JP5086908B2 - 電子顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のラインに沿って電子線を走査させる電子顕微鏡に関する。
電子顕微鏡では観察された半導体ウェハ等の観察試料の画像が表示される。表示された画像には、ノイズが含まれている。このノイズは、サーマルノイズや、電子顕微鏡の設置環境に依存した、主に電磁波による外部からのノイズである。そこで、電子顕微鏡では、前記画像の画像信号に対して、フレーム積算処理や画素積算処理を行ったり、走査時間を長くして電子線の単位面積当たり照射量を増加させて観察試料から放出される二次電子を増加させ画像信号の信号強度を大きくしたりして、画像(信号)のノイズを減衰させている。
また、パイロット検体(標準信号発生用試料)を複数回走査して、画像信号を取得し、その画像信号から電子顕微鏡の電子光学鏡筒の推定相対特性関数を推定し、この推定相対特性関数を用いて、画像の修正を行う手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6―150866号公報(段落0009、段落0010)
しかしながら、周辺環境、例えば、温度、設置環境周辺の機器の運転状況等により、ノイズの発生状況が変化する場合があり、このような場合に、従来技術ではノイズ減衰の効果が十分に得られなかった。
そこで、本発明の課題は、ノイズ減衰の改善効果が、外部環境の状況に依存せずに得られる電子顕微鏡を提供することにある。
前記課題を解決した本発明は、複数のラインに沿って電子線を走査し、走査上の観察試料から発生した二次電子に基づいて観察信号を生成させる電子顕微鏡において、前記ラインの走査の直前又は前記ライン同士の走査の間に、前記電子線に標準信号発生用試料を走査させて、発生させた前記二次電子に基づいて標準信号を生成させ、前記標準信号を周波数空間のスペクトルに変換し、前記標準信号のスペクトルと、前記標準信号のノイズが無い場合の理想信号のスペクトルとの差分の信号のスペクトルを生成し、前記差分の信号を減衰させるフィルタを設定し、前記フィルタを用いて前記観察信号にフィルタ処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、ノイズ減衰の改善効果が、外部環境の状況に依存せずに得られる電子顕微鏡を提供できる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。また、以下に示す実施形態では、電子顕微鏡として、走査型の電子顕微鏡を例に説明する。ただ、本発明は電子顕微鏡に限られず、走査型の電子線を用いた検査装置や測定装置や露光装置、走査型のイオンビームを用いるイオン打ち込み装置、電子やイオンや帯電したクラスタ等の荷電粒子による走査型の荷電粒子線を用いる加工装置等の荷電粒子線装置に適用できる。
図1に、本発明の実施形態に係る電子顕微鏡20の構成図を示す。電子顕微鏡20では、電子線16が、電子銃1から出射され、収束レンズ2、対物レンズ3の電子光学系によって、試料台17の上に配置される観察試料4上と標準信号発生用試料5上に細く収束されて照射される。また、電子線16は、偏向コイル12に電子線走査制御手段10からの走査信号を供給することにより偏向され、観察試料4上と標準信号発生用試料5上を走査することができる。なお、観察試料4上の走査と、標準信号発生用試料5上の走査とでは、電子線16を走査した範囲の中心点位置を変更している。いわゆる、イメージシフトを、観察試料4上の走査と、標準信号発生用試料5上の走査とを互いに移行する際に行っている。
電子線16が観察試料4上と標準信号発生用試料5上を走査すると、二次電子14が発生し、この二次電子14が二次電子検出器6によって検出される。検出された二次電子(検出信号)14は、AD変換(器)7によってディジタル信号に変換される。電子線16が観察試料4上を走査した際に発生した二次電子14から変換されたディジタル信号が、観察信号であり、電子線16が標準信号発生用試料5上を走査した際に発生した二次電子14から変換されたディジタル信号が、標準信号である。観察信号と標準信号とは、フィルタ処理部15に受信される。観察信号と標準信号とには、それら自体とそれらの発生源となった二次電子14や電子線16に対してのってきたノイズが存在している。ノイズは、その発生源に依存して、その周波数(分布)、(スペクトル)強度が、時間によって変化する。しかし、その時間間隔を短くすれば変化は小さく一定とみなせる。観察信号にのったノイズの周波数(分布)や(スペクトル)強度は、その観察信号の前(直前)に生成された標準信号にのったノイズと等しいとみなせる。このことから、フィルタ処理部15では、標準信号からノイズを特定し、特定したノイズを減衰させるフィルタを設定し、このフィルタで観察信号をフィルタ処理することで、その標準信号の生成の後(直後)に生成した観察信号からノイズを減衰させている。なお、標準信号は観察信号の後(直後)に生成してもよく、この場合、標準信号に基づいてフィルタが設定されるまで、観察信号を記憶しておけばよい。また、標準信号は、観察信号の直前、直後に生成させることが好ましいが、標準信号を生成した時刻と、観察信号を生成した時刻との時間間隔は、減衰させたい対象とするノイズの寿命に応じて適宜設定することができる。
図2に、フィルタ処理部15のブロック図を示す。フィルタ処理部15は、信号切換え部15aと、逆フィルタ処理部15bと、逆フィルタ設定処理部15cとを有している。また、電子線走査制御手段10は、偏向コイル12(図1参照)へ出力する偏向信号に同期して、信号切換え部15aと画像処理装置9へ、タイミング信号を出力している。そして、信号切換え部15aは、前記タイミング信号に基づいて、観察信号を逆フィルタ処理部15bに送信し、標準信号を逆フィルタ設定処理部15cに送信するような信号の切換えを行っている。
逆フィルタ設定処理部15cは、標準信号を受信し、その標準信号を周波数空間のスペクトルに変換する。ところで、図3(a)に示すように、標準信号発生用試料5の表面には、たとえば、電子線16の走査方向に凹凸が略正弦波カーブのように変化する凹凸パターンが設けられている。このような凹凸パターンであれば、図3(b)に示すような、前記標準信号のノイズが無い場合の理想信号21の周波数空間のスペクトルをシミュレーションにより算出することができる。逆フィルタ設定処理部15cは、この理想信号21のスペクトルを記憶している。そして、逆フィルタ設定処理部15cは、標準信号のスペクトルと、理想信号のスペクトルとの差分の信号のスペクトルを生成する。差分の信号は現在発生しているノイズであるので、逆フィルタ設定処理部15cは、前記差分の信号(ノイズ)のスペクトルに基づいて、差分の信号(ノイズ)を減衰させるフィルタを、図2に示す逆フィルタ処理部15bに設定する。逆フィルタ処理部15bは、このフィルタを用いて前記観察信号にフィルタ処理を行う。このフィルタ処理により、観察信号に含まれるノイズを減衰させることができる。ノイズが減衰した観察信号は、画像処理装置9へ送信される。
図1に示す画像処理装置9は、電子線走査制御手段10からの前記タイミング信号に基づいて、観察信号の受信を行い、さまざまな画像処理を実施したり、観察信号を画像メモリ8へ記憶したりする。画像メモリ8に記憶された観察信号は、画像処理装置9の制御、さらにはコンピュータ11の制御により、任意のタイミングで読み出され、観察信号のさらなるノイズ低減のために1画素データ単位での積算処理やフレーム単位での積算処理、フーリエ変換・逆変換処理が行われ、これらの処理を経た観察信号が、画像メモリ8に再度記憶されてもよく。画像メモリ8に記憶された観察信号は、コンピュータ11を経由して、適宜液晶モニタ等の表示装置13に送信されて、表示装置13に表示される。
次に、電子顕微鏡20において、観察信号のノイズを低減する方法について説明する。図4に、観察信号のノイズを低減するノイズ低減方法のフローチャートを示す。このフローチャートの動作主体は電子線走査制御手段10である。
まず、ステップS1に先立って、コンピュータ11が、画質改善モードか通常画質モードかの選択依頼の表示を、GUIにより表示装置13に行う。ユーザはこの表示をみてキーボード、マウス等の入力機器を用いてGUIにより選択を行い、コンピュータ11は選択結果の入力を受信する。コンピュータ11は、この入力に基づいて、電子顕微鏡20に設定されるモードが画質改善モードか否かの判定を行う。画質改善モードが設定されれば、フィルタ処理部15が機能するが、画質改善モードが設定されなければ、フィルタ処理部15は機能せず、フィルタ処理部15に入力する観察信号は、ノイズを減衰させることなく、そのまま出力されることになる。
次に、コンピュータ11は、観察開始か否かの選択依頼の表示を、表示装置13に行う。ユーザはこの表示をみてGUIにより選択を行い、コンピュータ11は選択結果の入力を受信する。コンピュータ11は、この入力に基づいて、観察開始か否かの判定を行う。観察開始と判定すると、コンピュータ11は、観察開始信号を電子線走査制御手段10に送信し、ステップS1として、電子線走査制御手段10は観察開始信号を受信する。観察開始と判定しない場合は、コンピュータ11は、観察開始信号を電子線走査制御手段10に送信せず、観察開始と判定されるまで待機することになる。
ステップS2で、電子線走査制御手段10は、コンピュータ11から、観察終了信号を受信したか否か判定する。観察終了信号を受信した場合は(ステップS2、Yes)、ノイズ低減方法をストップし、観察終了信号を受信していない場合は(ステップS2、No)、ステップS3に進む。
ステップS3で、電子線走査制御手段10は、ライン数Nに1を設定する。
ステップS4で、電子線走査制御手段10は、イメージシフトに対応する走査信号を偏向コイル12に供給し、イメージシフトを実行する。イメージシフトでは、電子線16を走査させる範囲の中心点位置を、標準信号発生用試料5上を走査する際の走査範囲の中心点位置に設定する。なお、イメージシフトの最中に、電子線16が観察試料4等に照射されないように、電子線16はブランクされて出射しない。
ステップS5で、電子線走査制御手段10は、標準信号発生用試料5の走査前に、例えば、ステップS4のイメージシフトの実行と並行のタイミングで、すなわちイメージシフトのスタートや途中や終了のタイミングで、前記タイミング信号を発生させ、信号切換え部15aへ送信する。信号切換え部15aは、前記タイミング信号を受信したタイミングで、接続を逆フィルタ設定処理部15cへ切換える。つまり、電子線走査制御手段10は、ステップS4に並行のタイミングで逆フィルタ設定処理部15cへの切換えを行う(ステップS5)。このことにより、ノイズ低減方法の処理時間を短縮することができる。
ステップS6で、電子線走査制御手段10は、標準信号発生用試料5の走査に対応する走査信号を偏向コイル12に供給し、図5に示すように、標準信号発生用試料5上で、標準信号発生用試料走査26を実行する。この標準信号発生用試料走査26により標準信号発生用試料5から二次電子14が発生し、この二次電子14は二次電子検出器6によって検出される。検出された二次電子14は、AD変換(器)7により、ディジタル信号の標準信号に変換され、標準信号が生成する。また、図6に、フィルタ処理部15に入力される信号のデータパターンを示すと、イメージシフトのときに発生する信号の後に、標準信号が入力されることになる。
ステップS7で、電子線走査制御手段10は、偏向コイル12にライン数Nの帰線に対応する走査信号を供給し、図5に示す帰線24を実行する。なお、帰線24に際して、イメージシフトを実行する。イメージシフトでは、電子線16を走査させる範囲の中心点位置を、観察試料4上を走査する際の走査範囲の中心点位置に設定する。また、図6のフィルタ処理部15に入力される信号のデータパターンでは、標準信号の後に、帰線のときに発生する信号が入力されることになる。そして、この帰線のタイミングで、後記する信号切換え部15aでの切換えと、後記する逆フィルタの設定が行われる。なお、帰線の最中に、電子線16が観察試料4等に照射されないように、電子線16はブランクされて出射しないようになっている。
ステップS8で、逆フィルタ設定処理部15cは、前記帰線24の実行時に、受信した標準信号を周波数空間のスペクトルへデータ変換し、例えば、図7(a)に示すような標準信号28、29a〜29dのスペクトルを生成する。なお、このデータ変換では、リアルタイム性が求められ、迅速にデータ変換を行うため、FFT(高速フーリエ変換)を用いるのが望ましい。また、ステップS8は、標準信号の逆フィルタ設定処理部15cへの入力が終了することで終わる。
ステップS9で、逆フィルタ設定処理部15cは、前記帰線24の実行時に、標準信号28、29a〜29dのスペクトルと、図7(b)(図3(b))に示す前記理想信号21のスペクトルとを比較し、標準信号28、29a〜29dと理想信号21の信号強度の差分から、差分信号のスペクトルを生成する。差分信号のスペクトルは、図7(c)に示すような、ノイズである標準信号29a〜29dで構成され、理想信号21が省かれている。
なお、この比較は、非周期離散時間信号をx[n]とする下記の式1で行われる。
Figure 0005086908

ここで、各周波数の振幅成分(信号強度)X(ejω)は下記の式2で表される。各周波数の振幅成分X(ejω)について、ノイズが無い状態で取得される理想信号21と、実際に走査した場合における標準信号とで大小が比較される。そして、両者の振幅成分が一致しない周波数上の信号をノイズと見なすことで、ノイズ(差分信号)のスペクトルを生成することができる。
Figure 0005086908
ステップS10で、電子線走査制御手段10は、逆フィルタ設定処理部15cを介して、前記帰線24の実行時に、差分信号(ノイズ)が減衰されるような、単独、あるいは複数フィルタのフィルタ定数を決定する。
ステップS11で、逆フィルタ設定処理部15cは、フィルタ定数を、逆フィルタ処理部15bに設定することで、例えば、ローパスフィルタ(LPF)、ハイパスフィルタ(HPF)、バンドパスフィルタ(BPF)、バンドエリミネーションフィルタ(BEF)、さらにはこれらを組合せたフィルタを設定することが可能である。具体的には、図7(c)に示すように、ノイズである標準信号29a〜29dそれぞれに対応させてマスクするように、いわゆる逆フィルタ30a〜30dを、逆フィルタ処理部15bに設定する。
ステップS12で、電子線走査制御手段10は、観察試料4の走査前に、例えば、ステップS7の帰線の実行と並行のタイミングで、すなわち帰線のスタートや途中や終了のタイミングで、前記タイミング信号を発生させ、信号切換え部15aへ送信する。信号切換え部15aは、前記タイミング信号を受信したタイミングで、接続を逆フィルタ処理部15bへ切換える。ステップS12は、ステップS7と並列、かつ、ステップS8〜S11と並列に行われ、このことにより、ノイズ低減方法の処理時間を短縮することができる。
ステップS13で、電子線走査制御手段10は、ライン数Nの観察試料4上の走査に対応する走査信号を偏向コイル12に供給し、図5に示すように、観察試料4上で、観察試料走査22を実行する。この観察試料走査22により観察試料4から二次電子14が発生し、この二次電子14は二次電子検出器6によって検出される。検出された二次電子14は、AD変換(器)7により、ディジタル信号の観察信号に変換され、観察信号が生成する。観察信号は、例えば、図7(d)に示すようなノイズに起因していない観察信号31a〜31cと、ノイズに起因する観察信号32a〜32cとから構成されている。なお、観察信号31cには、ノイズに起因する観察信号とノイズに起因しない観察信号とが重なっている例を示している。また、図6のフィルタ処理部15に入力される信号のデータパターンでは、帰線のときに発生する信号の後に、観察信号が入力されることになる。そして、この観察信号に対して、次のステップS14で、逆フィルタ処理が行われる。
ステップS14で、逆フィルタ処理部15bは、観察信号に対して、逆フィルタ処理を行う。逆フィルタ処理では、一般的なディジタルフィルタと同じく、畳み込み積分を用いる。具体的な計算式は、逆フィルタの出力信号(ノイズ減衰後の観察信号)をg(t)として次のように表される。

g(t)=∫h(τ) t(t+τ)dτ

ここで、h(t)(=∫H(ω)exp(jωt)dω)はインパルス応答であり、H(ω)は逆フィルタの伝達関数である。
図7(d)に示すノイズに起因する観察信号32a〜32cと観察信号31cの一部は、図7(a)に示すノイズに起因する標準信号29a〜29dと、発生している周波数と信号強度が一致している。このため、図7(e)に示すように、図7(c)で設定した逆フィルタ30a〜30dにより、ノイズに起因する観察信号32a〜32cと観察信号31cの一部を、信号強度で標準信号29a〜29dの信号強度の分だけ減衰させることができる。そして、観察信号として、ノイズに起因しない観察信号31a〜31cを得ることができる。逆フィルタ処理部15bは、逆フィルタ処理された観察信号31a〜31cを画像処理装置9に送信する。観察信号31a〜31cにはノイズが含まれないので、観察信号31a〜31cに基づいて画像処理装置9で作製される画像の画質は改善される。そして、本実施形態によれば、ノイズが周囲の環境変化(例えば、温度、設置環境周辺の機器の運転状況等)に対応し変化しても、リアルタイム(ライン毎、フレーム毎等)にそのノイズを抽出し、逆フィルタにて補償することで、リアルタイムに、観察信号上のノイズを低減し、画像の画質を改善することができる。
ステップS15で、電子線走査制御手段10は、ライン数Nが所定の最大ライン数に達したか否か判定する。この判定で、ラインがフレームの最終ラインに達したか否か判定することができる。ライン数Nが所定の最大ライン数に達していれば(ステップS15、Yes)、ラインがフレームの最終ラインに達しているので、ステップS2に戻り、ライン数Nが所定の最大ライン数に達していなければ(ステップS15、No)、ラインがフレームの最終ラインに達していないので、ステップS16に進む。
ステップS16で、電子線走査制御手段10は、ライン数Nに1を加算し、ステップS4とステップS5に戻る。ステップS4とステップS5に戻った場合は、図5に示すように、ステップS4でイメージシフト27が実行され、ステップS6で標準信号発生用試料走査26が再度実行され、ステップS7で帰線25が実行され、ステップS13で観察試料走査23が実行される。こうして、観察試料走査22、23のいわゆるラインは、最終ラインに達する。これで、1フレームが終了したことになる。1フレーム分の観察信号で、観察試料4を観察した1画像を形成することができる。そして、最終ラインに達した場合は、再度、1フレーム分の観察信号を取得するために、ライン数が1のラインから観察信号を取得する。
なお、本実施形態では、1ラインを走査する毎に、標準信号発生用試料5を走査し標準信号および逆フィルタを生成している。この逆フィルタの生成が帰線24、25の期間に終了すれば、1フレームで形成される画像の作製に要する時間は従来に比べて長くなることはない。逆に、逆フィルタの生成が帰線24、25の期間に終了しない場合は、複数ラインを走査する毎に、さらには、1フレーム毎、複数フレーム毎に、1つの逆フィルタを生成すれば、帰線24、25の期間だけでなく、観察試料走査23の期間も、逆フィルタの生成に当てることができるので、1フレームで形成される画像の作製に要する時間は従来に比べて長くなることはない。この場合は、複数ライン前、複数フレーム前に発生していたノイズが、次に走査するラインでも発生しているとみなしている。すなわち、ノイズの寿命も、ノイズの発生源に応じてさまざまであり、ノイズの寿命よりも短い時間間隔で逆フィルタが生成できれば、観察信号におけるそのノイズの減衰が可能である。逆にノイズの寿命に基づいて、ラインいくつ毎に逆フィルタを生成したり、フレームいくつ毎に逆フィルタを生成したりするのか、ユーザや設計者がそのライン数やフレーム数を設定してもよい。
本実施形態においては、標準信号発生用試料5は、観察試料4が載せられる試料台に別個の試料として同時に載せられているが、これに限らず、例えば、観察試料4上に予め、標準信号発生用試料5が設けられていてもよい。さらに具体的に、標準信号発生用試料5として機能するパターンを備えた半導体ウェハであってもよい。
本発明の実施形態に係る電子顕微鏡の構成図である。 フィルタ処理部のブロック図である。 (a)は標準信号発生用試料の斜視図であり、(b)は電子線で標準信号発生用試料上を走査して発生する二次電子に基づいて生成される標準信号に対するノイズを含まない理想信号の周波数空間のスペクトルである。 観察信号のノイズを低減するノイズ低減方法のフローチャートである。 試料台上に配置された観察試料と標準信号発生用試料の斜視図であり、偏向コイルによる電子線の走査の経路を示している。 フィルタ処理部に入力される信号のデータパターンの一例である。 (a)は電子線で標準信号発生用試料上を走査して発生する二次電子に基づいて生成される標準信号の周波数空間のスペクトルであり、(b)は前記標準信号に対するノイズを含まない理想信号の周波数空間のスペクトルであり、(c)は前記標準信号から前記理想信号を差し引いた差分信号(ノイズ)と前記差分信号毎に設けられたフィルタの周波数空間のスペクトルであり、(d)は電子線で観察試料上を走査して発生する二次電子に基づいて生成される観察信号の周波数空間のスペクトルであり、(e)はフィルタによってノイズを減衰させた前記観察信号の周波数空間のスペクトルである。
符号の説明
1 電子銃
2 収束レンズ
3 対物レンズ
4 観察試料
5 標準信号発生用試料
6 二次電子検出器
7 AD変換器
8 画像メモリ
9 画像処理装置
10 電子線走査制御手段
11 コンピュータ
12 偏向コイル
13 表示装置
14 二次電子
15 フィルタ処理部
15a 信号切換え部
15b 逆フィルタ処理部
15c 逆フィルタ設定処理部
16 電子線
17 試料台
20 電子顕微鏡
21 理想信号
22、23 観察試料走査(ライン)
24、25 帰線
26 標準信号発生用試料走査
27 イメージシフト
28 標準信号
29a、29b、29c、29d 標準信号(ノイズ)
30a、30b、30c、30d 逆フィルタ(マスク)
31a、31b、31c 観察信号
32a、32b、32c 観察信号(ノイズ)

Claims (3)

  1. 複数のラインに沿って電子線を走査し、走査上の観察試料から発生した二次電子に基づいて観察信号を生成させる電子顕微鏡において、
    前記ラインの走査の前又は前記ライン同士の走査の間に、前記電子線に標準信号発生用試料を走査させて、発生させた前記二次電子に基づいて標準信号を生成させ、
    前記標準信号を周波数空間のスペクトルに変換し、
    前記標準信号のスペクトルと、前記標準信号のノイズが無い場合の理想信号のスペクトルとの差分の信号のスペクトルを生成し、
    前記差分の信号を減衰させるフィルタを設定し、
    前記フィルタを用いて前記観察信号にフィルタ処理を行うことを特徴とする電子顕微鏡。
  2. 前記標準信号発生用試料は、前記理想信号のスペクトルをシミュレーションにより算出可能な凹凸パターンを有していることを特徴とする請求項1に記載の電子顕微鏡。
  3. 前記ラインの走査と、前記標準信号発生用試料における走査とでは、前記電子線を走査した範囲の中心点位置を変更するイメージシフトが行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子顕微鏡。
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