JP5090465B2 - 動脈硬化診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は動脈硬化診断装置、特に動脈壁の弾性を推定し、動脈硬化度を判定する装置に関するものである。
現代医療は日々飛躍的に進歩しているが、その主なものは対症療法であり、日々の生活習慣から自己治癒力を高める予防医学に関しては殆ど研究が進んでいない。生活習慣病の一例として動脈硬化症がある。既存の技術では、血液、尿の採取から血糖値、コレステロール、その他成分を評価する直接的な方法や、血圧、脈動、鼓動、呼吸音などの測定値から体内の疾患を推測する間接的な手法など様々であるが、生体情報のモニタリングという観点からは不十分な手法である。
動脈硬化の診断装置として、特許文献1には、被検体に対して超音波ビームを送受信してエコー信号を取得し、2箇所の測定位置間の距離から到達時間差を測定して脈波伝播速度を計算する装置が提案されている。こうして計算される脈波伝播速度と血管の硬さを結び付け、動脈硬化の診断に用いようとするものである。
しかしながら、特許文献1では、動脈壁を伝播する脈波の伝播速度、つまり変位情報しか取得できておらず、皮膚表面による誤差等の外的要因の影響を受けやすいという問題がある。また、計算値が2箇所の測定位置間の距離にも影響されるので、測定する部位による測定ばらつきも大きい。さらに、測定装置が複雑であり、高価になるという問題がある。
特開平9−201361号公報
本発明の目的は、簡単な構造で、皮膚表面による誤差などの外的要因に左右されにくく、動脈の硬化度を測定できる動脈硬化診断装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の第1実施形態は、心音を検出する第1の検知手段と、生体の少なくとも1箇所において動脈を伝わる前記心音に関連した脈波を検出する第2の検知手段と、前記第1と第2の検知手段で検出された検出信号をそれぞれ周波数信号に変換する手段と、前記心音の周波数信号と前記脈波の周波数信号とを比較し、動脈硬化度を判定する手段と、を備えた動脈硬化診断装置を提供する。
本発明では、心臓の拍動が体内の血管中を伝播し、末端の器官まで伝播していく際に生じる脈波の過渡応答と動脈壁の粘弾性との関係に着目した。心音とは心臓の拡張、収縮に伴う振動である。脈波は拍動により大動脈内に発生した振動が、動脈壁に沿って伝播する振動波である。血管をパイプと捉えた場合、パイプの粘弾性によって振動波の周波数伝播特性が異なり、粘弾性に富む血管では周波数の低下が大きい。逆に、動脈硬化が進行した血管では、周波数の低下が小さい。
そこで、本発明の第1実施形態では、まず心音と脈波とを検知手段により同期して検出する。つまり、心音とその心音に関連した脈波とを検出する。このうち、心音は胸部など心臓の近傍位置で検出でき、脈波は頸部、手首、足首のように心臓から離れた部位で検出するのがよい。検出された信号は時間領域信号であるため、これを周波数領域信号(周波数スペクトル)に変換し、心音の周波数信号と脈波の周波数信号とを比較する。動脈硬化が進行していない人の場合、動脈が粘弾性に富むので、心音の周波数信号と脈波の周波数信号との差が大きいのに対し、動脈硬化が進行した人では、心音の周波数信号と脈波の周波数信号との差が相対的に小さい。そのため、両周波数信号を比較することにより、動脈硬化度を判定することができる。
心音及び脈波に含まれる周波数信号は様々であるが、必ずピーク周波数又は中心周波数が存在する。ピーク周波数とは、スペクトル強度(又は振幅)の最大値を与える周波数であり、中心周波数とはスペクトルの中心値の周波数のことである。スペクトル分布が対称形状である場合には、ピーク周波数と中心周波数とは一致する。複数のピーク波形がある場合には、最大値を与えるピーク波形の位置をピーク周波数とするのがよい。例えば心音と手首の脈波とを測定する場合には、胸部から得られたピーク周波数又は中心周波数と手首から得られたピーク周波数又は中心周波数とを比較することで、心臓と手首とを結ぶ動脈の動脈硬化度を判定することができる。周波数情報は変位情報や圧力情報とは異なり、測定箇所の皮膚の影響を受けにくいので、安定した測定結果を得ることができる。
第1実施形態では心音と脈波とを比較したが、第2実施形態では、人体の少なくとも2箇所において動脈を伝わる脈波を相互に比較することによって、動脈硬化を診断している。この場合の2つの検知手段は、心臓の同じ拍動に関連して動脈を伝わる脈波を検出することが必要である。なお、心臓に近い位置と遠い位置のように、それぞれの検知手段の心臓からの距離が異なる方がよい。両方の脈波を検出し、そのピーク周波数の差あるいは比を求めることで、動脈硬化度を判定することも可能である。
周波数を比較する方法として、一方の検出箇所のピーク周波数と他方の検出箇所のピーク周波数との周波数差を求めてもよい。例えば心音と脈波とを検出した場合、動脈硬化のない健康な人では、動脈が粘弾性に富んでいるため、ピーク周波数差が大きいのに対し、動脈硬化のある人では動脈が硬くなっているため、ピーク周波数差が小さい。そのため、ピーク周波数差の大小によって動脈硬化度を判定できる。また、両方の検出箇所のピーク周波数比を求めてもよい。例えば心音と脈波とを検出した場合、動脈硬化のある人は健康な人に比べて周波数比は1により近くなる。なお、ピーク周波数差またはピーク周波数比を求める場合、心音を用いずに、人体の異なる2箇所の脈波を用いてもよい。さらに、心音のピーク周波数とある部位(例えば手首)での脈波のピーク周波数との差と、心音のピーク周波数と異なる部位(例えば足首)での脈波のピーク周波数との差との比を求めてもよいし、心音のピーク周波数とある部位(例えば手首)での脈波のピーク周波数との差を心音のピーク周波数で割算した値を求めてもよい。このような特性値はその人特有のものである。前記のような特性値を複数の被験者について求め、それら被験者の他の検査データ(例えば血糖値、血圧、総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、肥満の有無、X線検査、眼底検査、心電図検査など)と対照させて統計データを作成することにより、動脈硬化度をより高精度に判定することが可能になる。また、動脈硬化は生活習慣によっても変化が生じると考えられるので、日常生活のモニタリングから経時的なピーク周波数差の変化を測定することにより、生活習慣の見直しに役立てることもできる。
動脈硬化の種類には、粥状動脈硬化、細動脈硬化、中膜硬化などがある。細動脈硬化は喫煙などで末端の細い動脈が継続的に収縮刺激を受けることで、次第に柔軟性がなくなる症状である。粥状動脈硬化は血液中のコレステロールなどが血管壁に沈着することによって、隆起(プラーク)が発生する状態である。本発明の診断方法は、動脈壁に沿って伝播する脈波の伝播特性に着目したものであり、特に細動脈硬化、中膜硬化の診断に有効である。
心音には、心臓の収縮に伴うI音と拡張に伴うII音とが含まれており、脈波にもI音に対応した成分とII音に対応した成分とが含まれている。この明細書では、便宜的に、脈波のI音に対応した成分及びII音に対応した成分も、それぞれI音及びII音と呼ぶことにする。検知手段によってI音及びII音を共に測定できるが、測定部位に依らず音として明瞭に検出できる点でI音を抽出するのがよい。心音及び脈波の中からI音だけを抽出する方法として、例えば検知手段が出力する検出信号に窓関数を掛ける方法を用いてもよい。抽出されたI音に対し、FFT(高速フーリエ変換)などの公知の変換手段を用いて周波数変換を行うことにより、I音の周波数スペクトルを得ることができる。窓関数によってI音だけを抽出することにより、周波数変換の処理時間を短縮でき、他の音が混入しないため、測定の安定性を保つことができる。なお、I音だけを抽出する方法として、窓関数以外に公知の方法を用いてもよい。
本発明の検知手段としては、心音や脈波を検出できるものであれば何でもよいが、心音や脈波を変位情報(例えば変位量又は変位速度)として検出する検知手段を用いるのが望ましい。例えば圧電トランスデューサを使用すれば、心音や脈波を変位速度信号として検出でき、小型かつ安価である。圧電トランスデューサを人体の皮膚表面に接触させるだけで心音や脈波を検出できるので、簡単かつ無傷、無痛で動脈硬化の症状を把握できる。また、従来のような脈波計のように脈圧を測定するのではなく、脈波の振動(変位情報)を直接測定するので、より簡単かつ正確に心音や脈波を測定することができる。心音と脈波(又は脈波と脈波)を検出する検知手段として同じ圧電トランスデューサを使用すれば、各トランスデューサで検出される信号特性のばらつきを小さくでき、ピーク周波数の比較における誤差も小さくできる。
以上のように、本発明の第1実施形態によれば、心音及び脈波の検出信号を周波数変換し、その周波数情報を用いて動脈硬化を診断するため、測定箇所の皮膚の影響を受けにくく、安定した測定結果を得ることができる。また、従来のように測定位置間の距離から到達時間差を測定して脈波伝播速度を計算する必要がなく、心音と人体の少なくとも1箇所の脈波との周波数同士を比較するだけで動脈硬化度を推定できるので、簡単な装置で動脈硬化を診断できる。
本発明の第2実施形態では、人体の少なくとも2箇所において動脈を伝わる脈波から動脈硬化を診断するため、心音を検出できない場合でも、第1実施形態と同様にして動脈硬化を診断することが可能である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る動脈硬化診断方法の一例を示す。この実施例は、心音と人体の2箇所の脈波とを測定することによって、動脈硬化を診断する例である。図1において、患者Hの皮膚に接するように3個の圧電トランスデューサ1〜3が取り付けられている。圧電トランスデューサ1〜3は心音および動脈を伝わる脈波を変位速度として電気信号に変換する一種の音響センサである。トランスデューサ1〜3の接触箇所は、胸部のように心音を検出できる部位と、頸部と手首の動脈を伝わる脈波を検出できる部位とが選択され、各接触箇所は一定位置とするのがよい。なお、測定箇所は前記に限るものではなく、肘、足首、腰部、大腿部、肩などの他の部位で測定してもよいし、測定箇所を3箇所以上としてもよい。圧電トランスデューサ1〜3とは別に、心電計4が胸部に取り付けられている。各圧電トランスデューサ1〜3及び心電計4は配線を介して診断装置5に接続され、診断装置5にはその診断結果を表示する表示装置6が設けられている。表示装置6には、患者の動脈硬化度が数値、記号、グラフなどによって表示される。
図2は圧電トランスデューサ1の一例を示す。他のトランスデューサ2,3もこれと同じ構造である。トランスデューサ1は圧電ユニモルフ構造を有し、有底筒状のケース10の平坦な底部11が振動面として構成され、その底部11内面に圧電素子12が固定されている。底部11の外表面が患者Hの皮膚に接触される。ケース10の開口部は封止材13によって閉じられ、この封止材13を介してリード線14が引き出されている。なお、圧電トランスデューサは図2の構造に限らないことは勿論である。
図3は診断装置5の内部回路構成を示す。圧電トランスデューサ1で検出された検出信号は増幅器50で増幅された後、ブロック51に入力される。ブロック51では入力された検出信号に窓関数を掛け算し、検出信号中のI音のみを抽出する。抽出されたI音は、ブロック52内で例えばFFT(高速フーリエ変換)を用いて周波数信号に変換される。なお、FFT以外に他の変換手段を用いることも可能である。変換された周波数信号は、次にブロック53に送られ、ここで心音のピーク周波数が検出される。同様に、図3において図示しない圧電トランスデューサ2及び3によって前記心音に関連した頸部及び手首における脈波のピーク周波数が検出される。ピーク周波数とは、周波数信号のスペクトル強度(又は振幅)のピーク値を与える周波数のことである。次に、ブロック54で心音と脈波の両ピーク周波数が比較され、被験者の動脈硬化度が得られる。なお、心臓の拍動の電気的な波形を測定する心電計4の出力信号を診断装置5に接続し、心音及び脈波のI音の特定に利用してもよい。
次に、3人の被験者1〜3について、本診断方法を用いて診断した結果について説明する。ここで、被験者1は23歳の男性で、運動をほぼ行わない人である。被験者2は23歳の男性で、テニスを定期的に行っている。被験者3は60歳の男性で、動脈硬化は年相応であり(定期健康診断の結果から)、若干血管にカルシウムが含まれるとのことである。
−被験者1−
図4〜図8は、被験者1(年齢23歳)について、前記診断方法を用いて信号処理を行い、診断した結果を示す。図4は、3つの圧電トランスデューサ1〜3と心電計4で同期検出された検出信号(電圧)であり、心電図と心音と頸部及び手首での脈波とが示されている。このうち、心音には心臓の収縮に伴うI音と拡張に伴うII音とが含まれているが、手首での脈波ではI音だけが検出でき、II音は殆ど検出されない。
図5の(a)〜(c)は、心音における生波形と、窓関数によって抽出されたI音の波形と、抽出されたI音を周波数変換した信号とを示す。心音におけるI音のピーク周波数f1は25Hzである。
図6の(a)〜(c)は、頸部の脈波の生波形と、窓関数によって抽出されたI音の波形と、抽出されたI音を周波数変換した信号とを示す。頸部の脈波におけるI音のピーク周波数f2は4.9Hzである。
図7の(a)〜(c)は、手首の脈波の生波形と、窓関数によって抽出されたI音の波形と、抽出されたI音を周波数変換した信号とを示す。手首の脈波におけるI音のピーク周波数f3は3.4Hzである。
図8は、被験者1における心音と頸部の脈波と手首の脈波の各周波数特性を、それら波形の最大振幅で正規化して1つのグラフに表したものである。図8は被験者1に固有のものであり、被験者1の動脈の硬化度と関係している。被験者1の心音と頸部の脈波とのピーク周波数差は20.1Hzであり、心音と手首の脈波とのピーク周波数差は21.6Hzである。
−被験者2−
図9〜図13は、被験者2(年齢23歳)について診断した結果を示す。図9は、3つの圧電トランスデューサ1〜3と心電計4で同期検出された検出信号であり、心電図と心音と頸部及び手首での脈波とが示されている。
図10の(a)〜(c)は、心音における生波形と、窓関数によって抽出されたI音の波形と、抽出されたI音を周波数変換した信号とを示す。心音におけるI音のピーク周波数f1は31.7Hzである。
図11の(a)〜(c)は、頸部の脈波の生波形と、窓関数によって抽出されたI音の波形と、抽出されたI音を周波数変換した信号とを示す。頸部の脈波におけるI音のピーク周波数f2は4.3Hzである。
図12の(a)〜(c)は、手首の脈波の生波形と、窓関数によって抽出されたI音の波形と、抽出されたI音を周波数変換した信号とを示す。手首の脈波におけるI音のピーク周波数f3は3.4Hzである。
図13は、被験者2における心音と頸部の脈波と手首の脈波の各周波数特性を、それら波形の最大振幅で正規化して1つのグラフに表したものである。被験者2の場合には、心音と頸部の脈波とのピーク周波数差は27.4Hzであり、心音と手首の脈波とのピーク周波数差は28.3Hzである。
−被験者3−
図14〜図18は、被験者3(年齢60歳)について診断した結果を示す。図14は、3つの圧電トランスデューサ1〜3と心電計4で同期検出された検出信号(電圧)であり、心電図と心音と頸部及び手首での脈波とが示されている。
図15の(a)〜(c)は、心音における生波形と、窓関数によって抽出されたI音の波形と、抽出されたI音を周波数変換した信号とを示す。心音におけるI音のピーク周波数f1は21.1Hzである。
図16の(a)〜(c)は、頸部の脈波の生波形と、窓関数によって抽出されたI音の波形と、抽出されたI音を周波数変換した信号とを示す。頸部の脈波におけるI音のピーク周波数f2は7.3Hzである。
図17の(a)〜(c)は、手首の脈波の生波形と、窓関数によって抽出されたI音の波形と、抽出されたI音を周波数変換した信号とを示す。手首の脈波におけるI音のピーク周波数f3は2.4Hzである。
図18は、被験者3における心音と頸部の脈波と手首の脈波の各周波数特性を、それら波形の最大振幅で正規化して1つのグラフに表したものである。被験者3の場合には、心音と頸部の脈波とのピーク周波数差は13.8Hzであり、心音と手首の脈波とのピーク周波数差は18.7Hzである。被験者1,2と比べると明らかなように、いずれの周波数差も小さい。特に、心音と頸部の脈波との周波数差が顕著に小さくなっていることが分かる。
次表は、図8、図13、図18から得られた被験者1,2,3の各ピーク周波数と周波数差とを比較したものである。単位はHzである。
Figure 0005090465
表1から明らかなように、高齢の被験者3は若年の被験者1,2に比べてピーク周波数差が小さいことがわかる。つまり、動脈硬化が殆どないと考えられる被験者1,2の場合、動脈壁が粘弾性に富んでいるので、ピーク周波数差が大きいのに対し、動脈硬化が進んでいると考えられる被験者3の場合、ピーク周波数差は相対的に小さくなる。このようにピーク周波数差の程度によって動脈硬化度を推定できる。
また、被験者3の場合、心音と手首の脈波とのピーク周波数差に比べて、心音と頸部の脈波とのピーク周波数差の方が大幅に小さい。換言すると、頸部と手首とのピーク周波数差が、被験者1,2に比べてかなり大きい。これは心臓と頸部の頸動脈との間を繋ぐ動脈に、硬化などの何らかの原因がある可能性がある。このように、心音と脈波とのピーク周波数差だけでなく、人体の少なくとも2箇所における脈波同士のピーク周波数差も、動脈硬化などの診断に利用することができる。
前記説明では、心音と脈波のピーク周波数差、または脈波同士のピーク周波数差に基づいて動脈硬化度を判定する例について説明したが、脈波と心音とのピーク周波数比に基づいて動脈硬化度を判定してもよい。ピーク周波数比R1は次のように求めることができる。ここで、f1は心音のピーク周波数、f2は脈波のピーク周波数である。
R1=f2/f1
一般にピーク周波数比R1は1より小さい値を取るが、動脈硬化が進んだ人ほど1に近くなる。
さらに、心音と異なる2箇所(例えば手首と足首)の脈波のピーク周波数比を求めることで、被験者の全体の動脈硬化度を推定してもよい。この場合は、心音(I音)のピーク周波数をf1、手首での脈波のピーク周波数をf2、足首での脈波のピーク周波数をf3とすると、次式のようにピーク周波数比R2を求めてもよい。
R2=(f1−f3)/(f1−f2)
このピーク周波数比R2は、心臓から足首までの区間と心臓から手首までの区間での周波数差に関係するので、ピーク周波数比R2を評価することにより、体全体の動脈硬化の進行度を推定できる。
検知手段を人体に接触させる方法としては、人が日常身につける衣服や時計、指輪、アクセサリーなどに組み込むことも可能であるし、椅子、ソファー、毛布、靴など測定時に接触を得られる方法であれば、その手段を問わない。このような方法をとることで、被験者が測定時に意識せずにデータの取得を行うことが可能になり、家庭内計測器として常時測定データを蓄積することができる。
本発明に係る動脈硬化診断装置の一例のシステム図である。 圧電トランスデューサの一例の概略断面図である。 本発明に係る診断装置の内部回路図である。 被験者1における心電図、心音、頸部及び手首での脈波のそれぞれの波形を示す図である。 被験者1の心音における生波形(a)、窓関数によって抽出されたI音の波形(b)、及び抽出されたI音を周波数変換した信号波形(c)とを示す図である。 被験者1の頸部での脈波における生波形(a)、窓関数によって抽出されたI音の波形(b)、及び抽出されたI音を周波数変換した信号波形(c)とを示す図である。 被験者1の手首での脈波における生波形(a)、窓関数によって抽出されたI音の波形(b)、及び抽出されたI音を周波数変換した信号波形(c)とを示す図である。 被験者1の心音と頸部及び手首での脈波の各周波数特性を示す図である。 被験者2における心電図、心音、頸部及び手首での脈波のそれぞれの波形を示す図である。 被験者2の心音における生波形(a)、窓関数によって抽出されたI音の波形(b)、及び抽出されたI音を周波数変換した信号波形(c)とを示す図である。 被験者2の頸部での脈波における生波形(a)、窓関数によって抽出されたI音の波形(b)、及び抽出されたI音を周波数変換した信号波形(c)とを示す図である。 被験者2の手首での脈波における生波形(a)、窓関数によって抽出されたI音の波形(b)、及び抽出されたI音を周波数変換した信号波形(c)とを示す図である。 被験者2の心音と頸部及び手首での脈波の各周波数特性を示す図である。 被験者3における心電図、心音、頸部及び手首での脈波のそれぞれの波形を示す図である。 被験者3の心音における生波形(a)、窓関数によって抽出されたI音の波形(b)、及び抽出されたI音を周波数変換した信号波形(c)とを示す図である。 被験者3の頸部での脈波における生波形(a)、窓関数によって抽出されたI音の波形(b)、及び抽出されたI音を周波数変換した信号波形(c)とを示す図である。 被験者3の手首での脈波における生波形(a)、窓関数によって抽出されたI音の波形(b)、及び抽出されたI音を周波数変換した信号波形(c)とを示す図である。 被験者3の心音と頸部及び手首での脈波の各周波数特性を示す図である。
符号の説明
1〜3 圧電トランスデューサ
4 心電計
5 診断装置
6 表示装置
51 窓関数ブロック
52 FFTブロック
53 ピーク周波数検出ブロック
54 比較・診断ブロック

Claims (7)

  1. 心音を検出する第1の検知手段と、
    生体の少なくとも1箇所において動脈を伝わる前記心音に関連した脈波を検出する第2の検知手段と、
    前記第1と第2の検知手段で検出された検出信号をそれぞれ周波数信号に変換する手段と、
    前記心音の周波数信号と前記脈波の周波数信号とを比較し、動脈硬化度を判定する手段と、を備えた動脈硬化診断装置。
  2. 前記検知手段で検出された検出信号から、窓関数を用いて心臓の収縮に伴うI音のみを抽出する手段をさらに備えた請求項1に記載の動脈硬化診断装置。
  3. 前記動脈硬化度を判定する手段は、
    前記両周波数信号の中のピーク周波数又は中心周波数を特定する手段と、
    前記両周波数信号のピーク周波数又は中心周波数を相互に比較することにより、動脈硬化度を判定する手段と、を有する請求項1又は2に記載の動脈硬化診断装置。
  4. 前記動脈硬化度を判定する手段は、
    前記一方の周波数信号のピーク周波数又は中心周波数と、他方の周波数信号のピーク周波数又は中心周波数との差に基づいて、動脈硬化度を判定することを特徴とする請求項に記載の動脈硬化診断装置。
  5. 前記動脈硬化度を判定する手段は、
    前記一方の周波数信号のピーク周波数又は中心周波数と、他方の周波数信号のピーク周波数又は中心周波数との比に基づいて、動脈硬化度を判定することを特徴とする請求項に記載の動脈硬化診断装置。
  6. 前記動脈硬化度を判定する手段は、
    心音のピーク周波数又は中心周波数と生体のある1箇所の脈波のピーク周波数又は中心周波数との差と、心音のピーク周波数又は中心周波数と前記脈波を検出した箇所とは異なる箇所での脈波のピーク周波数又は中心周波数との差との比に基づいて、動脈硬化度を判定することを特徴とする請求項に記載の動脈硬化診断装置。
  7. 前記第1及び第2の検知手段は共に圧電トランスデューサであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の動脈硬化診断装置。
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