JP5093659B2 - 非調質フェライト・パーライト鋼材 - Google Patents

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Description

本発明は、高強度・高靱性を必要とする自動車用部品や建築用鋼材等に使用される高強度高靱性の非調質鋼材を製造する技術に関するものであり、かかる鋼材の製造過程においては、従来一般的に不可欠とされている溶銑及び/又は溶鋼の脱硫処理を施すことなく、S(硫黄)を所定値以下で高濃度に含有する低品位鉄源をも含めた鉄源を用いて、当該鋼材に使用可能な高強度・高靱性を備え、しかも非調質の鋼材を製造する技術に関するものである。
自動車をはじめとして、輸送機械や建設機械に用いられる構造部品には、機械構造用炭素鋼や機械構造用合金鋼に焼入れ・焼戻しを施した調質鋼だけでなく、焼入れ・焼戻しによらず鋼の化学成分組成や組織の制御によって高強度を確保した非調質鋼が用いられている。このような用途に用いられる非調質鋼としては、VやNb等の有価元素を所定量添加したフェライト−パーライト二相組織が一般的である。
一般に、鋼を高強度化すると靱性が低下するが、高強度化して前記鋼材として使用するためには、少なくとも従来使用していた鋼材と同等の製品靱性を確保する必要がある。
従来、鋼材の強化方法としては、固溶強化や、マルテンサイト等との複合組織化による第2相による強化、結晶粒の微細化、析出強化等の方法が知られている。
Sを鋼材の特性向上のために積極的に添加する鋼材として、例えば特許文献1には、機械構造用鋼や軸受鋼等の転動疲労を向上させるために、MnSを主成分とした円相当直径で0.1〜3μmの微細硫化物が5000個/mm以上、晶出あるいは析出により分散させた中・高炭素鋼が開示されている(段落番号8、12、17、25等)。しかしながら、微細硫化物の分散方法については記載がないので不明であるが、当該鋼は焼入れ・焼戻しによる調質鋼であるから、その調質処理に伴う製造コストがかかる。
また、特許文献2には、非調質材で調質材に匹敵する強度及び靭性が得られるという熱間圧延型非調質棒鋼の製造技術が開示されている。これによれば、所定の化学成分組成を有する鋼を、溶解時から残存するTi−Mo系炭化物等を固溶させるため、1100℃以上に加熱して熱間圧延し、その後冷却において、700〜550℃を0.5℃/secの冷却速度で冷却することにより、フェライト単相組織を有し、粒径が10nm未満(0.01μm未満)の微細析出物が分散している高強度・高靭性棒鋼を開示している(段落番号0071の表1、段落番号0072の表2、請求項9、段落番号0055、0056等)。
これによれば、熱間圧延後の冷却速度を厳密に制御しなければならないこと、鋼材の被削性を向上させたい場合には、Sを添加することが望ましいが、Ti−Mo系炭化物を含む析出物を微細に析出させ、強度を向上させるために、有価金属元素であるTi及びMoを所定量添加することが必要である(段落番号0038、0039)。
特開2004−277768号公報 特開2004−3008号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものである。自動車等の高強度構造部品等にはS45C等の機械構造用炭素鋼に対して、従来、焼入れ・焼戻し処理(調質処理)を施して、高強度を確保すると共に、靭性を向上させたものが用いられてきたが、本発明では、そのS45Cの機械構造用炭素鋼成分を基本とし、脱硫コスト排除のためにSを通常の鋼に比較して高濃度に含有したままでもよく、しかもCu、Ni、Cr、V、Ti、Nb、Mo、B等の有価金属元素は一切含有させる必要がなく、このように安価な成分系の鉄源を用いて、S45Cの調質処理鋼と同等乃至それ以上の高強度・高靭性を有する非調質鋼を製造することを目的とする。
そして、上記目的を達成するために、MnSを主体とする微細硫化物をフェライト−パーライト二相組織中のフェライト中に分散析出させることにより、高強度且つ高靭性を備えた非調質鋼を製造することを課題とする。
発明1は、化学成分組成が、
C :0.30〜0.65質量%、
Si:0.10〜0.50質量%、
Mn:0.50〜1.50質量%、
S :0.003〜0.100質量%、
Cr:0.20質量%以下(0質量%を含む)、
Al:0.005〜0.060質量%
であって、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼に対して、1300℃超えから固相線温度以下までの温度範囲内において溶体化熱処理を施した後、5℃/sec以上の冷却速度で冷却し、次いで時効熱処理を、下記(1)式:
P=(T+273){20+log(t/60)}・・・・・・(1)
但し、T:オーステナイト温度域での時効熱処理の保持温度(℃)
t:時効熱処理の保持時間(min)
で示す時効熱処理パラメーターPの値が24200〜27000の範囲内となる条件において施すことにより、フェライト組織中に、MnSを主成分とする粒径200nm以下の非金属介在物粒子を分散析出させたことに特徴を有するものである。
発明2は、前記発明1の非調質フェライト・パーライト鋼材において、前記化学成分組成を有する鋼に対して、1300℃超えから固相線温度以下までの温度範囲内において溶体化熱処理を施した後に、5℃/sec以上の冷却速度でオーステナイト温度域内まで急冷し、引き続き時効熱処理を、下記(1)式:
P=(T+273){20+log(t/60)}・・・・・・(1)
但し、T:オーステナイト温度域での時効熱処理の保持温度(℃)
t:時効熱処理の保持時間(min)
で示す時効熱処理パラメーターPの値が24200〜27000の範囲内となる条件において施すことに特徴を有するものである。
発明3は、前記発明2の非調質フェライト・パーライト鋼材において、前記時効熱処理を施している期間中に、前記鋼に対して熱間加工を施すものであって、前記(1)式の時効熱処理の保持時間tとして、当該熱間加工の待ち時間を含めた当該熱間加工に要した総時間を採用することに特徴を有するものである。
発明4は、前記発明1から3のいずれかの非調質フェライト・パーライト鋼材において、前記溶体化熱処理を、溶鋼が鋳造された後の1300℃超えから固相線温度以下までの温度範囲内にある鋼塊又は鋳片に対して施すことに特徴を有するものである。
発明5は、前記発明1から4のいずれかの非調質フェライト・パーライト鋼材において、ビッカース硬さが210以上であることに特徴を有するものである。
発明6は、前記発明1から4のいずれかの非調質フェライト・パーライト鋼材において、前記化学成分組成の内、S含有量が0.003〜0.045質量%であって、ビッカース硬さが240以上であることに特徴を有するものである
本発明によれば、S45C成分系の鋼を用いて、焼入・焼戻しといった調質処理を施さずに、従来S45C成分系の調質処理鋼材と同等以上の強度及び靭性を有する鋼材を製造することができ、工業上極めて有益な効果がもたらされる。
本発明者は、高S含有のS45C系成分鋼について、MnS主体の硫化物を微細に分散析出させる方法を、従来の製造設備を利用した範囲内の低コスト作業により実現することを目指して鋭意試験研究した。その結果、次の知見を得た。
S45C系成分の鋼であって、この鋼がγ域内における従来公知のMnSの溶解度曲線を超えるMn及びS含有量を有すると否とにかかわらず、この鋼に対して、先ず1300℃を超える温度以上であって当該鋼を溶融状態(完全液相状態)から冷却させたときの固相線温度以下の温度範囲内において溶体化熱処理を施し、次いで当該鋼を水冷によりγ域内の温度まで急冷し、γ域内の温度範囲内において種々の条件で時効熱処理を行なった。
その結果、MnSを含む硫化物系の微細介在物がフェライト組織中に析出する場合が存在することを確認した。このMnSを含む微細析出物を有するフェライト・パーライト組織鋼においては、通常のフェライト・パーライト組織鋼においてパーライト体積率の増加による硬度上昇よりも明らかに大きな硬度の上昇が認められ、その硬度の上昇状態の特徴として、パーライト体積率の増加につれて上昇する硬度に極大値が出現することが認められ、この極大値を出現させる特定な条件が存在することを見出した。なお、パーライト体積率は、パーライト面積率の測定によるものであり、両者は同一であるとみなすことができる。また、上記MnSを含む硫化物系の微細介在物の粒径は約50〜200nm程度であることが観察された。
本発明の実施形態について詳細に説明する。
(1)化学成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。
C:0.30〜0.65質量%
Cは強度の確保のために添加する。Cが0.30質量%未満では、この作用が過小であり、一方、0.65質量%を超えると、フェライト分率が低下し、強度が過大となるため靭性が劣化する。従って、C含有量は0.30〜0.65質量%とする。好ましくは、0.42〜0.48質量%の範囲内とするのがよい。
Si:0.10〜0.50質量%
Siは製鋼工程における脱酸に必要な元素であり、0.10質量%未満では脱酸作用が不足し、一方、0.50質量%を超えると、靭性の確保に不利となる。従って、Si含有量は0.10〜0.50質量%の範囲内とする。好ましくは、0.15〜0.35質量%とするのがよい。
Mn:0.50〜1.50質量%
Mnは製鋼工程において脱酸作用を有し、また変態温度を低下させ、組織の微細化に効果がある。Mnは0.50質量%未満ではこの作用が過小であり、一方、1.50質量%を超えると固溶強化により強度が過大となり、靭性が劣化しやすい。従って、Mn含有量は0.50〜1.50質量%の範囲内とする。好ましくは、0.60〜0.90質量%とするのがよい。
S:0.003〜0.100質量%
Sは溶体化処理工程の後で行なわれるオーステナイト温度域において行なう時効熱処理工程において、微細なMnSを析出させて硬さの向上を図るために必要な成分である。S含有量が0.003質量%未満ではこの作用が過小であり、一方、0.100質量%を超えると、MnSを含む析出物が多くなり過ぎて靭性及び延性を低下させる。従って、S含有量は0.003〜0.100質量%の範囲内とする。好ましくは0.003〜0.070質量%とするのがよく、更に好ましくは0.003〜0.045質量%とするのがよい。
Cr:0.20質量%以下
Crは固溶強化、及びパーライトのラメラ間隔の微細化により、強度上昇効果がある。このような効果を発揮させるためには、0.05質量%以上含有することがよいが、本発明においては、安価な原料を使用するとの観点から、敢えて添加しなくても微細なMnSの析出により強度を確保できる。一方、電気炉鋼においてスクラップからの混入を避けられない場合を考慮して、0.20質量%までを許容するものとする。従って、Cr含有量は0.20質量%以下とし、0質量%であってもよい。
Al:0.005〜0.060質量%
Alは製鋼工程における脱酸に必要な元素であり、またAlNとして析出し、時効熱処理後の空冷時における組織の粗大化を抑制する作用を有する。Al含有量が0.005質量%未満ではこのような作用が過小であり、一方、0.060質量%を超えると固溶強化が著しくなり、靭性が劣化する。従って、Al含有量は0.005〜0.060質量%とする。
(2) 今回本発明者が知見した技術事項の中で観察された粒径約200nm以下の微細析出物による材料の分散強化に関しては、当該微細分散析出物による鉄鋼材料強度の増加分(τOR)の評価式は、下記(2)式で表わされる。
τOR=μb/L ・・・・・・・・・(2)
但し、
μ:当該材料のヤング率(=75.3GPa)
b:バーガースベクトル(=2.4Å)
L:微細析出物間の距離(Å)
なお(2)式は、例えば、加藤雅治 「入門転位論」P145(11.7)式 棠華房 1999年 に開示されている。
本願発明においては、上記MnSを含む硫化物系の微細介在物の析出により、フェライト・パーライト組織鋼材においてパーライト分率の増大につれて上昇する強度の増加分以上に上昇した強度の増加分(ΔTS)は、ビッカース硬さの上昇分(ΔH)で、最大約65であった。即ち、ΔTS≒65×3.3≒220MPaに相当する。そこで、上記(2)式において、τOR=220MPaとみなすことができるので、微細析出物間の距離(L)を算出すると、L≒820Å=82nmが得られる。
以上の概算より、本発明における化学成分組成を有するフェライト・パーライト組織鋼材は、微細介在物の析出分布、例えばMnSを含む粒径が約200nm以下の微細介在物粒子が、望ましくは60nm以下の粒子が、当該微細析出粒子間の距離として大きくとも100nm以下、望ましくは80nm以下で分散分布していることが必要であると推論される。この際、粒子形状がτORの値、従ってΔTSの値に及ぼす影響は小さいと考えられる。
このように、本願発明による製造方法によれば、粒径約200nm以下、小さいものとしては50nmのMnSを含む硫化物系の微細析出物が認められているので、微細析出物間の距離(L)は精々100nm以下となっているといえる。
また、ビッカース硬さを240以上確保することも可能であり、その条件として、後述する(1)式で表わされる時効熱処理パラメーターPが、25000〜27000であって、鋼の成分組成の内、S含有量を0.003〜0.045質量%の範囲内とすることにより達成することができる。
(3)製造条件について
上記した所定の化学成分組成を有する溶鋼を造塊法により鋼塊に鋳造し、分塊圧延によりブルーム又はビレットに熱間圧延して鋼片を調製する。一方、前記溶鋼を連続鋳造法によりブルーム又はビレットに鋳造して鋼片を調製する。こうして得られた鋼片(半成品)を、最終的に鋼材として必要とする所望の寸法・形状に熱間圧延又は熱間鍛造により熱間加工する。得られた熱間加工鋼材を溶体化熱処理により、Mn−Sの固溶曲線以上のMn及びS成分を固溶させる。その際、溶体化処理温度の設定値により、固溶限以下のMn、Sしか含有されていない場合であっても、固相線温度以下であって1300℃超えの温度において、所定時間以上保持することにより、完全固溶させる。溶体化処理後の冷却速度は5℃/sec以上とする。次に、オーステナイト温度域まで加熱して、時効熱処理によりMnSを析出させる。この際、時効熱処理条件としては、下記(1)式の時効熱処理パラメーターPが、24200〜27000の範囲内となるように、保持温度及び保持時間を設定する。
P=(T+273){20+log(t/60)}・・・・・・(1)
但し、T:オーステナイト温度域での時効熱処理の保持温度(℃)
t:時効熱処理の保持時間(min)
時効熱処理が終了後は、マルテンサイトあるいはベイナイト等の急冷組織が生成せず、フェライト・パーライト2相組織が得られるようにするための冷却速度とする必要がある。以上の製造工程により、顕微鏡観察により測定されるパーライトの面積%(Fp)の測定値に基づき、下記(3)式で評価されるビッカース硬さの推定値H(ref)よりも高いビッカース硬さが得られる。
(ref)=H(α)Fα/100+H(P)Fp/100
・・・・・・(3)
但し、Fα:フェライトの面積%
Fp:パーライトの面積%
(α):フェライトのビッカース硬さであって、例えば公知の90とし、
(P):パーライトのビッカース硬さであって、例えば公知の260とすればよい。
上記製造工程において、省エネルギー対策、工程短縮及び製造コスト低減の観点から、次の通りの工程に変更することにより、工業生産上一層好ましいものとなる。上記において、鋼塊の分塊圧延によりブルーム又はビレットを調製した場合には、これを冷却せずに高温のブルーム又はビレットの顕熱を利用して溶体化処理を施し、一方、CCによりブルーム又はビレットに鋳造した場合は、それを冷却せずに熱片の顕熱を利用してそのまま溶体化処理を施すものとする。溶体化処理後の冷却速度は5℃/sec以上とし、次に行なう時効熱処理の温度範囲まで冷却するに留め、この温度にて、最終的に鋼材として必要とする所望の寸法・形状に熱間圧延又は熱間鍛造により熱間加工する。この際、熱間加工に要する全経過時間を、時効熱処理の保持時間として利用することができる。こうして、所望の時効熱処理を施した後に、空冷等により急冷組織が生成せずにフェライト・パーライト2相組織が得られる冷却速度で冷却すればよい。
以上により得られた鋼材は、焼入れ・焼戻しの強化処理を施さなくても、高強度が確保される。ここで、本発明において得られる高強度とは、ビッカース硬さが、210以上であることをいい、一層好適には240以上をいうものとする。また、焼入れ・焼戻し処理による強化処理である所謂調質処理を施さないので、本発明で得られる鋼材を、非調質フェライト・パーライト鋼材という。
この発明を実施例により更に詳しく説明する。
〔1.試験方法〕
所定の化学成分組成の供試鋼塊を溶製し、これを熱間鍛造後、所要寸法の材料を切り出し、これに溶体化熱処理を施して供試材を調製し、これから時効熱処理用の材料を切り出し、これに時効熱処理を施して試験材とし、これからビッカース硬さ試験片及び顕微鏡試験片を採取して、確性試験を行なった。試験の詳細は以下の通りである。
〔1−1.供試鋼塊とその成分組成〕
表1に示す各化学成分組成の鋼を実験用の50kg真空誘導溶解炉で溶製し、鋼塊に鋳造して供試鋼塊1〜4を得た。

供試鋼塊の化学成分組成は、JISのS45C相当であってS含有量のみを変化させ、その他の成分含有量は全て実質的に同じである。供試鋼塊1は、通常程度の脱硫操作後の溶鋼のS含有量例で0.010質量%であり、供試鋼塊2及び3はいずれも、S含有量が高炉から出銑された溶銑における通常のS含有量水準例でそれぞれ0.040質量%及び0.060質量%あって、脱硫処理を施さない場合の溶鋼成分を想定したものであり、そして供試鋼塊4は、溶銑及び溶鋼において高度の脱硫処理を施した場合のS含有量を想定した場合の例であって0.004質量%である。なお、P及びNは不可避的含有量を想定したものであり、Crの0.15質量%は溶銑成分としては通常あり得ない高い水準であるが、これは電気炉溶製鋼におけるスクラップからの高濃度不可避混入の場合を想定したものである。
〔1−2.溶体化熱処理条件と得られた供試材〕
次いで、供試鋼塊をいずれも1200℃に加熱した後、熱間鍛造して、50mm×50mm×1m長さの4本の鍛造材を調製した。そして、各鍛造材から50mm角×150mm長さの材料を2本ずつ採取し、溶体化熱処理条件として、表2に示すように、一方の鍛造材には保持温度1300℃で保持時間60分の処理を、そして他方の鍛造材には保持温度1400℃で保持時間30分の処理を施して常温まで水冷して、供試材1〜8を調製した。
〔1−3.時効熱処理条件の設定と時効熱処理用の試験材の採取〕
次に、上記溶体化熱処理済みの供試材1〜8から時効熱処理用試験材を採取して、時効熱処理を施した。時効熱処理条件としての保持温度(T)と保持時間(t)との組み合わせを表3〜6に示すように、次の通り設定した。
先ず、保持温度(T)は、溶体化処理温度が1300℃の供試材1、3、5及び7については、800℃〜1200℃の範囲内の表3〜6に示した温度を採用し、溶体化処理温度が1400℃の供試材2、4、6及び8については、800℃〜1300℃の範囲内の表3〜6に示した温度を採用した。そして、保持温度(T)及び保持時間(t)の設定値は、次の条件が満たされるように行なった。即ち、下記(1)式:
P=(T+273){20+log(t/60)}・・・・・・(1)
但し、T:時効熱処理の保持温度(℃)
t:時効熱処理の保持時間(min)
で表わされるPを時効熱処理パラメーターとして採用し、保持時間(t)を10〜500minの範囲内に限定し、且つこの時効熱処理パラメーター(P)の値が、保持温度(T)の上昇及び保持時間(t)の増加につれて連続的に増大するように決定した。なお、時効熱処理後の試験材は常温まで空冷した。
表3〜6には、このようにして定めた時効熱処理の保持温度(T)及び保持時間(t)を、供試材1〜8のそれぞれの供試材毎に、時効熱処理パラメーター(P)の値と共に示す。
なお、上記熱処理用の試験材の採取方法は、溶体化熱処理済みの供試材から、表面酸化物生成領域を除いた後、10mm角×20mm長さの試験材を、長さ20mmの方向が供試材の長さ方向になるようにして、所要個数だけ採取した。また、供試材から採取する試験材の個数は、表3〜6に示した時効熱処理条件の数を考慮して各供試材1〜8毎に決めた。
〔1−4.確性試験〕
上記の通り時効熱処理が施されて出来上がった確性用試験片について、ビッカース硬さ(H)測定試験、並びに顕微鏡観察によるパーライトの面積%(Fp)測定試験、適宜選定した試験片についての抽出レプリカのTEMによる組織観察及び硫化物系析出物(非金属介在物)の形態観察及び当該析出物のEDS(特性X線のエネルギー分散法)分析による析出物の同定・定量試験を行なった。これらの詳細は次の通りである。
(1)ビッカース硬さ及びパーライトの面積
ビッカース硬さ(H)の測定は、試験片(10mm角×20mm長さ)の長さ方向の中点におけるC方向断面の中心点とその上下及び左右位置の計5箇所について行い、測定値は最大値と最小値とを除いた3測定値の平均値で表示する。また、ビッカース硬さ(H)を測定した試験面を鏡面研磨仕上げし、顕微鏡観察の画像処理により、パーライトの面積%(Fp)を測定した。前記表3〜6に、Fp及びHの測定値を併記した。
表3〜6には更に、上記パーライトの面積%(Fp)の測定値に基づき評価されるビッカース硬さの推定値(本明細書ではH(ref)と表記する)も記載した。ここで、H(ref)は下記(3)式:
(ref)=H(α)Fα/100+H(P)Fp/100
・・・・・・(3)
但し、Fα :フェライトの面積%
Fp :パーライトの面積%
(α):フェライトのビッカース硬さであって公知の90とし、
(P):パーライトのビッカース硬さであって公知の260とした、
により表わされる、フェライト・パーライト組織を有する鋼においてフェライト及びパーライトの各面積%で評価されるビッカース硬さの推定値である。なお、Fp =100−Fαとした。そして、ビッカース硬さ(H)の測定値と推定値との差の値:H−H(ref)を併記した。
次に、図1〜4に、時効熱処理パラメーター(P)とビッカース硬さの測定値又は推定値との関係を、供試鋼塊の化学成分組成毎に図示する。図1は供試鋼塊1(S含有量は0.010質量%)、図2は供試鋼塊2(S含有量は0.040質量%)、図3は供試鋼塊3(S含有量は0.060質量%)、そして図4は供試鋼塊4(S含有量は0.004質量%)を用いたときの試験結果である。なお、同図中で測定値のプロットに付記した縦線分の上下端は、同一試験片の測定値の最大値と最小値を示したものである。
<図1〜図4>
図1〜4の全てにおいて、溶体化処理温度が1300℃及び1400℃のいずれの場合でも、フェライト面積%の測定値により(3)式で推定されたビッカース硬さH(ref)は、時効熱処理パラメーター(P)の増大につれて、ほぼ単調に概略直線的に上昇している。この挙動は、時効熱処理条件である保持温度T及び保持時間tにより安定したフェライト・パーライト2相組織鋼が得られているために、フェライト面積%の測定値を用いて(3)式により算出したビッカース硬さの推定値H(ref)が妥当なものであったことを推定するものである。
これに対して、実測のビッカース硬さHの挙動は、溶体化処理温度が1400℃の場合には、図1〜4のいずれにおいても、時効熱処理パラメーター(P)の値が24200以上27000以下の範囲内において、推定ビッカース硬さH(ref)よりも高水準にあり、しかもこのP値の範囲内にある25500近辺において実測ビッカース硬さHは極大値をとり、その前後のPにおいては推定ビッカース硬さH(ref)に漸近し、そして、実測ビッカース硬さHは、推定ビッカース硬さH(ref)とほぼ同じ水準の硬さになるという挙動を示す特異な上昇曲線を呈していることがわかる。
しかしながら、ビッカース硬さHのこの特異な挙動を示す上昇曲線は、溶体化処理温度が1300℃の場合には、認められない。
そして、上記の通り溶体化処理温度が1300℃及び1400℃のいずれであっても、実測ビッカース硬さHは、時効熱処理パラメーター(P)の増加につれて、上昇傾向を示しているのは、パーライトの面積%(Fp)の増加による寄与部分が硬さ上昇のベースにあると推定される。
(2)硫化物系非金属介在物粒子の形態
(2−1)上記の通り、実測ビッカース硬さHが極大値をとった硬さ測定試験片の全て(試験番号14、30、51、67)について、測定箇所と実質的に同じ位置について、TEMにより非金属介在物の形態観察を行ない、EDS分析による制限視野解析により、微細非金属介在物の状態を調べた。その結果、上記全ての試験片において、微細硫化物系非金属介在物の析出・分布を認めることができた。図5に、表3中の試験番号14(S=0.010質量%、1400℃溶体化処理後、1000℃×50minの時効熱処理試験片)におけるフェライト・パーライト2相組織のフェライト中に微細硫化物系析出物(非金属介在物)が分布している状態を例示し、図6及び7に、当該析出物のEDS分析により同定及び定量分析結果を図示し、これに基づきその析出物の構成化合物の状態を模式図的に示した。
<図5〜図19>
図5〜図19は、実施例でS含有量が0.010質量%の鋼を、1400℃溶体化処理後、1000℃×50minの時効熱処理後におけるフェライト・パーライト2相組織のフェライト中に微細硫化物析出物が分布している状態とその構成化合物の分析結果を例示するTEM写真等であり、表3中の試験No.14で得られた鋼材の試験結果である。
図5はフェライト・パーライト2相組織のフェライト中に微細硫化物析出物が分布している状態を例示するTEM写真であり、図6はその中央部の析出物粒子の5倍拡大写真であり、図7はその析出物粒子の一部を拡大した写真である。図8はその内の1個の析出物とその構成化合物を模式図で示したものである。この析出物中のaの部分及びbの部分のEDS分析による同定・定量分析結果のそれぞれを、図9及び図10に示す。
この析出物は、大きさが約60nm(0.06μm)の球状体を呈し、組成としてMnS及び(Cu、Mn)Sの複合析出物が認められた。
図11は、同じく上記図7中に見られる他の析出物であり、その大きさは約50nmで滑らかな多角形状体を呈し、その構成化合物を模式図で示したものである。この析出物中のaの部分及びbの部分のEDS分析による同定・定量分析結果のそれぞれを、図12及び図13に示す。この析出物は、大きさが約50nm(0.05μm)であり、組成として(Mn、Cu)SとCrを含むTiN複合析出物が認められた。
図14〜図19は、上記試験No.14の試験片における他の視野で認められたフェライト中に微細硫化物析出物が分布している状態とその構成化合物の分析結果を例示するTEM写真等である。
図14はフェライト・パーライト2相組織のフェライト中に微細硫化物析出物が分布している状態を例示するTEM写真であり、図15はその中央部の析出物粒子の5倍拡大写真であり、図16はその内の1個の析出物とその構成化合物を模式図で示したものである。この析出物中のa、b及びcの部分のEDS分析による同定・定量分析結果のそれぞれを、図17〜図19に示す。この析出物は、大きさが約210nm(0.21μm)の異形円乃至角状の状体を呈し、MnSからなる初析介在物に、Al及びCrを含む酸化物と約60nmのTiNとが複合析出していることが確認された。
なお、上記微細析出非金属介在物の中には、時効熱処理中の旧オーステナイト結晶粒界に析出していたものが、その後の空冷過程に生成したフェライト中に分布するに至ったと推定されるものがある。
(2−2)これに対して、実測ビッカース硬さHが極大値となった後、時効熱処理パラメーターPの値が増大して実測ビッカース硬さHが低下し始めたときに対応する硬さ測定試験片(試験番号15、31、52、68)について、硬さ測定試験と実質的に同じ位置の非金属介在物の状態を調べた。その結果、いずれの試験片においても、微細非金属介在物粒子が凝集をはじめていると推定される状況が観察された。
(2−3)一方、実測ビッカース硬さHが極大値となる直前における硬さ測定試験片(試験番号13、29、50、66)について、硬さ測定試験と実質的に同じ位置の非金属介在物の状態を調べた。その結果、いずれの試験片においても、(2−1)における実測ビッカース硬さHが極大値をとった試験片に認められた微細硫化物系非金属介在物に類似の析出粒子が、粗大化していることが確認された。
〔2.まとめ及び考察〕
図1〜4において、実測のビッカース硬さHが極大値をとり、しかも推定ビッカース硬さH(ref)よりも高水準にあるのは、本試験の条件下においては、表3〜6で供試材2、4、6及び8を1000℃で時効熱処理を施した場合に該当している。この条件で製造されたフェライト・パーライト鋼のビッカース硬さHは、焼入れ・焼戻しの強化処理を施さなくても、即ち、非調質状態で210〜270程度となっている。これは従来のS45C系成分の鋼材製品におけるように、焼入れ・焼戻し処理が施された場合のビッカース硬さである200〜220という水準と比較して同等乃至それを著しく超えるものである。
上記結果が得られた試験番号の諸条件は、本発明に係る条件で製造された高強度の非調質フェライト・パーライト鋼の要件に該当する。そこで、表3〜6のこれらに該当する試験番号には、実施例と記載し、その他の試験番号には比較例と記載して両者を区別した。
ここで、実施例はいずれも溶体化処理後の時効熱処理温度が1000℃の場合に限られているが、これは十分条件であって、必要条件ではない。即ち、本発明で目的とする高強度非調質フェライト・パーライト鋼材は、適切な溶体化処理後に、(1)式の時効熱処理パラメーター(P)の値が24200以上27000以下を満たせば得られる。
実施例において、かかる高水準の硬さを有する鋼が得られる理由は、前記図5〜9において記載した微細な粒状の硫化物系非金属介在物がフェライト組織中に分散析出することにより強化されていることによると考えられる。また、実施例においては、この微細な粒状介在物の分散析出は、鋼材の靭性向上に対する寄与が推定される。これに対して従来のS45C系成分鋼材中の硫化物系非金属介在物の存在形態は、熱間加工方向に伸張乃至分断変形した大きさが1〜数10μmの非金属介在物となっており、そのために鋼材の高強度・高靭性化には寄与しない。
実施例はいずれも溶体化処理後の時効熱処理温度が1000℃であり、析出強化の原因と推定される上記硫化物系非金属介在物の主成分はMnSである。そこで、従来文献のオーステナイト域におけるMnS溶解度曲線(例えば、上島らの鉄と鋼75(1989)501による [%S](γ)=exp(−9020/T+2.929−(215/T+0.097)[%Mn]−0.07[%Si])/[%Mn])を参照して、実施例における時効熱処理温度である1000℃におけるS含有量の固溶限を求めると、0.021質量%となる。従って、S含有量が0.010質量%である試験番号13〜17(表3参照)、及びS含有量が0.004質量%である試験番号66〜70(表6参照)については、鋼のMn及びS含有量がオーステナイト域における従来のMnSの完全固溶域において、微細な粒状の硫化物系非金属介在物がフェライト組織中に分散析出し、この析出強化に相当すると推定される硬さ上昇がみられたことは注目すべきである。
以上の試験より、本発明に係る高強度非調質フェライト・パーライト鋼材の製造方法及びその産業上の有用性が確認された。
特に自動車部品の内、ラックバー、クランクシャフト及びギア等の動力伝達構造部品に対しては、本発明品を用いることにより大きな効果が発揮される。
供試鋼塊1(S含有量が0.010質量%)を用いて溶体化処理後に時効熱処理を施したときの時効熱処理パラメーター(P)とビッカース硬さの測定値又は推定値との関係を示すグラフである。 供試鋼塊2(S含有量が0.040質量%)を用いて溶体化処理後に時効熱処理を施したときの時効熱処理パラメーター(P)とビッカース硬さの測定値又は推定値との関係を示すグラフである。 供試鋼塊3(S含有量が0.060質量%)を用いて溶体化処理後に時効熱処理を施したときの時効熱処理パラメーター(P)とビッカース硬さの測定値又は推定値との関係を示すグラフである。 供試鋼塊4(S含有量が0.004質量%)を用いて溶体化処理後に時効熱処理を施したときの時効熱処理パラメーター(P)とビッカース硬さの測定値又は推定値との関係を示すグラフである。 実施例でS含有量が0.010質量%の鋼を、1400℃溶体化処理後、1000℃×50minの時効熱処理後におけるフェライト・パーライト2相組織のフェライト中に微細硫化物析出物が分布している状態を例示するTEM写真である。 図5の中央部を5倍に拡大した写真である。 図6に示した一部の析出物粒子を拡大した写真である。 図7に示した1個の析出物とその構成化合物の模式図である。 図8に示した析出物のaの部分のEDS分析による同定・定量分析結果である。 図8に示した析出物のbの部分のEDS分析による同定・定量分析結果である。 図7に示した図8とは異なる他の析出物とその構成化合物の模式図である。 図11に示した析出物のaの部分のEDS分析による同定・定量分析結果である。 図11に示した析出物のbの部分のEDS分析による同定・定量分析結果である。 図5と同じ試験片におけるフェライト・パーライト2相組織のフェライト中に微細硫化物析出物が分布している状態を例示するTEM写真である。 図14の中央部を5倍に拡大した写真である。 図15に示した1個の析出物とその構成化合物の模式図である。 図16に示した析出物のaの部分のEDS分析による同定・定量分析結果である。 図16に示した析出物のbの部分のEDS分析による同定・定量分析結果である。 図16に示した析出物のcの部分のEDS分析による同定・定量分析結果である。

Claims (6)

  1. 化学成分組成が、
    C :0.30〜0.65質量%、
    Si:0.10〜0.50質量%、
    Mn:0.50〜1.50質量%、
    S :0.003〜0.100質量%、
    Cr:0.20質量%以下(0質量%を含む)、
    Al:0.005〜0.060質量%
    であって、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼に対して、1300℃超えから固相線温度以下までの温度範囲内において溶体化熱処理を施した後、5℃/sec以上の冷却速度で冷却し、次いで時効熱処理を、下記(1)式:
    P=(T+273){20+log(t/60)}・・・・・・(1)
    但し、T:オーステナイト温度域での時効熱処理の保持温度(℃)
    t:時効熱処理の保持時間(min)
    で示す時効熱処理パラメーターPの値が24200〜27000の範囲内となる条件において施すことにより、フェライト組織中に、MnSを主成分とする粒径200nm以下の非金属介在物粒子を分散析出させたことを特徴とする非調質フェライト・パーライト鋼材。
  2. 前記化学成分組成を有する鋼に対して、1300℃超えから固相線温度以下までの温度範囲内において溶体化熱処理を施した後に、5℃/sec以上の冷却速度でオーステナイト温度域内まで急冷し、引き続き時効熱処理を、下記(1)式:
    P=(T+273){20+log(t/60)}・・・・・・(1)
    但し、T:オーステナイト温度域での時効熱処理の保持温度(℃)
    t:時効熱処理の保持時間(min)
    で示す時効熱処理パラメーターPの値が24200〜27000の範囲内となる条件において施すことを特徴とする請求項1に記載の非調質フェライト・パーライト鋼材。
  3. 前記時効熱処理を施している期間中に、前記鋼に対して熱間加工を施すものであって、前記(1)式の時効熱処理の保持時間tとして、当該熱間加工の待ち時間を含めた当該熱間加工に要した総時間を採用することを特徴とする請求項2に記載の非調質フェライト・パーライト鋼材。
  4. 前記溶体化熱処理は、溶鋼が鋳造された後の1300℃超えから固相線温度以下までの温度範囲内にある鋼塊又は鋳片に対して施すものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の非調質フェライト・パーライト鋼材。
  5. 前記フェライト・パーライト鋼材は、ビッカース硬さが210以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の非調質フェライト・パーライト鋼材。
  6. 前記フェライト・パーライト鋼材は、前記化学成分組成の内、S含有量が0.003〜0.045質量%であって、ビッカース硬さが240以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の非調質フェライト・パーライト鋼材。
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