JP5087753B2 - 光弾性測定方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶パネルやプラズマディスプレイパネルなどのような透過性を有する測定対象物に作用する応力や歪みなどを測定するための光弾性測定方法およびその装置に係り、特に、微小間隙をおいて配備された2枚の貼り合せ基板のそれぞれの基板に作用している応力を精度よく測定する技術に関する。
ガラス基板のような透過性を有する測定対象物に作用している応力を求める方法として、次のような方法が知られている。第1の方法として、平坦なテーブルに平面保持された測定対象物に光を照射し、測定対象物の表面および裏面から反射して戻る反射光を測定する。このとき、その反射光の変化から測定対象物に作用している主応力の差とその方向を求めている。また、第2の方法として、測定対象物に向けて照射した光のうち、測定対象物を透過した透過光の変化から測定対象物に作用している主応力の差とその方向を求めている(非特許文献1参照)。
また、共焦点方式で、かつ反射方式の光学系が提案されている(非特許文献2)。
最新 応力・ひずみ測定・評価技術(第49頁−第66頁) 監修:河田幸三 発行:株式会社 総合技術センター 2003年度博士論文 反射型レーザ光弾性実験装置の開発と皮膜の応力評価への応用 東京電機大学大学院研究科・機械システム工学専攻博士課程 島 靖郁
しかしながら、従来の各方法では次のような問題がある。
第1および第2の方法のいずれも1枚の透過性を有する測定対象物である基板に対しては、有効に機能する。しかしながら、光学特性、特に屈折率の異なる光学特性を有する複数の素材が積層された基板を、微小間隙をおいて配備した2枚の貼り合せ基板について主応力の差とその方向を測定する場合、2枚の基板のいずれの基板に、または両方の基板に作用する主応力の差とその方向を精度よく求めることができないといった問題がある。
すなわち、上記貼り合せ基板について、2枚の基板のいずれの基板、または両方の基板に作用する主応力の差とその方向を測定するために第1の方法を適用した場合、貼り合せ基板から反射して戻る反射光は、各基板の表面および裏面から戻るものが全て合成される。そのため、主応力の差とその方向を知るのに必要なそれぞれの基板の裏面からの反射光のみを取得したくても、個々に容易に分離することができない。また、第2の方法を適用した場合、貼り合せ基板を透過した透過光は、全てが合成され、基板ごとに透過した透過光を個々に分離することができない。
また、非特許文献2の方法では、測定に中心的な役割を担った素子として非偏光ビームスプリッタを使わざるを得ない。その事が光弾性信号(複屈折)の消光比を著しく劣化させており、微少な複屈折を検出できないといった問題点がある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、光学特性として屈折率の異なる複数の素材が積層された基板、特に微小間隙をおいて積層された貼り合せ基板について、応力の作用している基板を正確に分別するとともに、その基板に作用する応力で生じる複屈折の変化量および主応力の差とその方向を精度よく求めることのできる光弾性測定方法およびその装置を提供することを主たる目的としている。
そこでこの発明は、上記目的を達成するために次のような構成をとる。
すなわち、第1の発明は、光弾性測定方法であって、照射手段からの照射光を光学手段を介して直線偏光にする過程と、複数の層からなる透過性を有する測定対象物にレンズを介して前記直線偏光を照射しながら、レンズと測定対象物を光軸方向に沿って相対的に前後移動させて層同士が接触する複数の接触界面のうち所定の接触界面に焦点を合せる過程と、前記測定対象物から反射して戻る反射光を分離手段に透過させて初期の光路を戻る第1偏光と、この第1偏光と直交する第2偏光を別光路に分離して出力する分離過程と、分離された前記第2偏光のうち焦点面から反射して戻る偏光のみをピンホールに通過させて検出する偏光検出過程とを1サイクル処理とし、前記1サイクル処理後に、前記測定対象物に照射した偏光と、この測定対象物とを光軸回りに相対的に回転させ、少なくとも所定の3箇所ごとに前記1サイクル処理を行い、各サイクル処理時に検出された前記偏光の光強度の変化量と検出角度の位置情報とに基づいて回転角の2倍を変数とする正弦波の2乗からなるsinの2乗カーブとして求め、このsinの2乗カーブから測定対象物の各層に作用している主応力の差とその方向を求める演算過程と、を備えたことを特徴とする。
この測定方法によれば、直線偏光が測定対象物に照射されると、焦点を合せた接触界面(焦点面)から反射して戻る反射光と、それ以外の界面などから反射して戻る反射光とが合わさって光学手段に戻される。この反射光は、光学手段によって初期の光路に戻る第1偏光と、第1偏光とは個別光路に出力される第1偏光と直交する第2偏光とに分離される。そして光学手段から出力される第2偏光は、ピンホールを通過するときに所定の接触界面の焦点面から反射して戻る偏光のみが抽出される。換言すれば、所定層のみを透過して戻る偏光のみが抽出され、この偏光の光強度が層ごとに検出される1サイクルの処理が終了する。
1サイクル処理が終了すると、直線偏光と測定対象物を相対的に回転させ、少なくとも所定の3箇所の回転角度ごとに、1サイクル処理を行って各サイクル処理時の第2偏光の光強度の変化量を取得する。取得した複数個の光強度の変化量とその回転角度の位置情報とに基づいて回転角の2倍を変数とする正弦波の2乗からなるsinの2乗カーブとして求め、このsinの2乗カーブから測定対象物の各層に作用している主応力の差とその方向を求めることができる。
すなわち、回転角度ごとに抽出された偏光の光強度から測定対象物の所定層で複屈折により変化を受けた偏光の変化情報が取得される。このとき主応力の差は、回転角度ごとの位置情報と光強度の変化から導き出されるsinの2乗カーブの振幅が最大となる箇所を複屈折量が最大になる角度として求めることができる。また、このとき求まる角度が最大主応力の差の方向に対応する。このsinの2乗カーブが最大となる角度を求める演算式には、複屈折による光学的長さ、すなわち、複屈折量=主応力の差×測定対象物の厚み×光弾性係数の関係を利用する。この演算式内の3つのパラメータが既知であれば、残りの未知パラメータを求めることができる。一般に、測定対象物の厚み、光弾性係数は他の手段で容易に求める事ができるので、未知パラメータとして複屈折量を求めることにより複数層のうちの所定層の主応力の差とその方向を求めることができる。
なお、1サイクル処理時において、測定対象物とレンズを光軸方向に沿って相対的に前後移動させることにより、複数層間の各接触界面に焦点を合せることができる。そして、測定対象物から反射して戻る反射光をピンホールに通すことにより、各界面から反射して戻る偏光のみを抽出することができる。
なお、上記発明の光弾性測定方法において、前記分離過程で分離されて初期の光路を戻る第1偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみをピンホールに通過させて検出する反射光検出過程を備え、
前記演算過程は、さらに予め求めた前記照射手段からの反射光の光強度に対する前記偏光検出過程で検出された偏光および前記反射光検出過程で検出された偏光の両光強度の変化量を求め、この変化量に応じて実測により求まる第2偏光から検出した偏光の光強度を補正することが好ましい。
この光弾性測定発明によれば、光学手段で分離された第1偏光のうち焦点面で反射して戻る偏光のみが抽出される。したがって、第1偏光と第2偏光から抽出した両偏光の光強度から測定対象物を透過する過程で偏光が応力により受けた変化量が分かる。また、この変化量を補正する補正量を求めて補正処理をすることができる。また、測定対象物の照射側を第1層の第1面と定義し、この順で番号付けすると、第1層の第1面からの反射光の光強度の変化量は、複屈折の変化量を含まない。したがって、この第1面から反射する反射光の光強度を利用して光量で実測により求まる第2偏光を補正でき、測定精度を上げられる。
また、上記発明の光弾性測定方法において、前記反射光が前記光学手段に入射する前に、複屈折の変化量が予め決められた光学素子に反射光を透過させることが好ましい。
この光弾性測定発明によれば、反射光を分離する前に光学素子に透過させることにより、所定層を通過したときに作用している複屈折の変化量に光学素子が有する予め決まった複屈折の変化量が合算される。したがって、所定層に作用している複屈折の変化量の値が小さくても、基準となる閾値レベルを高めているので、容易にその値を求めることができ、ひいては所定層に作用している微小な主応力の差とその方向を精度よく求めることができる。
また、上記発明の光弾性測定方法において、前記測定対象物に照射した偏光と、この測定対象物との光軸回りの相対的な回転は、前記偏光を光軸回りに回転させる光学素子を前記光学手段とレンズの間に配置して行うことが好ましい。
この光弾性測定発明によれば、直線偏光を作る光学系と分離過程の光学系のみを回転させればよいので、測定対象物などを回転させたり、光学系を回転させたりする大掛かりな駆動機構などが不要となる。
また、上記発明の光弾性測定方法において、前記測定対象物の最外側の層に押圧をかけた押圧状態と非押圧状態のときの各主応力の差を求め、両値の偏差に基づいて、測定対象物に作用している主応力の差の状態を特定することが好ましい。
この光弾性測定発明によれば、測定対象である所定層に作用している応力が圧縮応力であるか引張応力であるかを容易に特定することができる。例えば、ガラス基板などの板状物に応力が作用している場合、通常、反りが発生している。この状態で凹入湾曲している内側には圧縮応力が作用しており、反り返っている外側には引張応力が作用している。また、複数層が積層されている場合は、同じような現象が発生している。つまり、凹入湾曲側に位置する層に圧縮応力が作用し、外側の層に引張応力が作用する。
ここで、非押圧状態で求めた所定層の主応力の差の方向については、90°の不定性がある。そこで、最外側の層を押圧状態で測定したとき、その層の応力差が大きくなれば、その層は、引っ張り状態あることが分かる。逆に、応力差が小さくなれば、圧縮状態であると分かる。
また、上記発明の光弾性測定方法において、さらに、前記1サイクル処理を測定対象物の中央寄りの予め決めた位置から端縁方向に間欠的または連続的に行い、この1サイクル処理を偏光と測定対象物との光軸回りに回転させて少なくとも3箇所で行い、前記演算処理過程は、複数回の1サイクル処理ごとに同一焦点面上の複数箇所の主応力の差とその方向を求め、さらに、この複数箇所の主応力の差とその方向から2つの分布曲線を近似し、この曲線から所定層に作用する主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定することが好ましい。
この光弾性測定発明によれば、求まる分布曲線から焦点面ごとに作用する応力の状態を判断することができる。すなわち、2つの分布曲線から焦点面に作用する主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定することができる。
また、上記発明の光弾性測定方法において、さらに、前記測定対象物と同じ試料を用いて当該試料に圧縮および引っ張り応力を作用させ、前記試料からの反射光を光弾性変調器に入力させ、その光強度を予め決めた周波数に変調し、前記分離過程で分離された変調後の第2偏光をロックインアンプに入力させて直流成分を除去し、交流成分である回転角の2倍を変数とする正弦波として予め基準情報を取得し、前記測定対象物の実測において、当該測定対象物からの反射光を光弾性変調器に入力させ、その光強度を予め決めた周波数に変調し、前記分離過程で分離された変調後の第2偏光をロックインアンプに入力させて直流成分を除去し、交流成分である回転角の2倍を変数とする正弦波として実測情報を取得し、前記実測情報と基準情報を比較し、主応力の差の状態を特定することが好ましい。
この光弾性測定発明によれば、所定の周波数の変調を光弾性変調器を利用して第2偏光にかけるとともに、当該第2偏光をロックインアンプに入力させることにより、sinの2乗カーブから直流成分を除去し、回転角の2倍を変数とする正弦波として抽出できる。したがって、同一試料で求めた圧縮および引っ張りの基準情報と、実測により求まる実測情報とを比較することにより、測定対象物に作用している主応力の差が圧縮であるか、それとも引っ張りであるかを容易に特定することができる。
また、上記発明の光弾性測定方法において、焦点を合せるレンズを固定し、前記測定対象物に照射した偏光と、この測定対象物とを光軸回りに相対的に0から180°回転させ、求まる複屈折量が最小となる角度を予め検出し、当該角度に光軸を合せる過程と、前記1サイクル処理を行う所定回転角度への移動に同期させて前記レンズを回転させる過程を備えることが好ましい。
この光弾性測定発明によれば、レンズ自体が有する残留応力を無視することができる。すわなち、レンズを固定した状態で測定対象物に照射した偏光と、この測定対象物とを光軸回りに相対的に回転させることにより、レンズ自体が有する残留応力の影響で発生する複屈折量の変化を求まることができる。換言すれば、当該複屈折量が最小となる角度に光軸を合せた後に、第1光学手段と同期をとりながら回転させた場合、レンズが有する複屈折量が常に最小の値となる。したがって、当該複屈折量を無視し、測定対象物に生じている複屈折量の変化のみを利用することができる。したがって、測定精度を向上させることができる。
また、この発明は、上記目的を達成するために次のような構成をとる。
すなわち、光弾性測定装置であって、複数の層からなる透過性を有する測定対象物を保持する保持手段と、前記測定対象物に向けて光を照射する照射手段と、前記光を透過させて直交する2方向の偏光成分からなる偏光にする第1光学手段と、前記偏光を透過させて前記測定対象物の所定層の界面に焦点を合せるレンズと、前記測定対象物の焦点面から反射して戻る偏光のうち初期の光路を戻る第1偏光と、この第1偏光と直交する第2偏光を別光路に分離して出力する分離手段と、分離された前記第2偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみを通過させるピンホールの形成された部材と、前記ピンホールを通過した第2偏光の光強度を検出する第1検出手段と、前記レンズと保持手段を偏光の光軸方向に沿って相対的に前後移動させる移動手段と、前記保持手段と前記第1光学手段とを光軸回りに相対的に回転させる回転手段と、前記回転手段により測定対象物に照射した偏光と、この測定対象物とを光軸回りに相対的に回転させ、少なくとも所定の3箇所ごとに前記第1検出手段で検出された前記偏光の光強度の変化量と検出角度の位置情報とに基づいて回転角の2倍を変数とする正弦波の2乗からなるsinの2乗カーブとして求め、このsinの2乗カーブから測定対象物の各層に作用している主応力の差とその方向を求める演算手段と、を備えたことを特徴とする。
この光弾性測定装置によれば、保持手段に保持された測定対象物に向けて照射手段から照射された光が、光学手段によって直線偏光にされる。この偏光を照射しながら移動機構によって保持手段と測定対象物とが光軸方向に沿って前後に移動させられることにより、所定の界面に焦点が合わされる。その焦点面および他の界面などで偏光が反射して第1光学手段に戻され、各層を透過するときに複屈折による変化量の作用していない偏光が、第1偏光として初期光路に戻される。複屈折による変化量の作用して生じた反射光は、第2偏光として光学手段によって第1偏光とは別光路に出力される。
第1光学手段から出力された第2偏光がピンホールを通過するときに、焦点の合わされた所定の界面から反射して戻る偏光のみが抽出され、この偏光が第1検出手段により検出される。この処理を1サイクル処理とし、直線偏光と測定対象物を相対的に回転させ、任意の少なくとも3箇所の回転角度ごとに、1サイクル処理を行って各サイクル処理時の第2偏光の光強度の変化量を取得する。
演算手段は、サイクル処理ごとに取得した複数個の光強度の変化量とその回転角度の位置情報とから回転角の2倍を変数とする正弦波の2乗からなるsinの2乗カーブを求め、このsinの2乗カーブから測定対象物の各層に作用している主応力の差とその方向を求めることができる。すなわち、第1の方法発明を好適に実現することができる。
なお、この装置発明によれば、分離手段で分離された第1偏光のうち焦点面から反射して戻る偏光のみを通過させるピンホールの形成された部材と、ピンホールを通過した偏光の光強度検出する第2検出手段とを備え、演算手段は、第1検出手段により検出された偏光の光強度を用いて第2検出手段により検出された偏光の光強度を除算するように構成することが好ましい。
この構成によれば、第1および第2偏光から応力により受けた変化量が分かるとともに、この変化量を補正する補正量を求めることができる。また、第1層の第1面からの反射光の光強度の変化量は、複屈折の変化量を含まない測定対象物の第1面から反射する光量で補正でき、測定精度を上げられる。すなわち、第2の方法発明を好適に実現することができる。
また、この装置発明によれば、反射光が前記分離手段に入射する前段に、複屈折の変化量が予め決められた第2光学手段を備えることが好ましい。
この構成によれば、第3の方法発明を好適に実現することができる。
なお、この装置発明の回転手段として、例えば、第1光学手段から測定対象物に向う偏光を透過させ、その光軸回りに回転させる光学素子を利用してもよい。
この構成によれば、回転角度ごとに求まる偏光の光強度の値から回転角の2倍を変数とする正弦波の2乗からなるsinの2乗カーブとして求め、このsinの2乗カーブから応力差の方向が算出される。最低3種の角度により偏光強度からsinの2乗カーブを見積もりできる。すなわち、第4の方法発明を好適に実現することができる。
また、この装置発明によれば、さらに、以下の構成を含むことにより、測定対象物に作用する主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定することができる。
すなわち、上記構成は、押圧部材の先端を測定対象物の最外側の層に接触させて押圧する作用位置と非接触状態で離間した待機位置とにわたって押圧部材を移動させる移動機構をさらに備え、前記演算手段は、測定対象物の最外側の層に押圧をかけた押圧状態と非押圧状態のときの各主応力の差を求め、両値の偏差に基づいて測定対象物に作用している主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定することが好ましい。この構成によれば、第5の方法発明を好適に実現できる。
また、上記構成は、測定対象物に向う偏光を測定対象物の中央寄り所定位置から端縁方向に間欠的または連続的に走査する走査手段を備え、前記演算手段は、前記走査手段の偏光の走査により検出される第2偏光を利用し、同一焦点面上の複数箇所の主応力の差とその方向を求め、さらに、この複数箇所の主応力の差とその方向から2つの分布曲線を近似し、この曲線から所定層に作用する主応力の差が圧縮か引っ張りかを判断できる。この構成によれば、第6の方法発明を好適に実現できる。
また、上記構成は、前記測定対象物からの反射光を入力させ、その光強度を予め決めた周波数に変調する光弾性変調器と、変調されてピンホールを通過した第2偏光を入力させて直流成分を除去し、交流成分である回転角の2倍を変数とする正弦波として実測情報を抽出するロックインアンプとを備え、前記演算手段は、前記測定対象物と同じ試料を用いて当該試料に圧縮および引っ張り応力を作用させたときの各主応力の差を回転角の2倍を変数とする正弦波として予め基準情報を取得しておき、当該基準情報と実測情報とを比較し、測定対象物に作用している主応力の差の状態を特定することが好ましい。この構成によれば、第7の方法発明を好適に実現できる。
また、この装置発明によれば、前記保持手段を傾斜させる駆動手段と、前記検出手段によって検出された偏光の位置に応じて保持手段に保持された測定対象物の傾斜量が前記演算手段により求められ、この傾斜量にしたがって前記駆動手段を作動させて前記保持手段の平行度を維持させる駆動制御手段とを備えることが好ましい。
この構成によれば、保持手段に保持された測定対象物の平行度が維持されるので、測定対象物で反射して戻る第1偏光が、初期の直線偏光と光路と重なり合う。すなわち、光路ズレなく、焦点面から反射して戻る第1および第2偏光を各ピンホールに確実に通過させることができ、測定対象の偏光を精度よく検出することができる。
また、この装置発明によれば、前記レンズを偏光の光軸回りに回転させるレンズ回転手段と、前記駆動手段は、前記レンズを固定し、照射手段から測定対象物に光を照射しながら保持手段と第1光学手段とを光軸回りに相対的に0から180°回転させ、求まる複屈折量が最小となる角度を予め検出し、レンズと第1光学手段とを相対的に回転させて検出された当該角度に位置合せし、回転手段を操作して保持手段と第1光学手段とを光軸回りに相対的に回転させるのに同期させてレンズ回転手段を回転操作してレンズを光軸回りに回転させるよう構成することが好ましい。
この構成によれば、レンズ自体が有する残留応力を無視することができる。すわなち、レンズを固定した状態で保持手段と第1光学手段を相対的に0〜180°回転させることにより、レンズ自体が有する残留応力の影響で発生する複屈折量の変化を求まることができる。換言すれば、当該複屈折量が最小となる角度に光軸を合せた後に、第1光学手段と同期をとりながら回転させた場合、レンズが有する複屈折量が常に最小の値となる。したがって、当該複屈折量を無視した状態で測定対象物に生じている複屈折量の変化のみを利用することができる。その結果、測定精度を向上させることができる。
本発明に係る光弾性測定方法およびその装置によると、測定対象物のうち焦点を合せた所定層から反射して戻る反射光のうち偏光状態の変化した偏光成分のみを抽出し、この偏光成分の光強度の変化量を参照することにより、任意の層に作用している応力の影響で生じる複屈折の変化量を抽出することができるとともに、この複屈折の変化量から任意の層に作用している主応力の差およびその方向を精度よく求めることができる。また、検出する偏光の光強度の変化状態から応力の作用している層も分別することができる。
実施例1に係る光弾性測定方法を実現する装置の概略構成を示す図である。 平行度検出部による偏光の受光状態を示す平面図である。 主応力の差とその方向を測定する一巡の処理および動作を示すフローチャートである。 測定対象物の各焦点面で反射する反射光の状態を示す図である。 第2偏光の光強度の検出状態を示す図である。 実施例2に係る光弾性測定方法を実現する装置の概略構成を示す図である。 変形例装置の構成を示す図である。 変形例装置の構成を示す図である。 ロックインアンプにより得られる弾性信号の出力図である。 ガラス基板に作用している弾性応力の状態を示す比較図である。 測定対象物に作用する主応力差の向きを測定する模式図である。 遮光板の平面図である。 変形例装置の構成を示す図である。 変形例装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 … 光源
3 … 第1偏光検部
4 … 反射ミラー
5 … 光学系ユニット
6 … 対物レンズ
7 … 可動台
8 … 載置台
9 … 第2偏光検出部
10 … 第1非偏光ビームスプリッタ
11 … 偏光板
12 … BDP
13 … λ/4波長板
15 … ピンホール
19 … ピンホール
22 … 平行度検出器
23 … 制御ユニット
24 … 演算処理部
25 … 駆動制御部
27 … 駆動機構
28 … アクチュエータ
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の光弾性測定方法を利用した実施例装置の概略構成を示す図である。
この実施例装置は、液晶パネルやプラズマディスプレイのように2枚の透過性を有するガラス基板W1,W2を、微小間隔をおいて重ね合わせた測定対象物Wと、中央に開口Hの形成された載置台8に平面保持した測定対象物Wに向けて光を照射する光源1とが配備されている。さらに、この光源1から測定対照物Wまでの光路上に対物レンズ2、第1偏光検出部3、反射ミラー4、光学系ユニット5、対物レンズ6を備えて前後に移動する可動台7、および第2偏光検出部9が配備されている。以下、これら各構成について詳述する。
光源1は、近赤外域のSLD(Super Luminescent Diode)や半導体レーザや白色LED(Light emitting diode)などのランダム偏光のものが利用される。この光源1から出力された光は、対物レンズ2により集光されて第1偏光検出部3を構成する第1非偏光ビームスプリッタ10に向う。なお、光源1は、本発明の照射手段に相当する。
第1非偏光ビームスプリッタ10は、無極性のものである。つまり、光源1からの光を直進方向と直交方向に2分する。一方は測定系の外(図1中の一点鎖線の矢印で示す方向)に出る。また、この実施例では、測定対象物Wから反射して戻る反射光を2分し、一方を第1偏光検出部3の第1フォトダイオード21に向かわせる。他方は、光源側に戻る。
つまり、第1非偏光ビームスプリッタ10は、測定対象物Wから反射した光を直角方向に分岐して第1光検出部3の第1フォトダイオード21に向かわせる。つまり、測定対象物Wの各ガラス基板W1,W2の各表面および各裏面で反射して初期の直線偏光と同一光路に戻る直線偏光(以下、適宜「第1偏光A」という)のうち、偏光面が初期の偏光状態と同じ偏光成分が第1非偏光ビームスプリッタ10に戻される。
反射ミラー4は、中央に開口Hの形成されたリング形状であり、その鏡面を測定対象物Wに向けた傾斜姿勢で配置されている。つまり、光源1からの一方の直線偏光および測定対象物Wから反射して同一光路を戻る第1偏光Aを開口Hに通過させる。また、測定対象物Wで反射して戻る直線偏光のうち、測定対象物Wを透過する過程で応力の影響により偏光状態が変化した成分を後述する光学系ユニット5を構成するBeam Displacing Prism12(以下、単に「BDP12」という)を通過させたとき、初期状態の第1偏光Aと異なる方向に出力される他方の第2偏光Bを反射させて第2偏光検出部9に向かわせる。具体的には、光学系ユニット5を直線偏光の光軸回りに回転させたとき、BDP12から出力される第2偏光Bは所定の円軌道を通る。反射ミラー4は、この第2偏光Bの円軌道に合せたリング形状であり、第2偏光Bを第2偏光検出部9に向けて反射できるように構成されている。
光学系ユニット5は、光源1の側から順に偏光板11、BDP12、λ/4波長板13、およびBDP12に入射した反射光のうち分離出力される第2偏光Bの光路上にピンホール15の形成された板状物16が配備された構成となっている。
偏光板11は、第1非偏光ビームスプリッタ10から到達したランダム偏光を透過させ、それを偏光板11を通すことで、直線偏光にしてBDP12に向かわせる。なお、偏光板11は、本発明の第1光学手段に相当する。
BDP12は、到達した直線偏光を全透過させて下流側に向かわせる。また、測定対象物Wから反射して戻る偏光を透過させたとき、入射時と同じ偏光面を有する直線偏光(垂直成分である第1偏光A)を同一光路に戻し、測定対象物Wを透過する過程で測定対象物Wに作用している応力の影響を受けて偏光状態が変化した成分(水平成分の第2偏光B)のみを抽出し、第1偏光Aとは異なる方向に出力する。つまり、第2偏光Bは、上流側に配備された反射ミラー4に向けて出力される。なお、BDP12は、本発明の分離手段に相当する。
λ/4波長板13は、BDP12に対して光軸回りに微少角(例えば、0.001ラジアン)傾けて配備されており、BDP12から入射する直線偏光を楕円偏光にする。また、測定対象物Wの各面から反射して戻る反射光をその内部に通過させることにより、略直線偏光に戻す。つまり、測定対象物Wのガラス基板W1やW2に応力が作用している場合、光弾性により偏光成分の位相が変化し、この変化の生じた楕円偏光を通過させて、複屈折の変化量を含む直線偏光に変換する。
なお、λ/4波長板13は、予め決まった複屈折の変化量を有する光学部材であり、第2偏光検出部9で検出される第2偏光Bの光強度の検出信号Isの値を大きくしている。つまり、λ/4波長板13は、本発明の第2光学手段として機能する。
換言すれば、測定対象物Wに作用している応力の影響を受けた第2偏光Bの光強度の検出信号Isは、初期光の光強度の信号に比べて微小であるある場合がある。このような場合、外乱の影響で発生するノイズ成分が加わり第2偏光Bの検出信号Isを制度よく求めることができない。そこで、予め決まった複屈折の変化量を有するλ/4波長板13を介在させて、光強度の検出信号Isを意図的に増加させることにより、第2偏光Bの検出信号Isの検出精度を向上させることができる。なお、λ/4波長板13は、本発明の第2光学手段に相当する。
板状物16のピンホール15は、下流側に配備した対物レンズ6を光軸に沿って前後に移動させ、測定対象物Wを構成するガラス基板W1,W2の各層の表面や裏面に焦点を合せたされたときの各焦点面から反射して戻る反射光のうち、BDP12で分離された第2偏光のみが通過するようになっている。なお、この実施例の焦点面は、ガラス基板W1の表面とその表面に接する空気層との接触界面、ガラス基板W1,W2の間隙にある空気層と接触するガラス基板W1の裏面やガラス基板W2の表面との接触界面、および、ガラス基板W2の裏面と載置台8の表面との接触界面とがある。
対物レンズ6は、可動台7に装着されている。すなわち、可動台7の前後移動に連動して光学系ユニット5から測定対象物Wに向かわせる楕円偏光の焦点位置を変位可能に構成されている。
載置台8は、矩形状の測定対象物Wの端縁部分を保持しつつ、中央部分では光を通過させるように開口が形成されている。
第2偏光検出部9は、レンズ9aと第2フォトダイオード9bら構成されている。つまり、反射ミラー4で反射された第2偏光Bがレンズ9aで集光され、第2フォトダイオード9bで受光される。この受光された光強度を検出信号Isに変換して制御ユニット23に送信する。なお、第2偏光検出部9は、本発明の第1検出手段に相当する。
第1偏光検出部3は、第1非偏光ビームスプリッタ10、第2非偏光ビームスプリッタ17、レンズ18、ピンホール19の形成された板状物20、および第2フォトダイオード21から構成されている。なお、第1偏光検出部3は、本発明の第2検出手段に相当する。
第2非偏光ビームスプリッタ17は、無極性のものであり、光を直進方向と直交方向に2分する。つまり、第1非偏光ビームスプリッタ10から到達した光を分岐する。各々の光を第1偏フォトダイオード21と平行度検出器22に向わせる。
レンズ18は、第2非偏光ビームスプリッタ17から到達した直線偏光を集光して板状物に形成されたピンホール19に焦点が合わされている。
第1フォトダイオード21は、ピンホール19を通過した第1偏光Aを受光して、光強度の検出信号Irに変換して制御ユニット23に送信する。
平行度検出部22は、載置台8に保持された測定対象物Wの撓みや反りの発生状態を検出する。図2に示すように、平行度検出部22は、4個のフォトダイオード22a〜22dが2次元アレー状に隣接配備されており、第2非偏光ビームスプリッタ17から到達する直線偏光の光軸が互いに隣接し合う中心点Cに位置し、4個のフォトダイオード22a〜22dにまたがって均等に受光されるようになっている。各フォトダイオード22a〜22dで受光した直線偏光を光強度の検出信号に変換して制御ユニット23に送信する。つまり、平行度検出部22は、反射光の光路のズレを検出している。なお、平行度検出部22は、本発明の検出手段に相当する。
制御ユニット23は、演算処理部24、駆動制御部25、および操作部26などを含む。以下、各構成について具体的に説明する。
演算処理部24は、主として2通りの処理を行っている。第1の処理として、載置台8に保持された測定対象物Wの反りなどの影響によって、焦点面から反射して戻る偏光が、第1および第2偏光検出部9、3の両フォトダイオード9b、21で受光されるように光路のズレの補正量を算出する。第2の処理として、測定対象物Wの所定のガラス基板W1またはW2に作用している応力によって発生する複屈折の変化量、光弾性係数、およびガラス基板の厚みのうちの未知パラメータ、並びに所定のガラス基板に作用する主応力の差とその方向を求める。これら具体的な処理については、動作説明で詳述する。なお、演算処理部24は、本発明の演算手段に相当する。
駆動制御部25は、操作部26によって設定された条件に基づく駆動信号を回転駆動機構27やアクチュエータ28に送信する。つまり、回転駆動機構27が、光源1からの初期光の光軸回りに光学系ユニット5を所定の回転角度に回転移動するように制御する。また、載置台8をXY平面上でチルトさせる。なお、駆動機構26は、本発明の回転手段に、アクチュエータ28は駆動手段にそれぞれ相当する。
これら各構成を含む制御ユニット23は、上記の処理以外に初期の設定条件に基づいて各駆動機構などの動作を制御する。
次に、上記実施例装置を用いて、測定対象物Wの各ガラス基板W1,W2に作用する主応力の差と主応力の差の作用している方向を測定する一巡の動作および処理について、図3に示すフローチャートに沿って説明する。なお、測定対象物Wを構成するガラス基板W1,W2の両方に応力が作用している場合を例にとって説明する。
オペレータは、操作部26を操作して測定対象物Wの総厚み、光学系ユニット5の回転角と測定回数などの測定条件を設定入力する(ステップS1)。なお、この実施例の場合、回転角は、基準0°、45°、90°の3箇所で測定対対象物Wの各ガラス基板W1,W2に作用する主応力の差とその方向の測定を行うように設定する。
条件設定が完了すると、載置台8に測定対象物Wが載置保持されるとともに、各駆動機構が作動制御されて測定開始できる状態となる。この時点で可動台7が作動し、対物レンズ6による焦点位置が、測定対象物Wの最表面に合せられる。これら測定条件が整うと、オペレータは、テスト照射をする(ステップS2)。このとき、光源1から測定対象物Wに向けて直線偏光が照射され、反射して戻る第1偏光Aを平行度検出器22で受光し、フォトダイオード22a‐22dごとの光強度の検出信号を制御ユニット23の演算処理部24に送信する。
演算処理部24は、フォトダイオード22a‐22dごとの光強度値と平均値から光源1から測定対象物Wまでの光路のズレの有無を判断する(ステップS3)。光路のズレがあることが確認できた場合、演算処理部24は、測定対象物Wの反りなどの影響で起こる煽りを補正するための補正量を求めて信号変換する(ステップS4)。この補正信号に基づいて、駆動制御部25は、アクチュエータ28を作動させて載置台8をチルトさせ、反射光が平行度検出器22の各フォトダイオード22a−22dに均等に照射させるようにする(ステップS5)。
光路ズレの煽り補正処理が完了すると、再度テスト照射を行う。この時点で光路ズレが解消されていれば、所定の設定角度での1回目の第1測定を開始する(ステップS6)。光路ズレが解消されていなければ、ステップS2からの煽り補正処理が繰り返し行われる。
第1測定では、光学系ユニット5をX,Y軸の基準0°に位置合せされた状態で測定を開始する。具体的には、光源1から測定対象物Wに向けて光を照射する。光は、対物レンズ2で集光され、第1非偏光ビームスプリッタ10で分岐されて直進する。この光は、偏光板11で直交成分からなる直線偏光にされ、BDP12を全透過して測定対象物Wに到達する。
この光を照射しながら測定対象物Wの厚み分だけ可動台7を前進させ、ガラス基板W1,W2の各表裏面で反射して戻る第1偏光Aと第2偏光Bを第1および第2フォトダイオード9b、21で受光する。これら各光強度の変化をリアルタイムに検出信号Is,Irに変換して演算処理部24に送信する。
このとき、ガラス基板W1,W2に応力が作用している場合、各焦点面で反射して戻る反射光に第2偏光Bが含まれている。つまり、図4に示すように、ガラス基板1の表面と空気層との接触界面(焦点面P1)で反射して戻る反射光R1、ガラス基板W1とガラス基板W2との微小間隙の空気層とガラス基板W1の裏面との接触界面(焦点面P2)で反射して戻る反射光R2、空気層とガラス基板W2の表面との接触界面(焦点面P3)で反射して戻る反射光R3、およびガラス基板W2と載置台8との接触界面(焦点面P4)で反射して戻る反射光R4のそれぞれに、第2偏光Bの光強度の検出信号Isの成分が含まれている。
各焦点面P1〜P4で反射して戻る反射光は、初期光と同一光路に戻され、再びBDP12を透過される。このとき、応力の影響を受けて生じた第2偏光Bと影響のない第1偏光Aとに分離される。分離された第1偏光Aは、上流側の第1フォトダイオード21で受光される。第2偏光Bは、第1偏光Aとは別光路に出力され、ピンホール15を通過して反射ミラー4に到達し、反射ミラー4によって反射されて第2フォトダイオード9bに向かう。第2フォトダイオード9bで受光された各焦点面P1〜P4から反射して戻る第2偏光Bの光強度は、図5に示すように、3つのピークとして現れる。
この実施例では焦点面P1〜P4の4箇所あるので4つのピークが発生するはずであるが、3つのピークとなって現れる。この現象は、空気層の前後のガラス面で反射する光で干渉が生じて光強度が高められ焦点面P2およびP3で反射して戻る反射光R2およびR3が合成されたものとなっていることが新たな知見として得られた。この図5で示す実線が、検出対象の光弾性信号であり、破線が測定対象物Wで反射して戻る反射光の信号である。
したがって、演算処理部24は、まず、これら第1および第2フォトダイオード9b、21からの検出信号のうち焦点面P2、P3で反射して戻る合成された反射光に含まれる検出信号と焦点面P2で反射して戻る検出信号を抽出し、両検出信号Isの値を補正する。つまり、第2偏光Bの検出信号Isを第1偏光Aの検出信号Irで除算したIs/Irで補正する。そして、この補正後の光強度値と測定時の光学系ユニット5の回転角の位置情報を関連付けして記憶しておく。以上で第1測定が終了する。
第1測定が終了すると、駆動制御部25は、可動台7を測定開始位置に復帰さながら同時に光学系ユニット5を光軸回りに45°回転させて第1測定と同じ処理の第2測定を行い(ステップS7)、さらに、第2測定が終了すれば、第3測定を継続して行う(ステップS8)。
第1測定〜第3測定が終了すると、演算処理部24は、ガラス基板W1,W2に作用している各主応力の差とその方向を求める(ステップS9)。具体的に、演算処理部24は、記憶しておいた3つの回転角の光強度値と位置情報を、同じ焦点面ごとに一群のデータとして整理し、データ群ごとに光強度値をXY平面上へのプロットし、このプロット状態から光学系ユニット5を1回転させたときに得られる回転角の2倍を変数とする正弦波の2乗からなるsinの2乗カーブをシミュレーションによりモデルを作成し、このモデルと実測値とを最小2乗法により誤差を最小にするようモデルを最適化する。以降、「シミュレーションによる近似」をこの意味で使う。そして、得られるsinの2乗カーブの振幅が最大値を主応力の差として求める。また、このときの角度を最大主応力差の方向として特定する。以上で、測定対象物Wの各ガラス基板W1,W2に作用している主応力の差とその方向(最大主応力差の方向±45度)の測定が完了する。
上述の構成を有する光弾性測定装置によれば、測定対象物Wのガラス基板W1の表面に焦点を合せ、測定対象物Wの層厚み分対物レンズ6を前進移動させ、各ガラス基板W1,W2に対する焦点を変位させることにより、各焦点面P1〜P4から反射して戻る反射光のうち、ガラス基板W1,W2を透過する過程で両ガラス基板W1,W2に作用している応力の影響で偏光状態が変化して生じた垂直成分の第2偏光BのみをBDP12で分離して取り出すことができる。このBDP12で分離した第2偏光Bを、さらにピンホール15を通過させることにより、ガラス基板W1の裏面(焦点面P2とガラス基板W2の表面(焦点面P3)から反射して戻るガラス基板W1の応力の影響を受けた第2偏光Bと、ガラス基板W2の裏面(焦点面P4)から反射して戻るガラス基板W2の応力の影響を受けた第2偏光Bのみを抽出することができる。換言すれば、共焦点を利用することにより、任意のガラス基板(層)に作用している応力の影響を受けた第2偏光を測定できる。
そして、光学系ユニット5を光軸回りに回転させ、少なくとも3箇所の所定の回転角から同じ条件で取得した一群の第2偏光Bの光強度値を焦点面ごとに整理し、XY平面上へのプロットする。このプロット状態から光学系ユニット5を1回転させたときに得られる回転角の2倍を変数とする正弦波の2乗からなるsinの2乗カーブをシミュレーションにより近似する。すなわち、このsinの2乗カーブから振幅が最大となる箇所を複屈折量が最大になると特定し、そのときの複屈折量を利用して主応力の差を求めることができる。さらに、このときの角度を最大主応力差の方向として特定することができる。
また、平行度検出器22を利用することにより、測定光の光路ズレを補正することができ、第1偏光Aおよび第2偏光Bを第1および第2フォトダイオード21、9bで精度よく受光できる。
さらに、複屈折量が既知のλ/4波長板13を光学系ユニット5に介在させておくことにより、第2偏光Bの検出信号が微小であっても増幅させることができる。すなわち、ガラス基板W1,W2に作用している微小な応力であっても精度よく測定することができる。
本実施例は、上記実施例1と光学素子などのレイアウトを変更し、光源から照射される全ての光を測定に寄与するように構成している。したがって、同じ構成部分には、同一符号を付すに留め、異なる部分について具体的に説明する。
図6は、本実施例装置の概略構成を示す図である。
この実施例装置は、光源1Aから測定対照物Wまでの光路上に第1偏光検出部3A、偏光板40、直線偏光板41、λ/2波長板42、第3偏光ビームスプリッタ43、λ/4波長板44、光学系ユニット5A、および対物レンズ6を備えて前後に移動する可動台7が配備されている。また、第3偏光ビームスプリッタ43で分岐された光を初期光路とは別光路に向うその光路上にレンズ9a、ピンホール16、第2フトダイオード9bが配備されている。以下、各構成について具体的に説明する。
光源1Aは、所定の中心周長の光を発生させる。例えば、本実施例の場合、中心周長が635nmの半導体レーザが利用される。この光源1は、出力されるレーザ光が水平成分からなるように設置され、この光は第1偏光検出部3Aを構成する第1偏光ビームスプリッタ10Aに向う。なお、光源1Aは、本発明の照射手段に相当する。
第1偏光ビームスプリッタ10Aは、水平成分のみを透過させる極性を有する。本実施例の場合、光源10Aからの全ての光を直進方向に透過させて偏光板40に向せる。
偏光板40は、Faraday Rotatorであり、第1偏光ビームスプリッタ10Aからの水平偏光を45°回転させる。この偏光を直線偏光板41に向せる。また、測定対象物Wから反射して戻る反射光を45°更に回転し、この光学系では垂直偏光成分のみに変換する。その結果反射光の全光量が、第1偏光ビームスプリッタ10Aを直進透過せず、初期光と直交する第2フォトダイオード21に向かうようになる。
直線偏光板41は、往復透過する初期光と反射光を直線偏光にする。
λ/2波長板42は、直線偏光板41から入射する45°の直線偏光を透過させる過程で、さらに45°戻し、元の水平成分である直線偏光に戻して第3偏光ビームスプリッタ43に向かわせる。なお、反射光についても45°戻し、このλ/2波長板42および下流側のλ/4波長板44との協働により偏光方向を90°回転させ第1偏光ビームスプリッタ10Aへの反射光を垂直成分のみにする。つまり、全光量の反射光にする。
第3偏光ビームスプリッタ43は、初期光路および下流側のBDP12で分離出力される2つの直線偏光の光路にまたがって配備されている。また、第3偏光ビームスプリッタ43は、極性を有し、水平成分の直線偏光を直進させ、垂直成分は直交する方向に向かわせる。つまり、λ/2波長板42からの直線偏光は全て透過させ下流側のλ/4波長板44に向かわせ、反射光のうち測定対象物Wを透過する過程で応力の影響を受けて発生した水平成分は、初期光路と直交する方向に向かわせる。つまり、第2フォトダイオード9bに向かわせる。
λ/4波長板44は、初期光路および下流側のBDP12で分離出力される2つの直線偏光の光路にまたがって配備されている。つまり、第3偏光ビームスプリッタ43から到達する直線偏光を透過させ、さらに45°傾かせ、円偏光にする。また、測定対象物Wから反射し、BDPで分離されて上流側のλ/4波長板13aを透過して戻る2つの第1および第2円偏光A、Bの両方とも、さらに45°回転させて円偏光から直線偏光に戻す。つまり、測定対象物Wのガラス基板W1やW2に応力が作用している場合、光弾性により、偏光の位相が変化し、この変化の生じた楕円偏光を通過させて、複屈折の変化量を含む直線偏光に変換する。
光学系ユニット5Aは、光源1Aの側から順にλ/4波長板13A、BDP12、および光弾性変調器45から構成されている。
λ/4波長板13Aは、初期光路および下流側のBDP12で分離出力される2つの直線偏光の光路にまたがって配備されている。つまり、上流側からの円偏光を透過させ、さらに45°回転させて直線偏光に戻す。また、測定対象物Wからの反射光である楕円偏光をその内部に通過させることにより、さらに45°傾け、円偏光にする。
BDP12は、到達した直線偏光を全透過させて下流側の光弾性変調器45に向かわせる。また、測定対象物Wから反射して戻る偏光を透過させたとき、入射時と同じ偏光面を有する直線偏光(垂直成分である第1偏光A)を同一光路に戻し、測定対象物Wを透過する過程で測定対象物Wに作用している応力の影響を受けて偏光状態が変化した成分(水平成分の第2偏光B)のみを抽出し、第1偏光Aとは異なる方向に出力する。つまり、第1偏光Aおよび第2偏光Bは、BDP12の同じ面の異なる位置から出力される。なお、BDP12は、本発明の分離手段に相当する。
光弾性変調器45は、測定対象物Wに向う直線偏光を楕円偏光にする。また、測定対象物Wから反射し、測定対象物Wに作用している応力の影響で楕円偏光の向きが、光軸回りに微少に回転した楕円偏光をそのまま全透過させる。
なお、光弾性変調器45は、予め決まった複屈折の変化量を有するので、第2偏光検出部9で検出される第2偏光Bの光強度の検出信号Isの値を大きくする。つまり、光弾性変調器45は、本発明の第2光学手段として機能する。
載置台8は、矩形状の測定対象物Wの端縁部分を保持しつつ、中央部分では光を通過させるように開口Hが形成されている。
第2偏光検出部9は、レンズ9a、ピンホール15の形成された板状物16、第2フォトダイオード9bら構成されている。つまり、第3偏光ビームスプリッタ43で光路の変更された垂直成分の第2偏光Bがレンズ9aで集光され、ピンホール15により焦点から反射して戻る偏光のみが抽出される。この偏光は、第2フォトダイオード9bで受光され、光強度の検出信号Isに変換されて制御ユニット23に送信される。なお、第2偏光検出部9は、本発明の第1検出手段に相当する。
第1偏光検出部3は、第1偏光ビームスプリッタ10A、第2非偏光ビームスプリッタ17A、ピンホール19の形成された板状物20、および第2フォトダイオード21から構成されている。なお、第1偏光検出部3は、本発明の第2検出手段に相当する。
第2非偏光ビームスプリッタ17Aは、光を直進方向と直交方向に2分する。つまり、第1偏光ビームスプリッタ10から到達した光を分岐する。各々の光を第1偏フォトダイオード21と平行度検出器22に向かわせる。
第1フォトダイオード21は、ピンホール19を通過した第1偏光Aを受光して、光強度の検出信号Irに変換して制御ユニット23に送信する。
平行度検出部22は、載置台8に保持された測定対象物Wの撓みや反りの発生状態を検出する。図2に示すように、平行度検出部22は、4個のフォトダイオード22a〜22dが2次元アレー状に隣接配備されており、第2非偏光ビームスプリッタ17Aら到達する直線偏光の光軸が互いに隣接し合う中心点Cに位置し、4個のフォトダイオード22a〜22dにまたがって均等に受光されるようになっている。各フォトダイオード22a〜22dで受光した直線偏光を光強度の検出信号に変換して制御ユニット23に送信する。つまり、平行度検出部22は、反射光の光路のズレを検出している。なお、平行度検出部22は、本発明の検出手段に相当する。
制御ユニット23は、上記実施例1と同様に演算処理部24、駆動制御部25、および操作部26などを含み、同様の処理および機能する。
次に、上記実施例の測定対象物Wに作用する応力を測定する一巡の処理について説明する。
光源1Aから出力された水平成分のレーザ光は、第1偏光ビームスプリッタ10Aを全透過し、偏光板40に到達する。この偏光板40を透過するとき、光は偏光面が45°回転し、直線偏光板41に向う。
直線偏光板41を透過する光は、45度の直線偏光となり、λ/2波長板42に向う。λ/2波長板42を透過するとき、直線偏光の偏光面が、45°戻されて元の水平成分の直線偏光に戻される。
この直線偏光は、第3偏光ビームスプリッタ43を全透過し、次のλ/4波長板44を透過する過程で45°傾き、円偏光にされる。
この円偏光は、光学系ユニット5Aのλ/4波長板13Aを透過する過程で、垂直成分になり、BDP12をそのまま全透過して光弾性変調器45を透過する。このとき、垂直成分からなる直線偏光が楕円偏光に変えられて対物レンズ6で集光され、所定の層の焦点面で反射して同一光路に戻される。
反射光は、応力の作用している層を透過して所定の焦点面で反射して戻るとき、光弾性により偏光の位相が変化して戻される。
この反射光は、対物レンズ6、光弾性変調器45をそのまま透過し、BDP12を透過する。このとき、初期光路を戻る垂直成分の第1偏光Aと、偏光面に変化の生じた水平成分からなる第2偏光Bとに分離される。第1偏光Aは、初期光路を戻り、第2偏光Bは、別光路に出力される。
第2偏光Bは水平成分からなり、λ/4波長板13Aを透過して45°傾き、円偏光にされ、さらにλ/4波長板44を透過して、さらに45°傾き、垂直成分の偏光にされる。この第2偏光Bは、第3ビームスプリッタ43で初期光路と直交する方向にある第2フォトダイオード9bに全量が向かわされる。この過程でピンホール15によって焦点面から反射して戻る偏光のみが抽出され、第2フォトダイオード9bにより受光される。この光強度の検出信号Isが、制御ユニット23の演算処理部24に送信される。
また、BDP12で分離された第1偏光Aは、垂直成分からなり、初期光路のλ/4波長板13Aで円偏光にされ、その後のλ/4波長板44で水平成分になって、第3偏光ビームスプリッタ43を全量が透過する。さらに、この第1偏光Aは、λ/2波長板42、直線偏光板41を全透過し、45°の直線偏光になり、偏光板40を透過するときに45°回転して垂直成分のみになり全反射して第1偏光ビームスプリッタ3Aに向う。
第1偏光ビームスプリッタ3Aに到達した第1偏光Aは、初期の水平成分の光と直交する第1フォトダイオード21の方向に全反射され、第2非偏光ビームスプリッタ17Aに向う。この第2非偏光ビームスプリッタ17Aで第1フォトダイオード21と平行度検出器22に向う偏光に分岐される。これら第1フォトダイオード21および平行度検出器22で受光された各検出信号は、制御ユニット23の演算処理部24に送信される。
以上で1回の測定が終了し、この処理を測定対処物Wの厚み分だけ対物レンズ6を走査させ1サイクル処理を行い、さらに、少なくとも3箇所の所定角度ごとに1サイクル処理を繰り返し行って、実施例1と同様に各層に作用する主応力の差とその方向を求める。
上記実施例2の装置によれば、実施例1の装置同様に測定対象物Wの各層に作用している主応力の差とその方向を求めることができるとともに、応力の作用している層を特定することができる。
また、本実施例装置は、光源1Aに半導体レーザを利用し、かつ、光学系ユニット5Aに光弾性変調器45を利用することにより、光学系ユニット5Aの構成部材を少なくして小型化ができる。したがって、光学系ユニット5Aを光軸回りに回転させる回転駆動機構27を小型かつ低出力のものを利用することができる。
また、第1偏光検出部3Aに第1偏光ビームスプリッタ10Aを利用することにより、光源1Aから出力されるレーザ光を全て測定対象物に向かわせることができる。また、測定対象物Wから反射して戻る反射光を、光源1A側に戻すことなく、第1フォトダイオード21で検出することができる。すなわち、出力された初期光と反射光の衝突による光源の不安定性を抑制し、主応力の差とその方向の測定を精度よく行うことができる。
さらに、光源1Aからの光は水平成分からなるので、第1偏光ビームスプリッタ10Aに透過させることにより、光源1Aからの光を測定対象物Wに100%入射させることができるとともに、測定対象物Wからの反射光を100%利用することができる。その結果、検出精度を向上させることができる。
なお、本発明は上述した実施例に限らず、次のように変形実施することができる。
(1)上記実施例1では、測定対象物Wからの反射光のうち応力の作用している第2偏光Bを分離して別光路に出力するために、光学系ユニット5内でBDP12を利用していたが、異なる光学系のプリズム、例えば、グランレーザープリズム(以下、単に「GLP」という)に置き換えてもよい。
GLPに置き換えた場合、上記実施例のBDP12では第1偏光Aと第2偏光Bは同じ面から出力されるのに対し、GLPは、図7に示すように、第2偏光BがGLP29の側面から出力される。したがって、第2フォトダイオード9bを光学系ユニット5と一体化し、光学系ユニット5が回転しても常に第2フォトダイオード9bで第2偏光Bを受光できるように光学系ユニット5の内部に第2偏光Bを第2フォトダイオード9bに向ける反射ミラー4aとピンホール15を備えた構成すればよい。この構成においても、上記実施例と同様の効果を奏する。
(2)上記実施例1の装置および変形例装置のλ/4波長板13に代えて、光弾性変調器を利用してもよい。なお、実施例2の場合、図6の光弾性変調機45がそれに相当する。したがって、以下は図6の光学系にも適応している。この光弾性変調機を利用した場合、図8に示すように、測定対象物Wからの反射光を光弾性変調器30に入射させ、反射光の偏光成分の光強度を予め決めた周波数で変調する。変調後の周波数を参照信号としてロックインアンプ31に入力するとともに、第2フォトダイオード9bからの第2偏光Bの検出信号Isをロックインアンプ31に入力する。このとき、第2偏光Bの検出信号Isから直流成分が除去され交流成分のみが抽出される。したがって複屈折の変化量の算出精度の向上を図ることができる。
例えば、上記実施例の前面ガラス基板W1の複屈折の変化量は、次式(1)で表すことができる。
前面ガラス基板W1の複屈折の変化量=K(4Φ2 - 2ρΦsin(2(θ+θf))) … (1)
ただし、2枚のガラス基盤の複屈折量は極僅かの場合を想定しており、その2乗の項は省略する。
ここで、ρはガラス基板W1の複屈折量、θは主応力差の方向、θfは複屈折の方向と大きさを検出するためにガラス基板W1に対する回転角、Φは光弾性変調器による変調量の振幅の半分、Kは光源の強度に関する値である。なお、上記式(1)は、本発明のsinの2乗カーブに相当する。
そして、図8の検出信号Isをロックインアンプ31に通すと、前面ガラス基板の複屈折の変化量は、次式(2)の1次式で表すことができる。
前面ガラスの複屈折量=2K・ρΦsin(2(θ+θf)) … (2)
すなわち、交流成分である複屈折の情報を含むρとθの信号成分のみが抽出される。以後、上述の実施例と同様に、抽出後の信号成分を回転角ごとに整理し、光強度値をXY平面上にプロットし、このプロット状態から光学系ユニット5を1回転させたときに得られる回転角の2倍を変数とする正弦波の2乗からなるsinの2乗カーブをシミュレーションにより近似する。そして、このsinの2乗カーブから振幅が最大となる箇所を複屈折量が最大になる角度として特定し、そのときの複屈折量を利用して主応力の差として求める。2枚目のガラス基板W2についても前面のガラス基板W1と同様の演算式を利用し、その主応力の差およびその方向を求めることができる。
また、この変形例において、以下の方法を適用することにより、主応力の差とその方向をさらに容易かつ精度よく求めることができる。
すなわち、上記式(2)は、図9に示すように、回転角の2倍を変数とする正弦波(以下、適宜に「1次―正弦波」という)として求めることができる。ただし、式(2)で求まるsinカーブにおいて、原点位置がずれる場合がある。したがって、上記(2)において原点位置のずれ量をオフセットすることを考慮すると、次式(3)によって表すことができる。
前面ガラスの複屈折量=2K・ρΦsin(2(θ+θf))+C … (3)
なお、当該式のCは、オフセット量である。ここで、図9に示すように、レンズなどの光学系の残留複屈折により、原点位置のずれた回転角の2倍を変数とする1次―正弦波から複屈折量の最大値および最小値を求める。両値の平均値を基準値(ゼロ)として決定することにより、両値から得られる最大振幅Vを主応力の差として求めることができる。また、主応力差の方向は、複屈折量の最大値と最小値の中央で基準値と交差する角度αとして特定できる。この角度は複屈折が最大となる角度±45°である。
さらに、同一試料を用いて作用する弾性応力の状態、すなわち、引っ張り状態と圧縮状態をキャリブレーションして予め求めておく。例えば、図9および10に示す位相が反転した回転角の2倍を変数とする2つの1次―正弦波が得られる。これら両1次―正弦波を基準モデルとして記憶しておき、測定対象であるガラス基板から得られる1次―正弦波と基準モデルとをフィッティングすることにより、ガラス基板に作用している弾性応力が引っ張りであるか、それとも圧縮であるかを容易に特定することができる。
また、実測により求める1次―正弦波には、少なからずノイズ成分が含まれている。そこで、上記式(3)を利用して得られたデータに最小2乗方法を適用することにより、ノイズ成分を除去することができる。したがって、主応力の差とその方向、並びにオフセット量の測定精度をさらに向上させることができる。
なお、実施例2の装置の場合、図6に示す演算処理部23にロックインアンプ31を配備し、このロックインアンプ31に検出信号Isを入力させるように構成すれば、図8に示す上記実施例1の変形例装置と同様の測定結果および効果を得ることができる。
(3)上記実施例装置および変形例装置において、sinの2乗カーブを近似し、求める振幅が最大となる箇所を複屈折量が最大になる角度とその方向をより正確に求めるために、次にようにして求めるのが有効である。
第1の手法として、各回転角の測定後に、先端が後述する形状の押圧部材で、その先端をガラス基板W1の表面に押圧させた状態で、同じ測定を行ってもよい。この場合、各ガラス基板W1,W2の主応力の差は、sinの2乗カーブの振幅(大きさ)と振幅が最大となる方向(角度)の方向を持ったベクトルとして、第2偏光Bが通過したガラス基板に作用している応力をベクトルの和として求めることができる。そこで、応力の方向の分かった最表面のガラス基板W1からガラス基板W2に作用する主応力の差とその方向を順に特定することができる。
なお、ガラス基板W1の表面を押圧させる構成としては、例えば、図1の二点鎖線で示すように、先端に先端形状が数mm程度の等方的な円形、もしくは異方的長方形の略扁平面を有する押圧部材50を備えたロボットハンド51を載置台8に隣接配備して構成すればよい。つまり、押圧部材50の先端がガラス基板W1の表面を押圧する作用位置と、ガラス基板W1の表面から外れた待機位置とに進退および昇降するようにロボットハンド51を作動制御できるよう構成すればよい。なお、ガラス基板のサイズが小さい場合は、ガラス基板の対向する両端辺から押圧または引張力を作用さえるようにしてもよい。
第2の手法として、図11に示すように、測定対象物Wの焦点面の中央寄りの所定位置P0の主応力差を求め、さらに同じ面の端縁P1から所定位置P0までの間の複数個の点(P2、P3、…、Pi)の応力を間欠的または連続的に求める。つまり、応力は、所定位置P0から端縁方向に向って滑らかに変化しており、各点での測定結果を曲線状に近似することにより、この曲線からその主応力の差が、引っ張りであるか、圧縮であるかを特定することができる。
(4)上記実施例装置および変形例装置は、光学系ユニット5を光軸回りに回転させていたが、載置台8を回転させる構成であってもよい。
(5)上記各実施例では、2枚のガラス基板W1,W2を間隙おいて配備した測定対象物Wを利用したが、測定対象物Wはこの形態に限定されるものではなく、間隙をなくし複数枚の透過性を有する測定対象物を密着させて積層したものであってもよい。例えば、ガラス基板同士、ガラス基板とフィルムなどのように屈折率の異なる測定対象物の組合せなどがある。
(6)上記各実施例では、測定対象物Wの平行度が保たれている場合には第2非偏光ビームスプリッタ17および平行度検出器22を省いた構成であってもよい。
(7)上記各実施例では、中央に開口Hの形成された載置台8を利用したが、開口Hの形成されていない平坦な物で構成してもよい。
(8)上記実施例1、2では、第2偏光Bが第2フォトダイオード9bで検出されるまでの光路上で、他の光学部材で反射または透過するときに生じる散乱などの検出対象以外の迷光を除去する遮光板をレンズ9aの上流側に配備した構成にすることが好ましい。
遮光板52は、図12に示すように、円盤上の板材の中心から径方向に離れた位置に円弧状の開口部53が形成されており、測定対象の第2偏光Bがこの開口部53を通過する。つまり、実施例装置は、BDP12の入射光と同一光路を通って戻る第1偏光Aの光軸周りにBDP12が回転する。この回転に伴って、BDP12の第1偏光Aと同一面の離間した位置から出力される第2偏光Bは、第1偏光A周りの円弧軌道を通ることになる。したがって、遮光板52の開口部53は、第2偏光Bの移動する軌道に沿って形成されている。上記実施例では、0〜90°の範囲で光学系ユニット5を光軸回りに回転させているので、遮光板52の開口部53は、略半円弧状に形成されている。なお、回転角度が変更されれば、この開口部53の円周も適宜に設定変更される。
(9)上記各実施例において、装置セッティングおよびメンテナンス時に以下のようように装置調整することが好ましい。
すなわち、光学系の1つである対物レンズ6の有する残留応力の影響がキャンセルさせるようにセッティングする。例えば、先ず主応力の差が既知の試料を予め載置台8に載置して焦点合わせする。その後に基準値0°から180°の範囲で時計回りに光学系ユニット5を回転させながら所定角度ごと、またはリニアに測定を行う。
測定の結果から得られる複屈折の変化量が最小となる回転角度を求め、光学系ユニット5を初期位置に復帰させる。さらに、実施例1の装置の場合、図13に示すように、対物レンズ6を光軸回りに回転可能なレンズ回転駆動機構55を設け、求めた当該回転角度分だけ光軸軸回りに反時計回りに回転させ、光学系ユニット5と対物レンズ6との光軸合せを行う。なお、レンズ駆動機構55は、本発明のレンズ回転手段に相当する。
実測時には、駆動制御部25によって回転駆動機構27とレンズ回転駆動機構55を同じ回転速度で同一方向に同期をとりながら回転させる。この回転制御によって、対物レンズ6が有する複屈折量が常に最小の値となる。したがって、当該複屈折量を無視し、測定対象であるガラス基板に生じている複屈折量の変化のみを利用することができ、測定精度を向上させることができる。
実施例2の装置の場合、例えば、先ず可動台7と対物レンズ6を固定配備する。その状態のまま主応力の差が既知の試料を予め載置台8に載置して焦点合わせする。その後に基準値0°から180°の範囲で時計回りに光学系ユニット5Aを回転させながら所定角度ごと、またはリニアに測定を行う。
測定の結果から得られる複屈折の変化量が最小となる回転角度を求め、当該回転角度に光学系ユニット5Aを回転させて対物レンズ6との光軸の位置合せを行う。光軸位置合せが完了すると、図14に示すように、対物レンズ6と可動台7を光学系ユニット5Aに組み込み、光学ユニット5Aと一体となって偏光の光軸回りに回転可能に構成する。この構成において、可動台7は、対物レンズ6を備えたまま、光学系ユニット5A内で昇降可能に制御される。なお、この変形例装置の場合、回転駆動機構27が、本発明のレンズ回転手段として機能する。
以上のように、本発明は、液晶パネルやプラズマディスプレイパネルなどのような透過性を有する測定対象物に作用する応力や歪みなどを測定するのに適している。

Claims (17)

  1. 照射手段からの照射光を光学手段を介して直線偏光にする過程と、
    複数の層からなる透過性を有する測定対象物にレンズを介して前記直線偏光を照射しながら、レンズと測定対象物を光軸方向に沿って相対的に前後移動させて層同士が接触する複数の接触界面のうち所定の接触界面に焦点を合せる過程と、
    前記測定対象物から反射して戻る反射光を分離手段に透過させて初期の光路を戻る第1偏光と、この第1偏光と直交する第2偏光を別光路に分離して出力する分離過程と、
    分離された前記第2偏光のうち焦点面から反射して戻る偏光のみをピンホールに通過させて検出する偏光検出過程とを1サイクル処理とし、
    前記1サイクル処理後に、前記測定対象物に照射した偏光と、この測定対象物とを光軸回りに相対的に回転させ、少なくとも所定の3箇所ごとに前記1サイクル処理を行い、各サイクル処理時に検出された前記偏光の光強度の変化量と検出角度の位置情報とに基づいて回転角の2倍を変数とする正弦波の2乗からなるsinの2乗カーブとして求め、このsinの2乗カーブから測定対象物の各層に作用している主応力の差とその方向を求める演算過程と、
    を備えたことを特徴とする光弾性測定方法。
  2. 請求項1に記載の光弾性測定方法において、
    前記分離過程で分離されて初期の光路を戻る第1偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみをピンホールに通過させて検出する反射光検出過程を備え、
    前記演算過程は、さらに予め求めた前記照射手段からの反射光の光強度に対する前記偏光検出過程で検出された偏光および前記反射光検出過程で検出された偏光の両光強度の変化量を求め、この変化量に応じて実測により求まる第2偏光から検出した偏光の光強度を補正する
    ことを特徴とする光弾性測定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光弾性測定方法において、
    前記反射光が前記光学手段に入射する前に、複屈折の変化量が予め決められた光学素子に反射光を透過させる
    ことを特徴とする光弾性測定方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光弾性測定方法において、
    前記測定対象物に照射した偏光と、この測定対象物との光軸回りの相対的な回転は、前記偏光を光軸回りに回転させる光学素子を前記光学手段とレンズの間に配置して行う
    ことを特徴とする光弾性測定方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光弾性測定方法において、
    前記測定対象物の最外側の層に押圧をかけた押圧状態と非押圧状態のときの各主応力の差を求め、両値の偏差に基づいて、測定対象物に作用している主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定する
    ことを特徴とする光弾性測定方法。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光弾性測定方法において、
    さらに、前記1サイクル処理を測定対象物の中央寄りの予め決めた位置から端縁方向に間欠的または連続的に行い、この1サイクル処理を前記偏光と測定対象物とを光軸回りに回転させて少なくとも3箇所で行い、
    前記演算処理過程は、複数回の1サイクル処理ごとに同一焦点面上の複数箇所の主応力の差とその方向を求め、さらに、この複数箇所の主応力の差とその方向から2つの分布曲線を近似し、この曲線から所定層に作用する主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定する
    ことを特徴とする光弾性測定方法。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光弾性測定方法において、
    さらに、前記測定対象物と同じ試料を用いて当該試料に圧縮および引っ張り応力を作用させ、
    前記試料からの反射光を光弾性変調器に入力させ、その光強度を予め決めた周波数に変調し、
    前記分離過程で分離された変調後の第2偏光をロックインアンプに入力させて直流成分を除去し、交流成分である回転角の2倍を変数とする正弦波として予め基準情報を取得し、
    前記測定対象物の実測において、当該測定対象物からの反射光を光弾性変調器に入力させ、その光強度を予め決めた周波数に変調し、
    前記分離過程で分離された変調後の第2偏光をロックインアンプに入力させて直流成分を除去し、交流成分である回転角の2倍を変数とする正弦波として実測情報を取得し、
    前記実測情報と基準情報を比較し、主応力の差の状態を特定する
    ことを特徴とする光弾性測定方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の光弾性測定方法において、
    焦点を合せるレンズを固定し、前記測定対象物に照射した偏光と、この測定対象物とを光軸回りに相対的に0から180°回転させ、求まる複屈折量が最小となる角度を予め検出し、当該角度に光軸を合せる過程と、
    前記1サイクル処理を行う所定回転角度への移動に同期させて前記レンズを回転させる過程を備えた
    ことを特徴とする光弾性測定方法。
  9. 複数の層からなる透過性を有する測定対象物を保持する保持手段と、
    前記測定対象物に向けて光を照射する照射手段と、
    前記光を透過させて直交する2方向の偏光成分からなる偏光にする第1光学手段と、
    前記偏光を透過させて前記測定対象物の所定層の界面に焦点を合せるレンズと、
    前記測定対象物の焦点面から反射して戻る偏光のうち初期の光路を戻る第1偏光と、この第1偏光と直交する第2偏光を別光路に分離して出力する分離手段と、
    分離された前記第2偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみを通過させるピンホールの形成された部材と、
    前記ピンホールを通過した第2偏光の光強度を検出する第1検出手段と、
    前記レンズと保持手段を偏光の光軸方向に沿って相対的に前後移動させる移動手段と、
    前記保持手段と前記第1光学手段とを光軸回りに相対的に回転させる回転手段と、
    前記回転手段により測定対象物に照射した偏光と、この測定対象物とを光軸回りに相対的に回転させ、少なくとも所定の3箇所ごとに前記第1検出手段で検出された前記偏光の光強度の変化量と検出角度の位置情報とに基づいて回転角の2倍を変数とする正弦波の2乗からなるsinの2乗カーブとして求め、このsinの2乗カーブから測定対象物の各層に作用している主応力の差とその方向を求める演算手段と、
    を備えたことを特徴とする光弾性測定装置。
  10. 請求項9に記載の光弾性測定装置において、
    前記分離手段で分離された第1偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみを通過させるピンホールの形成された部材と、
    前記ピンホールを通過した偏光の光強度検出する第2検出手段とを備え、
    前記演算手段は、前記第1検出手段により検出された偏光の光強度を用いて前記第2検出手段により検出された偏光の光強度を除算する
    ことを特徴とする光弾性測定装置。
  11. 請求項9または請求項10に記載の光弾性測定装置において、
    反射光が前記分離手段に入射する前段に、複屈折の変化量が予め決められた第2光学手段を備えた
    ことを特徴とする光弾性測定装置。
  12. 請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の光弾性測定装置において、
    前記回転手段は、前記第1光学手段から測定対象物に向う偏光を透過させ、その光軸回りに回転させる光学素子である
    ことを特徴とする光弾性測定装置。
  13. 請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の光弾性測定装置において、
    押圧部材の先端を測定対象物の最外側の層に接触させて押圧する作用位置と非接触状態で離間した待機位置とにわたって押圧部材を移動させる移動機構をさらに備え、
    前記演算手段は、測定対象物の最外側の層に押圧をかけた押圧状態と非押圧状態のときの各主応力の差を求め、両値の偏差に基づいて測定対象物に作用している主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定する
    ことを特徴とする光弾性測定装置。
  14. 請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の光弾性測定装置において、
    測定対象物に向う偏光を測定対象物の中央寄り所定位置から端縁方向に間欠的または連続的に走査する走査手段を備え、
    前記演算手段は、前記走査手段の偏光の走査により検出される第2偏光を利用し、同一焦点面上の複数箇所の主応力の差とその方向を求め、さらに、この複数箇所の主応力の差とその方向から2つの分布曲線を近似し、この曲線から所定層に作用する主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定する
    ことを特徴とする光弾性測定装置。
  15. 請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の光弾性測定装置において、
    前記測定対象物からの反射光を入力させ、その光強度を予め決めた周波数に変調する光弾性変調器と、
    変調されてピンホールを通過した第2偏光を入力させて直流成分を除去し、交流成分である回転角の2倍を変数とする正弦波として実測情報を抽出するロックインアンプとを備え、
    前記演算手段は、前記測定対象物と同じ試料を用いて当該試料に圧縮および引っ張り応力を作用させたときの各主応力の差を回転角の2倍を変数とする正弦波として予め基準情報を取得しておき、当該基準情報と実測情報とを比較し、測定対象物に作用している主応力の差の状態を特定する
    ことを特徴とする光弾性測定装置。
  16. 請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の光弾性測定装置において、
    前記分離手段で分離された第1偏光をピンホールに向う偏光と他の方向に向う偏光に分離する第1偏光分離手段と、前記第1偏光分離手段で他の方向に分離された偏光を検出する複数個の受光素子を2次元アレー状に配備して構成した検出手段と、
    前記保持手段を傾斜させる駆動手段と、前記検出手段によって検出された偏光の位置に応じて保持手段に保持された測定対象物の傾斜量が前記演算手段により求められ、この傾斜量にしたがって前記駆動手段を作動させて前記保持手段の平行度を維持させる駆動制御手段と、
    を備えたことを特徴とする光弾性測定装置。
  17. 請求項16に記載の光弾性測定装置において、
    前記レンズを偏光の光軸回りに回転させるレンズ回転手段と、
    前記駆動手段は、前記レンズを固定し、照射手段から測定対象物に光を照射しながら保持手段と第1光学手段とを光軸回りに相対的に0から180°回転させ、求まる複屈折量が最小となる角度を予め検出し、レンズと第1光学手段とを相対的に回転させて検出された当該角度に位置合せし、
    回転手段を操作して保持手段と第1光学手段とを光軸回りに相対的に回転させるのに同期させてレンズ回転手段を回転操作してレンズを光軸回りに回転させるよう構成した
    を備えたことを特徴とする光弾性測定装置。
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