JP5096790B2 - 超音波診断用縫合器 - Google Patents

超音波診断用縫合器 Download PDF

Info

Publication number
JP5096790B2
JP5096790B2 JP2007126001A JP2007126001A JP5096790B2 JP 5096790 B2 JP5096790 B2 JP 5096790B2 JP 2007126001 A JP2007126001 A JP 2007126001A JP 2007126001 A JP2007126001 A JP 2007126001A JP 5096790 B2 JP5096790 B2 JP 5096790B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main body
cable
unit
suturing device
vibrator unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007126001A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008279073A (ja
Inventor
裕之 原田
宏一郎 藤井
優子 永瀬
雅志 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Aloka Medical Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Aloka Medical Ltd filed Critical Hitachi Aloka Medical Ltd
Priority to JP2007126001A priority Critical patent/JP5096790B2/ja
Publication of JP2008279073A publication Critical patent/JP2008279073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5096790B2 publication Critical patent/JP5096790B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Description

本発明は超音波診断用縫合器に関し、特に超音波画像を観察しながら組織の縫合を行うための超音波診断用縫合器に関する。
特許文献1には、従来の超音波診断用縫合器が開示されている。かかる従来の縫合器においては、本体とスライド部材とが設けられ、それらの先端部分が人体又は動物の臓器(心臓等)へ差し込まれ、その先端部分における縫合機能を利用して、体外で操作を行うことにより、臓器内において縫合を行うことができる。ここで、本体の先端部には振動子ユニット(あるいはプローブ)が配置されており、その上側には組織片が差し込まれる空間としての凹部が形成されている。本体の先端部には縫合用の糸が備えられた針が保持され、その針は、スライド部材のスライド運動により、スライド部材の先端部に渡される。凹部に組織片が差し込まれた状態で、上記のようなスライド運動を行わせれば、組織片に針を貫通させることができ、つまり縫合処置を行える。スライド部材の先端部から本体の先端部へ針の受け渡しを行わせることも可能である。いずれにしても、超音波診断用縫合器によれば、振動子ユニットを動作させて超音波の送受波を行うことにより、組織片やその縫合の様子をリアルタイムで超音波画像として観察することが可能である。もちろん、縫合前において対象組織を探索する場合、凹部への組織片の差し込み状態を確認する場合、縫合結果を確認する場合、等においても必要に応じて超音波診断が実行される。
特許文献1に示されているような従来の超音波診断用縫合器において、本端とスライド部材の各先端部分を心臓等の対象組織へ差し込む場合にはスライド部材は後退状態に維持されている。つまり、上記の凹部が開放された状態で、先端部分の差し込みや位置決めがなされている。これは後退方向への付勢力を生じさせるバネ等の作用によるものである。一方、従来の超音波診断用縫合器においては、凹部の下側に配置される振動子ユニットにおいて、アレイ振動子の先端位置と振動子ユニットの先端面との間にケースの肉厚に相当するギャップが存在している。そのギャップは針の画像化を阻害するものである。また、従来の超音波診断用縫合器においては、複数のねじにより、本体の先端部にプローブが固定されるのが一般的である。なお、未公開の先願として特願2006−222165号がある。
特開2004―105406号公報
上記のように、従来の超音波診断用縫合器においては、本体にセットされた状態にある針を画像化できず、あるいは、それを十分に画像化するのが困難であったので、超音波画像上で針を確実に視認したいという要望がある。なお、プローブの固定に当たって、複数のねじを利用すれば、その位置決め固定を確実に行えるが、滅菌処理のためのプローブの着脱等を考慮すると、そのような固定金具を利用しないで、簡便にプローブの位置決めや装着を行えるようにすることが望まれる。
本発明の目的は、セットされた針を超音波画像上で確認できるようにすることにある。
本発明の他の目的は、振動子ユニットを本体に簡便に位置決め固定できるようにすることにある。
本発明は、本体先端部を有する本体と、スライド先端部を有し、前記本体に対して前後方向にスライド運動自在に設けられたスライド部材と、前記本体先端部に設けられ、超音波の送受波領域を形成する振動子ユニットと、を含み、前記本体先端部は、縫合用の針を保持可能な第1保持部を備えた本体先端壁を有し、前記スライド先端部は、前記第1保持部との間で前記針の受け渡しがなされる第2保持部を有し、前記本体先端壁の後側には、組織片が差し込まれる上側縫合空間と、前記振動子ユニットを着脱自在に収容する下側収容部と、が形成され、前記送受波領域内に前記針がせり出た状態で前記針が前記第1保持部に保持される、ことを特徴とする超音波診断用縫合器に関する。
上記構成によれば、第1保持部を備えた本体先端壁の後方に、上側縫合空間と下側収容部とが形成され、振動子ユニットが下側収容部に着脱自在に配置される。その場合に、針を超音波画像上で十分確認できるように、つまり、針が送受波領域にせり出た状態となるように、振動子ユニットが下側収容部内に位置決められる。振動子ユニットは、特に望ましくは、凹凸係合構造によって下側収容部内に位置決められ、その位置決め状態が別の手段(例えばケーブル保持による振動子ユニットの間接的な規制)によって維持される。
望ましくは、前記本体先端壁は、前記上側縫合空間に臨む上側壁面と、前記下側収容部に臨む下側壁面と、を有し、前記下側収容部内において前記振動子ユニットのユニット先端面が前記下側壁面に突き当たり、且つ、前記振動子ユニットの後退運動が規制され、これにより前記振動子ユニットが前記下側収容部内に位置決められる。この構成によれば、下側収容部内における振動子ユニットの前進により下側壁面へユニット先端面が当接され、これにより振動子ユニットの位置決めを行える。その上で、振動子ユニットの後退運動が規制されて、振動子ユニットが確実に保持される。後退運動の規制を解除した上で、振動子ユニットを後退させれば、下側収容部から振動子ユニットを容易に取り外せる。
望ましくは、前記下側壁面は、前記上側壁面よりも前方側へ引っ込んだ位置に形成される。この構成によれば、送受波面を針側へシフトさせることが容易となる。望ましくは、前記送受波領域の前方端の位置が前記上側壁面の位置に実質的に一致する。望ましくは、前記振動子ユニットは、前記前後方向に整列した複数の振動素子で構成され前記送受波領域を形成するアレイ振動子を有し、前記アレイ振動子における前方端振動素子と前記振動子ユニットのユニット先端面との間の肉厚が前記下側壁面の引っ込み量に相当する。この構成によれば上側縫合空間と下側収容部とを適正な位置関係にして、針を十分に画像化することができる。
望ましくは、前記振動子ユニット及び前記下側収容部の一方には前記前後方向に伸長した係合溝が形成され、前記振動子ユニット及び前記下側収容部の他方には前記係合溝に係合する係合突起が形成され、前記係合溝へ前記係合突起を差し込むことにより前記振動子ユニットが前記下側収容部に保持される。
望ましくは、前記本体には、前記振動子ユニットから引き出されたケーブルが着脱可能に嵌め込まれて固定される長溝が形成され、前記ケーブルを前記長溝に嵌め込むことにより前記下側収容部からの前記振動子ユニットの離脱が規制される。ケーブルの嵌め込みという簡便な手法で振動子ユニットの離脱を規制できるので、超音波診断用縫合器の構造を複雑化することなく、振動子ユニットを確実に保持できる。
望ましくは、前記長溝の溝幅は、前記ケーブルの直径よりも小さく、前記ケーブルを前記長溝に嵌め込んだ状態では前記ケーブルが弾性変形し、これによりケーブル保持作用が発揮される。一般に、ケーブルの被覆層は弾性変形するので、あるいは、ケーブル全体が弾性変形するので、そのような弾性作用を振動子ユニットの固定に利用すれば、振動子ユニットを固定するための構造を簡易化できる。
望ましくは、前記長溝の後端には前記ケーブルを横に出すための横出し路が形成される。この構成によれば、操作性を向上できる。望ましくは、前記送受波面は傾斜した面である。前方へ傾斜した面であってもよいし、後方へ傾斜した面であってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、セットされた針を超音波画像上で確認できる。
あるいは、本発明によれば、プローブを本体に簡便に位置決め固定できる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る超音波診断用縫合器の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示す図である。超音波診断用縫合器10は、人体における例えば心臓等の臓器に挿入され、当該臓器内において超音波診断を行いながら縫合を行うためのものである。
図1において、超音波診断用縫合器10は、伸張した形態を有する本体12及びスライダ14を有する。スライダ14は、本体12に対して相対的にスライド運動可能に設けられている。すなわち、スライダ14は前後方向へ運動可能である。超音波診断用縫合器10は、本体12及びスライダ14の他に、振動子ユニット18、操作機構32及びラチェット機構34を有している。超音波診断用縫合器10を別の角度から見れば、それは体内挿入部16と体外操作部17とに大別することができる。体内挿入部16は心臓等の臓器内に挿入される部分であって、その先端部には縫合を行うための構造が設けられている。体外操作部17は臓器の外部において縫合操作をマニュアルで行うための部分である。
本体12の先端部には第1保持部20が形成されており、第1保持部20は縫合用の針22を離脱可能に保持するものである。針22には縫合用の糸24の一端が取り付けられている。スライダ14の先端部には第2保持部26が形成されている。第2保持部26スライダ14の前進に伴い、第1保持部20に保持された針を受け取る。この際、第1保持部20と第2保持部26との間に挟みこまれた組織片に対して針22が貫通し、また糸24が貫通する。第2保持部26の後側には開口部28が形成されている。
本体12の先端部分には前壁(本体先端壁)が存在し、前壁の上端部分に上記の第1保持部20が形成されている。前壁の後側には、上側の縫合空間と下側の収容部とが存在し、収容部には振動子ユニット18が着脱自在に配置される。振動子ユニット18は送受波面30を有し、その送受波面30を介して超音波の送受波がなされる。具体的には、振動子ユニット18の内部には、本実施形態において、スライダ14のスライド方向に沿って並んだ複数の振動素子からなる1Dアレイ振動子が設けられている。その1Dアレイ振動子によって超音波ビームが形成され、その超音波ビームは電子的に走査される。本実施形態においては、超音波ビームの走査方式として電子リニア走査が適用されているが、もちろん、電子セクタ走査等の他の走査方式を適用するようにしてもよい。なお、送受波面30は音響レンズあるいは整合層の上面に相当するものである。
前述したように、前壁の後側には上側空間としての縫合空間と下側空間としての収容部が存在し、上側空間には縫合時において組織片が差し込まれ、また、スライダ14の先端部が前後運動する。本実施形態の超音波診断用縫合器10は、振動子ユニット18が形成する送受波領域内に針22がせり出ているように、つまり初期状態にある針22をできる限り画像化できるように、振動子ユニット18が位置決められており、あるいは針22の保持位置が定められている。これについては後に詳述する。また、本実施形態の超音波診断用縫合器10はラチェット機構34を有しており、当該縫合器10の先端部を臓器内に挿入する場合において、針22の保持状態が変動しないように、上記の上側空間に部分的にスライダ14の先端部分が送り出されて、その状態が仮止めされる。これについても後に詳述する。
操作機構32は、第1レバー36及び第2レバー38を有する。第1レバー36は上記の本体12に連結されており、第1レバー36の下端部には指穴36Aが設けられている。第2レバー38はリンク機構を介してスライダ14に連結されており、第2レバー38の下端部には指穴38Aが設けられている。具体的に説明すると、第2レバー38は本体12に形成された固定軸40を回転軸として回転運動するものであり、第2レバー38の上端部分にはスライド軸42を介してスライダ14が連結されている。従って、第2レバー38を運動させると、スライド軸42を介してスライダ14が前進あるいは後進することになる。そのような運動が符号41及び符号43で表されている。
第1レバー36と第2レバー38との間には、付勢力を発生させるばね44が設けられている。ばね44の中央付近が固定ねじ46によって第1レバー36に固定されており、ばね44における一方片44Aは符号57で示す方向に第2レバー38を付勢している。また、ばね44における他方片44Bは、以下に説明するロッド50の基端部50Aを付勢しており、その作用によってロッド50には符号55で示される回転力が与えられている。
ラチェット機構34は、上記のロッド50を有し、ロッド50は軸52を回転軸として回転運動可能に第1レバー36に取り付けられている。ロッド50は鋸歯部54を有し、その鋸歯部54を構成するいずれかの歯の間に第2レバー38の下端に形成された突起38Bが係合する。鋸歯部54における突起38Bの係合位置によってスライダ14のスライド位置を仮止めすることが可能である。すなわち、上述したようにばね44の他方片44Bがロッド50の基端部50Aに対して不勢力を及ぼしているため、ロッド50には符号55で示される回転方向に運動力が与えられており、そのような関係により突起38Bの位置を所望の状態に保持することができる。
本実施形態においては、超音波用縫合器10における体内挿入部16を臓器内に挿入する場合に、針22の保持状態を保全するため、上側空間内においてスライダ14の先端部分が針22に対して寸止め状態となるようにスライダ14が位置決めされており、すなわち上側空間が部分的に隠蔽される。そのような状態を形成するためにラチェット機構34が利用される。もちろん、ロッド50を符号55で示す方向とは逆方向に運動させれば第1レバー36に対して第2レバー38を自在に運動させることができ、その結果、スライダ14を前進運動させたりあるいは後進運動させたりすることが可能である。
図1には示されていないが、ロッド50にはスライダ14の先端位置、具体的には前端から後方への距離を表す目盛あるいは仮止めの目標位置が表されたガイダンス表示が施されている。すなわち、使用者はそのような目盛あるいは表示内容を参照しつつ突起38Bの位置を確認することにより、スライダ14のスライド量を把握することが可能である。
図2には、縫合器における先端部16Aが斜視図として示されている。(A)には、本体先端部60に対して振動子ユニット18を組み付けた状態がスライダ先端部62と共に表されている。(B)には、本体先端部60にいまだ振動子ユニット18を配置していない状態が示されている。(C)には本体先端部60に対して差し込まれる振動子ユニット18が示されている。
まず、(C)に示される振動子ユニット18について説明すると、振動子ユニット18はユニット本体70とケーブル72とを有している。ケーブル72はユニット本体70の後端部分から引き出されており、後に説明するように、そのケーブル72は縫合器の本体内を経由して体外に引き出されている。ケーブル72の端部にはコネクタが設けられ、そのコネクタは超音波診断装置本体に接続される。上述したように、ユニット本体70の内部には1Dアレイ振動子が設けられている。もちろん、2Dアレイ振動子等の他のアレイ振動子を設けることも可能である。ユニット本体70の先端面は前面70Aを構成しており、その前面70Aは当該振動子ユニット18の位置決め時において機能する。ユニット本体70における二つの側面にはそれぞれ係合溝部75が形成されている。係合溝部75の入口部分はやや広がっており、テーパー部を構成している。上述したように、振動子ユニット18には送受波面30が形成されており、具体的には送受波面30はユニット本体70の上面からやや盛り上がった面として構成されている。
一方、(A)及び(B)に示されるように、本体先端部60は前壁66の後側に枠体64を有し、その枠体64の内部が収容部76である。収容部76の上側は組織片が差し込まれる上側縫合空間を構成する。収容部76における一対の内側側面にはそれぞれ係合突部74が形成されている。係合突部74は上記の係合溝部75に差し込まれる。収容部76の先端面は当接面64Aであり、その当接面64Aは前壁66における収容部76側に望んだ下側面に相当する。ちなみに、前壁66における上側縫合空間に望んだ面は、当接面64Aの上側に位置する面であって、それは別の当接面を構成する。
符号68で示されるように、収容部76に対して振動子ユニット18が斜め下方から差し込まれて、一対の係合突部74が一対の係合溝部75に差し込まれるように収容部76内において振動子ユニット18が前方へ送り込まれる。すると、前面70Aが当接面64Aに当接し、すなわち振動子ユニット18が収容部76の前端において突き当たり、その状態において振動子ユニット18の位置決めが完了する。その状態では、振動子ユニット18はZ方向およびY方向にいずれにも運動することができず、X方向における前進方向についても同様である。ただし、振動子ユニット18を後退運動させることは可能である。そこで、後に説明するように、ケーブル72を本体に形成された長溝に嵌め込むことにより、ケーブル72が有する弾性変形作用をもって振動子ユニット18の後退運動が規制される。これについては後に説明する。
図2における(A)に示されるように、スライダ先端部62には開口部28が形成されており、その開口部28は本実施形態において空洞部を構成している。それは超音波の通過路をなすものである。もちろん音響的な通過が確保されていれば、開口部28内に超音波伝搬部材を埋め込んでもよい。
図3には、図2における(A)のIII方向から見た断面が示されている。図3における(A)には本体先端部の断面が示されており、(B)には振動子ユニット18の前面が現れている。図3に示されるように、本体における前壁の後側の空間は上下に2分割され、下側には収容部76が構成され、上側には上側縫合空間79が構成される。上述したように枠体64の二つの内側面には一対の係合突部74が形成されている。収容部76の後側にはU字型をした長溝としてのケーブル挿通溝77が形成されている。ケーブル挿通溝77の横幅は、ケーブルの直径よりも若干小さく設定されており、これによってケーブル挿通溝77にケーブル72の弾性変形作用をもってそれを嵌め込むことが可能であり、その嵌め込み状態において振動子ユニット18の位置決め固定を行える。
図3の(B)に示されるように、ユニット本体の両側面には一対の係合溝部75が形成されており、それぞれの入口部分は上方に広がってテーパー部分75Aが形成されている。本実施形態においては、上述したように一対の係合突部74及び一対の係合溝部75の係合関係と、ケーブル挿通溝77によるケーブルの保持との二つの作用をもって振動子ユニット18が着脱自在に且つ確実に保持されている。従来のように、複数のねじ等を用いて振動子ユニットを固定する方式とはなっていないため、固定のための部品が脱落すること等により生ずる問題を未然に回避でき、また、滅菌処理等の目的から振動子ユニット18を迅速且つ容易に取り外せるという利点を得られる。
図4には、先端部分の上面図が示されている。第1保持部20は具体的にはスリット84によって構成され、これと同様に第2保持部26もスリット78によって構成されている。ただし、そのスリット78の入口はY方向に広がっておりテーパー面82が構成されている。第2保持部26はX方向にやや肥大した突出部80に形成されている。突出部80は開口部28に部分的に進入した形態を有している。送受波面30のX方向の長さがL1で表されており、送受波面30のY方向の長さがW1で表されている。また、スライド部材の先端面から開口部28の後端位置までの長さがL2で表されており、開口部28のX方向の長さがL3で表されている。また、開口部28のY方向の幅がW2で表されている。本実施形態においては、スライド部材の先端部による送受波面30の隠蔽を極力回避するため、L1よりもL2が大きく設定されており、またL2とL3との差、すなわち肉厚もできる限り薄くなるように構成されている。更に、W1よりもW2が大きくなるように開口部28が構成されている。
図5には、図2の(A)におけるVに示される方向から見た断面が示されている。本体における前壁66の上端部分は第1保持部20を構成しており、その第1保持部20によって針22が離脱可能に保持されている。前壁66における後側の面は上下に区分されており、上側当接面66Aと下側当接面64Aとが構成されている。上側当接面66Aに対して下側当接面64Aは若干前方側に引っ込んでいる。その引っ込み量が図5においてΔ1で表されている。この引っ込み量Δ1は振動子ユニット18における先端側のケースの肉厚に相当する。
下側当接面64Aには、振動子ユニット18の前面70Aが当接されており、つまりそのような突き当たり状態において振動子ユニット18が位置決め固定されている。振動子ユニット18においては、送受波面30を介して超音波の送受波がなされており、超音波送受波領域のX方向の幅がL1で表されている。本実施形態において、L1の前端が上述した上側当接面66Aの位置に実質的に一致している。すなわちアレイ振動子における前端振動素子の位置が上側当接面66Aに一致しており、あるいは、上側当接面66Aから若干後方にシフトした位置に前方端振動素子が位置決められている。すなわち、このような構成によれば、初期状態にある針22が超音波送受波領域内に十分にせり出した状態を形成できるので、初期状態にある針22を超音波画像として表示することが可能となる。つまり、針の画像化をできるだけ行えるように、針の保持位置が定められ、あるいは送受波領域の前端位置が定められている。
スライダにおける先端部62は前壁84を有し、その先端面が前面86を構成している。本実施形態においては、生体組織への挿入時において、上述した寸止め状態を形成することができ、そのような前進状態にあるスライダ先端部が符号62Aで表されている。また、そのような状態にある開口部が符号28Aで表され、前進状態にある前面が符号86Aで表されている。その前面86Aの位置が上側当接面66Aを基準としてL5で表されており、針の突出量がL4で表されている。L4とL5の差分がΔ2で表されている。このΔ2が小さくなるような位置関係をもって寸止め状態が形成され、すなわち、上述したラチェット機構を利用して挿入時におけるスライダの位置が定められる。ちなみに、符号62Aで表されているように、そのような前進状態にあっても、開口部28Aにより、送受波面30を介した超音波の送受波が確保されており、部分的には超音波が遮断されてしまうものの針や組織をより広範囲にわたって画像化できるという利点がある。
図6には、第1保持部20から第2保持部26へ針22を渡して、組織片92に対して針22及び糸24を貫通させた状態が示されている。すなわち、符号94で示されるようにスライダが後方へ引き戻されている。ちなみに、複数の針を同時に駆動することも可能である。
次に、図5及び図6を参照しながら、本実施形態に係る超音波診断用縫合器を用いて組織片に対して縫合を行う場合の手順を説明する。まず、臓器への挿入に先立って、ラチェット機構が利用されて、スライダの寸止め状態が形成される。例えば図5において二点鎖線で示したような状態が形成される。その後、そのような寸止め状態を維持したまま、縫合器の先端部が臓器内に差し込まれる。この場合、リアルタイムで超音波画像を観察することができる。本実施形態においては、スライダの先端部に開口部が形成されているため、一部分において画像化が困難なものの、組織や針を超音波画像上で認識しながら臓器内において先端部の位置決めを行うことができる。
次に、スライダが後進端まで引き戻される。そして、超音波画像上において縫合対象となる組織片を観察しながら、当該組織片が振動子ユニットの上方空間としての上側縫合空間内に差し込まれるように、先端部の位置決めが行われる。そのような位置決めに当たって、リアルタイムで超音波画像を観察することができるので、縫合位置を適切に定めることが可能である。上側縫合空間内に組織片が差し込まれた後、スライダを前進運動させると、第1保持部から第2保持部への針の受け渡しが行われる。この際、針が組織片を貫通することになる。スライダを引き戻せば、それに伴って針も後方へ運動することになり、糸を組織片に通すことが可能となる。その後、必要に応じて縫合器を体外に取り出せば、組織片に糸を通した状態でその糸の両端を体外において結んだり、あるいはそれに対して適切な処置を行うことが可能である。そして、次の縫合箇所に対する縫合作業が行われそれが繰り返されることになる。
図7には、超音波診断用縫合器10を斜め下方から見た斜視図が示されている。ただし、ケーブル挿通溝77内にケーブルは嵌め込まれておらず、また収容部76に振動子ユニットは配置されていない。ケーブル挿通溝77は上述した長溝であって、その長溝はケーブルの直径よりもやや小さい幅に設定されており、ケーブル挿通溝77の先端側は収容部76に連絡しており、ケーブル挿通溝77の後端側には横出し路77Aが形成されている。
図8には、ケーブル挿通溝77に対してケーブル72を嵌め込み、また収容部に対して振動子ユニット18を配置した状態が示されている。図示されるように、横出し路によってケーブル72Aが屈曲され、本体の側面にケーブルが引き出されている。これによってケーブルが操作の邪魔になること等を防止できる。必要に応じて、第1レバー36の側面36Bにケーブルを保持するフック等を形成するのが望ましい。
図8に示されるように、ケーブル72をケーブル挿通溝77に嵌め込んだ状態では、ケーブル72の嵌め込み部分における弾性変形作用により、ケーブル72それ自身が本体に確実に保持されることになり、その結果、振動子ユニット18の後方運動が効果的に規制され、上述した凹凸係合構造とあいまって振動子ユニット18を確実に先端部に固定することが可能である。また、そのような状態において、滅菌処理等の都合から振動子ユニットを取り外す場合にはケーブル72をケーブル挿通溝から取り外せば、振動子ユニット18を収容部から容易に離脱させることが可能である。
図9には、図1に示した操作機構の他の実施形態が示されている。操作機構100は、第1レバー102及び第2レバー106を有している。第1レバー102は本体104に連結されており、第2レバー106はスライダ108に対してリンク機構を介して連結されている。すなわち、第2レバー106は、第1レバー102に形成された固定軸109を回転軸として運動するものであり、その上端部106Bには軸溝110が形成され、その軸溝110内にはスライダ108に固定されたスライド軸112が位置している。すなわち、スライド軸112と軸溝110との係合関係により、第2レバー106の回転運動がスライダ108の前後運動に転換されている。
第1レバー102と第2レバー106との間にはばね114が設けられている。具体的には、ばね114の一方端が固定ねじ116によって第2レバー106に固定されており、ばね114の他方端はフック118を構成し、それは第1レバー102を開き方向に付勢している。その反動として、符号120で示されるように、第1レバー102に対して第2レバー106が開き方向に付勢されている。
ラチェット機構122は、上述した実施形態同様にロッド124を有し、ロッド124には鋸歯部126が形成されている。その鋸歯部126は第2レバー106の下端に形成された突起106Aと係合するものである。ばね130は固定ねじ132によって第1レバー102に取り付けられており、その端部130Aはロッド124の基端部124Aを付勢している。ロッド124は軸128を回転軸として回転運動するものであり、ばね130と基端部124Aとの当たり関係により、符号134で示されるようにロッド124には回転方向への付勢力が与えられている。従って、鋸歯部126の所定位置に突起106Aが嵌め込まれると、その状態が保持されることになる。もちろん、手作業でロッド124を反対方向に回転させれば、第1レバー102に対して第2レバー106を容易に開閉運動させることが可能である。
図10には、振動子ユニットの他の構成例が示されている。なお、図1に示した構成と同様の構成には同一符号を付しその説明を省略する。振動子ユニット140は斜面としての送受波面142を有している。送受波面142が斜めに形成されており、その面に直交する方向に超音波ビームが生成されるため、送受波領域も傾斜した状態で構成される。その横幅がL4で示されている。この構成例においても、送受波領域内に初期状態にある針22ができる限り含まれるように、針22の保持位置あるいは振動子ユニット140の保持位置が定められている。このような構成においても、上述した実施形態と同様に寸止め状態を形成すれば、先端部の挿入時において針22の状態を効果的に保全することが可能であり、その場合においても開口部を介して超音波の送受波を行うことが可能である。なお、本体に第2保持部を形成し、スライダに第1保持部を形成してもよい。
本実施形態に係る縫合器は、心臓における中隔欠損等に対する処置を行う場合に用いるのが望ましいが、もちろん他の臓器の縫合に利用にすることも可能であり、人体のみならず動物に対する縫合においても利用することが可能である。
本実施形態発明に係る超音波診断用縫合器の好適な実施形態を示す全体構成図である。 本体先端部およびスライダ先端部の斜視図である。 図2に示されるIII方向から見た断面図である。 先端部の上面図である。 図2に示されるV方向から見た断面図である。 組織片に対して針が貫通した状態を表す断面図である。 縫合器を斜め下方から見た図であって、振動子ユニットおよびケーブルが図示省略されている斜視図である。 振動子ユニットおよびケーブルが装着された縫合器を示す斜視図である。 操作機構の他の実施形態を示す拡大図である。 振動子ユニットの他の構成例を示す断面図である。
符号の説明
10 超音波用縫合器、12 本体、14 スライダ、16 体内挿入部、17 体外操作部、18 振動子ユニット、20 第1保持部、22 針、24 糸、26 第2保持部、28 開口部、32 操作機構、34 ラチェット機構。

Claims (5)

  1. 本体先端部を有する本体と、
    スライド先端部を有し、前記本体に対して前後方向にスライド運動自在に設けられたスライド部材と、
    前記本体先端部に設けられ、超音波ビームの電子リニア走査により送受波領域を形成する振動子ユニットと、
    を含み、
    前記本体先端部は、縫合用の針を保持可能な第1保持部を構成する上端部を備えた本体先端壁を有し、
    前記スライド先端部は、前記第1保持部との間で前記針の受け渡しがなされる第2保持部を有し、
    前記本体先端壁の後側には、組織片が差し込まれる上側縫合空間と、前記振動子ユニットを着脱自在に収容する下側収容部と、が形成され、
    前記本体先端壁は、前記上側縫合空間に臨む上側壁面と、当該上側壁面よりも前方へ引っ込んだ位置に形成され前記下側収容部に臨む下側壁面と、を有し、
    前記振動子ユニットのユニット先端面が前記下側壁面に突き当たった当接状態で、前記下側収容部内に前記振動子ユニットが配置され、
    前記前後方向において前記送受波領域の前方端の位置が前記上側壁面の位置に実質的に一致し、
    前記送受波領域内に前記針がせり出た状態で前記針が前記第1保持部に保持され、
    前記振動子ユニットは、前記前後方向に整列した複数の振動素子で構成され前記送受波領域を形成するアレイ振動子を有し、
    前記振動子ユニットにおいて前記アレイ振動子における前方端振動素子と前記振動子ユニットのユニット先端面との間の肉厚が前記下側壁面の引っ込み量に相当する、
    ことを特徴とする超音波診断用縫合器。
  2. 請求項1記載の縫合器において、
    前記振動子ユニット及び前記下側収容部の一方には前記前後方向に伸長した係合溝が形成され、
    前記振動子ユニット及び前記下側収容部の他方には前記係合溝に係合する係合突起が形成され、
    前記係合溝へ前記係合突起を差し込むことにより前記振動子ユニットが前記下側収容部に保持される、ことを特徴とする超音波診断用縫合器。
  3. 請求項1記載の縫合器において、
    前記本体には、前記振動子ユニットから引き出されたケーブルが着脱可能に嵌め込まれて固定される長溝が形成され、
    前記ケーブルを前記長溝に嵌め込むことにより前記下側収容部からの前記振動子ユニットの離脱が規制された、ことを特徴とする超音波診断用縫合器。
  4. 請求項記載の縫合器において、
    前記長溝の溝幅は、前記ケーブルの直径よりも小さく、
    前記ケーブルを前記長溝に嵌め込んだ状態では前記ケーブルが弾性変形し、これによりケーブル保持作用が発揮される、ことを特徴とする超音波診断用縫合器。
  5. 請求項又は記載の縫合器において、
    前記長溝の後端には前記ケーブルを横に出すための横出し路が形成された、ことを特徴とする超音波診断用縫合器。
JP2007126001A 2007-05-10 2007-05-10 超音波診断用縫合器 Expired - Fee Related JP5096790B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007126001A JP5096790B2 (ja) 2007-05-10 2007-05-10 超音波診断用縫合器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007126001A JP5096790B2 (ja) 2007-05-10 2007-05-10 超音波診断用縫合器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008279073A JP2008279073A (ja) 2008-11-20
JP5096790B2 true JP5096790B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=40140400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007126001A Expired - Fee Related JP5096790B2 (ja) 2007-05-10 2007-05-10 超音波診断用縫合器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5096790B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3878348B1 (en) * 2016-07-19 2023-10-04 NuVera Medical, Inc. Medical devices and methods of use

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3891344B2 (ja) * 2002-09-18 2007-03-14 国立大学法人 東京大学 縫合器
JP4533695B2 (ja) * 2003-09-23 2010-09-01 オリンパス株式会社 処置用内視鏡

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008279073A (ja) 2008-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5576574B2 (ja) 処置具挿入補助具
JP5629043B1 (ja) 生検システム
JP6441393B2 (ja) 内視鏡下外科手術装置及び外套管
JPH11276422A (ja) 超音波内視鏡
JP6220038B2 (ja) 内視鏡下外科手術装置及び外套管
JP6286015B2 (ja) 内視鏡下外科手術装置及び外套管
US20110282209A1 (en) Ultrasound observation apparatus and control method of ultrasound observation apparatus
JP5963977B1 (ja) 硬性鏡セット
JP5096790B2 (ja) 超音波診断用縫合器
JP4996325B2 (ja) 超音波診断用縫合器
JP3671763B2 (ja) 内視鏡着脱型超音波検査装置
WO2015190187A1 (ja) 内視鏡用処置具及び生検システム
WO2018079792A1 (ja) 内視鏡
JP2019041884A (ja) 超音波内視鏡
JPH11332868A (ja) 超音波診断装置
WO2020246532A1 (ja) 起上台アタッチメントおよび内視鏡
JP2005028050A (ja) 超音波プローブ及び超音波プローブを用いた超音波観測システム
JP2001212146A (ja) 体内挿入型超音波検査装置
US7625342B2 (en) Ultrasonic endocavity probe having adjustable length insert
JPH02142548A (ja) 超音波プローブ
JP2010000307A (ja) 内視鏡及び超音波プローブ
JPH0736817B2 (ja) 超音波検査装置
JP2003180695A (ja) 超音波プローブ駆動装置
JPH114828A (ja) 小型超音波探触子
JP2002224118A (ja) 超音波検査装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120316

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20120319

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120319

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120508

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120726

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120918

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees