JP5422585B2 - リング状ネットワークシステム - Google Patents

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Description

この発明は、障害経路の切り替えを行う複数台のLANスイッチからなるノードをリング状に接続するとともに、ループ回避のためのリング制御プロトコルが動作するリング状ネットワークシステムに関する。
通信ネットワークとして、従来より、障害経路の切り替えを行うレイヤ2スイッチなどのLANスイッチをノードとし、これらのノードの複数台を互いにリング状に接続してリング状ネットワークを構成する形態が広く採用されている。このようなLANスイッチをノードとして使用するリング状ネットワークにおいては、経路冗長性をもたせることができるため、ネットワークのどこか1箇所が障害により切断されても、残りのネットワークで全てのノードの相互間で通信を継続することが可能である。
ところで、このようなリング状ネットワークでは、いずれの箇所にも論理的に遮断されたポートが存在しない、いわゆるループができると、リング状ネットワーク内でデータパケットが周回して、一般にブロードキャストストームと呼ばれる障害状態を引き起こす可能性がある。
このようなブロードキャストストームの発生を無くす上でのリング制御プロトコルとして、従来、スパニングツリープロトコルが広く使用されている(例えば、下記の非特許文献1参照)。このスパニングツリープロトコルを適用すれば、障害発生時にリングの冗長性を確保しつつ、いずれかのノードで論理的に一つのポートを遮断することでブロードキャストストームの発生を回避することができる。なお、論理的に遮断(ブロッキング)されているポートをブロッキングポートと称する。
すなわち、障害によりリングの一部が切断されると、スパニングツリープロトコルの再構成が行われ、各ノードを構成するLANスイッチ間の協調動作により、今までのブロッキングポートが解除されて自動的に経路切替が行われてデータ中継を再開する。これにより、ネットワーク内の全てのノード間の通信が継続される。また、この後、障害が復旧すれば、やはりスパニングツリープロトコルの再構成が行われてブロッキングを解除されていたポートの内の一つが再びブロッキングされた状態となり、ループを回避する状態に戻る。
ところで、上記のように、LANスイッチからなる複数台のノードをリング状に接続してなるリング状ネットワークにおいて、障害によりリングの一部が切断されても、スパニングツリープロトコルを使用する限り、その冗長性機能により全てのノード相互間で通信を継続することが可能である。しかし、例えば、複数のノードが停電などで同時に動作不能になったときには、それらの動作不能なノード以外のノードは給電状態で動作が可能であったとしてもネットワーク全体としてループが全く構成できなくなり、ノード相互間の通信が途絶えてしまう。
そこで、複数のノードが同時に停電等で動作不能となった場合にも相互間の通信が継続できるように、従来技術では、例えば各ノードにバイパス装置を接続し、ノードが停電等で動作不能となったときには、バイパス装置を起動させてこの動作不能のノードをバイパスさせて前後のノードのポート間を接続できるようにし、これによって、各ノード間での通信を可能にしたものが提案されている(例えば下記の特許文献1参照)。
特開2005−12677号公報
IEEE802.1D,1998Edition
しかしながら、リング状ネットワークにおいて、スパニングツリープロトコル等のループ回避のためのリング制御プロトコルの適用条件下において、上記のようなバイパス装置を併用した場合、複数のノードが同時に停電等で動作不能となった場合でも相互間の通信が継続できる利点が得られるものの、その一方で、ブロッキングポートの位置によってはパケットがブロッキングポートをバイパスしてしまい、リング上において一箇所もブロッキングポートが存在しない状態が発生する。その結果、ネットワークがループになってしまい、ブロードキャストストームを引き起こす可能性があるという問題があった。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、ループ回避のためのリング制御プロトコルを使用したリング状ネットワークにおいて、バイパス装置を使用してもブロードキャストストームなどの通信障害の発生を確実に回避することができ、従来よりもネットワーク全体の耐障害性能を一層向上させることを目的とする。
この発明は、障害経路切り替えを行うLANスイッチからなる複数のノードを備えるとともに、上記ノードの少なくとも一つには当該ノードをバイパスするためのバイパス装置が設けられ、上記各ノードと上記バイパス装置とがリング状に接続されてリング状ネットワークが構成され、かつループ回避のためのリング制御プロトコルが動作するリング状ネットワークシステムにおいて、次の構成を採用している。
すなわち、この発明では、自己の一つのポートがブロッキング状態にある場合には、このブロッキング状態のポートから当該ポートがブロッキング状態である旨を示すブロッキング通知パケットを隣接するノードへ一定周期T1で送信するブロッキングポート通知手段と、上記ブロッキングポート通知手段から上記ブロッキング通知パケットを所定期間T2(>T1)内に受け取った場合には、当該パケットを受け取ったノードの隣接ポートを補助ブロッキング状態にする一方、上記ブロッキング通知パケットを上記所定期間T2内に受け取らない場合には上記補助ブロッキング状態を解除する補助ブロッキング遷移/解除手段と、を上記各ノードに備えることを特徴としている。
この発明によれば、バイパス装置を組み込んだリング状ネットワークにおいて、ブロッキング状態のあるポートを有するノードはこれに隣接するノードに対してブロッキング通知パケットを送信するため、このブロッキング通知パケットを受信したノードは、隣接するノードのポートがブロッキング状態にあることを確実に把握することができる。そして、隣接するノードのポートがブロッキング状態であれば、ブロッキング通知パケットを受信したノードは、そのパケットを受信したポートを補助ブロッキング状態にしてループ発生を防止する。このため、バイパス装置を組み込んだリング状ネットワークにおいてループ回避プロトコルを使用しても、ブロードキャストストームの発生を防ぐことができる。しかも、ノードの故障発生時にはバイパス装置によってネットワーク経路のバイパスを行うことができる。これにより、ネットワーク全体の耐障害性能を従来よりも一層向上させることが可能となる。
この発明の実施の形態1におけるリング状ネットワークシステムの構成図であり、各ノードがいずれも正常動作している状態を示している。 同システムで使用されるMAC(メディアアクセス制御)で規定されるBPDUに準拠したフォーマットを有する通信用のパケットの説明図である。 同システムにおいて、一つのノードへの給電が停止したためにバイパス装置が起動されてバイパス経路が形成された直後の構成図である。 同システムにおいて、一つのノードへの給電が停止したためにバイパス装置が起動されてバイパス経路が形成されてから一定時間が経過した状態を示す構成図である。 同システムにおいて、ブロッキング通知パケットを送信する側のノードの処理動作の説明に供するフローチャートである。 同システムにおいて、ブロッキング通知パケットを受信する側のノードの処理動作の説明に供するフローチャートである。 同システムにおいて、隣接するノードがブロッキング状態にあるかどうかを把握したり、自己のノードのポートを補助ブロッキング状態にするために使用する通信用のパケットの説明図である。 同システムにおいて、隣接するノードがブロッキング状態にあるかどうかを把握したり、自己のノードのポートを補助ブロッキング状態にするために使用する他の通信用のパケットの説明図である。
以下、この発明に係るリング状ネットワークシステムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの各実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるリング状ネットワークシステムの構成図である。
この実施の形態1におけるリング状ネットワークシステムは、障害経路切り替えを行うLANスイッチからなる複数のノードN1〜N4を備えるとともに、ノードN2には当該ノードN2をバイパスするためのバイパス装置5が設けられており、各ノードN1〜N4とバイパス装置5とが順次リング状に接続されてリング状ネットワークが構成されている。
なお、ここでは、発明の理解と説明を容易にするために、4台のノードN1〜N4でリング状ネットワークが構成されている場合を示しているが、ノードの数はこのような4台のみに限定されるものではない。また、一つのノードN2に対してバイパス装置5を設けているが、これに限らず他の各ノードN1、N3、N4にバイパス装置5を設けた場合であってもよく、さらに、全てのノードN1〜N4に対して個別にバイパス装置5を設けた構成の場合であってもよい。
さらに、この実施の形態1のリング状ネットワークシステムは、MAC(メディアアクセス制御)の下、ループ回避のためのリング制御プロトコル(例えば、スパニングツリープロトコル)によって動作するように規定されている。したがって、各ノードN1〜N4が全て正常に動作している場合、周知のようにBPDU(bridge protocol data unit)と称せられるループ回避用の制御フレームのやりとりによってノードN1〜N4の内から一つのルートブリッジが決定されるとともに、ノードの内の一つのポートがブロッキングされ、論理的にループのないツリー構造が形成される。ここでは一例として、現時点でノードN2のポート2がブロッキングされてブロッキングポートになっているものとする。
さらに、この実施の形態1の特徴として、各ノードN1〜N4の内、ブロッキングポートを有することとなるノード(この例ではノードN2)は、当該ブロッキングポートに隣接するノード(この例ではノードN3)宛てに自己の当該ポート2がブロッキング状態である旨を示すブロッキング通知パケットを一定周期T1(例えば1秒周期)で送信するように、その動作がプログラミングされている。
この場合のブロッキング通知パケットは、例えば、図2に示すようなイーサネット(登録商標)などのMAC(メディアアクセス制御)で規定される先のBPDUに準拠したフォーマットが使用される。すなわち、このパケットは、プリアンブルF0、宛先MACアドレスF1、送信元MACアドレスF2、データ種別F3、通信データF4、ビット誤り検出用符号列(FCS)F5の計6つのフィールドF0〜F5で構成されている。
一方、このブロッキング通知パケットを受信するノード(この例ではノードN3)については、同パケットを受信した際、ブロッキングポート2に隣接するポート(この例ではポート1)を補助ブロッキング状態に遷移させる。そして、ブロッキング通知パケットを一定期間T2(例えば3秒)内で常に周期的に受信している限り、ブロッキング通知パケットを受信するポート(この例ではポート1)に対する補助ブロッキング状態を継続する。一つのポートが補助ブロッキング状態にある場合、通常のブロッキングポートと同様に、前述のループ回避用の制御フレーム(BPDU)以外の通常のパケットの中継は行わない。そして、ポート(この例ではポート1)にブロッキング通知パケットが一定期間T2経過しても入力されない場合には、当該ポート(この例ではポート1)の補助ブロッキング状態を解除するようにプログラミングされている。
上記構成において、各ノードN1〜N4が全て正常に動作している場合、図1に示したように、ノードN2のポート2がブロッキングポートに、また、ノードN3のポート1が補助ブロッキングポートになっている。このため、ループにはならず、マルチキャストストームは発生しない。そして、各ノードN1〜N4の冗長機能(経路切替)により、通常のパケットはブロッキングポートおよび補助ブロッキングポートを回避した状態で通信される。
次に、図1に示した状態から、例えば停電等によりノードN2が動作不能になると(動作停止直後から期間T2が経過するまでの間)、図3に示すように、バイパス装置5が起動されてノードN1のポート2とノードN3のポート1とがバイパス装置5を介して短絡される。このノードN2の動作停止直後(動作停止直後から期間T2が経過するまでの間)は、ノードN3のポート1が未だ補助ブロッキングポートとして動作しているため、ループにはならず、マルチキャストストームは発生しない。なお、動作を停止しているノードN2以外の各ノードN1、N3、N4は、その冗長機能(経路切替)により、補助ブロッキングポートを回避した状態で通常のパケットを通信する。
続いて、図2に示した状態から、一定期間T2が経過すると、図4に示すように、ノードN3は、ポート1の補助ブロッキング状態を解除するが、この補助ブロッキング状態が解除されるまでの期間中(動作停止直後から期間T2が経過するまでの間)には、リング制御プロトコルのループ回避用の制御フレーム(BPDU)のやりとりによってノードN1〜N4の内から一つのルートブリッジが決定されるとともに、ノードの一つのポートがブロッキングされ、論理的にループのないツリー構造が形成される。ここでは一例として、ノードN1のポート2がブロッキングされてブロッキングポートになったとする。
こうして、ノードN1のポート2がブロッキングされてブロッキングポートになると、図4に示すように、当該ノードN1は、バイパス装置5を経由して隣接するノードN3宛てにブロッキング通知パケットを一定周期T1(例えば1秒周期)で送信し始めるので、このブロッキング通知パケットを受信したノードN3は、同パケットを受信するポート1を補助ブロッキング状態に遷移させる。このため、ループにはならず、マルチキャストストームは発生しない。なお、動作を停止しているノードN2以外の各ノードN1、N3、N4は、その冗長機能(経路切替)により、ブロッキングポートおよび補助ブロッキングポートを回避した状態で通常のパケットを通信する。
図5はブロッキング通知パケットを送信する側のノードの処理動作の説明に供するフローチャートである。なお、以下において、符号Sは各処理ステップを意味する。
各ノードは、自装置内にブロッキングポートを有するか否かを判断し(S11)、ループ回避のためのリング制御プロトコルの適用によって、自装置内にブロッキングポートが形成されておれば、当該ポートとから隣接するノード宛てにブロッキング通知パケットを送信する(S12)。そして、ブロッキング通知パケットの送信から一定時間T1(例えば1秒)が経過するのを待って(S13)、S11に戻る。これにより、ノードがブロッキングポートを有する場合には、一定周期T1で当該ブロッキングポートに隣接するノードに対してブロッキング通知パケットが送信される。
したがって、図5に示したフローチャートのS11〜S13が特許請求の範囲におけるブロッキングポート通知手段に対応している。
図6はブロッキング通知パケットを受信する側のノードの処理動作の説明に供するフローチャートである。
各ノードは、ブロッキング通知パケットを受信したかどうかを判断し(S21)、同パケットを受信した場合には、補助ブロッキングタイマをセット(例えばT2=3秒にセット)し(S22)、ブロッキング通知パケットを受信するポートを補助ブロッキング状態に遷移させる(S23)。そして、補助ブロッキングタイマが“0”になっているかどうかを判断し(S24)、補助ブロッキングタイマが“0”に到達していなければ、補助ブロッキングタイマを減カウントした後(S25)、S21に戻る。
自装置内にブロッキングポートを有するノードが正常動作している限り、そのノードからはブロッキング通知パケットが一定周期T1(<T2)で送信されてくるため、S21〜S25が繰り返され、補助ブロッキング状態が継続される。
これに対して、自装置内にブロッキングポートを有するノードが停電して動作を停止すると、そのノードからはブロッキング通知パケットが入力されなくなるので(S21のNo)、補助ブロッキングタイマは一定期間T2(3秒)経過後に“0”に到達する(S24)。このとき、ポートが補助ブロッキングポートになっているかどうかを判断し(S26)、補助ブロッキングポートになっているときには、補助ブロッキング状態を解除し(S27)、S21に戻る。なお、ブロッキング通知パケットを受信する側の立場にないノードは、自己のポートが補助ブロッキングポートになることはない。
なお、一定期間T2が経過すると補助ブロッキング状態が解除されるが(S27)、動作停止直後から期間T2が経過するまでの間には、ループ回避のためのリング制御プロトコルの適用によって、新たなブロッキングポートが選出されるので、それまでの期間は、補助ブロッキングポートによるブロッキングによってブロードキャストストームの発生を確実に回避することができる。
したがって、図6に示したフローチャートのS21〜S27が特許請求の範囲における補助ブロッキング遷移/解除手段に対応している。
以上のように、この実施の形態1によれば、バイパス装置を組み込んだリング状ネットワークにおいて、ブロッキング状態のあるポートを有するノードはこれに隣接するノードに対してブロッキング通知パケットを送信するため、このブロッキング通知パケットを受信したノードは、隣接するノードのポートがブロッキング状態にあることを確実に把握することができる。そして、隣接するノードのポートがブロッキング状態であれば、ブロッキング通知パケットを受信したノードは、その受信ポートを補助ブロッキング状態にしてループ発生を防止する。このため、バイパス装置を組み込んだリング状ネットワークにおいてループ回避プロトコルを使用しても、ブロードキャストストームの発生を防ぐことができる。しかも、ノードの故障発生時にはバイパス装置によってネットワーク経路のバイパスを行うことができる。これにより、ネットワーク全体の耐障害性能を従来よりも一層向上させることが可能となる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、ブロッキングポートのあるノードからブロッキング通知パケットを一定周期で送信し、ブロッキング通知パケットを受信しているノードのポートは、その受信期間中は補助ブロッキング状態となり、ブロッキング通知パケットが一定期間中に届かなくなれば補助ブロッキング状態を解除していた。
これに対して、この実施の形態2では、互いに隣接するノードが、常時、相手のノードに対してブロッキングポートが形成されているかどうかの問い合わせを行うようにしたものである。
すなわち、各ノードは一定周期T1(例えば1秒周期)で隣接ノード宛てに、ブロッキング問い合わせパケットを送信する。そして、この問い合わせパケットを受信したノードは、問い合わせパケットを受信した自己のポートがブロッキング状態にあれば、これに応答して、問い合わせ先のノードに対してブロッキング応答パケットを返信する。そして、この返信されてきたブロッキング応答パケットを受信したノードは、当該パケットを受信したポートを補助ブロッキング状態にする。
図1に示した例では、ノードN3からノードN2に対してブロッキング問い合わせパケットを送信した場合、この問い合わせパケットを受信したノードN2は、この問い合わせパケットを受信した自己のポート2がブロッキング状態にあるので、問い合わせ先のノードN3に対してブロッキング応答パケットを返信する。この返信されてきたブロッキング応答パケットを受信したノードN3は、当該パケットを受信したポート1を補助ブロッキング状態にする。
また、ノードN3は、隣接するノードN2に対してブロッキング問い合わせパケットを送信しても、これに対して相手先のノードN2のポート2から一定期間T2(例えば3秒)が経過してもブロッキング応答パケットが返信されない場合、このブロッキング応答パケットの送信が途絶えた相手先のノードN2のポート2はブロッキング状態が解消されたものと判断し、自己のポート1の補助ブロッキング状態を解除する。
なお、この場合のブロッキング問い合わせパケットは、例えば前述の図2に示したMAC(メディアアクセス制御)で規定されるBPDUに準拠したフォーマットが使用され、その宛先MACアドレスF1はブロードキャストに設定され、また図7に示すように、通信データF4の一部(例えば末尾の最下位ビットの箇所)にフラグ“1”を立てるなどして、それがブロッキング問い合わせパケットであることが相手先に分かるようにしている。また、ブロッキング応答パケットは、例えば図8に示すように、通信データf4の一部(例えば通信データF4の末尾の最下位ビットの箇所)をフラグ“1”からフラグ“0”に変更するなどして、それがブロッキング応答パケットであることが相手先に分かるようにしている。
以上のように、この実施の形態2によれば、互いに隣接するノードに対して常時ブロッキング問い合わせパケットを送信することで、隣接するノードがブロッキング状態にあるかどうかを確実に把握することができる。そして、相手のノードのポートがブロッキング状態にあれば、その問い合わせ先のノードから返信される応答パケットを受信したときに自ノードのポートを補助ブロッキング状態に遷移させることができるので、バイパス装置を組み込んだリング状ネットワークにおいてループ回避プロトコルを使用しても、ブロードキャストストームの発生を防ぐことが可能となる。
実施の形態3.
上記の実施の形態2では、互いに隣接するノードに対してブロッキングポートが形成されているかどうかを定期的に問い合わせ確認しているが、この実施の形態3では、常時、各ノードから隣接するノードに対して自己のポートがブロッキング状態か非ブロッキング状態かを明示するための識別用のポート状態パケットを送信し、ブロッキング状態にあることを示すポート状態パケットを受信したノードは、当該パケットを受信した自己のポートを補助ブロッキング状態にする。
すなわち、図1に示した例では、各ノードN1〜N4は一定周期T1(例えば1秒周期)で隣接ノード宛てに、自己のポートの状態を示すポート状態パケットを送信する。
その場合、ノードN2のポート2はブロッキング状態にあるから、このノードN2のポート2からは隣接するノードN3に対して自己のポートがブロッキング状態にあることを示すポート状態パケットを送信する。この場合のポート状態パケットとしては、例えば図7に示すように、自己のポートがブロッキング状態にあることを示すために、パケット内の通信データF4の末尾の最下位ビットの箇所をブロッキングビットとしてフラグ“1”を立てるなどして送信する。
また、他のノードN1、N3、N4のポート2は、ブロッキング状態にないので、この場合のポート状態パケットとしては、例えば図8に示すように、自己のポートが非ブロッキング状態にあることを示すために、パケット内の通信データF4の末尾の最下位ビットの箇所にフラグ“0”を立てるなどして送信する。
そして、通信データF4に含まれるブロッキングビットがフラグ“1”のポート状態パケットを受信したノードN3は、相手のノード2のポート2がブロッキング状態であると判断し、このポート状態パケットを受信した自己のポート1を補助ブロッキング状態にする。
また、相手先のノードN2のポート2からブロッキング状態であることを示すポート状態パケットが送信されなくなると(すなわち、上記の例では通信データF4に含まれるブロッキングビットがフラグ“1”からフラグ“0”に変更)、ノードN2のポート2のブロッキング状態が解消されたものと判断し、ノードN3は自己のポート1の補助ブロッキング状態を解除する。
以上のように、この実施の形態3によれば、常時、各ノードから隣接するノードに対して自己のポート状態を示すポート状態パケットを送信するので、隣接するノードのポートがブロッキング状態にあるかどうかを確実に把握することができる。そして、相手のノードのポートがブロッキング状態にあれば、その旨を示すポート状態パケットを受信した時点で当該パケットを受信したポートを補助ブロッキング状態に遷移させることができるので、バイパス装置を組み込んだリング状ネットワークにおいてループ回避プロトコルを使用しても、ブロードキャストストームの発生を防ぐことが可能となる。
実施の形態4.
上記の実施の形態3では、常時、各ノードから隣接するノードに対して自己のポート状態を示すポート状態パケットを送信し、ブロッキング状態にあることを示すポート状態パケットを受信したノードは、そのパケットを受信したポートを補助ブロッキング状態にするようにしているが、この実施の形態では、自己のポートがブロッキング状態にない各ノードは、常時、隣接するノードに対してポート状態パケットを送信するが、ポートがブロッキング状態にあるノードはポート状態パケットを送信しないようにしたものである。
すなわち、図1に示した例では、ノードN1、N3、N4のポート2は、ブロッキング状態にないので、例えば図7に示すように、通信データF4の末尾の最下位ビットの箇所にフラグ“1”を立てるなどして、非ブロッキング状態であることを明示した識別用のポート状態パケットを、常時一定周期(例えば1秒周期)で、隣接するノードに対して送信する。一方、ノードN2は自己のポート2がブロッキング状態にあるので、そのポート2からは隣接するノードN3に対して何らポート状態パケットを送信しない。そして、ポート状態パケットを受信していて途中から受信しなくなったノードN3は、
隣接する相手のノード2のポート2がブロッキング状態になったものと判断し、自己の受信ポート1を補助ブロッキング状態にする。
また、ノードN3において、相手先のノードN2のポート2からポート状態パケットが再び送信され始めた場合には、ノードN2のポート2のブロッキング状態が解消されたものと判断し、ノードN3は自己のポート1の補助ブロッキング状態を解除する。
以上のように、この実施の形態4によれば、自己のポートがブロッキング状態にない各ノードは、常時、隣接するノードに対してポート状態パケットを送信するが、ポートがブロッキング状態にあるノードはポート状態パケットを送信しないため、隣接するノードのポートがブロッキング状態にあるかどうかを把握することができる。そして、相手のノードのポートがブロッキング状態にあれば自己のノードの隣接ポートを補助ブロッキング状態に遷移させることができるので、バイパス装置を組み込んだリング状ネットワークにおいてループ回避プロトコルを使用しても、ストームの発生を防ぐことが可能となる。
実施の形態5.
上記の実施の形態1〜4では、隣接するノードのポートがブロッキング状態にあるかどうかを把握するために、常時、いずれかのノードから一定周期でブロッキング状態を確認するためのパケットを送信するようにしている。
これに対して、この実施の形態5では、いずれかのノードからブロッキング状態を確認するためのパケットを定周期で送信するのではなく、ノードのポートが非ブロッキング状態とブロッキング状態との間で遷移したときにだけ、隣接するノードにパケットを送信するようにしたものである。
すなわち、各ノードN1〜N4は自己のポートの一つが非ブロッキング状態からブロッキング状態に遷移した際には同ポートからブロッキング遷移パケットを、また、ブロッキング状態から非ブロッキング状態に遷移した際にはブロッキング解除パケットを、隣接ノード宛てに送信する。そして、ブロッキング遷移パケットを受信した際はその受信ポートを補助ブロッキング状態に遷移し、ブロッキング解除パケットを受信した際は受信ポートの補助ブロッキングを解除する。
図1に示した例では、ノードN2のポート2が非ブロッキング状態からブロッキング状態に遷移すると、その際に同ポート2からブロッキング遷移パケットを隣接するノードN3に対して送信する。このブロッキング遷移パケットを受信したノードN3は、その受信ポート1を補助ブロッキング状態に遷移する。
また、ノードN2のポート2がブロッキング状態から非ブロッキング状態に遷移すると、その際に同ポート2からブロッキング解除パケットを隣接するノードN3に対して送信する。このブロッキング解除パケットを受信したノードN3は、その受信ポート1の補助ブロッキング状態を解除する。
この場合のブロッキング遷移パケットとしては、図7に示すように、通信データF4の一部(例えば末尾の最下位ビットの箇所)にフラグ“1”を立てるなどして、それがブロッキング遷移パケットであることが相手先に分かるようにしている。また、ブロッキング解除パケットとしては、例えば図8に示すように、通信データF4の一部(例えば通信データF4の末尾の最下位ビットの箇所)をフラグ“1”からフラグ“0”に変更するなどして、それがブロッキング解除パケットであることが相手先に分かるようにしている。
以上のように、この実施の形態5によれば、上記動作により隣接するノードがブロッキング状態にあるかどうか把握し、ブロッキング状態にある間は自ノードを補助ブロッキング状態に遷移させることができるので、バイパス装置を組み込んだリング状ネットワークにおいてループ回避プロトコルを使用しても、ブロードキャストストームの発生を防ぐことが可能となる。
また、この実施の形態5では、常時、いずれかのノードから一定周期でブロッキング状態を確認するためのパケットを送信するのではなく、ノードのポートが非ブロッキング状態とブロッキング状態との間で遷移したときだけ、隣接するノードにパケットを送信するので、ネットワークの過剰な通信トラフィックの発生を軽減することができる。
また、この発明は、上記の実施の形態1〜5の構成態様のみに限定されるものでは無く、例えば、実施の形態1〜5の各構成を適時組み合わせることもでき、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、各種の変形を加えることが可能である。
N1〜N4 ノード(LANスイッチ)、5 バイパス装置。

Claims (5)

  1. 障害経路切り替えを行うLANスイッチからなる複数のノードを備えるとともに、上記ノードの少なくとも一つには当該ノードをバイパスするためのバイパス装置が設けられ、上記各ノードと上記バイパス装置とがリング状に接続されてリング状ネットワークが構成され、かつループ回避のためのリング制御プロトコルが動作するリング状ネットワークシステムにおいて、
    自己の一つのポートがブロッキング状態にある場合には、このブロッキング状態のポートから当該ポートがブロッキング状態である旨を示すブロッキング通知パケットを隣接するノードへ一定周期T1で送信するブロッキングポート通知手段と、
    上記ブロッキングポート通知手段から上記ブロッキング通知パケットを所定期間T2(>T1)内に受け取った場合には、当該パケットを受け取ったノードの隣接ポートを補助ブロッキング状態にする一方、上記ブロッキング通知パケットを上記所定期間T2内に受け取らない場合には上記補助ブロッキング状態を解除する補助ブロッキング遷移/解除手段と、
    を上記各ノードに備えるリング状ネットワークシステム。
  2. 障害経路切り替えを行うLANスイッチからなる複数のノードを備えるとともに、上記ノードの少なくとも一つには当該ノードをバイパスするためのバイパス装置が設けられ、上記各ノードと上記バイパス装置とがリング状に接続されてリング状ネットワークが構成され、かつループ回避のためのリング制御プロトコルが動作するリング状ネットワークシステムにおいて、
    互いに隣接するノードに対して、当該ノードの隣接ポートがブロッキング状態にあるかどうかをブロッキング問い合わせパケットにより一定周期で問い合わせる問い合わせ手段と、
    上記問い合わせ手段による上記ブロッキング問い合わせパケットにより問い合わされた先のノードのポートがブロッキング状態のときにはこれに応じてブロッキング応答パケットを返信する返信手段と、
    上記返信手段から返信された上記ブロッキング応答パケットを受け取った場合には、当該パケットを受け取ったノードの隣接ポートを補助ブロッキング状態にする一方、上記ブロッキング応答パケットを受け取らない場合には上記補助ブロッキング状態を解除する補助ブロッキング遷移/解除手段と、
    を上記各ノードに備えるリング状ネットワークシステム。
  3. 障害経路切り替えを行うLANスイッチからなる複数のノードを備えるとともに、上記ノードの少なくとも一つには当該ノードをバイパスするためのバイパス装置が設けられ、上記各ノードと上記バイパス装置とがリング状に接続されてリング状ネットワークが構成され、かつループ回避のためのリング制御プロトコルが動作するリング状ネットワークシステムにおいて、
    互いに隣接するノードに対して、自己の一つのポートがブロッキング状態であるか非ブロッキング状態であるかを示す識別用のポート状態パケットを一定周期で送信するポート状態通知手段と、
    上記ポート状態通知手段から受け取った上記ポート状態パケットにより、その送信元のノードの隣接ポートがブロッキング状態であることを示す場合には、当該パケットを受け取ったノードの隣接ポートを補助ブロッキング状態にする一方、その送信元のノードの隣接ポートが非ブロッキング状態であることを示す場合には上記補助ブロッキング状態を解除する補助ブロッキング遷移/解除手段と、
    を上記各ノードに備えるリング状ネットワークシステム。
  4. 障害経路切り替えを行うLANスイッチからなる複数のノードを備えるとともに、上記ノードの少なくとも一つには当該ノードをバイパスするためのバイパス装置が設けられ、上記各ノードと上記バイパス装置とがリング状に接続されてリング状ネットワークが構成され、かつループ回避のためのリング制御プロトコルが動作するリング状ネットワークシステムにおいて、
    互いに隣接するノードに対して、自己の全てのポートが非ブロッキング状態である場合にのみ非ブロッキング状態であることを示すポート状態パケットを一定周期で送信するポート状態通知手段と、
    上記ポート状態通知手段からの上記ポート状態パケットの通知がない場合には、当該パケット受け取らないノードの隣接ポートを補助ブロッキング状態にする一方、上記ポート状態パケットの通知を受け取った場合には上記補助ブロッキング状態を解除する補助ブロッキング遷移/解除手段と、
    を上記各ノードに備えるリング状ネットワークシステム。
  5. 障害経路切り替えを行うLANスイッチからなる複数のノードを備えるとともに、上記ノードの少なくとも一つには当該ノードをバイパスするためのバイパス装置が設けられ、上記各ノードと上記バイパス装置とがリング状に接続されてリング状ネットワークが構成され、かつループ回避のためのリング制御プロトコルが動作するリング状ネットワークシステムにおいて、
    自己の一つのポートがブロッキング状態から非ブロッキング状態、あるいは非ブロッキング状態からブロッキング状態へと遷移したときにだけ、互いに隣接するノードに対して、自己のポートがブロッキング状態か非ブロッキング状態かを示す識別用のポート状態パケットを送信するポート状態通知手段と、
    上記ポート状態通知手段から受け取った上記ポート状態パケットにより、その送信元のノードの隣接ポートがブロッキング状態であることを示す場合には、当該パケットを受け取ったノードの隣接ポートを補助ブロッキング状態にする一方、その送信元のノードのポートが非ブロッキング状態であることを示す場合には上記補助ブロッキング状態を解除する補助ブロッキング遷移/解除手段と、
    を上記各ノードに備えるリング状ネットワークシステム。
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