JP5087767B2 - βカゼインによって認識される複合体とその癌診断への応用 - Google Patents
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Description
(1) 血清その他血液試料中のβカゼイン結合性物質を測定することを特徴とする癌の検査方法。
(2) 血清その他血液試料中のβカゼイン結合性分子複合体を測定することを特徴とする癌の検査方法。
(3) 血清その他血液試料のβカゼイン結合活性を測定することを特徴とする癌の検査方法。
(4) 上記分子複合体が、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質を含む複合体である、上記(2)記載の癌の検査方法。
(5) 上記分子複合体が、AHNAKタンパク質を含む複合体である、上記(2)記載の癌の検査方法。
(6) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質とAHNAKタンパク質とを含むβカゼイン結合性の分子複合体。
(7) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質とAHNAKタンパク質とを含むβカゼイン結合性の分子複合体であることを特徴とする腫瘍マーカー。
(8) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質に対する抗体、抗AHNAK抗体およびβカゼインからなる群から選ばれる1又は複数の分子を用いたサンドイッチELISA法によって測定することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の癌の検査方法。
(9) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質に対する抗体、抗AHNAK抗体およびβカゼインからなる群から選ばれる1又は複数の分子を用いた表面プラズモン共鳴法によって測定することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の癌の検査方法。
(10) 膵癌その他消化器系の癌の検査に用いられる、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の癌の検査方法。
(11) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質に対する抗体、抗AHNAK抗体およびβカゼインからなる群から選ばれる1又は複数の分子を含むことを特徴とする癌の検査用キット。
(12) 抗癌剤のスクリーニング方法であって、候補物質を癌モデル動物に投与した後、血中のβカゼイン結合性物質を測定することによって候補物質の抗癌作用を評価するステップを含むことを特徴とする、抗癌剤のスクリーニング方法。
[1]本発明の癌検査方法
本発明の癌検査方法は、血清その他血液試料中のβカゼイン結合性物質を測定するものである。上述のように、βカゼイン結合性物質として、細胞輸送に関与するタンパク質を含む複合体が本発明者によって同定されているので、血清中のこの複合体を測定することにより、癌の血清診断を行うことは好ましい方法である。
細胞が癌化し極性の乱れが生じると、前記複合体が血中に多く出現すると考えられるため、この分子複合体は新規な腫瘍マーカーとして用いることができる。
本発明は、血清診断による腫瘍の検出確率の向上、治療効果の判定、手術後の再発・転移の追跡確認などに利用できるが、癌の検査・診断のみならず抗癌剤の開発などにも利用可能である。
[実施例1:極性の乱れをとらえる測定法(Polarity Assay)]
前述のように、細胞が癌化し極性の乱れが生じると、正常では血管側に分泌されない物質を血中に分泌するようになり、そのような分泌物質の中には、膜蛋白である糖タンパク質や糖脂質を含むのではないかと考えた。そこで、まずヒトミルクからプロナーゼ処理などによって、糖鎖を遊離させ、糖鎖のリガンドカラムを作製した。その後、このリガンドカラムを用いて、ヒトミルク中に含まれるレクチン様活性をもつ分子を精製したところ、βカゼインが同定された。また、市販のβカゼインについても同様の解析によってレクチン様の活性があることが判明した。
βカゼインをリガンドとして、ヒト胆汁からβカゼイン結合分子群を精製し、質量分析器などを用いてその解析を行った。その結果、βカゼイン結合分子群を含む分画中に、AHNAKタンパク質、およびCABINと命名したタンパク質が存在していた(図4)。また、この分画には膵癌の腫瘍マーカーとして知られるCA19-9を認識する抗体との反応性が認められ、胆汁中よりCA19-9が約2万倍(比活性)に精製された。
血清中の上記複合体を検出することによって膵癌の血清診断が可能かを検討した。複合体の検出は、サンドイッチELISA法により行った。このサンドイッチELISA法は概略、βカゼインをコートしたdishにヒト血清(健常人および膵癌患者由来)を加え、洗浄後に抗AHNAK抗体を加え、それを発色により検出するという方法により行った。より具体的には、精製したβカゼイン(1mg/ml)を解離条件(0.1M 炭酸水素ナトリウム溶液に溶解)でプレートに一晩かけて固相化した。次に、結合条件下(20mM AcOH, pH6.5, 5mM EDTA)で血清を40倍に希釈した後、プレートに添加して1時間反応させた。その後、結合条件下に1次抗体および2次抗体を順次添加し、それぞれ1時間反応させた。洗浄、および抗体の希釈は結合条件下に行い、希釈倍率は常法に従った。1次抗体には、AHNAK配列に特異的な19個のアミノ酸からなるペプチド(CSMPNIDLNLKGPKVKGDV:配列番号7)に対する抗体で、ウサギに免疫して作製された抗AHNAKポリクローナル抗体を使用した。2次抗体にはHRP標識抗ウサギIgG抗体を使用し、発色反応と検出は常法に従って行った。
Claims (8)
- 血清その他血液試料中のβカゼイン結合性分子複合体を測定することを特徴とする癌の検査方法であって、上記分子複合体が、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、及びAHNAKからなる群から選ばれる1又は複数を含む複合体である、検査方法。
- 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質とAHNAKタンパク質とを含むβカゼイン結合性の分子複合体。
- 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質とAHNAKタンパク質とを含むβカゼイン結合性の分子複合体であることを特徴とする腫瘍マーカー。
- 血清その他血液試料中のβカゼイン結合性分子複合体を測定することを特徴とする癌の検査方法であって、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質に対する抗体、及び抗AHNAK抗体からなる群から選ばれる1又は複数の分子を用いたサンドイッチELISA法によって測定することを特徴とする請求項1に記載の癌の検査方法。
- 血清その他血液試料中のβカゼイン結合性分子複合体を測定することを特徴とする癌の検査方法であって、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質に対する抗体、及び抗AHNAK抗体からなる群から選ばれる1又は複数の分子を用いた表面プラズモン共鳴法によって測定することを特徴とする請求項1に記載の癌の検査方法。
- 膵癌その他消化器系の癌の検査に用いられる、請求項1、4又は5に記載の癌の検査方法。
- 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質に対する抗体、及び抗AHNAK抗体から選ばれる1又は複数の分子を含むことを特徴とする癌の検査用キット。
- 抗癌剤のスクリーニング方法であって、候補物質を癌モデル動物に投与した後、血中のβカゼイン結合性分子複合体を測定することによって候補物質の抗癌作用を評価するステップを含み、該βカゼイン結合性分子複合体が、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、及びAHNAKからなる群から選ばれる1又は複数を含む、抗癌剤のスクリーニング方法。
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