JP5091597B2 - 検査装置、像投影装置、および基板特性測定方法 - Google Patents

検査装置、像投影装置、および基板特性測定方法 Download PDF

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Description

[0001] 本発明は、たとえばリソグラフィ技術によるデバイス製造において有用な検査方法、およびリソグラフィ技術を用いたデバイス製造方法に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与するものである。リソグラフィ装置は、たとえば、集積回路(IC)の製造において用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(たとえばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(たとえば1つのダイの一部、1つまたはいくつかのダイを含む)に転写される。パターンの転写は通常、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上での結像を介してなされる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。公知のリソグラフィ装置としては、ターゲット部分上にパターン全体を一度に露光することにより各ターゲット部分を照射するステッパ、およびある特定の方向(「スキャン」方向)の放射ビームによってパターンをスキャンすると同時にこの方向に平行または逆平行に基板をスキャンすることにより各ターゲット部分を照射するスキャナが含まれる。パターンを基板上にインプリントすることにより、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
[0003] アライメントなどの基板の特性を定めるために、ビームは基板の表面、たとえばアライメントターゲットにおいて反射される。また、像は反射ビームのカメラ上に作り出される。基板に反射した前と後のビームの特性を比較することによって、基板の特性を判定することができる。これは、たとえば、反射ビームと公知の基板特性に対応付けられた公知の測定値のライブラリに記憶されたデータとを比較することによって行うことができる。
[0004] ターゲットを照明し、反射放射からデータを収集するこのようなシステムは、複数の重畳パターンを照明するためにしばしば用いられる。第1のパターンと比較して、第2のパターンは所定のバイアスを有する。反射放射の特性を分析することにより、回折格子間のオーバーレイエラー(OV)を測定することができる。重畳パターンを有する基板の断面が添付の図7に示される。図示のとおり、露光されるパターン80、81は垂直方向高さZ分だけ離間しており、そのため異なる焦点深度を有する。したがって、両方のパターンに同時に焦点を合わせることは困難である。その結果、一方の回折格子は焦点からずれることが多く、粗悪な像が生じる。焦点を改善する1つの方法は焦点深度を大きくすることであるが、この方法では検出光量ならびに像品質が低下する。そのため、信号強度と焦点深度とのバランスを考量する必要がある。また、オブジェクトの深度情報は収集されない。両パターンの高精度な像を検出する別の方法は、2回の測定を行い、1回の測定において一方のパターンに焦点を合わせるやり方であろう。しかし、この方法では生産性が著しく損なわれる。
[0005] 複数の焦点深度において像品質を改善することが可能な装置を提供することが望ましい。
[0006] 本発明の一実施形態によると、基板の特性を測定する検査装置は、基板上に放射を投影する放射プロジェクタと、基板の表面から反射された放射ビームを検出するディテクタと、反射放射ビームを各レンズがディテクタ上に投影するレンズアレイとを備える。
[0007] 本発明の別の実施形態によると、基板の特性を測定する方法は、放射プロジェクタを用いて放射を基板上に投影すること、反射された放射の異なる部分を各レンズが投影するレンズアレイを通して、基板から反射された放射を投影すること、レンズアレイを通して投影された反射放射を検出し、反射放射は測定される特性を示すことを含む。
[0009] 以下、添付の概略図面を参照しながら、単なる例として、本発明の実施形態を説明する。図面において、同じ参照符号は同じ部分を示す。
[0018] 図1(a)はリソグラフィ装置を概略的に示している。リソグラフィ装置は、放射ビームB(たとえばUV照射またはEUV照射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILを備える。サポート(たとえばマスクテーブル)MTは、パターニングデバイス(たとえばマスク)MAを支持するように構成され、かつ一定のパラメータにしたがってパターニングデバイスを正確に位置付けするように構成された第1ポジショナPMに連結されている。基板テーブル(たとえばウェーハテーブル)WTは、基板(たとえばレジストコートされたウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ一定のパラメータにしたがって基板を正確に位置付けするように構成された第2ポジショナPWに連結されている。投影システム(たとえば屈折投影レンズシステム)PLは、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(たとえば1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成されている。
[0019] 照明システムは、放射を誘導、整形および/または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁気型、静電気型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組み合わせなどさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。
[0020] サポートはパターニングデバイスを支持する、たとえばパターニングデバイスの重みを支えるものである。サポートは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、たとえばパターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどといった他の条件に応じた様態でパターニングデバイスを保持する。サポートは、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポートは、たとえば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポートは、パターニングデバイスを、たとえば、投影システムに対して任意の位置に確実に置くことができる。本明細書において使われる用語「レチクル」または「マスク」はすべて、より一般的な用語「パターニングデバイス」と同義であると考えてよい。
[0021] 本明細書において使われる用語「パターニングデバイス」は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように放射ビームの断面にパターンを付与するために使うことができるあらゆるデバイスを指していると広く解釈されるべきである。なお、放射ビームに付与されたパターンは、たとえば、そのパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の任意のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付けたパターンは、集積回路などの、ターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応することになる。
[0022] パターニングデバイスは、透過型または反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レベンソン型(Alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(Attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームさまざまな方向に反射するように、個別に傾斜することができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射された放射ビームにパターンを付与する。
[0023] 本明細書において使われる用語「投影システム」は、使われている露光放射にとって、あるいは液浸液の使用または真空の使用といった他の要因にとって適切な屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁気型、および静電気型光学システム、またはそれらのあらゆる組み合わせを含むあらゆるタイプの投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。本明細書において使われる用語「投影レンズ」はすべて、より一般的な用語「投影システム」と同義であると考えるとよい。
[0024] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、透過型のもの(たとえば透過型マスクを採用しているもの)である。また、リソグラフィ装置は、反射型のもの(たとえば、前述のタイプのプログラマブルミラーアレイを採用しているか、または反射型マスクを採用しているもの)であってもよい。
[0025] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプのものであってもよい。そのような「マルチステージ」機構においては、追加のテーブルを並行して使うことができ、あるいは、予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
[0026] また、リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を満たすように、比較的高屈折率を有する液体、たとえば水によって、基板の少なくとも一部を覆うことができるタイプのものであってもよい。さらに、リソグラフィ装置内の別の空間、たとえば、マスクと投影システムとの間の空間に液浸液を加えてもよい。液浸技術は投影システムの開口数を増加させるためのものとして当該技術分野では周知である。本明細書において使われている用語「液浸」は、基板のような構造体を液体内に沈めなければならないという意味ではなく、単に、露光中、投影システムと基板との間に液体があるということを意味するものである。
[0027] 図1(a)を参照すると、イルミネータILは、放射ソースSOから放射を受ける。放射ソースおよびリソグラフィ装置は、たとえば、放射ソースがエキシマレーザである場合、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射ソースは、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また、放射は、放射ソースSOからイルミネータILへ、たとえば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを使って送られる。別の場合においては、放射源は、たとえば、放射ソースが水銀ランプである場合、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射ソースSOおよびイルミネータILは、必要であればビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼んでもよい。
[0028] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するためのアジャスタADを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOといったさまざまな他の構成要素を含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調節すれば、放射ビームの断面に任意の均一性および強度分布を持たせることができる。
[0029] 放射ビームBは、サポート(たとえばマスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(たとえばマスクMA)上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを通り抜けた後、放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは基板Wのターゲット部分C上にビームを集束させる。第2ポジショナPWおよび位置センサIF(たとえば干渉デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、たとえば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置付けるように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサ(図1(a)には明示されていない)を使い、たとえば、マスクライブラリからマスクを機械的に取り出した後またはスキャン中に、マスクMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置づけることもできる。通常、マスクテーブルMTの移動は、第1ポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTの移動も第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてよく、あるいは固定されていてもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2、および基板アライメントマークP1、P2を使って、位置合わせされていてもよい。例示では基板アライメントマークがそれ専用のターゲット部分におかれているが、基板アライメントマークをターゲット部分の間の空間(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)内に置くこともできる。同様に、複数のダイがマスクMA上に設けられている場合、マスクアライメントマークは、ダイの間に置かれてもよい。
[0030] 例示の装置は、以下のモードの少なくとも1つで使うことができると考えられる。
[0031] 1.ステップモードにおいては、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度に(すなわち、単一静止露光)ターゲット部分C上に投影する。基板テーブルWTは、つぎにXおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cが露光されることが可能になる。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一静止露光時に投影されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
[0032] 2.スキャンモードにおいては、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを同時にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPLの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
[0033] 3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持しつつ、マスクテーブルMTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かすまたはスキャンする一方で、放射ビームをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述のタイプのプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
[0034] 上述の使用モードの組み合わせおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なるモードもまた採用可能である。
[0035] 図1(b)に示すとおり、リソグラフィ装置LAは、リソグラフィセルLCの一部を形成する。リソグラフィセルLCはリソセル(lithographic cell)またはクラスタと呼ばれることもあり、基板に対する露光前および露光後の処理を行う装置を含む。従来、これらの装置には、レジスト層を堆積させるためのスピンコータSC、露光されたレジストを現像するためのデベロッパDE、チルプレートCHおよびベークプレートBKが含まれる。基板ハンドラまたはロボットROは、入力/出力ポートI/O1、I/O2から基板を取り出し、上述のさまざまな処理装置の間でこれらを移動させ、リソグラフィ装置のローディングベイLBに送り届ける。これらのデバイスは、よくトラックと総称されるもので、トラック制御ユニットTCUの制御下にある。この制御ユニット自体は監視制御システムSCSによって制御されており、この監視制御システムはリソグラフィ装置も制御している。そのため、上述のさまざまな装置をスループットおよび処理効率を最大化するよう動作させることができる。
[0036] リソグラフィ装置によって露光される基板において各レジスト層について露光が行われるために、リソグラフィ装置が補償しなければならない、アライメント、回転等の変更があるか否かを判定するために測定すべき一定の基板の特徴がある。基板の特性、および、特に、異なる基盤の特性または同一の基板の異なる層の特性が各層間でどのように異なるかの測定には別個の検査装置が使用される。
[0037] 基板Wの表面特性は、図2に示すようなスキャトロメータといったセンサを使用して測定することができる。スキャトロメータは、基板W上に放射を投影する広帯域(白色光)放射プロジェクタ2を備える。反射された放射は、正反射された放射のスペクトル10(波長の関数としての強度)を測定するスペクトロメータディテクタ4に送られる。このデータから、検出されたスペクトルを生じた構造またはプロファイルを、たとえば厳密結合波解析(Rigorous Coupled Wave Analysis)および非線形回帰によって、または、図2の下部に示すようなシミュレーションスペクトルのライブラリとの比較によって再構成することができる。一般に、再構成のためには、基板の一般的な形態は分かっており、一定のパラメータは構造がつくられた工程の知識から推測され、構造の2、3のパラメータのみがスキャトロメータのデータから判定される。
[0038] スキャトロメータは、垂直入射スキャトロメータまたは斜め入射スキャトロメータであってよい。複数の波長の範囲の単一の角度の反射ではなく、反射を単一の波長の複数の角度の範囲(または、たとえば500〜510nmのように限定された波長の範囲)で測定するスキャトロメトリの変形物を使用してもよい。
[0039] 基板の特性を測定するスキャトロメータは、高開口数レンズの瞳面11において、図3に示される複数の角度および波長で基板表面Wから反射された角度分解スペクトルの特性を測定することができる。こうしたスキャトロメータは、基板上に放射を投影する放射プロジェクタ2および反射スペクトルを検出するディテクタ18を備えることができる。瞳面は、放射の半径方向の位置が入射角を定義し、角度位置が放射のアジマス角を定義する面(およびあらゆる実質的な共役面)である。ディテクタ18は、高開口数レンズの瞳面に配置される。開口数は高くしてよく、少なくとも0.9とするのが望ましく、少なくとも0.95とするのがさらに望ましい。液浸スキャトロメータは、1を超える開口数を有するレンズをも備えることができる。
[0040] 角度分解スキャトロメータの中には散光の強度のみを測定するものがある。しかしながら、最近のスキャトロメータはいくつかの波長を複数の角度の範囲で同時に測定することができる。さまざまな波長および角度についてスキャトロメータによって測定される特性は、TMおよびTE偏光の強度およびTMおよびTE偏光間の位相差であってよい。
[0041] 広帯域の光源(すなわち、広範囲の光周波数または波長を有するもの、よって複数の色を持つもの)の使用が可能であり、これにより大きなエタンデュ(etendue)がもたらされ、複数の波長の混合が可能となる。広帯域における複数の波長はそれぞれが、たとえばλδの帯域幅を備え、したがって少なくとも2λδ(すなわち帯域幅の2倍)の間隔を有することが好ましい。放射のいくつかの「ソース」は、拡張された放射ソースの、たとえばファイバー束を使用して分割されたそれぞれの箇所であってよい。このように、角度分解スキャタスペクトルは複数の波長で並行して測定することができる。2−Dスペクトルより多い情報を含む3−Dスペクトル(波長および2つの異なる角度)が測定される。これにより、より多くの情報を測定することが可能となり、メトロロジ処理のロバスト性が増すことになる。このことは、米国特許出願公開2006/00066855A1および2006/0033921A1により詳細に記載されている。
[0042] 本発明にて使用しうるスキャトロメータを図3に示す。放射プロジェクタ2の放射は、レンズシステム12を使用して干渉フィルタ13および偏光子17を通して集束され、部分的反射面16により反射され、微小対物レンズ15を介して基板W上に集束される。放射はその後、スキャタスペクトルを測定するために、後面投影された瞳面11において、部分的反射面16を介して、たとえばCCDなどのディテクタ18へと透過する。瞳面11はレンズシステム15の焦点距離に位置する。ディテクタおよび高開口数レンズは瞳面に配置される。高開口数レンズの瞳面は通常レンズの内部に配置されるので、瞳面は補助的な光学素子を使用して再結像されてよい。
[0043] 基準ビームは、たとえば入射する放射の強度を測定するためによく使用される。放射ビームがビームスプリッタ16に入射するとき、放射ビームの一部はビームスプリッタを介して基準ミラー14へと透過する。基準ビームはその後同じディテクタ18の異なる部分上に投影される。
[0044] 反射された放射の瞳面は、たとえば、1つのフレームにつき40ミリ秒の積分時間でディテクタ18上に投影される。このように、基板ターゲットの二次元の角散乱スペクトルがディテクタ上に投影される。ディテクタは、たとえば、CCDまたはCMOSセンサのアレイであってよい。
[0045] 干渉フィルタ13のセットは、たとえば405から790nm、またはそれより低い200から300nmといった範囲で関連の波長を選択するために使用することができる。干渉フィルタは、異なるフィルタのセットを備えるのではなく、調節可能なものとしてよい。干渉フィルタの代わりに回折格子を使用することもできる。
[0046] 基板Wは、現像後にバーがレジストの実線から形成されるようにプリントされる回折格子でもよい。あるいは、バーをエッチングにより基板に形成してもよい。このパターンは、リソグラフィ投影装置、特に投影システムPLにおける色収差の影響を受けやすく、照明シンメトリおよびそのような収差の存在はプリントされた回折格子の変化として表れる。したがって、プリントされた回折格子のスキャトロメトリデータを使用して回折格子が再構成される。プリント工程および/またはその他のスキャトロメトリ処理の知識から、ライン幅および形状といった回折格子のパラメータを再構成処理に取り入れることができる。
[0047] 本発明ではプレノプティックカメラの原理を利用するので、ここで参考のためにプレノプティックカメラの動作について図4および図5を用いて説明する。プレノプティックカメラはレンズアレイ10を主レンズ20の後焦点面に挿入することにより動作する。レンズアレイにおける個々のレンズは、放射をその方向に基づいて分散させる。放射がある一点から生じる場合は、1つのレンズによってディテクタ上に投影される像は実質的に均一となる。しかし、(たとえば対象が主レンズの焦点面内に存在しないために)放射がある一点から生じない場合、レンズ素子は複数のソースから放射を分散させることになる。このような場合が図5に示されており、結果として1つのレンズから得られるサブイメージには多少のばらつきが生じる。そのため、サブイメージ全体におけるばらつきの程度と、周辺のサブイメージとの対比とを利用して、物体の焦点深度を測定することが可能である。
[0052] 本発明による装置を図6に示す。図に見られるように、レンズアレイ21は、たとえばマイクロレンズアレイといったものであり、高開口数レンズ15の瞳面内かつディテクタ18の前面に位置している。レンズアレイは装置をプレノプティックカメラとして動作させ、基板上の一点(基板が焦点から外れている場合は、基板上の複数の点)からの放射はレンズアレイの各レンズによって分散され、サブイメージが生成される。サブイメージの断面を解析して、各像の断面がどの程度均一かを判定することができる。均一でない場合、基板は焦点から外れている。
[0053] ある特定の点において基板が焦点から外れていると判明した場合、基板が焦点から外れる量を計算するために数値計算を行うことができる。この方法は、基板上のある特定の点に対して適切な焦点深度で基板に再び焦点を合わせるため、また好ましくは、適切な焦点深度で特定の点の像を計算するよう数学的補正を行うために用いることができる。このようにして、適切な焦点深度において特定の点の像を計算することができる。
[0054] これらのサブイメージを解析し、つなぎ合わせて基板Wのターゲット部分の大きな像を形成するために、データ処理ユニットを用いることができる。
[0055] たとえば、図7に示されるターゲットの異なる領域がそれぞれ異なる焦点深度を有する場合でも、うまく焦点を合わせることができる。そのためターゲット間での焦点の違いによる影響を受けにくくなり、信号強度を弱めることなくより大きな焦点深度を得ることが可能である。結果として、複数の深度において計測を行う必要がなくなり、各点における焦点深度が分かる。さらに、装置は焦点深度による影響を受けにくいため、より少ない時間および労力で適切な焦点を得ることができる。
[0010] リソグラフィ装置を示す。 [0011] リソグラフィセルまたはクラスタを示す。 [0012] スキャトロメータを示す。 [0013] 高開口数レンズの瞳面内における角度分解スペクトル計測の一般的な動作原理を示す。 [0014] プレノプティックカメラを示す。 [0015] プレノプティックカメラを示す。 [0016] 本発明による装置を示す。 [0017]2つの重畳パターンを示す。

Claims (10)

  1. 基板の特性を測定する検査装置であって、
    基板上に放射を投影する放射プロジェクタ、
    対物レンズ、
    基板の表面から反射された放射ビームを検出するディテクタ、
    反射放射ビームを各レンズがディテクタ上に投影するレンズアレイ、および
    各レンズによって投影された角度分解スペクトルを処理して単一の角度分解スペクトルを生成するデータ処理ユニット
    を備え、
    レンズアレイは対物レンズの瞳面内、かつ、ディテクタの前面に位置し、
    ディテクタは、レンズアレイの各レンズによって投影された放射の角度分解スペクトルを検出し、
    データ処理ユニットは、生成した単一の角度分解スペクトルを利用してサブイメージを生成し、サブイメージの断面を解析することにより、基板が焦点から外れているか否かを判定し、ある特定点において基板が焦点から外れていることが判明した場合には、基板が焦点から外れている量を計算するために数値計算を行う、検査装置。
  2. ディテクタは、レンズアレイの各レンズによって投影された放射の波長を検出する、請求項1に記載の装置。
  3. レンズアレイは微小レンズのアレイである、請求項1または2に記載の装置。
  4. 対物レンズは高開口数レンズである、請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載の装置。
  5. 対物レンズの開口数は少なくとも0.9である、請求項に記載の装置。
  6. 検査装置を備えるリソグラフィ装置であって、検査装置は、
    基板上に放射を投影する放射プロジェクタ、
    対物レンズ、
    基板の表面から反射された放射ビームを検出するディテクタ、および
    反射放射ビームを各レンズがディテクタ上に投影するレンズアレイ、および各レンズによって投影された角度分解スペクトルを処理して単一の角度分解スペクトルを生成するデータ処理ユニット
    を備え、
    レンズアレイは対物レンズの瞳面内、かつ、ディテクタの前面に位置し、
    ディテクタは、レンズアレイの各レンズによって投影された放射の角度分解スペクトルを検出し、
    データ処理ユニットは、生成した単一の角度分解スペクトルを利用してサブイメージを生成し、サブイメージの断面を解析することにより、基板が焦点から外れているか否かを判定し、ある特定点において基板が焦点から外れていることが判明した場合には、基板が焦点から外れている量を計算するために数値計算を行う、リソグラフィ装置。
  7. ディテクタは、レンズアレイの各レンズによって投影された放射の波長を検出する、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  8. 基板の像を投影する装置であって、
    基板上に放射を投影する放射プロジェクタ、
    投影された放射が通過する対物レンズ、
    基板の表面から反射された放射ビームの異なる部分をそれぞれが投影するレンズアレイ、および各レンズによって投影された角度分解スペクトルを処理して単一の角度分解スペクトルを生成するデータ処理ユニットを備え、
    レンズアレイは対物レンズの瞳面内、かつ、ディテクタの前面に位置し、
    ディテクタは、レンズアレイの各レンズによって投影された放射の角度分解スペクトルを検出し、
    データ処理ユニットは、生成した単一の角度分解スペクトルを利用してサブイメージを生成し、サブイメージの断面を解析することにより、基板が焦点から外れているか否かを判定し、ある特定点において基板が焦点から外れていることが判明した場合には、基板が焦点から外れている量を計算するために数値計算を行う、装置。
  9. 基板の特性を測定する方法であり、
    基板上に放射を投影すること、
    反射された放射の異なる部分を各レンズが投影するレンズアレイを通して、基板から反射された放射を投影すること、および
    レンズアレイを通して投影された角度分解スペクトルを処理して単一の角度分解スペクトルを生成することを含み、
    レンズアレイは対物レンズの瞳面内、かつ、ディテクタの前面に位置し、
    ディテクタは、レンズアレイの各レンズによって投影された放射の角度分解スペクトルを検出し、
    データ処理ユニットは、レンズアレイを通して投影された角度分解スペクトルを処理して単一の角度分解スペクトルを生成し、生成した単一の角度分解スペクトルを利用してサブイメージを生成し、サブイメージの断面を解析することにより、基板が焦点から外れているか否かを判定し、ある特定点において基板が焦点から外れていることが判明した場合には、基板が焦点から外れている量を計算するために数値計算を行う、方法。
  10. 測定される特性はオーバーレイエラーである、請求項に記載の方法。
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