JP5089376B2 - 粘着剤及び貼付剤 - Google Patents

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Description

本発明は粘着剤及び貼付剤に関し、より詳しくはケトプロフェンを含有する粘着剤及び貼付剤に関する。
スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー系粘着剤に、非ステロイド消炎鎮痛剤を、その溶解剤(ロジンエステル誘導体とL−メントールから構成される)とともに添加した消炎鎮痛貼付剤が知られている(特許文献1)。
ところが、特許文献1記載の貼付剤では、製造中や保管中にL−メントールと薬物との反応物が生じることがあり、また、L−メントール特有の臭気を好まない使用者もいることから、L−メントールを添加しなくても適度な薬物放出性を発揮する貼付剤が検討されてきた。このような貼付剤として、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー系粘着剤に、高分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソブチレン及び分散剤等を所定量添加した貼付剤が近年提案されている(特許文献2)。
特許第2816765号公報 国際公開WO01/078690号パンフレット
しかしながら、L−メントールを使用しない系において、従来よりも増して、薬物の吸収効率が高く付着性にも優れ、また、かぶれが発生し難い貼付剤が待ち望まれており、このような要求は、薬物としてケトプロフェンを用いる場合に特に顕著であった。そこで、本発明の目的は、L−メントールを含有しないケトプロフェン含有粘着剤及び貼付剤であって、経皮吸収性が高く、皮膚への付着性が優れ、しかも、かぶれの発生が十分なレベルまで低減された粘着剤及び貼付剤を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、L−メントールを使用しない系において薬物としてケトプロフェンを使用したときに、粘着性の基剤の所定の成分と、その成分に相溶性のあるオイルとを所定比で含有させることで、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、粘着性を有する基剤、オイル及びケトプロフェンを含有する粘着剤であって、上記粘着剤は、L−メントールを含有しておらず、上記基剤は、少なくとも、エラストマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物、及び/又は、総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子、から構成され、上記オイルは、上記粘着性組成物及び前記粘着性高分子と相溶性のあるオイルであり、当該オイルの含有量は、上記粘着性組成物及び上記粘着性高分子の合計100質量部に対して150〜175質量部である、粘着剤を提供するものである。
本発明の粘着剤は、エラストマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物、及び、総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子に対し、これらと相溶性を有するオイルを所定量用いた構成を特徴としており、これにより、高い経皮吸収性、優れた皮膚への付着性、かぶれの効果的な防止の全てが達成可能となる。また、角質剥離を防いで剥離時の痛みが低減される。
このような効果を生じる原因は必ずしも明らかではないが、一般に用いられるより多めとなる所定量のオイルを用いたことで粘着基剤が適度に軟化し、これが皮膚への密着性を高めて、充分な経皮吸収性を可能にしたものと推察される。また、粘着基剤の適度な軟化は、使用時の皮膚への追随性を高めるとともに剥離時の粘着剤の変形容易性をもたらすため、密着性向上と剥離時の痛みの低減が両立可能になったものと推察される。また、粘着剤と皮膚界面におけるオイルの存在により、剥離力が低減するとともに角質の保護がなされ、剥離時の角質剥離を最低限にとどめて痛みが低減され、かぶれも防止されるものと推測される。
粘着性組成物を構成するエラストマーとしては、スチレン系ブロックコポリマーが適しており、特に、スチレン含有量が10〜30質量%且つジブロック体含有量が40質量%以下のスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーが好ましい。
粘着性組成物を構成するエラストマーとして、このようなスチレン系ブロックコポリマーを使用すると、経皮吸収性、皮膚への付着性、かぶれ防止のすべてにおいて、より顕著な改善が図れるようになる。
総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子としては、アルキル基の炭素数が4〜22のアルキル(メタ)アクリレートをモノマー単位として含む粘着性高分子が適している。ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味である。
粘着性組成物及び粘着性高分子と相溶性のあるオイルは、アーモンド油、オリーブ油、ツバキ油、パーシック油、ラッカセイ油及び流動パラフィンからなる群より選ばれる少なくとも1つが好ましい。このようなオイルを使用すると、経皮吸収性が高くなるのみならず、皮膚への付着性やかぶれの改善効果も優れるようになる。
ケトプロフェンの含有量は粘着剤全質量基準で0.5〜3質量%とするとよい。このような範囲にすることで、充分な量の薬物を経皮吸収させることが可能になる。
ケトプロフェンの含有量は粘着剤全質量基準で2質量%とするとさらによい。このような値にすることで、充分なケトプロフェンの血中濃度が得られる。
上述の粘着剤は支持体を伴うものであってもよい。すなわち、支持体上に上記粘着剤からなる薬物層を備える貼付剤(支持体付き粘着剤)も、本発明の効果(高い経皮吸収性、優れた皮膚への付着性、かぶれの効果的な防止、角質剥離防止に基づく剥離時の痛み低減)を奏する。
このような効果をより確実に発揮させるために、上記薬物層は、支持体上に80〜210g/mの塗膏量となるように形成されていることが好ましい。また、支持体は、ポリエステル、ポリエチレン又はポリプロピレンからなるものがよく、80〜150g/mの織布又は不織布が特に好ましい。なお、ここでいう織布とは、編布を含むものである。
本発明の粘着剤は経皮吸収性に優れるために、皮膚に接触させたとき、時間0〜72時間でのケトプロフェンの血中濃度−時間曲線下面積(AUC(0−72hr))が1000〜3000ng・hr/mLとすることができ、皮膚に接触させたとき、ケトプロフェンの最高血中濃度(Cmax)を50〜150ng/mLとすることもできる。
本発明の貼付剤は、支持体上に粘着剤からなる薬物層を備える貼付剤であって、上記粘着剤は、粘着性を有する基剤、オイル及びケトプロフェンを含有し、かつL−メントールを含有しておらず、上記基剤は、少なくとも、エラストマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物、及び/又は、総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子、から構成され、上記オイルは、上記粘着性組成物及び上記粘着性高分子と相溶性のあるオイルであり、上記支持体は、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群より選ばれる樹脂繊維の少なくとも1種からなる織布又は不織布からなり、皮膚に接すべき前記薬物層の面積は、50〜150cmであり、かつ、上記薬物層を皮膚に接触させたとき、時間0〜72時間でのケトプロフェンの血中濃度−時間曲線下面積(AUC(0−72hr))が1000〜3000ng・hr/mLとなる貼付剤である。
本発明の貼付剤は、上記薬物層を皮膚に接触させたとき、ケトプロフェンの最高血中濃度(Cmax)が50〜150ng/mLとなることが好ましい。
L−メントールを含有しないケトプロフェン含有粘着剤及び貼付剤であって、経皮吸収性が高く、皮膚への付着性が優れ、しかも、かぶれの発生が十分なレベルまで低減された粘着剤及び貼付剤が提供される。
以下、本発明の粘着剤及び貼付剤の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の粘着剤は、粘着性を有する基剤、オイル及びケトプロフェンを含有する粘着剤であって、L−メントールを含まないものである。
粘着剤がL−メントールを含まないことにより、ケトプロフェンのようなカルボキシル基を有する薬物とL−メントールとが共存する場合に生じ得る薬物のエステル化を防止することができる。このため、薬物のうち経皮浸透して実際に薬物として機能する分量が減少することがなく、薬物の実質的な放出量が増加する。また、エステル化が生じないので、脂肪酸金属塩などのエステル化抑制剤等を添加する必要がなく、処方に多様性を持たせることができる。
上記ケトプロフェンには、その薬学的に許容される塩も含まれる。薬学的に許容される塩の具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、ジエチルアミン塩等が挙げられる。
粘着剤は肌に貼り付けて使用するため、粘着性を有する基剤(以下単に「基剤」という場合がある。)が必須成分となる。ここで「粘着性」とは、少なくとも適用温度(肌に貼り付ける温度)においてタックを有していることをいい、当該温度で1Hzにおける弾性率E’が0.1MPa以下(Dahlquist’s criterion)であればよい。基剤としては、このような性質を示すものであれば、1種のみ用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。代表的な基剤としては、エラストマーに粘着付与樹脂を添加した粘着性組成物と、炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子が挙げられる。なお、ここでいうエラストマーとは、高分子、低分子にかかわらず、ポリイソブチレンを除いたものを指す。
粘着性組成物には、天然ゴムに粘着付与剤を加えて粘着性を発現させた粘着性組成物、合成ゴムに粘着付与剤を加えて粘着性を発現させた粘着性組成物、これらのブレンド物等が挙げられるが、処方の容易性から、合成ゴムに粘着付与剤を加えて粘着性を発現させた粘着性組成物が好ましい。このような組成物としてより好ましいのは、熱可塑性エラストマーに粘着付与剤を加えたものであり、特に好ましいのはスチレン系ブロックコポリマーに粘着付与剤を添加した粘着性組成物である。
スチレン系ブロックコポリマーとしては、スチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)が挙げられる。これらのスチレン系ブックコポリマーは、リニア(linear)体、ジブロック(diblock)体、ラジアル(radial)体、スター(star)体のいずれの骨格を有していてもよいが、リニア体が好ましい。リニア体は合成経路上ジブロック体を一部含有している場合があるため、ジブロック体を一部含有したリニア体を用いてもよい。また、スチレン系ブロックコポリマーは、1種のみ用いても、2種以上の組合せとして用いてもよい。
スチレン系ブロックコポリマーの具体例としては、クレイトンD−1112、D−1111、D−1107(商品名、クレイトンポリマー(株)製)、JSR5000又はJSR5002(商品名、日本合成ゴム(株)製)、クインタック3530、3421又は3570C(商品名、日本ゼオン(株)製)、クレイトンD−KX401CS又はD−1107CU(商品名、クレイトンポリマー(株)製)等のリニアトリブロックコポリマーや、クレイトンD−1124(商品名、クレイトンポリマー(株)製)、ソルプレン418(商品名、フィリップペトロリアム(株)製)等の分岐ブロックコポリマー等が挙げられる。
スチレン系ブロックコポリマーとして好ましいのは、スチレン含有量が10〜30質量%且つジブロック体含有量が40質量%以下のスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであり、特に好ましいのは、スチレン含有量が15〜30質量%且つジブロック体含有量が30質量%以下のスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーである。スチレン含有量は15〜25質量%が、ジブロック体含有量は20%以下が特に好ましい。このようなスチレン系ブロックコポリマーを用いることで、経皮吸収性及び皮膚への付着性がより優れるようになり、かぶれの発生もより低減可能となる。
20質量%以上といった高いスチレン含有量や、20質量%以下といった低いジブロック体の含有量は、スチレン系ブロックコポリマーの硬さを向上させ、粘着付与剤と混合して得られる粘着性組成物の硬度をも向上させてしまうが、このような硬めのスチレン系ブロックコポリマーを敢えて使用して、従来用いられているものよりも多い含有量のオイルを用いると、はじめから柔らかいスチレン系ブロックコポリマーを用いそれに少量のオイルを添加した場合に比較して、経皮吸収性、皮膚への付着性、かぶれ防止のすべてにおいて、より顕著な改善が図れるようになる。
粘着付与剤は、エラストマーに粘着性を与えることのできる樹脂であれば特に限定されないが、ロジン系樹脂又は石油系樹脂が好ましい。
ロジン系樹脂としては、天然樹脂ロジン、変性ロジン、ロジンエステル(ロジングリセリンエステル、ロジンペンタエリストールエステル等)、水添ロジンエステル(水添ロジングリセリンエステル、水添ロジンペンタエリストリトールエステル等)が挙げられ、中でも皮膚刺激性、対老化性の観点から水添ロジンエステルが好ましく、水添ロジングリセリンエステルが特に好ましい。
また、石油系樹脂としては、C5系合成石油樹脂(イソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1−ペンテンのうちの少なくとも2種の共重合体;2−ペンテン、ジシクロペンタジエンのうち少なくとも2種の共重合体;1,3−ペンタジエン主体の樹脂等)、C9系合成石油樹脂(インデン、スチレン、メチルインデン、α−メチルスチレンのうち少なくとも2種の共重合体等)、ジシクロペンタジエン系合成石油樹脂(ジシクロペンタジエンを主体とするイソプレン及び/又は1,3−ペンタジエンの共重合体等)等が挙げられ、耐候性及び粘着基剤との相溶性の観点からC9系合成石油樹脂が好ましい。
また、石油系樹脂としては、別の分類の観点から、脂環族系石油樹脂(脂環族系炭化水素樹脂)、脂環族系水添石油樹脂、脂肪族系石油系樹脂(脂肪族系炭化水素樹脂)、脂肪族系水添石油樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、粘着力、粘着基剤との相溶性、耐老化性の観点から脂環族石油樹脂、脂環族系水添石油樹脂が好ましく、脂環族系水添石油樹脂が特に好ましい。このような石油系樹脂としては、具体的にはアルコン−P70、アルコン−P90、アルコン−P100、アルコン−P115、アルコン−P125(商品名、荒川化学工業(株))エスコレッツ8000(商品名、エッソ石油(株))等が挙げられ、1種のみを用いても、2種以上の組み合わせとして用いてもよい。
エラストマーと粘着付与剤との配合比率は、少なくとも適用温度(肌に貼り付ける温度)においてタックが生じるように決定すればよい。典型的な配合量は、エラストマー100質量部に対して粘着付与剤は10〜1000質量部(好ましくは50〜200質量部、より好ましくは50〜150質量部、更に好ましくは80〜120質量部)である。
エラストマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物の他、総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子も基剤として用いることができる。総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子としては、アルキル基の炭素数が4〜22のアルキル(メタ)アクリレートをモノマー単位として含む粘着性高分子が挙げられ、この高分子は粘着付与剤の添加なしでも粘着性を有している。アルキル基の炭素数が4〜22のアルキル(メタ)アクリレートとしては、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子は、1種のみ用いても、2種以上の組合せとして用いてもよい。
上記の粘着性高分子は、アルキル基の炭素数が4〜22のアルキル(メタ)アクリレートのみならず、他のモノマーもモノマー単位として含むコポリマーであることが好ましく。当該他のモノマーとしては単独重合した時のガラス転移温度(DSCで昇温5℃で測定)が50℃以上となるモノマーが好ましい。このようなモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、スチレン等が挙げられる。
コポリマーの場合のアルキル基の炭素数が4〜22のアルキル(メタ)アクリレートと他のモノマーとの質量比は、フォックス式を用いてガラス転移温度(Tg)が粘着剤の使用温度(典型的には25℃程度の室温)未満となるように算出するか、重合物の動的粘弾性(周波数1Hz程度)を測定して使用温度(典型的には25℃程度の室温)における貯蔵弾性率が10dyne/cmのオーダーになるように設定できるが、一般には、前者:後者で質量比90〜98:2〜10である。
基剤は複数の成分からなっていてもよい。例えば、エラストマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物の2種又はそれ以上からなるブレンド物、或いは、総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子の2種又はそれ以上からなるブレンド物であってもよい。更に、エラストマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物と、炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子とのブレンド物であってもよい。この場合のブレンド比(質量比)は、前者:後者が10〜90:90〜10が好ましく、20〜80:80〜20がより好ましい。なお、基剤は、上記粘着性組成物と粘着性高分子以外の粘着性成分を含有していてもよい。
粘着剤は、上述した粘着性組成物及び粘着性高分子と相溶性のあるオイルを含有し、そのオイルの含有量は、粘着性組成物及び/又は粘着性高分子の合計100質量部に対して150〜175質量部である。
ここでオイルとしては、アーモンド油、オリーブ油、ツバキ油、パーシック油、ラッカセイ油及び流動パラフィンからなる群より選ばれる少なくとも1つを用いることができ、流動パラフィンを用いることが特に好ましい。
オイルの含有量は、基剤中に含まれる「エラストマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物」及び/又は「総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子」のみを基準として決定される。例えば、基剤中にこれら以外の化合物(例えば、総炭素が4の不飽和モノマーをモノマー単位として含むポリイソブチレン)が含まれている場合、それが粘着性であってもオイルの含有量の算出の基準とはしない。
本発明は、L−メントール非含有且つケトプロフェン含有という条件の下、「エラストマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物」及び「総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子」の合計100質量部に対して、150〜175質量部のオイルを用いた時に、経皮吸収性、皮膚への付着性、かぶれの全てが改善できるとの新規知見に基づいて成されたものである。すなわち、オイルの含有量が150質量部未満では、薬物放出性や経皮吸収性が減少してしまい、175質量部を超すとべたつきが生じやすく皮膚への付着性も低下し、剥離中に粘着剤が凝集破壊してしまうことがある。オイルの含有量は、上記特性が最適化されることから、150〜170質量部がより好ましく、155〜165質量部が特に好ましい。
粘着剤全体としての好適な配合量は以下の通りである。先ず、ケトプロフェンは粘着剤全質量基準で0.5〜3質量%含まれることが好ましく、1〜2.5質量%含まれることがより好ましく、2質量%含まれることがさらに好ましい。なお、ケトプロフェン以外の薬物の添加を禁じるものではないが、ケトプロフェンの薬効は維持されるようにしなければならない。粘着性を有する基剤及びオイルの合計重量は、粘着剤からケトプロフェンの含有量を除いた残余の80〜100質量%(好ましくは90〜100質量%、更には95〜99質量%)であることが好ましい。この値が100質量%であるときは、粘着剤は粘着性を有する基剤、オイル及びケトプロフェンのみからなることになり、100質量%未満のときは後述する他の添加成分を含有することになる。なお、粘着性を有する基剤は、「エラストマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物」及び/又は「総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子」のみからなることが好ましく、配合が容易で無溶剤での配合が可能なことから、「エラストマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物」のみからなることがより好ましい。
本発明においては、粘着剤が、粘着性を有する基剤、オイル及びケトプロフェンを含有し、かつL−メントールを含有しておらず、上記基剤は、少なくとも、エラストマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物、及び/又は、総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子、から構成され、上記オイルは、上記粘着性組成物及び上記粘着性高分子と相溶性のあるオイルである、ことにより、粘着剤中のケトプロフェンを溶解した状態で存在させることが可能となる。
通常、薬物を粘着剤中に溶解状態で存在させるためには、何らかの溶解剤が必要である。従来のケトプロフェン含有貼付剤においては、L−メントール等が溶解剤として機能していた。しかし、本発明においては、驚くべきことに、溶解剤を存在させることなく、上記エラストマーやオイルによりケトプロフェンを粘着剤中に溶解状態で存在できることを見出した。
しかも、このような溶解状態にあるにもかかわらず、粘着剤を皮膚に貼付した際の、時間0〜72時間でのケトプロフェン血中濃度−時間曲線下面積(AUC(0−72hr))が1000〜3000ng・hr/mLとなるように設定することが可能となる。
粘着剤に添加できる必須成分以外の成分としては、抗酸化剤、充填剤、架橋剤、防腐剤、紫外線吸収剤、吸収促進剤、各種ポリマー(粘着性又は非粘着性)等が挙げられる。
抗酸化剤としては、トコフェロール及びそのエステル誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、ノルジヒドログアヤレチン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が好ましい。
充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等)、ケイ酸、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜鉛酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
架橋剤としては、熱硬化性樹脂(アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル等)、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物のような有機系架橋剤や、金属または金属化合物のような無機系架橋剤が好ましい。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等が好ましく、紫外線吸収剤としては、p−アミノ安息香酸誘導体、アントラニル酸誘導体、サリチル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、イミダゾリン誘導体、ピリジン誘導体、ジオキサン誘導体等が好ましい。
吸収促進剤としては、d−リモネン等のテルペン油、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレート、セバシン酸ジエチル等の脂肪酸エステル、エイゾン、1−〔2−(デシルチオ)エチル〕アザシクロペンタン−2−オン等のアザシクロアルカン類、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸等が挙げられる。
その他ポリマーとしては、総炭素数2〜4の不飽和モノマーをモノマー単位として含む高分子(例えばポリイソブチレン)が挙げられ、当該高分子は粘着性でも非粘着性でもよい。このようなポリマー成分を添加する場合は、この含有量を粘着剤全質量基準で5〜15質量%とし、粘着性を有する基剤及びオイルの合計重量を同基準で80〜90質量%とし、ケトプロフェンを0.5〜3質量%とすることが好ましく、2質量%とすることがより好ましい。ポリイソブチレンを用いる場合には、粘度平均分子量(スタウディンガー)が10,000〜20,000(好ましくは、10,000〜15,000)の低分子量ポリイソブチレンと、粘度平均分子量(スタウディンガー)が50,000〜150,000(好ましくは、60,000〜120,000)の高分子量ポリイソブチレンとを併用することが好ましい。
上述した粘着剤はそれ単独で用いてもよいが、支持体上に塗膏して薬物層とし、貼付剤(支持体付き粘着剤)として用いることが好ましい。この場合、支持体上に80〜210g/mの塗膏量となるように薬物層を形成するとよい。塗膏量は好ましくは100〜200g/mであり、より好ましくは120〜180g/mである。
上記支持体は単層構造に限られず、積層構造であってもよい。例えば、異なる樹脂繊維からなる複数の織布(編布を含む)又は不織布を積層した構造であってもよい。織布又は不織布は、通常の貼付剤に用いる材料により形成することができるが、好ましい例としては、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群より選ばれる樹脂繊維の少なくとも1種からなる織布又は不織布が挙げられ、中でも薬物との相互作用が少ないポリエステル系のポリエチレンテレフタラートからなる織布が好ましい。
また、支持体の目付けは80〜150g/mであることが好ましく、かかる範囲であれば粘着剤を支持体に塗布する際に粘着剤が支持体の網目を通じて染み出すことがなく、かつ粘着剤との投錨性を良好に維持することが可能となる。
また、支持体は、貼付剤としての十分な伸縮性を考慮すると、縦方向(長軸方向)50%モジュラスが2〜12N/5cm、横方向(単軸方向)50%モジュラスが2〜8N/5cmであることが好ましい。(測定法:JIS L1018)
なお、薬物層上にはこれを保護する保護フィルムを積層するようにしてもよい。
上述した粘着剤は、皮膚に接触させたときに、時間0〜72時間でのケトプロフェンの血中濃度−時間曲線下面積(AUC(0−72hr))が1000〜3000ng・hr/mLであるとよい。このような範囲のAUC(0−72hr)であれば、十分な消炎鎮痛効果を得ることができる。時間0〜72時間でのケトプロフェンの血中濃度−時間曲線下面積は、1200〜2800ng・hr/mLがより好ましく、1300〜2500ng・hr/mLが更に好ましい。
また、上述した粘着剤は、皮膚に接触させたときに、最高血中濃度(Cmax)が、50〜150ng/mLであると更によい。このような範囲のCmaxであれば、十分な消炎鎮痛効果を得ることができる。最高血中濃度は、60〜150ng/mLがより好ましく、65〜140ng/mLが更に好ましい。ここで、最高血中濃度は、粘着剤を皮膚に72時間接触させた後の採血サンプルから求めることができる。
上記のような血中におけるAUC及びCmaxを有することにより、本発明の粘着剤は、L−メントールを配合せずとも十分な消炎鎮痛効果を有する。
上記貼付剤は、以下の(1)及び(2)の少なくとも一方の条件を満たしていればよく、その面積(サイズ)は限定されない。
(1)薬物層を皮膚に接触させたときに、時間0〜72時間でのケトプロフェンの血中濃度−時間曲線下面積(AUC(0−72hr))が1000〜3000ng・hr/mL
(2)薬物層を皮膚に接触させたときに、ケトプロフェンの最高血中濃度(Cmax)が50〜150ng/mL
しかし、かぶれを更に有効に防止する観点からは、皮膚に接すべき上記薬物層の面積は、50〜150cmが好ましく、60〜80cmがより好ましく、70cmが特に好ましい。また、薬物層は、1cm当たり8〜21mgになるように形成されていることが好ましく、10〜18mgになるように形成されていることがより好ましく、70±5mgが特に好ましい。
上述した粘着剤及び貼付剤は、ともに公知の方法で製造可能である。例えば、粘着性を有する基剤、オイル及びケトプロフェンを有機溶剤中で充分に攪拌することにより粘着剤を得ることができるので、これを支持体上に塗布して有機溶剤を除去すれば貼付剤が得られる。特に、粘着性を有する基剤として熱可塑性エラストマーをベースとしたものを採用すれば、有機溶剤を用いずに加熱溶融して混合する方法により粘着剤及び貼付剤が製造できる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、「部」とは特に明記しない限り「質量部」を意味する。
(実施例1)
表1、実施例1の組成で、上記製造方法に従って貼付剤を作成した。すなわち、上記処方中のケトプロフェン以外の成分を混合して混合物とし、窒素雰囲気下で加熱攪拌して溶解物とした。続いて、この溶解物中にケトプロフェンを添加し、加熱攪拌して均一な溶解物を得た。次に、この溶解物を支持体(ポリプロピレンからなる不織布)上に、得られる粘着剤層の厚みが150μmとなるように展延した後に、剥離被覆物(ポリエステルフィルム)で覆い、冷却後に所望の大きさに裁断して貼付剤を得た。
(実施例2、3、5、6、参考例4、比較例1〜3)
組成を表1、実施例2、3、5、6、参考例4及び比較例1〜3の組成とした他は、上記実施例1の製造方法に従って各貼付剤を作成した。
Figure 0005089376
なお、各実施例及び比較例の貼付剤において、エラストマー及び粘着付与剤の合計(粘着性組成物の合計)100質量部に対するオイルの量は、表2の通りであった。
Figure 0005089376
[ケトプロフェンの血中濃度−時間曲線下面積及び最高血中濃度の測定]
実施例1の貼付剤(皮膚に接すべき薬物層の面積70cm、1g塗厚)を健康な成人に貼付して、24時間後に剥離し、剥離後72時間まで採血サンプルを採取した。各採血サンプルを処理し、得られた血漿中のケトプロフェン濃度をLC/MSにより測定した。この結果、実施例1の血中濃度−時間曲線下面積(AUC(0−72hr))は1450ng・hr/mL、最高血中濃度(Cmax)は77ng/mLであった。
[貼付剤の粘着力の評価]
実施例2、3、5、6、参考例4、及び比較例2〜3の貼付剤について、下記プローブタック試験法によって、貼付剤の粘着力を評価した。その結果、表3の通り、実施例2、3、5、6の貼付剤が良好な粘着力を示したのに対し、比較例2の貼付剤は実施例2、3、5、6の粘着剤に比べて粘着力が高く、比較例3の貼付剤は実施例2、3、5、6の粘着剤に比べて粘着力が低かった。各実施例の貼付剤が良好な粘着力を有し、また、粘着性組成物とオイルとの比を変えることにより、貼付剤の粘着力(タック)を適切な力に調整できることが判明した。
<プローブタック試験法>
貼付剤より試験片を採取し、ASTM D 2979に準拠し、プローブタック試験機を用いて、直径5mmのベークライト製円柱(プローブ)の一方の底面と、試験片の粘着剤層表面とを接触加重0.98N/cm、接触時間1.0秒で接触させた後、プローブを粘着剤層表面の垂線方向に引き離し速度5mm/sで引き離すときに要する力[gf]を測定する。貼付剤は、5個の試験片について測定を行い、その平均値をプローブタック値とした。
[貼付剤の粘着力の評価2]
実施例2及び比較例2、3の貼付剤については、下記ピール試験法によって、貼付剤の粘着力を評価した。粘着性組成物とオイルとの比を変えることによって、貼付剤の粘着力(ピール)も対応して変化することが判明した。
<ピール試験法>
貼付剤を幅20mm、長さ約100mmの試験片とし、フェノール樹脂製の試験板にローラーで粘着し、インストロン引っ張り試験機で300mm/minの速度で180度剥離するときの荷重を求めた。
[貼付剤の付着性の評価]
実施例2及び比較例2〜3の貼付剤について、下記の付着性評価法によって、貼付剤の付着性を評価した。その結果、実施例2及び比較例2の貼付剤は剥離が観察されず良好な付着性を有していたのに対し、比較例3の貼付剤はその外縁部分が皮膚から剥がれ易く、付着性が十分でないことが判明した。
<付着性の評価方法>
貼付剤を幅10cm、長さ14cmの試験片とし、健康な成人の前腕内側に6時間貼付した後、貼付剤の付着状態を観察し、下記の基準で評価した。
A:剥離部分がなく、良好な付着性を有する。
B:貼付剤の外縁部分が剥離し、付着性が十分でない。
Figure 0005089376
[貼付剤による皮膚角質剥離の評価]
実施例2及び比較例2の貼付剤を、健康な成人の前腕内側に6時間貼付した後、これを剥離し、貼付剤の粘着層の表面に付着した角質(細胞)を下記の方法で青色に染色処理し、全粘着面に占める角質の付着部分の割合を観察して評価した。その結果、実施例2の貼付剤は、皮膚からの角質の剥離が比較的少なかったのに対し、比較例2の貼付剤は、皮膚からの角質がほぼ全面に付着することが判明した。すなわち、実施例2の貼付剤は、貼付後も皮膚の状態が保たれるのに対し、比較例2の貼付剤は、皮膚から角質層が剥離され、これが貼付剤による皮膚刺激の一因となる恐れがあることが判明した。
<染色及び評価方法>
日東技報Vol.28,No.1,p50−57,July 1990に記載された方法に準拠し、成人から剥離した貼付剤を染色液(Gentian Violet 1.0%,Brilliant Green 0.5%, Distilled Water 98.5%)中に1分間浸漬した後、蒸留水で洗浄し、粘着剤面の染色状態によって皮膚からの角質の剥離の程度を評価する。なお、角質が付着していない粘着面は、染色されない。
[貼付剤からの薬剤放出性の評価]
実施例2、3、5、6、参考例4の貼付剤について、下記水放出試験によって、貼付剤からの薬剤(ケトプロフェン)の放出性を評価した。その結果、表4の通り、各実施例の貼付剤は良好な薬剤放出性を有することが判明した。
<水放出試験>
米国薬局方放出試験法記載の回転シリンダーによる水放出試験に準じ、下記条件で試験を行った。すなわち、試験液=蒸留水、液温=37℃、シリンダー下端と容器底内面との距離=12mm、回転数=50rpm、の条件で試験片をシリンダーに保持し、試験開始から0時間、0.5時間、1.5時間及び4時間後に試験液を採取し、HPLC法によって放出されたケトプロフェンの量を定量し、理論含量に対する放出量を%で求めた(n=6)。
Figure 0005089376
以上説明したように、本発明の粘着剤及び貼付剤は良好な皮膚付着性を有し、かぶれの発生が防止でき、薬物の吸収効率が高い、優れた粘着剤及び貼付剤である。

Claims (13)

  1. 粘着性を有する基剤、オイル及びケトプロフェンを含有する粘着剤であって、
    前記粘着剤は、L−メントールを含有しておらず、
    前記基剤は、少なくとも、スチレン含有量が15〜25質量%且つジブロック体含有量が20質量%以下のスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物、及び/又は、総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子、から構成され、
    前記オイルは、前記粘着性組成物及び前記粘着性高分子と相溶性のあるオイルであり、当該オイルの含有量は、前記粘着性組成物及び前記粘着性高分子の合計100質量部に対して155〜175質量部である、粘着剤。
  2. 前記粘着性高分子は、アルキル基の炭素数が4〜22のアルキル(メタ)アクリレートをモノマー単位として含む粘着性高分子である、請求項1記載の粘着剤。
  3. 前記オイルは、アーモンド油、オリーブ油、ツバキ油、パーシック油、ラッカセイ油及び流動パラフィンからなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1又は2記載の粘着剤。
  4. ケトプロフェンの含有量は粘着剤全質量基準で0.5〜3質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤。
  5. ケトプロフェンの含有量は粘着剤全質量基準で2質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤。
  6. 皮膚に接触させたとき、時間0〜72時間でのケトプロフェンの血中濃度−時間曲線下面積(AUC(0−72hr))が1000〜3000ng・hr/mLとなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤。
  7. 皮膚に接触させたとき、ケトプロフェンの最高血中濃度(Cmax)が50〜150ng/mLとなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着剤。
  8. 支持体上に、請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着剤からなる薬物層を備える貼付剤。
  9. 前記薬物層が、前記支持体上に80〜210g/mの塗膏量となるように形成されている請求項8記載の貼付剤。
  10. 前記支持体は、ポリエステル、ポリエチレン又はポリプロピレンからなる、請求項8又は9記載の貼付剤。
  11. 前記支持体は、80〜150g/mの織布である請求項8〜10のいずれか一項に記載の貼付剤。
  12. 支持体上に、粘着剤からなる薬物層を備える貼付剤であって、
    前記粘着剤は、粘着性を有する基剤、オイル及びケトプロフェンを含有し、かつL−メントールを含有しておらず、
    前記基剤は、少なくとも、スチレン含有量が22質量%且つジブロック体含有量が18質量%のスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーと粘着付与剤からなる粘着性組成物、及び/又は、総炭素数5以上の不飽和モノマーをモノマー単位として含む粘着性高分子、から構成され、
    前記オイルは、前記粘着性組成物及び前記粘着性高分子と相溶性のあるオイルであり、
    前記支持体は、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群より選ばれる樹脂繊維の少なくとも1種からなる織布又は不織布からなり、
    皮膚に接すべき前記薬物層の面積は、50〜150cmであり、
    かつ、前記薬物層を皮膚に接触させたとき、時間0〜72時間でのケトプロフェンの血中濃度−時間曲線下面積(AUC(0−72hr))が1000〜3000ng・hr/mLとなる貼付剤。
  13. 前記薬物層を皮膚に接触させたとき、ケトプロフェンの最高血中濃度(Cmax)が50〜150ng/mLとなる、請求項12記載の貼付剤。
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