以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の表示装置の一実施形態を示すブロック図である。また、図2は、図1の表示装置を適用したマルチディスプレイシステムを示す図である。
図2のマルチディスプレイシステム1は、図1の表示装置2(図2では符号2a〜2pを付している)を縦横に4台ずつ配列し、合計16台の表示装置2a〜2pを用いて構成される。
このマルチディスプレイシステム1においては、縦横4台ずつ合計16台の表示装置2からなる大マルチディスプレイ画面3L、縦横3台ずつ合計9台の表示装置2からなる中マルチディスプレイ画面3M、及び縦横2台ずつ合計4台の表示装置2からなる小マルチディスプレイ画面3Sを切り換えて構成することができ、更に全ての表示装置2をそれぞれ単独で用いることも可能である。いずれのマルチディスプレイ画面を用いても、そのマルチディスプレイ画面の大きさに応じた拡大映像を表示することができる。例えば、図3(a)に示すように単独の表示装置2に映像Gが表示されているときに、図3(b)に示すように縦横2台ずつ合計4台の表示装置2からなる小マルチディスプレイ画面3Sを構成した場合は、縦横共に2倍の拡大映像GSが小マルチディスプレイ画面3Sに表示される。同様に、中マルチディスプレイ画面3Mを構成した場合は、縦横共に3倍の拡大映像が中マルチディスプレイ画面3Mに表示され、また大マルチディスプレイ画面3Lを構成した場合は、縦横共に4倍の拡大映像が大マルチディスプレイ画面3Lに表示される。
図1に示すように表示装置2は、複数の映像入力端子11-1〜11-Nを備えており、それぞれの映像信号を各映像入力端子11-1〜11-Nに加えられ、映像信号をいずれかの映像入力端子を通じて表示メモリ12に入力して記憶する。また、複数の映像出力端子13-1〜13-Nを備えており、映像信号を映像入力端子を通じて入力すると同時に、この映像信号を各映像出力端子13-1〜13-Nのいずれかを通じて出力することができる。
中央演算部14は、マイクロプロセッサ、プログラミングが可能なLSI(FPGA(Field Programmable Gate Array))、特定用途の集積回路(ASIC(Application Specific Integrated Circuit))等であり、表示装置2全体を制御する。
例えば、中央演算部14は、表示メモリ12に対する映像信号の書き込み読み出しを制御しており、映像信号を映像入力端子から表示メモリ12へと入力させたり、映像信号を表示メモリ12から表示処理部15へと出力させる。
表示処理部15は、映像信号を入力すると、この映像信号に対する各種の処理を施してから、この映像信号を表示部16に出力する。映像信号に対する各種の処理としては、映像信号を表示部16に適した方式のものに変換する処理がある。また、マルチディスプレイ画面が用いられるときには、マルチディスプレイ画面における表示装置2の位置に応じて、表示部16の画面に表示される映像を示す映像信号を表示メモリ12内の全映像信号から切り出して抽出し、この抽出した映像信号に対してマルチディスプレイ画面の大きさに応じた拡大処理を施す。そして、この抽出し拡大した映像信号を表示部16に出力する。これにより、表示部16の画面には切り出され拡大された画像が表示される。
表示部16は、液晶表示パネル、CRT、プラズマ表示パネル等である。映像信号の入力方式についてはLVDS、TTL等のいずれでも構わない。この表示部16は、表示処理部15からの映像信号を入力し、この映像信号によって示される映像を画面に表示する。
また、中央演算部14は、輝度制御部17を通じて、表示部16の画面の輝度を制御する。例えば、表示部16が液晶表示パネルであるならば、中央演算部14は、輝度制御部17を通じて、液晶表示パネルのバックライトを駆動制御して、表示部16の画面の輝度を制御する。
センサ18は、表示部16の画面近傍に設けられ、画面周辺の明るさ(照度)を検出し、この検出した照度を中央演算部14に出力する。
リモコン受光部21は、外部のリモコン(図示せず)から出射された赤外線のリモコン信号を受信して、この赤外線のリモコン信号を光電変換し、電気のリモコン信号を出力する。このリモコン信号は、リモコン操作処理部22を通じて中央演算部14に入力される。中央演算部14は、このリモコン信号に応答動作する。
シリアルインターフェース23は、外部からの制御信号を入力し、この制御信号をシリアル通信処理部24を通じて中央演算部14に出力する。中央演算部14は、この制御信号を処理し、必要に応じて応答動作する。
また、中央演算部14は、制御信号をシリアル通信部25及びシリアルインターフェース26を通じて外部に出力する。
内部記憶部27は、RAM等であり、中央演算部14のワークエリアとして用いられたり、マルチディスプレイテーブル27A、表示位置代表テーブル27B、及び照度輝度テーブル27Cを記憶している。中央演算部14は、これらのテーブル27A、27B、27Cを参照し、これらのテーブル27A、27B、27Cの記憶内容に応じてマルチディスク画面を構成するための表示制御を行ったり、表示部16の画面の輝度を制御する。
外部記憶部28は、例えばHDDであり、プログラムや各種のデータ等を記憶する。中央演算部14は、必要なプログラムを外部記憶部28から読み出して実行し、マルチディスプレイ画面を構成したり、画面の輝度制御を行う。
図4は、マルチディスプレイテーブル27Aの記憶内容を示している。図4に示すようにマルチディスプレイテーブル27Aには、自動輝度調整フラグAutoBright、拡大モードEnl、表示位置Pos、代表フラグRepFlg、照度値Sensor、輝度値Bright、及び前回輝度値PreBrightが記憶されている。
自動輝度調整フラグAutoBrightは、表示部16の画面の輝度の自動調節を行うか否かを示すものであり、「0」又は「1」に設定される。「0」は輝度の自動調節を行わないことを示し、また「1」は輝度の自動調節を行うことを示す。
拡大モードEnlは、先に述べたような単独の表示装置2の画面、小マルチディスプレイ画面3S、中マルチディスプレイ画面3M、大マルチディスプレイ画面3Lのいずれかを示す指標であり、「0」〜「3」のいずれかに設定される。「0」は図3(a)に示すような単独の表示装置2の画面による表示を示し、また「1」は図3(b)に示すような小マルチディスプレイ画面3Sによる表示を示し、「2」は中マルチディスプレイ画面3Mによる表示を示し、「3」は大マルチディスプレイ画面3Lによる表示を示す。
表示位置Posは、表示装置2の位置を示す指標であり、拡大モードEnlの値に応じて、すなわち単独の表示装置2の画面、小マルチディスプレイ画面3S、中マルチディスプレイ画面3M、大マルチディスプレイ画面3Lのいずれによる表示が行われているかに応じて、「0」、「0」〜「3」、「0」〜「8」、及び「0」〜「15」の範囲で設定される。拡大モードEnlが「0」であって、図3(a)に示すような単独の表示装置2の画面による表示が行われているときには、図5(a)に示すように表示位置Posがデフォルトの「0」に設定される。また、拡大モードEnlが「1」であって、図3(b)に示すような小マルチディスプレイ画面3Sによる表示が行われているときには、図5(b)に示すように4台の表示装置2が用いられることから、4つの表示位置Posがあり、表示位置Posが「0」〜「3」の範囲で設定される。更に、拡大モードEnlが「2」であって、中マルチディスプレイ画面3Mによる表示が行われているときには、図5(c)に示すように9台の表示装置2が用いられることから、9つの表示位置Posがあり、表示位置Posが「0」〜「8」の範囲で設定される。また、拡大モードEnlが「3」であって、大マルチディスプレイ画面3Lによる表示が行われているときには、図5(d)に示すように16台の表示装置2が用いられることから、16の表示位置Posがあり、表示位置Posが「0」〜「15」の範囲で設定される。
尚、小マルチディスプレイ画面3Sの場合は、該画面3Sから外れる各表示装置2c、2d、2g〜2pの表示位置Posが設定されず、また中マルチディスプレイ画面3Mの場合は、該画面3Mから外れる各表示装置2d、2h、2l〜2pの表示位置Posが設定されていない。
代表フラグRepFlgは、マルチディスプレイ画面による表示が行われているときに、自己の表示装置2がマルチディスプレイ画面を構成する各表示装置2の代表として選択されているか否かを示すものであり、「0」又は「1」に設定される。「0」は自己の表示装置2が代表でないことを示し、また「1」は自己の表示装置2が代表であることを示す。
照度値Sensorは、自己の表示装置2のセンサ18により検出された画面周辺の照度を示す。
輝度値Brightは、中央演算部14並びに輝度制御部17により調節設定された表示部16の画面の輝度を示している。また、前回輝度値PreBrightは、中央演算部14並びに輝度制御部17により前回に調節設定された表示部16の画面の輝度を示している。表示部16の画面の輝度は、周期的に更新されており、輝度値Brightが今回の画面の輝度を示し、前回輝度値PreBrightが前回の画面の輝度を示す。
図6は、内部記憶部27内の表示位置代表テーブル27Bの記憶内容を示している。図6に示すように表示位置代表テーブル27Bには、拡大モードEnl、表示位置Pos、及び代表位置Dposが記憶されている。
表示位置代表テーブル27Bにおいては、拡大モードEnlとして、単独の表示装置2の画面、小マルチディスプレイ画面3S、中マルチディスプレイ画面3M、大マルチディスプレイ画面3Lを示す「0」〜「3」が記憶されている。
表示位置Posは、拡大モードEnlの値に応じて設定されたものであり、図2のマルチディスプレイシステム1の各表示装置2a〜2p毎に設定されている。拡大モードEnl「0」、つまり単独の表示装置2の画面の場合は、表示位置Posの値が設定されていない。また、拡大モードEnl「1」、つまり小マルチディスプレイ画面3Sの場合は、各表示装置2a、2b、2e、2fの表示位置Posが図5(b)の該各表示装置の画面中に記入されている値に設定されている。更に、拡大モードEnl「2」、つまり中マルチディスプレイ画面3Mの場合は、各表示装置2a、2b、2c、2e、2f、2g、2i、2j、2kの表示位置Posが図5(c)の該各表示装置の画面中に記入されている値に設定されている。また、拡大モードEnl「3」、つまり大マルチディスプレイ画面3Lの場合は、各表示装置2a〜2pの表示位置Posが図5(d)の該各表示装置2a〜2pの画面中に記入されている値に設定されている。
代表位置Dposは、拡大モードEnlの値に応じて設定されたものであるが、各表示装置2a〜2pに共通設定されている。拡大モードEnl「0」で、単独の表示装置2の画面の場合は、代表位置Dposが設定されていない。また、拡大モードEnl「1」で、小マルチディスプレイ画面3Sの場合は、代表位置Dposが図5(b)の左上の表示装置2aの位置を示す「0」に設定されている。更に、拡大モードEnl「2」で、中マルチディスプレイ画面3Mの場合は、代表位置Dposが図5(c)の中央の表示装置2fの位置を示す「4」に設定されている。また、拡大モードEnl「3」で、大マルチディスプレイ画面3Lの場合は、代表位置Dposが図5(d)の中央付近の表示装置2fの位置を示す「4」に設定されている。
図7は、内部記憶部27内の照度輝度テーブル27Cの記憶内容を示している。図7に示すように照度輝度テーブル27Cにおいては、表示部16の画面周辺の照度が6つの範囲「0」〜「20」、「21」〜「40」、「41」〜「60」、「61」〜「80」、「81」〜「100」、「100」〜に段階的に区分され、それぞれの照度範囲に対応する6段階の輝度値「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」が設定されている。
ここで、マルチディスプレイテーブル27Aにおける自動輝度調整フラグAutoBrightの値は、外部から指示されて書き込まれたものである。例えば、外部のリモコン(図示せず)からリモコン受光部21へと自動輝度調整フラグAutoBrightの値を示すリモコン信号が送受され、自動輝度調整フラグAutoBrightの値がリモコン操作処理部22を通じて中央演算部14に入力され、中央演算部14により自動輝度調整フラグAutoBrightの値がマルチディスプレイテーブル27Aに書き込まれる。従って、図2のマルチディスプレイシステム1の各表示装置2a〜2pのいずれにおいても、自動輝度調整フラグAutoBrightの値が同一の値に設定される。
また、マルチディスプレイテーブル27Aにおける拡大モードEnlの値も、外部から指示されて、中央演算部14によりマルチディスプレイテーブル27Aに書き込まれたものである。マルチディスプレイシステム1の各表示装置2a〜2pのいずれにおいても、拡大モードEnlの値が同一の値に設定される。
更に、マルチディスプレイテーブル27Aにおける表示位置Posの値は、「0」がデフォルト値であり、拡大モードEnlの値が「1」〜「3」のいずれかに設定されたときに、表示位置代表テーブル27Bから拡大モードEnlの値に対応する表示位置Posの値が読み出され、この読み出された値に設定される。先に述べたように表示位置代表テーブル27Bにおける表示位置Posの値は、マルチディスプレイ画面を構成する各表示装置毎に設定されるので、マルチディスプレイテーブル27Aにおける表示位置Posの値も、該各表示装置毎に設定されることになる。尚、拡大モードEnlの値が「1」〜「3」から「0」に更新されると、マルチディスプレイテーブル27Aにおける表示位置Posの値がデフォルト値の「0」に戻される。
また、マルチディスプレイテーブル27Aにおける代表フラグRepFlgの値は、「0」がデフォルト値であり、拡大モードEnlの値として「1」〜「3」のいずれかが書き込まれたときに、表示位置代表テーブル27Bから拡大モードEnlの値に対応する代表位置Dposの値が読み出され、読み出された代表位置Dpos値が表示位置Posに一致したときに「1」に設定され、また読み出された代表位置Dpos値が表示位置Posに一致しないときに「0」に設定される。具体的には、拡大モードEnl「1」が書き込まれたときには(小マルチディスプレイ画面3Sのときには)、表示位置代表テーブル27Bから拡大モードEnl「1」に対応する代表位置Dpos「0」が読み出され、代表位置Dpos「0」が図5(b)の左上の表示装置2aの表示位置Pos「0」に一致することから、表示装置2aの代表フラグRepFlgが「1」に設定され、他の各表示装置の代表フラグRepFlgが「0」に設定される。また、拡大モードEnl「2」が書き込まれたときには(中マルチディスプレイ画面3Mのときには)、表示位置代表テーブル27Bから拡大モードEnl「2」に対応する代表位置Dpos「4」が読み出され、代表位置Dpos「4」が図5(c)の中央の表示装置2fの表示位置Pos「4」に一致することから、表示装置2fの代表フラグRepFlgが「1」に設定され、他の各表示装置の代表フラグRepFlgが「0」に設定される。更に、拡大モードEnl「3」が書き込まれたときには(大マルチディスプレイ画面3Lのときには)、表示位置代表テーブル27Bから拡大モードEnl「3」に対応する代表位置Dpos「4」が読み出され、代表位置Dpos「4」が図5(d)の中央付近の表示装置2fの表示位置Pos「4」に一致することから、表示装置2fの代表フラグRepFlgが「1」に設定され、他の各表示装置の代表フラグRepFlgが「0」に設定される。尚、拡大モードEnlの値が「1」〜「3」から「0」に更新されると、マルチディスプレイテーブル27Aにおける代表フラグRepFlgの値がデフォルト値の「0」に戻される。
更に、マルチディスプレイテーブル27Aにおける照度値Sensorは、センサ18により検出された表示部16の画面周辺の照度の値が書き込まれたものである。具体的には、周期的に、センサ18により照度が検出されて、この検出された照度の値が中央演算部14に入力され、中央演算部14により照度の値がマルチディスプレイテーブル27Aに書き込まれる。
また、マルチディスプレイテーブル27Aにおける輝度値Brightは、照度値Sensorが書き込まれたときに、照度輝度テーブル27Cから照度値Sensorに対応する輝度値が読み出され、この輝度値が書き込まれるか、又は他の表示装置2から受信した輝度値が書き込まれたものである。更に、前回輝度値PreBrightは、輝度値Brightが書き込まれて更新された後で、この輝度値Brightが書き込まれたものである。
次に、図2のマルチディスプレイシステム1においては、各表示装置2a〜2pがシリアル接続され、映像信号については最前段の表示装置2aから最後段の表示装置2pへと下流方向に順次伝達される。詳しくは、前段の表示装置2の各映像出力端子13-1〜13-Nが後段の表示装置2の各映像入力端子11-1〜11-Nに接続され、映像信号が前段の表示装置2から後段の表示装置2へと伝達されて行く。従って、最前段の表示装置2aから出力された映像信号は、各表示装置2b〜2pに順次伝達され、全ての表示装置2a〜2pの表示メモリ12に記憶されることになる。
また、制御信号は、前段の表示装置2と後段の表示装置2間で送受され、最前段の表示装置2aから最後段の表示装置2pへの下流方向に送受されたり、また最後段の表示装置2pから最前段の表示装置2aへの上流方向に送受される。詳しくは、前段の表示装置2のシリアルインターフェース26が後段のシリアルインターフェース23に接続され、制御信号が前段の表示装置2と後段の表示装置2間で送受される。
ここで、図3(a)に示すように単独の表示装置2の画面を用いるときには、各表示装置2の内部記憶部27のマルチディスプレイテーブル27Aにおいて、拡大モードEnlが「0」に設定される。
この場合は、各表示装置2のいずれにおいても、拡大モードEnlが「0」に設定されていることから、中央演算部14は、拡大モードEnl「0」を表示処理部15に指示する。表示処理部15は、拡大モードEnl「0」を指示されたことから、表示メモリ12内の全映像信号を入力し、この全映像信号を表示部16に出力する。表示部16は、この全映像信号によって示される映像全体を画面に表示する。先に述べたように映像信号が最前段の表示装置2aから最後段の表示装置2pへと順次伝達されて全ての表示装置の表示メモリ12に記憶されるので、各表示装置2の画面には同一の映像が表示されることになる。
また、図3(b)に示すように合計4台の表示装置2からなる小マルチディスプレイ画面3Sを用いるときには、4台の各表示装置2a、2b、2e、2fのマルチディスプレイテーブル27Aにおいて、拡大モードEnlが「1」に設定される。また、表示装置2aのマルチディスプレイテーブル27Aにおいて表示位置Posが「0」に設定され、表示装置2bのマルチディスプレイテーブル27Aにおいて表示位置Posが「1」に設定され、表示装置2eのマルチディスプレイテーブル27Aにおいて表示位置Posが「2」に設定され、表示装置2fのマルチディスプレイテーブル27Aにおいて表示位置Posが「3」に設定される。
表示装置2aにおいては、拡大モードEnlが「1」に設定され、表示位置Posが「0」に設定されていることから、中央演算部14は、拡大モードEnl「1」かつ表示位置Pos「0」を表示処理部15に指示する。表示処理部15は、拡大モードEnl「1」かつ表示位置Pos「0」を指示されたことから、図5(b)の小マルチディスプレイ画面3Sにおける左右上下領域のうちの左上領域を表示装置2aの位置であると判定し、この左上領域に表示される1/4の映像を示す映像信号を表示メモリ12内の全映像信号から切り出して抽出し、この抽出した映像信号に対して縦横共に2倍の拡大処理を施し、この抽出し拡大処理した映像信号を表示部16に出力する。これにより、表示部16の画面には、全映像における左上の1/4の映像だけが縦横共に2倍に拡大表示される。
表示装置2bにおいては、拡大モードEnlが「1」に設定され、表示位置Posが「1」に設定されていることから、中央演算部14は、拡大モードEnl「1」かつ表示位置Pos「1」を表示処理部15に指示する。表示処理部15は、拡大モードEnl「1」かつ表示位置Pos「1」を指示されたことから、図5(b)の小マルチディスプレイ画面3Sにおける左右上下領域のうちの右上領域を表示装置2bの位置であると判定し、この右上領域に表示される1/4の映像を示す映像信号を表示メモリ12内の全映像信号から切り出して抽出し、この抽出した映像信号に対して縦横共に2倍の拡大処理を施し、この抽出し拡大処理した映像信号を表示部16に出力する。これにより、表示部16の画面には、全映像における右上の1/4の映像だけが縦横共に2倍に拡大表示される。
表示装置2eにおいては、拡大モードEnlが「1」に設定され、表示位置Posが「2」に設定されていることから、図5(b)の小マルチディスプレイ画面3Sにおける左右上下領域のうちの左下領域を表示装置2eの位置であると判定し、この左下領域に表示される1/4の映像を示す映像信号を表示メモリ12内の全映像信号から切り出して抽出し、この抽出した映像信号に対して縦横共に2倍の拡大処理を施し、この抽出し拡大処理した映像信号を表示部16に出力し、表示部16の画面に右下の1/4の映像だけを縦横共に2倍に拡大表示する。
表示装置2fにおいては、拡大モードEnlが「1」に設定され、表示位置Posが「3」に設定されていることから、図5(b)の小マルチディスプレイ画面3Sにおける左右上下領域のうちの右下領域を表示装置2fの位置であると判定し、この左下領域に表示される1/4の映像を示す映像信号を表示メモリ12内の全映像信号から切り出して抽出し、この抽出した映像信号に対して縦横共に2倍の拡大処理を施し、表示部16の画面に左下の1/4の映像だけを縦横共に2倍に拡大表示する。
この結果、図5(b)の小マルチディスプレイ画面3Sには、縦横共に2倍に拡大された全映像が表示される。ただし、小マルチディスプレイ画面3Sの場合は、該画面3Sから外れる各表示装置2c、2d、2g〜2pの表示位置Posがマルチディスプレイテーブル27Aに設定されておらず、これらの表示装置2c、2d、2g〜2pでは表示が行われない。
また、図5(c)に示すように合計9台の表示装置2からなる中マルチディスプレイ画面3Mを用いるときには、9台の各表示装置2a、2b、2c、2e、2f、2g、2i、2j、2kのマルチディスプレイテーブル27Aにおいて、拡大モードEnlが「2」に設定される。また、この9台の表示装置2のマルチディスプレイテーブル27Aにおいて、それぞれの表示位置Posが「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」に設定される。
表示装置2aにおいては、拡大モードEnlが「2」に設定され、表示位置Posが「0」に設定されていることから、図5(c)の中マルチディスプレイ画面3Mにおける9つの領域のうちの左上領域を表示装置2aの位置であると判定し、この左上領域に表示される1/9の映像を示す映像信号を表示メモリ12内の全映像信号から切り出して抽出し、この抽出した映像信号に対して縦横共に3倍の拡大処理を施し、表示部16の画面に左上の1/9の映像だけを縦横共に3倍に拡大表示する。
同様に、他の表示装置2b、2c、2e、2f、2g、2i、2j、2kにおいても、拡大モードEnlが「2」に設定され、それぞれの表示位置Posが「1」〜「8」に設定されていることから、図5(c)の中マルチディスプレイ画面3Mにおける9つの領域のうちの1つを該当位置であると判定し、この判定した領域に表示される1/9の映像を示す映像信号を表示メモリ12内の全映像信号から切り出して抽出し、この抽出した映像信号に対して縦横共に3倍の拡大処理を施し、表示部16の画面に1/9の映像を縦横共に3倍に拡大表示する。
この結果、図5(c)の中マルチディスプレイ画面3Mには、縦横共に3倍に拡大された全映像が表示される。ただし、中マルチディスプレイ画面3Mの場合は、該画面3Mから外れる各表示装置2d、2h、2l〜2pの表示位置Posがマルチディスプレイテーブル27Aに設定されておらず、これらの表示装置2d、2h、2l〜2pでは表示が行われない。
また、図5(d)に示すように合計16台の表示装置2からなる大マルチディスプレイ画面3Lを用いるときには、16台の各表示装置2a〜2pのマルチディスプレイテーブル27Aにおいて、拡大モードEnlが「3」に設定される。また、この16台の表示装置2のマルチディスプレイテーブル27Aにおいて、それぞれの表示位置Posが「0」〜「15」に設定される。
表示装置2aにおいては、拡大モードEnlが「3」に設定され、表示位置Posが「0」に設定されていることから、図5(d)の大マルチディスプレイ画面3Lにおける16つの領域のうちの左上領域を表示装置2aの位置であると判定し、この左上領域に表示される1/16の映像を示す映像信号を表示メモリ12内の全映像信号から切り出して抽出し、この抽出した映像信号に対して縦横共に4倍の拡大処理を施し、表示部16の画面に左上の1/16の映像だけを縦横共に4倍に拡大表示する。
同様に、他の表示装置2b〜2pにおいても、拡大モードEnlが「3」に設定され、それぞれの表示位置Posが「1」〜「15」に設定されていることから、図5(d)の大マルチディスプレイ画面3Lにおける16の領域のうちの1つを該当位置であると判定し、この判定した領域に表示される1/16の映像を示す映像信号を表示メモリ12内の全映像信号から切り出して抽出し、この抽出した映像信号に対して縦横共に4倍の拡大処理を施し、表示部16の画面に1/16の映像を縦横共に4倍に拡大表示する。
この結果、図5(d)の大マルチディスプレイ画面3Lには、縦横共に4倍に拡大された全映像が表示される。
ところで、単独の表示装置2の画面を用いているときには、表示装置2別に、画面周辺の照度を検出し、この照度に応じて画面の輝度を調節すれば良いが、マルチディスプレイ画面を用いているときに、そのような表示装置2別の輝度調節を行ったならば、表示装置2毎に、画面周辺の照度が異なることから、画面の輝度も異なることになり、マルチディスプレイ画面に輝度ムラが生じる。
そこで、本実施形態では、マルチディスプレイ画面を用いるときには、マルチディスプレイ画面を構成する複数の表示装置2の画面の輝度を調節しつつ均一化して、マルチディスプレイ画面の輝度のバラツキが生じないようにしている。
具体的には、マルチディスプレイ画面を構成する各表示装置2のうちのいずれかを代表として設定し、この代表の表示装置2のセンサ18により検出された照度、つまり代表の表示装置2の画面周辺の照度を求め、この照度に対応する輝度を求め、この求めた輝度に各表示装置2の画面の輝度を調節して、各表示装置2の画面の輝度を均一化している。また、このような輝度の調節を周期的に行って、この代表の表示装置2の画面周辺の照度変化に応じて輝度を変更し、マルチディスプレイ画面の輝度をその環境の明るさに合わせて、暗くても明るくてもマルチディスプレイ画面が見づらくならないようにしている。
次に、そのようなマルチディスプレイ画面の輝度を調節設定するための手順を説明する。
図8は、マルチディスプレイ画面の輝度を調節するための処理手順を示すフローチャートである。尚、図8のフローチャートの処理は、図2のマルチディスプレイシステム1における合計16台の表示装置2a〜2pのいずれによっても並行して行われる。
まず、表示装置2において、中央演算部14は、内部記憶部27のマルチディスプレイテーブル27Aを参照し、拡大モードEnlが「0」に設定されているか否かを判定する(ステップS101)。
例えば、拡大モードEnlが「0」に設定されているならば(ステップS101で「No」)、中央演算部14は、先に述べたように拡大モードEnl「0」を表示処理部15に指示し、表示メモリ12内の全映像信号を表示処理部15から表示部16へと出力させ、全映像信号によって示される映像全体を表示部16の画面に表示する(ステップS102)。
このとき、各表示装置2のいずれにおいても、マルチディスプレイテーブル27Aにおける拡大モードEnlの値が「0」であるため、それらの画面には同一の映像が表示される。
そして、中央演算部14は、マルチディスプレイテーブル27Aを参照して、自動輝度調整フラグAutoBrightが「0」及び「1」のいずれに設定されているかを判定する(ステップS103)。例えば、自動輝度調整フラグAutoBrightが「0」に設定されているならば(ステップS103で「No」)、表示部16の画面の輝度を調節せずに、図8の処理を終了する。
また、自動輝度調整フラグAutoBrightが「1」に設定されているならば(ステップS103で「Yes」)、中央演算部14は、センサ18により検出された表示部16の画面周辺の照度の値を求め、この照度の値をマルチディスプレイテーブル27Aにおける照度値Sensorとして書込み、照度輝度テーブル27Cから照度値Sensorに対応する輝度値を読み出して、この輝度値をマルチディスプレイテーブル27Aにおける輝度値Brightとして書込む。同時に、中央演算部14は、輝度値Brightを輝度制御部17に指示する。輝度制御部17は、表示部16の輝度を制御し、この指示された輝度値Brightに表示部16の輝度を調節する(ステップS104)。
各表示装置2のいずれにおいても、マルチディスプレイテーブル27Aにおける自動輝度調整フラグAutoBrightの値が同一のため、それらの画面の輝度が調節されないか、あるいは表示装置2別に画面の輝度が調節されることになる。
従って、拡大モードEnlの値が「0」に設定されている場合は、表示装置2別に、同一の全体映像が画面に表示される。また、自動輝度調整フラグAutoBrightの値に応じて、各表示装置2の画面の輝度が調節されないか、あるいは表示装置2別に画面の輝度が調節される。
また、拡大モードEnlが「0」ではなく「1」〜「3」のいずれかに設定されているならば(ステップS101で「Yes」)、中央演算部14は、マルチディスプレイテーブル27Aを参照して、表示位置Posの値を読み出し、先に述べたように拡大モードEnlの値及び表示位置Posの値に応じて、表示メモリ12内の全映像信号から映像信号を切り出して抽出し、この抽出した映像信号に対して拡大処理を施し、この抽出し拡大した映像信号を表示部16に出力し、表示部16の画面に抽出し拡大した映像を表示させる(ステップS105)。
このとき、拡大モードEnlの値が「1」であれば、図5(b)に示すような4台の各表示装置2a、2b、2e、2fからなる小マルチディスプレイ画面3Sが構成され、この画面3Sに縦横共に2倍に拡大された全映像が表示される。また、拡大モードEnlの値が「2」であれば、図5(c)に示すような9台の各表示装置2a、2b、2c、2e、2f、2g、2i、2j、2kからなる中マルチディスプレイ画面3Mが構成され、この画面3Mに縦横共に3倍に拡大された全映像が表示される。更に、拡大モードEnlの値が「3」であれば、図5(d)に示すような16台の各表示装置2a〜2pからなる大マルチディスプレイ画面3Lが構成され、この画面3Lに縦横共に4倍に拡大された全映像が表示される。
引き続いて、中央演算部14は、マルチディスプレイテーブル27Aを参照して、自動輝度調整フラグAutoBrightが「0」及び「1」のいずれに設定されているかを判定する(ステップS106)。そして、自動輝度調整フラグAutoBrightが「0」に設定されているならば(ステップS106で「No」)、表示部16の画面の輝度を調節せずに、図8の処理を終了する。各表示装置2のいずれにおいても、自動輝度調整フラグAutoBrightの値が同一のため、マルチディスプレイ画面の輝度が調節されないことになる。
また、自動輝度調整フラグAutoBrightが「1」に設定されているならば(ステップS106で「Yes」)、中央演算部14は、マルチディスプレイテーブル27Aを参照して、代表フラグRepFlgが「0」及び「1」のいずれに設定されているか、すなわち自己の表示装置2がマルチディスプレイ画面を構成する各表示装置2の代表として選択されているか否かを判定する(ステップS107、S108)。
マルチディスプレイ画面を構成する各表示装置2のいずれか1つが代表であり、この代表の表示装置2の代表フラグRepFlgだけが「1」に設定され、他の表示装置2の代表フラグRepFlgが「0」に設定されている。
代表フラグRepFlgが「1」に設定されているならば(ステップS108で「Yes」)、中央演算部14は、センサ18により検出された表示部16の画面周辺の照度の値を求め、この照度の値をマルチディスプレイテーブル27Aにおける照度値Sensorとして書込み、照度輝度テーブル27Cから照度値Sensorに対応する輝度値を読み出して、この輝度値をマルチディスプレイテーブル27Aにおける輝度値Brightとして書込む。同時に、中央演算部14は、輝度値Brightを輝度制御部17に指示する。輝度制御部17は、表示部16の輝度を制御し、この指示された輝度値Brightに表示部16の輝度を調節する。更に、中央演算部14は、輝度値Brightをシリアル通信部25及びシリアルインターフェース26を通じて隣り合う他の表示装置2へと送信する(ステップS109)。
また、代表フラグRepFlgが「0」に設定されているならば(ステップS108で「No」)、中央演算部14は、シリアルインターフェース23及びシリアル通信処理部24を通じての輝度値Brightの受信を待機し、輝度値Brightを受信すると、この輝度値Brightをマルチディスプレイテーブル27Aにおける輝度値Brightとして書込む。また、中央演算部14は、輝度制御部17を通じて表示部16の輝度を制御し、この輝度値Brightに表示部16の輝度を調節する。更に、中央演算部14は、輝度値Brightをシリアル通信部25及びシリアルインターフェース26を通じて隣り合う次の表示装置2へと送信する(ステップS110)。
従って、マルチディスプレイ画面が用いられる場合は、代表の表示装置2で表示部16の画面周辺の照度の値が求められ、この照度の値に対応する輝度値が求められ、表示部16の画面の輝度値がその求められた輝度値に調節され、この求められた輝度値が他の各表示装置2へと順次転送され、他の各表示装置2の画面の輝度もその求められた輝度値に調節される。この結果、マルチディスプレイ画面を構成する各表示装置2の画面の輝度が均一化され、マルチディスプレイ画面の輝度ムラが生ぜずに済む。
図9は、図8のステップS107の処理、すなわち自己の表示装置2がマルチディスプレイ画面を構成する各表示装置2の代表として選択されているか否かを判定するための処理を詳しく示すフローチャートである。
各表示装置2おいては、マルチディスプレイテーブル27Aの拡大モードEnlの値として「1」〜「3」のいずれかが設定されると、表示位置代表テーブル27Bから拡大モードEnlの値に対応する代表位置Dposの値が読み出され、代表位置Dposの値が自己の表示装置2の表示位置Posの値に一致したならば、代表フラグRepFlgが「1」に設定され、また代表位置Dposの値が自己の表示装置2の表示位置Posの値に一致しなければ、代表フラグRepFlgが「0」に設定される。
詳しくは、拡大モードEnlが「1」であって、小マルチディスプレイ画面3Sが選択されているとすると、中央演算部14は、表示位置代表テーブル27Bから拡大モードEnl「1」に対応する代表位置Dpos「0」を読み出し、代表位置Dpos「0」が自己の表示装置2の表示位置Posの値に一致するか否かを判定し(ステップS201)、一致するならば(ステップS201で「Yes」)、代表フラグRepFlgを「1」に設定し(ステップS202)、一致しなければ(ステップS201で「No」)、次のステップS203、204を経て、代表フラグRepFlgを「0」に設定する(ステップS205)。具体的には、図5(b)の左上の表示装置2aでは、表示位置Pos「0」が代表位置Dpos「0」に一致することから、代表フラグRepFlgを「1」に設定し、また他の各表示装置では、表示位置Posの値が代表位置Dpos「0」に一致せず、代表フラグRepFlgを「0」に設定する。
また、拡大モードEnlが「2」であって、中マルチディスプレイ画面3Mが選択されているとすると(ステップS201で「No」)、中央演算部14は、表示位置代表テーブル27Bから拡大モードEnl「2」に対応する代表位置Dpos「4」を読み出し、代表位置Dpos「4」が自己の表示装置2の表示位置Posの値に一致するか否かを判定し(ステップS203)、一致するならば(ステップS203で「Yes」)、代表フラグRepFlgを「1」に設定し(ステップS202)、一致しなければ(ステップS203で「No」)、次のステップS204を経て、代表フラグRepFlgを「0」に設定する(ステップS205)。具体的には、図5(c)の中央の表示装置2fでは、表示位置Pos「4」が代表位置Dpos「4」に一致することから、代表フラグRepFlgを「1」に設定し、また他の各表示装置では、表示位置Posの値が代表位置Dpos「4」に一致せず、代表フラグRepFlgを「0」に設定する。
また、拡大モードEnlが「3」であって、大マルチディスプレイ画面3Lが選択されているとすると(ステップS201で「No」、ステップS203で「No」)、中央演算部14は、表示位置代表テーブル27Bから拡大モードEnl「3」に対応する代表位置Dpos「4」を読み出し、代表位置Dpos「4」が自己の表示装置2の表示位置Posの値に一致するか否かを判定し(ステップS204)、一致するならば(ステップS204で「Yes」)、代表フラグRepFlgを「1」に設定し(ステップS202)、一致しなければ(ステップS204で「No」)、代表フラグRepFlgを「0」に設定する(ステップS205)。具体的には、図5(d)の中央付近の表示装置2fでは、表示位置Pos「4」が代表位置Dpos「4」に一致することから、代表フラグRepFlgを「1」に設定し、また他の各表示装置では、表示位置Posの値が代表位置Dpos「4」に一致せず、代表フラグRepFlgを「0」に設定する。
このように表示装置2毎に、拡大モードEnlの値に対応する代表位置Dposの値が読み出され、代表位置Dposの値が自己の表示装置2の表示位置Posの値に一致したときに、代表フラグRepFlgが「1」に設定される。
図10は、図8のステップS109の処理、すなわち代表の表示装置2による輝度値Brightの設定と送信の処理を詳しく示すフローチャートである。
中央演算部14は、マルチディスプレイテーブル27Aにおける前回輝度値PreBrightを「−1」に初期化し(ステップS301)、センサ18により検出された表示部16の画面周辺の照度の値を求め、この照度の値をマルチディスプレイテーブル27Aにおける照度値Sensorとして書込み(ステップS302)、照度輝度テーブル27Cから照度値Sensorに対応する輝度値を読み出して、この輝度値をマルチディスプレイテーブル27Aにおける輝度値Brightとして書込む(ステップS303)。
尚、前回輝度値PreBrightの初期値「−1」は、実際の輝度値としてはあり得ない値であり、次に述べるように輝度値Brightを最初に決定するときに前回輝度値PreBrightが必ず更新されるようにするために設定された値である。
引き続いて、中央演算部14は、輝度値Brightを設定すると、この輝度値Brightと前回輝度値PreBrightが不一致であるか否かを判定する(ステップS304)。このとき、前回輝度値PreBrightの初期値「−1」は、実際の輝度値としてはあり得ない値であることから、輝度値Brightと前回輝度値PreBrightが不一致である(ステップS304で「Yes」)。この場合、中央演算部14は、輝度値Brightをマルチディスプレイテーブル27Aにおける前回輝度値PreBrightとして書き込んで、前回輝度値PreBrightを更新する(ステップS305)。そして、中央演算部14は、輝度制御部17を通じて、表示部16の輝度を制御し、輝度値Brightに表示部16の輝度を調節する。更に、中央演算部14は、輝度値Brightを隣り合う他の表示装置2へと送信する(ステップS306)。
この後、中央演算部14は、拡大モードEnlの値が変更されたか否か、つまりマルチディスプレイ画面が変更されたか否かを判定し(ステップS307)、変更があれば(ステップS307で「Yes」)、図10の処理を終了し、図8のステップS101に戻る。
また、マルチディスプレイ画面の変更がなければ(ステップS307で「No」)、ステップS302に戻って、センサ18の検出出力に対応する照度値Sensorを求め、照度値Sensorに対応する輝度値Brightを求める(ステップS303)。
そして、輝度値Brightと前回輝度値PreBrightが一致すれば(ステップS304で「No」、輝度値Brightが変わっていないので、これまでの表示部16の輝度を維持して、ステップS307に移行する。従って、マルチディスプレイ画面の変更がなく、輝度値Brightが変わらない限り、ステップS302、S303、S304、S307が繰り返されて、表示部16の輝度が維持され続ける。
また、輝度値Brightと前回輝度値PreBrightが不一致であれば(ステップS304で「Yes」、輝度値Brightが変わっているので、ステップS305、S306に移行して、輝度値Brightが前回輝度値PreBrightとして書き込まれ、前回輝度値PreBrightが更新され、この輝度値Brightに表示部16の輝度が調節され、輝度値Brightが隣り合う他の表示装置2へと送信される。従って、マルチディスプレイ画面の変更がなく、輝度値Brightが変わったときには、ステップS305、S306が行われて、表示部16の輝度が更新され、更新された輝度値が隣り合う他の表示装置2へと送信される。
このように代表の表示装置2においては、輝度値Brightを設定したり更新し、設定もしくは更新した輝度値Brightを他の表示装置2に送信している。
図11は、図8のステップS110の処理、すなわち代表ではない表示装置2による輝度値Brightの設定と送信の処理を詳しく示すフローチャートである。
この図11の処理は、マルチディスプレイテーブル27Aの表示位置Posが設定されている表示装置2、つまりマルチディスプレイ画面を構成する表示装置2で行われるものである。マルチディスプレイ画面から外れる他の表示装置2では、この図11の処理を行わず、輝度値Brightを受信しても、この輝度値Brightを次の表示装置2に転送するだけであり、輝度値の書込みや輝度の設定を行わない。
中央演算部14は、輝度値Brightの受信を待機しており(ステップS401)、輝度値Brightを受信すると(ステップS401で「Yes」)、この輝度値Brightをマルチディスプレイテーブル27Aにおける輝度値Brightとして書込み、輝度制御部17を通じて表示部16の輝度を制御し、この輝度値Brightに表示部16の輝度を調節する(ステップS402)。そして、中央演算部14は、輝度値Brightを隣り合う次の表示装置2へと送信する(ステップS403)。
更に、中央演算部14は、拡大モードEnlの値が変更されたか否か、つまりマルチディスプレイ画面が変更されたか否かを判定し(ステップS404)、変更があれば(ステップS404で「Yes」)、図11の処理を終了し、図8のステップS101に戻る。
また、マルチディスプレイ画面の変更がなければ(ステップS404で「No」)、ステップS401に戻って、輝度値Brightの受信を待機する(ステップS401)。
そして、輝度値Brightの受信がなければ(ステップS404で「No」)、これまでの表示部16の輝度を維持して、ステップS404に移行する。従って、マルチディスプレイ画面の変更がなく、輝度値Brightが変わらない限り、ステップS401、S404が繰り返されて、表示部16の輝度が維持され続ける。
また、輝度値Brightの受信がされたならば(ステップS404で「Yes」)、輝度値Brightが変わっているので、ステップS402、S403に移行して、この輝度値Brightがマルチディスプレイテーブル27Aに書き込まれ、表示部16の輝度が制御され、この輝度値Brightに表示部16の輝度が調節され、輝度値Brightが隣り合う次の表示装置2へと送信される。
このように代表ではない表示装置2においては、輝度値Brightを受信して設定し、この輝度値Brightを他の表示装置2に送信している。これにより、代表ではない各表示装置2は、輝度値Brightを順次送受して設定することができる。
図12は、図10のステップS303の処理、すなわち照度値Sensorに対応する輝度値Brightを設定するための処理を詳しく示すフローチャートである。
代表の表示装置2において、中央演算部14は、照度輝度テーブル27Cを参照し、マルチディスプレイテーブル27Aにおける照度値Sensorが最初の段階の照度範囲「0」〜「20」に入っているか否かを判定し(ステップS501)、照度値Sensorが最初の段階の照度範囲「0」〜「20」に入っていれば(ステップS501で「Yes」)、照度輝度テーブル27Cから最初の段階の照度範囲に対応する輝度値「0」を読み出して、この輝度値「0」をマルチディスプレイテーブル27Aにおける輝度値Brightとして書込む(ステップS502)。
また、照度値Sensorが最初の段階の照度範囲に入っていなければ(ステップS501で「No」)、中央演算部14は、照度輝度テーブル27Cを参照し、照度値Sensorが2番目の段階の照度範囲「21」〜「40」に入っているか否かを判定し(ステップS503)、照度値Sensorが2番目の段階の照度範囲「21」〜「40」に入っていれば(ステップS503で「Yes」)、照度輝度テーブル27Cから2番目の段階の照度範囲に対応する輝度値「1」を読み出して、この輝度値「1」をマルチディスプレイテーブル27Aにおける輝度値Brightとして書込む(ステップS504)。
更に、照度値Sensorが2番目の段階の照度範囲に入っていなければ(ステップS503で「No」)、照度値Sensorが3番目の段階の照度範囲「41」〜「60」に入っているか否かが判定され(ステップS505)、照度値Sensorが3番目の段階の照度範囲に入っていれば(ステップS505で「Yes」)、照度輝度テーブル27Cから3番目の段階の照度範囲に対応する輝度値「2」が読み出されて、この輝度値「2」がマルチディスプレイテーブル27Aにおける輝度値Brightとして書込まれる(ステップS506)。
以降同様に、照度値Sensorが4番目の段階の照度範囲「61」〜「80」に入っていれば(ステップS507で「Yes」)、4番目の段階の照度範囲に対応する輝度値「3」が輝度値Brightとして設定され(ステップS508)、また照度値Sensorが5番目の段階の照度範囲「81」〜「100」に入っていれば(ステップS509で「Yes」)、5番目の段階の照度範囲に対応する輝度値「4」が輝度値Brightとして設定され(ステップS510)、更に照度値Sensorが5番目の段階の照度範囲にも入っていなければ(ステップS509で「No」)、照度値Sensorが「100」を超えることになるので、6番目の段階の照度範囲に対応する輝度値「5」が輝度値Brightとして設定される(ステップS511)。
このように代表の表示装置2においては、照度値Sensorに対応する輝度値Brightを設定する。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、代表の表示装置2側で画面周辺の照度に対応する画面の輝度値を求め、この輝度値を代表の表示装置2から他の表示装置2へと順次転送しているが、図13に示すように各表示装置2を外部のコンピュータPに接続しておき、コンピュータPにより代表の表示装置2を判定して、コンピュータPから代表の表示装置2を指示し、代表の表示装置2で画面周辺の照度を検出して、この照度をコンピュータPに送信し、コンピュータP側で画面周辺の照度に対応する画面の輝度値を求め、この輝度値をコンピュータPから各表示装置2へと送受し、各表示装置2でそれぞれの画面の輝度と該送受した輝度値に設定しても構わない。
また、本発明は、マルチディスプレイシステムや表示装置だけではなく、マルチディスプレイ方法、及びマルチディスプレイ方法を実現するためにコンピュータにより実行されるプログラムを含む。コンピュータは、例えば表示装置2の中央演算部14や外部のコンピュータであり、プログラムを実行し得るデバイスであれば、如何なるものであっても良い。
また、コンピュータは、プログラムを記録媒体から読出したり、プログラムを通信ネットワークを通じて受信し、プログラムを実行して、本発明を実施することができる。複数のコンピュータやインターネットからなるシステムにおいては、複数の処理を複数の端末に分散して行い得る。従って、プログラムは、コンピュータ等の単一の端末だけではなく、システムにも適用し得る。