JP5093472B2 - オリゴ糖の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、オリゴ糖の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、マンナン、キシラン、リグノセルロース等を含有するバイオマスを過酸化水素水で熱水処理することにより、オリゴ糖を抽出する方法に関するものである。
従来、木材チップ、木片、稲わら、モミガラ、コーヒー抽出残渣等のいわゆるバイオマスを有効利用する技術が開発されている。例えば、これらのバイオマスの成分であるセルロース、マンナン等を出発原料として種々の物質を生み出す技術が提供されている。その中でも、最近のアルコール発酵技術の需要に伴い、これらのバイオマスから糖(グルコース、キシロース、マンノース、セロオリゴ糖、キシロオリゴ糖、マンノオリゴ糖等)を製造する技術が求められている。
これら技術のうち、例えば、セルロースを含有するバイオマスを糖化する方法としては、無水酢酸や濃硫酸を使う方法がある。しかし、これらの方法では、乾燥工程を必要とし、加水分解も激しく行われるため、反応系の設備が複雑となる。さらに、設備内では酸による腐食も起きやすく、酸回収にも余分なコストが発生する。
これらの問題を解決する手段として、緩和な条件で加水分解を行うことができる酵素学的方法が開発されている。この方法は、セルラーゼ等の酵素を用いて加水分解するもので、装置に耐圧性、耐酸性の反応容器を必要としないだけでなく、環境汚染も少ない。
このような酵素を使った糖化方法として、例えば、特許文献1,2には、「バイオマスに含まれる(ヘミ)セルロースを、酵素を使って加水分解し糖化する方法であって、酵素を使って加水分解する前段階で、過酸化水素を使った熱水処理を行い、そこに含まれるリグニンを分解、除去させることを特徴とする(ヘミ)セルロースの糖化方法」が示されている。
また、マンナンを含有するバイオマスを糖化する方法として、例えば、特許文献3には、「コーヒー抽出残渣材料を160〜260℃で加水分解し、マンナンオリゴマーを製造する方法」が示されている。特許文献4には、「完全に抽出しきっていない焙炒粉砕コーヒーを200〜260℃で加水分解し、コーヒーの風味と色を作り出す方法」が示されている。
さらに、マンナンを含有するバイオマスを糖化する方法として、例えば、特許文献5には、「マンノースを主体とした単糖類が1〜10分子結合したオリゴ糖類を主成分とし、マンノースがコーヒー由来のマンノースであることを特徴とするビフィズス菌の増殖促進作用を有する組成物」が示されている。そして、特許文献5には、上記組成物の製造方法として、特許文献3に記載されている「コーヒー抽出残渣材料を160〜260℃で加水分解し、マンナンオリゴマーを製造する方法」が示されている。
特開2007−74992号公報(平成19年3月29日公開) 特開2007−74993号公報(平成19年3月29日公開) 特開昭61−96947号公報(昭和61年5月15日公開) 特開平2−200147号公報(平成2年8月8日公開) 特開2004−159659号公報(平成16年6月10日公開)
しかしながら、特許文献1,2に示される「(ヘミ)セルロースの糖化方法」では、リグニン等の酵素糖化阻害物質のために非常に収率が低くなり、高価な酵素を大量に用いる必要があるという問題点を有している。さらに、特許文献1,2に示される方法では、オリゴ糖製造用に酵素を調製することが困難であるという問題点を有している。
また、特許文献3〜5に示される「マンナンを含有するバイオマスを糖化する方法」では、1段階で熱水処理を行うので、製造されるマンノオリゴ糖の収率が低い(14%)という問題点を有している。さらに、特許文献3〜5に示される方法では、過酸化水素を添加していないので、マンナン中のリグニンが加水分解の効率を大きく低下させ、糖化率を極めて低くするという問題点を有している。
また、特許文献1〜5に示される方法以外の「バイオマスからオリゴ糖を製造する方法」においても、大量生産の方法は確立されていない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、加水分解の際に酵素を用いなくとも、高収率、高純度でオリゴ糖を製造することができるオリゴ糖の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、ヘミセルロースやセルロースの集合体であるミクロフィブリルの周囲がリグニンに取り囲まれているために酵素または水熱による糖化が起こりにくいことに注目し、このリグニンの一部に水熱が作用できるような欠陥を作れば糖化が起こりやすくなるということを独自に見出し、本発明を完成させるに至った。
つまり、本発明者は、糖化に先立ち、リグニンに選択的に作用する過酸化水素等の酸化剤を用いて、低温下において短時間の水熱処理をした後に、温度、時間等の操作因子を適切に選択して水熱処理を行うことにより、マンナン、キシラン等からなるヘミセルロースやグルカンからなるセルロースを水に可溶化する程度に低分子化することでオリゴ糖を製造することができ、さらに、水熱処理を多段化することにより、オリゴ糖の収率、純度を高めることができるということを独自に見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のオリゴ糖の製造方法は、上記課題を解決するために、マンナン、キシランおよびリグノセルロースのうちの少なくとも一種の化合物を含有するバイオマスからオリゴ糖を製造する方法であって、125℃以上、145℃以下の範囲内の温度で、上記バイオマスに過酸化水素を添加する第1工程と、145℃以上、165℃以下の範囲内の温度で加熱する第2工程とを含み、上記第2工程での加熱時間が、1時間以上、1.5時間以下の範囲内であることを特徴としている。
上記の発明によれば、本発明のオリゴ糖の製造方法は、125℃以上、145℃以下の範囲内の温度で、上記バイオマスに過酸化水素を添加する第1工程を含んでいるので、上記バイオマスに含まれているリグニンの一部を除去することができ、さらに、上記リグニンの形態を変化させることができる。これにより、糖化阻害物質であるリグニンの反応性を抑制することができる。その結果、本発明のオリゴ糖の製造方法は、オリゴ糖を高収率で回収することが可能となる。
さらに、本発明のオリゴ糖の製造方法は、145℃以上、165℃以下の範囲内の温度で加熱する第2工程を含み、上記第2工程での加熱時間が、1時間以上、1.5時間以下の範囲内であるので、水熱処理を、上記第1工程および上記第2工程に多段化させることができる。その結果、本発明のオリゴ糖の製造方法は、オリゴ糖の組成を高純度化させることが可能となる。
また、本発明のオリゴ糖の製造方法は、さらに、230℃以上、295℃以下の範囲内の温度で加熱する第3工程を含み、上記第3工程での加熱時間が、1分以上、1.5分以下の範囲内であることが好ましい。
これにより、本発明のオリゴ糖の製造方法は、水熱処理を、上記第1工程、上記第2工程、および上記第3工程に多段化させることができる。その結果、本発明のオリゴ糖の製造方法は、オリゴ糖の組成を、さらに高純度化させることが可能となる。また、本発明のオリゴ糖の製造方法は、230℃以上、295℃以下の範囲内の温度で加熱する第3工程を含み、上記第3工程での加熱時間が、1分以上、1.5分以下の範囲内であるので、高温で短時間の水熱処理を行うことができる。その結果、本発明のオリゴ糖の製造方法は、オリゴ糖の過分解を防止することが可能となる。
また、本発明のオリゴ糖の製造方法は、上記第2工程と上記第3工程との間に、アルコールを添加する工程を含むことが好ましい。
これにより、本発明のオリゴ糖の製造方法は、脂質などの不純物を除去することができる。その結果、本発明のオリゴ糖の製造方法は、オリゴ糖の組成をさらに高純度化させること、および、収率を向上させることが可能となる。
また、本発明のオリゴ糖の製造方法は、上記第3工程では、過酸化水素を添加することが好ましい。
これにより、本発明のオリゴ糖の製造方法は、上記第1工程で除去されなかったリグニンの一部を除去することができ、さらに、該リグニンの形態を変化させることができる。そして、糖化阻害物質であるリグニンの反応性を効果的に抑制することができる。その結果、本発明のオリゴ糖の製造方法は、オリゴ糖をより高収率で回収することが可能となる。
また、本発明のオリゴ糖の製造方法は、上記バイオマスが、マンナンを含有するコーヒー抽出残渣であることが好ましい。また、本発明のオリゴ糖の製造方法は、上記バイオマスが、キシランを含有するモミガラであることが好ましい。また、本発明のオリゴ糖の製造方法は、上記バイオマスが、リグノセルロースを含有するスギチップであることが好ましい。
これにより、本発明のオリゴ糖の製造方法は、マンノオリゴ糖、キシロオリゴ糖、またはセロオリゴ糖を、効率的に製造することができる。
本発明のオリゴ糖の製造方法は、以上のように、マンナン、キシランおよびリグノセルロースのうちの少なくとも一種の化合物を含有するバイオマスからオリゴ糖を製造する方法であって、125℃以上、145℃以下の範囲内の温度で、上記バイオマスに過酸化水素を添加する第1工程と、145℃以上、165℃以下の範囲内の温度で加熱する第2工程とを含み、上記第2工程での加熱時間が、1時間以上、1.5時間以下の範囲内の方法である。
また、本発明のオリゴ糖の製造方法は、以上のように、さらに、230℃以上、295℃以下の範囲内の温度で加熱する第3工程を含み、上記第3工程での加熱時間が、1分以上、1.5分以下の範囲内の方法である。
それゆえ、高収率、高純度でオリゴ糖を製造することができるオリゴ糖の製造方法を提供するという効果を奏する。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更して実施し得るものである。具体的には、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
(I)本発明に用いられる物質等
<マンナン、キシランおよびリグノセルロースのうちの少なくとも一種の化合物を含有するバイオマス>
本発明に用いられるバイオマスは、マンナン、キシランおよびリグノセルロースのうちの少なくとも一種の化合物を含有する。ただし、本発明により製造するオリゴ糖がマンノオリゴ糖である場合には、上記バイオマスは、マンナンを含有する。本発明により製造するオリゴ糖がキシロオリゴ糖である場合には、上記バイオマスは、キシランを含有する。本発明により製造するオリゴ糖がセロオリゴ糖である場合には、上記バイオマスは、リグノセルロースを含有する。
本発明に用いられるバイオマスとしては、マンナン、キシランおよびリグノセルロースのうちの少なくとも一種の化合物のみを使用してもよいが、上記化合物と混合してポリマー、バインダー等で処理できる材質であれば、どのような材質でも混合使用することができる。上記材質としては、例えば、木材チップまたはパウダー、炭酸カルシウム、タルクまたはセラミックス粉末、アルミニウム、銅等の金属粉末(静電気除去剤)、あるいは、活性炭、ゼオライト粒子等の機能性材料などが挙げられる。
ここで、バイオマスとは、再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたものをいう。本発明においては、マンナンを含有するバイオマスとして、例えば、コーヒー抽出残渣、針葉樹等が挙げられる。キシランを含有するバイオマスとして、例えば、モミガラ、稲わら、竹、広葉樹等が挙げられる。リグノセルロースを含有するバイオマスとして、例えば、スギチップ、脱ヘミセルロースしたモミガラ、脱ヘミセルロースしたスギ、木材、稲わら、竹、麦わら、パルプ等が挙げられる。
これらのバイオマスは、加水分解反応を行わせやすいように、あらかじめ30mm以下のサイズに粗粉砕しておくことが好ましい。この粗粉砕は、ハンマーミル、ロータリーミル、クラッシャー、ボールミル、振動ミル、カッターミル、ウィレーミル、ジェットミル等の通常の粗粉砕加工に用いられている粉砕機を用いて行うことができる。
<マンナン>
本発明に用いられるマンナンは、広くd−マンノースからなる多糖を意味する。単糖d−マンノースはアルドヘキソースであり、d−グルコース中のカルボキシル基に隣接する炭素に結合している水酸基の立体配置が逆になっているものである。
<キシラン>
本発明に用いられるキシランは、広くキシロースからなる多糖を意味する。キシランは、ヘミセルロースの主成分である。
<リグノセルロース>
本発明に用いられるリグノセルロースは、リグニンとセルロースとが結合したものである。リグノセルロースを糖類の原料として用いる場合には、通常、セルロースやヘミセルロースと強固に結合しているリグニンを分離するために、糖化処理に先立って高温高圧での蒸煮処理、薬剤処理等が行われる。リグニンは、植物の繊管束細胞壁成分として存在する無定形高分子物質であって、フェニルプロパン系の構成単位が複雑に縮合したものである。
<コーヒー抽出残渣>
本発明に用いられるコーヒー抽出残渣は、大気条件中で抽出した後のいわゆるコーヒー抽出粕を意味する。そして、本発明に用いられるコーヒー抽出残渣は、通常の液体コーヒーまたはインスタントコーヒー製造工程において抽出されたものであれば、特に限定されない。また、常圧下抽出であっても、加圧下抽出であってもよい。また、いかなる起源、製法のコーヒー抽出残渣であっても使用することができる。
一般に、焙煎粉砕コーヒーを商業用の抽出器にて抽出すると、その際に焙煎コーヒーに含まれるガラクトマンナンの側鎖であるガラクトースが可溶化するか、または、アラビノガラクタンが加水分解によって可溶化する。従って、コーヒー抽出残渣中には、マンナンが豊富に含まれており、しかもマンナンは直鎖構造をとっているものと推定される。一方、セルロースは分解されにくく、コーヒー抽出残渣中に残っている。そこで、セルロースを分解せずに、マンナンを特異的に加水分解する条件を適宜選択することにより、マンノースを主体とする構成からなるオリゴ糖を得ることができる。
<モミガラ>
本発明に用いられるモミガラは、稲の収穫後、食することができるようになるまでの過程に発生する産業廃棄物の一つを意味する。なお、稲の種類は、特に限定されない。
本発明におけるモミガラは、農産廃棄物、広葉樹を代表するものとして位置づけている。
<スギチップ>
本発明に用いられるスギチップは、スギの伐採後に発生する産業廃棄物の一つを意味する。スギの伐採後に発生する産業廃棄物であれば、間伐材から発生するものであっても、間伐されなかった木材から発生するものであっても、本発明に含まれる。なお、スギの種類は、特に限定されない。
本発明におけるスギチップは、針葉樹を代表するものとして位置づけている。
(II)本発明のオリゴ糖の製造方法
本発明のオリゴ糖の製造方法は、マンナン、キシランおよびリグノセルロースのうちの少なくとも一種の化合物を含有するバイオマスからオリゴ糖を製造する方法であって、125℃以上、145℃以下の範囲内の温度で、上記バイオマスに過酸化水素を添加する第1工程と、145℃以上、165℃以下の範囲内の温度で加熱する第2工程とを含み、上記第2工程での加熱時間が、1時間以上、1.5時間以下の範囲内である。
さらに、本発明のオリゴ糖の製造方法は、230℃以上、295℃以下の範囲内の温度で加熱する第3工程を含み、上記第3工程での加熱時間が、1分以上、1.5分以下の範囲内である。
第1工程において、所定温度で上記バイオマスに過酸化水素を添加した後、直ちに反応容器を冷却して反応を停止させてもよい。また、第1工程において、所定温度で上記バイオマスに過酸化水素を添加した後、連続して第2工程に移行させてもよい。
なお、第1工程において所定温度で上記バイオマスに過酸化水素を添加した後、連続して第2工程に移行させる場合には、糖の収率は上がるものの単糖化が著しく進むため、過酸化水素の濃度を下げて反応させる必要がある。
第1工程での温度は、過酸化水素の作用をリグニンに限定させるとの理由から、90℃以上、160℃以下であることが好ましく、125℃以上、145℃以下であることが特に好ましい。第2工程での加熱温度は、水熱の作用をヘミセルロースに限定させた上でオリゴ糖の収率を向上させ、かつ、単糖化を抑制するとの理由から、125℃以上、200℃以下であることが好ましく、145℃以上、165℃以下であることが特に好ましい。第3工程での加熱温度は、水熱をセルロースに対して作用させてオリゴ糖の収率を向上させ、かつ、単糖化を抑制するとの理由から、200℃以上、300℃以下であることが好ましく、230℃以上、295℃以下であることが特に好ましい。
また、第2工程での加熱時間は、オリゴ糖の収率を向上させ、かつ、単糖化を抑制するとの理由から、0.5時間以上、4時間以下であることが好ましく、1時間以上、1.5時間以下であることが特に好ましい。第3工程での加熱時間は、オリゴ糖の収率を向上させ、かつ、単糖化を抑制するとの理由から、0.5分以上、5分以下であることが好ましく、1分以上、1.5分以下であることが特に好ましい。
また、本発明のオリゴ糖の製造方法は、上記第2工程と上記第3工程との間に、アルコールを添加する工程を含むことが好ましい。アルコールの種類は特に限定されないが、オリゴ糖を食品として利用する場合、残留性が問題とならないとの理由から、エタノールであることが特に好ましい。
第2工程と第3工程との間にアルコールを添加する際の温度条件は、特に限定されない。例えば、室温でアルコールを添加してもよく、加温状態でアルコールを添加してもよい。加温状態でアルコールを添加する場合には、短時間でより効果的に洗浄することができる。
また、本発明のオリゴ糖の製造方法は、上記第3工程では、セルロースと結合しているリグニンの一部を分解させるとの理由から、過酸化水素を添加することが好ましい。
なお、上記第2工程で添加される過酸化水素の濃度は、1.5重量%以下であることが好ましく、上記第3工程で添加される過酸化水素の濃度は、0.15重量%以下であることが好ましい。
なお、第2工程の後、連続して第3工程に移行させる場合には、第2工程により抽出される低温可溶性のオリゴ糖の加水分解が進み、単糖の比率が高くなる。また、第3工程で生成されるオリゴ糖と混合されるため、オリゴ糖の純度が低くなる。そのため、エネルギー消費量は多くなるが、第2工程と第3工程とは分離して操作することが好ましい。
また、本発明のオリゴ糖の製造方法は、上記第2工程および/または上記第3工程において、酵素を添加してもよい。酵素の種類は特に限定されないが、セルロースの加水分解酵素であるセルラーゼを適当な量添加することが好ましい。酵素は、加熱処理済みの溶液を冷却後に添加し、反応が終了するまで一定時間放置する。
酵素の量、酵素を作用させる温度、およびその他の条件は、通常の酵素反応に用いられる量、温度、および条件であれば特に限定されず、使用する酵素の最適量、最適温度、およびその他の条件によって適宜選択すればよい。なお、酵素を最も効果的に作用させるという観点から、酵素を添加する際の条件としては、30℃〜50℃、pH3〜4.5、反応時間24時間以上とすることが好ましい。
また、本発明により製造されたオリゴ糖には単糖が含まれているが、オリゴ糖の適用条件に応じて単糖を吸着剤、分取クロマトによる除去や酵母などにより発酵除去して用いてもよい。
(III)本発明により製造されたオリゴ糖
本発明により製造されたオリゴ糖は、飲食品原料、医薬品の原料等として利用することが可能である。
具体的には、人間の腸内には300〜400種類の細菌が存在し、腸内細菌を構成している。腸内細菌のバランスは、人間の健康に大きな影響を及ぼすことが明らかになっている。そして、腸内有害細菌によって生成される腐敗産物、細菌毒素、発がん性物質等は、人間の各種臓器に障害を与え、生活習慣病の原因の一つとなっている。一方、ビフィズス菌、ラクトバチルス菌等の有用細菌は、各種腸内有害細菌の増殖を抑制し、その結果、有害物質の生成を抑制して、成人病の予防等に働いている。
ここで、D−マンノースがβ−1,4グリコシド結合した化合物であるβ−1,4マンノビオース等のβ−1,4−マンノオリゴ糖の有する生理機能が注目されており、有害細菌汚染防止物質として用いられている。また、人間の糖タンパク質における糖鎖の重要な部分構造には、D−マンノースがβ−1,4グリコシド結合したマンノオリゴ糖が含まれている。
そこで、マンノオリゴ糖等のオリゴ糖は、飲食品原料としてのみならず、医薬品の原料等としての応用も期待されている。
本発明において、オリゴ糖とは、鎖中に2〜10の単糖単位を有する重合糖を意味する。なお、単糖とは、より単純な炭水化物に加水分解できない炭水化物を意味する。単糖としては、例えば、アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロース等が挙げられる。また、多糖とは、鎖中に10より大きい単糖単位を有する重合糖を意味する。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明する。なお、図1〜図15において、「1」のグラフは反応液中の単糖の生成量を示し、「2」のグラフは反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの生成量を示している。
硫酸加水分解は、オリゴ糖の生成量を比較するために行うことであり、本願発明の構成には含まれない。また、硫酸加水分解の条件は、特に限定されないが、セルロースの定量には、13.5mol/lの硫酸水溶液を用いて、30℃の温度条件下で1時間処理し、その後、0.75mol/lに希釈して、100℃の温度条件下で6時間処理する方法が好ましい。また、ヘミセルロースあるいはオリゴ糖の単糖化には、0.75mol/lの硫酸水溶液を用いて、100℃の温度条件下で4時間処理する方法が好ましい。
実施例1〜7において、過酸化水素濃度試験紙(三菱ガス化学社製)による検査の結果、残留した過酸化水素は、0.5mg/l以下であった。さらに、残留した過酸化水素は、過酸化水素分解剤(三菱ガス化学社製)により、完全に分解することが可能である。
〔実施例1〕コーヒー抽出残渣からマンノオリゴ糖の抽出
<第1工程(第1水熱処理)>
コーヒー抽出残渣(片岡物産株式会社製、商品名:「モンカフェ マイルドブレンド」)約3.5gを濃度1.5重量%の過酸化水素水(片山化学社製)30mlに懸濁させ、内容積50mlの回分式反応容器(日東高圧社製)に装填して、電気炉(日東高圧社製)により125℃まで加熱した。
所定温度に到達するまでの時間は、約30分であった。所定温度に到達後、直ちに反応容器を水中に投じて、反応を停止させた。
<第2工程(第2水熱処理)>
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液に分別した。溶液は、糖分析用容器(サンプルビン)に保存した。固体残渣は、水洗した後、再度反応容器に装填して、水:固体の比が約1:10になるように水を加えて糖化のための水熱処理反応を行った。
水熱処理の温度は145℃、処理時間は1時間とした。反応終了後、直ちに反応容器を水中に投じて、反応を停止させた。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。溶液は、糖分析用容器に保存した。固体残渣は、水洗した後、凍結乾燥して、マンノオリゴ糖製造用原料として保存した。
第1水熱処理で得た反応液を糖分析したところ、コーヒー抽出残渣の質量減少が約12%であるのに対し、オリゴ糖が数十mg生成していた。しかし、この反応液は、爽雑物が多いことから廃棄した。
第2水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図1(a)に示す。なお、単糖の分析には、イオンクロマトグラフ(日本ダイオネクス株式会社製)を用いた。図1(a)により、アラビーナンからは単糖のアラビノースのみが生成しているのに対し、ガラクトマンナンからはオリゴ糖のガラクトオリゴ糖のみが生成していることが示唆される。
全体としての単糖化率は15%で、第2水熱処理原料1gあたりの糖の生成量は142mg/gであった。
図1(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ、昭和電工社製)により分析した結果のクロマトグラムである。図1(b)中のGa1はガラクトース(単糖)、Ga2はガラクトオリゴ糖(2糖)、Ga3はガラクトオリゴ糖(3糖)、Ga4はガラクトオリゴ糖(4糖)を意味する。図1(b)により、Ga1を主成分として6糖までのオリゴ糖が生成していることがわかる。
〔実施例2〕コーヒー抽出残渣からマンノオリゴ糖の抽出
<第1,2工程(第1,2水熱処理)>
実施例1と同様の方法で、第1,2水熱処理を行った。
<第3工程(第3水熱処理)>
実施例1で得た残渣は、オイル成分が多く、べとつくような粉末となっている。これをエタノールで洗浄したところ、約10%の質量減少が見られた。さらに、水洗してアルコール分を除去した原料0.65gを9.6mlの水に懸濁させて、内容積約15mlの反応容器に装填して、245℃で1.5分間水熱処理を行った。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。溶液は、糖分析用容器に保存した。
第3水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコ-ス、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図2(a)に示す。図2(a)により、マンノオリゴ糖が非常に高純度で生成していることがわかる。
全体としての単糖化率は15%で、第3水熱処理原料1gあたりの糖の生成量は364mg/gであった。
図2(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ、昭和電工社製)により分析した結果のクロマトグラムである。図2(b)中のM1はマンノース(単糖)、M2はマンノビオース(2糖)、M3はマンノトリオース(3糖)、M4はマンノテトラオース(4糖)を意味する。図2(b)により、2糖であるM2を主成分として6糖以上のオリゴ糖が生成していることがわかる。
〔実施例3〕モミガラからキシロオリゴ糖の抽出
<第1工程(第1水熱処理)>
モミガラ(福岡県産)約3.5gを30mlの過酸化水素水に懸濁させ、内容積50mlの回分式反応容器に装填して、実施例1に示した第1水熱処理を行った。
<第2工程(第2水熱処理)>
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。そして、実施例1と同様に、溶液は廃棄した。固体残渣は、水洗した後、再度反応容器に装填して、水:固体比が約1:10になるように水を加えて糖化のための反応を行った。
水熱処理温度は155℃、処理時間は1.5時間とした。反応終了後、直ちに反応容器を水中に投じて、反応を停止させた。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。溶液は、糖分析用容器に保存した。固体残渣は、水洗した後、凍結乾燥して、セロオリゴ糖製造用原料として保存した。
第2水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図3(a)に示す。図3(a)により、キシロオリゴ糖を主成分とするオリゴ糖が得られていることがわかる。
全体としての単糖化率は23%で、第2水熱処理原料1gあたりの糖の生成量は143mg/gであった。
図3(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。図3(b)中のX1はキシロース(単糖)、X2はキシロビオース(2糖)、X3はキシロトリオース(3糖)、X4はキシロテトラオース(4糖)を意味する。図3(b)により、単糖であるX1を主成分として6糖以上のオリゴ糖が生成していることがわかる。
〔実施例4〕キシロオリゴ糖を抽出したモミガラ残渣からセロオリゴ糖の抽出
<第1,2工程(第1,2水熱処理)>
実施例3と同様の方法で、第1,2水熱処理を行った。
<第3工程(第3水熱処理)>
実施例3と同様にして得た残渣を原料として、0.65gを9.6mlの水に懸濁させて、内容積約15mlの反応容器に装填して、240℃で30秒間保持後、265℃で30秒間水熱処理を行った。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。溶液は、糖分析用容器に保存した。
第3水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノ-ス、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図4(a)に示す。図4(a)により、キシランは単糖化しているのに対し、グルカンはオリゴ糖として生成していることがわかる。
全体としての単糖化率は46%で、第3水熱処理原料あたりの糖の生成量は111mg/gであった。
図4(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。図4(b)中のG1はグルコース(単糖)、G2はセロビオース(2糖)、G3はセロトリオース(3糖)、G4はセロテトラオース(4糖)を意味する。図4(b)により、単糖であるX1とG1とを主成分として6糖までのオリゴ糖が生成していることがわかる。
〔実施例5〕スギチップからマンノオリゴ糖の抽出
<第1工程(第1水熱処理)>
粒径2〜4mmのスギチップ約3.5gを30mlの過酸化水素水に懸濁させ、内容積50mlの回分式反応容器に装填して、電気炉により145℃まで加熱した。
所定温度に到達するまでの時間は、約45分であった。所定温度に到達後、直ちに反応容器を水中に投じて、反応を停止させた。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。そして、実施例1と同様に、溶液は廃棄した。固体残渣は、水洗した後、再度反応容器に装填して、水:固体比が約1:10になるように水を加えて、糖化のための反応を行わせた。
水熱処理温度は155℃、処理時間は1.5時間とした。反応終了後、直ちに反応容器を水中に投じて、反応を停止させた。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。溶液は、糖分析用容器に保存した。固体残渣は、水洗した後、凍結乾燥して、セロオリゴ糖製造用原料として保存した。
第2水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図5(a)に示す。図5(a)により、マンノオリゴ糖を主成分とするオリゴ糖が得られていたことがわかる。
全体としての単糖化率は39%で、第2水熱処理原料1gあたりの糖の生成量は108mg/gであった。
図5(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。図5(b)により、単糖であるM1を主成分として6糖までのオリゴ糖が生成していることがわかる。
〔実施例6〕マンノオリゴ糖を抽出したスギチップ残渣からセロオリゴ糖の抽出
<第1,2工程(第1,2水熱処理)>
実施例5と同様の方法で、第1,2水熱処理を行った。
<第3工程(第3水熱処理)>
実施例5と同様にして得た残渣を原料として、0.65gを9.6mlの水に懸濁させて、内容積約15mlの反応容器に装填して、240℃で60秒間保持後、285℃で15秒間水熱処理を行った。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。溶液は、糖分析用容器に保存した。
第3水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図6(a)に示す。図6(a)により、キシランは単糖化しているが、グルカンはオリゴ糖として生成していることがわかる。
全体としての単糖化率は40%で、第3水熱処理原料1gあたりの糖の生成量は154mg/gであった。
図6(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。図6(b)により、単糖であるX1、M1およびG1を主成分として6糖までのオリゴ糖が生成していることがわかる。
〔実施例7〕セロオリゴ糖を抽出したスギチップ残渣からセロオリゴ糖の2回目抽出
<第1,2工程(第1,2水熱処理)>
実施例6と同様の方法で、第1,2水熱処理を行った。
<第3工程(第3水熱処理)>
実施例6と同様にして得た残渣を原料として、0.65gを9.6mlの過酸化水素水に懸濁させて、内容積約15mlの反応容器に装填して、230℃で60秒間保持後、295℃で30秒間水熱処理を行った。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。溶液は、糖分析用容器に保存した。
第3水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図7(a)に示す。図7(a)により、キシランはほとんどなく、グルカンのみがオリゴ糖として生成していることがわかる。また、水熱加水分解を多段化し、第3水熱処理の際に過酸化水素を添加することで、糖の純度を高めることができた。
全体としての単糖化率は40%で、第3水熱処理原料1gあたりの糖の生成量は127mg/gであった。
図7(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。図7(b)により、単糖であるG1(グルコース)を主成分として6糖までのオリゴ糖が生成していることがわかる。
なお、第3工程によりセロオリゴ糖を抽出した残渣にはまだセルロースが残っていた。この残渣を再度第3工程と同じ水熱処理を行うことで、より高純度のセロオリゴ糖を抽出することができた。同時に、原料中のセルロースの利用率を高くすることもできた。
第1工程では、リグニンの一部を分解するための過酸化水素の濃度は1.5重量%以下であった。ここで、過酸化水素の濃度が1.5重量%以上では反応が早く進むため、セルロースの糖化が促進され、単糖の比率が高まる。よって、高い収率でオリゴ糖を抽出するための上限の濃度として1.5重量%とした。
過酸化水素の添加量が少ない範囲では、第1工程と第2工程とは同時に行うことが可能である。ここで、セルロースが、低温で水に可溶化する成分であるヘミセルロースと、高温で水に可溶化する成分であるセルロースとから構成されているのと同様に、リグニンも、低温で水に可溶化するものと、高温でも水に溶けないものとで構成されている。第1工程で過酸化水素が作用したのは、主として低温可溶のリグニンであり、これを一部分解することでヘミセルロースのオリゴ糖化が効果的に行われたと考えられる。そして、高温で水に可溶なリグニンは、まだセルロースの周囲を被覆したままである。よって、セルロースのオリゴ糖化に際して、過酸化水素を極微量添加して高温水熱処理することにより、効果的にセロオリゴ糖が生成したと考えられる。さらに、第3工程についても、過酸化水素添加工程と水熱処理工程とを分離して操作する方が、より単糖化率の低いオリゴ糖が得られると考えられる。
第3工程では、過酸化水素を添加して高温水熱処理するため、単糖化の速度が速くなるので、オリゴ糖の調製のためには高温短時間処理が効果的であった。
〔比較例1〕コーヒー抽出残渣からマンノオリゴ糖の抽出
実施例2の第3水熱処理のみにより、マンノオリゴ糖を製造した。全体としての単糖化率は10%で、水熱処理原料1gあたりの糖の生成量は300mg/gであった。
ただし、図8(a)に示すように、糖組成はマンノオリゴ糖が主成分であるが、ガラクトオリゴ糖を約30%含んだものとなった。
図8(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。
〔比較例2〕コーヒー抽出残渣からマンノオリゴ糖の抽出
実施例2において、第2水熱処理後、アルコール洗浄を行わずに、第3水熱処理によりマンノオリゴ糖を製造した。全体としての単糖化率は19%で、水熱処理原料1gあたりの糖の生成量は263mg/gであった。
第3水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図9(a)に示す。また、図9(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。
このように、アルコール洗浄を行わずに第3水熱処理を行ってもオリゴ糖は生成したが、その収率はアルコール洗浄を行った場合よりも低くなった。
〔比較例3〕モミガラからキシロオリゴ糖の抽出
実施例3において、過酸化水素添加による第1水熱処理を行わずに、第2水熱処理のみによりキシロオリゴ糖を製造した。全体としての単糖化率は11%で、水熱処理原料1gあたりの糖の生成量は44mg/gであった。
第2水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図10(a)に示す。また、図10(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。
〔比較例4〕モミガラ残渣からキシロオリゴ糖の抽出
未処理のモミガラ原料0.8gを9.6mlの蒸留水に懸濁させて、内容積約15mlの反応容器に装填して、240℃で60秒間保持後、265℃で30秒間水熱処理を行った[第3工程(第3水熱処理)]。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。溶液は、糖分析用容器に保存した。
即ち、実施例4において、過酸化水素添加による第1水熱処理および第2水熱処理を行わずに、第3水熱処理のみによりセロオリゴ糖を製造した。
第3水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図11(a)に示す。また、図11(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。
このように、第1水熱処理および第2水熱処理を行わずに、また、過酸化水素も添加せずに第3水熱処理のみを行っても、低分子化はされるものの、セロオリゴ糖を効果的に抽出することはできなかった。
〔比較例5〕セロオリゴ糖を抽出したスギチップ残渣からマンノオリゴ糖の抽出
第1水熱処理を実施例5と同様に行い、それによって得た残渣を原料として、第2水熱処理を155℃、30分としてマンノオリゴ糖を製造した。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。溶液は、糖分析用容器に保存した。
即ち、実施例5において、第2水熱処理での反応時間を短縮してマンノオリゴ糖を製造した。
第2水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図12(a)に示す。また、図12(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。
このように、第2水熱処理で十分な反応時間が得られないと、オリゴ糖を効果的に抽出することはできなかった。
〔比較例6〕スギチップからセロオリゴ糖の抽出
第1水熱処理および第2水熱処理を実施例6と同様に行い、それによって得た残渣を原料として、0.65gを9.6mlの蒸留水に懸濁させて、内容積約15mlの反応容器に装填して、260℃で60秒間水熱処理を行った[第3工程(第3水熱処理)]。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。溶液は、糖分析用容器に保存した。
即ち、実施例6において、第3水熱処理で過酸化水素を添加せずに、処理温度を285℃から265℃に変更してセロオリゴ糖を製造した。
第3水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図13(a)に示す。また、図13(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。
このように、第3水熱処理で過酸化水素を添加せずに265℃で処理しても、オリゴ糖を効果的に抽出することはできなかった。
〔比較例7〕スギチップから直接セロオリゴ糖の抽出
未処理のスギチップ原料0.8gを用いて第3水熱処理によるセロオリゴ糖の抽出を行った。第3水熱処理の処理条件は、実施例7の第3水熱処理と同じ230℃、1分、295℃、30秒とした。ただし、過酸化水素は添加しなかった。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。溶液は、糖分析用容器に保存した。
即ち、実施例7において、未処理のスギチップ原料を用いて、過酸化水素を添加せずにセロオリゴ糖を製造した。
第3水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図14(a)に示す。また、図14(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。
このように、第1水熱処理および第2水熱処理を行わずに、また、過酸化水素も添加せずに第3水熱処理のみを行っても、セロオリゴ糖を効果的に抽出することはできなかった。
〔比較例8〕スギチップから直接マンノオリゴ糖の抽出
第1水熱処理を行わずに、未処理のスギチップ原料3.0gを30mlの蒸留水に懸濁させて、内容積約15mlの反応容器に装填して、実施例5と同じ処理条件である155℃、1.5時間の水熱処理を行った。
内容物は、ろ過により固体残渣と溶液とに分別した。溶液は、糖分析用容器に保存した。
即ち、実施例5において、第1水熱処理を行わずにマンノオリゴ糖を製造した。
第2水熱処理で得た反応液中の単糖(アラビノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、キシロースの5種)の分析結果および反応液中のオリゴ糖を硫酸加水分解して全てを単糖化したものの分析結果を比較したものを図15(a)に示す。また、図15(b)は、反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果のクロマトグラムである。
このように、第1水熱処理を行わずに、第2水熱処理のみを行っても、オリゴ糖を効果的に抽出することはできなかった。
Figure 0005093472
Figure 0005093472
〔実施例のまとめ〕
実施例2と比較例1とを比較すると、実施例2のマンノオリゴ糖の生成量は、単糖換算で364mg/gであった。一方、比較例1のマンノオリゴ糖の生成量は、単糖換算で300mg/gであった。つまり、バイオマスを1段階で加熱せずに、3段階で加熱し、かつバイオマスに過酸化水素を添加することにより、高収率でオリゴ糖を生成することができるという結果になった。また、実施例2を示す図2と比較例1を示す図7とを比較すると、実施例2のマンノオリゴ糖の純度は、比較例1のマンノオリゴ糖の純度よりも高くなった。つまり、バイオマスを1段階で加熱せずに、3段階で加熱し、かつバイオマスに過酸化水素を添加することにより、高純度でオリゴ糖を生成することができるという結果になった。
また、実施例3と比較例3とを比較すると、実施例3のキシロオリゴ糖の生成量は、単糖換算で143mg/gであった。一方、比較例3のキシロオリゴ糖の生成量は、単糖換算で44mg/gであった。つまり、バイオマスを1段階で加熱せずに、2段階で加熱し、かつバイオマスに過酸化水素を添加することにより、高収率でオリゴ糖を生成することができるという結果になった。
また、実施例5と比較例5とを比較すると、実施例5のマンノオリゴ糖の生成量は、単糖換算で108mg/gであった。一方、比較例5のマンノオリゴ糖の生成量は、単糖換算で45mg/gであった。つまり、第2水熱処理での反応時間を長くすることにより、高収率でオリゴ糖を生成することができるという結果になった。
また、実施例6と比較例6とを比較すると、実施例6のセロオリゴ糖の生成量は、単糖換算で154mg/gであった。一方、比較例6のセロオリゴ糖の生成量は、単糖換算で100mg/gであった。つまり、第3水熱処理での処理温度を高くすることにより、高収率でオリゴ糖を生成することができるという結果になった。
また、実施例7と比較例7とを比較すると、実施例7のセロオリゴ糖の生成量は、単糖換算で127mg/gであった。一方、比較例7のセロオリゴ糖の生成量は、単糖換算で86mg/gであった。つまり、第3水熱処理で過酸化水素水を添加することにより、高収率でオリゴ糖を生成することができるという結果になった。
また、実施例5と比較例8とを比較すると、実施例5のマンノオリゴ糖の生成量は、単糖換算で108mg/gであった。一方、比較例8のマンノオリゴ糖の生成量は、単糖換算で79mg/gであった。つまり、第1水熱処理を行うことにより、高収率でオリゴ糖を生成することができるという結果になった。
本発明のオリゴ糖の製造方法は、高収率、高純度でオリゴ糖を製造することができる方法である。本発明により製造されたオリゴ糖は、飲食品原料、医薬品の原料等として利用することができる。具体的には、人間の腸内が有害細菌により汚染されるのを防止する物質として働くオリゴ糖を、健康食品、医薬品等の用途に適用することが可能である。
(a)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は本発明におけるオリゴ糖の製造方法の一実施形態でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。 (a)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖の生成量を示すグラフであり、(b)は従来のオリゴ糖の製造方法でのオリゴ糖のHPLCによる分析結果を示すクロマトグラムである。

Claims (7)

  1. マンナン、キシランおよびリグノセルロースのうちの少なくとも一種の化合物を含有するバイオマスからオリゴ糖を製造する方法であって、
    125℃以上、145℃以下の範囲内の温度で、上記バイオマスに過酸化水素を添加する第1工程と、
    145℃以上、165℃以下の範囲内の温度で加熱する第2工程とを含み、
    上記第2工程での加熱時間が、1時間以上、1.5時間以下の範囲内であることを特徴とするオリゴ糖の製造方法。
  2. さらに、230℃以上、295℃以下の範囲内の温度で加熱する第3工程を含み、
    上記第3工程での加熱時間が、1分以上、1.5分以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のオリゴ糖の製造方法。
  3. 上記第2工程と上記第3工程との間に、アルコールを添加する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のオリゴ糖の製造方法。
  4. 上記第3工程では、過酸化水素を添加することを特徴とする請求項2または3に記載のオリゴ糖の製造方法。
  5. 上記バイオマスが、マンナンを含有するコーヒー抽出残渣であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオリゴ糖の製造方法。
  6. 上記バイオマスが、キシランを含有するモミガラであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオリゴ糖の製造方法。
  7. 上記バイオマスが、リグノセルロースを含有するスギチップであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオリゴ糖の製造方法。
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