JP5095499B2 - Gps受信機 - Google Patents

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本発明は、強信号の衛星信号と弱信号の衛星信号とが合成された信号を受信するGPS(Global Positioning System)受信機に関し、特に弱信号受信チャネルで誤アクイジション、誤トラッキングすることを防止するGPS受信機に関する。
GPS衛星(以下、衛星、ということもある)は、衛星毎に異なる拡散コードで情報をスペクトラム拡散し、共通のキャリア周波数で変調して衛星信号として送信する。GPS受信機(以下、受信機、ということもある)では、各衛星から送信された衛星信号が合成されたものを受信する。GPS受信機が受信を開始する場合、地球の裏側に位置する衛星の衛星信号は受信できないため、受信可能な可視衛星をサーチして、その結果見つかった衛星からの信号の受信を安定して継続できるよう、トラッキングを行う。
サーチは、現在打ち上げられているGPS衛星からの受信信号の中から受信可能な衛星信号を探す処理である。衛星毎の拡散コードは既知であるが、衛星信号を受信する為には周波数と拡散コード位相を決定する必要がある。
キャリア周波数は既知である(例:GPS L1では1575.42MHz)が、衛星と受信機の移動によるドップラー効果の影響があるから、正確に受信する為の周波数は衛星毎に異なる。また、衛星毎の拡散コード系列は既知であるが、受信信号に逆拡散を実行する為には、拡散コード位相を決定する必要がある。
このことから、サーチ処理では、各衛星に対して拡散コード位相を総当りで振って、それぞれの相関値を計算する。その結果得られたピーク相関値があらかじめ規定した閾値を超えた場合、その衛星の衛星信号は受信可能であると判断し、そのピーク相関値が得られる周波数と拡散コード位相を決定する。なお、サーチの結果、その衛星信号が受信可能であると判断し、周波数と拡散コード位相が決定することを、アクイジションと呼ぶ。
サーチ処理で受信可能と判断した衛星信号について、受信を継続する為にトラッキング処理を行う。衛星と受信機の位置関係は時々刻々変化するから、トラッキング処理では、周期的に受信周波数やコード位相等の制御を行い、安定した受信を継続する。
従来から一般に用いられているGPS受信機の概略構成を図6に示す。アンテナ1で、複数の衛星からの衛星信号を受信する。周波数変換部2は、キャリア周波数で変調された衛星信号を中間周波数(IF)に周波数変換する。A/D変換部3は、周波数変換された衛星信号をアナログ信号からディジタル信号に変換して、受信信号とする。
信号処理部4は、制御部20からの制御内容に従い、受信信号の信号処理を行う。一般にハードウェアで実装される事が多く、主に、サーチ部と複数のトラッキングチャネルとにより構成される。
サーチ部10は、制御部20から指定された衛星番号についてサーチ処理を行い、その衛星が受信可能か否か、及びピーク相関値が得られる周波数と拡散コード位相を決定し、結果を制御部20に通知する。
トラッキングチャネル11〜1Nは、制御部20から指定される衛星番号、周波数、拡散コード位相に従い、受信信号の相関処理を行う。相関処理の結果得られる相関値を、制御部20に通知する。
1つのトラッキングチャネルは1つの衛星からの衛星信号に対する相関処理を行う。GPS受信機で測位を行う為には最低4衛星からの衛星信号の受信結果が必要なので、一般に、4ch以上のトラッキングチャネルが実装される。
制御部20は、一般にソフトウェアで実行される。信号処理部4でのハードウェア処理を制御し、そのハードウェア処理結果を取得し、それに基づき次のようなサーチ部の制御及びトラッキングチャネルの制御を行う。このように、制御部20と信号処理部4でのハードウェアは処理のループが組まれている。
サーチ部10へ制御部20から衛星番号を指定してサーチを実行させ、その結果の情報を取得する。そして、サーチの結果得られた情報、すなわち受信可能な衛星番号、周波数、拡散コード位相をトラッキングチャネル11〜1Nに順次設定し、処理を指示する。各トラッキングチャネルから取得した相関値に基づき、最適な受信周波数等を算出し、周期的に当該トラッキングチャネルに再設定する。
サーチ部10の具体的な構成例を図7に示す。図7において、入力される受信信号がミキサ101でキャリアNCO102からの周波数とのミキシングにより位相回転され、コード相関器103に供給される。コード相関器103では、ミキサ101からの信号とコードGEN(コード発生器)105からの拡散コードとの相関が取られる。コードGEN105からの拡散コードのコード位相は、コードNCO104からの制御によりスキャンされる。
位相回転されてコード相関が採られた信号は、積分器106で所定時間毎に積分され、更に電力化部107でI信号とQ信号とから電力を求めて(I2+Q2)、バッファ及びソート部108へ供給する。バッファ及びソート部108では、コード位相毎の相関電力をソートし、最大相関電力とそのコード位相を探して、制御部20へ供給する。制御部20からは、キャリアNCO102へ周波数を設定し、また、コードGENへコード番号を設定する。
サーチ部10では、制御部20から指定されたコード番号について、コード相関器103でコードの相関演算を行う。コード位相をずらしながら相関演算を行い、全コード位相に対する相関電力をそれぞれ算出する。全コードに対する相関電力が得られたら相関電力でソートを行い、最大相関電力が得られるコード位相とその相関電力を決定し、制御部20へ出力する。この処理をコード位相スキャンと呼ぶ。
サーチ処理では、周波数も決定する。この為に制御部20では、既に受信している衛星信号から取得したアルマナック(概略の衛星軌道情報)を元に、サーチ対象衛星のドップラー(doppler)周波数を予測する。その予測周波数周辺のいくつかの周波数でコード位相のスキャンを行い、最大相関値が得られる周波数を決定する。この処理を周波数スキャンと呼ぶ。
すなわち周波数スキャンとコード位相スキャンにより、最大相関値が得られる周波数とコード位相が決定する。
トラッキングチャネル#nの具体的な構成例を図8に示す。GPS受信機内には図6に示すように複数のトラッキングチャネルが含まれるが、図8はその1つのみを示すものであり、他の複数個のトラッキングチャネルも同様の構成である。
図8において、入力される受信信号がミキサ1n1で、キャリアNCO1n2からの周波数(制御部20から設定された)とのミキシングにより位相回転され、コード相関器1n3に供給される。コード相関器1n3では、ミキサ1n1からの信号とコードGEN(コード発生器)1n5からの拡散コードとの相関が取られる。コードGEN1n5からの拡散コードのコード位相は、コードNCO1n4からのコード位相(制御部20から設定された)により制御されている。
位相回転されてコード相関が取られた信号は、積分器1n6で所定時間毎に相関値のI成分、Q成分毎に積分され、制御部20へ供給する。制御部20からは、キャリアNCO1n2へ周波数を設定し、また、コードGENへコード番号を設定する。
制御部20は、ある衛星に対するサーチ処理の結果得られた周波数、コード番号及びコード位相を、トラッキングチャネル#nに設定する。トラッキングチャネル#nは指定された周波数、コード番号及びコード位相で相関演算を行い、相関結果のI成分、Q成分を制御部20へ出力し、制御部20では安定した受信を継続するように、最適な周波数とコード位相を随時算出し、トラッキングチャネル#nへ設定する。
相関演算は、受信信号にIF周波数+ドップラー周波数をかけてベースバンドに変換した信号に対して、拡散コードで畳み込み演算を行う事であり、その演算結果を相関値と呼ぶ。受信対象の衛星信号に対応した周波数、拡散コード系列、拡散コード位相で相関演算を行う事が自己相関である。自己相関値は、周波数スキャン及びコード位相スキャンによって、そのピークが得られる。
一方、受信対象の衛星信号に対して、別の拡散コード系列で相関演算を行う事を相互相関と呼ぶ。相互相関による相関値は、(1)入力信号のドップラー周波数と、相関演算で使用するドップラー周波数の差分、(2)入力信号のコード系列、コード位相と、相関演算で使用するコード系列、コード位相、によって変化する。
GPSでC/Aコードの場合、相互相関の最大相関値は、自己相関値と比較して、−21.6dB程度となる。すなわち、ある衛星SV#1の信号を受信するトラッキングチャネルにおいて自己相関値が−120dBmだった場合、他の衛星信号を受信するトラッキングチャネルでは、衛星SV#1の信号の相互相関値が最大−141dBmの大きさで現れる。
そして、4つ以上の衛星からのGPS信号の受信結果に基づいて、受信機の位置(緯度、経度、高度)を測定する(測位処理)。
ところで、GPS受信機を携帯電話に組み込む場合等、屋内利用を想定したGPS受信機では高感度化を図る必要がある。これは、建物の壁を通過することにより大きく減衰した弱信号を受信し、測位を可能とするためである。屋内では多くの衛星からの信号が壁に遮られて弱信号となることが予想されるが、一方、伝搬経路が窓等の開口部である場合は、屋外受信と同等レベルの強信号として受信される可能性がある。すなわちGPS受信機を屋内利用する場合、強信号と弱信号のレベル差が、屋外利用の場合と比較して非常に大きくなる事が考えられる。このような環境で弱信号の受信を行う場合、以下のような理由により誤トラッキングの恐れがある。
2つの衛星を受信する環境を仮定し、一方を強信号、もう一方を弱信号とする。すなわち、受信信号=強信号+弱信号である。強信号衛星のサーチは、その信号レベルが高いので、従来の方法で問題なく行われる。
弱信号衛星のサーチについて考えると、受信信号を弱信号衛星の拡散コードで逆拡散するので、その結果は以下の2つの和である。
・強信号を弱信号コードで逆拡散した、強信号相互相関
・弱信号を弱信号コードで逆拡散した、弱信号自己相関
強信号と弱信号のレベル差があまり大きくない場合と大きい場合に分けて、弱信号のサーチ結果がどのようになるかを以下に示す。
強信号と弱信号のレベル差があまり大きくない場合は、図9のコード位相−相関レベルの特性図に示すように、強信号相互相関のレベルよりも、弱信号自己相関ピークレベルの方が強くなる。この為、弱信号サーチの結果、弱信号自己相関のピークレベルを捕まえて、弱信号の正常なトラッキングが可能である。なお、強信号相互相関のレベルは、異なるコード位相にて、複数発生する(図9の例では、3つを例示している)。
強信号と弱信号のレベル差が大きい場合は、図10のコード位相−相関レベルの特性図に示すように、弱信号の自己相関ピークレベル(図10の(A))よりも強信号相互相関ピークレベル(図10の(B))の方が強くなる可能性がある。
この強信号と弱信号のレベル差が大きい場合は、強信号相互相関ピークのコード位相(図10の(B))でアクイジションし、トラッキングを開始してしまう。この状態が誤トラッキングである。
誤トラッキングを起こしたチャネルの相関結果は、弱信号の自己相関演算結果とは明らかに異なる為、その情報を測位に使用すると位置飛びの原因となってしまう。
そこで、弱信号チャネル(以下、ch、と略称することがある)の出力相関値から、強信号相互相関値を減算することにより、弱信号自己相関値を残すようにする方法が特許文献1,2に提案されている(特許文献1は主にハードウエアによる処理を、特許文献2は主にソフトウエアによる処理を行っている)。
特許文献1,2では、先ず、強信号chで入力信号を受信して、入力信号に含まれる強信号の振幅・コード位相・キャリア周波数を測定し、強信号の波形を再生する。この入力信号に含まれる強信号は、弱信号chにおける干渉信号となる。
次に、再生された強信号と、弱信号chで設定されるコード位相とキャリア周波数で表現される設定信号との相互相関値を計算する。
そして、弱信号chで、入力信号と、設定されたコード位相とキャリア周波数で表現される設定信号との相関値を得る。この弱信号chでの相関値には、本来欲しい弱信号の自己相関値に加えて強信号と設定信号との相互相関の相関値が含まれているから、弱信号chでの相関値から再生された強信号の波形と設定信号との相互相関値を減算する。このようにして、弱信号chにおける干渉信号成分(強信号相互相関値)を除去している。
US7,064,707B2 US6,282,231B1
しかし、この特許文献1,2の方法によって弱信号chの出力相関値から強信号相互相関値を減算して弱信号自己相関値を得るためには、強信号chでの振幅を求める必要があるが、最近の受信機ではデジタル処理を行うために入力信号は量子化されるのが普通である。その量子化ビット数が少ない場合、特に1ビット量子化を行う場合には、強信号chで測定された振幅は比較的大きな誤差を持つから、弱信号chにおける干渉信号成分(強信号相互相関値)の除去を正しく行うことが難しく、抑圧性能が劣化する。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、強信号の衛星信号と弱信号の衛星信号とが合成された信号を受信する環境下において、強信号chでの振幅を求めること無く、弱信号chの強信号相互相関値を推定し、弱信号chでの強信号の影響を排除できるGPS受信機を提供することを目的とする。
請求項1に記載のGPS受信機は、受信信号が入力されそれぞれ異なる衛星信号に対応した周波数及び拡散コードの種別・位相でアクイジション及びまたはトラッキングするものであって、強信号の衛星信号を受信する強信号チャネルもしくは弱信号の衛星信号を受信する弱信号チャネルとなる複数の受信チャネルと、
前記複数の受信チャネルのうちの1つの強信号チャネルの周波数及び拡散コードの種別・位相を持つ第1信号が入力され、その第1信号と、前記複数の受信チャネルのうちの1つの弱信号チャネルのドップラー成分を含む周波数及び拡散コードの種別・位相とで、相互相関を行い、第2信号である相互相関チャネル相関成分を出力する、少なくとも1つの相互相関チャネルを有し、
前記1つの弱信号チャネルの出力である第3信号(IPW=x1*IPC+x2)に含まれており、且つ、前記1つの強信号チャネルでアクイジションまたはトラッキングされている強信号と前記1つの弱信号チャネルでアクイジションまたはトラッキングされるべき弱信号との相互相関成分(x1*IPC)に対する前記第2信号(IPC)の相互相関割合(x1)を、前記第2信号と前記第3信号とを用いて推定し、
前記相互相関割合(x1)を前記第2信号(IPC)に乗算して前記第3信号(IPW)に含まれる相互相関成分を決定し、
前記第3信号(IPW)から、前記第3信号に含まれる相互相関成分(x1*IPC)を減算して、前記第3信号(IPW)に含まれる弱信号成分x2を得る、ことを特徴とする。
請求項2に記載のGPS受信機は、受信信号が入力されそれぞれ異なる衛星信号に対応した周波数及び拡散コードの種別・位相でアクイジション及びまたはトラッキングするものであって、強信号の衛星信号を受信する強信号チャネルもしくは弱信号の衛星信号を受信する弱信号チャネルとなる複数Nの受信チャネルと、
前記複数の受信チャネルのうちのいずれかの強信号チャネルの周波数及び拡散コードの種別・位相を持つ第1信号が入力され、その第1信号と、前記複数の受信チャネルのうちのいずれかの弱信号チャネルのドップラー成分を含む周波数及び拡散コードの種別・位相とで、相互相関を行い、第2信号である相互相関チャネル相関成分を出力するための、受信チャネル数Nに応じた所定数の相互相関チャネルを有し、
1つもしくは複数N−1以下の強信号チャネルが形成される場合に、
1つの弱信号チャネルの出力である第3信号(IPW=x11*IPC1+x12*IPC2+・・・+x2)に含まれており、且つ1つの強信号チャネルでアクイジションまたはトラッキングされている強信号と当該弱信号チャネルでアクイジションまたはトラッキングされるべき弱信号との相互相関成分(x11*IPC1、または、x12*IPC2、または、・・・)に対して、当該弱信号チャネル及び前記1つの強信号チャネルに係る前記第2信号の相互相関割合(x11、または、x12、または、・・・)を、当該弱信号チャネル及び前記1つの強信号チャネルに係る第2信号(IPC1、または、IPC2、または、・・・)と前記第3信号(IPW)とを用いて、前記第3信号(IPW)に含まれる強信号成分ごとに推定し、
前記第3信号(IPW)に含まれる強信号成分ごとの前記相互相関割合(x11、x12、・・・)を当該弱信号チャネルに係る第2信号(IPC1、IPC2、・・・)に乗算して前記第3信号(IPW)に含まれる相互相関成分(x11*IPC1、x12*IPC2、・・・)を決定し、
前記第3信号(IPW)から、前記第3信号(IPW)に含まれる相互相関成分(x11*IPC1、x12*IPC2、・・・)を減算して、前記第3信号(IPW)に含まれる弱信号成分(x2)を得る、ことを特徴とする。
請求項3に記載のGPS受信機は、請求項1または2に記載のGPS受信機において、前記第2信号は、相互相関チャネルで得られた相互相関チャネル相関成分に、当該チャネルに係る強信号チャネルの出力の符号を乗算して、データ変調の影響を取り除いたものであることを特徴とする。
本発明のGPS受信機によれば、強信号の衛星信号と弱信号の衛星信号とが合成された信号を受信する環境下において、弱信号chの強信号相互相関値を推定し、得られた強信号相互相関値を弱信号chの出力相関値から減算することにより、強信号chでの振幅を求めること無く、弱信号chでの強信号の影響を排除できる。
以下、図面を参照して、本発明のGPS受信機の実施例について説明する。
図1は、本発明のGPS受信機を説明するための図である。GPS受信機で測位を行う為には最低4衛星からの衛星信号の受信結果が必要なので、一般に、4ch以上の受信チャネル(以下、ch)が実装される。衛星信号の受信状況に応じて、例えば、受信chが4chである場合に、強信号chが4で弱信号chが0,強信号chが3で弱信号chが1,強信号chが2で弱信号chが2,強信号chが1で弱信号chが3,及び強信号chが0で弱信号chが4のパターンが考えられる。弱信号chに、強信号chで例えばトラッキングされている強信号が干渉するのは、強信号chと弱信号chがともに存在する場合である。
図1では、本発明を説明するために、強信号ch、弱信号chがそれぞれ1つで計2つの受信chを設ける例が示されている。図1において、1つの強信号をサーチもしくはトラッキングする受信chである強信号ch11と、1つの弱信号をサーチもしくはトラッキングする受信chである弱信号ch12とが示されており、更に、強信号と弱信号との相互相関を行うための相互相関ch30が設けられている。
なお、図1において、図示していないが、図6で説明したものと同様に、制御部(処理器)20、アンテナ1、周波数変換部2、A/D変換部3等が、設けられる。
以下、本発明の動作原理について説明する。従来の説明と同様に、2つの衛星からの信号を受信し、一方が強信号、もう一方が弱信号である環境を想定する。ここで、強信号ch11は、サーチにおいて検出された電力が十分に大きいチャネルや、トラッキングチャネルの判定処理において検出された電力が十分に大きいチャネルが充てられる。また、弱信号ch12は、衛星信号が弱いチャネルを指すが、強信号チャネルと判定されていない未判定チャネルを想定することでもよい。
強信号ch11は、通常の受信chのうちの1つであり、強信号を受信している。強信号chは通常複数あるが、ここでは説明のために1つだけが示されている。強信号ch11は、図8で説明したトラッキングチャネルと同様な構成(111〜116)を有しており、入力されるIF受信信号がミキサ111で、キャリアNCO112からの周波数(制御部20から設定された)とのミキシングにより位相回転され、コード相関器113に供給される。コード相関器113では、ミキサ111からの信号とコードGEN(コード発生器)115からの拡散コードとの相関が取られる。コードGEN115からの拡散コードのコード位相は、コードNCO114からのコード位相(制御部20から設定された)により制御されている。キャリアNCO112からは、IF周波数+その強信号ドップラー周波数がミキサ111に供給され、コードNCO114とコードGEN115からは、その強信号に位相同期が取れている強信号コード位相がコード相関器113に供給されている。
位相回転されてコード相関が取られた信号は、積分器116で所定時間毎に相関値のI成分、Q成分毎に積分され、制御部20へ供給する。制御部20からは、キャリアNCO112へ周波数を設定し、また、コードGEN115へコード番号を設定する。
強信号ch11からは、強信号自己相関電力と弱信号相互相関電力が出力されるが、強信号自己相関電力≫弱信号相互相関電力、の関係にあるので、実質的には強信号自己相関電力が出力される。
図2は、図1の強信号chのより具体的な回路構成を示す図である。ミキサでの位相回転を同相成分Iと直交成分Qで別々に行うためにミキサ111I・ミキサ111Qを設け、ミキサ111IにキャリアNCO112からsinテーブル112Iを介して得た周波数信号を供給し、ミキサ111QにキャリアNCO112からcosテーブル112QIを介して得た周波数信号を供給する。
また、トラッキングを行うDLL回路を構成するために、コードNCO114、コード発生器115に基づいてシフトレジスタ115Sにおいて、実際に同期される位相の同期コードP−codeと、同期コードより半チップ位相が進んだ進みコードE−codeと、同期コードより半チップ位相が遅れた遅れコードL−codeとを発生し、コード相関器113IE、113IP、113IL、113QE,113QP,113QLで、ミキサ111IからのI信号、ミキサ111QからのQ信号と乗算して、各々相関値ie,ip,il,qe,qp,qlを得る。これら相関値ie〜qlを、積分器116IE、116IP、116IL,116QE,116QP,116QLでそれぞれ所定時間、例えば1/n[ms]積分し、積分した相関値IE、IP、IL,QE,QP,QLを得る。
バッファ119は、積分した相関値IE〜QLを順次別々に記憶する相関値毎にn個以上(少なくともn個)の記憶領域を持ち、それらの記憶領域に各相関値IE〜QLをn個記憶する。
この「n」は、多いほど測定精度は改善するが、制御部の処理負荷が増加するので、精度と処理負荷とのトレードオフで適切な回数に設定する。
なお、相関値の処理において、相関値IE、IL,QE,QLに代えて、IE−IL=IEL,QE−QL=QELとした相関値IEL,QELを処理しても良い。
制御部20は例えば、ある衛星に対するサーチ処理の結果得られた周波数、コード番号及びコード位相を、トラッキングchに設定する。トラッキングchは指定された周波数、コード番号及びコード位相で相関演算を行い、相関結果のI成分、Q成分を制御部20へ出力し、制御部20では安定した受信を継続するように、最適な周波数とコード位相を随時算出し、トラッキングchへ設定する。制御部20はその他、本発明のための制御処理を司る。また、制御部20は全てのchに共通に設けることでも良い。
また、受信chである強信号ch11は、シフトレジスタ115Sの同期コードP−codeとキャリアNCO112からの周波数信号(sinテーブル112Iを介して得た周波数信号でよい)とをミキサ111Sで乗算して、強信号chの周波数及び拡散コードの種別・位相を持つ第1信号として、出力する。この第1信号は、相互相関ch30へ供給される。
弱信号ch12は、通常のトラッキングチャネルのうちの1つであり、弱信号を受信している。弱信号ch12は、強信号ch11と同様な構成(121〜126)を有しており、「弱信号自己相関電力+強信号相互相関電力」の信号を出力している。キャリアNCO122からは、IF周波数+その弱信号ドップラー周波数がミキサ121に供給され、コードNCO124とコードGEN125からは、その弱信号コードがコード相関器123に供給されている。その弱信号コード位相が、その弱信号に正常にトラッキングされているときは位相同期が取れている。弱信号ch12も1つの受信chであるので、強信号chとして使用されることもあるから、図2と同様に、シフトレジスタの同期コードP−codeとキャリアNCOからの周波数信号とをミキサで乗算して出力できる構成となっている。しかし、弱信号chとして使用される場合には、その出力は行われない。また、その受信chが弱信号ch専用である場合には、その出力できる構成は不要である。
相互相関ch30は、強信号相互相関の実測を専門に行うもので、強信号ch11と同様な構成(301〜306)を有しているが、その入力される信号として、IF受信信号ではなく、強信号ch11の周波数及び拡散コードの種別・位相を持つ第1信号が供給されている。また、キャリアNCO302からは、IF周波数に弱信号ドップラー周波数が加算された周波数がミキサ301に供給され、コードNCO304とコードGEN305からは、その弱信号コードがコード相関器303に供給されている。そして、積分器306から強信号相互相関電力である第2信号が出力される。なお、相互相関ch30は、図2とは異なり、シフトレジスタの同期コードP−codeとキャリアNCOからの周波数信号とをミキサで乗算して出力できる構成は、不要である。
図1,図2の構成において、処理手順を説明する。先ず、第1段階として、強信号ch11と弱信号ch12と相互相関ch30の出力、即ち積分した相関値IE、IP、IL,QE,QP,QLを得る。これらの相関値IE〜QL、もしくはIEL,QELを、それぞれの相関値毎にN個の記憶領域を持つバッファ117に記憶させる。強信号ch11と弱信号ch12と相互相関ch30の相関値を区別するために、強信号ch11の相関値はSを付して、IPS、IELS,QPS,QELSとし、弱信号ch12の相関値はWを付して、IPW、IELW,QPW,QELWとし、相互相関ch30の相関値はCを付して、IPC、IELC,QPC,QELCと表現する。また、バッファ117に記憶された値は、配列で表現する。例えば、IPSのバッファ117の値は、IPS(1),IPS(2),・・・,IPS(n)、または、IPS(i),i=1,・・・,nと表現する。他の相関値も同様。
次に、第2段階として、強信号のデータ変調の影響を取り除くために、相互相関ch30の出力IPC、IELC,QPC,QELCに、強信号chの出力IPSの符号を乗算する。即ち、IPC(i)*SGN(IPS(i)),IELC(i)*SGN(IPS(i)),QPC(i)*SGN(IPS(i)),QELC(i)*SGN(IPS(i)),i=1,・・・,n、を計算する。入力信号に含まれる強信号はデータ変調されているが、再生した強信号である第1信号はデータ変調されていないので、データ変調を表す出力IPSの符号を乗算してデータ変調の影響を取り除くものである。
次に、第3段階として、弱信号ch12の出力IPW,QPWの中に含まれている相互相関の割合x1を、相互相関ch30の出力IPC,QPCと弱信号ch12の出力IPW,QPWを用いて推定する。この推定は最小自乗推定が良い。この相互相関割合x1は、出力IPW,QPWから自己相関分を取り除いたもの、即ち弱信号chの出力IPW,QPWに含まれる相互相関成分に、出力IPC,QPCの何倍が含まれているかを表す係数である。x1=「弱信号chの出力に含まれる相互相関成分」/「相互相関chの出力」、である。
入力信号は、データ変調された強信号及び弱信号と、ノイズからなる。よって、弱信号ch12で相関を取ると以下の関係が得られる。
IPW(i)=x1*(IPC(i)*SGN(IPS(i)))+x2+v1
QPW(i)=x1*(QPC(i)*SGN(IPS(i)))+x3+v2
ここで、IPW(i),QPW(i):入力信号とキャリアNCO122及びコードGEN125の周波数・拡散コード(以下、弱信号設定値)との相関で、弱信号ch12の出力、
IPC(i)*SGN(IPS(i)),QPC(i)*SGN(IPS(i)):強信号と弱信号設定値との相互相関成分、
x2,x3:弱信号と弱信号設定値との自己相関成分、
v1,v2:ノイズと弱信号設定値との相関成分で、ノイズ成分、
未知数x1,x2,x3を最小自乗推定するために、以下のh1,h2,h3,y1,y2,y3を計算する。Σは、i=1,・・・,n、での合計を表す。この最小自乗推定によって予測誤差の自乗和が最小にされることにより、ノイズ成分v1,v2を含んで未知数が推定される。
h1=Σ(IPC(i)2)+QPC(i)2
h2=Σ(IPC(i)*SGN(IPS(i))
h3=Σ(QPC(i)*SGN(IPS(i))
y1=Σ(IPC(i)*SGN(IPS(i))*IPW(i)
+QPC(i)*SGN(IPS(i))*QPW(i))
y2=ΣIPW(i)
y3=ΣQPW(i)
次の数1の行列演算を行う。xe1は、相互相関割合x1を推定した推定相互相関割合であり、同相成分を用いてSGN成分を省略した簡易形式で表現すると、
e1=「IPW−xe2」/「IPC」、である。なお、xe2は、自己相関成分x2を推定した推定自己相関成分であり、またこの後に使用される他の「xe・・」は「x・・」の推定値を表している。
Figure 0005095499
次に、第4段階として、推定した相互相関割合xe1を、相互相関ch30の出力IPC、IELC,QPC,QELCに乗算して、弱信号ch12の出力IPW、IELW,QPW,QELWに含まれる相互相関成分を推定する。そして、弱信号ch12の出力IPW、IELW,QPW,QELWから、推定した相互相関成分を減算して、弱信号成分xe2,xe3である補正済の相関値IPWX(i),IELWX(i),QPWX(i),QELWX(i),を得る。
IPWX(i)=IPW(i)−xe1*IPC(i)*SGN(IPS(i))
IELWX(i)=IELW(i)−xe1*IELC(i)*SGN(IPS(i))
QPWX(i)=QPW(i)−xe1*QPC(i)*SGN(IPS(i))
QELWX(i)=QELW(i)−xe1*QELC(i)*SGN(IPS(i))
このようにして、1つの弱信号ch12の出力である第3信号(以下、括弧内は同相成分を用いてSGN成分を省略した簡易形式で表記;IPW=xe1*IPC+xe2)に含まれており、且つ、1つの強信号チャネル11でトラッキングされている強信号と1つの弱信号チャネル12でトラッキングされるべき弱信号との相互相関成分(xe1*IPC)に対する第2信号(IPC)の相互相関割合(xe1)を、第2信号と第3信号とを用いて推定する。そして、相互相関割合(xe1)を第2信号(IPC)に乗算して第3信号(IPW)に含まれる相互相関成分を決定し、第3信号(IPW)から、第3信号に含まれる相互相関成分(xe1*IPC)を減算して、第3信号(IPW)に含まれる弱信号成分(xe2)を得ることができる。
また、サーチモードの場合にはアクイジションを行うことになるが、補正済の相関値IPWX(i),IEWX(i),ILWX(i),QPWX(i),QEWX(i),QLWX(i),を次式により得る。
IPWX(i)=IPW(i)−xe1*IPC(i)*SGN(IPS(i))
IEWX(i)=IEW(i)−xe1*IEC(i)*SGN(IPS(i))
ILWX(i)=ILW(i)−xe1*ILC(i)*SGN(IPS(i))
QPWX(i)=QPW(i)−xe1*QPC(i)*SGN(IPS(i))
QEWX(i)=QEW(i)−xe1*QEC(i)*SGN(IPS(i))
QLWX(i)=QLW(i)−xe1*QLC(i)*SGN(IPS(i))
図3は、受信chが3つであり、その内の2つが強信号ch、1つが弱信号chとして形成される場合の構成を示す図である。
弱信号ch12の出力IPW(i),QPW(i)には、強信号ch11−1でトラッキングされている強信号1による相互相関成分1と、強信号ch11−2でトラッキングされている強信号2による相互相関成分2とが含まれている。したがって、強信号1,2による干渉信号を除去するために、強信号ch11−1の強信号1と弱信号ch12の弱信号設定値との相互相関を行う相互相関ch30−1と、強信号ch11−2の強信号2と弱信号ch12の弱信号設定値との相互相関を行う相互相関ch30−2とを設ける。
そして、以下のような式に基づいて、既に説明した強信号chが1つの場合と同様にして、弱信号ch12の弱信号を求める。なお、以下の式においては、各記号の意味は既に説明した強信号chが1つの場合と同様であるが、添え字1は強信号1に関するものを表し、添え字2は強信号2に関するものを表している。例えば、x11は相互相関割合1であり、x11=「弱信号chの出力に含まれる強信号1による相互相関成分」/「相互相関ch1の出力」、である。また、x12は相互相関割合2であり、x12=「弱信号chの出力に含まれる強信号2による相互相関成分」/「相互相関ch2の出力」、である。
IPW(i)=x11*(IPC1(i)*SGN(IPS1(i))
+x12*(IPC2(i)*SGN(IPS2(i))+x2+v1
QPW(i)=x11*(QPC1(i)*SGN(IPS1(i))
+x12*(QPC2(i)*SGN(IPS2(i))+x3+v2
未知数x11,x12,x2,x3を最小自乗推定するために、以下のh11,h12,h22,h13,h23,h14,h24,y11,y12,y2,y3を計算する。
h11=Σ(IPC1(i)2+QPC1(i)2
h12=Σ(IPC1(i)*IPC2(i)+QPC1(i)*QPC2(i))
h22=Σ(IPC2(i)2+QPC2(i)2
h13=Σ(IPC1(i)*SGN(IPS1(i))
h23=Σ(IPC2(i)*SGN(IPS2(i))
h14=Σ(QPC1(i)*SGN(IPS1(i))
h24=Σ(QPC2(i)*SGN(IPS2(i))
y11=Σ(IPC1(i)*SGN(IPS1(i))*IPW(i)
+QPC1(i)*SGN(IPS1(i))*QPW(i))
y12=Σ(IPC2(i)*SGN(IPS2(i))*IPW(i)
+QPC2(i)*SGN(IPS2(i))*QPW(i))
y2=ΣIPW(i)
y3=ΣQPW(i)
次の数2の行列演算を行う。xe11,xe12が各々の推定した相互相関割合である。
Figure 0005095499
そして、推定した相互相関割合xe11,xe12を、相互相関ch30ー1、30−2の出力IPC1,IELC1,QPC1,QELC1,IPC2、IELC2,QPC2,QELC2に乗算して、弱信号ch12の出力IPW、IELW,QPW,QELWに含まれる相互相関成分を推定する。そして、弱信号ch12の出力IPW、IELW,QPW,QELWから、推定した相互相関成分を減算して、弱信号成分xe2,xe3である補正済の相関値IPWX(i),IELWX(i),QPWX(i),QELWX(i),を得る。
さて、以上の説明では、受信chが2つで強信号chが1,弱信号chが1の場合と、受信chが3つで強信号chが2,弱信号chが1の場合について本発明を説明した。前述したように、GPS受信機で測位を行う為には最低4衛星からの衛星信号の受信結果が必要なので、一般に、4ch以上の受信chが実装される。
図4、図5は、例えば、受信chが4chである場合に、衛星信号の受信状況に応じて、考えられるパターンを示す図である。図4、図5のように、強信号chが4で弱信号chが0のパターン(図4の(a)),強信号chが3で弱信号chが1のパターン(図4の(b)),強信号chが2で弱信号chが2のパターン(図4の(c)),強信号chが1で弱信号chが3のパターン(図5の(a)),及び強信号chが0で弱信号chが4のパターン(図5の(b))が考えられる。
図4(a)では、各受信chが強信号1〜4にトラッキングし、強信号ch1〜強信号ch4となるので、相互相関chを使用する必要がない。
図4(b)では、3つの受信chが強信号1〜3にトラッキングし、強信号ch1〜強信号ch3となり、1つの受信chが弱信号1にトラッキングすべき弱信号ch1となる。この場合には、弱信号ch1に強信号ch1〜強信号ch3でトラッキングしている強信号1〜3が干渉することになる。したがって、強信号1と弱信号1との相互相関を相互相関ch1で行い、強信号2と弱信号1との相互相関を相互相関ch3で行い、強信号3と弱信号1との相互相関を相互相関ch4で行うことになる。そして、図3を用いて説明したと同様な手法により、各々の相互相関割合を求めて、弱信号ch1の弱信号成分を得る。
図4(c)では、2つの受信chが強信号1,2にトラッキングし、強信号ch1,強信号ch2となり、2つの受信chが弱信号1,2にトラッキングすべき弱信号ch1,弱信号ch2となる。この場合には、弱信号ch1に強信号ch1,強信号ch2でトラッキングしている強信号1,2が干渉することになり、また、弱信号ch2にも強信号ch1,強信号ch2でトラッキングしている強信号1,2が干渉することになる。したがって、強信号1と弱信号1との相互相関を相互相関ch1で行い、強信号2と弱信号1との相互相関を相互相関ch2で行い、さらに、強信号1と弱信号2との相互相関を相互相関ch3で行い、強信号2と弱信号2との相互相関を相互相関ch4で行うことになる。そして、図3を用いて説明したと同様な手法により、各々の相互相関割合を求めて、弱信号ch1の弱信号成分、及び弱信号ch2の弱信号成分を得る。
図5(a)では、1つの受信chが強信号1にトラッキングし、強信号ch1となり、3つの受信chが弱信号1〜3にトラッキングすべき弱信号ch1〜弱信号ch3となる。この場合には、弱信号ch1、弱信号ch2、弱信号ch3に、強信号ch1でトラッキングしている強信号1が干渉することになる。したがって、強信号1と弱信号1との相互相関を相互相関ch1で行い、強信号1と弱信号2との相互相関を相互相関ch2で行い、強信号1と弱信号3との相互相関を相互相関ch4で行うことになる。そして、図3を用いて説明したと同様な手法により、各々の相互相関割合を求めて、弱信号ch1の弱信号成分を得る。
図5(b)では、各受信chが弱信号1〜4にトラッキングし、弱信号ch1〜弱信号ch4となり、これら弱信号ch1〜4に干渉を与える強信号は存在しないから、相互相関chを使用する必要がない。
これら図4,図5において、相互相関ch1〜4への強信号chからの各第1信号の供給は、選択スイッチを設けて、衛星信号の受信状況に応じて選択スイッチを適宜切り換える。これにより、相互相関chの数を4個に制限している。
一般的に、相互相関chの数は、受信ch数Nに応じた所定数である。受信chが複数N個である場合に、Nが偶数の場合には、(N/2)2個の相互相関ch、Nが奇数の場合には(N+1)*(N−1)/4個の相互相関chがあれば良い。即ち、相互相関chの所定数は、「(N/2)2個(Nが偶数時)」または「(N+1)*(N−1)/4個(Nが奇数時)」。例えば、N=4では、図4,図5の通り4個の相互相関chを設けることで、本発明を実現することができる。
このようにして、受信信号が入力されそれぞれ異なる衛星信号に対応した周波数及び拡散コードの種別・位相でアクイジション及びまたはトラッキングするものであって、強信号の衛星信号を受信する強信号チャネルもしくは弱信号の衛星信号を受信する弱信号チャネルとなる複数Nの受信チャネルと、その複数の受信チャネルのうちのいずれかの強信号チャネルの周波数及び拡散コードの種別・位相を持つ第1信号が入力され、その第1信号と、前記複数の受信チャネルのうちのいずれかの弱信号チャネルのドップラー成分を含む周波数及び拡散コードの種別・位相とで、相互相関を行い、第2信号である相互相関チャネル相関成分を出力するための、受信チャネル数Nに応じた所定数の相互相関チャネルを有するGPS受信機が構成される。
そして、1つもしくは複数N−1以下の強信号チャネルが形成される場合に、
(1)1つの弱信号チャネルの出力である第3信号(以下、括弧内は同相成分を用いてSGN成分を省略した簡易形式で表記;IPW=x11*IPC1+x12*IPC2+・・・+x2)に含まれる、1つの強信号チャネルでアクイジションまたはトラッキングされている強信号と当該弱信号チャネルでアクイジションまたはトラッキングされるべき弱信号との相互相関成分(x11*IPC1、または、x12*IPC2、または、・・・)に対して、当該弱信号チャネル及び前記1つの強信号チャネルに係る前記第2信号の相互相関割合(x11、または、x12、または、・・・)を、当該弱信号チャネル及び前記1つの強信号チャネルに係る第2信号(IPC1、または、IPC2、または、・・・)と前記第3信号(IPW)とを用いて、前記第3信号(IPW)に含まれる強信号成分ごとに推定し、
(2)前記第3信号(IPW)に含まれる強信号成分ごとの前記相互相関割合(x11、x12、・・・)を当該弱信号チャネルに係る第2信号(IPC1、IPC2、・・・)に乗算して前記第3信号(IPW)に含まれる相互相関成分(x11*IPC1、x12*IPC2、・・・)を決定し、
(3)前記第3信号(IPW)から、前記第3信号(IPW)に含まれる相互相関成分(x11*IPC1、x12*IPC2、・・・)を減算して、前記第3信号(IPW)に含まれる弱信号成分(x2)を得る。
更に、他の弱信号chが存在する場合には、同様にして、強信号による干渉成分を除去して、他の弱信号chにおける弱信号成分を得ることができる。
なお、本発明は、干渉信号(強信号)がコード変調されていない正弦波である場合にも、同様の手法により、その正弦波による影響を除去可能である。
本発明のGPS受信機を説明するための図 受信ch(強信号ch、弱信号ch)のより具体的な回路構成を示す図 受信chが3つ(強信号ch;2つ、弱信号ch;1つ)の場合の構成図 受信chが4chである場合の、パターン1−3を示す図 受信chが4chである場合の、パターン4、5を示す図 従来から一般に用いられているGPS受信機の概略構成を示す図 サーチ部の具体的な構成例を示す図 トラッキングチャネルの具体的な構成例を示す図 強信号と弱信号のレベル差が小さい場合のコード位相−相関レベルの特性図 強信号と弱信号のレベル差が大きい場合のコード位相−相関レベルの特性図
符号の説明
1:アンテナ、2:周波数変換部、3:A/D変換部、4:信号処理部、10:サーチ部
11,12:トラッキングch、101〜1n1:ミキサ
102〜1n2:キャリアNCO、103〜1n3:コード相関器
104〜1n4:コードNCO、105〜1n5:コード発生器
106〜1n6:積分器、107:電力化部、108:バッファ及びソート部、119:バッファ、20:制御部、30:相互相関ch

Claims (3)

  1. 受信信号が入力されそれぞれ異なる衛星信号に対応した周波数及び拡散コードの種別・位相でアクイジション及びまたはトラッキングするものであって、強信号の衛星信号を受信する強信号チャネルもしくは弱信号の衛星信号を受信する弱信号チャネルとなる複数の受信チャネルと、
    前記複数の受信チャネルのうちの1つの強信号チャネルの周波数及び拡散コードの種別・位相を持つ第1信号が入力され、その第1信号と、前記複数の受信チャネルのうちの1つの弱信号チャネルのドップラー成分を含む周波数及び拡散コードの種別・位相とで、相互相関を行い、第2信号である相互相関チャネル相関成分を出力する、少なくとも1つの相互相関チャネルを有し、
    前記1つの弱信号チャネルの出力である第3信号に含まれており、且つ、前記1つの強信号チャネルでアクイジションまたはトラッキングされている強信号と前記1つの弱信号チャネルでアクイジションまたはトラッキングされるべき弱信号との相互相関成分に対する前記第2信号の相互相関割合を、前記第2信号と前記第3信号とを用いて推定し、
    前記相互相関割合を前記第2信号に乗算して前記第3信号に含まれる相互相関成分を決定し、
    前記第3信号から、前記第3信号に含まれる相互相関成分を減算して、前記第3信号に含まれる弱信号成分を得る、ことを特徴とする、GPS受信機。
  2. 受信信号が入力されそれぞれ異なる衛星信号に対応した周波数及び拡散コードの種別・位相でアクイジション及びまたはトラッキングするものであって、強信号の衛星信号を受信する強信号チャネルもしくは弱信号の衛星信号を受信する弱信号チャネルとなる複数Nの受信チャネルと、
    前記複数の受信チャネルのうちのいずれかの強信号チャネルの周波数及び拡散コードの種別・位相を持つ第1信号が入力され、その第1信号と、前記複数の受信チャネルのうちのいずれかの弱信号チャネルのドップラー成分を含む周波数及び拡散コードの種別・位相とで、相互相関を行い、第2信号である相互相関チャネル相関成分を出力するための、受信チャネル数Nに応じた所定数の相互相関チャネルを有し、
    1つもしくは複数N−1以下の強信号チャネルが形成される場合に、
    1つの弱信号チャネルの出力である第3信号に含まれており、且つ1つの強信号チャネルでアクイジションまたはトラッキングされている強信号と当該弱信号チャネルでアクイジションまたはトラッキングされるべき弱信号との相互相関成分に対して、当該弱信号チャネル及び前記1つの強信号チャネルに係る前記第2信号の相互相関割合を、当該弱信号チャネル及び前記1つの強信号チャネルに係る第2信号と前記第3信号とを用いて、前記第3信号に含まれる強信号成分ごとに推定し、
    前記第3信号に含まれる強信号成分ごとの前記相互相関割合を当該弱信号チャネルに係る第2信号に乗算して前記第3信号に含まれる相互相関成分を決定し、
    前記第3信号から、前記第3信号に含まれる相互相関成分を減算して、前記第3信号に含まれる弱信号成分を得る、ことを特徴とする、GPS受信機。
  3. 請求項1または2に記載のGPS受信機において、前記第2信号は、相互相関チャネルで得られた相互相関チャネル相関成分に、当該チャネルに係る強信号チャネルの出力の符号を乗算して、データ変調の影響を取り除いたものであることを特徴とする、GPS受信機。
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