JP5097204B2 - カラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法 - Google Patents

カラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5097204B2
JP5097204B2 JP2009520512A JP2009520512A JP5097204B2 JP 5097204 B2 JP5097204 B2 JP 5097204B2 JP 2009520512 A JP2009520512 A JP 2009520512A JP 2009520512 A JP2009520512 A JP 2009520512A JP 5097204 B2 JP5097204 B2 JP 5097204B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
column
chip
suction
processing
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009520512A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008156113A1 (ja
Inventor
秀二 田島
修 瀬川
昌也 辻村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Universal Bio Research Co Ltd
Original Assignee
Universal Bio Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Universal Bio Research Co Ltd filed Critical Universal Bio Research Co Ltd
Priority to JP2009520512A priority Critical patent/JP5097204B2/ja
Publication of JPWO2008156113A1 publication Critical patent/JPWO2008156113A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5097204B2 publication Critical patent/JP5097204B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/10Devices for transferring samples or any liquids to, in, or from, the analysis apparatus, e.g. suction devices, injection devices
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/28Preparing specimens for investigation including physical details of (bio-)chemical methods covered elsewhere, e.g. G01N33/50, C12Q
    • G01N1/40Concentrating samples
    • G01N1/405Concentrating samples by adsorption or absorption
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/60Construction of the column
    • G01N30/6034Construction of the column joining multiple columns
    • G01N30/6043Construction of the column joining multiple columns in parallel
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/60Construction of the column
    • G01N30/6091Cartridges
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/10Devices for transferring samples or any liquids to, in, or from, the analysis apparatus, e.g. suction devices, injection devices
    • G01N2035/1027General features of the devices
    • G01N2035/1048General features of the devices using the transfer device for another function
    • G01N2035/1053General features of the devices using the transfer device for another function for separating part of the liquid, e.g. filters, extraction phase

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)

Description

本発明は、カラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法に関するものである。
従来、カラムと呼ばれる上下円盤の中央部に液体の取入口、取出口のついた円筒状の容器に、ゲルと呼ばれる粒子径10から数百ミクロンの粒子状充填剤を、均等かつ十分な液体との接触を意図して前記上下円盤に挟まれた空間に隙間なく充填して詰め、上下の液体取出口、取入口のいずれかの方向から液体をポンプ等により一方向に流す時の溶質分子とゲルとの間の相互作用を利用して物質、主としてタンパク質の分離・精製を行う液体クロマトグラフィの原理を用いた液体クロマトグラフがあった。現在、液体クロマトグラフィ用のゲルには、その表面構造に様々なものが市販されている。ゲル表面にイオン交換基がつけられたものは、イオン交換ゲルとしての機能をもち、溶質分子のイオン荷との相互作用を利用したイオン交換クロマトグラフィによる物質の分離が可能である。
例えば、液体クロマトグラフィを用いる場合、2または3液による容液の混合による濃度変化によるタンパク質の特異性、または性質で分離を行うものがあった。この方法は、充填剤をカラムに充填し、目的のタンパク質が吸着する親和性と緩衝液で平衡化しておき、同じ緩衝液に溶解した試料タンパク質容液をカラム内に通過させることで、前記充填剤に吸着させた後、ポンプ等によりカラム上部から濃度の異なる緩衝液を加えると、カラム内に濃度勾配が形成される。これに伴いカラム内の濃度勾配ができ、目的タンパク質の親和性に相当する濃度でタンパク質は親和力を失い前記充填剤から離れ溶出する。したがって、目的タンパク質の溶出濃度が不明の場合には、広い範囲の濃度勾配ができるような緩衝系を用いて、濃度勾配に応じて複数のウェルに分取した上で、紫外吸収検出器等で、その吸光度を測って絞り込み、その後狭い濃度勾配を作る緩衝系を用いるようにして目的タンパク質を抽出するものがあった。
しかしながら、従来の液体クロマトグラフィは、装置、緩衝液が高価であって、操作に試行錯誤と熟練を要するとともに、展開緩衝液の濃度と流速との影響を無視できないという問題点を有していた。
また、これらの従来のカラムにあっては、前記カラム内に詰められた粒子状充填剤内を液体を一方向に流すものであるために、液体が通過する際に、充填剤との遭遇性が高くなるように、充填剤をカラム内に隙間なく充填されており、液体と前記充填剤との接触時間は、前記カラムを通過するスピードのみで制御されることになる。しかしながら、ポンプによりそのスピードを制御するものであるために、処理対象となる目的物質を含有する液体を移送させるための移送媒体が必要となる。その量は、前記液体の何倍、何十倍、何百倍のバッファ液を必要とすることになり、充填剤表面との遭遇性が必ずしも高いとはいえないという問題点を有していた。
さらに、従来のカラムにあっては、ポンプによって一方向のみに流体を流すものであるために、充填剤がカラムの前記円盤に挟まれた空間に隙間なく充填されているために、該充填剤内を液体が通過する定まった経路ができやすく、一旦該経路が定まると、反応に寄与できない部分が生ずるおそれがあるという問題点をも有していた。
また、移動相の流速や、移動相の濃度等は微妙に関連しているため、決めの細かい制御を行う必要があるという問題点を有していた。
欧州特許198413 国際公開WO88/09201 「液体クロマトグラフィQ&A」(技報堂出版 2000年6月、松下至著) 「液体クロマトグラフィーの実際」(三共出版 1976年、江頭暁著)
そこで、本発明の第1の目的は、充填剤と処理対象となる液体との遭遇性を高めることによって反応の効率が高く、すなわち分離性能が高く、したがって迅速に処理を行うことができるカラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法を提供することである。また、本発明の第2の目的は、大量の移送媒体を必要とせず、したがって、小規模な装置で実現することができるカラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法を提供することである。本発明の第3の目的は、1の装置を用いて、カラムチップを用いた処理を一貫して自動的に行うことができるカラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法を提供することである。第4の目的は、液体クロマトグラフィについて、高精度の制御を行うことができカラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法を提供することである。
第1の発明は、1または複数連のノズルを有するノズルヘッドと、該ノズルを通して気体の吸引および吐出を行う吸引吐出機構と、前記ノズルに装着される装着用開口部および前記気体の吸引または吐出によって流体の流入または流出が可能な口部を有するチップ状容器、および該チップ状容器内に封入した充填剤を有する1または2種類以上のカラムチップと、前記口部が挿入可能であって種々の溶液を収容しまたは収容可能な複数の液収容部からなる液収容部群を設けたステージと、前記ノズルヘッドを前記液収容部群に相対的に移動させる移動手段とを有するとともに、前記ノズルに装着される1または2種類以上の前記カラムチップの構造に関する構造条件、および、前記カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液を含む処理内容に関する処理条件に基づいて、前記吸引吐出機構および前記移動手段に対して前記ノズルの吸引若しくは吐出の量、圧力、スピード、回数、時間または位置を制御する制御部を有するカラムチップ処理装置である。
ここで、「充填剤」とは、いわゆる移動相としての吸引または吐出の対象となる対象液に含有される生体物質を吸着若しくは捕獲させ、または反応若しくは結合させるために用いる不溶性固定相である。充填剤としては、例えば、所定の粒子状担体の表面に生体物質を有しまたは結合したものがある。
「担体」としては、流体中の生体物質を吸着、反応、結合、固定又は捕獲可能な不溶性の固体であって、その形状は、例えば、多数の粒子状、粉状、多数のブロック片状等の多数の固体からなる場合がある。1の粒子の形状も球状のみならず、角柱状、円柱状、不定形状の場合を含む。さらに、担体のサイズは、各種のサイズをもち、例えば、前記口部を通過可能であり、後述するフィルタのポア径よりも大きく形成される。担体の材料としては、ゴム、シリコーン、セルロース、ナイロン等の繊維物質や樹脂、非磁性粒子、磁性粒子等の金属等で形成された、ゲル、多孔質体、貫通性多孔質、含水性のものがある。該担体には、生体物質の吸着、反応結合、固定又は捕獲のための官能基等の化学物質又は生体物質が設けられている。該担体の表面に設けられているものとしては、例えば、抗原、抗体、酵素、基質、レセプター、His‐tag等のアフィニティリガンドや、アフィニティタグ等の物質等がある。
「生体物質」には、例えば、核酸等の遺伝物質、タンパク、糖、糖鎖、ペプチド、色素等の生体高分子または低分子を含む。また、生体物質として、細胞、ウィルス、プラスミド等を含む。該生体物質は、リガンドとして該生体物質に結合性を有する受容体としての生体物質の結合を検出し、捕獲し、分離し、抽出する検出用物質として用いることもできる。受容体としては、前記核酸等の遺伝物質、タンパク、糖鎖、ペプチド等の生体物質が該当する。また、「フィルタ」とは、所定のポア径をもつ薄膜状または薄板状の濾過または分離用部材であって、流路を仕切るように設けることで、前記ポア径以上の大きさの物質の通過を阻止する部材である。
「該生体物質を吸着もしくは捕獲させ、または該生体物質と反応もしくは結合する」は、例えば、共有結合、化学吸着による場合の他、物理吸着または電気的相互作用もしくは所定ポア径による捕獲による場合、または、前記担体に、所定の化学物質が化学的、物理的吸着、該担体に固定して設けられている結合物質との特異的反応、その他の方法で反応もしくは結合する。また、該担体を、多孔質性部材、凹凸性部材、繊維質性部材で形成することによって、生体物質を含む各種物質との反応能力や結合能力を高めるようにしても良い。生体物質との間の反応または結合のために、相補的な生体物質を担体に固定しておくためには、前記担体には、官能基を発現または生成するようにする。そのためには、例えば、「ポリアミド系高分子」からなる、絹等、ナイロン(3−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、7−ナイロン、12−ナイロン等)、PPTA(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)等の全芳香族ポリアミド、や、へテロ環含有芳香族ポリマー等が有するペプチド結合を加水分解することで、生体物質の固定に用いる官能基を発現または生成させる。生体物質と結合可能な官能基には、例えば、カルボキシル基-COOH、アミノ基-NH2、またはその誘導基がある。ここで、生体物質の固定に適した多孔の径は、例えば、数マイクロメートル以下である。
「ノズルに装着される」には、直接ノズルに装着される場合と、ノズルに装着される部材、例えば、チップまたはアダプタ等、に装着される場合とがある。「チップ」とは、太径管及び該太径管と連通し前記太径管よりも細く形成された細径管を有し、太径管には、ノズルに装着され又は装着可能な装着用開口部を有し、細径管には、気体の吸引吐出によって流体の流入および流出が可能な口部を有するものである。
「チップ状容器」とは、前記吸引吐出に用いられる部材に装着され又は装着可能な装着用開口部および口部を有し、担体を収容可能な容器である。チップ状容器は、太管および細管を有するのが好ましいが、太径管および細径管のような典型的なチップ形状をもつ場合に限られない。この場合、細管の先端に口部が、太管の上側に装着用開口部が設けられるのが好ましい。例えば、太管は太径管の代わりに、四角柱の形状をもつ物であっても良く、細管は細径管の代わりに角筒状の管であっても良い。または、前記太管は、軸方向に対して半径方向に突出した円盤状のように形成して、軸方向に沿った長さを小さくする湯尾に形成しても良い。さらに、前記充填剤は、例えば、前記太管に相当する部分または太管と細管との間の移行部に相当する部分に収容される。その際、前記太管に相当する部分に設けた段部と、該段部と離間して設けられ前記移行部に相当する部分の段部を利用して、前記フィルタを仕切るように設け、該フィルタに挟まれるようにして前記充填剤を封入するようにしても良い。前記チップ状容器の容積は、例えば、数μリットルから数100μリットル程度以上の流体を扱うことが可能であるのが好ましい。また、チップ状容器には、前記充填剤を封入して収容する部分とともに、前記口部から導入された流体を貯留する貯留管が設けられても良い。該貯留管としては、前記細管よりもまたは前記太管よりもさらに太く形成されるのが好ましい。細管は、前記太管または貯留管と一体に設ける場合と、着脱可能に設ける場合がある。また、太管自体について、または太管と貯留管との間も一体に設ける場合と、着脱自在に設ける場合がある。
チップ状容器の材料は、光学的観測を可能にするために透光性の素材が好ましい。チップ状容器の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル等の樹脂、ガラス、金属、金属化合物等がある。サイズは、例えば、細管において数μリットルから数100μリットルの液体を収容可能な大きさである。
「対象液」とは、前記カラムチップが吸引または吐出しようとする対象となる液体であって、例えば、目的生体物質を含有する液体、例えば、血清、全血等の患者、被験者、動物、その他から抽出分離された物質を含む検体であり、所定野タンパク質または、前記各液収容部に収容された、所定の濃度差を相互にもつ段階状の濃度勾配をもたせた複数の緩衝液群、または、前記カラムチップを洗浄するために用いる種々の洗浄液、前記充填剤に吸着、捕獲、反応または結合した目的物質を該充填剤から溶出するための溶出液等がある。
「構造条件」は、吸引吐出に関する設定を行うために必要なカラムチップの構造に関する条件であり、「処理条件」とは、吸引吐出の対象となる対象液を含み、カラムチップが行う処理に関する条件である。前記構造条件は、比較的複雑な構造をしているカラムチップを用いるために、複数の項目が含有されている。また、処理条件についても、対象液に関する複数の項目が含まれている。
「構造条件、および、処理条件に基づいて、…、前記ノズルの吸引若しくは吐出の量、圧力、スピード、回数、時間、または位置を制御する」とは、例えば、前記カラムチップ内に存在するフィルタ、メッシュ板等、または、チップ状容器に設けられた複数の段部の存在等の、液体の吸引吐出の際の抵抗となる要因が種々存在する。そのため、吸引吐出を、高精度で、実施するためには、弾性流体である空気の圧力差を利用する吸引吐出を制御する際に、吸引吐出の量、時間、スピード等に、前記構造条件および処理条件に基づく補正を行った適正な吸引吐出の制御を行う。例えば、前記充填剤の吸着性等が基準の吸着性に比較して弱い場合には、接触時間を長くして吸着等を促進するために、繰り返し充填剤を通過させる必要があり、吸引吐出回数が増加する。また、そのような場合には、比較的ゆっくりと吸引することによって吸着した目的生体物質の剥離を防止し、吸着性が高い場合には、高速に吸引して充填剤との懸濁状態を作る方が効率が高い場合がある。
さらに、処理条件に基づき、吸引吐出の対象となる対象液の性質、例えば、粘性、温度、量や処理内容を考慮することにより、さらに、吸引吐出の量、時間、スピードまたは圧力等の補正が必要となる。また、前記構造条件に含まれる充填剤とカラムチップの容量との比によって、空気の流入を防止するために吸引できる液量が制限されることになる。ここで、「時間」には、時刻やタイミングも含む。「位置」には、吸引吐出が行われる対象液の収容位置の他、吸引または吐出の高さ位置等も含む。
また、吸引吐出は、必ずしも液体を実際に吸引吐出する場合に限られず、その処理の各工程の内容に基づいて行われる場合がある。
例えば、カラムチップの保管状態において、充填剤の活性化維持用液体が充填剤と接触した状態で収容されている場合には、ノズル装着時に、開口部の空気層が,ノズル堆積分の陽圧となり、カラムチップ内の前記液体を、カラムチップの口部より飛散させることによるコンタミネーションのおそれを防止するために、装着時にノズル体積分の量の吸引動作を行う。
また、ノズルによるカラムチップ移送時には、口部よりの液垂れを防止するために、微量の吸引を行う。
第2の発明は、前記充填剤は、該チップ状容器を仕切るように設けた少なくとも1のフィルタを用いて該チップ状容器内に封入され、前記構造条件は、前記チップ状容器の構造、前記フィルタの構造、または封入された前記充填剤の形状若しくは種類、性質に関する複数の項目からなり、かつ、前記処理条件は、前記カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液の各収容位置、種類、性質若しくは量を含む処理内容に関する複数の項目からなるカラムチップ処理装置である。
「前記ノズルに装着される前記部材若しくは前記チップ状容器の構造」には、例えば、該チップ状容器が装着された1または2以上のノズルの位置、チップ状容器の形状、大きさを含む。「フィルタの構造」には、フィルタのポア径、ポアの密度、厚さ、流体の通過可能面積、開口率、フィルタの個数をも含む。「封入された充填剤の形状若しくは性質」には、例えば、充填剤が粒子状担体で形成されている場合には、その粒子径、前記カラムチップの容積または有効容積に対する全粒子の体積との比をも含む。「性質」には、例えば、該充填剤に用いられる素材、充填剤が目的生体物質を吸着等、捕獲、反応、結合するための吸着力、捕獲力、反応性、結合性等の強弱をも含む。「対象液の性質」には、例えば、対象液に含有する生体物質の濃度、対象液の粘性等も含む。前記フィルタの剛性が低い場合に、フィルタを支持するメッシュ板を設けた場合には、メッシュ板のポア径や厚さ等も考慮する場合がある。
なお、前記充填剤を構成するビーズ体積とチップ状容器の容積との比を種々に設定することによって、特に、充填剤の体積を、チップ状容器の容積内に詰まった上体ではなく、隙間を許容するような比に設定することによって、カラムチップ内に液体による乱流を発生させることができるようなスピードで吸引吐出を行うことにより、充填剤と対象液との接触を十分に図ることができて効率の高い処理を行うことができる。また、ポア径またはポアの面積当たりの個数を考慮することで適切な吸引吐出のスピードを決定することができる。
「処理内容」には、使用されるべき1または2種類以上のカラムチップの種類、使用されるべきその他のチップを、2種類以上の対象液について、処理目的を達成するためにどのように処理を行うかのプロトコルが含まれている。具体的には、例えば、カラムチップを用いたタンパク質の精製処理を行う場合、抗体を用いてタンパク質を精製処理する場合、組換えタンパク質精製の場合、血清中のメジャータンパク質除去の場合等の処理内容がある。
抗体を用いてタンパク質を精製する処理の場合には、前記充填剤としてはプロテインAまたはプロテインGなどのアフィニティゲルを封入したカラムチップを使用し、サンプルを該充填剤に吸着させた後、グリシン−塩酸バッファにより溶出し、ゲル濾過クロマトグラフィにより前記精製された抗体の脱塩または微量低分子夾雑物を除去する。
組換えタンパク質精製の場合には、GST融合タンパクやヒスチジン−タグ融合タンパクの精製には、抗GST抗体またはグルタチオン、およびニッケルイオンが固定化されたアフィニティゲルを封入したカラムチップを使用する。サンプルを吸着させた後、高塩濃度液または還元型グルタチオン液、およびイミダゾール液を用いて溶出し、ゲル濾過クロマトグラフィにより上記粗製融合タンパク質液から脱塩または低分子夾雑物を除去する。
血清中のメジャータンパク質の除去を行う場合には、メジャータンパク質に対する特異抗体(数種類)が固定化されたアフィニティゲルを封入したカラムチップを用いる。血清を平衡化したカラムチップ内に吸引吐出により特異抗体に結合させ、最後に吐出させ、メジャータンパク質を除去した血清成分を回収する。
第3の発明は、前記制御部は、前記カラムチップおよび該カラムチップを用いた処理を指定する指定部と、指定したカラムチップに関する構造条件、および指定した処理に関する処理条件を発生させる条件発生部と、発生させた該構造条件および処理条件に基づいて、前記吸引吐出機構および前記移動手段が従うべき最適パラメータを決定する最適パラメータ決定部とを有するカラムチップ処置装置である。
指定部は、例えば、ユーザが複数種類のカラムチップおよび複数の処理の中から各々1を選択するようなスイッチや画面上の表示をマウスでクリックし、またはキーボードで数字を入力すること等によって行う。指定部によって指定されたカラムチップおよび処理に基づいて、前記構造条件および処理条件が特定され、特定された該構造条件および処理条件に基づいて、例えば、演算等によって、最適パラメータが決定される。
第4の発明は、前記最適パラメータ決定部は、前記カラムチップ及び処理内容ごとに、発生させた対応する該構造条件および処理条件に基づき、吸引吐出機構に対する吸引吐出操作開始時点とカラムチップに対する液体の移動開始時点との時間差、および、吸引吐出操作量と該操作量達成後の液体のカラムチップに対する吸引吐出量とのオフセットを減少させるように、吸引吐出に関する最適パラメータを決定するカラムチップ処理装置である。
ここで、例えば、前記「時間差」は、吸引吐出機構、例えば、シリンダを操作して直ぐに液体はカラムチップ内には進入してこないからである。「オフセット」とは、吸引吐出機構の操作が完了し十分時間が経過した後も、実際の液体の吸引吐出量が前記吸引吐出機構の操作量との間に残る差異量をいう。したがって、希望する吸引吐出量に対して、吸引吐出操作量はオフセット液量分を加味することになる。また、吸引吐出スピードは、カラムチップ内の流体の抵抗が高い場合には、ゆっくり吸引することによって、前記時間差を小さくすることができる。さらに、吸引吐出スピードは、カラムチップ内の充填剤のリガンドと捕獲対象物質との反応力、反応時間を考慮して決定する。
なお、前記最適パラメータ決定部は、例えば、前記カラムチップ及び処理内容ごとに、発生させた対応する該構造条件および処理条件を考慮して予め求めた最適パラメータを対応付けた対応表に基づいて、前記最適パラメータを決定するようにしても良い。
対応表は、例えば、指定したカラムチップおよび処理内容ごとに設け、該対応表により得られた構造条件および処理条件に基づいて、さらに最適パラメータを示す対応表を設けて、メモリに格納しておく。すなわち、本発明にあっては、予め、任意のカラムチップの構造に関して、各構造条件および処理条件の各項目の多価関数として前記吸引吐出の各最適パラメータを、数値計算によって関数値として求めるのではなく、予め、各構造条件および処理条件を設定した場合の、最適な吸引吐出のパラメータを実験で特定し、前記条件に対する最適パラメータを導き出す。
なお、「構造条件および処理条件」に基づくのであるから、例えば、該構造条件に属する前記充填剤の性質および前記処理条件に属する対象液に含有する物質との反応内容に基づく場合も含まれる。
第5の発明は、前記最適パラメータ決定手段は、予め定めた1または2以上の基準のカラムチップおよび基準の処理内容に対応する前記構造条件の複数の項目の内の少なくとも一部を1または2以上の基準値に設定した基準構造条件、および、前記処理条件の複数の項目の内の少なくとも一部を1または2以上の基準値に設定した基準処理条件に基づいて、基準構造条件および基準処理条件以外の構造条件および処理条件に対応する最適パラメータを決定するカラムチップ処理装置である。
予め定めた1または複数種類の基準のカラムチップに関して、前記基準の構造条件および基準の処理条件を測定しまたは定めておいて、該基準の構造条件および基準の処理条件に基づき基準の最適パラメータを実験等によって求めておく。これを基準にして、任意のカラムチップについて、基準値との大小の比較によって、最適パラメータ値を変更し、または補間法を用いて算出することによってその最適パラメータを決定する。
ここで、「複数種類の基準のカラムチップ」としては、例えば、複数種類の異なるタイプのカラムチップを定め、各タイプごとに対応表を作成し、任意のカラムチップについては、そのカラムチップに近いタイプのカラムチップを指定することによって行う。
第6の発明は、前記ステージには、外部からの信号によって温度を昇降させる温度昇降用容器を有し、前記液収容部の少なくとも1は、該温度昇降用容器内に収容され、前記対象液の温度の制御は、前記処理条件に基づいて、前記移動手段に対して行うカラムチップ処理装置である。
ここで、温度の制御は、ステージ上に設けられた該温度昇降用容器に前記ノズルを移動させることによって行う。
第7の発明は、前記ステージ上には、1または2種類以上の前記カラムチップ、ノズルに装着可能な装着用開口部をもつ1のフィルタチップまたは1の分注チップと、該ノズルに装着したカラムチップ、フィルタチップまたは分注チップを脱着するための脱着部とを有するとともに、前記制御部は、前記カラムチップ、フィルタチップまたは分注チップの装着、脱着の制御を、前記構造条件および処理条件に基づいて前記吸引吐出機構および前記移動手段に対して行うカラムチップ処理装置である。
ここで、「2種類以上のカラムチップ」としては、充填剤が異なる場合、フィルタが異なる場合、チップ状容器の形状が異なる場合、充填剤が同一でもそのカラムチップの容量との比が異なる場合等がある。例えば、塩濃度を加えてタンパク質を吸着させるアフィニティクロマトグラフィ用のカラムチップ、脱塩を行うためのアガロースゲルが封入されたカラムチップである。「フィルタチップ」とは、チップ状容器にフィルタが該装着用開口部と口部との間を仕切るように設けられているものである。「分注チップ」とは、外部から磁場を内部に及ぼすことができるようなチップ状容器である。分注チップを用いる場合には、前記ノズルヘッドには、分注チップ内に磁場を及ぼすことができるような磁力手段を設ける必要がある。
第8の発明は、前記液収容部群の少なくとも一部は、該液収容部の開口部を被覆する穿孔可能な薄膜が設けられるとともに、前記ノズルヘッドには、該薄膜を穿孔可能な穿孔用ピンを有するとともに、該薄膜の穿孔の制御は、前記処理条件に基づいて、移動手段に対して行うカラムチップ処理装置である。
第9の発明は、前記ノズルヘッドには、前記ノズルに装着した前記カラムチップのチップ状容器と係合することによってノズルからの脱落を防止する脱落防止部を有し、該脱落防止部による脱落防止およびその解除の制御は、前記構造条件および前記処理条件に基づいて、前記移動手段に対して行うカラムチップ処理装置である。
ここで、脱落防止部は、前記カラムチップのチップ状容器と係合するので、同一のチップ状容器を用いれば、内部に充填剤が封入されていない分注チップや、フィルタノズルにも適用することができる。脱落防止部による脱落防止、およびその解除を移動手段による移動制御によって達成する。
第10の発明は、吸引吐出機構によって気体の吸引吐出が行われる1または複数連のノズルに装着される装着用開口部および前記気体の吸引または吐出によって流体の流入または流出が可能な口部を有するチップ状容器、および該チップ状容器内に封入した充填剤を有する1または2種類以上のカラムチップの構造条件、および、該カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液を含む処理内容に関する処理条件に基づいて、前記ノズルを、収容された前記カラムチップの収容部との間を相対的に移動することによって前記装着用開口部においてカラムチップを前記ノズルに装着させる装着工程と、前記対象液を収容する1または2以上の液収容部と前記ノズルとの間を相対的に移動させて前記口部を該液収容部内に挿入して、前記条件に基づいて決定された前記ノズルの吸引若しくは吐出の量、圧力、スピード、回数、時間、または位置により、前記対象液を吸引しかつ吐出させることで前記充填剤と前記対象液とを接触させる接触工程と、該カラムチップから、前記対象液を1または2以上の前記液収容部に吐出する吐出工程とを有するカラムチップ処理方法である。
前記カラムチップに充填剤とともに充填剤の活性化維持のための液体が上側の蓋および下側のキャップにより各々装着用開口部と口部とが除去可能に閉塞されて開封可能に封入されている場合には、装着工程の後に、キャップを除去する工程を有する。
第11の発明は、前記充填剤は、該チップ状容器を仕切るように設けた少なくとも1のフィルタを用いて該チップ状容器内に封入され、前記構造条件は、前記ノズルに装着される前記部材若しくは前記チップ状容器の構造、前記フィルタの構造、または封入された前記充填剤の形状若しくは性質に関する複数の項目からなり、前記処理条件は、前記カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2以上の対象液の各収容位置、性質若しくは量を含む処理内容に関する複数の項目からなるカラムチップ処理方法である。
第12の発明は、装着すべきカラムチップおよび処理すべき処理内容を指定する指定工程と、指定したカラムチップに対応する構造条件を発生させ、指定した処理内容に対応する処理条件を発生させる発生工程とをさらに有し、前記接触工程は、発生させた前記構造条件および処理条件に基づいて最適パラメータを決定する最適パラメータ決定工程と、決定した最適パラメータに基づいて、前記ノズルを移動させ、かつ吸引吐出させる接触実行工程とを有するカラムチップ処理方法である。
第13の発明は、前記最適パラメータ決定工程は、前記カラムチップおよび処理内容ごとに、発生させた対応する該構造条件および処理条件に基づいて、吸引吐出機構に対する吸引吐出操作開始時点とカラムチップに対する液体の移動開始時間との時間差、吸引吐出操作量と該操作量達成後の液体のカラムチップに対する吸引吐出量とのオフセット、および充填剤と対象液に含有する物質との反応内容を考慮して、吸引吐出に関する完了時の吸引吐出目標量と、操作終了後の液体のカラムチップに対する吸引吐出量との差異を補正するように、吸引吐出パラメータを決定するカラムチップ処理方法である。
第14の発明は、前記最適パラメータ決定工程は、予め定めた基準のカラムチップおよび基準の処理内容に対応して発生させた前記構造条件の複数の項目の内の少なくとも一部について1又は2以上の基準値が設定された基準構造条件、および、前記処理条件の複数の項目の内の少なくとも一部について1又は2以上の基準値に設定された基準処理条件に基づいて、前記基準のカラムチップおよび処理内容以外について、基準構造条件および基準処理条件以外の構造条件および処理条件に対応する最適パラメータを決定するカラムチップ処理方法である。
第15の発明は、前記吐出工程の後に、前記カラムチップ内に、対象液として洗浄液を吸引しまたは吐出することによって、該カラムチップ内に封入されている充填剤を洗浄する工程と、前記カラムチップ内に、溶出液を導入して、前記充填剤に吸着し、捕獲させ、反応しまたは結合した前記処理対象液中の生体物質を溶出する溶出工程とを有するカラムチップ処理方法である。
第16の発明は、前記接触工程においては、前記対象液の温度を、前記処理条件に基づいて、昇降させる温度昇降工程を有し、該温度の昇降は前記ノズルとステージ上に設けた温度昇降用容器との間の相対的な移動によって行うカラムチップ処理方法である。
第17の発明は、前記ノズルに装着されたカラムチップを脱着する脱着工程をさらに有し、該脱着工程は、前記構造条件および処理条件に基づいて、ステージ上に設けた脱着部と前記ノズルとの間の相対的な移動によって行うカラムチップ処理方法である。
なお、装着工程の際に、前記カラムチップに対してノズルからの脱落防止のために、例えば、爪状や櫛歯状の脱落防止部材を前記カラムチップの突条や段部と係合させることでノズルからの落下を防止する工程を有する場合には、脱着工程の前には、前記係合を解いて、該脱落防止を解除する工程を経る必要がある。該脱落防止を解除するには、例えば、前記ノズルを移動させることによって行うようにする。
第18の発明は、前記脱着工程の後、ステージ上に収容された少なくとも1の別種類の前記カラムチップ、1の前記ノズルに装着可能なフィルタチップまたは分注チップのノズルへの装着を、前記構造条件または処理条件に基づいて、前記ノズルと該カラムチップ、フィルタチップまたは分注チップが収容された収容部との間の相対的移動によって行うカラムチップ処理方法である。
第19の発明は、1または複数連のノズルを有するノズルヘッドと、該ノズルを通して気体の吸引および吐出を行う吸引吐出機構と、前記ノズルに装着される装着用開口部および前記気体の吸引または吐出によって流体の流入または流出が可能な口部を有するチップ状容器、および該チップ状容器内に封入した充填剤を有する1または2種類以上のカラムチップと、前記口部が挿入可能であって種々の溶液を収容しまたは収容可能な液収容部群を設けたステージと、前記ノズルヘッドを前記液収容部群に相対的に移動させる移動手段とを有するカラムチップ処理装置について、前記ノズルに装着される1または2種類以上のカラムチップ、および該カラムチップを用いて行う処理を指定する指定データを取り入れ、前記指定データに基づいて、対応するカラムチップの構造に関する構造条件データ、および、対応する処理に含まれる前記カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液を含む処理内容に関する処理条件データを発生させ、発生させた該条件に基づいて、前記吸引吐出機構および前記移動手段に対する前記ノズルの吸引若しくは吐出の量、圧力、スピード、回数、時間、または位置を定める最適パラメータデータを決定する最適パラメータ生成プログラムである。
第20の発明は、前記充填剤は、該チップ状容器を仕切るように設けた少なくとも1のフィルタを用いて該チップ状容器内に封入され、前記構造条件データは、前記ノズルに装着される前記部材若しくは前記チップ状容器の構造、前記フィルタの構造、または封入された前記充填剤の形状若しくは性質に関する複数の項目からなり、かつ、前記処理条件データは、前記カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液の各収容位置、性質若しくは量を含む処理内容に関する複数の項目からなる最適パラメータ生成プログラムである。
第21の発明は、前記最適パラメータの決定は、前記カラムチップおよび処理内容ごとに、発生させた対応する該構造条件データおよび処理条件データに基づいて、吸引吐出機構に対する吸引吐出操作開始時点とカラムチップに対する液体の移動開始時点との時間差、吸引吐出操作量と該操作量達成後の液体のカラムチップに対する吸引吐出量とのオフセット、および充填剤と対象液に含有する物質との反応内容を考慮して、吸引吐出パラメータを操作開始時点とカラムチップに対する得きた意の移動開始時間との時間差、吸引吐出操作量と該吸引吐出量達成後の液体のカラムチップに対する吸引吐出量とのオフセット、および充填剤と対象液に含有する物質との反応内容を考慮して、吸引吐出に関する最適パラメータデータを決定する最適パラメータ生成プログラムである。
第22の発明は、1または複数連のノズルを有するノズルヘッドと、該ノズルを通して気体の吸引および吐出を行う吸引吐出機構と、前記ノズルに装着されまたは装着可能な装着用開口部および前記気体の吸引または吐出によって流体の流入または流出が可能な口部を有するチップ状容器で形成され、充填剤が該チップ状容器内に封入された1または2種類以上の前記カラムチップ、または、前記チップ状容器で形成され内部に前記装着用開口部と前記口部との間を仕切るように設けたフィルタを有する1または2種類以上のフィルタチップと、前記口部が挿入可能であって種々の溶液を収容しまたは収容可能な複数の液収容部および前記カラムチップまたはフィルタチップを収容可能なチップ収容部群を設けたステージと、前記ノズルヘッドを前記液収容部群に相対的に移動させる移動手段と、該ノズルに装着した前記カラムチップまたはフィルタチップを脱着するための脱着部と、前記カラムチップまたはフィルタチップの装着、脱着の制御を、該カラムチップまたはフィルタチップに関する処理条件に基づいて前記吸引吐出機構および前記移動手段に対して行うカラムチップ処理装置である。
第23の発明は、前記チップ状容器で形成され、内部に及ぼされた磁場によって内壁に磁性粒子を吸着可能な1または2種類以上の分注チップと、前記ノズルヘッドに設けられ、装着された前記分注チップ内に磁場を及ぼしかつ除去することが可能な磁力手段とを有し、前記ステージに設けた前記チップ収容部群には前記分注チップが収容可能であり、前記脱着部は、前記分注チップを脱着可能であり、前記制御部は、前記分注チップの装着、脱着の制御を、前記分注チップに関する処理条件に基づいて前記吸引吐出機構および前記移動手段に対して行うカラムチップ処理装置である。
第24の発明は、前記1または2種類以上の前記カラムチップは、ゲル濾過カラムチップ、またはアフィニティカラムチップを有するカラムチップ処理装置である。
ここで、「ゲル濾過カラムチップ」とは、カラムチップの内、封入されている充填剤がセファデックス、セファクリル等のゲル濾過クロマトグラフィ用ゲルを封入したチップをいい、カラムチップの装着用開口部から処理対象液を導入して、重力または、加圧により対象液を充填剤を通過させてカラムチップ外に液体を吐出することで処理を行うものである。1枚のフィルタのみが充填剤の下側に設けられている。「アフィニティカラムチップ」とは、抗体、抗原、ニッケル、グルタチオン等の目的生体物質に特異的に反応する物質が結合したアフィニティクロマト用ゲルを封入したチップをいう。
第25の発明は、前記ノズルヘッドには、前記ノズルに装着した前記カラムチップのチップ状容器と係合することによってノズルからの脱落を防止する脱落防止部を有し、該脱落防止部による脱落防止およびその解除の制御は、前記処理条件に基づいて、前記移動手段に対して行うカラムチップ処理装置である。
第26の発明は、吸引吐出機構によって気体の吸引吐出が行われる1または複数連のノズルに装着される装着用開口部および前記気体の吸引または吐出によって流体の流入または流出が可能な口部を有するチップ状容器、および該チップ状容器内に封入した充填剤を有する1または2種類以上のカラムチップ、または、前記チップ状容器、および装着用開口部と口部との間を仕切るように設けたフィルタを有する1または2種類以上のフィルタチップ、をステージ上に収容し、該カラムチップまたはフィルタチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液を含む処理内容に関する処理条件に基づいて、前記ノズルを、収容された前記カラムチップまたはフィルタチップの収容部との間を相対的に移動することによって前記装着用開口部においてカラムチップまたはフィルタチップを前記ノズルに装着する装着工程と、前記対象液を収容する1または2以上の液収容部と前記ノズルとの間を相対的に移動させて前記口部を液収容部内に挿入して前記対象液を吸引しかつ吐出させる吸引吐出工程と、前記ノズルに装着されたカラムチップまたはフィルタチップを脱着する脱着工程と、ステージ上に収容された少なくとも1の別種類の前記カラムチップ、または1の前記フィルタチップのノズルへの装着を、前記ノズルと該カラムチップまたはフィルタチップが収容された収容部との間の相対的移動によって行う再装着工程とを有するカラムチップ処理方法である。
第27の発明は、前記ステージ上には、チップ状容器で形成され、内部に及ぼされた磁場によって内壁に磁性粒子を吸着可能な1または2種類以上の分注チップを収容し、前記処理条件は、分注チップの吸引吐出対象となる1または2種類以上の対象液を含む処理内容に関し、前記装着工程は、分注チップを前記ノズルに装着する工程を含み、前記吸引吐出工程は、磁力を前記分注チップ内に及ぼした状態で前記対象液を吸引吐出する工程を含み、前記脱着工程は、前記ノズルに装着された分注チップを脱着する工程を含み、前記再装着工程は、前記分注チップのノズルへの装着を、前記ノズルと前記分注チップが収容された収容部との間の相対的移動によって行うカラムチップ処理方法である。
第28の発明は、前記1または2種類以上の前記カラムチップは、ゲル濾過カラムチップまたはアフィニティカラムチップを有するカラムチップ処理装置である。
第29の発明は、1または複数連のノズルを有するノズルヘッドと、該ノズルを通して気体の吸引および吐出を行う吸引吐出機構と、前記ノズルに装着されまたは装着可能な装着用開口部、および前記気体の吸引または吐出によって流体の流入または流出が可能な口部を有するチップ状容器で形成され、充填剤が該チップ状容器内に封入された1または2以上の前記カラムチップと、前記口部が挿入可能であって種々の溶液を収容しまたは収容可能な複数の液収容部群を設けたステージと、前記ノズルヘッドを前記液収容部群に相対的に移動させる移動手段とを有するとともに、前記液収容部群には、所定の塩に関して、所定の濃度勾配に沿って、相互に所定の濃度差をもって配列された複数の異なる濃度をもつバッファ液を収容したカラムチップ処理装置である。「配列」には、例えば、マトリクス状または一列状がある。
第30の発明は、前記ステージには、前記カラムチップ、および、分注チップが収容され、前記ノズルから装着した分注チップまたはカラムチップを脱着する脱着部を有するカラムチップ処理装置である。
第31の発明は、吸引吐出機構によって気体の吸引吐出が行われる1または複数連のノズルに装着される装着用開口部および前記気体の吸引または吐出によって流体の流入または流出が可能な口部を有するチップ状容器、および該チップ状容器内に封入した充填剤を有する1または2以上のカラムチップについて、目的の生体物質を含有する対象液を吸引吐出することによって前記充填剤に前記目的の生体物質を吸着させる吸着工程と、前記2以上のカラムチップ、の吸引吐出の対象となる対象液として、所定の塩に関して、所定の濃度勾配に沿って、相互に所定の濃度差を持って配列された複数の異なる濃度を各々持つバッファ液を収容し、1または2以上の該収容部に対して前記1または2以上のカラムチップを挿入して吸引吐出により前記バッファ液と前記充填剤とを接触させる接触工程とを有するカラムチップ処理方法である。
第32の発明は、前記バッファ液の生成および収容は、前記ノズルに装着した分注チップを用いて行うカラムチップ処理方法である。
第1の発明、第10の発明、または第19の発明によれば、1または2種類以上のカラムチップに対して、カラムチップの構造に関するカラムチップ構造条件、および吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液を含む処理内容に関する処理条件に基づいて、前記ノズルの吸引若しくは吐出についての量、圧力、スピード等を決定する。これによって、各種類の充填剤が封入された複雑な構造をもつカラムチップに対して最適な吸引および吐出態様で、前記対象液と前記充填剤とを接触させて、効率の高い迅速な処理を行うことができる。また、大量のバッファ液からなる移動媒体を必要とせずに、目的生体物質を希釈化することなく、対象液のみの少量の液量で吸引および吐出を行うことで、高い効率でしかも小規模な装置で実行することができる。
また、構造条件および処理条件に基づいて、カラムチップのノズルへの装着から、カラムチップの最適な選択、および必要な対象液の選択、および収容している位置への移動、最適な吸引吐出について、人手をかけることなく一貫して処理することができる。
第2の発明、第11の発明または第20の発明によれば、カラムチップに関する構造条件として、チップ状容器の構造、フィルタの構造または充填剤の形状若しくは性質を考慮することによって、さらに、対象液の性質、や量を考慮することで、液体の吸引吐出の抵抗となる要素を取り入れることによって、最適な吸引吐出の圧力またはスピードまたは回数または時間を制御することができる。
第3の発明、第12の発明または第19の発明によれば、指定したカラムチップ、および指定した処理内容に対応する構造条件および処理条件を発生させ、該構造条件および処理条件に基づいて最適パラメータを決定するようにしている。したがって、ユーザは、カラムチップおよび処理を指定するだけで、指定したカラムチップに関する種々の構造上の条件、および、処理上の種々の条件を自動的に考慮されることになり、容易に最適なパラメータを得ることができる。
第4の発明、第13の発明、または第21の発明によれば、吸引吐出操作の際に発生する、操作指示と液体の移動開始時間との間の時間差、吸引吐出操作量と、該操作量達成後の液体のカラムチップに対するオフセットに基づいて最適パラメータを決定するようにしているので、最適パラメータを迅速かつ容易に得るとともに、対応表を差し替えることで容易に種々の場合に対応することができる。
第5の発明、または第14の発明によれば予め定めた基準のカラムチップおよび基準の処理内容に対応する基準構造条件および基準処理条件を定めることによって、それ以外の構造条件および処理条件に関する最適パラメータを容易に得ることができる。簡単な構成で、種々のカラムチップや処理に適用できるので、汎用性が高い。
第6の発明または第16の発明によれば、前記充填剤と接触すべき対象液の温度の制御を、処理条件に基づいて、温度昇降用容器に対する移動により行うことにより、温度制御と吸引吐出とを独立に並行して行うことが可能であり、吸引吐出を最適な温度で実行することができる。また、温度制御を移動により行うことができるので制御が容易である。
第7の発明または第17の発明によれば、ノズルに装着したカラムチップの脱着部を設けることによって、1の装置で、複数種類のカラムチップ、フィルタチップまたは分注チップを順次取り替えて、または同時に組み合わせて用いることができるので、多様な処理を一貫して自動的に行うことができる。
第8の発明によれば、予め必要な試薬をプレパック容器に用意することによって、必要な試薬を、必要な場合に、最善の信頼性の高い状態で、かつ、ノズルの移動のみで容易に、迅速かつ効率的に取り扱うことができる。
第9の発明によれば、ノズルに装着したカラムチップのチップ状容器と係合することによって、カラムチップのノズルからの脱落を防止する。したがって、前記カラムチップに対して、吐出の際に、充填剤やフィルタの存在のために高い圧力をかけることが可能となり、種々のカラムチップやフィルタチップ等に適用することができる。また、脱落防止の解除を移動手段の移動によって、容易にかつ自動的に行うことができる。そのため、カラムチップ等の脱着を可能にし、種々のカラムフィルタやその他のチップを取り替えてまたは組み合わせて用いることができる。
第15の発明によれば、充填剤を洗浄する工程と、充填剤に吸着等した生体物質を溶出することにより、吸引吐出を繰り返すことによって充填剤に吸着等しなかった夾雑物を確実に除去することができ、吸引吐出を繰り返すことで、充填剤に吸着等した生体物質のみを確実に効率よく回収することができる。
第22の発明または第26の発明によれば、ノズルに装着したカラムチップまたはフィルタチップを脱着してさらに別種のチップを装着して処理を行うことができるので、1の装置で、複数種類のカラムチップまたはフィルタチップを順次取り替えて、または同時に組み合わせて用いて、多様な処理を一貫して自動的に行うことができる。
第23の発明または第25の発明によれば、さらに装着した分注チップを脱着してさらに別種のチップを装着し、または別種のチップを脱着氏分注チップを装着して処理を行うことができるので、1の装置で、分注チップを含む複数種類のチップを順次取り替えて、または同時に組み合わせて用いて、磁場による吸着を含め多様な処理を一貫して自動的に行うことができる。
第24の発明または第27の発明によれば、カラムチップに前記種類を用いることによって、例えば、分注チップとゲル濾過カラムチップを用いることで、磁性粒子による融合タンパク質精製とゲル濾過カラムチップによるタンパク質解析の前処理を一貫して行うことができる。また、アフィニティカラムチップと、ゲル濾過カラムチップと分注チップとを組み合わせることによって、アフィニティカラムチップを用いてメジャータンパク質を除去して、有用タンパク質を抽出することを一貫して行うことができる。アフィニティカラムチップ、ゲル濾過用のカラムチップおよびフィルタチップとを組み合わせることによって、タンパク質解析用サンプルの前処理を一貫して行うことができる。
第29の発明または第31の発明によれば、従来のように、時間的な濃度変化を生み出して、タンパク質の特異性、性質で分離を行うのではなく、予め、該濃度勾配に沿った、相互に濃度差を持つ複数の緩衝液の組を液収容部内に収容しておき、前記カラムチップを該液収容部間を移動させることによって、または、複数のカラムチップを一斉に前記液収容部内に挿入させることによって、またはこれらの組み合わせによって、希望する濃度差で、高精度に、かつ確実に、目的生体物質の溶出が行われる濃度を特定することができる。
第30の発明または第32の発明によれば、前記濃度勾配に沿った、相互に濃度差をもつ複数の緩衝液の組を、同一の装置のノズルに分注チップを装着することによって行うことができるので、処理を一貫して、かつ容易に行うことができる。
本発明の第1の実施の形態に係るカラムチップ処理装置10を、図1乃至図3に基づいて説明する。
該カラムチップ処理装置10は、気体の吸引吐出を行う吸引吐出機構16を有し、後述するカラムチップ12が装着され、該カラムチップ12に対して気体の吸引吐出処理を行うようにY軸方向に沿った1列状に配列された複数連(この例では12連)のノズル14を有するノズルヘッド15と、前記カラムチップ12内に吸引しまたはカラムチップ12から吐出されるべき種々の検体や試薬等を含有する溶液を収容する種々の液収容部または前記カラムチップ12を含む種々のカラムチップを収容するチップ収容部61を行列状に配列した収容部群20を有するステージ13と、前記ノズルヘッド15と前記収容部群20との間を水平方向(この例では、X軸方向)および垂直方向(Z軸方向)に相対的に移動するための移動手段としての移動機構97と、カラムチップおよび処理内容を指定し、種々のデータを入力するための操作パネル24および蓋付ICカード差込口30と、前記ステージ13上に設けられ、前記カラムチップ12を前記ノズル14から脱着するための脱着部としての脱着用板42と、前記カラムチップこれらの各構成部品を外部から操作可能となるように収納したケース22と、を有している。ここで、前記X軸、Y軸、Z軸は3次元の直交座標系をなす。前記操作パネル24および蓋付ICカード差込口30は、図示しない情報処理部とともに制御部を構成する。
前記操作パネル24には、液晶ディスプレイ28と、入力用のキーボード26が設けられている。前記ノズルヘッド15には、該ノズル14に分注チップ(110、図8参照)を装着した場合に、該分注チップ内に磁力を及ぼすための磁力手段としての12個の磁石が前記ノズル14の配列間隔で長手方向(図面上Y軸方向)に沿って伸びる棒状部材に配列されて前後方向(図面上X軸方向)に沿って前記分注チップに対して接離可能に設けられている。
符号33から38,40、44,46は、後述するように、前記ノズル14に嵌合して装着された前記カラムチップ12の該ノズル14からの脱落を防止し、またはその脱落防止を解除するための脱落防止部であって、Z軸方向に移動可能なノズルヘッド15と連動するように設けられている。該脱落防止部は、カラムチップ12は、内部に充填剤、フィルタ等の流体の抵抗となる構造を有するために、カラムチップ12に対して吸引吐出機構による大きな圧力を加える必要があるために設けられた。前記ステージ13上には、前記収容部群20を両側から挟むようにX軸方向に沿って伸びる2枚の壁板21が設けられている。なお、符号29は、後方に設けたP軸モータ49等を隠すための目隠し板である。
図2は、前記カラムチップ処理装置10に収納されているノズルヘッド15を含む主要部の側面図を示すものである。
該ノズルヘッド15の12本のノズル14は、ノズル支持部材54によってその長手方向に沿って配列された状態で支持されている。該各ノズル14の上方には、該ノズル14と連通するシリンダ47が12本設けられ、該シリンダ47内には、プランジャ43が軸方向に沿って各々摺動可能に設けられ、該プランジャ43の上端の頭部51は、前記ノズルヘッド15に設けられたZ軸移動体27に支持されるように設けた吸引吐出用の前記P軸モータ49により上下方向駆動される駆動板45の上側に突き抜けた状態で該駆動板45に固定支持されている。該駆動板45には、12本の六角柱状の六角支柱50が、前記プランジャ43がY軸方向に沿って配列されたプランジャ列からX軸方向に沿って所定距離離れた位置であって、かつ前記プランジャ43と同一の配列間隔でY軸方向に沿って配列されかつ下方に伸びるように取り付けられている。該六角支柱50の下端には、プレパック等の薄膜を穿孔するための穿孔用針48が下方向に突設されている。
前記駆動板45は、前記カラムチップ処理装置10の固定されたケース22に対してZ軸方向(上下方向)に沿って移動可能に支持されたノズルヘッド15の前記Z軸移動体27に支持されるように設けられた吸引吐出用の前記P軸モータ49によってカップラー49aを介して回転駆動されるボール螺子19に螺合し、該ボール螺子19の回転によって上下動するナット部17に固定されている。該ボール螺子19は、前記Z軸移動体27に対してベアリング等によって軸支されている。該Z軸移動体27は、前記ケース22に対して固定して設けられたZ軸移動体支持台81によって案内されてZ軸方向に沿って移動可能に設けられている。該Z軸移動体支持台81の上側には、Z軸モータ77が設けられ、前記Z軸移動体27に固定して設けられたナット部と螺合するボール螺子とカップラー77aを介して連結して該Z軸移動体27を上下動させる。また、前記ステージ13は、前述したように設定したX軸方向に沿って移動可能に設けたX軸移動体94の上側に形成されている。前記ケース22のベース92にはX軸方向に沿って直動レール93が敷設され、前記X軸移動体94の下側には、複数のボールが転動可能かつ循環可能に保持された直動ガイド95a,95bが設けられ、前記直動レール93に案内されて円滑に移動可能である。ここで、前記Z軸移動体27、Z軸移動体支持台81、X軸移動体94、およびレール93等は前記移動機構97に相当する。
該駆動板45には、図示しない垂直方向に伸びる光遮蔽板が設けられ、前記駆動板45がプランジャ43の上限位置に達した場合には、前記ケース22に固定して設けられた発光素子からの光を遮断して受光素子に到達しないようにする。
前記各シリンダ47の下方には、ノズルは通過可能であるが、カラムチップ12または分注チップ110(図8参照)が通過不能な大きさの孔(図示せず)が、前記ノズル支持部材54の下側に、該ノズル支持部材54の長手方向に沿って設けられた水平板54aが設けられている。該水平板54aの両端には、前記分注チップを脱着するための(カラムチップではない)前記水平板を支える管状の支柱52が各々設けられている。12本の前記シリンダ47は、その上端でシリンダ支持部材52aで固定され、そこから下方に伸びるように支持され、前記支柱52は、該シリンダ支持部材52aを貫通してその上側に突き抜けるようにして、支柱52の上端は、支柱支持管53によって固定して支持されている。前記12本の前記プランジャ43は、前記支柱支持管53を貫通し、独立に摺動可能である。前記シリンダ支持部材52aは、前記ノズルヘッド15と連動するように設けられている。
前記駆動板45は、気体の吸引吐出を行う場合、または、前記穿孔用針48を用いてプレパック等の薄膜を穿孔する場合には、前記プランジャ43を前記上限位置と前記支柱支持管53の上端との間を往復することによって行うが、前記駆動板45は、前記支柱支持管53の上端よりもさらに下降して下限位置にまで達することができる。その場合には、該駆動板45は、前記駆動板45は、前記支柱支持管53とともに下降し、それによって支柱52が押されて前記水平板が下降して、装着された分注チップ(カラムチップの場合には用いない)がノズル14からしごき落されることになる。なお、カラムチップ12をノズル14から脱着する場合については後述する。
図1および図2に基づいて、前記カラムチップ12の前記ノズル14からの脱落を防止する脱落防止部が有する機構について説明する。
該脱落防止部は、前記カラムチップ12とY軸方向に同一位置および同一の配列間隔(中心間距離)で配列された12個の略半円状の切欠き部(図示せず)を有する脱落防止部材35が水平ロッド33に回転可能に支持されている。該切欠き部の大きさは、前記カラムチップ12の太径管64の径よりもやや大きく、該カラムチップ12の突条74の厚みを考慮した外径よりも小さく形成した大きさであり、これによりカラムチップ12をその突条74部分で支えることが可能である。該水平ロッド33は、前記ノズルヘッド15と連動するように設けられており、該水平ロッド33は、前記ケース22に固定して設けられたガイドレールに沿って上下方向に移動可能に設けられている。該水平ロッド33は、水平ロッド33を回転可能かつX軸方向に微小距離移動可能となるような長円状の孔33aを貫通するようにロッド支持部材34に保持されている。該ロッド支持部材34は、2本のガイド部材36が、永久磁石で形成された係止ブロック41を貫通してその上側にまで伸び、その先端に磁性体で形成された上端部44が設けられている。上端部44には、前記係止ブロック41との間の磁力による密着状態を解除するためのつまみ44aが設けられている。前記脱落防止部材35が前記カラムチップ12と係合して、カラムチップの脱落を防止している状態では、図2に示すように、前記上端部44は係止ブロック41に磁力および自重により密着している。
前記脱落防止部材35には、前記カラムチップ12と接触する先端と前記水平ロッド33の中間には、該脱落防止部材35がピン31によって側面が略逆L字状の逆L字状部材37に軸支されている。該逆L字状部材37は、前記ノズル支持部材54と同様にY軸方向に沿って伸びるように形成された前記係止ブロック41を支持する係止ブロック支持部材38の両端に各々設けられている。該係止ブロック支持部材38の上側には、2本の上方に伸びるガイド部材40が、永久磁石で形成され、前記ノズルヘッドのZ軸移動体27に固定された係止水平棒39を貫通してその上側まで伸び、その先端に磁性体で形成された上端部46が設けられている。該上端部46にも、前記係止水平棒39との間の磁力による密着状態を解除するためのつまみ46aが設けられている。前記脱落防止部材35が前記カラムチップ12と係合して、カラムチップの脱落を防止している状態では、図2に示すように、前記上端部46は前記係止水平棒39に磁力および自重により密着している。
前記脱落防止部材35の前記カラムチップ12への係合状態、すなわち、脱落防止状態を解除するには、前記X軸移動体94をX軸方向に沿って移動させることによって、前記ノズルヘッド15をX軸方向に沿って相対的に移動させて前記壁板21の内、Z軸方向に他よりもやや高く形成された解除用壁部23の上方に来るように前記移動機構によって移動させた後、移動機構を用いてZ軸方向に沿って下方向に前記ノズルヘッド15を移動させる。すると、前記水平ロッド33が、前記解除用壁部23と接触し、さらに下げようとすると、該水平ロッド33が上向きに力を受けて前記ピン31を支点として回転し、前記脱落防止部材35の前記切欠き部が前記突条74から外れる。その際、上記水平ロッド33およびこれと結合する部分以外の部分はさらに下降しようとするために、該水平ロッド33と前記ロッド支持部材34およびガイド部材36を介して結合している前記上端部44が前記係止ブロック41より離れる。また、同時に、該水平ロッド33と逆L字状部材37およびガイド部材40を介して結合している前記上端部46が該係止水平棒39から離れて残留する。
一方、脱落防止を有効にするには、前記ノズルヘッド15の前記Z軸移動体27をZ軸方向に沿って上昇させることによって、前記水平ロッド33およびこれに連結している部分以外の部分がまず上昇し、前記上端部44が前記係止ブロック41とが自重および磁力で密着し、前記上端部46が前記係止水平棒39と磁力と自重によって密着し、同時に前記水平ロッド33が前記解除用壁部23から離れるために、前記脱落防止部材35が前記カラムチップ12の前記突条74の部分と係合して脱落防止が行われる。
図3は、前記カラムチップ処理装置10のステージ13を示すものである。該ステージ13上には、前記収容部群20としての所定の試薬溶液が予め収容され、薄膜によって被覆された複数の液収容部からなる12群の試薬プレパックカートリッジ58を有する試薬ラック55と、前記カラムチップ12、または分注チップを収容可能な12個の4列のチップ収容部61を有するチップラック18とを有する。
前記各試薬プレパックカートリッジ58には、複数の液収容部(この例では、10個)57、および加熱用のヒートブロック部56が設けられ、該ヒートブロック部56には、試薬用液収容部およびサンプルチューブが設けられている。また、各試薬プレパックカートリッジ58の両側には、所定高さを持つ隔壁25が設けられている。
前記チップラック18の内、下の2列分は、サンプルチューブ60が収容されている。また、上の1列分のチップ収容部の上方には、前記脱着部としての脱着用板42が設けられている。該脱着用板42は、前記ノズル14は通過可能であるが前記カラムチップ12または分注チップが通過不能な大きさの孔部59aと、該カラムチップ12の細径管66が通過可能で、それ以外の部分が通過不能な大きさの孔部59bとからなる12個の孔59が、前記ノズル14の配列間隔をもって脱着用板42に配列されている。
図4に基づいて、第1の実施の形態に係るカラムチップ12を説明する。
図4に示す該カラムチップ12の断面図は、前記カラムチップ処理装置10のノズル14に装着する前の状態を示す。
該カラムチップ12は、前記ノズル14または該ノズル14に装着される部材を介してノズル14に装着される装着用開口部71が上端に設けられ、流体の流入および流出が可能な口部69が下端に設けられたチップ状容器62を有する。該チップ状容器62は、前記装着用開口部71が設けられ、内部に充填剤68が封入された太径管64と、該太径管64よりも、細く形成され、前記口部69が先端に設けられた略円筒状の細径管66と、該太径管64と細径管66との間に形成された段差状の移行部73とを有する。前記太径管64には、その下側には、前記充填剤68が封入される充填剤収容部64aと、その上側は、該充填剤収容部64aよりも太く形成され液体を貯溜可能な貯溜部64bと、該充填剤収容部64aと前記貯溜部64bとの間に形成された段部63とを有する。また、前記太径管64の外側面の上部には、軸方向に沿って設けた複数本の突条74が設けられて、前述したように脱落防止部材35による支持に用いられる。前記充填剤68(例えば、数十μmから100μm)は、前記段部63に設けたフィルタ65と、前記移行部73に設けたフィルタ67によって挟まれるように封入されている。
また前記充填剤収容部64aの下底には、軸線に向かって半径方向に突出する複数本の突起67aを軸線を囲むように設けて前記フィルタ67が密着しないようにしている。
該カラムチップ12の充填剤68は、その活性化を維持するために処理前においては、活性化維持流体と接触した状態で保管する必要がある。そのため、液漏れを防止するための蓋70によって前記装着用開口部71が閉塞され、口部69はキャップ72によって閉塞された状態で保管されている。
前記ノズルに14装着する場合には、前記蓋70を手動で除去してノズル14に嵌合して装着し、キャップ72については、前記脱着用板42の前記孔部59bに前記カラムチップ12の細径管66を横方向から挿入した後、上方向にノズルヘッド15を移動させることによって除去する。
図5は、前記カラムチップ12に、目的生体物質を含有する対象液76を前記サンプルチューブ60から吸引させる際の状態を示すものである。
この場合、前記フィルタ65とフィルタ67とに挟まれた有効カラムチップ領域には、充填剤68の全体積が、有効カラムチップ領域の容積の約60%程度を占めているに過ぎない。この場合には、吸引吐出の対象である前記対象液76の液量は、上側のフィルタ65を超えない程度に吸引と吐出を繰り返すことで、空気を導入することなく、充填剤68と、対象液76との懸濁状態を実現して、充填剤68と、対象液76中の生体物質との遭遇性を高めることができる。これは、主としてアフィニティ用ゲルを封入した場合に用いる。例えば、サンプルをアフィニティゲルに吸着させた後、精製抗体を溶出させるために用いる。
図6は、前記カラムチップ78は、カラムチップ12と同じチップ状容器62に、同じフィルタ65とフィルタ67で挟まれた有効カラム領域内に、充填剤80の全粒子体積が、有効カラム領域の容積の約100%の比率で圧縮するように詰めている場合を示す。
この場合には、吸引吐出の液量は、前記有効カラムチップ領域の容量を超える液量を吸引吐出が可能であり、吐出の時間差または吸引吐出の回数によって分画を行うような液クロマトグラフィに用いられる。この場合でも、ミクロ的には懸濁状態が発生していると考えられる。例えば、ゲル濾過クロマトグラフィにより、上記精製抗体の脱塩または卿雑物の除去を行う。
図7は、こま状または円盤状のカラムチップ82を示す。該カラムチップ82は、前記ノズル14に装着可能な装着用開口部91を持つ貯溜部84と、2枚のフィルタ87,89によって挟まれた有効カラム領域内に、充填剤85が、その全粒子体積の前記有効カラム領域の容積の約100%の比率で圧縮するように詰めて封入されている中空円盤状の充填剤封入部86と、前記サンプルチューブ60に挿入可能な口部83を有する細管88とを有する。
このカラムチップ82は、充填剤85の粒子径が小さく、また、フィルタ89、87のポア径も小さい場合には、充填剤85の軸方向の厚みを薄くして、開口率を大きくすることによって吸引吐出時間を減少することができる。
図8は、前記ノズル14に装着可能な別種類のカラムチップ96と、フィルタチップ102と、分注チップ106とを示す。
前記カラムチップ96は、前記チップ状容器62に、1のフィルタ100を用いて、セファデックス、セファクリルなどのゲルろ過クロマトグラフィ用ゲルを封入したものである。また、フィルタチップ102は、フィルタ104として、メンブランフィルタまたは限界濾過膜を封入したものである。上部からの加圧、または自然加圧により溶出が可能なものである。アガロースゲルを用いてタンパク質の大きさによる分画を行う場合には、精度を増すために、より長い充填剤を封入する有効カラム長をもつことが効果的である。
次に、制御部について説明する。
該制御部は、ノズル14に装着される1または2種類以上の前記カラムチップ12、78,82,96の構造に関する構造条件、および、前記カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液を含む処理内容に関する処理条件に基づいて、前記吸引吐出機構16および前記移動手段(図示せず)に対して前記ノズル14の吸引若しくは吐出の量、圧力、スピード、回数、時間または位置を制御するものである。構造条件には、前記カラムチップのチップ状容器62の構造、前記フィルタ65,67の構造、または封入された前記充填剤の形状若しくは性質に関する複数の項目からなり、前記処理条件は、前記カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液の各収容位置、性質若しくは量を含む処理内容に関する複数の項目からなる。
制御部は、前記カラムチップおよび該カラムチップを用いた処理を指定する指定部としての前記操作パネル24および蓋付ICカード差込口30と、指定したカラムチップに関する前記構造条件、および指定した処理に関する処理条件を発生させる条件発生部と、発生させた該構造条件および処理条件に基づいて、前記吸引吐出機構および前記移動手段が従うべき最適パラメータを決定する最適パラメータ決定部とを有する。前記条件発生部および最適パラメータ決定部は、前記情報処理装置に設けられている。該情報処理部は、図示しないCPU、メモリ、およびメモリに格納された制御用ソフト等を有している。
図9に基づいて、最適パラメータ決定部が、前記条件発生部により発生させた構造条件および処理条件に基づいて、最適パラメータを決定する例を具体的に説明する。
前記制御部の条件発生部が発生した構造条件および処理条件からのこれらの最適パラメータの決定を行うには、カラムチップ78内に設けられた充填剤80、保持用のフィルタ67,65等の液体の吸引吐出時に抵抗となる多数の要因等を考慮する必要がある。
図9(a)は、前記カラムチップ78の有効カラム領域辺りを模式的に示すものである。以下に、この図9(a)に基づいて、前記条件発生部が発生させた構造条件および処理条件の例を示す。前記構造条件として、チップ状容器62の構造に関するものとして、カラムの内径D、この例では5.1mm,有効カラム長L(フィルタ部分は除く)、この例では、2.5mm、反応に寄与しない細径管66および移行部73の容積に相当するデッドボリュームv、この例では50μリットルである。また、フィルタ67,65の構造に関するものとして、フィルタの厚さt、この例では1.4mm、フィルタ67の開口率aに関するものがある。なお、この場合には、フィルタ67,65のポア径は、80−120μm(POREX社製 Hydrophobic)であるが、厚みがあるのでポア径よりも小さい粒子を保持することができる。また、充填剤80に関する形状としては、この例では、粒子状、その平均粒子径d、この例では90μm、種類、性質には、例えば、その種類、Niセファロース(GE ヘルスケアバイオサイエンス(株)製 Ni Sepharose 6 Fast Flow)である。また、処理条件としては、対象液の種類、この例では、生体物質としてのHis-Tag-GFPの懸濁液であり、濃度は、600μグラム/600μリットルであり、その量は650μリットルである。対象液の量としては、600μリットルである。処理内容としては、図10で示す、ステップS2の対象液の吸着に相当する場合であって、後述する生体物質を前記充填剤80と接触させて、結合反応動作を行う場合である。
前記最適パラメータ決定部は、以上の構造条件および処理条件に基づいて、最適パラメータを決定する。
最適パラメータを決定するには、前記各要素に関して生ずるカラムチップ78の流体抵抗を考慮して行う。カラムチップ78における流体抵抗のほとんどは、フィルタによる抵抗と充填剤による抵抗の和である。充填剤による抵抗は、基準となる内径Dとの比の2乗に反比例し、基準となる有効カラム長Lとの比に比例し、対象液の粘性νに比例する。また、フィルタによる抵抗は、基準となる内径Dとの比の2乗に反比例し、基準となるフィルタの厚さとの比に比例し、基準となる開口率との比に比例し、対象液の粘性νに比例する。また、前記処理条件の処理内容にも依存する。
ところで、以上の流体抵抗を考慮した結果、図9(b)に原理的に示すように、シリンダ操作(実線)と、流体の応答(点線)との間にずれが生ずることとなる。これは、理想的な流体を抵抗0で吸引吐出する場合にはずれが生じないであろうことを考えると、そのずれの主な原因が流体の抵抗によるものと考えられるからである。
すなわち、シリンダ操作と、液体の応答との間には、前記吸引吐出機構に対する吸引吐出操作開始時点とカラムチップに対する液体の移動開始時点との時間差に相当する「むだ時間」の時間的な遅れがあり、シリンダを操作しても直ぐには液体はカラムチップ内に進入しない。また、シリンダ操作による線形的なシリンダ内の容積の増加に対し、液体の進入は漸近的増加となる一次遅れが生ずる。また、シリンダ操作が収容して十分時間が経過した後も吸引量は完全に一致せずオフセットが生ずる。吐出時についての液の応答についても同様である。
そこで、前記最適パラメータ決定部は、シリンダ操作と、それによるカラムチップに吸引または吐出される前述した液の応答性に基づいて、前記抵抗を考慮した吸引吐出の最適パラメータを該図9(b)に基づいて決定する。すなわち、希望する吸引量または吐出量に対して、最適パラメータとして、前記オフセットの液量分を加えた吸引補正量または吐出補正量を定めることで、オフセットの影響を小さくし、カラムチップにおける抵抗が高い場合には、ゆっくり吸引することにより、むだ時間、一次遅れを小さくするように決定する。また、シリンダ操作終了後から液体がカラム内に吸引または吐出されて安定するまでの時間を「吸引後待ち時間」および「吐出後待ち時間」を定めて、次の操作に移る開始時間を前記最適パラメータとして決定する。
また、前記最適パラメータには、「攪拌体積」を導入する。攪拌体積は、検体量に応じえ変化させる。充填剤体積と有効カラム領域の容積との割合により、吸引できる液量は変化する。充填剤体積が有効カラム領域に100%詰められている場合には、該有効カラム領域を超える攪拌体積の対象液の導入が可能であるが、それ以下の場合には、空気の混入を防止するために対象液の攪拌体積は、有効カラム領域の容積を超えない値に決定する。
このようにして、各構造条件および処理条件ごとに、対応する最適パラメータを決定することになるが、そのつど、最適パラメータを求めるのは、手間がかかる。そこで、本実施の形態においては、基準となる構造条件および処理条件から基準となる最適パラメータを求めておき、その他の場合については、基準要素との比、相違で最適パラメータを推定する。
そこで、前記最適パラメータ決定部は、前述した図9(a)のカラムチップ78を基準とした、最適パラメータを決定する。それによると、前記基準の最適パラメータとして、例えば、攪拌容積、この例では、800μリットル、攪拌回数、この例では10回、吸引スピード、この例では、70μリットル/秒、吸引後待ち時間、この例では5秒、吐出スピード、この例では、70μリットル/秒、吐出後待ち時間、この例では、5秒と決定する。なお、ここでは、吸引スピードおよび吐出スピ−ドは、シリンダの駆動スピードであって、実際に吸引吐出される液体のスピードではない。
それ以外については、前述した充填剤の抵抗の内径との基準値との比、有効カラム長についての基準値との比、粒子径との比等を考慮して、その最適パラメータの値を算出しまたはその動向により最適パラメータを変化させる。
図10には、基準最適パラメータ以外の最適パラメータを決定する例を示す。
図10(a)は、前記充填剤68の基準粒子径dが90μmに対する液体の応答(長点線)に対して、粒子径dが34μmの場合(他の要素は同じ)には、充填密度が高くなり抵抗は増すので、前記「むだ時間」は大きくなり、一次遅れはさらに大きくなり、オフセット量も増えることを示している。そこで、図10(b)に示すように、粒子径が34μmの場合にも、90μmの場合と同じ液体の流速にするには、シリンダ操作スピードを上げることなる。したがって、この場合には、次のいずれかまたは全てを行うように最適パラメータを決定することになる。すなわち、1.吸引後、吐出後の待ち時間を長くする。2.攪拌体積を増加させる。3.実際の液体の吸引吐出スピードを平均粒子径90μmと同じにするには、吸引吐出スピードを早く設定することになる。
図11に基づいて、本発明の第4の実施の形態に係るカラムチップ処理方法について説明する。
カラムチップの処理を行うには、最初に、前記ステップS1において、カラムチップ78を初期化する。カラムチップ12を初期化する際に、前記指定部としての操作パネル24および蓋付ICカード差込口30から、使用するカラムチップ12の指定、処理を指定する。すなわち、処理に用いる検体数、検体液量、検体設置位置、処理プロトコル、カラム再生処理の有無を入力する。処理プロトコルには、処理内容の詳細とその制御パラメータのセットを含む。
ステップS1のカラムの初期化工程では、前提として、図4に示すカラムチップ12の上側の蓋を除去した状態で前記収容部群20のチップラック18の12個のチップ収容部61に12本を収容しておく。前記ノズルヘッド15を相対的に該チップ収容部61にまでX軸方向に沿って移動させ、該ノズルヘッド15をZ軸方向に沿って下降させて、前記装着用開口部71に前記ノズル14を一斉に挿入嵌合させることで12本のカラムチップ12をノズルヘッド15に装着させる。
次に、ステップS11において、前記ノズルヘッド15をZ軸方向に沿って上昇させて、カラムチップ12をX軸方向に移動させて、該チップラック18にある脱着用板42の下側に前記キャップ72が来るようにして、前記孔部59aにまで前記細径管66がくるように挿入する。次に、前記ノズルヘッド15をZ軸方向に上昇させて前記キャップ72をしごき落とす。
ステップS12において、前記カラムチップ12内に収容されていた活性化維持液体を排出槽(図示せず)に吐出させた後、ステップS13において、前記X軸移動体94をX軸方向に沿って移動させることによって該ノズルヘッド15を相対的に前記液収容部群としての試薬ラック55にまで移送させて、洗浄または活性化を行って、充填剤のコンディションを整えるための処理を行う。そのため、対象液として、所定バッファ液の吸引吐出を繰り返すことによって行う(平衡化)。その場合の吸引吐出のパラメータとしては、バッファの位置、吸引位置、攪拌液量、攪拌回数、吸引スピード、吸引後停止時間、吐出スピード、吐出後停止時間が決定される。
ステップS14では、洗浄・活性化液をカラムチップから十分に排出するための吐出動作を行う。この場合のパラメータとしては、洗浄または活性化液がチップ外側になるべく触れない高さ、開始待ち時間、吐出量、吐出スピードが決定される。
ステップS2のサンプル吸着工程では、ステップS21において、対象液としてのサンプルが収容されているステージ13上のサンプルチューブ60の位置へ前記ノズルヘッド15を移動させて前記カラムチップ12の先端の口部69を該サンプルチューブ60内に挿入する。ステップS22において、吸引吐出を繰り返すことによって、前記充填剤と前記対象液とを接触させて、生体物質を前記充填剤に吸着させる。その際、制御部は、前述したような最適パラメータを決定して、該最適パラメータに基づいて、前記吸引吐出機構および移動機構を制御する。
吸引吐出のパラメータとしては、例えば、「攪拌体積」、「攪拌回数・時間」、「吸引スピード」、「吸引後停止時間」、「吐出スピード」、「吐出後停止時間」がある。これらのパラメータは、以下の点を考慮して最適なパラメータが決定される。「攪拌体積」は、検体量に応じて変化させる。構造条件に含まれる充填剤とチップ容量により吸引できる液量は変化する。「攪拌回数・時間」はリガンドとの結合力が弱い場合には、繰り返し充填剤を通過させる。接触時間を長くする必要がある。「吸引スピード」は、リガンドとの結合力が弱い場合、ゆっくりと吸引しないと剥離のおそれがある。結合力が強い場合、高速に吸引し充填剤の懸濁状態を作った方が効率が良い場合がある。「吸引後停止時間」は、充填剤が完全に対象液である検体容液に浸された状態を維持する時間である。充填剤の密度が高かったり、充填剤の保持メッシュが細かい時、流動抵抗が大きくなるため、停止時間を十分取らないと、液が完全に吸引できない場合がある「吐出スピード」はリガンドとの結合力が弱い場合、ゆっくり吐出しないと剥離のおそれがある。「吐出後停止時間」は、充填剤の密度が高かったり、充填剤の保持メッシュが細かいとき、流動抵抗が大きくなるため、停止時間を十分取らないと液が完全に吸引できない場合がある。
ステップS23においては、不要な共雑物を次の処理に持ち越さないための処理が行われる。必要なパラメータとしては、「吐出の高さ」、「吐出までの待ち時間」、「吐出量」、「吐出スピード」があり、これらは以下の点を考慮して最適なパラメータを決定する。「吐出高さ」については、チップ外側に対象液としてのサンプル容液がなるべく触れない高さである。チップから再吐出された液が、対象液としてのサンプル液に触れ、チップを上昇させた時、先端に液球ができない高さを指定する。「吐出までの待ち時間」は、チップ内外にある不要な対象液がチップ先端まで自然に垂れてくるまでの時間を指定する。「吐出量」としては、チップ先端に溜まった不要な液を完全に吐出しきる量を指定する。「吐出スピード」は、チップ先端に溜まった不要な液を完全に吐出し切るスピードを指定する。
ステップS3は、洗浄工程を示すものであり、ステップS31で洗浄位置へ移動し、ステップS32において、対象液である洗浄液についてカラムチップ12に対して吸引および吐出を繰り返すことにより攪拌する。洗浄工程におけるパラメータは、前述したサンプルの吸着工程において、対象液をサンプルから洗浄液に置き換えたものを用いる。ステップS33においては、不要や洗浄液を次の処理工程に持ち越さないための処理であり、そのパラメータは、前述した吸着工程におけるステップS23におけるパラメータにおける対象液をサンプルから洗浄液に置き変えたものである。なお、洗浄工程は、十分洗浄が行われるまで複数の液収容部で繰り返し実行したり、異なる洗浄液の液収容部で繰り返すことができる。
ステップS4は溶出工程を示すものであり、ステップS41で、パラメータとしての吸引吐出位置である、溶出液を収容している位置に移動する。溶出液の位置は、リガンドや、対象液としてのサンプルによりその位置が指定される。ステップS42において、前記カラムチップ12に対して溶出液について吸引吐出を繰り返す。濃縮を行う場合には、溶出液がカラム内に十分出ない場合がる。その場合には、充填剤の全てを通過できる位置まで溶出液が吸引されるように攪拌液量を設定する。
ステップS43において、溶出液の全量を吸引する。そのため、吸引量としては、溶出液量に加え余剰量の吸引を行うようにパラメータを設定する。
ステップS44で回収容器位置に前記ノズルヘッド15を相対的に移動させる。ステップS45で全量を吐出させる。ステップS46は、カラムチップ12内には溶出液が残留しやすいため、溶出液流量に加え余剰量の吐出を行う。余剰吐出を行う前には、カラムチップ12内の液がチップ先端にまで垂れてくるものを待つ時間を設定する。
ステップS5は後処理工程である。この工程は、使用済みカラムチップ12が再利用可能な場合に、次回使用のための処理を実施する。
ステップS51で再生処理を行う。再生処理は、充填剤の洗浄および保存に適した状態にするための再生液を吸引吐出する。そのため、攪拌量、攪拌回数、攪拌スピードを設定する。ステップS52において、保存液または活性維持用液体を吸引する。保存液の吸引は、カラム内の充填剤が乾燥したり、カビが生えたりするのを防ぐために保存液を満たす。
ステップS53において、保存液を満たした状態で、カラムチップ12をノズル14からはずすために、先端にキャップを装着する。ハイスループットシステムの場合には、自動で装着する。数検体用の小型システムの場合には、ユーザーインタフェースを介して、マニュアルで装着することも可能である。
図12乃至図14には、1または2種類以上のカラムチップ、フィルタチップまたは分注チップのいずれかの組み合わせ(必ず、少なくとも1種類のカラムチップは含まれる)についての具体的な処理(第4の実施の形態から第6の実施の形態に係る処理)について示す。
図12は、組換えタンパク質精製処理の例を示すものであり、分注チップを用いた磁性粒子による融合タンパク質精製と、ゲル濾過からムチップを用いたタンパク質解析の前処理を示すものである。ステップS7−1およびS7−2において、前記ノズルヘッド15のノズル14に分注チップ106を装着し、該分注チップ106を用いてGST融合タンパク質またはヒスチジンータグ融合タンパク質を含有する対象液と、抗GST抗体またはグルタチオン、及びニッケルイオンが固定化された磁性粒子懸濁液とを攪拌によって反応させる。
ステップS7−3において、前記ノズルヘッドに設けた磁力手段32を用いて磁性粒子を前記分注チップ106の内壁に吸着させて分離し、ステップS7−4において、洗浄液を用いて洗浄させ、ステップS7−5において、前記GST融合タンパク質の場合には、高塩濃度液または還元型グルタチオン液、前記ヒスチジンータグ融合タンパク質の場合にはイミダゾール液を用いて前記磁性粒子から融合タンパク質を溶出し、前記ステージ13上のチューブ等に収容しておく。
次に、ステップS7−6において、前記ノズル14から分注チップを脱着した後、ステップS7−9において、セファデックスまたはセファクリル等のゲル濾過用のカラムチップ96を前記収容部群20に収容する。ステップS7−10において、カラムチップ96から活性化維持用の保存液を除去して平衡化する。ステップS7−11において、分注チップを用いて前記溶出液を該ゲル濾過用のカラムチップ96へ添加した後、前記ノズルヘッド15のノズル14に装着し、ステップS7−12により、高分子分画(タンパク質)を行い、分子量の大きいものから順次回収し、脱塩または低分子分子夾雑物を除去して精製する。
図13は、血清中のメジャータンパク質の除去処理の例を示すものであって、アフィニティカラムチップおよび分注チップを組み合わせて用いたものである。
ステップS8−1において、メジャータンパク質に対する特異抗体(数種類)が固定されたアフィニティゲルを封入したカラムチップ78を前記ノズル14に装着して用いる。ステップS8−2にいて、カラムチップを平衡化する。ステップS8−3において、血清を吸引吐出を行うことでメジャータンパク質を吸着する。ステップS8−4において、メジャータンパク質が除去された結成を吐出する。
二次元電気泳動によって抽出されたタンパク質について、ステップS8−7において、前記かラムチップを脱着した後分注チップを装着し、磁性粒子と結合したトリプシン酵素を用いて酵素消化を行い、前記磁力手段を用いて、磁気粒子を該分注チップの内壁に吸着することで分離し、ステップS8−8において、質量分析用のペプチドサンプルを得る。
図14は、抗体精製処理の例を示すものであって、アフィニティカラムチップ、ゲル濾過用のカラムチップおよびフィルタチップを用いたタンパク解析用サンプルの前処理を示すものである。
ステップS9−1において、プロテインAまたはプロテインGなどのアフィニティゲルを封入したカラムチップ78を前記ノズル14に装着する。ステップS9−2において、該カラムチップ78を平衡化する。ステップS9−3において、マウス腹水を吸引吐出を繰り返すことにより、抗体を吸着する。ステップS9−4で、カラムチップ78を洗浄する。ステップS9−5で、グリシン塩酸バッファ液で、前記充填剤に吸着した抗体を溶出する。溶出された液は、前記収容部群20の適当な液収容部内に吐出して収容される。
前記ノズルヘッド15のノズル14から前記カラムチップ78を脱着した後、ステップS9−10において、前記収容部群20のチップラックにゲル濾過用のカラムチップ96を収容し、ステップS9−11において、ゲル濾過用のカラムチップ96を平衡化する。ステップS9−12において、分注チップを前記ノズルヘッドに装着して前記ゲル濾過用のカラムチップ96に前記装着用開口部71から前記溶出された液を添加する。前記分注チップを前記ノズルヘッド15のノズル14から脱着した後、該ゲル濾過用のカラムチップ96を前記ノズルヘッド15の各ノズル14に装着し、ステップS9−13で、吐出することによって、高分子分画を行い、タンパク質を回収して精製する。
ステップS9−14において、前記カラムチップ96を前記ノズル14から脱着した後、前記ステージ13の収容部に収容されていたフィルタチップ102に前記生成物を挿入した後、該フィルタチップ102を前記ノズル14に装着して前記吸引吐出機構によって、圧力をかけることで吐出して濃縮する。
図15は、第8の実施の形態に係るカラムチップ処理装置10において吸着した目的生体物質の溶出を行う場合に用いる対象液としての緩衝液を示す図である。
本実施の形態にあっては、カラムチップ78を用い、充填剤としては、例えばアフィニティクロマトグラフィで用いるもの、またはイオン交換クロマトグラフィ等で用いられる物質が封入され、目的とするタンパク質、例えば、バクテリア由来の酵素等、を吸着したものである。この吸着した目的タンパク質を溶出すために、前記カラムチップ処理装置10のステージ13にある1の試薬プレパックカートリッジ58に、濃度勾配に沿って、相互に所定の塩濃度差をもった緩衝液を収容したものである。ここで、前記塩濃度差は必ずしも一定である必要はない。ここでは、図に示すように、洗浄用の濃度0mMから50mMの濃度差で、50mMから400mMまで(E1からE8)および600mM(E9)が収容されている。これらの緩衝液は、同様に該プレパックに収容されている濃度1000mMの緩衝液(R)と濃度0mM液(H)とを、前記ノズル14に装着した分注チップを用いて混合によって生成することができる。例えば、500mMの濃度の緩衝液は、RとHとを50パーセントずつ混合することによって容易に得ることができる。
以上説明した各実施の形態は、本発明をより良く理解させる為に具体的に説明したものであって、別形態を制限するものではない。したがって、発明の主旨を変更しない範囲で変更可能である。例えば、前記実施の形態では、主としてタンパク質の場合のみについて説明したが、遺伝子分野の処理でも用いることができる。例えば、磁性粒子を用いた分注チップとゲル濾過カラムチップとを組み合わせることで、核酸抽出、PCR産物の精製、および目的物質捕獲、ならびに濃縮処理を行うことができる。また、磁性粒子を用いた分注チップとフィルタチップとを組み合わせることで、核酸抽出またはPCR産物の精製、濃縮または高純度精製(微量磁性粒子の完全除去)を行うことができる。
また、タンパク質分野においても、その他、磁性粒子を用いた分注チップと、フィルタチップを用いて、融合タンパク質抽出精製、分子篩(高分子タンパク除去)処理に用いることができる。さらに、磁性粒子を用いた分注チップと、ゲル濾過カラムチップと、別種類の分注チップを用いることによって、メジャータンパク質を除去し、バッファ交換し、酵素消化(トリプトシン固相化磁気粒子)の処理に用いることができる。また、アフィニティカラムチップとゲル濾過カラムチップを用いることによって、メジャータンパク質を除去し、バッファ交換を行う処理、またはアフィニティ精製した後バッファ交換を行う処理に用いられる。また、アフィニティカラムチップ、ゲル濾過カラムチップ、およびフィルタチップを用いることによって、メジャータンパク質を除去し、バッファ交換した後濃縮処理を行う場合等に用いられる。さらに、アフィニティカラムチップ、ゲル濾過カラムチップ、フィルタチップおよび分注チップを用いることで、メジャータンパク質除去処理、バッファ交換、濃縮、および酵素消化処理に用いられる。
本発明は、カラムチップ処理装置、およびカラムチップ処理方法に関する。本発明は、遺伝子、免疫系、アミノ酸、蛋白質、糖等の生体高分子、生体低分子の扱いが要求される分野、例えば、工業分野、食品、農産、水産加工等の農業分野、製薬分野、衛生、保健、免疫、疾病、遺伝等の医療分野、化学もしくは生物学等の理学の分野等、あらゆる分野に関係するものである。本発明は、特に、多数の試薬や物質を用いた一連の処理を所定の順序に連続的に実行する場合に有効な方法である。
本発明の第1の実施の形態に係るカラムチップ処理装置を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るカラムチップ処理装置のノズルヘッドを示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るカラムチップ処理装置の平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノズル装着前のカラムチップを示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るカラムチップの吸引吐出を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るカラムチップの吸引吐出を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係るカラムチップの吸引吐出を示す図である。 本発明のその他のカラムチップ等を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御部の最適パラメータ決定部の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御部の最適パラメータ決定部の説明図である。 本発明の第4の実施の形態に係るカラムチップ処理を示す流れ図である。 本発明の第5の実施の形態に係るカラムチップ処理流れ図である。 本発明の第6の実施の形態に係るカラムチップ処理流れ図である。 本発明の第7の実施の形態に係るカラムチップ処理流れ図である。 本発明の第8の実施の形態に係る液収容部群および収容される液の濃度を示す図である。
符号の説明
10 カラムチップ処理装置
12、78、82、96 カラムチップ
14 ノズル
15 ノズルヘッド
16 吸引吐出機構
20 収容部群
24 制御部

Claims (16)

  1. 1または複数連のノズルを有するノズルヘッドと、該ノズルを通して気体の吸引および吐出を行う吸引吐出機構と、前記ノズルに装着される装着用開口部および前記気体の吸引または吐出によって流体の流入または流出が可能な口部を有するチップ状容器、および該チップ状容器内に封入した充填剤を有する1または2種類以上のカラムチップと、前記口部が挿入可能であって種々の溶液を収容しまたは収容可能な複数の液収容部からなる液収容部群を設けたステージと、前記ノズルヘッドを前記液収容部群に相対的に移動させる移動手段とを有するとともに、
    前記ノズルに装着される1または2種類以上の前記カラムチップの構造に関する構造条件、および、前記カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液を含む処理内容に関する処理条件に基づいて、前記吸引吐出機構および前記移動手段に対して前記ノズルの吸引若しくは吐出の量、圧力、スピード、回数、時間または位置を制御する制御部を有するとともに、
    前記制御部は、前記カラムチップおよび該カラムチップを用いた処理を指定する指定部と、指定したカラムチップに関する構造条件、および指定した処理に関する処理条件を発生させる条件発生部と、発生させた該構造条件および処理条件に基づいて、前記吸引吐出機構および前記移動手段が従うべき最適パラメータを決定する最適パラメータ決定部とを有し、
    前記最適パラメータ決定部は、前記カラムチップおよび処理内容ごとに、発生させた対応する該構造条件および処理条件に基づき、吸引吐出機構に対する吸引吐出操作開始時点とカラムチップに対する液体の移動開始時点との時間差、および、吸引吐出操作量と該操作量達成後の液体のカラムチップに対する吸引吐出量とのオフセットを減少させるように、吸引吐出に関する最適パラメータを決定するカラムチップ処理装置。
  2. 前記充填剤は、該チップ状容器を仕切るように設けた少なくとも1のフィルタを用いて該チップ状容器内に封入され、前記構造条件は、前記チップ状容器の構造、前記フィルタの構造、または封入された前記充填剤の形状若しくは種類、性質に関する複数の項目からなり、かつ、前記処理条件は、前記カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液の各収容位置、種類、性質若しくは量を含む処理内容に関する複数の項目からなる請求の範囲第1項に記載のカラムチップ処理装置。
  3. 前記最適パラメータ決定手段は、予め定めた1または2以上の基準のカラムチップおよび基準の処理内容に対応する前記構造条件の複数の項目の内の少なくとも一部を1または2以上の基準値に設定した基準構造条件、および、前記処理条件の複数の項目の内の少なくとも一部を1または2以上の基準値に設定した基準処理条件に基づいて、基準構造条件および基準処理条件以外の構造条件および処理条件に対応する最適パラメータを決定する請求の範囲第1項に記載のカラムチップ処理装置。
  4. 前記ステージには、外部からの信号によって温度を昇降させる温度昇降用容器を有し、前記液収容部の少なくとも1は、該温度昇降用容器内に収容され、前記対象液の温度の制御は、前記処理条件に基づいて、前記移動手段に対して行う請求の範囲第1項、請求の範囲第2項または請求の範囲第5項のいずれかに記載のカラムチップ処理装置。
  5. 前記ステージ上には、1または2種類以上の前記カラムチップ、ノズルに装着可能な装着用開口部をもつ1のフィルタチップまたは1の分注チップと、該ノズルに装着したカラムチップ、フィルタチップまたは分注チップを脱着するための脱着部とを有するとともに、前記制御部は、前記カラムチップ、フィルタチップまたは分注チップの装着、脱着の制御を、前記構造条件および処理条件に基づいて前記吸引吐出機構および前記移動手段に対して行う請求の範囲第1項、請求の範囲第2項、請求の範囲第5項または請求の範囲第6項のいずれかに記載のカラムチップ処理装置。
  6. 前記液収容部群の少なくとも一部は、該液収容部の開口部を被覆する穿孔可能な薄膜が設けられるとともに、前記ノズルヘッドには、該薄膜を穿孔可能な穿孔用ピンを有するとともに、該薄膜の穿孔の制御は、前記処理条件に基づいて、移動手段に対して行う請求の範囲第1項、請求の範囲第2項、または請求の範囲第5項乃至請求の範囲第7項のいずれかに記載のカラムチップ処理装置。
  7. 前記ノズルヘッドには、前記ノズルに装着した前記カラムチップのチップ状容器と係合することによってノズルからの脱落を防止する脱落防止部を有し、該脱落防止部による脱落防止およびその解除の制御は、前記構造条件および前記処理条件に基づいて、前記移動手段に対して行う請求の範囲第1項、請求の範囲第2項、または請求の範囲第5項乃至請求の範囲第8項のいずれかに記載のカラムチップ処理装置。
  8. 吸引吐出機構によって気体の吸引吐出が行われる1または複数連のノズルに装着される装着用開口部および前記気体の吸引または吐出によって流体の流入または流出が可能な口部を有するチップ状容器、および該チップ状容器内に封入した充填剤を有する1または2種類以上のカラムチップの構造条件、および、該カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液を含む処理内容に関する処理条件に基づいて、
    前記ノズルを、収容された前記カラムチップの収容部との間を相対的に移動することによって前記装着用開口部においてカラムチップを前記ノズルに装着させる装着工程と、
    前記対象液を収容する1または2以上の液収容部と前記ノズルとの間を相対的に移動させて前記口部を該液収容部内に挿入して、前記条件に基づいて決定された前記ノズルの吸引若しくは吐出の量、圧力、スピード、回数、時間、または位置により、前記対象液を吸引しかつ吐出させることで前記充填剤と前記対象液とを接触させる接触工程と、
    該カラムチップから、前記対象液を1または2以上の前記液収容部に吐出する吐出工程とを有するとともに、
    装着すべきカラムチップおよび処理すべき処理内容を指定する指定工程と、指定したカラムチップに対応する構造条件を発生させ、指定した処理内容に対応する処理条件を発生させる発生工程とをさらに有し、前記接触工程は、発生させた前記構造条件および処理条件に基づいて最適パラメータを決定する最適パラメータ決定工程と、決定した最適パラメータに基づいて、前記ノズルを移動させ、かつ吸引吐出させる接触実行工程とを有し、
    前記最適パラメータ決定工程は、前記カラムチップおよび処理内容ごとに、発生させた対応する該構造条件および処理条件に基づいて、吸引吐出機構に対する吸引吐出操作開始時点とカラムチップに対する液体の移動開始時間との時間差、吸引吐出操作量と該操作量達成後の液体のカラムチップに対する吸引吐出量とのオフセット、および充填剤と対象液に含有する物質との反応内容を考慮して、吸引吐出に関する完了時の吸引吐出目標量と、操作終了後の液体のカラムチップに対する吸引吐出量との差異を補正するように、吸引吐出パラメータを決定するカラムチップ処理方法。
  9. 前記充填剤は、該チップ状容器を仕切るように設けた少なくとも1のフィルタを用いて該チップ状容器内に封入され、前記構造条件は、前記ノズルに装着される前記部材若しくは前記チップ状容器の構造、前記フィルタの構造、または封入された前記充填剤の形状若しくは性質に関する複数の項目からなり、前記処理条件は、前記カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2以上の対象液の各収容位置、性質若しくは量を含む処理内容に関する複数の項目からなる請求の範囲第10項に記載のカラムチップ処理方法。
  10. 前記最適パラメータ決定工程は、予め定めた基準のカラムチップおよび基準の処理内容に対応して発生させた前記構造条件の複数の項目の内の少なくとも一部について1又は2以上の基準値が設定された基準構造条件、および、前記処理条件の複数の項目の内の少なくとも一部について1又は2以上の基準値に設定された基準処理条件に基づいて、前記基準のカラムチップおよび処理内容以外について、基準構造条件および基準処理条件以外の構造条件および処理条件に対応する最適パラメータを決定する請求の範囲第10項に記載のカラムチップ処理方法。
  11. 前記吐出工程の後に、前記カラムチップ内に、対象液として洗浄液を吸引しまたは吐出することによって、該カラムチップ内に封入されている充填剤を洗浄する工程と、
    前記カラムチップ内に、溶出液を導入して、前記充填剤に吸着し、捕獲させ、反応しまたは結合した前記処理対象液中の生体物質を溶出する溶出工程とを有する請求の範囲第10項に記載のカラムチップ処理方法。
  12. 前記接触工程においては、前記対象液の温度を、前記処理条件に基づいて、昇降させる温度昇降工程を有し、該温度の昇降は前記ノズルとステージ上に設けた温度昇降用容器との間の相対的な移動によって行う請求の範囲第10項、請求の範囲第11項、請求の範囲第14項または請求の範囲第15項のいずれかに記載のカラムチップ処理方法。
  13. 前記ノズルに装着されたカラムチップを脱着する脱着工程をさらに有し、該脱着工程は、前記構造条件および処理条件に基づいて、ステージ上に設けた脱着部と前記ノズルとの間の相対的な移動によって行う請求の範囲第10項、請求の範囲第11項、または請求の範囲第14項乃至請求の範囲第16項のいずれかに記載のカラムチップ処理方法。
  14. 前記脱着工程の後、ステージ上に収容された少なくとも1の別種類の前記カラムチップ、1の前記ノズルに装着可能なフィルタチップまたは分注チップのノズルへの装着を、前記構造条件または処理条件に基づいて、前記ノズルと該カラムチップ、フィルタチップまたは分注チップが収容された収容部との間の相対的移動によって行う請求の範囲第10項、請求の範囲第11項、または請求の範囲第14項乃至請求の範囲第17項のいずれかに記載のカラムチップ処理方法。
  15. 1または複数連のノズルを有するノズルヘッドと、該ノズルを通して気体の吸引および吐出を行う吸引吐出機構と、前記ノズルに装着される装着用開口部および前記気体の吸引または吐出によって流体の流入または流出が可能な口部を有するチップ状容器、および該チップ状容器内に封入した充填剤を有する1または2種類以上のカラムチップと、前記口部が挿入可能であって種々の溶液を収容しまたは収容可能な液収容部群を設けたステージと、前記ノズルヘッドを前記液収容部群に相対的に移動させる移動手段とを有するカラムチップ処理装置について、
    前記ノズルに装着される1または2種類以上のカラムチップ、および該カラムチップを用いて行う処理を指定する指定データを取り入れ、前記指定データに基づいて、対応するカラムチップの構造に関する構造条件データ、および、対応する処理に含まれる前記カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液を含む処理内容に関する処理条件データを発生させ、発生させた該条件に基づいて、前記吸引吐出機構および前記移動手段に対する前記ノズルの吸引若しくは吐出の量、圧力、スピード、回数、時間、または位置を定める最適パラメータデータを決定するとともに、
    前記最適パラメータの決定は、前記カラムチップおよび処理内容ごとに、発生させた対応する該構造条件データおよび処理条件データに基づいて、吸引吐出機構に対する吸引吐出操作開始時点とカラムチップに対する液体の移動開始時点との時間差、吸引吐出操作量と該操作量達成後の液体のカラムチップに対する吸引吐出量とのオフセット、および充填剤と対象液に含有する物質との反応内容を考慮して、吸引吐出パラメータを操作開始時点とカラムチップに対する液体の移動開始時間との時間差、吸引吐出操作量と該吸引吐出量達成後の液体のカラムチップに対する吸引吐出量とのオフセット、および充填剤と対象液に含有する物質との反応内容を考慮して、吸引吐出に関する最適パラメータデータを決定する最適パラメータ生成プログラム。
  16. 前記充填剤は、該チップ状容器を仕切るように設けた少なくとも1のフィルタを用いて該チップ状容器内に封入され、前記構造条件データは、前記ノズルに装着される前記部材若しくは前記チップ状容器の構造、前記フィルタの構造、または封入された前記充填剤の形状若しくは性質に関する複数の項目からなり、かつ、前記処理条件データは、前記カラムチップの吸引吐出の対象となる1または2種類以上の対象液の各収容位置、性質若しくは量を含む処理内容に関する複数の項目からなる請求の範囲第19項に記載の最適パラメータ生成プログラム。
JP2009520512A 2007-06-19 2008-06-18 カラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法 Active JP5097204B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009520512A JP5097204B2 (ja) 2007-06-19 2008-06-18 カラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007161349 2007-06-19
JP2007161349 2007-06-19
PCT/JP2008/061146 WO2008156113A1 (ja) 2007-06-19 2008-06-18 カラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法
JP2009520512A JP5097204B2 (ja) 2007-06-19 2008-06-18 カラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008156113A1 JPWO2008156113A1 (ja) 2010-08-26
JP5097204B2 true JP5097204B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=40156272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009520512A Active JP5097204B2 (ja) 2007-06-19 2008-06-18 カラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8413489B2 (ja)
EP (1) EP2177915A4 (ja)
JP (1) JP5097204B2 (ja)
WO (1) WO2008156113A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5186430B2 (ja) * 2009-04-27 2013-04-17 日立アロカメディカル株式会社 分注装置
WO2011004653A1 (ja) 2009-07-09 2011-01-13 凸版印刷株式会社 核酸抽出用キット、核酸抽出方法及び核酸抽出装置
WO2011081091A1 (ja) * 2009-12-28 2011-07-07 ユニバーサル・バイオ・リサーチ株式会社 拡散可能担体封入流管、その処理装置およびその処理方法
FR2963677B1 (fr) * 2010-08-03 2012-08-17 Biomerieux Sa Procede et dispositif d'analyse chimique et / ou biologique
KR101917402B1 (ko) 2011-02-04 2019-01-24 유니바사루 바이오 리사치 가부시키가이샤 자동 반응ㆍ광측정 장치 및 그 방법
US9528871B2 (en) * 2013-11-13 2016-12-27 Deere & Company System for determining a liquid quantity and orientation
US9459130B2 (en) 2013-11-13 2016-10-04 Deere & Company System for measuring a liquid level and orientation
US10429403B2 (en) 2014-06-17 2019-10-01 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Head device for mounting dispensing tip thereon, and movement device using same
JP2017173204A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 シグマアルドリッチジャパン合同会社 サンプル中の目的成分の存在を検知するための装置
CN108102892A (zh) * 2016-11-25 2018-06-01 苏州百源基因技术有限公司 一次性核酸提取装置
JP6678096B2 (ja) 2016-12-13 2020-04-08 株式会社日立製作所 分注装置、分注方法、分注装置製造方法
CN110305773B (zh) * 2019-08-22 2022-11-08 深圳市芯思微生物科技有限公司 一种核酸提取装置及提取方法
EP3981512A1 (en) * 2020-10-06 2022-04-13 Phynexus, Inc. Separation device and method of separation

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08320274A (ja) * 1995-03-20 1996-12-03 Precision Syst Sci Kk 分注機を利用した液体処理方法およびその装置
JP2004264044A (ja) * 2003-01-31 2004-09-24 Universal Bio Research Co Ltd 監視機能付分注装置および分注装置の監視方法
WO2006073170A1 (ja) * 2005-01-07 2006-07-13 Universal Bio Research Co., Ltd. 担体封入チップ、担体処理装置、および担体処理方法
JP2006300589A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Universal Bio Research Co Ltd 分注機

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4753775A (en) 1985-04-12 1988-06-28 E. I. Du Pont De Nemours And Company Rapid assay processor
DE3717211A1 (de) 1987-05-22 1988-12-01 Diagen Inst Molekularbio Vorrichtung und verfahren zur trennung und reinigung von molekuelen
US5976824A (en) * 1993-11-24 1999-11-02 Abbott Laboratories Method and apparatus for collecting a cell sample from a liquid specimen
AT1962U1 (de) 1997-05-30 1998-02-25 Lederhilger Johann Verfahren zum herstellen einer arbeitsplatte
JPH11266864A (ja) * 1998-03-19 1999-10-05 Hitachi Ltd 核酸の精製方法および精製用装置
US20060118491A1 (en) * 2004-12-03 2006-06-08 Gjerde Douglas T Method and device for desalting an analyte
EP2620778A3 (en) * 2004-12-10 2014-08-20 Universal Bio Research Co., Ltd. Biological material fixed carrier enclosing tip, biological material fixed carrier treatment apparatus, and treatment method thereof

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08320274A (ja) * 1995-03-20 1996-12-03 Precision Syst Sci Kk 分注機を利用した液体処理方法およびその装置
JP2004264044A (ja) * 2003-01-31 2004-09-24 Universal Bio Research Co Ltd 監視機能付分注装置および分注装置の監視方法
WO2006073170A1 (ja) * 2005-01-07 2006-07-13 Universal Bio Research Co., Ltd. 担体封入チップ、担体処理装置、および担体処理方法
JP2006300589A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Universal Bio Research Co Ltd 分注機

Also Published As

Publication number Publication date
US8413489B2 (en) 2013-04-09
US20100236324A1 (en) 2010-09-23
JPWO2008156113A1 (ja) 2010-08-26
EP2177915A4 (en) 2014-01-08
WO2008156113A1 (ja) 2008-12-24
EP2177915A1 (en) 2010-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5097204B2 (ja) カラムチップ処理装置およびカラムチップ処理方法
JP5202339B2 (ja) 容器反復利用磁性粒子並行処理装置および容器反復利用磁性粒子並行処理方法
JP4936901B2 (ja) 担体封入チップ、担体処理装置、および担体処理方法
EP2103680B1 (en) Apparatus for treating pipette tip having support/fluid enclosed therein and method of treating pipette tip having support/fluid enclosed therein
JP5038131B2 (ja) フィルタ処理方法、フィルタ封入チップ、およびフィルタ処理装置
KR101339544B1 (ko) 생체물질 고정담체 봉입 칩, 생체물질 고정담체 처리장치및 그 처리방법
EP2584337A1 (en) Biological sample pretreatment method and apparatus
EP1399605A2 (en) Robot for mixing crystallization trial matrices
US8143071B2 (en) Method and device for extracting an analyte
WO1998044344A1 (fr) Chromatographie en phase liquide et remplissage de colonne
WO2016031705A1 (ja) 可変ピッチ分注装置を利用した磁性粒子反応制御装置およびその反応制御方法
JP5732407B2 (ja) 拡散可能担体封入流管、その処理装置およびその処理方法
JP6499176B2 (ja) 試料調製ワークステーション
US10493379B2 (en) Caged bags of porous materials
JP2007232524A (ja) タンパク質等溶液ろ過処理方法およびその装置
EP2251409B1 (en) Material for capturing microbes or the like, device for capturing microbes or the like, method of capturing microbes or the like and method of producing material for capturing microbes or the like
JP2003254877A (ja) 検体の処理方法およびフィルター付部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120904

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5097204

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250