JP5097710B2 - 2工程ガソリンエンジンのための潤滑油組成物及びその調製方法 - Google Patents
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Description
4工程の自動車及びトラックのガソリンエンジンからの排ガスの放出を低下させるための今日までに開発された技術は、2工程ガソリンエンジンにうまく適用されなかった。したがって、放出される炭化水素は容易には生分解しないので、これらの小さなガソリンエンジンからの多量の炭化水素の放出に関して一般的な関心が高まっている。鉱物性の炭化水素の放出はガソリンエンジンの基本的な設計の結果である。特に、典型的な2工程ガソリンエンジンの爆発工程においては、空気、油及び燃料が混合装填物としてクランク室に吸入され、ピストン上の空間で圧縮される。排気工程においては燃焼した気体が排気口から放出され、新たな可燃性装填物がクランク室からピストン上の空間に移される。新たな可燃性装填物の移送の前後に排気口が開閉するので、18%ほどの新たな装填物が排ガスとともに燃焼しないで排出されるであろう。したがって、炭化水素の放出は、匹敵する4工程エンジンからの放出をはるかに超えてしまう。
石油系潤滑油は、ナフテン、パラフィン、芳香族、多核芳香族及び不飽和化合物からなる炭化水素である。物理化学的性質及び性能を改良するために、主として組成又は構造が明確な化学物質である種々の添加剤が潤滑油に添加される。
石油系潤滑油は、一般的には環境への高い毒性、不十分な生分解性及び原油組成の変化に伴う一貫性のない特性のような多くの欠点に悩まされている。合成潤滑油として知られている別のタイプの潤滑油は、極限状態の温度、圧力、放射線又は化学物質雰囲気中で使用するために設計され、優れた潤滑性及び熱安定性を有する。合成潤滑油は比較的高価であり、環境への毒性もあり、環境に優しくはない。種々の用途に通常使用される合成潤滑油には以下のものがある。
a)ポリグリコール、
b)ポリブテン、
c)二塩基酸エステル、
d)フルオロポリマー、
e)ポリオールエステル、
f)ホスフェートエステル、
g)シリコーン、
h)ポリ-α-オレフィン、
i)その他の同様な流体。
2工程ガソリンエンジン潤滑油を製造する先行技術においては、一般的には、鉱油又は性能を高めるために合成流体又は脂肪酸の複合エステルを有する鉱油が使用された。煙及び環境への優しさは主要な基準ではなかった。
ある種の非食用植物油のモノエステルは、2工程ガソリンエンジンにおける燃焼の結果として観察される煙の量を低下させるのに有用であり、アルキルベンゼンに匹敵する又はそれより低濃度で使用されうる。
2001年3月6日にHenkel Corporation(Gulph Mills, PA)により出願されたZehlerらの米国特許第6,197,731号には、煙のない2工程エンジン潤滑油が言及されている。2工程ガソリンエンジンにおける燃焼の結果として放出される排ガス中の観察される煙の量を低下させ、混和性増強溶剤を必要とせず、100℃における粘度が3.0ないし20.0cStで、75以上の煙指数を有する2工程ガソリンエンジン潤滑油組成物のためのエステルベースストックが開示されている。ある種のエステルは生分解性である。(ここでは、ポリオールタイプの合成エステルが使用された)。
1996年3月12日にChinese Petroleum Corp.(TW)により出願されたLinらの米国特許第5,498,353号には、半合成2工程エンジンオイル配合物が言及されている。半合成2工程エンジンオイル配合物は、高粘度の鉱油、中程度の粘度の鉱油、溶剤及び異なる分子量を有する3種のポリイソブチレンの混合物からなる基油、及び適する清浄剤及び分散剤を含む。半合成2工程エンジンは高い潤滑性及び高い洗浄力の両方を有し、少ない煙及び少ない排ガス系閉塞の要件に合格する。(ここでは、鉱油及び合成油のブレンドが使用される)。
1995年1月3日にPennzoil Products Company(Houston, TX)により出願されたMorrisonの米国特許第5,378,249号には、生分解性潤滑油が言及されている。生分解性2工程エンジンオイル組成物は、約(a)20ないし85質量%の、100℃における動粘度が約7.0cSt以上である重質エステル又は重質エステル油の混合物、(b)10ないし85質量%の、100℃における動粘度が約6.0cSt未満である軽質エステル油又は形質エステル油の混合物、及び任意に添加剤を含み、組成物はCEC L-33-T-82法により測定される生分解性が約66%以上である。(ここでは、鉱油及び合成油のブレンドが使用される)。
2001年8月28日にCastrol Limited(Wiltshine, GB)により出願されたTanakaらの米国特許第6281173号には、2工程オートバイ潤滑油が言及されている。2工程オートバイ潤滑油は、100℃における粘度が8cSt未満で、流動点が−30℃以下、好ましくは−39℃以下の基油を含む。2工程オートバイ潤滑油はさらに、無灰の油溶性のアミンを基剤とする清浄剤系を含む。2工程オートバイ潤滑油は、高い負荷容量を保持しつつ、高い清浄度及び少ない排気煙を示す。2工程オートバイ潤滑油は着色されうる。(ここでは鉱油のベースストックが使用された)。
石油の環境及び保全に関する問題の高まりを考慮すると、希釈剤を用いずに代替供給源から誘導され、煙を減少させ、鉱物潤滑油と同等以上に機能し、安価である2工程ガソリンエンジンのための環境に優しい潤滑油の必要性が存在する。
本発明の別の目的は、LASプラントからの重質アルキレート、接触改質又はナフサ分解プラントからの高級芳香族のような種々の石油化学製品又は精製所の廃棄物流から得られるアルキルベンゼンを基剤とする代替供給源からの2工程ガソリンエンジンのための潤滑油組成物及びその調製方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、鉱油の一成分である多核芳香族炭化水素の使用を回避して、2工程ガソリンエンジン配合物のための潤滑油の汚染の可能性を低下させることである。
本発明のさらに別の目的は、2工程ガソリンエンジンのための配合された潤滑油と鉱物、植物及び合成油とのすべての割合の優れた混和性を提供することである。
(i) 80ないし90質量%の、主としてC21ないしC25の炭素原子を有する要求どおりに調製された重質アルキルベンゼンのベースストック、
(ii) 0.006ないし0.05質量%の酸化防止剤、
(iii) 0.01ないし0.05質量%の極圧添加剤、
(iv) 0.05ないし0.15質量%の清浄分散剤、
(v) 0.01ないし1.0質量%の消泡剤、
(vi) 0.01ないし1.0質量%の流動点降下剤、
(vii) 0.10ないし0.03質量%の腐食防止剤、
(viii) 9.0ないし19.0質量%の煙低下剤、及び
(ix) 任意に0.01ないし0.05質量%の潤滑性添加剤。
(i) 40℃における動粘度が40ないし60cStであり、
(ii) 100℃における動粘度が6.5ないし8.5cStであり、
(iii) 粘度指数が95ないし110であり、
(iv) 酸化安定性が合格(IP 48/97)であり、
(v) 95℃における回転ボンベ酸化試験(ROBOT)が250ないし350分であり、
(vi) 引火点が145ないし165℃であり、
(vii) 流動点が(−)20ないし30℃であり、
(viii) 硫酸化灰分が<0.05であり、
(ix) 性能-煙指数が150ないし250であり、
(x) 潤滑性-摩擦係数が約0.101であり、
(xi) 摩耗くずダイア(WSD)が約0.533であり、
(xii) 洗浄力指数が200ないし250であり、
(xiii) 銅ストリップ腐食試験が1Aであり、
(xiv) 起泡試験ASTM D130が合格であり、
(xv) 生分解性が40ないし60%である。
さらに別の実施態様においては、使用される重質アルキルベンゼンは、1個のベンゼン芳香族環及び21ないし25個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のパラフィン連鎖を有するモノ、ジ及びポリ置換アルキル芳香族である。
使用される酸化防止剤が、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール又はn-オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリトリチルテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジ-n-オクタデシル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキベンジル)メシチレン、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキベンジル)イソシアヌレート又はヒンダードピペリジンカルボン酸、2,6-ジヒドロキシ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンのアシル化誘導体又は二環式ヒンダードアミン又はジフェニルアミン又はジナフチルアミン、フェニルナフチルアミン、N,N'-ジフェニルフェニレンジアミン又はp-オクチルジフェニルアミン、p,p-ジオクチルジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、N-(p-ドデシル)フェニル-2-ナフチルアミン、ジ-1-ナフチルアミン、ジ-2-ナフチルアミン、N-アルキルフェノチアジン、イミノ(ビスベンジル)、6-(t-ブチル)フェノール、2, 6-ジ-(t-ブチル)フェノール、4-メチル-2, 6-ジ-(t-ブチル)フェノール、4,4'-メチレンビス(-2, 6-ジ-(t-ブチル)フェノール)、メチル四量体ヒドロシンナミド、フェノチアジン誘導体、アルキル化5-アミノテトラゾール、ジ-ter.ブチル p-アミノフェノール及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
さらに別の実施態様においては、使用される潤滑性添加剤は、オクチルホスフェート、メチル四量体ヒドロシンナミド及びそれらの混合物からなる群から選択される。
使用される清浄分散剤が、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ペンタエチレンヘキサミンのプロピレン四量体スクシンイミド、オクチルホスホネート及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
さらに別の実施態様においては、使用される消泡剤は、シリコーン油、ポリビニルアルコール、ポリエーテル及びそれらの混合物からなる群から選択される。
使用される流動点降下剤が、ジエチルヘキシルアジペート、ポリメタクリレート、ポリビニルアクリレート及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
さらに別の実施態様においては、使用される煙低下剤は、ニーム油、マーワ油、米ぬか油、アセチル化ヒマシ油、アマニ油、カランジャ(karanja)油、ニーム油脂肪酸のエチルヘキシルエステル、カランジ(karanj)油脂肪酸のエチルヘキシルエステル、ニーム油脂肪酸のエチルヘキシルエステル、植物油/そのモノエステルのトルエン誘導体及びそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明はさらに、2工程ガソリンエンジンの潤滑油組成物の調製方法であって、C21ないしC25の炭素原子及び約100℃において6ないし8cStの粘度を有するアルキルベンゼンの所望のフラクションを得るために減圧蒸留下、350ないし550℃の温度において直鎖状アルキルベンゼン(LAB)又は分解物の重質アルキレートフラクションを分別すること、ベースストックを得るために公知の方法により前記アルキルフラクションから酸化生成物を除去すること、所望の潤滑油組成物を得るために50ないし90℃の温度範囲で撹拌しながら、80ないし90質量%の前記ベースストックを0.006ないし0.05質量%の1種以上の酸化防止剤、0.01ないし0.05質量%の1種以上の極圧添加剤、0.05ないし0.15質量%の1種以上の清浄分散剤、0.01ないし1.0質量%の1種以上の消泡剤、0.01ないし1.0質量%の1種以上の流動点降下剤、0.10ないし0.03質量%の1種以上の腐食防止剤、9.0ないし19.0質量%の1種以上の煙低下剤、及び任意に0.01ないし0.05質量%の1種以上の潤滑性添加剤と混合することを含む方法を提供する。
さらに別の実施態様においては、使用される重質アルキルベンゼンフラクション(C21-25)は、洗剤業界における直鎖状アルキルベンゼン(LAB)、接触改質において製造される重質芳香族、及びナフサ又はガス流分解液体生成物の調製中に製造されるモノ及びジアルキルベンゼン又はそれらの混合物から得られる。
さらに別の実施態様においては、使用される酸化防止剤は、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール又はn-オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリトリチルテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジ-n-オクタデシル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキベンジル)メシチレン、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキベンジル)イソシアヌレート又はヒンダードピペリジンカルボン酸、2,6-ジヒドロキシ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンのアシル化誘導体又は二環式ヒンダードアミン又はジフェニルアミン又はジナフチルアミン、フェニルナフチルアミン、N,N'-ジフェニルフェニレンジアミン又はp-オクチルジフェニルアミン、p,p-ジオクチルジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、N-(p-ドデシル)フェニル-2-ナフチルアミン、ジ-1-ナフチルアミン、ジ-2-ナフチルアミン、N-アルキルフェノチアジン、イミノ(ビスベンジル)、6-(t-ブチル)フェノール、2, 6-ジ-(t-ブチル)フェノール、4-メチル-2, 6-ジ-(t-ブチル)フェノール、4,4'-メチレンビス(-2, 6-ジ-(t-ブチル)フェノール)、メチル四量体ヒドロシンナミド、フェノチアジン誘導体、アルキル化5-アミノテトラゾール、ジ-ter.ブチル p-アミノフェノール及びそれらの混合物からなる群から選択される。
さらに別の実施態様においては、使用される潤滑性添加剤は、オクチルホスフェート、メチル四量体ヒドロシンナミド及びそれらの混合物からなる群から選択される。
使用される清浄分散剤が、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ペンタエチレンヘキサミンのプロピレン四量体スクシンイミド、オクチルホスホネート及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項13記載の方法。
さらに別の実施態様においては、使用される消泡剤は、シリコーン油、ポリビニルアルコール、ポリエーテル及びそれらの混合物からなる群から選択される。
さらに別の実施態様においては、使用される流動点降下剤は、ジエチルヘキシルアジペート、ポリメタクリレート、ポリビニルアクリレート及びそれらの混合物からなる群から選択される。
さらに別の実施態様においては、使用される腐食防止剤は、オクチル 1H-ベンゾトリアゾール、ジ-tert-ブチル化1H-ベンゾトリアゾール、没食子酸プロピル、ポリオキシアルキレンポリオール、オクタデシルアミン、ノニルフェノールエトキシレート、水素化ペンタデシルフェノールのカルシウムフェノラート、アルキルベンゼンスルホン酸マグネシウム及びそれらの混合物からなる群から選択される。
さらに別の実施態様においては、得られる潤滑油組成物は以下の特徴を有する。
(i) 40℃における動粘度が40ないし60cStであり、
(ii) 100℃における動粘度が6.5ないし8.5cStであり、
(iii) 粘度指数が95ないし110であり、
(iv) 酸化安定性が合格(IP 48/97)であり、
(v) 95℃における回転ボンベ酸化試験(ROBOT)が250ないし350分であり、
(vi) 引火点が145ないし165℃であり、
(vii) 流動点が(−)20ないし30℃であり、
(viii) 硫酸化灰分が<0.05であり、
(ix) 性能-煙指数が150ないし250であり、
(x) 潤滑性-摩擦係数が約0.101であり、
(xi) 摩耗くずダイア(WSD)が約0.533であり、
(xii) 洗浄力指数が200ないし250であり、
(xiii) 銅ストリップ腐食試験が1Aであり、
(xiv) 起泡試験ASTM D130が合格であり、
(xv) 生分解性が40ないし60%である。
2T油の性質の比較
以下の例は説明のために提供されるので、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
例1
酸化された生成物を除去するために要求どおりに調製された重質アルキレートをシリカゲルカラムに通すか、又は80℃において50分間混合して十分に撹拌し、それをG-4焼結ガラス漏斗に通すことによりフラー土のような吸着剤粘土で処理した。重質アルキレートの典型的な物理化学的な性質を以下の表4に示す。
酸化された生成物を除去するために分解装置から要求どおりに調製されたアルキレートをシリカゲルカラムに通すか、又は80℃において50分間混合して十分に撹拌し、それをG-4焼結ガラス漏斗に通すことによりフラー土のような吸着剤粘土で処理した。基油の典型的な物理化学的な性質を以下の表5に示す。
酸化された生成物を除去するために分解装置及びLABプラントから要求どおりに調製されたアルキレートをシリカゲルカラムに通した。50質量%の重質アルキレート及び50質量%の分解装置からのアルキレートを、60℃において混合して50分間十分に撹拌した。ブレンドした基油の典型的な物理化学的な性質を以下の表6に示す。
ベースストックを、200ppmの高温酸化防止剤としてのオクチル5-アミノテトラゾール、200ppmの極圧添加剤としてのジベンジルジスルフィド、200ppmの潤滑性添加剤としての硫化ニーム油、80ppmの低温酸化防止剤-潤滑性添加剤としてのメチルヒドロキシヒドロシンナメート、100ppmの清浄分散剤としてのペンタエチレンヘキサミンドデシルスクシンイミド、150ppmの濃度の消泡剤-流動点降下剤としてのシリコーンポリマー油及び塩基数が500の腐食防止剤としてのHABスルホン酸カルシウム及び基油の10%の煙低下剤及び潤滑性増強剤としての米ぬか油の脂肪酸のトルエン置換エチルヘキシルエステルとブレンドした。ブレンドは60℃において2時間撹拌しながら実施した。
例7
ベースストックを、100ppmの高温酸化防止剤としてのp-p-ジオクチルジフェニルアミン、200ppmの極圧添加剤としてのジベンジルジセレニド、200ppmの潤滑性添加剤としての硫化米ぬか油、50ppmの低温酸化防止剤-潤滑性添加剤としてのジアルキルジチオリン酸亜鉛、100ppmの清浄分散剤としてのオクチルホスホネート、50ppmの濃度の消泡剤-流動点降下剤としてのポリビニルアクリレート及び塩基数が500の腐食防止剤としてのアルキルベンゾトリアゾール及び基油の10%の煙低下剤及び潤滑性増強剤としてのニーム油の水素化脂肪酸のトルエン置換エチルヘキシルエステルとブレンドした。ブレンドは60℃において2時間撹拌しながら実施した。
例8
ベースストックを、100ppmの高温酸化防止剤としてのジ-t-ブチル4-メチルフェノール、200ppmの極圧添加剤としてのモリブデンチオホスホロペンタデシルフェノール、200ppmの共極圧添加剤としての硫化水素化カランジャ油、150ppmの低温酸化防止剤-潤滑性添加剤としてのメチルヒドロキシヒドロシンナメート、100ppmの清浄分散剤としてのペンタエチレンヘキサミンプロピレン四量体スクシンイミド、150ppmの濃度の消泡剤-流動点降下剤としてのポリメタクリレート及び腐食防止剤としてのオクチルホスホネート及び基油の10%の煙低下剤及び潤滑性増強剤としてのカランジャ油の脂肪酸のトルエン置換エチルヘキシルエステルとブレンドした。ブレンドは60℃において2時間撹拌しながら実施した。
例9
ベースストックを、200ppmの高温酸化防止剤としてのn-ナフチル2-フェニルアミン、200ppmの極圧添加剤としてのモリブデンチオホスホロルリルオレエート、200ppmの極圧-潤滑性添加剤としてのジベンジルジセレニド、250ppmの低温酸化防止剤-潤滑性添加剤としてのジアルキルジチオリン酸亜鉛、200ppmの清浄分散剤としてのペンタエチレンヘキサミンプロピレン四量体スクシンイミド、150ppmの濃度の消泡剤-流動点降下剤としてのシリコーンポリマー油及び腐食防止剤としてのアルキル1H-ベンゾトリアゾール及び基油の10%の煙低下剤及び潤滑性増強剤としてのマーワ油の脂肪酸のトルエン置換エチルヘキシルエステルとブレンドした。ブレンドは60℃において2時間撹拌しながら実施した。
例10
本発明の主な利点は以下のとおりである。
a)潤滑油は、船外機、スノーモービル、モーターボート、オートバイ、スクーター、原動機付き自転車、genset及び種々の造園機材、例えば、芝刈り機、チェーンソー、ライントリマー及び送風機等を作動させるのに特に適するであろう。
b)それは石油の使用を低下させ、石油化学廃棄物の良好な使用を提供する。
c)150ないし250より高い煙指数を有し、温室効果ガス及び放出を低下させる。
d)製品は、石油系潤滑油より高い約40ないし60%の生分解性を示し、環境に優しい。
e)観察される煙を低下させ、2工程ガソリンエンジンの鉱油を基剤とする潤滑油と同等以上の性能を提供する。
Claims (19)
- (i) 80ないし90質量%の、1個のベンゼン芳香族環及び21ないし25個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のパラフィン連鎖を有するモノ、ジ又はポリ置換アルキル芳香族である、重質アルキルベンゼンのベースストック、
(ii) 0.006ないし0.05質量%の酸化防止剤、
(iii) 0.01ないし0.05質量%の極圧添加剤、
(iv) 0.05ないし0.15質量%の清浄分散剤、
(v) 0.01ないし1.0質量%の消泡剤、
(vi) 0.01ないし1.0質量%の流動点降下剤、
(vii) 0.10ないし0.03質量%の腐食防止剤、
(viii) 9.0ないし19.0質量%の煙低下剤、
(ix) 任意に0.01ないし0.05質量%の潤滑性添加剤
を含む2工程ガソリンエンジンのための潤滑油組成物であって、使用される重質アルキルベンゼンが、洗剤業界における直鎖状アルキルベンゼン(LAB)、接触改質において製造される重質芳香族、及びナフサ又はガス流分解液体生成物の調製中に製造されるモノ及びジアルキルベンゼン又はそれらの混合物から得られ、使用される煙低下剤が、ニーム油、マーワ油、米ぬか油、アセチル化ヒマシ油、アマニ油、カランジャ油、ニーム油脂肪酸のエチルヘキシルエステル、カランジ油脂肪酸のエチルヘキシルエステル、ニーム油脂肪酸のエチルヘキシルエステル、植物油/そのモノエステルのトルエン誘導体及びそれらの混合物からなる群から選択される、該潤滑油組成物。 - 以下の特徴:
(i) 40℃における動粘度が40ないし60cStであり、
(ii) 100℃における動粘度が6.5ないし8.5cStであり、
(iii) 粘度指数が95ないし110であり、
(iv) 酸化安定性が合格(IP 48/97)であり、
(v) 95℃における回転ボンベ酸化試験(ROBOT)が250ないし350分であり、 (vi) 引火点が145ないし165℃であり、
(vii) 流動点が−10℃未満であり、
(viii) 硫酸化灰分が<0.05であり、
(ix) ASTM D2157/JASO M342-92に従う性能-煙指数が150ないし250であり、
(x) ASTM G133に従う潤滑性-摩擦係数が0.101であり、
(xi) ASTM G133に従う摩耗くずダイア(WSD)が0.533であり、
(xii) ASTM D4857/JASO M341-92に従う洗浄力指数が200ないし250であり、
(xiii) ASTM D130/BIS P-15に従う銅ストリップ腐食試験が1Aであり、
(xiv) 起泡試験ASTM D130が合格であり、
(xv) 生分解性が40ないし60%である、
を有する請求項1記載の潤滑油組成物。 - 使用される酸化防止剤が、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール又はn-オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリトリチルテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジ-n-オクタデシル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキベンジル)メシチレン、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキベンジル)イソシアヌレート又はヒンダードピペリジンカルボン酸、2,6-ジヒドロキシ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンのアシル化誘導体又は二環式ヒンダードアミン又はジフェニルアミン又はジナフチルアミン、フェニルナフチルアミン、N,N'-ジフェニルフェニレンジアミン又はp-オクチルジフェニルアミン、p,p-ジオクチルジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、N-(p-ドデシル)フェニル-2-ナフチルアミン、ジ-1-ナフチルアミン、ジ-2-ナフチルアミン、N-アルキルフェノチアジン、イミノ(ビスベンジル)、6-(t-ブチル)フェノール、2, 6-ジ-(t-ブチル)フェノール、4-メチル-2, 6-ジ-(t-ブチル)フェノール、4,4'-メチレンビス(-2, 6-ジ-(t-ブチル)フェノール)、メチルヒドロキシヒドロシンナミド、フェノチアジン誘導体、アルキル化5-アミノテトラゾール、ジ-ter.ブチル p-アミノフェノール及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
- 使用される極圧添加剤が、硫化ニーム油、硫化マーワ油、ジベンジルジスルフィド、硫化ペンタデシルフェノール、チオホスホロルリルオレエート、チオホスホロルリルオレエートのモリブデン塩、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジベンジルジセレネート、セレノホスホロルリルオレエート、セレノホスホロペンタデシルフェノール、モリブデンチオホスホロペンタデシルフェノール及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
- 使用される潤滑性添加剤が、オクチルホスフェート、メチルヒドロキシヒドロシンナミド及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
- 使用される清浄分散剤が、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ペンタエチレンヘキサミンのプロピレン四量体スクシンイミド、オクチルホスホネート及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
- 使用される消泡剤が、シリコーン油、ポリビニルアルコール、ポリエーテル及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
- 使用される流動点降下剤が、ジエチルヘキシルアジペート、ポリメタクリレート、ポリビニルアクリレート及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
- 使用される腐食防止剤が、オクチル 1H-ベンゾトリアゾール、ジ-tert-ブチル化1H-ベンゾトリアゾール、没食子酸プロピル、ポリオキシアルキレンポリオール、オクタデシルアミン、ノニルフェノールエトキシレート、水素化ペンタデシルフェノールのカルシウムフェノラート、アルキルベンゼンスルホン酸マグネシウム及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
- 2工程ガソリンエンジンの潤滑油組成物の調製方法であって、1個のベンゼン芳香族環及びC21ないしC25の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のパラフィン連鎖を有するモノ、ジ又はポリ置換アルキル芳香族であり、及び100℃において6ないし8cStの粘度を有する重質アルキルベンゼンの所望のフラクションを得るために減圧蒸留下、350ないし550℃の温度において直鎖状アルキルベンゼン(LAB)又は分解物の重質アルキレートフラクションを分別すること、ベースストックを得るために公知の方法により前記アルキルフラクションから酸化生成物を除去すること、所望の潤滑油組成物を得るために50ないし90℃の温度範囲で撹拌しながら、80ないし90質量%の前記ベースストックを0.006ないし0.05質量%の1種以上の酸化防止剤、0.01ないし0.05質量%の1種以上の極圧添加剤、0.05ないし0.15質量%の1種以上の清浄分散剤、0.01ないし1.0質量%の1種以上の消泡剤、0.01ないし1.0質量%の1種以上の流動点降下剤、0.10ないし0.03質量%の1種以上の腐食防止剤、9.0ないし19.0質量%の1種以上の煙低下剤、及び任意に0.01ないし0.05質量%の1種以上の潤滑性添加剤と混合することを含み、ここで、使用される煙低下剤が、ニーム油、マーワ油、米ぬか油、アセチル化ヒマシ油、アマニ油、カランジャ油、ニーム油脂肪酸のエチルヘキシルエステル、カランジ油脂肪酸のエチルヘキシルエステル、ニーム油脂肪酸のエチルヘキシルエステル、植物油/そのモノエステルのトルエン誘導体及びそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
- 使用される重質アルキルベンゼンフラクションが、洗剤業界における直鎖状アルキルベンゼン(LAB)、接触改質において製造される重質芳香族、及びナフサ又はガス流分解液体生成物の調製中に製造されるモノ及びジアルキルベンゼン又はそれらの混合物から得られる請求項10記載の方法。
- 使用される酸化防止剤が、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール又はn-オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリトリチルテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジ-n-オクタデシル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキベンジル)メシチレン、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキベンジル)イソシアヌレート又はヒンダードピペリジンカルボン酸、2,6-ジヒドロキシ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンのアシル化誘導体又は二環式ヒンダードアミン又はジフェニルアミン又はジナフチルアミン、フェニルナフチルアミン、N,N'-ジフェニルフェニレンジアミン又はp-オクチルジフェニルアミン、p,p-ジオクチルジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、N-(p-ドデシル)フェニル-2-ナフチルアミン、ジ-1-ナフチルアミン、ジ-2-ナフチルアミン、N-アルキルフェノチアジン、イミノ(ビスベンジル)、6-(t-ブチル)フェノール、2, 6-ジ-(t-ブチル)フェノール、4-メチル-2, 6-ジ-(t-ブチル)フェノール、4,4'-メチレンビス(-2, 6-ジ-(t-ブチル)フェノール)、メチルヒドロキシヒドロシンナミド、フェノチアジン誘導体、アルキル化5-アミノテトラゾール、ジ-ter.ブチル p-アミノフェノール及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項10記載の方法。
- 使用される極圧添加剤が、硫化ニーム油、硫化マーワ油、ジベンジルジスルフィド、硫化ペンタデシルフェノール、チオホスホロルリルオレエート、チオホスホロルリルオレエートのモリブデン塩、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジベンジルジセレネート、セレノホスホロルリルオレエート、セレノホスホロペンタデシルフェノール、モリブデンチオホスホロペンタデシルフェノール及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項10記載の方法。
- 使用される潤滑性添加剤が、オクチルホスフェート、メチルヒドロキシヒドロシンナミド及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項10記載の方法。
- 使用される清浄剤-分散剤が、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ペンタエチレンヘキサミンのプロピレン四量体スクシンイミド、オクチルホスホネート及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項10記載の方法。
- 使用される消泡剤が、シリコーン油、ポリビニルアルコール、ポリエーテル及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項10記載の方法。
- 使用される流動点降下剤が、ジエチルヘキシルアジペート、ポリメタクリレート、ポリビニルアクリレート及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項10記載の方法。
- 使用される腐食防止剤が、オクチル 1H-ベンゾトリアゾール、ジ-tert-ブチル化1H-ベンゾトリアゾール、没食子酸プロピル、ポリオキシアルキレンポリオール、オクタデシルアミン、ノニルフェノールエトキシレート、水素化ペンタデシルフェノールのカルシウムフェノラート、アルキルベンゼンスルホン酸マグネシウム及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項10記載の方法。
- 得られる潤滑油組成物が以下の特徴:
(i) 40℃における動粘度が40ないし60cStであり、
(ii) 100℃における動粘度が6.5ないし8.5cStであり、
(iii) 粘度指数が95ないし110であり、
(iv) 酸化安定性が合格(IP 48/97)であり、
(v) 95℃における回転ボンベ酸化試験(ROBOT)が250ないし350分であり、 (vi) 引火点が145ないし165℃であり、
(vii) 流動点が−10℃未満であり、
(viii) 硫酸化灰分が<0.05であり、
(ix) ASTM D2157/JASO M342-92に従う性能-煙指数が150ないし250であり、
(x) ASTM G133に従う潤滑性-摩擦係数が0.101であり、
(xi) ASTM G133に従う摩耗くずダイア(WSD)が0.533であり、
(xii) ASTM D4857/JASO M341-92に従う洗浄力指数が200ないし250であり、
(xiii) ASTM D130/BIS P-15に従う銅ストリップ腐食試験が1Aであり、
(xiv) 起泡試験ASTM D130が合格であり、
(xv) 生分解性が40ないし60%である、
を有する請求項10記載の方法。
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