以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に記載された発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。また、ここでは、画像形成装置としてプリンタを用いて説明を記載する。しなかしながら、本発明における画像形成装置は、複合機、コピー機、FAXなど、記録材に画像を形成する装置であればよい。また、本発明は、一適用例として、電子写真方式のプリンタによって実現される。しかしながら、本発明は、インクジェットプリンタ等、他の画像印刷方式を採用したプリンタによって実現されてもよい。
本発明は、画像形成のスループットを低下させることなく、安定した画質を実現する画像形成装置を提供する。例えば、プリンタでは、連続した印刷が行われると画質に変化が生じてしまう。画質を一定に保つためには、例えば、現像器内のキャリア(現像剤)に対するトナーの濃度比を一定に保つ必要がある。本発明によるプリンタは、連続した印刷による画質の変化を抑制するため、像担持体上にパッチ画像を形成し、当該パッチ画像の濃度を検出して画質を補正する補正処理を実行する。また、本発明による画像形成装置は、連続した印刷を中断することなく補正処理を実行することを特徴とする。具体的に、連続した印刷の中で、像担持体上に静電潜像が形成されない空白領域にパッチ画像を形成して補正処理を行う。
[第1の実施形態]
以下、図1乃至図8を参照して、第1の実施形態について説明する。本実施形態によるプリンタは、像担持体上に形成される画像のデータから導出される副走査方向における形成開始位置及び形成終了位置に基づいて、形成開始位置より前方の先端領域又は形成終了位置より後方の後端領域に存在する空白領域にパッチ画像を形成する。図1は、第1の実施形態に係るプリンタの一例を示す断面図である。プリンタ100は、筐体の上部を構成するリーダ部150と、筐体の下部を構成するプリンタ部170とを備え、画像読取機能及び画像形成機能を有する。リーダ部150は、形成する画像のデータを原稿から読み取る。
リーダ部150の上部には、原稿となる記録材を供給する原稿給送装置180が付設されている。また、プリンタ100は、ネットワーク通信インタフェース部(不図示)を介してホストコンピュータ等の外部装置との間でデータの送受信を行う。したがって、プリンタ100は、外部装置から形成する画像のデータを受信してもよい。リーダ部150は、スキャナユニット102、走査ミラー105、106、レンズ107及びフルカラーイメージセンサ部108等を備えている。スキャナユニット102は、原稿台ガラス101、原稿照明ランプ103及び走査ミラー104を含む。
原稿台ガラス101には、原稿給送装置180により給送される原稿、或いは、手動でセットされる原稿が載置される。スキャナユニット102は、モータ(不図示)によって駆動され、予め定められた方向に往復走査する。原稿照明ランプ103は、原稿に照射する光を発する光源である。スキャナユニット102が原稿台ガラス101に載置された原稿の走査を行う場合、原稿照明ランプ103が原稿に照射した光の反射光像は、走査ミラー104、105、106を介してレンズ107に入力される。入力された反射光像は、レンズ107を通じて、RGB3色分解フィルタと一体に形成されたフルカラーイメージセンサ部108内のCCDセンサに結像される。これにより、フルカラーイメージセンサ部108は、色ごとに分解された画像のアナログ信号を得る。このアナログ信号は、増幅回路によって増幅され、デジタル化される。
原稿給送装置180は、複写対象の原稿束が積載される原稿積載部、当該原稿積載部に装填された原稿束から原稿を1枚ずつ給送する給送機構を備える。具体的に、原稿給送装置180は、原稿束から1枚ずつ原稿を原稿台ガラス101上に給紙し原稿の読取りが終了すると当該原稿を排出する。原稿給送装置180は、この一連の処理を原稿枚数分だけ繰り返す。
プリンタ部170は、記録材に画像を形成する画像形成手段として機能する画像形成部110を含む。画像形成部110は、露光部109、感光ドラム111、クリーニング部112、前露光ランプ113、1次帯電器114、黒色現像部115、カラー現像部116、中間転写ベルト117、1次転写ローラ118及びクリーニング部121を備える。露光部109は、レーザ光発生部である半導体レーザとポリゴンスキャナ等を備える。これにより、露光部109は、フルカラーイメージセンサ部108から出力された画像信号に基づいて変調されたレーザ光を感光ドラム111に照射する。感光ドラム111は、図1に示す矢印方向に回転駆動されるとともに、前露光ランプ113で除電され、1次帯電器114によって予め定められた電位で一様に帯電される。その後、露光部109から照射されたレーザ光によって静電潜像が形成される。感光ドラム111上に形成された静電潜像は、現像剤担持体として機能する黒色現像部115及びカラー現像部116によってトナーで現像される。カラー現像部116は、イエロー、マゼンダ、シアンの各色にそれぞれ対応する現像器122、123、124から構成され、必要に応じて回転して静電潜像を現像する。
本実施形態によれば、プリンタ100は、感光ドラム111と1次転写ローラ118とを当接又は離間させる当接離間機構を含む。これは、感光ドラム111に形成された画像が転写位置に到達した段階で、転写体として機能する中間転写ベルト117に当該画像を転写させる場合と、転写させない場合とを使い分けるために必要となる。具体的に、プリンタ100は、感光ドラム111上にパッチ画像が形成された場合、感光ドラム111と1次転写ローラ118と離間させる。これにより、感光ドラム111上に現像されたパッチ画像は、中間転写ベルト117へ1次転写されず、濃度検知センサ119まで送られる。濃度検知センサは、例えば、光学的なセンサを有し、パッチ画像に光を照射した反射光を検知する。これにより、プリンタ100は、パッチ画像の濃度を検出する。さらに、感光ドラム111上に現像されたパッチ画像は、クリーニング部112まで搬送されて、当該クリーニング部112に備えられたブレードにより掻き落とされて廃棄される。クリーニング部121は、クリーニング部112と同様の方法で、中間転写ベルト117とに転写されたパッチ画像を掻き落として廃棄する。
一方、プリンタ100は、記録材に転写される実画像が感光ドラム111上に形成された場合、感光ドラム111と1次転写ローラ118とを当接させる。これにより、感光ドラム111上に形成された実画像は、中間転写ベルト117に転写され、2次転写位置で記録材に転写される。当接離間機構は、1次転写ローラ118へ1次転写バイアスを印加するか否かで、感光ドラム111上に現像された画像が中間転写ベルト117へ転写されるか否かを制御する構成としてもよい。さらに、当接離間機構は、感光ドラム111上に現像された画像が中間転写ベルト117へ転写するか否かを制御するその他の機構を有する構成であってもよい。
プリンタ部170は、上述した構成要素以外に、レジストローラ、2次転写ローラ、搬送ベルト、熱ローラ定着器(以下定着器と略称)、排紙フラッパ、記録材カセット、再給紙ローラ、排出ローラ及び手差しトレイ等をさらに備えている。しかしながら、これらの構成要素は、本発明を説明するために必要な構成要素ではないため、説明を省略する。
図2は、第1の実施形態に係るプリンタの制御ブロックを示す図である。リーダ制御部200は、原稿給送装置180及びリーダ部150の制御を行う処理部であって、主に原稿の給送と画像の読取りを行う処理部である。リーダ制御部200は、CPU201、ROM202、RAM203、EEPROM204、I/O205及び画像処理部206を含む。
CPU201は、リーダ部全体の制御を行う中央演算処理装置である。ROM202は、原稿給送装置180、リーダ部150の制御の手順(制御プログラム)を記憶した読取り専用のメモリである。CPU201は、このROM202に記憶された制御手順に従って原稿給送装置180及びリーダ部150の各構成要素を制御する。RAM203は、入力データの記憶や作業用の記憶領域として用いられる主記憶装置である。EEPROM204は、リーダ部150に含まれる各構成要素の制御パラメータ等を保持する消去可能な読み取り専用のメモリである。I/O205は、モータ等の負荷に対するCPU201の制御信号の出力及びセンサ等からの信号を入力してCPU201に送る入出力ICである。画像処理部206は、フルカラーイメージセンサ部108内のCCDセンサで読み取った画像データに対してシェーディング補正を行い、後述するコントローラ部220へ伝送する制御を行う。
コントローラ部220は、リーダ部150とプリンタ部170に画像読取りや画像形成の指示を出しながら印刷ジョブに関する全体的な制御を行う。コントローラ部220は、CPU221、ROM222、RAM223、SRAM224、画像処理部225、画像メモリ226及びネットワークI/F227を含む。また、CPU221には、操作者からの入力を受け付ける操作部260が接続される。
CPU221は、プリンタ100全体の制御を行う中央演算処理装置である。また、CPU221は、取得手段として機能する取得部271を含む。取得部271は、記録材に形成される画像のデータをリーダ制御部200、或いはネットワークI/F227を介して外部装置から取得する。ROM222は、プリンタ100の制御の手順(制御プログラム)を記憶した読取り専用メモリである。CPU221は、このROM222に記憶された制御手順に従ってプリンタ100の各構成要素を制御する。RAM223は、入力データの記憶や作業用の記憶領域として用いられる主記憶装置である。CPU221は、バス及び適当なI/Oを介して操作部260に備えられる各種キーからの入力を受け入れ、さらに同パネル上のディスプレイに必要な情報を表示させる。SRAM224は、調整値、プリントトータル枚数など主電源が切れた後であっても保持しなければならないデータを保持するRAMであって、電池(不図示)が接続されており保持されている情報をバックアップする。
画像処理部225は、取得部271によって取得された形成する画像のデータを処理する。例えば、画像処理部225は、変倍等の処理を操作者の指示に従って実施し、さらに、画像メモリ226に対する画像データの書込み、読出しを通じて後述するプリンタ部170に形成する画像データの伝送を行う。また、画像処理部225は、導出部272、特定部273及び判定部274を含む。導出部272は、導出手段として機能し、感光ドラム111に静電潜像を形成する際に、取得された画像データから副走査方向における形成開始位置及び副走査方向における形成終了位置を導出する。特定部273は、特定手段として機能し、導出された形成開始位置及び形成終了位置から、記録材のサイズに対応する感光ドラム111上の画像形成領域に静電潜像が形成されない空白領域を特定する。判定部274は、判定手段として機能し、特定された空白領域のサイズが、パッチ画像のサイズより大きいか否かを判定する。画像メモリ226には、取得された画像データや導出された形成開始位置及び形成終了位置が記憶される。
プリンタ制御部240はプリンタ部170の制御を行う処理部であり、記録材への画像の形成に関わる一連の処理、即ち、記録材の搬送制御、静電潜像の形成及びその現像、記録材への転写、定着を行う。また、プリンタ制御部240は、パッチ画像の形成、読取り及びクリーニング制御を行う。プリンタ制御部240は、CPU241、ROM243、RAM244、I/O245、EEPROM246、パターンジェネレータ247及び露光制御部248を含む。
CPU241は、プリンタ部170全体の制御を行う中央演算処理装置である。また、CPU241は、濃度検出部275及び補正部276を含む。濃度検出部275は、濃度検出手段とし機能し、濃度検知センサ119を用いて、感光ドラム111上に形成されたパッチ画像の濃度を検出する。補正部276は、補正手段として機能し、濃度検出部275によって検出されたパッチ画像の濃度に基づき、画像を形成する画像形成条件を調整して、形成される画像の画質を補正する。例えば、補正部276は、画像形成によって消費されたトナーを補給する際に、現像剤(キャリア)に対して一定の比率を保つように補給する。ROM243は、プリンタ部170の制御の手順(制御プログラム)を記憶した読取り専用のメモリである。CPU241は、このROM243に記憶された制御手順にしたがってプリンタ部170の各構成要素を制御する。RAM244は、入力データの記憶や作業用の記憶領域として用いられる主記憶装置である。I/O245は、モータ等の負荷に対するCPU241の制御信号の出力、及びセンサ等からの信号を入力してCPU241に送る入出力ICである。露光制御部248は、コントローラ部220における画像処理部225から伝送された画像データに基づいて露光部109のレーザの発光を制御し、静電潜像を形成させる。
パッチ画像の画像データは、プリンタ制御部240に設けられたパターンジェネレータ247により生成され、生成された画像データが露光制御部248へ伝送される。その後、露光制御部248は、伝送された画像データに基づいて、感光ドラム111上にパッチ画像となる静電潜像を形成する。なお、CPU201及びCPU221と、CPU221及びCPU241とは、それぞれシリアル接続にて接続されている。これにより、各CPU間では、原稿サイズや記録材サイズ、色情報などといった必要なデータの受け渡しが可能である。
次に、図3乃至図5を参照して、静電潜像が形成されない空白領域を特定する方法について説明する。図3は、取得された画像データが画像メモリに格納される様子を示す図である。ここでは、図3に示すように、形成する画像を、写真データx及び文字データyで構成される原稿画像301とする。
原稿画像301が取得されると、当該原稿画像301は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各成分の画像データ302、303、304、305に分解されて画像メモリ226に格納される。ここで、感光ドラム111が回転する副走査方向の画像形成領域は図3に示すaの幅を有する領域となる。しかしながら、実際に形成される静電潜像の領域(即ち、実際に感光ドラム111上にトナー画像が形成される領域、以下、実画像形成領域と称す。)は、図中b、b’の領域となる。画像形成領域とは、操作者が指定した画像形成が行われるサイズの領域、或いは記録材のサイズに応じた領域を示す。本実施形態によれば、この画像形成領域の中で、静電潜像が形成されない領域(空白領域)にパッチ画像を形成する。
図4は、各色成分ごとに分解された画像データの副走査方向における形成開始位置と形成終了位置とを導出する方法を説明する図である。ここでは、画像データから実際に形成される静電潜像の形成開始位置Caと形成終了位置Cbを導出する方法を示す。また、これらの導出は、導出部272によって行われる。
まず、画像処理部225では、画像処理部206から順次送られてくる画像データを画像メモリ226に格納する。なお、画像データは、主走査方向と副走査方向とに対応させて2次元的に画像メモリ226へ格納される。また、画像データは、Y成分、M成分、C成分、K成分ごとの画像データ302、303、304、305に分解されて格納される。ここで、主走査方向とは、感光ドラム111の軸方向に対応し、副走査方向とは、感光ドラム111の回転方向に対応する。
静電潜像の形成開始位置Ca及び形成終了位置Cbは、各色成分の画像データ302〜305ごとに格納された画像メモリ226の副走査方向の格納アドレスから判定する。例えば、Y成分の画像データ302の場合、主走査方向と副走査方向に対応させて2次元的に、画像のない部分に0の値が格納され、画像のある部分に0以外の値が格納される。Y成分の画像データ302の形成開始位置Ca及び形成終了位置Cbは、格納されたデータから、画像のある部分の0以外の値を格納している副走査方向の最初のアドレスと最後のアドレスから導出部272が導出する。特定部273は、導出された形成開始位置Ca及び形成終了位置Cbから、実画像形成領域と空白領域とを特定する。同様に、導出部272は、M成分、C成分及びK成分についても画像毎の形成開始位置Ca及び形成終了位置Cbを導出する。各色成分の画像毎の形成開始位置Ca及び形成終了位置Cbは、画像形成が終了するまでラッチされる。
更に、形成開始位置Ca及び形成終了位置Cbの導出は、以下に説明する方法で行われてもよい。ここでは、導出部272に入力されるY成分の画像データ302について説明する。トリガとして画像書き出しタイミング信号が入力されると、Y成分の画像形成領域である先端Csから、導出部272は、副走査方向の画像(ライン)と同期したクロックにより入力ライン数のカウントを開始する。これと同時に、導出部272は、画像データ(画素)の有無を判別して、最初に画像形成されるラインが出現したときのカウント値をCTaとして画像処理部225内のレジスタにラッチする。このときのカウンタ値CTaが形成開始位置Caとなる。導出部272は、その後もカウントを継続し、画像形成がなくなるラインを検出する。検出すると、導出部272は、そのカウント値CTb+1から1ライン分に相当するクロックを減算してCTbとし、画像処理部225内のレジスタにラッチする。導出部272は、その後もカウントを継続し、画像形成領域の後端Ceに相当するカウント値になるとカウントをクリアする。画像形成領域の後端Ceであるカウント値は、操作者が指定した画像形成が行われるサイズの領域、或いは記録材のサイズに応じた領域に対応した値を予め格納している。各色成分のカウント値CTa、CTbは画像形成が終了するまでラッチされる。他の色成分の画像データ303〜305に関しても同様の処理が行われる。
本実施形態によれば、特定部273は、画像形成領域の先端Csと形成開始位置Caとの間の領域、或いは、画像形成領域の後端Ceと形成終了位置Cbとの間の領域を空白領域として特定する。さらに、画像形成部110は、この特定された空白領域にパッチ画像を形成する。
次に、図4に示す各色成分の画像データ302〜305の形成開始位置Caと形成終了位置Cbとから静電潜像を形成する方法について説明する。CPU241は、導出された各色の画像データ302〜305の形成開始位置Ca及び形成終了位置Cbを基に、画像形成の動作タイミングを決定する。その際に、プリンタ部170に出力するための画像データは、画像処理部225において処理されるが、そのままプリンタ部170には出力されず、一旦、画像メモリ226に格納される。その後、画像データは改めて画像書き出しタイミング信号をトリガとして画像メモリ226から読み出されてプリンタ制御部240に出力される。画像データ302に対する画像形成の開始は、先端Csから、形成開始位置Caまでに相当する時間が経過した後に行われる。その後、画像形成の終了は、先端Csから形成終了位置Cbまでに相当する時間が経過した後となる。同様に、画像データ303〜305に対して、実画像形成領域に対応する区間で、画像形成が行われる。
図5は、第1の実施形態に係る特定部が空白領域のサイズを特定する方法を説明する図である。ここでは、特定部273が空白領域を特定する方法と、判定部274が特定された空白領域についてパッチ画像のサイズより大きいか否かを判定する方法とについて説明する。パッチ画像を形成する領域は、一般的に1〜4[cm 2 ]あればよい。したがって、判定部274は、画像形成領域の先端Csと実画像形成領域の先端Caとの幅(長さ)Dtが予め定められた長さ(例えば、2[cm])を有するか否かを判定する。
詳細に説明すると、特定部273は、先端領域である空白領域の長さDtをDt=|Cs−Ca|として特定する。一方、特定部273は、後端領域である空白領域の長さDbをDb=|Cb−Ce|として特定する。また、本実施形態によれば、パッチ画像を形成するために必要となる長さDはD=dp+drとして予め定められている。ここで、dpはパッチ画像の副走査方向のライン数を示し、drは1次転写ローラ118が感光ドラム111に対して離間する間に感光ドラム111上のトナー画像が進むライン数を示す。即ち、予め定められた長さDは、パッチ画像のサイズと、パッチ画像が中間転写ベルト117に転写されないように感光ドラム111と1次転写ローラ118とが当接された状態から離間されるまでの時間とを考慮して設定されている。したがって、判定部274は、Dt及びDbの少なくとも一方がDよりも長いか否かを判定する。これは、各色成分の画像データに対して行われる。
また、1次転写ローラ118と感光ドラム111との当接離間機構を設けずに、1次転写バイアスのバイアス値の切替えだけを行うような構成の場合、予め定められた長さDは、バイアス値の切替え時間を考慮して設定される。即ち、ONからOFF、OFFからONの間に感光ドラム111上のトナー画像が進むライン数をdvとすると、予め定められた長さDは、D=dp+dvとして求められる。
次に、図6を参照して、パッチ画像を形成する際の制御について説明する。図6は、第1の実施形態に係るパッチ画像を形成する手順を示すフローチャートである。以下で説明する手順は、各色ごとに行われるが、ここでは、一例として、Y成分について説明する。
ステップS601において、CPU221は、取得部271によって画像データを取得し、画像メモリ226へ格納するとともに、形成開始位置及び形成終了位置の導出を行う。続いて、ステップS602において、特定部273は、導出された形成開始位置及び形成終了位置から先端領域の空白領域及び後端領域の空白領域を特定する。
次に、判定部274は、先端領域の空白領域の長さDtが予め定められた長さDを越えているか否かを判定する。ここで、判定部274は、同成分における前回のパッチ画像の形成からm枚以上の画像を形成しているか否かについても判定することが望ましい。これは、無駄な補正処理を低減させるために行われる判定であり、これにより、パッチ画像を形成するためのトナーを低減することができる。Dt>Dを満たす場合、ステップS604において、画像形成部110は、当該ページの当該成分の画像形成タイミングに合わせて、まず、先端領域の空白領域にパッチ画像の形成を開始する。続いて、ステップS605において、画像形成部110は、実画像形成領域に実画像を形成する。なお、これらの画像形成手順の詳細については、図7を用いて後述する。
一方、Dt>Dを満たさない場合、即ち、先端領域に存在する空白領域のサイズではパッチ画像が形成できない場合、ステップS607において、判定部274は、後端領域に存在する空白領域の長さDbが予め定められた長さDより長いか否かを判定する。S603と同様に、判定部274は、同成分における前回のパッチ画像の形成からm枚以上の画像を形成しているか否かについても判定することが望ましい。Db>Dを満たす場合、ステップS608において、画像形成部110は、実画像形成領域に実画像を形成する。続いて、ステップS609において、画像形成部110は、後端領域の空白領域にパッチ画像を形成する。なお、これらの画像形成手順の詳細は図8を用いて後述する。
一方、Db>Dを満たさない場合、即ち、先端領域及び後端領域の空白領域のサイズではパッチ画像が形成できない場合、ステップS610において、画像形成部110は、パッチ画像を形成せず、通常の画像形成を行う。ここで、前回のパッチ画像を形成してから形成した枚数が予め定められた枚数mを越えている場合、画像形成部110は、実画像の形成を中断してパッチ画像を形成することが望ましい。具体的に、画像形成部110は、連続する記録材への画像形成間隔をパッチ画像が形成可能な範囲に広げてパッチ画像を形成する。即ち、画像形成部110は、実画像の形成を一時中断して、パッチ画像を形成することとなる。以下、次の色成分であるM成分データ、C成分データ、K成分データの順に同様の処理が行われる。その後、濃度検出部275は、形成されたパッチ画像の濃度を検出する。さらに、補正部276は、検出された濃度に基づき、画像形成する画像形成条件を調整して画質を補正する。ここで、画像形成条件とは、例えば、現像剤とトナーとを一定の比率に保つために、消費したトナーの補給量や、露光する際の光量などである。
図7は、第1の実施形態に係る先端領域の空白領域にパッチ画像を形成する制御手順を示す図である。ここで、縦軸は画像形成部110における露光部109、黒色現像部115、カラー現像部116、1次転写ローラ118、濃度検知センサ119、クリーニング部112の位置を示す。横軸は時間を示し、時間の経過とともに露光から現像、1次転写、濃度検知、そしてクリーニングへと移動する様を示している。破線701は前回の画像における画像形成領域の後端を示す。実線702は、今回の画像における画像形成領域の先端を示す。一点鎖線703は形成開始位置を示し、一点鎖線704は形成終了位置を示す。破線705は、今回の画像における画像形成領域の後端を示す。なお、ここでは、実線702と一点鎖線703との間の先端領域にパッチ画像721が形成されることを想定する。さらに、図7に示すように、画像データ700が形成されることを想定する。
まず、露光部109において、パッチ画像721の静電潜像が形成される。続いて、露光部109は、パッチ画像721の形成が終了すると、形成開始位置と形成終了位置との間で実画像720の静電潜像を形成するために露光を行う。現像部(115、116)は、タイミング711に示すように、実線702と一点鎖線704との間で駆動され、パッチ画像721及び実画像720を現像する。1次転写ローラ118は、タイミング712に示すように、一点鎖線703と一点鎖線704との間で駆動され、実画像720のみを中間転写ベルト117に転写する。この駆動とは、上述したように、1次転写ローラ118が感光ドラム111に当接することを意味する。一方、駆動されていない場合は、1次転写ローラ118は、感光ドラム111から離間される。濃度検知センサ119は、タイミング713に示すように、実線702と一点鎖線703との間で感光ドラム111上に形成されたパッチ画像721の濃度を検知する。クリーニング部112は、タイミング714に示すように、実線702と一点鎖線704との間で駆動され、パッチ画像721を形成する全てのトナーをブレードで掻き落として回収する。さらに、クリーニング部112は、中間転写ベルト117に転写された後に感光ドラム111に残留する実画像720の残留トナーをブレードで掻き落として回収する。
図8は、第1の実施形態に係る後端領域の空白領域にパッチ画像を形成する制御手順を示す図である。ここで、縦軸は画像形成部110における露光部109、黒色現像部115、カラー現像部116、1次転写ローラ118、濃度検知センサ119、クリーニング部112の位置を示す。横軸は時間を示し、時間の経過とともに露光から現像、1次転写、濃度検知、そしてクリーニングへと移動する様を示している。実線801は、今回の画像における画像形成領域の先端を示す。一点鎖線802は形成開始位置を示し、一点鎖線803は形成終了位置を示す。破線804は、今回の画像における画像形成領域の後端を示す。実線805は、次回の画像における画像形成領域の先端を示す。なお、ここでは、一点鎖線803と破線804との間の後端領域にパッチ画像821が形成されることを想定する。さらに、図8に示すように、実画像820が形成されることを想定する。
まず、露光部109において、実画像820の静電潜像が形成される。続いて、露光部109は、実画像820の形成が終了すると、後端領域にパッチ画像821の静電潜像を形成するために露光を行う。現像部(115、116)は、タイミング811に示すように、一点鎖線802と破線804との間で駆動され、実画像820及びパッチ画像821を現像する。1次転写ローラ118は、タイミング812に示すように、一点鎖線802と一点鎖線803との間で駆動され、実画像820のみを中間転写ベルト117に転写する。濃度検知センサ119は、タイミング813に示すように、一点鎖線803と破線804との間で感光ドラム111上に形成されたパッチ画像821の濃度を検知する。クリーニング部112は、タイミング814に示すように、実線801と破線804との間で駆動され、パッチ画像821を形成する全てのトナーをブレードで掻き落として回収する。さらに、クリーニング部112は、中間転写ベルト117に転写された後に感光ドラム111に残留する実画像820の残留トナーをブレードで掻き落として回収する。
このように、本実施形態では、一適用例として、画像形成領域の先端から形成開始位置までの先端領域か、或いは、形成終了位置から画像形成領域の後端までの後端領域にパッチ画像を形成する例を説明した。しかしながら、先端領域を前回の画像形成領域の後端から今回の形成開始位置までとし、後端領域を今回の形成終了位置から次回の画像形成領域の先端までとしてもよい。これにより、空白領域のサイズを十分に確保することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、画像形成領域の中で、空白領域を特定して、当該空白領域にパッチ画像を形成する。さらに、本画像形成装置は、形成したパッチ画像の濃度を検出して、検出した濃度に基づいて、画質を補正する。これにより、本画像形成装置は、画像形成のスループットを低下させることなく、より高い画質を実現しうる。
なお、本発明は、上記実施形態に限らず様々な変形が可能となる。本画像形成装置は、特定した空白領域のサイズがパッチ画像のサイズより大きいか否かを判定してもよい。これにより、本画像形成装置は、大きいと判定された場合に空白領域にパッチ画像を形成し、小さいと判定された場合に連続する記録材への画像形成間隔をパッチ画像が形成可能な範囲に広げてパッチ画像を形成してもよい。したがって、本画像形成装置は、形成する画像データに合わせて、パッチ画像の形成位置を最適な位置に変更するため常に画質を一定に保つことができる。
また、本画像形成装置は、前回の画像の形成終了位置から次回の画像の形成開始位置までの間で、空白領域を特定してもよい。これにより、本画像形成装置は、空白領域を今回形成する画像形成領域を越えて特定することができ、容易にパッチ画像を形成する領域を確保することができる。
[第2の実施形態]
次に、図9乃至図14を参照して、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、画像形成領域内に形成される複数の静電潜像の間となる中間領域にパッチ画像を形成する。なお、以下では、第1の実施形態と重複する説明については省略する。図9は、取得された画像データが画像メモリに格納される様子を示す図である。
原稿画像の画像データ901が取得されると、当該原稿画像は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各成分の画像データ902、903、904、905に分解されて画像メモリ226に格納される。ここで、感光ドラム111が回転する副走査方向の画像形成領域は図9に示すaの幅を有する領域となる。しかしながら、実画像形成領域は、図中b、b’の領域となる。本実施形態による特定部273は、K成分の画像データ905における幅bの静電潜像と幅b’の静電潜像との間の中間領域906を空白領域として特定する。
図10は、各色成分ごとに分解された画像データの副走査方向における形成開始位置と形成終了位置とを導出する方法を説明する図である。ここでは、画像データから実際に形成される静電潜像の形成開始位置Ca、Ccと形成終了位置Cb、Cdを導出する方法を示す。また、これらの導出は、導出部272によって行われる。
まず、画像処理部225では、画像処理部206から順次送られてくる画像データを画像メモリ226に格納する。画像データは、主走査方向と副走査方向とに対応させて2次元的に画像メモリ226へ格納される。また、画像データは、Y、M、C、Kの色成分ごとの画像データ902、903、904、905に分解されて格納される。ここで、主走査方向とは、感光ドラム111の軸方向に対応し、副走査方向とは、感光ドラム111の回転方向に対応する。
静電潜像の形成開始位置Ca、Cc及び形成終了位置Cb、Cdは、各色成分の画像データ902〜905ごとに格納された画像メモリ226の副走査方向の格納アドレスから判定する。Y成分、M成分及びC成分の画像データ902、903、904については、画像データ302、303、304と同様であるため説明を省略する。一方、K成分の画像データ905の場合、中間領域906が存在するため、導出部272は、それぞれ2つの形成開始位置Ca、Ccと形成終了位置Cb、Cdとを導出する。
更に、形成開始位置Ca、Ccと形成終了位置Cb、Cdの導出は、以下に説明する方法で行われてもよい。ここでは、導出部272に入力されるK成分の画像データ302について説明する。トリガとして画像書き出しタイミング信号が入力されると
、K成分の画像形成領域である先端Csから、導出部272は、副走査方向の画像(ライン)と同期したクロックにより入力ライン数のカウントを開始する。これと同時に、導出部272は、画像データ(画素)の有無を判別して、最初に画像形成されるラインが出現したときのカウント値をCTaとして画像処理部225内のレジスタにラッチする。このときのカウント値CTaが形成開始位置となる。導出部272は、その後もカウントを継続し、画像形成がなくなるラインを検出する。検出すると、導出部272は、そのカウント値CTb+1から1ライン分に相当するクロックを減算してCTbとし、画像処理部225内のレジスタにラッチする。導出部272は、その後もカウントを継続し画像データの有無を判別する。ここで、再び画像形成されるラインが出現したときのカウント値をCTcとして画像処理部225内のレジスタにラッチする。このときのカウンタ値CTcが2つ目の形成開始位置となる。導出部272は、その後、再び画像形成がなくなるラインを検出する。検出すると、導出部272は、そのカウント値CTd+1から1ライン分に相当するクロックを減算してCTdとし、画像処理部225内のレジスタにラッチする。導出部272は、その後もカウントを継続し、画像形成領域の後端Ceに相当するカウント値になるとカウントをクリアする。カウント値CTa、CTb、CTc、CTdは画像形成が終了するまでラッチされる。したがって、画像データ905における実画像形成領域は、形成開始位置Ca及び形成終了位置Cbの間と、形成開始位置Cc及び形成終了位置Cdの間との2つの領域となる。この2つの領域の間が中間領域906となる。
このように、本実施形態による導出部272は、画像形成領域の中に複数の実画像領域が存在することを想定して、先端Csから後端Ceまでの間、画像データの有無を判別して状態が変化したときのカウント値をラッチする。ここで、状態が変化したときとは、画像データが0値を示す状態から0値以外を示す状態に変化する場合と、画像データが0値以外を示す状態から0値を示す状態に変化する場合とを示す。
図11は、第2の実施形態に係る特定部が空白領域のサイズを特定する方法を説明する図である。ここでは、特定部273が空白領域を特定する方法と、判定部274が特定された空白領域についてパッチ画像のサイズより大きいか否かを判定する方法とについて説明する。
図11に示すように、Y成分、M成分及びC成分の場合、特定部273は、空白領域の長さDmをDm=|Cb−Ce|として特定する。一方、K成分の場合、特定部273は、空白領域の長さDnをDn=|Cb−Cc|として特定する。第1の実施形態と同様に、パッチ画像を形成するために必要となる長さDは、D=dp+drとして予め定められている。したがって、判定部274は、各色成分における空白領域の長さDm、Dnが予め定められた長さDよりも長いか否かを判定する。これにより、判定部274は、長さDm又はDnが長さDよりも長い場合に当該空白領域にパッチ画像の形成が可能であると判定し、短い場合に当該空白領域にパッチ画像の形成が不可能であると判定する。
また、特定部273は、先端領域である空白領域の長さDt=|Cs−Ca|、他の後端領域である空白領域の長さDb=|Cd−Ce|も求めるが、前述と同様に適用できるため説明を省略する。
次に、図12を参照して、パッチ画像を形成する際の制御について説明する。図12は、第2の実施形態に係るパッチ画像を形成する手順を示すフローチャートである。ここでは、一例として、図9乃至図11において説明した画像データ901を形成する場合について説明する。
ステップS1201において、CPU221は、取得部271によって画像データを取得し、画像メモリ226へ格納するとともに、形成開始位置Ca、Cc及び形成終了位置Cb、Cdの導出を行う。続いて、ステップS1202において、特定部273は、導出された形成開始位置Ca、Cc及び形成終了位置Cb、Cdから先端領域、中間領域、後端領域の空白領域を特定する。
次に、判定部274は、中間領域の空白領域の長さDnが予め定められた長さDよりも長いか否かを判定する。また、判定部274は、先端領域、後端領域の長さも同様に予め定められた長さDよりも長いか否かを判定する。ここで、判定部274は、同成分における前回のパッチ画像の形成からm枚以上に画像を形成しているか否かについても判定することが望ましい。これは、無駄な補正処理を低減させるために行われる判定であり、これにより、パッチ画像を形成するためのトナーを低減することができる。Dn、Dm、Dt、Db>Dを満たさない場合、ステップS1211において、画像形成部110は、パッチ画像を形成せず、通常の画像形成を行う。
一方、Dn、Dm、Dt、Db>Dを満たす場合、ステップS1204において、画像形成部110は、実画像の形成が先かパッチ画像の形成が先かを判定する。実画像の形成が先である場合、ステップS1205において、画像形成部110は、当該ページの当該色成分の画像形成タイミングに合わせて、まず、実画像の形成を開始する。続いて、ステップS1206において、画像形成部110は、特定された空白領域(ここでは、中間領域又は後端領域となる。)にパッチ画像を形成する。その後、画像形成部110は、処理をステップS1207に遷移させる。一方、パッチ画像の形成が先である場合、ステップS1209において、画像形成部110は、特定された空白領域(ここでは、先端領域となる。)にパッチ画像を形成する。続いて、ステップS1210において、画像形成部110は、当該ページの当該色成分の画像形成タイミングに合わせて、実画像を形成する。その後、画像形成部110は、処理をステップS1207に遷移させる。
次に、ステップS1207において、画像形成部110は、さらに、実画像の形成が残っているか否かを判定する。残っていない場合、画像形成部110は、処理を終了して、次の色成分又は次のページの処理に移行させる。一方、まだ残っている場合、ステップS1208において、画像形成部110は、2つ目の実画像の形成を行う。その後、画像形成部110は、処理を終了して、次の色成分又は次のページの処理に移行させる。その後、濃度検出部275は、形成されたパッチ画像の濃度を検出する。さらに、補正部276は、検出された濃度に基づき、画像形成する画像形成条件を調整して画質を補正する。ここで、画像形成条件とは、例えば、現像剤とトナーとを一定の比率に保つために、消費したトナーの補給量や、露光する際の光量などである。
なお、先端領域にパッチ画像を形成する場合では、S1209、S1210、S1207の順で処理が行われて終了する。また、中間領域にパッチ画像を形成する場合では、S1205、S1206、S1207、S1208の順で処理が行われて終了する。上述した例では、K成分の画像データ905がこの手順に当たる。また、後端領域にパッチ画像を形成する場合では、S1205、S1206、S1207の順で処理が行われて終了する。上述した例では、Y成分、M成分、C成分の画像データ902、903、904の画像データがこの手順に当たる。
図14は、第2の実施形態に係る中間領域の空白領域にパッチ画像を形成する制御手順を示す図である。ここでは、K成分の画像データ905の制御手順について説明する。ここで、縦軸は画像形成部110における露光部109、黒色現像部115、カラー現像部116、1次転写ローラ118、濃度検知センサ119、クリーニング部112の位置を示す。横軸は時間を示し、時間の経過とともに露光から現像、1次転写、濃度検知、そしてクリーニングへと移動する様を示している。破線1401は、前回の画像における画像形成領域の後端を示す。実線1402は今回の画像における画像形成領域の先端を示す。一点鎖線1407は実画像1420の形成開始位置を示す。一点鎖線1403は実画像1420の形成終了位置を示す。一点鎖線1404は、実画像1422の形成開始位置を示す。一点鎖線1408は、実画像1422の形成終了位置を示す。実線1405は今回の画像における画像形成領域の後端を示す。破線1406は、次回の画像における画像形成領域の先端を示す。なお、ここでは、一点鎖線1403と一点鎖線1404との間の中間領域にパッチ画像1421が形成されることを想定する。
まず、露光部109において、実画像1420の静電潜像が形成される。続いて、露光部109は、実画像1420の形成が終了すると、中間領域にパッチ画像1421の静電潜像を形成するために露光を行う。さらに、露光部109は、パッチ画像1421の形成が終了すると、実画像1422の静電潜像を形成するために露光を行う。現像部(115、116)は、タイミング1411に示すように、一点鎖線1407と一点鎖線1408との間で駆動され、実画像1420、パッチ画像1421及び実画像1422を現像する。1次転写ローラ118は、タイミング1412に示すように、一点鎖線1407と一点鎖線1403との間と、一点鎖線1404と一点鎖線1408との間とで駆動され、実画像1420、1422のみを中間転写ベルト117に転写する。濃度検知センサ119は、タイミング1413に示すように、一点鎖線1403と一点鎖線1404との間で感光ドラム111上に形成されたパッチ画像1321の濃度を検知する。クリーニング部112は、タイミング1414に示すように、実線1402と実線1405との間で駆動され、パッチ画像1421を形成する全てのトナーをブレードで掻き落として回収する。さらに、クリーニング部112は、中間転写ベルト117に転写された後に感光ドラム111に残留する実画像1420、1422の残留トナーとをブレードで掻き落として回収する。
このように、本実施形態に係るプリンタ100は、中間領域の空白領域を特定して、パッチ画像を形成する。しかしながら、本画像形成装置は、第1の実施形態との組み合わせで実現されてもよい。すなわち、画像形成装置は、まず、先端領域及び後端領域で特定された空白領域の少なくとも一方がパッチ画像のサイズより大きい場合に、先端領域及び後端領域で特定された空白領域の少なくとも一方にパッチ画像を形成する。また、画像形成装置は、先端領域及び後端領域で特定された空白領域の両方がパッチ画像のサイズより小さい場合であって、中間領域で特定された空白領域がパッチ画像のサイズより大きい場合に、中間領域で特定された空白領域にパッチ画像を形成してもよい。さらに、画像形成装置は、先端領域、中間領域及び後端領域で特定された空白領域の全てがパッチ画像のサイズより小さい場合に連続する記録材への画像形成間隔をパッチ画像が形成可能な範囲に広げてパッチ画像を形成してもよい。これにより、本画像形成装置は、形成される画像データに応じて、常に最適なスループットで補正処理を実現できる。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、1枚の記録材に形成される画像データの中で、複数の静電潜像の間に存在する中間領域で空白領域を特定する。したがって、本画像形成装置は、先端領域及び後端領域に存在する空白領域がパッチ画像を形成するために十分なサイズを有していない場合であっても、画質を補正するためのパッチ画像を形成しうる。これにより、本画像形成装置は、画像形成のスループットを低下させることなく、一定の画質を保つことができる。