JP5091679B2 - マルチドメイン両親媒性ヘリックスペプチドおよびその使用方法 - Google Patents
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Description
本開示は、ABCA1依存経路を介して細胞からの脂質流出を促進する、複数の両親媒性αヘリックスドメインを有するペプチドまたはペプチド類似体に関する。さらに、本開示は、細胞からの脂質流出を促進するマルチドメイン両親媒性αヘリックスペプチドを特徴付けるための方法に関する。ABCA1依存経路を介して細胞からの脂質流出を促進するマルチドメイン両親媒性αヘリックスペプチドは、異脂肪血症性障害および血管障害の治療および予防において有用である。
高密度リポタンパク質(HDL)による細胞からの過剰コレステロールの除去は、HDLアポリポタンパク質と、ABCA1(Oram and Yokoyama, J. Lipid Res. 37:2473-2491, 1996)などの細胞表面結合部位または受容体(Mendez et al., J. Clin. Invest. 94:1698-1705, 1994)との相互作用によって促進される。ABCA1は、ATP結合カセット輸送体ファミリーのメンバーであり(Dean and Chimini., J. Lipid Res. 42:1007-1017, 2001)、多くの細胞タイプによって発現される(Langmann et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 257:29-33, 1999)。ABCA1輸送体の変異は、過剰な細胞コレステロールの蓄積、低いHDL値、および高い心血管疾患リスクを特徴とするタンジール病につながる(Rust et al., Nat. Genet. 22:352-355, 1999; Bodzioch et al., Nat. Genet. 22:347-351, 1999; Brooks-Wilson et al., Nat. Genet. 22:336-345, 1999; Remaley et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96:12685-12690, 1999;およびLawn et al., J. Clin. Invest. 104:R25-R31, 1999)。タンジール病患者に由来する線維芽細胞は、コレステロールおよびリン脂質を細胞外アポリポタンパク質に流出させる初期の段階に欠陥がある(Francis et al., J. Clin. Invest. 96:78-87, 1995およびRemaley et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 17:1813-1821, 1997)。
ABCA1依存経路を介して細胞からの脂質流出を促進する複数の両親媒性αヘリックスドメインを有するペプチドを含む単離されたペプチドおよびペプチド類似体が特定され、本明細書において説明される。様々な態様において、同じペプチドにおいて、第1の両親媒性αヘリックスドメインは第2の両親媒性αヘリックスドメインと比べて高い脂質親和性を示す。一例において、このマルチドメインペプチドは2つの両親媒性αヘリックスのドメインを含み、SEQ ID NO:3〜45のいずれか1つに示されたアミノ酸配列を含む。
I.略語
ABCA1:ATP結合カセット輸送体A1
アポA-I:アポリポタンパク質A-I
DMPC:ジミリストイルホスファチジルコリン
HDL:高密度リポタンパク質
HPLC:高圧液体クロマトグラフィー
LDL:低密度リポタンパク質
RBC:赤血球
特別の定めの無い限り、技術用語は従来の用法に従って用いられる。分子生物学における一般的な用語の定義は、Benjamin Lewin, Genes VII, publishued by Oxford University Press, 2000 (ISBN 019879276X)、Kendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, publishued by Blackwell Publishers, 1994 (ISBN 0632021829)、およびRobert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, publishued by Wiley, John & Sons, Inc., 1995 (ISBN 0471186341)、ならびに他の同様の参考文献において見つけることができる。
炭化水素の一種。この分子は最大限可能な数の水素原子を有し、従って、二重結合を有さない(すなわち、飽和している)。脂肪族炭化水素とも知られる非環式アルカンの一般式はCnH2n+2である。可能性のある最も簡単なアルカンはメタン(CH4)である。
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどなどの、1〜24個の炭素原子の分枝または非分枝の飽和炭化水素基を指す。「低級アルキル」基は、1〜10個の炭素原子を有する分枝または非分枝の飽和炭化水素である。
両親媒性分子は、疎水(無極性)基と親水(極性)基の両方を含有する。疎水基は、長い炭素鎖、例えば、式CH3 (CH2)n (式中、nは、一般的に、約4〜約16を上回るか、または約4〜約16である)を有する炭素鎖などのアルキル基でもよい。このような炭素鎖は、任意に、1つまたは複数の分枝も含み、ここで、水素は脂肪族部分(例えば、アルキル基)で置換されている。疎水基はまたアリール基も含んでよい。親水基は、以下:アニオン性分子(例えば、脂肪酸、硫酸、もしくはスルホン酸)またはカチオン性分子などのイオン分子、両性分子(例えば、リン脂質)、あるいは非イオン性分子(例えば、小さなポリマー)の1つまたは複数でもよい。
類似体は、化学構造の点で親化合物と異なる分子、例えば、ホモログ(アルキル鎖の長さが異なるなど化学構造の増加分だけ異なる)、分子の断片、1つまたは複数の官能基だけ異なる構造、イオン化の変化である。構造類似体は、多くの場合、Remington (The Science and Practice of Pharmacology, 19th Edition (1995), chapter 28)に開示される技法などの技法を用いた定量的構造活性相関(QSAR)を用いて見出される。誘導体は、基本構造から誘導された生物学的に活性な分子である。模倣物は、生物学的に活性な分子などの別の分子の活性を模倣する分子である。生物学的に活性な分子は、ある化合物の生物学的活性を模倣する化学構造を含んでもよい。
生きた多細胞脊椎動物。このカテゴリーには、例えば、哺乳動物および鳥類が含まれる。用語「哺乳動物」は、ヒトおよび非ヒトの哺乳動物を両方とも含む。同様に、用語「被験体」は、ヒトおよび獣医学に関する被験体、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、およびウシを含む。
免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子の断片によって実質的にコードされている1つまたは複数のポリペプチドを含むタンパク質(またはタンパク質複合体)。認められている免疫グロブリン遺伝子には、κ、λ、α、γ、δ、ε、およびμ定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。軽鎖はκまたはλのいずれかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεとして分類され、これらは順に、それぞれ、免疫グロブリンクラスIgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEを規定する。
タンパク質のドメインは、共通の構造特性、生理化学特性、および機能特性を有するタンパク質部分、例えば、疎水性ドメイン、極性ドメイン、球状ドメイン、ヘリックスドメイン、または性質を共有するタンパク質部分、例えば、DNA結合ドメイン、ATP結合ドメインなどである。
任意のまたは全ての血中脂質または血中リポタンパク質の量の変化に関連する障害。異脂肪血症性障害には、例えば、高脂血症、高リポタンパク血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、HDL欠損症、アポA-I欠損症、および心血管疾患(すなわち、冠状動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、および再狭窄)が含まれる。
流れ出るプロセス。本明細書に記載の結果に適用される場合、脂質流出は、コレステロールおよびリン脂質などの脂質が、アポリポタンパク質またはアポリポタンパク質ペプチド模倣物などのアクセプターと複合体を形成し、小胞または細胞から除去されるプロセスを指す。「ABCA1依存性脂質流出」(または「ABCA1依存経路」による脂質流出)は、アポリポタンパク質またはアポリポタンパク質のペプチド模倣物が細胞に結合し、ABCA1輸送体によって促進されるプロセスによって細胞から脂質を流出させるプロセスを指す。
高分子のバックボーン結合の周りに規則正しく回転を繰り返すことによって生じる、らせん状の分子コンホメーション。
疎水(または親油)基は電気的に中性であり、無極性であり、従って、他の中性および無極性の溶媒または分子環境を好む。疎水性分子の例には、アルカン、油、および脂肪が含まれる。
ペプチドまたは他の分子における両親媒性の程度(すなわち、疎水性の非対称性の程度)の尺度の1つ。これは、ペプチドの全ての疎水性指標のベクトル和を残基数で割ったものである。従って、疎水性モーメントは、アミノ酸1残基当たりの、異なる旋光角について測定されたペプチドの疎水性である。ある特定のペプチド配列のμHを計算する方法は当技術分野において周知であり、例えば、Eisenberg et al., Faraday Symp. Chem. Soc. 17: 109-120, 1982; Eisenberg et al., J. Mol. Biol. 179:125-142, 1984;およびKyte & Doolittle, J. Mol. Biol., 157: 105-132, 1982に記載されている。ある特定のペプチドについて得られる実際のμHは、ペプチドを構成するアミノ酸残基のタイプおよび総数に左右される。
親水(または疎油)基は電気的に極性化しており、H結合が可能であるので、水中では油または他の「無極性」溶媒より容易に溶解することができる。
例えば、アテローム性動脈硬化症および心血管疾患などの疾患のリスクのある被験体において、疾患、障害、または状態が完全に発生するのを阻害すること。「治療」は、疾患または病的状態が発生し始めた後に、疾患または病的状態の徴候または症状を寛解させる治療的介入を指す。疾患、病的状態、または症状に関して本明細書で使用する用語「寛解させる」は、治療の任意の観察可能で有益な効果を指す。有益な効果は、例えば、感受性のある被験体における疾患の臨床症状の発症の遅延、疾患の一部または全ての臨床症状の重篤度の低下、疾患の進行の遅延、疾患の再発数の減少、被験体の全体的な健康もしくは幸福の改善、または特定の疾患に特有の当技術分野において周知の他のパラメータによって証明することができる。
「単離された」または「精製された」生物学的成分(例えば、核酸、ペプチド、またはタンパク質)は、実質的に、生物学的成分が天然に生じる生物の細胞にある他の生物学的成分、すなわち、他の染色体および染色体外のDNAおよびRNAならびにタンパク質から分離されているか、他の生物学的成分から離れて生成されているか、または他の生物学的成分から離れて精製されている。従って、「単離されている」核酸、ペプチド、およびタンパク質には、標準的な精製方法によって精製された核酸およびタンパク質が含まれる。この用語はまた、宿主細胞において組換え発現によって調製された核酸、ペプチド、およびタンパク質、ならびに化学合成された核酸またはタンパク質も含む。用語「単離された」または「精製された」は完全な精製を必要とせず、むしろ、相対的な用語と意図される。従って、例えば、単離された生物学的成分は、生物学的成分が天然環境において細胞内にある時より濃縮されているものである。好ましくは、調製物は、生物学的成分が、調製物の全ての生物学的成分内容物の少なくとも50%、例えば、少なくとも70%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上に相当するように精製されている。
別の分子の検出を容易にするために、その分子に直接的または間接的に結合している検出可能な化合物または組成物。標識の特定の非限定的な例には、蛍光タグ、酵素的結合、および放射性同位体が含まれる。
2つの他の分子を、共有結合、またはイオン結合、ファンデルワールス結合、もしくは水素結合によってつなぐ分子。
例えば、クロロホルムまたはエーテルなどの無極性溶媒によって細胞および組織から抽出することができる、水不溶性または部分的に水不溶性、油性または脂肪性の有機物質の一種。脂質のタイプには、トリグリセリド(すなわち、グリセリンおよび脂肪酸鎖からなる天然脂肪および油)、リン脂質(例えば、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、およびホスファチジルイノシトール)、スフィンゴ脂質(例えば、スフィンゴミエリン、セレブロシド、およびガングリオシド)、ならびにステロール(例えば、コレステロール)が含まれる。
脂質に対する両親媒性αヘリックスの相対結合親和性の測定値。脂質親和性を求めるために、当業者周知の任意の数の方法を使用することができる。1つの態様において、両親媒性αヘリックスの脂質親和性は、両親媒性αヘリックスの疎水性モーメントスコアを計算することによって求められる。例えば、比較的高い脂質親和性を有する両親媒性αヘリックスの疎水性モーメントスコア/残基は、Eisenbergスケール(100度αヘリックス)で約0.34を上回る、または約0.34であるのに対して、比較的低い脂質親和性を有する両親媒性αヘリックスの疎水性モーメントスコア/残基は、Eisenbergスケールで約0.34未満である(Eisenberg et al., Faraday Symp. Chem. Soc. 17:109-120, 1982)。別の態様では、比較的高い脂質親和性を有する両親媒性αヘリックスの疎水性モーメントスコア/残基は、Eisenbergコンセンサススケールで約0.40〜約0.60であるのに対して、低脂質親和性ヘリックスの疎水性モーメントスコア/残基は、コンセンサススケールで約0.20〜約0.40である (Eisenberg et al., PNAS 81:140-144, 1984およびEisenberg et al., J. Mol. Biol. 179:125-142, 1984)。複数の両親媒性αヘリックスドメインを有する、いずれか1つのペプチドまたはペプチド類似体では、比較的高い脂質親和性を有する両親媒性αヘリックスの疎水性モーメントスコアと、比較的低い脂質親和性を有する両親媒性αヘリックスの疎水性モーメントスコアの差はコンセンサススケールで少なくとも0.01であると理解されるはずである。ある態様において、この差は、0.02、0.05、0.08、または0.1など0.01を上回る。
非細胞傷害性の化合物は、細胞または被験体を治療するために通常用いられる投与量で細胞の生存率または増殖特徴に実質的に影響を及ぼさない化合物である。さらに、非細胞傷害性化合物を用いて処理された細胞では、LDHまたはヘモグロビンなどの細胞内内容物を放出する細胞のパーセントが低い(例えば、約10%またはそれ以下)。非細胞傷害性化合物によって細胞から脂質が流出すると、細胞膜の全体的な完全性を維持し、有意な細胞毒性につながらないプロセスによって細胞から脂質が除去される。
無極性化合物は、正電荷または負電荷の集中がない化合物である。無極性化合物、例えば、油は水にあまり溶けない。
モノマーがアミノ酸残基であり、アミノ酸残基がアミド結合によってつながれているポリマー。アミノ酸がα-アミノ酸である場合、L光学異性体またはD光学異性体を使用することができる。本明細書で使用する用語「ペプチド」または「ポリペプチド」は任意のアミノ酸配列を含み、糖タンパク質などの改変配列を含むことが意図される。用語「ペプチド」は、具体的には、天然に生じるペプチドならびに組換えまたは合成により生成されたペプチドを含むことが意図される。用語「残基」または「アミノ酸残基」は、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質に組み込まれるアミノ酸への言及を含む。
本開示において有用な薬学的に許容される担体(ビヒクル)は従来の担体である。Remington's Pharmaceutical Sciences, by E. W. Martin, Mack Publishing Co., Easton, PA, 15th Edition (1975)は、1つまたは複数のマルチドメインペプチドまたはペプチド類似体およびさらなる薬学的薬剤などの1つまたは複数の治療用化合物または分子の薬学的送達に適した組成物および製剤について述べている。
リン脂質は、水溶性極性頭部が(負に荷電したリン酸基によって)2つの水不溶性無極性尾部に結合したものからなる。尾部は両方とも脂肪酸からなり、それぞれ長さは約14〜約24炭素基である。水性環境に置かれると、リン脂質は二重層またはミセルを形成し、疎水性尾部は互いに尾を付けて並ぶ。これは、両側に親水性頭部を有する膜を形成する。リン脂質は、動物細胞膜の主要成分である脂質である。
極性分子は、正電荷および負電荷の分布の中心が一点に集まらない分子である。極性分子は、極性の尺度である双極子モーメントによって特徴付けられ、他の極性化合物に溶解し、無極性化合物に実質的に不溶性である。
天然に生じない配列、または別の方法で分離された2つの配列セグメントの人為的な組み合わせによって作成された配列を有する配列。この人為的な組み合わせは、多くの場合、化学合成によって達成され、より一般的には、単離された核酸セグメントの人為操作、例えば、Sambrook et al. (ed.), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., vol. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989に記載の技法などの遺伝子工学的技法によって達成される。用語「組換え」は、単に、核酸の一部の付加、置換、または欠失によって変えられた核酸を含む。
特定の薬剤による治療を受けている被験体において望ましい効果を得るのに十分な、薬剤の量。例えば、これは、被験体における異脂肪血症性障害(例えば、アテローム性動脈硬化症)の予防、寛解、および/または治療において有用なマルチドメインペプチドまたはペプチド類似体の量でもよい。理想的には、薬剤の治療的有効量は、被験体において実質的な細胞傷害効果(例えば、膜微小可溶化)を引き起こすことなく異脂肪血症性障害(例えば、アテローム性動脈硬化症)を予防、寛解、および/または治療するのに十分な量である。被験体における異脂肪血症性障害(例えば、アテローム性動脈硬化症)を予防、寛解、および/または治療するのに有用な薬剤の有効量は、治療を受けている被験体、障害の重篤度、および治療用組成物の投与方法に左右される。
「形質転換された」細胞は、分子生物学的技法によって核酸分子が導入されている細胞である。この用語は、ウイルスベクターを用いたトランスフェクション、プラスミドベクターを用いた形質転換、ならびにエレクトロポレーション、リポフェクション、およびパーティクルガンアクセラレーションによる裸のDNAの導入を含む、このような細胞に核酸分子が導入され得る全ての技法を含む。
ABCA1依存経路を介して細胞からの脂質流出を促進する複数の両親媒性αヘリックスドメインを有する単離されたペプチドおよびペプチド類似体が本明細書において開示される。1つの態様において、マルチドメインペプチドは複数の両親媒性αヘリックスドメインを含み、第1の両親媒性αヘリックスドメインは第2の両親媒性αヘリックスドメインと比較して高い脂質親和性を示し(脂質親和性は、例えば、疎水性モーメントによって測定される;Eisenberg et al., Faraday Symp. Chem. Soc. 17:109-120, 1982; Eisenberg et al., PNAS 81:140-144, 1984;およびEisenberg et al., J. Mol. Biol. 179: 125-142, 1984を参照されたい)、ペプチドまたはペプチド類似体は、ABCA1依存経路によって細胞からの脂質流出を促進する。
HDLの最も優勢なタンパク質構成成分であるアポA-I(Panagotopulos et al., J. Biol. Chem. 277:39477-39484, 2002)は、界面活性剤様抽出プロセスによって細胞からの脂質流出を促進すると考えられている(Remaley et al., J. Lipid Res. 44:828-836, 2003)。ABCA1輸送体は、アポA-Iと細胞との結合を促進し、アポA-Iの界面活性剤様抽出プロセスによる除去を受けやすい脂質ドメインを作り出す脂質ミクロドメインを作り出すことによって、このプロセスを促進すると提案されている。他の交換可能なタイプの天然アポリポタンパク質の大部分と同様に、アポA-Iは脂質流出を促進するためにほぼ完全にABCA1の存在に依存している(Remaley et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 280:818-823, 2001)。さらに、脂質流出がアポA-Iおよび他の交換可能なタイプの天然アポリポタンパク質によって起こる時、非細胞傷害プロセスによって起こり、それによって細胞膜の完全性が維持される(Remaley et al., J. Lipid Res. 44:828-836, 2003)。アポA-Iは、広範囲の脂質親和性を有する少なくとも8個の大きな両親媒性ヘリックスドメインを含有する(Gillote et al., J. Biol. Chem. 274:2021-2028, 1999)。
本開示のマルチドメインペプチドまたはペプチド類似体は、当業者に公知の実質的に任意のペプチド調製法を用いて調製することができる。例えば、マルチドメインペプチドは、段階的な溶液ペプチド合成もしくは固相ペプチド合成、または組換えDNA法、またはその等価物を用いて調製することができる。
D配置またはL配置を有する本開示のマルチドメインペプチドは、当技術分野において周知の自動固相手順によって容易に合成することができる。適切な合成は、「T-boc」または「F-moc」手順を用いて実施することができる。固相合成のための技法および手順は、Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach, E. Atherton and R. C. Sheppard, 出版IRL, Oxford University Press, 1989に記載されている。または、マルチドメインペプチドは、例えば、Liu et al., Tetrahedron Lett. 37:933-936, 1996; Baca et al., J. Am. Chem. Soc. 117:1881-1887, 1995; Tam et al., Int. J. Peptide Protein Res. 45:209-216, 1995; Schnolzer and Kent, Science 256:221-225, 1992; Liu and Tam, J. Am. Chem. Soc. 116:4149-4153, 1994; Liu and Tam, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:6584-6588, 1994;およびYamashiro and Li, Int. J. Peptide Protein Res. 31:322-334, 1988)に記載のように、セグメント縮合によって調製することができる。これは、グリシン含有ペプチドに特によくあることである。本開示のマルチドメインペプチドを合成するのに有用な他の方法は、Nakagawa et al., J. Am. Chem. Soc. 107:7087-7092, 1985に記載されている。
マルチドメインペプチド全体が遺伝子によりコードされるアミノ酸から構成されている場合またはマルチドメインペプチドの一部が遺伝子によりコードされるアミノ酸から構成されている場合、マルチドメインペプチドまたはその関連部分は従来の組換え遺伝子工学的技法を用いて合成することもできる。組換え生成のために、マルチドメインペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、適切な発現ビヒクル、すなわち、挿入されたコード配列の転写および翻訳に必要なエレメント、またはRNAウイルスベクターの場合には複製および翻訳に必要なエレメントを含有するベクターに挿入される。次いで、発現ビヒクルは、マルチドメインペプチドを発現する適切な標的細胞にトランスフェクトされる。次いで、発現ペプチドは、使用される発現系に応じて当技術分野において十分に確立された手順によって単離される。組換えタンパク質およびペプチドを生成するための方法は当技術分野において周知である(例えば、Sambrook et al. (ed.), Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd ed., vol. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989, Ch. 17、およびAusubel et al. Short Protocols in Molecular Biology, 4th ed., John Wiley & Sons, Inc., 1999を参照されたい)。
本開示のマルチドメインペプチドまたはペプチド類似体は、逆相クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などなどの当技術分野において周知の多くの技法によって精製することができる。特定のマルチドメインペプチドまたはペプチド類似体を精製するのに用いられる実際の条件は、部分的に、合成法、および実効電荷、疎水性、親水性などの要因に左右され、当業者に明らかであろう。
本開示のマルチドメインペプチドまたはペプチド類似体は、脂質流出を促進することが有益な動物、特に、哺乳動物(例えば、ヒト)における任意の障害を治療するのに使用することができる。このような状態には、高脂血症(例えば、高コレステロール血症)、心血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症)、再狭窄(例えば、アテローム性動脈硬化巣)、末梢血管疾患、急性冠状動脈症候群、再灌流心筋障害などが含まれるが、これに限定されない。本開示のマルチドメインペプチドまたはペプチド類似体はまた、血栓塞栓性卒中の治療中に、および閉塞冠状動脈疾患の血栓溶解治療中にも使用することができる。
ある態様において、マルチドメインペプチドまたはペプチド類似体は様々な供給源から単離し、被験体に直接投与することができる。例えば、マルチドメインペプチドまたはペプチド類似体は、当技術分野において周知のように大腸菌発現系などインビトロで発現させ、治療用組成物に有用な量で単離することができる。
マルチドメインペプチド全体が遺伝子によりコードされるアミノ酸から構成されている態様において、またはマルチドメインペプチドの一部が遺伝子によりコードされるアミノ酸から構成されている態様において、マルチドメインペプチドまたはその関連部分の投与は適切な核酸発現ベクターによって行うことができる。この核酸発現ベクターは、例えば、レトロウイルスベクター(米国特許第4,980,286号を参照されたい)を用いて、または直接注射することによって、またはマイクロパーティクルボンバードメント(例えば、遺伝子銃; Biolistic, DuPont)を用いて、または脂質もしくは細胞表面受容体もしくはトランスフェクション剤でコーティングすることによって、または核に進入することが知られているホメオボックス様ペプチド(例えば、Joliot et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 88:1864-1868,1991を参照されたい)と連結させて投与することによって、細胞内にあるように投与される。または、核酸を細胞内に導入し、発現のために、例えば、相同組換えまたは非相同組換えによって宿主細胞DNA中に組み込むことができる。
提供されたマルチドメインペプチドまたはペプチド類似体、このようなペプチドをコードする構築物またはベクターは、ヒトまたは動物被験体に投与するために、薬学的に許容される担体(例えば、リン脂質もしくは他のタイプの脂質)またはビヒクルと組み合わせることができる。ある態様において、1種類を超えるマルチドメインペプチドまたはペプチド類似体を組み合わせて、1つの調製物を形成することができる。マルチドメインペプチドまたはペプチド類似体は都合よく単位剤形にされ、従来の薬学的技法を用いて調製することができる。このような技法は、活性成分と、薬学的担体または賦形剤を会合させる工程を含む。一般的に、製剤は、均一かつ均質に活性成分と液体担体を会合させることによって調製される。非経口投与に適した製剤は、酸化防止剤、緩衝液、静菌薬、および製剤を所期のレシピエントの血液と等張にする溶質を含有してもよい水性および非水性の滅菌注射液、ならびに懸濁剤および増粘剤を含んでもよい水性および非水性の滅菌懸濁液を含む。製剤は、1回量容器または複数回用量容器、例えば、密封したアンプルおよびバイアルに入れられてもよく、フリーズドライ(凍結乾燥)した状態で保存されてもよく、これは、滅菌した液体担体、例えば、注射用水の使用直前の添加しか必要としない。即時注射溶液および注射懸濁液は、当業者によって一般的に用いられる滅菌した散剤、顆粒、および錠剤から調製されてもよい。
実施例1
合成ペプチドによって媒介される細胞からの脂質流出
本実施例は、両親媒性ヘリックスを含有する合成ペプチドがABCA1発現細胞から脂質を流出させる能力を証明する。
は、Fmoc/DIC/HOBtプロトコールを用いて、Biosearch 9600ペプチド合成機(Applied Biosystems, Foster City, CA)において固相法によって合成した。L-アミノ酸(L-37pA)鏡像異性体およびD-アミノ酸(D-37pA)鏡像異性体を両方とも合成した。全てのペプチドを、Aquapore RP-300カラムを用いた逆相HPLCによって98%を超える均一性まで精製した。
脂質流出の時間経過
本実施例は、ABCA1発現細胞からアポA-Iおよび両親媒性ヘリックス含有合成ペプチドへのコレステロール流出の時間経過を証明する。
両親媒性αヘリックスの重要性
本実施例は、ペプチドの脂質親和性および細胞からの脂質流出を促進するペプチドの能力における両親媒性αヘリックスの重要性を証明する。
; Hay et al., Biochem Biophys. Res. Commun. 146:332-338, 1987)を試験し、これもまた、両細胞株からのコレステロールおよびリン脂質の流出の促進において完全に効果が無いことが見出された。これらの結果は、脂質流出の促進における両親媒性αヘリックスの重要性を証明した以前の研究と一致している(例えば、Gillotte et al., J. Biol. Chem. 274:2021-2028, 1999 および Gillotte et al., J. of Lipid Res. 39:1918-1928, 1998を参照されたい)。しかしながら、2種類の細胞株からの脂質流出の相対値(図1および4)から、両親媒性ヘリックスペプチドはABCA1依存的およびABCA1非依存的に脂質流出を促進できるが、DMPC小胞可溶化によって評価されたように(図3)、アポA-IおよびL2D-37pAなどの脂質親和性が中程度しかないアポリポタンパク質およびペプチドにはABCA1発現が必要であると証明された。
ABCA1非依存性脂質流出経路の評価
本実施例は、高脂質親和性を有する両親媒性ヘリックスペプチドがABCA1非依存的に脂質流出を促進できることを証明する。
放射標識L-37pAの結合におけるペプチド/アポA-Iの競合
本実施例は、37pAペプチドとABCA1細胞または対照細胞の結合には立体選択性が無いことを証明する。
脂質流出および細胞傷害性に及ぼすマルチドメイン両親媒性ペプチドの脂質親和性の非対称性の影響
本実施例は、マルチドメイン両親媒性ペプチドの脂質親和性の非対称性が、マルチドメインペプチドによるABCA1依存的コレステロール流出の特異性の重要な構造決定要因であることを証明する。
ABCA1依存的脂質流出を促進する非細胞傷害性ペプチドの特定
本実施例は、細胞からのABCA1依存的脂質流出を促進する非細胞傷害性ペプチドを特定するための方法を例示する。
本願に記載の原理および手順に基づいて、1つは比較的高い脂質親和性を有し、1つは比較的低い脂質親和性を有する2またはそれ以上の両親媒性αヘリックスを含有するマルチドメインペプチドのために、アミノ酸配列を設計することができる。
試験しようとするペプチドは、本願に記載のように合成によって、または組換えDNA法によって生成し、逆相HPLCまたは当業者に周知の他の適切な技法によって精製することができる。
ペプチドは、細胞内LDHの放出(実施例4)または赤血球からのヘモグロビンの放出(実施例6)などの当業者に周知の任意の数の方法によって細胞傷害性について試験することができる。このような研究は、本明細書に記載のように、様々な濃度のペプチドを細胞株、小胞または赤血球とインキュベートすることによって行われる。
試験しようとするペプチドは、1〜20μMのおおよその濃度範囲で無血清細胞培地に添加し、本明細書に記載したように、ABCA1輸送体を発現しない対照細胞株およびヒトABCA1輸送体cDNAを用いたトランスフェクション後の同じ細胞株とインキュベートすることができる。または、コレステロール含有率ならびに/またはABCA1輸送体を誘導する薬剤(例えば、cAMPおよびLXRアゴニスト)への曝露に応じてABCA1輸送体を発現するまたは発現しない、マクロファージなどの細胞も使用することができる。約4〜24時間の適切な期間の後に、培養上清を細胞から取り出すことができ、本明細書に記載のように、流出したコレステロールまたはリン脂の量を定量することができる。ABCA1輸送体を発現しない細胞から得られた結果から、ABCA1発現細胞株からの総脂質流出を差し引くことによって、ABCA1特異的脂質流出を計算する。
SEQ ID NO:1は、37pAペプチドのアミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:2は、γ結晶ペプチドのアミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:3〜45は、アポA-I様活性を有する一連のペプチドのアミノ酸配列を示す。これらは表1にも示した。
SEQ ID NO:46〜49は、いくつかの細胞認識配列のアミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:50〜53は、いくつかの細胞内部移行配列のアミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:54は、中性コレステロールエステラーゼ活性化配列のアミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:55は、ACAT阻害配列のアミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:56および57は、一対のLDL受容体配列のアミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:58〜60は、いくつかの抗酸化配列のアミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:61および62は、一対の金属キレート化配列のアミノ酸配列を示す。
Claims (8)
- SEQ ID NO:3〜45のいずれか1つに示されたアミノ酸配列からなる、単離されたペプチド。
- 細胞からのABCA1依存性脂質流出を促進し、非細胞傷害性である、請求項1記載の単離されたペプチド。
- 請求項1記載のペプチドのいずれか1つをコードする、単離された核酸分子。
- 請求項1もしくは請求項2記載の単離されたペプチドあるいは請求項3記載の単離された核酸分子、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
- 被験体における異脂肪血症性障害または血管障害の治療または阻害用の薬学的組成物であって、該薬学的組成物は請求項1もしくは2記載の単離されたペプチドまたは請求項3記載の単離された核酸分子、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
- 異脂肪血症性障害または血管障害が、高脂血症、高リポタンパク血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、HDL欠損症、アポA-I欠損症、冠状動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、血栓塞栓性卒中、末梢血管疾患、再狭窄、急性冠状動脈症候群、灌流後心筋障害、脈管炎、炎症、またはこれらの2つもしくはそれ以上の組み合わせを含む、請求項5記載の薬学的組成物。
- 異脂肪血症性障害または血管障害が高コレステロール血症である、請求項6記載の薬学的組成物。
- 請求項1または2記載のペプチドでコーティングされているインプラント。
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