している。
パケット制御部12e、13eは、スイッチングハブ11から有線LANインターフェース部12a、13aを介して受信されたパケットについて、送信先のMACアドレスが当該無線LANアクセスポイント12、13に接続している無線LANクライアント端末14である場合には、無線LANインターフェース部12b、13bを介して該当する無線LANクライアント端末14にパケットを転送する機能を担っている。
また、パケット制御部12e、13eは、スイッチングハブ11から有線LANインターフェース12b、13bを介して受信したパケットについて、送信先情報のMACアドレスが当該無線LANアクセスポイント12、13に接続している無線LANクライアント端末14でない到達先不正パケットである場合には、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13hと切断端末リスト12f、13fの情報に基づいて、パケットを廃棄するか、パケットを別の無線LANアクセスポイント13、12に転送するかを判断する機能を担っている。上記判断において、パケットを廃棄する決定がされた場合、パケット制御部12e、13eは受信した到達先不正パケットを廃棄して、次のパケットを受信するために待機する。上記判断において、パケットを別の無線LANアクセスポイント13、12に転送する決定がされた場合はパケット転送送信処理部12c、13cを介して該当する無線LANアクセスポイント13、12へパケットを転送し、転送先の無線LANアクセスポイント13、12のパケット制御部13e、12eからパケット転送受信処理部13d、12dを介して無線LANクライアント端末14へ更にパケットを転送する。
また、上記判断において、パケット制御部12e、13eが受信したパケットの送信元及び送信先のMACアドレスの組み合わせが、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13hの切断端末MACアドレス601、送信元MACアドレス602に存在しない組み合わせである場合には、他の無線LANアクセスポイント13、12へ送信先の無線LANクライアント端末14が接続している無線LANアクセスポイント(12、13)のIPアドレスを問い合わせるためのIPアドレス確認メッセージを含んだパケットを送出し、他の無線LANアクセスポイント13、12からのIPアドレス確認メッセージに対する応答内容に基づいて、その後の動作の判断を行う。IPアドレス確認メッセージは、例えば、マルチキャストやブロードキャストなどの同報通信の機能により、同じ通信システム1上に存在する全ての無線LANアクセスポイント12、13に向けて送信される。また、IPアドレス確認メッセージには、パケット制御部12e、13eが受信した到達先不正パケットの送信元のMACアドレスと送信先のMACアドレスの情報が含まれる。
IPアドレス確認メッセージを受信した無線LANアクセスポイント12、13のパケット制御部12e、13eは、接続端末異常状態テーブル12g、13gの情報に基づいて、「正常」、「異常」、「無視」のいずれかを判断し、「正常」若しくは「異常」結果についてはその結果を応答メッセージとして格納したパケットを確認元の無線LANアクセスポイント13、12に送信し、「無視」の場合には何も応答しない。
また、パケット制御部12e、13eは、切断端末リスト12f、13f、接続端末異常状態テーブル12g、13g、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13hの各情報を追加、更新、削除する機能を担っている。
切断端末リスト12f、13fの情報の追加更新は、当該無線LANアクセスポイント12、13と接続していた無線LANクライアント端末14が接続を解除した場合、例えば、IEEE802.11で定められたプロトコルにより接続解除(Disassociation)や認証解除(Deauthentication)の信号が送信された場合や、他のアクセスポイントへのハンドオーバーを検知した場合に、該当する無線LANクライアント端末14について情報の更新を行う。情報の更新は、接続解除した無線LANクライアント端末14のMACアドレスを切断端末MACアドレス401に入力し、接続アクセスポイントIPアドレス402には当初不明な場合初期値として「0.0.0.0」を入力する。また、接続アクセスポイントIPアドレス402は、該当する無線LANクライアント端末14のハンドオーバー先の無線LANアクセスポイント13、12のIPアドレスが明らかになった時点で「0.0.0.0」から更新する。ハンドオーバー先の無線LANアクセスポイント13、12のIPアドレスは、例えば、IPアドレス確認メッセージに対する応答のメッセージを受信した場合にそのパケットの送信元のアドレスなどによって明らかになる。
接続端末異常状態テーブル12g、13gの情報の追加更新については、他の無線LANアクセスポイント13、12からIPアドレス確認メッセージを受信したとき、その確認の内容に基づいて情報の追加を行う。情報の追加は、接続中MACアドレス501が確認の対象となった到達先不正パケットの送信先のMACアドレス、送信元MACアドレス502が確認の対象となった到達先不正パケットの送信元のMACアドレス、接続状態情報503が初期値として「異常」と入力する。また、当該無線LANアクセスポイント12、13に一度でも送信元が送信元MACアドレス502、送信先が接続中MACアドレス501の組み合わせのパケットが到達した場合には、該当する接続状態情報503の情報を「異常」から「正常」に更新する。
切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13hの情報の追加更新は、到達先不正パケットを受け取った無線LANアクセスポイント12、13がIPアドレス確認メッセージを他の無線LANアクセスポイント13、12へ送出し、それに対する応答のメッセージを受信したとき、その内容に基づいて行う。応答のメッセージを受信した場合の情報の追加は、切断端末MACアドレス601には対象となる到達先不正パケットの送信先のMACアドレス、送信元MACアドレス602には対象となる到達先不正パケットの送信元のMACアドレス、接続状態情報603には応答メッセージにおける「正常」又は「異常」の内容をそのまま入力する。また、既に接続状態情報603が「異常」として登録されている切断端末MACアドレス601と送信元MACアドレス602の組み合わせについて応答のメッセージが「正常」であった場合、該当する接続状態情報603を「正常」に更新する。
切断端末リスト12f、13f、接続端末異常状態テーブル12g、13g、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13hの各情報の削除については、例えば、登録されてから一定時間経った情報を削除する方法や、一定時間参照されない情報については削除する方法でもよい。また、切断端末MACアドレス401に該当する端末が再度同じ無線LANアクセスポイント12、13に接続してきた場合には、切断端末リスト12f、13f、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13hにおいて該当する情報について削除する方法でも良い。
また、パケット制御部12e、13eは、他の無線LANアクセスポイント13、12から転送されてきた前述の図3に示すパケットを受信すると、その取り扱いについて判断する機能を担っている。
転送されてきたパケットに含まれる到達先不正パケットの宛先MACアドレスが、現在、当該無線LANアクセスポイント12、13に接続中の端末のものであり、接続端末異常状態テーブル12g、13gにおいて該当する接続状態情報503が「異常」である場合は、パケット転送受信処理部12d、13dを介して該当する無線LANクライアント端末14へパケットを転送する。該当する接続状態情報503が「正常」である場合には、パケットの転送元の無線LANアクセスポイント13、12に、「正常」であるという応答メッセージを送信し、転送されてきたパケットは廃棄する。一方、「正常」であるという応答メッセージを受信した無線LANアクセスポイント13、12のパケット制御部13e、12eにおいては、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル13h、12hのうち該当する接続状態情報603の値を「正常」へと更新する。
また、転送されてきたパケットに含まれる到達先不正パケットの宛先MACアドレスが、現在、当該無線LANアクセスポイント12、13に接続していない端末のものであると判断された場合は、新規のパケットを受信したものとして動作する。
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する通信システム1の各種動作の説明をする。
図7は、無線LANクライアント端末14が無線LANアクセスポイント12への接続から無線LANアクセスポイント13へハンドオーバーした直後に、端末15から無線LANクライアント端末14へパケットが送出された際の通信システム1の動作について示すシーケンス図である。
なお、無線LANクライアント端末14のMACアドレスは「aa:aa:aa:aa:aa:aa」、端末15のMACアドレスは「bb:bb:bb:bb:bb:bb」、無線LANアクセスポイント12のIPアドレスは「X.X.X.X」、無線LANアクセスポイント13のIPアドレスは「Y.Y.Y.Y」であるものとする。また、無線LANクライアント端末14のハンドオーバー後、スイッチングハブ11のARPテーブルは更新されていないものとする。また、切断端末リスト12f、13f、接続端末異常状態テーブル12g、13g、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13hの内容は、当初全て空白であるものとする。
また、無線LANクライアント端末14は、無線LANアクセスポイント12に接続していたが切断され、無線LANアクセスポイント13への接続にハンドオーバーされた直後であるものとする。このとき、無線LANアクセスポイント12において、パケット制御部12eにより切断端末リスト12fに無線LANクライアント端末14に関して新しい情報が追加される。すなわち、切断端末MACアドレス401には無線LANクライアント端末14のMACアドレスである「aa:aa:aa:aa:aa:aa」が入力され、接続アクセスポイントIPアドレス402にはまだハンドオーバー先の無線LANアクセスポイント12、13が不明として「0.0.0.0」が入力される。
まず、端末15から、無線LANクライアント端末14のMACアドレスをあて先とするパケットがスイッチングハブ11に向けて送信されたものとする(S701)。
次に、スイッチングハブ11において受信したパケットについて自己のARPテーブルを参照して転送する先を決定し転送されるが、上述の通りARPテーブルは無線LANクライアント端末14のハンドオーバー後更新されていないので、無線LANクライアント端末14のハンドオーバー前と同様に無線LANアクセスポイント12へ転送されてしまうため、そのパケットは到達先不正パケットとなる(S702)。
次に、無線LANアクセスポイント12において、受信したパケットの取り扱いについてパケット制御部12eにより判断される(S703)。この判断の結果、同じネットワーク上に存在するすべての無線LANアクセスポイントへ向けてIPアドレス確認メッセージのパケットが送出される(S704)。
図8は、ステップS703における判断及びステップS704における処理について示したフローチャートである。
まず、パケット制御部12eにおいて、受信したパケットの送信先MACアドレスが当該無線LANアクセスポイント12に接続中の端末のものであるかの検索が行われ、接続中の端末であれば、該当する端末にパケットは転送されるが、接続中の端末でなければ次の判断ステップに進む(S801、S809)。ここでは、無線LANクライアント端末14は、既に無線LANアクセスポイント13と接続しており、無線LANアクセスポイント12とは接続していないので、次の判断ステップに進むことになる。
次に、パケット制御部12eにおいて、受信したパケットの送信先MACアドレスが切断端末リスト12fに存在するか否かの検索が行われ、存在しない場合には受信したパケットは廃棄されるが、存在する場合には次の判断ステップへ進む(S802、S808)。上述の通り、切断端末MACアドレス401が「aa:aa:aa:aa:aa:aa」の情報が存在するので、S802の検索の結果「存在する」という結果となり、次の判断ステップに進むことになる。
次に、パケット制御部12eにおいて、受信したパケットの送信先MACアドレスと送信元MACアドレスの組み合わせが、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12hの切断端末MACアドレス601と送信元MACアドレス602の組み合わせに一致する情報が存在するか否か検索される(S802)。切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12hの内容は、上述の通り、空であるため、上記検索結果は「存在しない」という結果となる。
次に、S802において「存在しない」という結果となったので、同じネットワーク上に存在するすべての無線LANアクセスポイントへIPアドレス確認メッセージのパケットがブロードキャスト又はマルチキャストにより送出される(S804、S704)。
次に、無線LANアクセスポイント12は他の無線LANアクセスポイント13からの応答のパケット受信をするため待機する(S805)。尚、ここでは、IPアドレス確認メッセージのパケットの中には、到達先不正パケットの送信元のMACアドレスである「bb:bb:bb:bb:bb:bb」と送信先のMACアドレスである「aa:aa:aa:aa:aa:aa」の情報が含まれる。
一方、S803において「存在する」という結果となった場合は、該当する情報について接続状態情報603が「正常」のときはパケットは廃棄され(S806、S808)、「異常」のときは切断端末リスト12fが参照されて到達先不正パケットの送信先が切断端末MACアドレス401に該当する接続アクセスポイントIPアドレス402のIPアドレスを有する無線LANアクセスポイントへ、パケット転送送信処理部12cを介してパケットが転送されることになる(S806、S807)。
次に、ステップS704により送出された問い合わせのパケットが無線LANアクセスポイント13で受信されると、パケット制御部13eにより、その取り扱いについて判断がされる(S705)。この判断の結果、確認メッセージに対して「異常」である旨の応答メッセージのパケットが無線LANアクセスポイント12へ送信される(S706)。
図9は、ステップS705における判断及びステップS706における処理について示すフローチャートである。
まず、パケット制御部13eは、無線LANアクセスポイント12からのIPアドレス確認メッセージを受信すると(S901)、IPアドレス確認メッセージの情報のうち到達先不正パケットの送信先のMACアドレスに該当する端末が無線LANアクセスポイント13に接続しているか否か検索が行われ(S902)、該当する端末が存在しない場合には、判断結果を「無視」として何も応答せずに判断処理が終了される(S908)。ここで、無線LANアクセスポイント13には無線LANクライアント端末14が接続しており、そのMACアドレスが「aa:aa:aa:aa:aa:aa」であってIPアドレス確認メッセージの情報に含まれる到達先不正パケットの送信先のMACアドレスと一致するため、該当する端末は無線LANアクセスポイント13に接続しているという結果となり、判断結果は「無視」とならずに、次の判断ステップに進むことになる。
次に、IPアドレス確認メッセージの情報に含まれる到達先不正パケットの送信先と送信元のMACアドレスの組み合わせが、接続端末異常状態テーブル13gにおいて接続中端末MACアドレス501と送信元MACアドレス502の組み合わせと一致する情報が存在するか否かについて検索される(S903)。このときには、接続端末異常状態テーブル13gは、上述の通り、全て空なため、「存在しない」という結果となり、接続端末異常状態テーブル13gに問い合わせパケットの情報に基づいて情報が追加される(S904)。
このとき、S902において追加される情報には、図5に示すように、接続中端末MACアドレス501には無線LANクライアント端末14のMACアドレスである「aa:aa:aa:aa:aa:aa」、送信元MACアドレス502には問い合わせパケットに含まれる送信元のMACアドレスである「bb:bb:bb:bb:bb:bb」、接続状態情報503には初期値として「異常」という値が入力される。
次に、無線LANアクセスポイント13から無線LANアクセスポイント12へステップS704のIPアドレス確認メッセージの応答として「異常」である旨のメッセージを含んだパケットが送信される(S905、S706)。
一方、ステップS902において、該当する情報が「存在する」という結果となった場合には、上記該当する情報の接続状態503が「異常」のときは無線LANアクセスポイント13へ「異常」である旨の応答メッセージを含んだパケットが送信され(S906、S905)、「正常」のときは無線LANアクセスポイント13へ「正常」である旨のメッセージを含んだパケットが送信される(S906、S907)。
次に、無線LANアクセスポイント12において、パケット制御部12eにより、無線LANアクセスポイント13からの応答メッセージに対する取り扱いについての判断と、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h及び切断端末リスト12fの情報の更新が行われる(S707)。
図10は、ステップS707における処理について示したフローチャートである。
まず、無線LANアクセスポイント12eにおいては、他の無線LANアクセスポイント13からの応答について一定時間待機され、一定時間が経過しても他の無線LANアクセスポイント13から応答が無い場合には、端末15から送信された到達先不正パケットを廃棄することを判断結果としてステップS707の判断処理を終了され(S1001、S1006)その後、そのパケットは廃棄される。ここでは、ステップS707における無線LANアクセスポイント13からの応答が上記一定の時間内に受信されたものとし、到達先不正パケットは廃棄されずに次の判断ステップに進む。
次に、パケット制御部12eにより、ステップS706における無線LANアクセスポイント13からの応答メッセージの内容に基づいて、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12hに情報が更新される(S1002)。このときには、図6のように、切断端末MACアドレス601には無線LANクライアント端末14のMACアドレスである「aa:aa:aa:aa:aa:aa」、送信元MACアドレス602には端末15のMACアドレスである「bb:bb:bb:bb:bb:bb」、接続状態情報503には「異常」という情報が追加される。
次に、パケット制御部12eにより、ステップS706における無線LANアクセスポイント13からの応答メッセージの内容に基づいて、切断端末リスト12fの情報が更新される(S1003)。ここでは、ステップS706において無線LANアクセスポイント13から応答のパケットを受信しているので、そのパケットのヘッダ情報などから無線LANアクセスポイント13のIPアドレスが抽出され、切断MACアドレス401が無線LANクライアント端末14のMACアドレスに該当する接続アクセスポイントIPアドレス402に、無線LANアクセスポイント13のIPアドレスである「Y.Y.Y.Y」が入力される。
次に、無線LANアクセスポイント13から受信した応答メッセージの内容が「正常」であったか否かが判断される(S1004)。ここでは受信した応答メッセージの内容は「異常」であったので、到達先不正パケットを応答メッセージの送信元である無線LANアクセスポイント13へ転送すると判断され、パケット転送送信処理部12cと有線LANインターフェース部12aを介して無線LANアクセスポイント13へ到達先不正パケットが転送される(S1005、S708)。一方、無線LANアクセスポイント13から受信した応答メッセージの内容が「正常」であった場合には到達先不正パケットは廃棄すると判断され、その後廃棄される(S1006)。
次に、無線LANアクセスポイント13において無線LANアクセスポイント12から送信されたパケットが受信され、パケット制御部13eにおいて無線LANクライアント端末14への転送用のパケットであることが認識されると、その取り扱いについて判断される(S709)。ここでは判断の結果無線LANクライアント端末14へパケットが転送される(S710)。
図11は、ステップS709における判断及びステップS710における処理について示したフローチャートである。
まず、転送されてきたパケットに含まれる到達先不正パケットの宛先MACアドレスが現在無線LANアクセスポイント13に接続中の端末のものであるか否か検索がされる(S1101)。無線LANアクセスポイント13に接続中の端末のものでない場合は、新規にパケットを受信したものとみなして、無線LANアクセスポイント13は、図7におけるステップS702以降の無線LANアクセスポイント12と同様の動作を行うが(S1105)、無線LANアクセスポイント13に接続中の端末である場合には次の判断ステップに進む。ここでは、転送されてきたパケットの送信先である無線LANクライアント端末14は、無線LANアクセスポイント13に接続しているので、次の判断ステップへ進む。
次に、転送されてきた到達先不正パケットの送信元MACアドレスと送信先MACアドレスの組み合わせが、接続端末異常状態テーブル13gにおける接続中端末MACアドレス501と送信元MACアドレス502の組み合わせに該当する接続状態情報503が「異常」であるか否かが判断される(S1102)。ここでは、該当する接続状態情報503は「異常」であるので、パケット転送受信処理部13dと無線LANインターフェース部13bを介して該当する無線LANクライアント端末14へ無線LANアクセスポイント12から転送されたパケットが更に転送される(S1103)。
一方、接続状態情報503が「正常」であった場合には、無線LANアクセスポイント12に、「正常」であるという応答メッセージを送信し、転送されてきたパケットは廃棄する。応答メッセージを受信した無線LANアクセスポイント12のパケット制御部12eにおいては、切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12hのうち該当する接続状態情報603の値が「正常」へと更新される(S1104)。
以上により、端末15から無線LANクライアント端末14へ送信されたパケットが、無線LANアクセスポイント12に到達先不正パケットとして到達してしまった場合でも、無線LANアクセスポイント13へパケットが転送され、無線LANクライアント端末14へ更に転送される動作について説明をした。
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態によれば、無線LANクライアント端末14が無線LANアクセスポイント12から無線LANアクセスポイント13へハンドオーバーした直後において、端末15から無線LANクライアント端末14へ向けて送信されたパケットは無線LANアクセスポイント12へ到達してしまうが、そのパケットは無線LANアクセスポイント12から無線LANアクセスポイント13へ転送されて無線LANクライアント端末14に届くことになる。
これにより、端末15と無線LANクライアント端末14の間の通信は、スイッチングハブ11のARPテーブルの登録状況によらず通信が可能となるので、無線LANクライアント端末14のハンドオーバー後も途切れることなく双方向の通信をすることが可能となる。また、スイッチングハブ11に特殊な登録情報や手段を持たせなくても良いという効果も奏する。
また、接続端末異常状態テーブル12g、13g及び切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル12h、13hにおいて、接続状態情報(503、603)のフラグを設けたことにより、例えば、スイッチングハブ11のARPテーブルの内容の一部又は全体が消去された場合、既に一度「正常」となった接続中端末MACアドレス501と送信元MACアドレス502の組み合わせで端末15から無線LANクライアント端末14へパケットが送信されたとき、スイッチングハブ11において全ての無線LANアクセスポイント(12、13)にパケットを送信してしまうフラッディングの状態が発生しても、他の無線LANアクセスポイント13、12が到達先不正パケットと認識して必要のないパケット転送で各装置及びネットワークの負荷を向上させないという効果を奏する。
(B)他の実施形態
上記実施形態だけなく、さらに、以下に例示するような実施形態も挙げることができる。
上記実施形態の通信システム1においては、無線LANアクセスポイント12、13と無線LANクライアント端末14は無線により接続されていたが、全て有線で接続された構成であっても良い。
この場合、無線LANクライアント端末14は有線LANインターフェースを有し、無線LANアクセスポイント12、13の無線LANインターフェース部12b、13bは有線LANのインターフェースを有し、無線LANクライアント端末14と無線LANアクセスポイント12、13との間はLANケーブルで接続される。
また、このとき無線LANクライアント端末14が他の無線LANアクセスポイント13、12へハンドオーバーする動作は、無線LANアクセスポイント12から無線LANアクセスポイント13への物理的なケーブル接続の変更や、無線LANクライアント端末14が複数の有線LANインターフェースを有して同時に無線LANアクセスポイント12及び無線LANアクセスポイント13の両方と接続しているときに論理的にその接続を変更すること等の動作に置き換えられる。
これにより、無線LANクライアント端末14から端末15までの間の経路において無線LANアクセスポイント12と無線LANアクセスポイント13で冗長化された構成であった場合に、上記の実施形態と同様にスイッチングハブ11のARPテーブルの更新によらず、即時に経路を無線LANアクセスポイント12から無線LANアクセスポイント13へ切り替えることができるという効果を奏する。
実施形態の全体構成を示すブロック図である。 従来のスイッチングハブの動作を示す説明図である。 実施形態のパケット転送送信処理部により生成される転送用パケットの構成例を示す説明図である。 実施形態の切断端末リストの構成を示す説明図である。 実施形態の接続端末異常状態テーブルの構成を示す説明図である。 実施形態の切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブルの構成を示す説明図である。 実施形態の到達先不正パケットの制御の動作を示すシーケンス図である。 実施形態のパケット制御部12eにおける到達先不正パケットの取り扱いの判断に関する動作を示すフローチャートである。 実施形態のパケット制御部13eにおける問い合わせパケットに対する応答内容の判断に関する動作を示すフローチャートである。 実施形態のパケット制御部12eにおける問い合わせパケットに対する応答の取り扱いに関する判断についての動作を示すフローチャートである。 実施形態のパケット制御部13eにおける無線LANアクセスポイント12から転送されたパケットの取り扱いに関する判断についての動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1…通信システム、11…スイッチングハブ、12…無線LANアクセスポイント、12e…パケット制御部、12f…切断端末リスト、12g…接続端末異常状態テーブル、12h…切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル、13…無線LANアクセスポイント、13e…パケット制御部、13f…切断端末リスト、13g…接続端末異常状態テーブル、13h…切断端末宛送信元MACアドレス管理テーブル、14…無線LANクライアント端末、15…端末。

Claims (3)

  1. 収容している端末の情報を記憶しているデータベースと、
    上記データベースの情報と受信したパケットの送信先情報との照合により、受信したパケットが、自装置が収容している端末宛でない到達先不正パケットであると判断したときに、上記到達先不正パケットの送信先に該当する端末を収容しているか否かを問い合わせる問い合わせ信号を、他の端末収容装置に送信する端末接続先問い合わせ手段と、
    他の端末収容装置からの問い合わせ信号を受信すると、上記データベースの情報に基づき、問い合わせ対象の端末を自装置が収容しているか否かを判別し、収容しているときに、問い合わせ元の他の端末収容装置へ応答信号を送信する端末接続先応答手段と、
    応答信号を受信すると、応答元の他の端末収容装置へ上記到達先不正パケットを転送する到達先不正パケット転送手段と、
    転送された到達先不正パケットを受信すると、到達先不正パケットをその送信先の端末へさらに転送する到達先不正パケット再転送手段と
    を有することを特徴とする端末収容装置。
  2. 複数の端末収容装置がそれぞれ、収容している端末の情報を記憶しているデータベース、端末接続先問い合わせ手段、端末接続先応答手段、到達先不正パケット転送手段及び到達先不正パケット再転送手段を備え、
    任意の端末収容装置の上記端末接続先問い合わせ手段は、自装置のデータベースの情報と受信したパケットの送信先情報との照合により、受信したパケットが、自装置が収容している端末宛でない到達先不正パケットであると判断したときに、上記到達先不正パケットの送信先に該当する端末を収容しているか否かを問い合わせる問い合わせ信号を、他の端末収容装置に送信し、
    問い合わせ信号を受信した他の端末収容装置の端末接続先応答手段は、自装置のデータベースの情報に基づき、問い合わせ対象の端末を自装置が収容しているか否かを判別し、収容しているときに、問い合わせ元の端末収容装置へ応答信号を返信し、
    応答信号が返信された端末収容装置の到達先不正パケット転送手段は、応答元の他の端末収容装置へ上記到達先不正パケットを転送し、
    転送された到達先不正パケットを受信した他の端末収容装置の到達先不正パケット再転送手段は、転送された到達先不正パケットをその送信先の端末へさらに転送する
    ことを特徴とするパケット経路切替方法。
  3. 端末を収容している端末収容装置に設けられているコンピュータを、
    収容している端末の情報を記憶しているデータベースと、
    上記データベースの情報と受信したパケットの送信先情報との照合により、受信したパケットが、自装置が収容している端末宛でない到達先不正パケットであると判断したときに、上記到達先不正パケットの送信先に該当する端末を収容しているか否かを問い合わせる問い合わせ信号を、他の端末収容装置に送信する端末接続先問い合わせ手段と、
    他の端末収容装置からの問い合わせ信号を受信すると、上記データベースの情報に基づき、問い合わせ対象の端末を自装置が収容しているか否かを判別し、収容しているときに、問い合わせ元の他の端末収容装置へ応答信号を送信する端末接続先応答手段と、
    応答信号を受信すると、応答元の他の端末収容装置へ上記到達先不正パケットを転送する到達先不正パケット転送手段と、
    転送された到達先不正パケットを受信すると、到達先不正パケットをその送信先の端末へさらに転送する到達先不正パケット再転送手段と
    して機能させることを特徴とするパケット経路切替プログラム。
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