本発明は、SIVAポリペプチドのユビキチン化および/または分解関連活性、ならびにこの活性を調節可能な薬剤に関する。
SIVAは、TNFレセプター(TNFR)ファミリーのCD27およびGITRレセプターの細胞質尾に結合するアダプタータンパク質である。2つの異なるスプライスアイソフォームとして、SIVA1およびSIVA2が存在する。SIVA1はより長く、その中心部分に推定両親媒性へリックスを有する、デスドメイン相同領域(DDHR)を含む。SIVA2はより短く、DDHRを欠く。両方のアイソフォームは、それらのC−末端にB−ボックス様リングフィンガーおよび亜鉛フィンガー様ドメインを含む。SIVA1およびSIVA2両方の強制発現が、アポトーシスを誘導することが示された(Prasad et al., 1997, Yoon et al., 1998, Spinicelli et al., 2003, Py et al., 2004)。SIVA1誘導アポトーシスは、その両親媒性へリックス領域を通して、抗アポトーシス性Bcl−2ファミリーメンバーへのその結合と、そのメンバーの阻害によって影響を受けることが指摘された(Chu et al., 2005; Chu et al., 2004; Xue et al., 2002)。プロアポトーシスの役割と一致して、SIVAは、腫瘍抑制遺伝子p53およびE2F1に対する直接の転写標的である(Fortin et al., 2004)。証拠の種々の要点によって、SIVAが、ストレス誘導性タンパク質であり、急性虚血性傷害(Padanilam et al., 1998)、CoxAウイルス感染(Henke et al., 2000)において、またシスプラチン治療(Qin et al., 2002)、ならびにアポトーシスを誘導するTIP30発現(Xiao et al., 2000)によって、アップレギュレートされることが示される。最近、デスドメインではない、SIVA1およびSIVA2の共通N−およびC−末端が、カスパーゼ依存ミトコンドリア経路の活性化を介して、リンパ細胞におけるアポトーシスを仲介するのに十分であり、可能であることが示された(Py et al., 2004)。
NF−κB−誘導キナーゼ、NIK、(MAP3K14)が、TNF−レセプター関連アダプタータンパク質TRAF2に結合するタンパク質に対するスクリーニングにおいて発見された(Malinin et al., 1997)。本タンパク質キナーゼの過剰発現に際したNF−κBの明らかな活性化、および種々のタンパク質キナーゼに対する応答でのNF−κB活性化の効果的な阻害、および触媒的に不活性なNIK変異体の発現に際した、種々の誘導薬剤に対する応答での、NF−κB活性化の効果的な阻害が、NF−κB活性化のためのシグナル伝達におけるNIKの関与を示す(Malinin et al., 1997)。
NIKは、リンパ器官発達において有する(Shinkura et al., 1999)。免疫系の発達および機能の制御に関与することとは別に、NIKはまた、乳腺発達のような種々の非免疫機能の調節に関与すると思われる(Miyawaki et al., 1994)。インビトロ研究によって、骨格筋細胞分化を引き起こすシグナル伝達(Canicio et al., 2001)、およびニューロンの生存および分化(Foehr et al., 2000)におけるNIKが示された。
リンパ器官におけるNF−κB種のパターンの査定によって、ReIタンパク質およびIκBからなるNF−κB複合体(類)の制御におけるその役割とは別に、NIKも他のNF−κB種の発現/活性化を制御することに関与することが示された。実際、NIKは、ユビキチン化に対する分子トリガーとして働く、p100の部位特異的リン酸化に関与し、p100の活性処理に関与して、p52を形成する。このp100処理活性が、NIKのaly変異導入によって除去されることが発見された(Xiao et al., 2001b)。
胸腺間質におけるNIKは、免疫学的耐性を維持するために必須であるTreg細胞の正常な産出のために重要である。NIK変異導入は結果として、alyマウスにおけるTreg細胞の無秩序な胸腺構造、および障害のある産出となった(Kajiura et al., 1004)。一貫して、NIK−欠損マウスの研究によってまた、Treg細胞の発達および増殖を制御することにおけるNIKの役割がまた示された(Lu et al., 2005)。これらの発見は、間質依存様式で、自己耐性を確立することにおける、NIKの重要な役割を示している。NIKはまた、ウイルス感染の結果として、NF−κB活性化に参加する。呼吸器合胞体ウイルス感染が、結果として、a549細胞のような肺胞中、NIKのキナーゼ活性の増加、および活性化NIK、IKK1、p100および処理p52からなる複合体の形成となる。この場合、NIK自身が、p52に結合した核内へ転位し、驚くべきことに、これらの事象が、正規NF−κB経路活性化の活性化に先行する(Choudhary et al., 2005)。これらの発見は、NIKが実際、NF−κB活性化の調節因子として働くが、他の機能も担ってよいこと、および細胞−およびレセプター特異的様式で、これらの機能を発揮することを示している。
NIKは、NIK分子内の「活性化ループ(activation loop)」のリン酸化の結果として活性化されることが可能である。実際に、本ループ内のリン酸化部位(Thr−559)の変異導入が、NIK過剰発現に際したNF−κBの活性化を防止する(Lin et al., 1999)。さらに、NIKの活性化が、そのキナーゼモチーフの上流および下流の領域の、互いに結合する能力を介して、制御されるようである。そのキナーゼモチーフのNIK下流のC末端領域が、IKK1(Regnier et al., 1997)ならびにp100(Xiao et al., 2001b)に直接的に結合することが可能であることが示されており、これらの相互作用は、NF−κBシグナル伝達における、NIK機能のために明らかに必要である。NIKのN末端領域は、陰性調節ドメイン(NRD)を含み、これは、基礎モチーフ(BR)と、プロリン−リッチ繰り返しモチーフ(PRR)からなる(Xiao and Sun, 2000)。N末端NRDは、cisでNIKのC−末端領域に結合し、それによって、NIKのその基質(IKK1およびp100)への結合を阻害する。異所的に発現したNIKは、各NIK分子中のC−末端領域へのN−末端のこれらの結合が、明らかに乱されているオリゴマーを自然発生的に形成し、高レベルの構造的活性を表示する(Lin et al., 1999)。NIK C−末端領域のTRAF2(ならびに他のTRAFs)への結合が、活性化工程に関与するであろう。しかしながら、その実際の関与の様式は未知である。
最近、NIK調節の新規メカニズムが非常に注目を浴びている。これは、NIKのプロテアゾーム仲介分解を引き起こす、NIKおよびTRAF3の動的な相互作用を考慮する。興味深いことに、CD40およびBLySのようなNF−κBの他の経路が、TRAF3分解と、NIK発現の同時増強を誘導することが示された(Liao et al., 2004)。
NIK活性における下流メカニズムの情報はまだ限られている。そのC−末端領域のIKK1への結合を介して、NIKがIκBキナーゼ(IKK)複合体を活性化することが可能であるという証拠が存在する。実際、IKK1の活性化ループ中のセリン−176をリン酸化可能であり、それによってその活性化を可能にすることが示された(Ling et al., 1998)。
NIKが、正規のNF−κB経路においてまったく関与しないことが示されたが、他のものを独占的に活性化するために働くことが示された(Pomerantz and Baltimore, 2002,概説のため)。
最近、TNFによるリンパ球中のIkappaB分解の誘導がNIKに依存しない一方で、すべてがまたNF−κB2/p100処理を誘導する、CD70、CD40リガンド、およびBLyS/BAFFによるその誘導がNIK機能に依存することが示された(Ramakrishnan et al., 2004)。CD70およびTNF両方が、そのレセプターへのIKKキナーゼ複合体の動員を誘導する。TNFではなく、CD70の場合、本工程が、NIK動員に関連し、IKK1およびNIKのレセプター結合の延長が続く、NIKのではなく、IKK複合体のCD27への動員は、NIKキナーゼ機能に依存する。これらの発見は、NIKが、標準および非標準両方のNF−κBダイマーを活性化する、特定の誘導剤によって開始される遠位シグナル伝達事象の固有の組に関与することを示している。
哺乳動物中のTRAFファミリーは、7つのメンバーTRAF1−TRAF7からなる(Bradley and Pober 2001; Xu et al., 2004)。TRAFsは、主に転写因子NF−κBおよびAP1による、後天性および先天性免疫両方において、重要な機能を発揮する(Wajant and Scheurich, 2004)。すべてのTRAFタンパク質が、レセプターの細胞質ドメインへ、および他のTRAFタンパク質へ結合可能な、TRAFドメインと呼ばれるC−末端相同領域を共有する。さらに、TRAF2−TRAF7タンパク質は、シグナル伝達下流事象のために重要である、それらのN末端において、リングおよび亜鉛フィンガーを有する。
TRAFs遺伝子のノックアウトマウスが確立された(Bishop 2004; Bradley 2001、およびChung 2002によって概説された)。TRAF2ノックアウトは、若くして死亡し、繊維芽細胞中のTNF−仲介JNK活性化は示されない。これらTRAF2ノックアウトは、血清TNFレベルの上昇、および胸腺細胞および繊維芽細胞におけるTNF誘導死に対する感受性の増加を示す。さらに、これらTRAF2ノックアウトは、TNFおよびCD40誘導標準NF−κB活性化において障害のあるB細胞を有する。また、これらTRAF2ノックアウトは、B細胞中の、欠損CD40誘導TRAF3分解および構成性の他のNF−κB活性化を示す。TRAF3ノックアウトは、末梢リンパ球のすべての系統での欠損を示す。これらTRAF3ノックアウトは、B細胞におけるT−依存抗原およびLMP1シグナル伝達欠損に応答して、欠損イソ型切り替えを示す。
1つの態様において、本発明は、(i)ユビキチン、E1、E2および配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体を含むポリペプチドを接触させること、(ii)B−ボックス様リングを有する前記ポリペプチドへのユビキチンの結合を測定すること、を含み、前記B−ボックス様リングをもつポリペプチドに結合したユビキチンの検出が、前記B−ボックス様リングを有するポリペプチドが、ユビキチン化関連活性を有することを示す、ユビキチン化関連活性を有する、配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体を同定するための方法に関する。
他の態様において、本発明は、(i)配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体の存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、TRAF2ポリペプチドを含むポリペプチドを接触させること、(ii)配列番号6のB−ボックス様リングまたはその相同体を有するポリペプチドの存在下および非存在下で、TRAF2ポリペプチドに結合するユビキチンを測定すること、および(iii)ポリペプチドの存在下および非存在下におけるTRAF2に結合したユビキチンのレベルを比較すること、を含み、B−ボックスリングを有するポリペプチドの存在下におけるTRAF2に結合したユビキチンのレベルの増加が、配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体が、ユビキチン化関連活性をもつことを示す、ユビキチン化関連活性を有する配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体を同定するための方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、(i)ユビキチン、E1、E2およびSIVAポリペプチドを含むポリペプチドを接触させること、(ii)前記ユビキチンが、前記SIVAポリペプチドに結合するかどうかを検出すること、を含み、前記SIVAポリペプチドに結合したユビキチンの検出が、前記SIVAポリペプチドがユビキチン化関連活性を有することを示す、ユビキチン化関連活性を有するSIVAポリペプチドを同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、方法は、K63ユビキチン化関連活性を有することが可能なSIVAポリペプチドの同定のためである。
本発明のさらなる実施形態において、ユビキチンポリペプチドは、K48で変異したユビキチンである。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、NIKポリペプチド、TRAF3ポリペプチドおよび任意にE3を含むポリペプチドを接触させること、(ii)SIVAポリペプチドの存在下および非存在下で、NIKおよびTRAF3のユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)SIVAポリペプチドの存在下および非存在下における、NIKおよびTRAF3のユビキチン化のレベルを比較すること、を含み、SIVAポリペプチドの存在下における、NIKおよびTRAF3のユビキチン化のレベルの増加が、SIVAポリペプチドが、直接または間接ユビキチン化関連活性を有することを示す、直接または間接ユビキチン化関連活性を有するSIVAポリペプチドを同定するための方法に関する。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドが存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、NIKポリペプチド、および任意にE3を含むポリペプチドを接触させること、(ii)SIVAポリペプチドの存在下および非存在下で、NIKポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)SIVAポリペプチドの存在下および非存在下におけるNIKのユビキチン化のレベルを比較すること、を含み、SIVAポリペプチドの存在下におけるNIKのユビキチン化のレベルの増加が、SIVAポリペプチドが、直接または間接ユビキチン化関連活性を有することを示す、直接または間接ユビキチン化関連活性を有するSIVAポリペプチドを同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、NIKポリペプチドに関するSIVAポリペプチドの直接または間接K48またはK63ユビキチン化関連活性を試験する。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドが存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、TRAF3ポリペプチド、および任意にE3を含むポリペプチドを接触させること、(ii)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下で、TRAF3ポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)SIVAポリペプチドの存在下および非存在下における、TRAF3のユビキチン化のレベルを比較すること、を含み、SIVAポリペプチドの存在下におけるTRAF3のユビキチン化のレベルの増加が、SIVAポリペプチドが、直接または間接ユビキチン化関連活性を有することを示す、直接または間接ユビキチン化関連活性を有するSIVAポリペプチドを同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、TRAF3ポリペプチドに関するSIVAポリペプチドの直接または間接K63ユビキチン化関連活性を試験する。
本発明のさらなる実施形態において、SIVAポリペプチドは、デスドメインを欠く。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドが存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、TRAF2、TRAF5またはTRAF6ポリペプチド、および任意にE3を含むポリペプチドを接触させること、(ii)SIVAポリペプチドの存在下および非存在下で、TRAF2、TRAF5またはTRAF6ポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下における、TRAF2、TRAF5またはTRAF6のユビキチン化のレベルを比較することを含み、SIVAポリペプチドの存在下における、TRAF2、TRAF5またはTRAF6のユビキチン化のレベルの増加が、SIVAポリペプチドが、直接または間接ユビキチン化関連活性を有することを示す、直接または間接ユビキチン化関連活性を有するSIVAポリペプチドを同定するための方法に関する。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドが存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、TRAF2ポリペプチド、および任意にE3を含むポリペプチドを接触させること、(ii)SIVAポリペプチドの存在下および非存在下で、TRAF2ポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)SIVAポリペプチドの存在下および非存在下におけるTRAF2のユビキチン化のレベルを比較することを含み、SIVAポリペプチドの存在下におけるTRAF2のユビキチン化のレベルの増加が、SIVAポリペプチドが、直接または間接ユビキチン化関連活性を有することを示す、直接または間接ユビキチン化関連活性を有するSIVAポリペプチドを同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、SIVAポリペプチドのK48ユビキチン化関連活性を試験する。
本発明のさらなる実施形態において、SIVAポリペプチドは、SIVA2からなる。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)B−ボックス様リングを有するポリペプチドによって仲介される、B−ボックス様リングポリペプチドを有する前記ポリペプチドのユビキチン化を可能にする条件下、候補薬剤の存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体を接触させること、(ii)前記候補薬剤の存在下または非存在下で、B−ボックス様リングを有する前記ポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)前記候補薬剤の存在下および非存在下におけるユビキチン化のレベルを比較することを含み、前記候補薬剤の存在下における、B−ボックス様リングポリペプチドを有するポリペプチドのユビキチン化のレベルの変化が、候補薬剤が、B−ボックス様リングを有する前記ポリペプチドのユビキチン化関連活性を調節することが可能であることを示す、配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体のユビキチン化関連活性を調節可能な薬剤を同定するための方法に関する。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)B−ボックス様リングを有するポリペプチドによって仲介される、B−ボックス様リングを有する前記ポリペプチドおよび/またはTRAF2ポリペプチドのユビキチン化を可能にする条件下、候補薬剤の存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体およびTRAF2を含むポリペプチドを接触させること、(ii)前記候補薬剤の存在下または非存在下で、B−ボックス様リングを有する前記ポリペプチドおよび/またはTRAF2ポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)前記候補薬剤の存在下および非存在下におけるユビキチン化のレベルを比較することを含み、前記候補薬剤の存在下における、B−ボックス様リングポリペプチドを有するポリペプチドのユビキチン化のレベルの変化が、候補薬剤が、B−ボックス様リングを有する前記ポリペプチドおよび/またはTRAF2ポリペプチドのユビキチン化関連活性を調節することが可能であることを示す、配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体のユビキチン化関連活性を調節可能な薬剤を同定するための方法に関する。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドの自己ユビキチン化を可能にする条件下、候補薬剤の存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、およびSIVAポリペプチドを含むポリペプチドを接触させること、(ii)候補薬剤の存在下および非存在下で、SIVAポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)候補薬剤の存在下および非存在下における、前記SIVAポリペプチドの自己ユビキチン化のレベルを比較することを含み、候補薬剤の存在下におけるSIVAポリペプチドの自己ユビキチン化のレベルの変化が、候補薬剤が、SIVAのユビキチン化関連活性を調節することが可能であることを示す、SIVAポリペプチドのユビキチン化関連活性を調節可能な薬剤を同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、ユビキチンは、K48で変異したユビキチンである。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドによって仲介される、NIKおよび/またはTRAF3ポリペプチドのユビキチン化を可能にする条件下、候補薬剤の存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、SIVAポリペプチド、NIKおよび/またはTRAF3ポリペプチド、および任意にE3を含むポリペプチドを接触させること、(ii)前記候補薬剤の存在下または非存在下で、前記NIKおよび/またはTRAF3ポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)前記候補薬剤の存在下および非存在下におけるユビキチン化のレベルを比較することを含み、前記候補薬剤の存在下における、NIKおよび/またはTRAF3ポリペプチドユビキチン化のレベルの変化が、候補薬剤が、SIVAの間接または直接ユビキチン化関連活性を調節することが可能であることを示す、SIVAポリペプチドの直接または間接ユビキチン化関連活性を調節可能な薬剤を同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、SIVAポリペプチドは、SIVA2である。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドによって仲介される、NIKポリペプチドのユビキチン化を可能にする条件下、候補薬剤の存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、SIVAポリペプチド、NIKポリペプチド、および任意にE3を含むポリペプチドを接触させること、(ii)前記候補薬剤の存在下または非存在下で、前記NIKポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)前記候補薬剤の存在下および非存在下におけるユビキチン化のレベルを比較することを含み、前記候補薬剤が存在下におけるNIKポリペプチドのユビキチン化のレベルの変化が、候補薬剤が、SIVAの間接または直接ユビキチン化関連活性を調節することが可能であることを示す、SIVAポリペプチドの直接または間接ユビキチン化関連活性を調節可能な薬剤を同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、薬物が、NIKポリペプチドに関するSIVAポリペプチドの直接または間接K48またはK63ユビキチン化関連活性を調節する。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドによって仲介される、TRAF3ポリペプチドのユビキチン化を可能にする条件下、候補薬剤の存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、SIVAポリペプチド、TRAF3ポリペプチド、および任意にE3を含むポリペプチドを接触させること、(ii)前記候補薬剤の存在下または非存在下で、前記TRAF3ポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)前記候補薬剤の存在下または非存在下におけるユビキチン化のレベルを比較することを含み、前記候補薬剤の存在下におけるTRAF3ポリペプチドユビキチン化のレベルの変化が、候補薬剤が、SIVAの間接または直接ユビキチン化関連活性を調節することが可能であることを示す、SIVAポリペプチドの直接または間接ユビキチン化関連活性を調節可能な薬剤を同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、薬物は、SIVAポリペプチドの直接または間接K63ユビキチン化関連活性を調節する。
他のさらなる簡単において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドによって仲介される、TRAF2、TRAF5またはTRAF6ポリペプチドのユビキチン化を可能にする条件下、候補薬剤の存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2およびSIVAポリペプチドを含むポリペプチドを、TRAF2、TRAF5またはTRAF6ポリペプチドと接触させること、(ii)前記候補薬剤の存在下または非存在下で、前記TRAF2、TRAF5またはTRAF6ポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)前記候補薬剤の存在下および非存在下におけるユビキチン化のレベルを比較することを含み、前記候補薬剤の存在下における、TRAF2、TRAF5またはTRAF6ポリペプチドのユビキチン化のレベルの変化が、候補薬剤が、SIVAのユビキチン化関連活性を調節することが可能であることを示す、SIVAポリペプチドのユビキチン化関連活性を調節可能な薬剤を同定するための方法に関する。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドによって仲介される、TRAF2ポリペプチドのユビキチン化を可能にする条件下、候補薬剤の存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2およびSIVAポリペプチドおよびTRAF2ポリペプチドを含むポリペプチドを接触させること、(ii)前記候補薬剤の存在下または非存在下で、前記TRAF2ポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)前記候補薬剤の存在下または非存在下におけるユビキチン化のレベルを比較することを含み、前記候補薬剤が存在下におけるTRAF2ポリペプチドのユビキチン化のレベルの変化が、候補薬剤が、SIVAのユビキチン化関連活性を調節することが可能であることを示す、SIVAポリペプチドのユビキチン化関連活性を調節可能な薬剤を同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、薬剤は、SIVAポリペプチドの直接または間接K63ユビキチン化活性を調節する。
本発明のさらなる実施形態において、ポリペプチドの接触は、細胞内で行われる。
本発明のさらなる実施形態において、ポリペプチドの接触は、インビトロで行われる。
本発明のさらなる実施形態において、ユビキチン化を、ウエスタンブロット解析によって検出する。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下で、NIKおよび/またはTRAF3ポリペプチドを含むペプチドを接触させること、(ii)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下で、NIKおよび/またはTRAF3ポリペプチド分解を測定すること、および(iii)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下における、NIKおよび/またはTRAF3ポリペプチドの分解のレベルを比較することを含み、SIVAポリペプチドの存在下における、NIKおよび/またはTRAF3の全または部分分解が、タンパク質分解を誘導するSIVAポリペプチドの能力を示す、タンパク質分解を誘導することが可能なSIVAポリペプチドを同定するための方法に関する。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下で、NIKポリペプチドを含むペプチドを接触させること、(ii)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下で、NIKポリペプチド分解を測定すること、および(iii)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下におけるNIKポリペプチドの分解のレベルを比較することを含み、SIVAポリペプチドの存在下におけるNIKの全または部分分解が、タンパク質分解を誘導するSIVAポリペプチドの能力を示す、タンパク質分解を誘導することが可能なSIVAポリペプチドを同定するための方法に関する。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下で、TRAF3ポリペプチドを含むペプチドを接触させること、(ii)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下で、TRAF3ポリペプチド分解を測定すること、および(iii)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下におけるTRAF3ポリペプチドの分解のレベルを比較することを含み、SIVAポリペプチドの存在下におけるTRAF3の全または部分分解が、タンパク質分解を誘導するSIVAポリペプチドの能力を示す、タンパク質分解を誘導することが可能なSIVAポリペプチドを同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、RAF3のより小さな断片(dTRAF3)の検出が、タンパク質分解を誘導する前記SIVAポリペプチドの能力を示す。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAポリペプチドによって仲介されるNIKおよび/またはTRAF3の分解を可能にする条件下、候補薬剤の存在下または非存在下で、SIVAポリペプチドをNIKおよび/またはTRAF3と接触させること、(ii)候補薬剤の存在下または非存在下で、NIKおよび/またはTRAF3の分解を測定すること、および(iii)候補薬剤の存在下または非存在下における、NIKおよび/またはTRAF3の分解のレベルを比較することを含み、候補薬剤の存在下におけるNIKおよび/またはTRAF3の全または部分分解のレベルの変化が、その候補薬剤が、SIVAポリペプチドの活性によって仲介されるタンパク質分解を調節することが可能であることを示す、SIVAポリペプチドの活性によって仲介されるタンパク質分解を調節可能な薬剤を同定するための方法に関する。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAによって仲介されるNIKの分解を可能にする条件下、候補薬剤の存在下または非存在下で、SIVAポリペプチドをNIKと接触させること、(ii)候補薬剤の存在下または非存在下で、NIKの分解を測定すること、および(iii)候補薬剤の存在下または非存在下におけるNIKの分解のレベルを比較することを含み、候補薬剤の存在下におけるNIK分解のレベルの変化が、その候補薬剤が、SIVAポリペプチドの活性によって仲介されるタンパク質分解を調節することが可能であることを示す、SIVAポリペプチドの活性によって仲介されるタンパク質分解を調節可能な薬剤を同定するための方法に関する。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)SIVAによって仲介されるTRAF3の分解を可能にする条件下、候補薬剤の存在下または非存在下で、SIVAポリペプチドをTRAF3と接触させること、(ii)候補薬剤の存在下または非存在下で、TRAF3の分解を測定すること、および(iii)候補薬剤の存在下または非存在下におけるTRAF3の分解のレベルを比較することを含み、候補薬剤の存在下におけるTRAF3の全または部分分解のレベルの変化が、その候補薬剤が、SIVAポリペプチドの活性によって仲介されるタンパク質分解を調節することが可能であることを示す、SIVAポリペプチドの活性によって仲介されるタンパク質分解を調節可能な薬剤を同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、候補薬剤の存在下における、TRAF3のより小さな断片(dTRAF3)の部分分解および発生のレベルの変化が、その候補薬剤が、SIVAポリペプチドの活性によって仲介されるタンパク質分解を調節することが可能であることを示す。
他のさらなる態様において、本発明は、(i)候補薬剤の存在下または非存在下で、NIK、TRAF3、およびSIVAポリペプチドを含むポリペプチドを接触させること、(ii)候補薬剤の存在下または非存在下で、NIK−TRAP3−SIVA複合体のレベルを測定すること、および(iii)候補薬剤の存在下および非存在下において形成されるNIK−TRAF3−SIVA複合体のレベルを比較することを含み、候補薬剤の存在下で形成されるNIK−TRAF3−SIVA複合体のレベルにおける変化が、その候補薬剤が、NIK、TRAF3、およびSIVAポリペプチド複合体の結合を調節することが可能であることを示す、NIK、TRAF3およびSIVAポリペプチドを含むタンパク質複合体の結合を調節可能な薬剤を同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、前記候補薬剤が、NIK、TRAF3およびSIVAポリペプチド複合体のレベルを減少させる。
本発明のさらなる実施形態において、前記候補薬剤が、NIK、TRAF3およびSIAVポリペプチド複合体のレベルを増加させる。
本発明の他のさらなる実施形態において、SIVAポリペプチドは、SIVA2である。
本発明の他のさらなる実施形態において、前記候補薬剤が、小有機分子、ペプチド、核酸、天然抽出物からの分子、および合成有機化合物から選択される。
他のさらなる態様において、本発明は、その病因または経過が、TRAF2、NIK、TRAF3および/またはSIVAの活性および/またはレベルと関連する、疾患、障害または症状の治療または予防のための医薬の製造における、配列番号6中の配列またはその相同配列の、Bボックス様リングを有するポリペプチドの直接または間接ユビキチン化関連活性を調節可能な薬剤の使用を提供する。
本発明の1つの実施形態において、疾患がウイルス感染である。
本発明の他の実施形態において、薬剤が、SIVAからなるBボックス様リングを有するポリペプチドの直接または間接ユビキチン化関連活性を調節することが可能である。
本発明のさらなる実施形態において、SIVAポリペプチドが、SIVA2からなる。
本発明の他のさらなる実施形態にいて、疾患、障害または症状は、その病因または経過が、TRAF2の活性および/またはレベルに関連した疾患、障害または症状である。
本発明の他のさらなる実施形態において、病因は、TRAF2アップレギュレーション/活性化に関連する。
本発明の他のさらなる実施形態において、疾患は炎症である。
本発明の他のさらなる実施形態において、疾患、障害または症状は、その病因または経過が、NIKの活性および/またはレベルに関連した疾患、障害または症状である。
本発明の他のさらなる実施形態において、病因は、NIKアップレギュレーション/活性化に関連する。
本発明の他のさらなる実施形態において、疾患は癌である。
本発明の他のさらなる実施形態において、疾患は自己免疫疾患である。
本発明の他のさらなる実施形態において、疾患、障害または症状は、その病因または経過が、TRA3の活性および/またはレベルと関連する。
本発明の他のさらなる実施形態において、病因は、TRAF3アップレギュレーション/活性化に関連する。
本発明の他のさらなる実施形態において、症状は免疫不全である。
本発明の他のさらなる実施形態において、疾患、障害または症状は、その病因または経過が、SIVAの活性および/またはレベルに関連する。
本発明は他のさらなる実施形態において、病因は、SIVAアップレギュレーション/活性化に関連する。
本発明の他のさらなる実施形態において、疾患、障害または症状は、化学および放射線療法副作用に、また虚血および虚血再灌流に関連する。
他のさらなる態様において、本発明は、その病因または経過が、TRAF3の過度の、または増加したレベルに関連する疾患、障害または症状の治療または予防のための医薬の製造におけるSIVA2の使用を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、その病因または経過が、TRAF3のレベルの減少に関連する疾患、障害または症状の治療または予防のための医薬の製造における、リングフィンガーにおいて変異したSIVAの使用を提供する。
本発明の1つの実施形態において、変異SIVAは、SIVA2 C73Aである。
他のさらなる態様において、本発明は、その病因または経過が、細胞中のTRAF3のレベル、TRAF3のユビキチン化、および/またはTRAF3の分解に関連する、疾患、障害または症状の治療または予防のための医薬の製造におけるNIKの使用を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、その病因または経過が、TRAF2、NIK、TRAF3および/またはSIVAの活性に関連する疾患、障害または症状を治療する、または予防するための医薬の製造における、SIVAポリペプチドのユビキチン化リガーゼ活性を調節可能な、および/またはSIVAポリペプチドのタンパク質分解を調節可能な薬剤の使用を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、免疫系を調節することによって疾患、障害または症状を治療するための医薬の製造における、SIVAポリペプチドのユビキチン化リガーゼ活性を調節可能な、および/またはSIVAポリペプチドのタンパク質分解を調節可能な薬剤の使用を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、免疫系を調節することによって疾患、障害または症状を治療するための医薬の製造における、SIVAポリペプチドの使用を提供する。
1つの実施形態において、本発明は免疫系の増強に関する。
他の実施形態において、本発明は免疫系を阻害することに関する。
本発明のさらなる実施形態において、薬剤は、SIVA−C末端(配列番号3)からなる。
本発明のさらなる実施形態において、薬剤は、SIVA2C73Aからなる。
本発明のさらなる実施形態において、薬剤は、SIVA1−58(配列番号4)からなる。
本発明のさらなる実施形態において、薬剤は、SIVA1−81(配列番号5)からなる。
他のさらなる態様において、本発明は、免疫系の調節に応答する疾患、障害または症状を治療するための医薬の製造における、リシン残基670に関するNIK変異体の使用を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、免疫系の調節に応答する疾患、障害または症状を治療するための医薬の製造における、本発明による方法の任意の1つにしたがった方法によって同定される、SIVAポリペプチドのユビキチン関連活性を調節することが可能である薬剤の使用を提供する。
本発明の1つの実施形態において、薬剤は、SIVAに特異的なsiRNAである。
他のさらなる態様において、本発明は、免疫系の調節に応答する疾患、障害または症状を治療するための医薬の製造における、SIVAポリペプチドの使用を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、免疫疾患、障害または症状の治療のための医薬の製造における、NIK−SIVA−TRAF3複合体の形成を調節可能な薬剤の使用を提供する。
本発明の1つの実施形態において、SIVAポリペプチドはSIVA2である。
他のさらなる態様において、本発明は、その病因または経過が、過剰NF−κB発現または活性に関連する疾患、障害または症状を治療するための医薬の製造における、NIK−SIVA−TRAF3複合体の形成を調節可能な薬剤の使用を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、その病因または経過が、NIKの過剰な活性に関連する疾患、障害または症状を治療するための医薬の製造における、NIK−SIVA−TRAF3複合体の形成を調節可能な薬剤の使用を提供する。
本発明の1つの実施形態において、疾患、障害または症状は炎症である。
本発明の1つの実施形態において、疾患は癌である。
他のさらなる態様において、本発明は、NIK、TRAF3およびSIVAポリペプチドを含むポリペプチド複合体を提供する。
本発明の1つの実施形態において、複合体中のSIVAポリペプチドは、SIVA2である。
他のさらなる態様において、本発明は、配列番号6において列記された配列のBボックスからなる単離ポリペプチドを提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、SIVA1およびSIVA2を除いて、B−ボックス様リングフィンガーおよび/または亜鉛フィンガーモチーフを含むSIVAポリペプチドのC−末端断片を含む単離ポリペプチドを提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、配列番号3において列記されたSIVA2のアミノ酸残基58−110からなる、単離ポリペプチドを提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、Znフィンガーモチーフ 1〜81(配列番号5)を欠くSIVAポリペプチドのN−末端断片またはその断片を含む単離ポリペプチドを提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、SIVA2 1〜58(配列番号4)のZnフィンガーモチーフおよびB−ボックス様リングフィンガーモチーフを欠く、SIVAポリペプチドのN−末端断片を含む単離ポリペプチドを提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、配列番号4、配列番号5、配列番号3、SIVA2 C73Aまたはその断片からなる単離ポリペプチドを提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、リングフィンガーモチーフにおいて局在するシステイン残基において変異したSIVAポリペプチドを含む単離ポリペプチドを提供する。
本発明の1つの実施形態において、SIVAはSIVA2である。
本発明の1つの実施形態において、SIVA2ポリペプチドが、73位のシステイン残基において変異される。
他のさらなる態様において、本発明は、リシン残基670に関するポリペプチドNIK変異体を提供する。
本発明の1つの実施形態において、変異体がNIK K670Aである。
他のさらなる態様において、本発明は、本発明によるポリペプチドの、融合ポリペプチドを提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、本発明によるポリペプチドの塩を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、本発明によるポリペプチドをコードしている単離ポリヌクレオチドを提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、配列番号7、配列番号8および配列番号9のような配列を含む単離ポリヌクレオチドを提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、本発明によるポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、本発明によるベクターを含む宿主細胞を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、本発明による宿主細胞を増殖させ、産出されたポリペプチドを単離することを含む、本発明によるポリペプチドの調製のための方法を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、E1、E2、ユビキチン、SIVAポリペプチド、および説明書を含むタンパク質基質のユビキチン化のために有用なキットを提供する。
本発明の1つの実施形態において、タンパク質基質が、TRAF2、TRAF3、NIKおよびSIVAから選択される。
他のさらなる態様において、本発明は、本発明によるベクターおよび薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、本発明によるポリペプチド、またはその塩と、薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、本発明によるポリヌクレオチドと、薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、配列番号6の配列またはその相同的配列のB−ボックス様リングを有するポリペプチドのユビキチン関連活性を調節可能な薬剤と、薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
本発明の1つの実施形態において、B−ボックス様リングを有するポリペプチドは、SIVAポリペプチドである。
他のさらなる態様において、本発明は、配列番号6の配列またはその相同的配列のB−ボックス様リングを有するポリペプチドの活性によって仲介される、タンパク質分解を調節することが可能である薬剤と、薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
本発明の1つの実施形態において、B−ボックス様リングを有するポリペプチドは、SIVAポリペプチドである。
他のさらなる態様において、本発明は、SIVAポリペプチドまたはその相同体のユビキチンリガーゼ活性を調節可能な薬剤と、薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、細胞中のSIVAポリペプチド活性または発現のレベルを増加させること、または減少させることを含む、前記細胞内でのNIKユビキチン化を調節するための方法を提供する。
他のさらなる態様において、本発明は、ユビキチン化に好適な条件下、ユビキチン、E1、E2、SIVAおよびTRAF2を接触させることを含む、TRAF2ユビキチン化を誘導するための方法を提供する。
本発明にしたがって、SIVAが、ユビキチン化−関連活性を有し、自己ユビキチン化およびTRAF2のユビキチン化を直接誘導することが可能であることが分かった。
ユビキチン化(ubiquitination)とも呼ばれる、ユビキチン化(ubiquitylation)は、それによってタンパク質が、ユビキチン[元来は、ユビキタス免疫原性ポリペプチド(UBIP)]と命名された小タンパク質の共有結合によって翻訳後修飾される、真核生物に特異的な工程を指す。ユビキチンリガーゼは、ユビキチンを標的タンパク質上のリシン残基に共有結合させるタンパク質である。ユビキチンリガーゼは、典型的にポリユビキチン化に関与し、第二ユビキチンが第一に結合し、第三が第二に結合し、以下同様である。
ユビキチンリガーゼは、「E3」とも呼ばれ、ユビキチン活性化酵素(本明細書で「E1」と呼ぶ)およびユビキチン共役酵素(本明細書で「E2」と呼ぶ)と一緒に働く。共役のためにユビキチンを活性化するため、ATPを使用し、それをE2酵素に伝達する、全てのユビキチンリガーゼによって共有される、1つの主要なE1酵素が存在する。E2は、特異的E3パートナーと結合し、ユビキチンを標的タンパク質に伝達する。多重タンパク質複合体であり得るE3は一般的に、ユビキチンを特異的基質タンパク質に対して標的化することに関与する。いくつかの場合、ユビキチンをE2酵素より受け取り、標的タンパク質または基質タンパク質に伝達し、他の場合、E2酵素および基質の双方と相互作用することによって働く。
本発明にしたがって、SIVA2はE3リガーゼであることが示された。したがって、1つの態様において、本発明は、(i)ユビキチン、E1およびE2を含むポリペプチドを、SIVAポリペプチドに接触させること、(ii)および前記ユビキチンが、前記SIVAポリペプチドに共有連結または結合するかどうかを検出することを含み、前記SIVAポリペプチドに連結したユビキチンの検出が、前記SIVAポリペプチドがユビキチン化関連活性を有することを示す、ユビキチン化関連活性を有するSIVAポリペプチドを同定するための方法に関する。
SIVAポリペプチドは、SIVA由来またはSIVAに基づく任意のポリペプチドであることができる。SIVAポリペプチドの例には、限定はしないが、SIVA1(配列番号1)、SIVA2(配列番号2)、それらの変異タンパク質、融合タンパク質、機能誘導体、活性画分、アイソフォーム、円順列誘導体が含まれる。E2の例は、Ubc13/Uev1である。
インビトロまたは細胞に基づく方法を使用して、ユビキチン化関連活性を有するSIVAポリペプチドを同定することが可能である。
本発明の1つの実施形態において、方法は、インビトロ法であり、以下のように実施することが可能である。反応混合液を、組換え体ユビキチン、E1、E2および、組換え体SIVAポリペプチドを含んで調製する。使用する組換え体タンパク質の量は、それぞれ、8、0.2、1−2μg/ml ユビキチン、E1、E2およびSIVAポリペプチドであることができる。タンパク質は、好適な緩衝液中、たとえば、30mM HEPES pH7.6、5mM MgCl2、2mM ATP、0.2mMDTT、5mMクエン酸ナトリウム、10mMリン酸クレアチニン、0.2μg/mlクレアチニンキナーゼおよび5μMユビキチンアルデヒドを含む緩衝液中であることができる。反応液を、30℃で約1−4時間インキュベートする。反応を、Laemmli試料緩衝液の添加によって停止し、20mM HEPES pH7.6、150mM NaCl、1% Triton X−100、1mM EDTAおよび完全プロテアーゼ阻害剤混合物を含む緩衝液において1mlまで希釈した。SIVAを、抗−SIVAを用いて、またはSIVAがタグ化した場合に、タグに対する抗体を使用して、免疫沈降する。たとえば、タグ化SIVAは、GST−SIVAでありえ、使用する抗体は、以下の代表的な実施形態でのように、GSTに対して特異的であり得る。次に、抗体を、4℃で4時間、プロテインGビーズに吸着させる。免疫沈降物を、たとえば抗−ユビキチン抗体のような特異的抗体でのウエスタンブロッティングにかける。本方法でのユビキチンは、K48以外のユビキチン中の全てのリシンがアルギニンに変異した変異体ユビキチン(ボストン バイオケム)を使用して、K48ユビキチン化可能なSIVAポリペプチドを同定してよい。または、本方法中のユビキチンは、K63以外のユビキチン中の全てのリシンがアルギニンに変異した変異体ユビキチン(ボストン バイオケム)を使用して、自己ユビキチンの場合のような、K63ユビキチン化可能なSIVAポリペプチドを同定してよい。
SIVAに連結したユビキチンを、たとえば、抗SIVA抗体を用い、SIVAのより重いバンドの発現を検出するウエスタンブロット解析によって、および/またはユビキチンに対する抗体を用いることによって、検出することが可能である。たとえば、ユビキチンは、HISまたはHAタグ化することが可能である。SIVAはGSTまたはFLAGタグ化することが可能である。
本発明の1つの方法において、タグ化SIVAポリペプチドおよび/またはユビキチンを使用して、タグに対して特異的な抗体で検出または免疫沈降することが可能である。たとえば、GST−SIVA2を、インビトロユビキチン化アッセイにおいて、E1(たとえば200ng/50μl)およびE2、Ubc13/Uev1(たとえば500mg/50μl)、およびHIS−ユビキチン酵素とともにインキュベートする。37℃で1時間後、試料を、抗GST抗体で免疫沈降する。IPおよび全溶解物の双方を、抗−SIVA、抗ユビキチンまたは抗HISを用いるウエスタンブロッティングによって解析する。
さらなる態様において、本発明は、候補薬剤の存在下または非存在下で、以上の方法を実施することによって、SIVAまたはSIVAポリペプチドのユビキチン関連活性を調節可能な候補薬剤を同定するための方法を提供し、そこで、薬剤の存在下における、前記SIVAポリペプチドの自己ユビキチン化のレベルの変化が、候補薬剤が、SIVAのユビキチン化関連活性を調節することが可能であることを示す。
NIKが、本発明にしたがって、それぞれのユビキチン変異体との一時的共発現によって、モノユビキチン化、ならびにK48−ポリユビキチン化を誘導する、そしてK−63ポリユビキチン化を安定化する、分解を受けることが分かった。単一の分子が、全ての公知の種類のユビキチンとの共役を提示していることが非常に興味深い。この種々のユビキチン化は、良好なNIKの機能多様性の決定基であり得る。NIKユビキチン化におけるSIVAの役割を調査することによって、本発明にしたがって、SIVAの共発現が、NIKのK48およびK63ユビキチン化を増強したことが分かった。一貫して、インビトロユビキチン化実験において、組換え体SIVA2が、強力なリングフィンガー依存E3リガーゼであることが分かった。SIVA2は、TRAF2の直接的および特異的E3リガーゼである。
直接または間接ユビキチン化関連活性を有するSIVAポリペプチドを、(i)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、NIKポリペプチド、および任意にE3を含むポリペプチドを接触させること、(ii)SVAポリペプチドの存在下および非存在下で、NIKポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)SIVAポリペプチドの存在下および非存在下におけるNIKのユビキチン化のレベルを比較することを含み、SIVAポリペプチドの存在下におけるNIKのユビキチン化のレベルの増加が、SIVAポリペプチドが、直接または間接ユビキチン化関連活性を有することを示す、方法によって本発明にしたがって同定することが可能である。
たとえば、細胞に基づくアッセイにおいて、NIK、SIVAポリペプチドおよびHAタグ化ユビキチンをコードしているプラスミドを細胞内にトランスフェクト可能であり、溶解細胞の抗−NIK免液沈降物を、抗−HA抗体を用いるウエスタンブロッティングによって解析することが可能である。1つの実施形態において、細胞は、レトロウイルス形質導入NIKを発現しているRamos細胞であり、CD70で処理することが可能である。他の実施形態において、細胞はCD70で処理した、CD27レセプターおよびNIKを安定に発現しているHEK 293Tのような、非リンパ細胞であることができる。細胞溶解物の免疫沈降したNIKを、抗−ユビキチン抗体を用いるウエスタンブロッティングによって解析して、NIKユビキチン化をモニタすることが可能である。
また、SIVAポリペプチドをコードしているプラスミドを、NIKプラスミドおよびユビキチンをコードしているプラスミドと共トランスフェクトすることが可能である。SIVAポリペプチドは、たとえば、SIVA1−58、またはSIVA−Cプラスミドであってよく、ユビキチンは、HA−ユビキチンのような、タグ化ユビキチンであることができる。ユビキチンは、K48RまたはK63R変異体のような、リシンにおいて変異された変異体ユビキチンであることができる。使用可能なプラスミドの量は、NIK、SIVAおよびユビキチンプラスミドに対して、それぞれ約4μg、6μg、および8μgである。細胞はHeLa細胞であることができる。トランスフェクション24時間後、細胞を回収し、溶解し、抗−NIK抗体で免疫沈降する。ウエスタンブロッティングを、NIK上のユビキチン共役を検出するために抗−HAで実施することが可能である。
ユビキチン化関連活性および/またはタンパク質分解活性を有するSIVAポリペプチドの同定のための細胞に基づく方法の1つにおいて、細胞中で、NIKを、SIVAポリペプチドおよびTRA2ポリペプチドと共発現させることができる。使用可能なプラスミドの量は、SIVAに関して、約0.5μg、1.5μgおよび3.0μg、NIKおよびTRAF2に関して、0.5μgである。全細胞溶解物をトランスフェクションの30時間後に調整し、NIKにおけるユビキチン共役物の検出、またはNIKの分解の検出のために、抗−NIKでプローブ化した。
ユビキチン化関連活性を有するSIVAポリペプチドの同定のための細胞に基づく方法の1つにおいて、HEK 293T細胞のような細胞に、FLAG−TRAF2、HIS−SIVA2およびユビキチンをコードしているプラスミドをトランスフェクトする。トランスフェクション24時間後、細胞を溶解し、FLAG−TRAF2に対する特異的抗体を用いて免疫沈降し、ウエスタンブロット解析して、ユビキチン化TRAF2を検出する。TRAF2リングフィンガー変異体(C34A)を、WT TRAF2の代わりに使用して、その自己ユビキチン化を防止することが可能である。TRAF2リングフィンガー変異体は、SIVA2に結合するその能力を維持した。
他の細胞に基づくアッセイにおいて、FLAG−CD70での刺激、およびSIVAの過剰発現によってCD27レセプターに動員された、ユビキチン化TRAF2、および抗−FLAGによる免疫沈降を使用することが可能である。SIVA2は、TREX系およびCD70での刺激の前の1uMドキシサイクリンでの誘導を用いることによって過剰発現することが可能である。
SIVAポリペプチドによって誘導されたユビキチン化の細胞に基づくアッセイを、外来ユビキチンなしで、および限定はしないが、HeLa細胞、HEK 293T細胞およびRamos細胞を含む任意の種類の細胞で実施してよい。
インビトロユビキチン化アッセイを、たとえばHIS−ユビキチン、E1、E2(たとえばUbc13/Uev1ヘテロダイマー)、たとえばGST−SIVA2またはGST−SIVAC73Aのような、GST様との融合タンパク質であることができる組換え体SIVAポリペプチド、およびFLAGタグ化TRAF2であることができる組換え体TRAF2を含む反応液を利用することによって実施することが可能である。タンパク質は、30mM HEPES pH7.6、5mM MgCl2、2mM ATP、0.2mM DTT、5mM クエン酸ナトリウム、10mM リン酸クレアチニン、0.2μg/mlクレアチニンキナーゼおよび5μMユビキチンアルデヒドを含む緩衝液中に存在させることができる。抗FLAGまたは抗TRAF2を使用して、改変(ユビキチン化)TRAF2を検出することが可能である。
SIVAは、カスパーゼ依存ミトコンドリア経路において細胞死を誘導する(Py et al., 2003)。誘導物質としてのアポトーシスにおいて推測される役割と一致して、SIVAが、異なる細胞型において、UVおよび酸化ストレスに対する応答でアップレギュレートされ、腫瘍抑制遺伝子p53およびE2F1の直接転写標的である(Fortin et al., 2004)。アポトーシスの工程において、カスパーゼ−8が、NIKのようなタンパク質を開裂することが知られており、したがって、細胞生存および増殖においてきわめて重要な役割をはたすNF−κBを抑制する(Foehr et al., 2000)。同様に、高用量のSIVA2も共発現したNIKを分解し、この効果はプロテアソーム阻害によって犠牲にされる。本発明にしたがって、SIVA2も、NIKのK48ユビキチン化を誘導することが分かったが、NIKにおけるK670残基の変異によって著しく減少された。共に、これらの観察は、古典的なユビキチン−プロテアソーム経路を介した、SIVA2によるNIKの制御を指摘している(Glickman and Ciechanover, 2002)。興味深いことに、SIVA過剰発現に対する応答における、K48ユビキチン化、およびNIKの分解の双方が、SIVA2リングフィンガー領域の完全に非存在下においてでさえ、ならびに触媒的に不活性なSIVAリングフィンガー変異体で発生し、これは、SIVAが、K48ユビキチン化を誘導するための、NIKの直接E3ではないこと、およびSIVAが、ユビキチン化を仲介するために、タンデムで働くアクセサリーE3タンパク質を必要とし得ることを示す。SIVAは、OSTLと呼ばれる他のリングフィンガータンパク質に結合することが示された。OSTLは、B−ボックス様リングフィンガーモチーフを含み、B細胞シグナル伝達および生存における役割を有することが前提となるので、E3アクセサリータンパク質であることができる(Fontanari Krause et al., 2003)。同様に、TRAF3もその分解を引き起こす、NIKの間接ユビキチン化酵素として報告された(Liao et al., 2004)。しかしながら、本発明にしたがって、TRAF3は、同様の効果で、野生型NIKおよびNIK K670A変異体の双方を分解することが分かり、これは、SIVA2およびTRAF3仲介NIK分解に関与する分子メカニズムが異なることを示している。SIVA2およびTRAF3は、NIKをユビキチン化するために、共動作して機能し得る。
驚くべきことに、NIK分解を与えるTRAF3の能力を査定する一方で、本発明にしたがって、NIKが、その細胞レベル、ユビキチン化、および分解の速度に影響を与える、TRAF3を調節することが分かった。このTRAF3の調節は、TRAF3の完全分解とはならず、異なる低分子量形態のTRAF3(dTRAF3)の集積となる意味で、特異である。興味深いことに、SIVA1でなく、SIVA2が、TRAF3のこのNIK−誘導開裂を著しく増加させた。これは、SIVAの2つのスプライス変異体間の機能的差違を示した最初の観察である。SIVA2とTRAF3の直接結合が、弱くだけ発生したにも関わらず、野生型またはキナーゼ死NIKの存在が、その相互作用を著しく安定化させた。結合が、NIKのキナーゼ機能によって影響を受けないp100−NIK−IKK1複合体の場合(Xiao et al., 2004)のように、ここで、NIKもTRAF3とSIVA2を連結するアダプタータンパク質の役割を果たすことが明らかである。これは、NIKとSIVA2の共動作による、NIK−SIVA2−TRAF3複合体の形成、TRAF3開裂およびユビキチン化が観察された最初である。
ユビキチン変異体の共発現による、TRAF3ユビキチン化の型をさらに調査することで、本発明にしたがって、TRAF3がK63ユビキチン化を圧倒的に受けること、およびSIVA2が、K63ユビキチン化依存様式において、dTRAF3を産出することが分かった。さらに、SIVA2のリングフィンガー変異もdTRAF3の産出を防止した。NIK誘導およびSIVA2誘導の双方のdTRAF3形成が、リポソームまたはカスパーゼ阻害によってではなく、プロテアソーム阻害によって防止された。SIVA2およびNIKによるD347A変異体TRAF3の処理(Lee et al., 2001)も本工程が、カスパーゼに依存しないことを示した。これは、TRAF3のプロテアソーム−依存処理におけるK63ユビキチン化の関与を示している重要な発見である。SIVA2は、TRAF3のK63ユビキチン化のためのE3であり得、TRAF3の処理において、NIKが、アダプターとして、またはキナーゼとして機能し得る。これらの知見は、SIVA2と協調可能な、NIKおよびTRAF3の相互調節を示している。
TRAF3のリングフィンガーは、SIVA2によるTRAF3のユビキチン化またはその後のdTRAF3の産生に貢献していないけれども、タンパク質の可溶性の誘導された変化に対して、主要なインパクトを有することが分かった。明らかに、リングフィンガー変異体TRAF3が、大量にユビキチン化され、トリトン不溶性コンパートメント中に留まるが、これは、TRAF3トラフィッキングにおけるリングフィンガーに関する役割を示している。
SIVAがTRAF3のユビキチン化を誘導することが可能であることが本発明にしたがって分かったので、(i)SIVAポリペプチドの存在下または非存在下で、ユビキチン、E1、E2、TRAF3ポリペプチド、および任意にE3を含むポリペプチドを接触させること、(ii)SIVAポリペプチドの存在下および非存在下で、TRAF3ポリペプチドのユビキチン化のレベルを測定すること、および(iii)SIVAポリペプチドの存在下および非存在下におけるTRAF3のユビキチン化のレベルを比較することを含み、SIVAポリペプチドの存在下におけるTRAF3のユビキチン化のレベルの増加が、SIVAポリペプチドが、直接または間接ユビキチン化関連活性を有することを示す、直接または間接ユビキチン化関連活性を有するSIVAポリペプチドを同定するための方法が提供される。本発明の1つの実施形態において、NIKポリペプチドを段階(i)において加えてよい。
本発明の1つの代表的な実施形態において、細胞に基づくアッセイを、HEK293T細胞のような細胞内へ共トランスフェクトした、TRAF3プラスミド、NIKプラスミドおよびユビキチンプラスミドを用いて実施する。使用可能なプラスミドの量は、TRAF3、NIKおよびユビキチンに関してそれぞれ、約3、4および4μgであり、約4μgの同一量のプラスミドを各タンパク質に対して使用することが可能である。細胞をトランスフェクション24時間後に回収し、全溶解物を抗TRAF3抗体を用いるウエスタンブロッティングによって解析して、ユビキチン化TRAF3を表す改変TRAF3形態を確認する。
本発明の他の代表的な実施形態において、細胞に、HIS−TRAF3、FLAG−SIVA2およびHA−ユビキチン K48Rをトランスフェクトし、溶解し、溶解物の抗HIS免疫沈降物を、抗HA抗体を用いるウエスタンブロッティングにかける。使用可能なプラスミドの量は、HIS−TRAF3、FLAG−SIVA2およびHA−ユビキチンに関して、それぞれ6、6および4μg/mlである。1つの他の実施形態において、溶解物を、抗FLAG抗体で免疫沈降させて、SIVA2を沈殿させ、ウエスタンブロットにおいて、抗−TRAF3でプローブ化する。
さらなる態様において、本発明は、候補薬剤の存在下または非存在下で、以上の方法を実施することによって、NIKおよび/またはTRAF3ポリペプチドにおけるSIVAポリペプチドの直接または間接ユビキチン化関連活性を調節可能な候補薬剤を同定するための方法を提供し、そこで、候補薬剤の存在下における、前記NIKおよび/またはTRAF3ポリペプチドのユビキチン化のレベルの変化が、候補薬剤が、NIKおよび/またはTRAF3ポリペプチドにおけるSIVAのユビキチン化関連活性を調節することが可能であることを示す。候補分子は小分子であることができる。
本発明によれば、SIVAリングフィンガー変異体による、NIKおよびNIK K670Aの分解の後、SIVA2中のリングフィンガー変異体が、そのリシン670変異によって達成されるNIKの保護を無効にし、SIVA2リングフィンガー変異体とのその共発現に際して、NIK K670Aの効果的な分解という結果を生じることが見出された。1つの可能性のある説明は、双方がSIVA2によって仲介された、2つの反対の型のNIKのユビキチン化が存在することである。一時的インビボユビキチン化実験において、本発明にしたがって、SIVA2が、NIKのK48およびK63型のユビキチン化を促進すること、および、SIVA2 N−末端が、NIKのK48ユビキチン化および分解に関与すること、が分かった。SIVA2 1−58によってではなく、SIVA2によるNIKのK63ユビキチン化の、そして変異体SIVA2リングフィンガーの、NIKのユビキチン化を干渉する能力の、これらの2つの観察をつなぐと、リングフィンガーが、K63ユビキチン化に関与する可能性が非常に高いようである。一貫して、NIK K670AおよびSIVA C73Aが一緒に発現した場合、NIKが、リシン670以外の部位での、K48型のユビキチン化のみを有する。K63ユビキチン化の安定化がない状態において、残りのK48ユビキチン化が一般的であり、結果として、NIKの効果的な分解となる。言い換えれば、SIVA2中のリングフィンガー変異が、NIK K670A変異が、SIVA2によるNIK分解に対しても、保護効果を中和するようにみられる。NIKのSIVA2誘導K63ユビキチン化のさらなる確認が、SIVA2との共発現に際した、NIK−K63ユビキチン化上、変異体Ubc13、K63特異的E2(Deng et al., 2002)、およびCYLD、K63特異的デユビキチナーゼ(Kovalenko et al., 2003)の阻害効果から得られた。SIVA2のインビトロ自己−K63ユビキチン化もインビボおよびインビトロの双方で、リングフィンガー変異によって防止されたので、K63ユビキチン化が、SIVA2のリングフィンガーの独占的な機能であるようである。
SIVAは、非常に低いレベルで、基底部に発現し、SIVA抑制の弱い効果に関する1つの可能性は、SIVAがその機能を、そのレベルのアップレギュレーションに際してのみ発揮するということであるとすることができる。適切に、SIVAがストレス誘導タンパク質であること、および上昇したSIVAレベルが細胞死を引き起こすことが示された(Fortin et al., 2004; Henke et al., 2000; Padanilam et al., 1998)。これに沿って、構成的および誘導可能な発現の双方において、SIVA2が、CD27およびCD40誘導NF−κB活性化を干渉した。このNIK−仲介の他のNF−κB経路の阻害が、SIVA2の、NIKの分解を引き起こす能力をもっとも良好に反映しているようである。これに基づいて、SIVA2による生存促進の役割をダウンレギュレートすることが、ストレスの状態における後者のアポトーシス的役割に寄与すると推測したくなる。
SIVAは少量な細胞タンパク質であり、通常非常に低いレベルで発現し、強力な生物学的効果を発揮することが可能である。NIKは、SIVAを直接リン酸化することによって、SIVAを安定化することにおいて、重要な役割を果たすようである。一貫して、キナーゼ不活性NIKが、SIVA2発現を安定化できない。キナーゼ不活性IKK1またはIKK2いずれもが、インビトロキナーゼアッセイにおいて、NIK誘導SIVA2リン酸化を干渉できず、これは、SIVA2が真の新規NIK基質であることを示している。多くの細胞タンパク質のリン酸化が、そのユビキチン化を進める(Karin and Ben-Neriah, 2000)。NIKによるリン酸化は、SIVA2のユビキチン化機能に対する必要条件であることができる。
メカニズムにとらわれずに、活性化に際してNIKがSIVAをリン酸化して、その安定化を導く、プログラムされた微調整系として見ることが可能なタンパク質改変および分解メカニズムの複合制御が本明細書で示されている。後者のNIKが、その安定化−誘導K63ユビキチン化のために、そしてNIK機能の阻害剤であるTRAF3の開裂のために、SIVAを利用する。一旦細胞がNIKシグナル伝達の終結を必要とした場合、SIVAがおそらく、NF−κB活性化の結果として合成された新規タンパク質と結合し、NIK分解に影響を与える、K48ユビキチン化複合体を形成する。おそらく、これが、NIKシグナル伝達を制限する自己制御ループとして働き、ストレスがさらにSIVAレベルをアップレギュレートする場合、生存経路を阻害し、アポトーシスを誘導するために機能する。これらの結果は、SIVAが、反対の結果を有する、NIKユビキチン化において二重効果を有することを示している。NIKレベルの増強およびそれによる低用量のSIVA2の共発現からの結果であるその機能が、よくNIKレプレッサー、たとえばTRAF3の抑制の結果であることができる。したがって、SIVA2は、インビボにおいて、TRAF3をユビキチン化し、分解し、結果としてNIKレベルの上昇となる。
SIVA活性の正確な位置、すなわち膜、または細胞質内を同定することもその正確な機能を定義するためにきわめて重要である。それによってSIVAが同定されたCD27レセプターに加えて、2つの他の膜レセプターもSIVAに直接結合することが示された。これらの1つがGITR、T細胞において主に発現するTNFRファミリーメンバーであり、アポトーシスおよびNF−κB活性化経路の双方に関与する(Spinicelli et al., 2002, Nocentini et al., 2005)。CD4は、SIVAに結合すると言われている第三の膜レセプターであり、この結合が、カスパーゼ依存ミトコンドリア経路を介して、CD4+ T細胞のアポトーシスを調節することが示される(Petit et al., 2004)。
SIVAが、CD27、GITRおよびOX40中のTRAF2結合部位に結合することが示された(Spinicelli et al., 2002)けれども、これに関して現実の証拠は存在しなかった。これは、おそらく、NIK、TRAF2の真実のアダプターが、一時的の発現においてNIKを分解し、SIVA2が、TRAF2誘導分解からNIKを保護したことが本明細書で分かったという事実によって、SIVAの膜動員がとりわけ重要である。さらに、TRAF2が最近、他のNF−κB経路のネガティブ調節物として働くことが示された(Grech et al., 2004)。NIK、TRAF2相互作用タンパク質の機能が、他のNF−κB経路にとってきわめて重大であるので、理論的に、TRAF2の、代替経路を阻害するこの新規の役割は、TRAF2によって誘導されたNIK分解による結果であり得る。SIVA2が、NIKを安定化することにおける外来レベルで任意の役割を果たすかどうかが、一旦、SIVA2がTRAF2を介して、レセプター、たとえばCD27へ動員されるならば、興味をそそる疑問である。これにそって、CD27レセプターに動員されたTRAF2が、著しくユビキチン化されることが分かり、NIKを動員しないTNFレセプターに対して動員されたTRAF2から区別される。本明細書において、結果によって、変異体SIVA2C73Aではなく、SIVA2が直接、TRAF2 K63ユビキチン化を誘導することが示されている。TRAF5は、TRAF2の近位の機能的および構造的相同体であると考えられており、これらは共に、NF−κB活性化に関与する(Chung et al., 2002)。TRAF2は、それほどではないにしろ、TRAF6に似ており、一方で、TRAF1およびTRAF3とは有意に異なる。
本発明にしたがって、組換え体HIS−ユビキチン−K63のみ(K63以外のユビキチン中の全てのリシンが、アルギニンに変異している組換え体HIS−ユビキチン、ボストン バイオケム)(8μg)、E1(0.2μg)、E2(0.5μg)、および1−2μgの組換え体GST−SIVAまたはFLAGタグ化TRAF2を含むGST−SIVAC73Aを含む、50μl反応溶液において実施したインビトロユビキチン化アッセイにおいて、FLAGタグ化TRAF2が一時的に発現し、抗FLAG M2 SIVA2を用いて精製されたが、変異体SIVA2 C73Aが直接TRAF2のK63ユビキチン化を誘導することが示された。一致して、Ramos細胞中のSIVA−C末端を発現することが、B細胞中のTRAF2欠損を摸倣し、したがって、SIVA−Cが、過剰なTRAF2活性または発現に関連した、またはTRAF2の阻害に応答する疾患において使用することが可能である。siRNAによる細胞中のSIVAのサイレンシングを、TRAF2の活性または発現が減少した、またはTRAF2の増強に応答する疾患で使用することが可能である。TRAF2はSIVA2に結合し、結合は、SIVA2およびSIVA2 1−81においてのように、リングフィンガーが存在する時にのみ発生する。TRAF2リングフィンガー変異体は、SIVA2へ結合する能力を保持していた。SIVAは、そのリングフィンガーの機能として、HEK 293Tにおいて、TRAF2のK48ユビキチン化を増強する。
本発明にしたがって、SIVA2は、Ramos細胞中、CD27レセプターに動員されたTRAF2のユビキチン化を制御することが示された。CD27レセプターに動員されたTRAF2ユビキチン化におけるSIVAのサイレンシングの効果を調査した。本目的のために、293−CD27細胞を、pSUPER SIVAでトランスフェクトした。48時間後、細胞を、FLAG−CD70で処理して、TRAF2のCD27レセプターへの動員を誘導した。細胞を溶解し、CD27レセプター複合体を、抗−FLAG抗体を用いて免疫沈降した。TRAF2に結合したレセプターを、抗−TRAF2抗体でプローブ化した。pSUPER SIVAトランスフェクト細胞を、CD70刺激に続く細胞質中のTRAF2のレベルに関して、対照pSUPERトランスフェクト細胞と比較した。CD70トリガー化が、結果として、SIVA依存様式でのTRAF2の分解となった。
したがって、他の態様において、本発明は、(i)ユビキチン、E1、E2およびSIVAポリペプチドを、TRAF2、TRAF5またはTRAF6ポリペプチドと接触させること、(ii)および前記ユビキチンが、前記TRAF2、TRAF5またはTRAF6に結合するかどうかを決定することを含み、前記TRAF2、TRAF5またはTRAF6ポリペプチドに結合した前記ユビキチンの検出が、前記SIVAポリペプチドがユビキチン化関連活性を有することを示す、TRAF2、TRAF5またはTRAF6におけるユビキチン化関連活性を誘導可能なSIVAポリペプチドを同定するための方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、以下の反応液を調製する。反応液には、30mM HEPES pH7.6、5mM MaCl2、2mM ATP、0.2mM DTT、5mMクエン酸ナトリウム、10mMリン酸クレアチニン、0.2μg/mlクレアチニンキナーゼおよび5μMユビキチンアルデヒドを含む緩衝液中、組換え体HIS−ユビキチンまたは組換え体HIS−ユビキチン−K63のみ、E1、E2(Ubc13/Uev1ヘテロダイマー)(E1およびE2の双方を、ボストン バイオケム(Boston Biochem)より購入した)、およびFLAGタグ化TRAF2との組換え体GST−SIVAまたはGST−SIVA C73Aが含まれる。FLAGタグ化TRAF2を、pcFLAG TRAF2をHK 293T細胞中にトランスフェクトすることによって調製することが可能である。トランスフェクション24時間後、細胞を溶解緩衝液を含む1% Trition X100中に溶解し、抗FLAG M2ビーズ(シグマ(Sigma))を用いて免疫沈降させる。免疫沈降したTRAF2を、FLAGペプチドで溶出し、マイクロコンカラム(MWCO3000)を用いて濃縮し、インビトロユビキチン化反応で使用する。反応液を、30℃で1時間インキュベートする。TRAF2を、抗−FLAG M2ビーズを用いて、4℃で4時間、免疫沈降する。免疫沈降物を、抗TRAF2(H249、サンタクルズ(Santacruz))抗体でのウエスタンブロッティングにかける。
さらなる態様において、本発明は、候補薬剤の存在下または非存在下で、以上の方法を実施することにより、候補薬剤が存在下における前記TRAF2のユビキチン化のレベルの変化が、その候補薬剤が、TRAF2ポリペプチドにおける、ユビキチン化関連活性を調節することが可能であることを示す、TRAF2ポリペプチドにおけるSIVAポリペプチドのユビキチン化関連活性を調節可能な候補薬剤を同定するための方法を提供する。候補分子は小分子であり得る。
興味深いことに、SIVAタンパク質は、任意のHis残基(CSSCVRAVDGKAVCGQCERALCGQCVRTCWGC、配列番号6)を欠く固有のボックス−B様リングフィンガーを有し、そのC−末端に亜鉛フィンガーを有する(Prasad et al., 1997)。他のB−ボックス含有タンパク質の特徴である、アミノ−末端リングフィンガーおよびカルボキシ−末端コイルド−コイルドメイン構造が、SIVA中では存在しない。かわりに、SIVAのボックス−B様リングフィンガーが、カルボキシル末端中、Cys−リッチ領域を有する。SIVAの亜鉛/リングフィンガー領域が、我々の注目をCD27シグナル伝達におけるNIKの可能性ある関与に対して最初に指し示した、NIK C−末端に結合することが、(2ハイブリッドスクリーニングによって調査された)本発明者らの発見である。現在までに、SIVAのボックス−B様リングフィンガーにはなんの機能も帰属されておらず、ユビキチン研究が、シグナル領域で開拓されたここ十年間で、本発明にしたがって、SIVAのボックス−B様リングフィンガーと関連すると発見された、強力なリングフィンガー「E3リガーゼ」活性が見落とされていたことは非常に驚くべきことである。
したがって、他の態様において、本発明は、(i)ユビキチン、E1、E2、配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体、および任意にTRAF2を接触させること、(ii)および、前記ユビキチンが、B−ボックス様リングを有する前記ポリペプチドに、またはTRAF2に連結するかどうかを検出することを含み、B−ボックス様リングを有する前記ポリペプチドへ、またはTRAF2へ連結したユビキチンの検出が、B−ボックス様リングを有する前記ポリペプチドが、ユビキチン化関連活性を有することを示す、配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体のユビキチン化関連活性を試験する、または同定するための方法に関する。
2つ以上の構造は、起源を共有しているために似ている場合に、相同的であると言われる。タンパク質およびDNAの間の相同性はしばしば、とりわけバイオインフォマティックスにおいて、配列類似性に基づいて結論づけられる。たとえば、一般的に、2つの遺伝子がほとんど同一のDNA配列を有する場合、それらが相同的である可能性が高い。タンパク質配列を、互いに相同的な配列の組である、配列ファミリーにクラスター化するための多くのアルゴリズムが存在している。配列の相同性は、オルソログおよびパラログという、2つの型であることができる。共通の先祖から由来する2つの異なる種における2つの類似遺伝子はオルソログである。相同的配列は、それらが種分化(speciation)事象によって分かれた場合にオルソログである。つまり、遺伝子がある種に存在し、そしてその種が2つの種に分岐し、ついで得られた種におけるこの遺伝子の分岐コピーがオルソログである。オルソログの第二の定義は、非常に類似の機能を有する2つの異なる種における任意の2つの遺伝子を描写する。相同的配列は、遺伝子複製事象によって分かれる場合、パラログである。器官中の遺伝子が複製されて、同一のゲノム中の2つの異なる部位を占領する場合、2つのコピーはパラログである。ミオグロビンおよびヘモグロビンをコードしている遺伝子が、古いパラログであると考えられる。
さらなる態様において、本発明は、候補薬剤の存在下または非存在下で、以上の方法を実施することにより、そこで、候補薬剤の存在下における、B−ボックス様リングを有する前記ポリペプチドの、またはTRAF2ポリペプチドのユビキチン化のレベルの変化が、候補薬剤が、配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体のユビキチン化関連活性を調節することが可能であることを示す、前記ポリペプチドにおける、またはTRAF2ポリペプチドにおける、配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体のユビキチン化関連活性を調節可能な候補薬剤を同定するための方法を提供する。候補分子は小分子であることができる。
配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体の例には、HISを欠くB−ボックスリングフィンガーモチーフを有するポリペプチドが含まれる。
本発明の1つの実施形態において、B−ボックス様リングを有するポリペプチドは、SIVAポリペプチドである。
ユビキチン化されたタンパク質またはポリペプチドは、本発明で例示したようなウエスタンブロットによって、または本技術分野で公知の任意の他のアッセイによって、検出することが可能である。
言及したように、SIVAは通常は非常に低レベルで発現し、強力な生物学的効果を発揮可能な、マイナーな細胞タンパク質である。NIKは、SIVAを安定化させることにおいて、重要な役割を果たすようである。同様に、高用量のSIVA2もまた、共発現したNIKを分解し、この効果は、プロテアソーム阻害によって低下した。本発明にしたがって、SIVA2はまた、NIKのK48ユビキチン化を誘導することがわかり、NIK中のK670残基の変異によって著しく減少した。一緒に考えると、これらの観察は、古典的なユビキチン−プロテアソーム経路を介した、SIVA2によるNIKの調節を指摘している(Glickman and Ciechanover, 2002)。興味深いことに、SIVA過剰発現に対する応答での、K48ユビキチン化とNIKの分解両方が、SIVAリングフィンガー領域が完全にない状態、ならびに触媒的に不活性なSIVAリングフィンガー変異体ででさえ発生し、これは、SIVAが、K48ユビキチン化を誘導するためのNIKの直接E3ではない可能性を示す。SIVAは、ユビキチン化を仲介するために、タンデムで働くアクセサリーE3を必要とし得る。SIVAは、OSTLと呼ばれる他のリングフィンガータンパク質に結合することが示された。OSTLは、B−ボックス様リングフィンガーモチーフを含み、B細胞シグナル伝達および生存における役割を有することが前提となるので、E3アクセサリータンパク質であり得る(Fontanari Krause et al., 2003)。同様に、TRAF3もその分解を引き起こす、NIKの間接ユビキチン化酵素として報告された(Liao et al., 2004)。しかしながら、本発明にしたがって、TRAF3は、同様の効果で、野生型NIKおよびNIK K670A変異体両方を分解することがわかり、これは、SIVA2およびTRAF3仲介NIK分解に関与する分子メカニズムが異なることを示している。SIVA2およびTRAF3は、NIKをユビキチン化するために、共動作して機能し得る。
言及したように、本発明にしたがって、高濃度のSIVAが、SIVAのc−末端がない状態でさえも、NIK分解を誘導することがわかった。また、本発明にしたがって、SIVA1でなく、SIVA2が、TRAF3のNIK誘導開裂を著しく増補することがわかった。これは、SIVAの2つのスプライス変異体間の機能的差違を示した最初の観察である。SIVA2とTRAF3の直接結合が、弱くだけ発生したにも関わらず、野生型またはキナーゼ死NIKの存在が、その相互作用を著しく安定化させた。結合が、NIKのキナーゼ機能によって影響を受けないp100−NIK−IKK1複合体の場合(Xiao et al., 2004)のように、ここで、NIKもTRAF3とSIVA2を連結するアダプタータンパク質の役割を果たすことが明らかである。これは、NIKとSIVA2の共動作による、NIK−SIVA2−TRAF3複合体の形成、TRAF3開裂およびユビキチン化が観察された最初である。
したがって、他の態様において、本発明は、SIVAポリペプチドを、NIKおよび/またはTARF3ポリペプチドと接触させること、およびNIKおよび/またはTRAF3ポリペプチドの分解を検出することを含み、NIKおよび/またはTRAF3の全または部分分解の検出が、前記SIVAポリペプチドのタンパク質分解を誘導する能力を示す、タンパク質分解を誘導可能なSIVAポリペプチドを同定するための方法に関する。
方法は、インビトロで実施可能であり、または細胞に基づく方法であり得る。1つの代表的な実施形態において、以下の細胞に基づく方法が取り組まれる。細胞を、野生型NIK(0.5μgプラスミド)またはNIK K670A変異体をコードしているプラスミドと、そして増加濃度のSIVA2コードプラスミド(たとえば1.0、2.0および3.0μgプラスミド)と、および/またはTRAF3コードプラスミドと、共トランスフェクトする。トランスフェクション後、細胞を溶解し、NIKおよび/またはTRAF3の分解を、特異的抗体を用いるウエスタンブロット解析によって検出する。アクチンをローディング対照として使用可能である。
さらなる態様において、本発明は、候補薬剤の存在下または非存在下で、上記方法を実施することによって、そこで、候補薬剤の存在下における、NIKおよび/またはTRAF3の全または部分分解のレベルにおける変化が、候補薬剤が、SIVAによるNIKおよび/またはTRAF3の全または部分分解を調節可能であることを示す、前記SIVAポリペプチドのタンパク質分解を誘導する能力を調節可能な候補薬剤を同定するための方法を提供する。候補分子は小分子であり得る。
他の態様において、本発明は、候補薬剤の存在下または非存在下で、NIK、TRAF3およびSIVAの複合体を形成させること、およびNIK、TRAF2およびSIVAポリペプチド結合を調節する候補薬剤の能力を検出すること、を含む、NIK、TRAF3およびSIVAポリペプチドリングの複合体の結合を調節可能な薬剤の同定に関し、そこで、複合体形成を変化させることができる候補分子が、NIK、TRAF3およびSIVAの結合を調節可能な薬剤である。たとえば、細胞に、NIKポリペプチドあり、またはなしで、SIVAポリペプチドおよびTRAFポリペプチドをコードしているプラスミドそれぞれをトランスフェクトし、試験薬剤の存在下または非存在下で、インキュベートしてよい。トランスフェクション24時間後、全溶解物を、SIVAを沈殿させる抗体によって免疫沈降可能であり、免疫沈降物を、抗TARF3でウエスタンブロットにてプローブ化可能である。SIVAおよびNIKによって仲介されるTRAF−2の共沈殿を阻害または誘導可能な試験試薬は、前記NIK−SIVA2−TRAF3複合体の形成を調節する薬剤である。この薬剤は、NIK−SIVA2−TRAF3複合体のレベルを増加、または減少可能である。
さらなる態様において、本発明は、NIK、TARF3およびSIVAを含む三部分複合体を提供する。
本発明にしたがって、メカニズムにとらわれることなく、活性化の際にNIKがSIVA安定化を導くプログラムされた微調整系としてみられる、タンパク質改変および分解メカニズムの複合調節が示された。後者のNIKは、その安定化誘導K63ユビキチン化のため、およびNIK機能の阻害剤である、TRAF3を開裂するために、SIVAを利用する。一旦細胞がNIKシグナル伝達の終結を必要とした場合、SIVAがおそらく、NF−κB活性化の結果として合成された新規タンパク質と結合し、NIK分解に影響を与える、K48ユビキチン化複合体を形成する。おそらく、これが、NIKシグナル伝達を制限する自己制御ループとして働き、ストレスがさらにSIVAレベルをアップレギュレートする場合、生存経路を阻害し、アポトーシスを誘導するために機能する。これらの結果は、SIVAが、NIKユビキチン化において反対の結果を有する二重効果を有することを示している。NIKレベルの増強およびそれによる低用量のSIVA2の共発現からの結果であるその機能が、よくNIKレプレッサー、たとえばTRAF3の抑制の結果であり得る。したがって、SIVA2は、インビボにて、TRAF3をユビキチン化し、分解し、結果としてNIKレベルの上昇となる。
SIVA活性の実際の局所、すなわち膜で、または細胞質で、を同定することもその実際の機能を定義するためにきわめて重要である。それによってSIVAが同定されたCD27レセプターに加えて、2つの他の膜レセプターもSIVAに直接結合することを示した。これらの1つがGITR、T細胞にて主に発現するTNFRファミリーメンバーであり、アポトーシスおよびNF−κB活性化経路の両方に関与する(Spinicelli et al., 2002, Nocentini et al., 2005)。CD4は、SIVAに結合すると言われている第三の膜レセプターであり、この結合が、カスパーゼ依存ミトコンドリア経路を介して、CD4+ T細胞のアポトーシスを調節することが示される(Petit et al., 2004)。
本発明によるこれらの発見に基づいて、SIVA基質である好ましい候補は、NIK、TRAF2、TRAF3、そしておそらくTRAF5およびTRAF6である。SIVA、NIK、TRAF2およびTRAF3の制御されない活性が、ウイルス感染の病因(TRAF2&3、NIK、SIVA)、化学療法の副作用(SIVA)、虚血再灌流の副作用(SIVA)、SIVAのアップレギュレーションに関連した状態、NIKに依存した方法での他のNF−κB経路の活性化に関連した自己免疫疾患(TRAF2&3、SIVA)および制御されていないリンパ球活性に関連した疾患(NIK、SIVA、TRAF2&3)のような、特定の疾患、障害または症状に関連する。たとえば、TRAF2アップレギュレーション/活性化が、過剰な免疫活性化および炎症に関連する。NIKアップレギュレーション/活性化は、自己免疫状態および癌に関連する。TRAF3アップレギュレーション/活性化はおそらく免疫不全に関連する。SIVAアップレギュレーション/活性化は、化学および放射療法副作用に、そして虚血および虚血再灌流に関連する。したがって、SIVAポリペプチドの、または配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチド、またはその相同体の、ユビキチン化関連または分解関連活性の調節、すなわち活性化または阻害が、前記疾患、症状または障害を治療するため、または予防するために有益であり得る。
したがって、1つの態様において、本発明は、その病因または経過が、TRAF2、NIK、TRAF3および/またはSIVAの活性および/またはレベルに関連する、疾患、障害または症状の治療または予防のための医薬の製造における、配列番号6中の配列またはその相同配列のBボックス様リングを有するポリペプチドの、直接または間接ユビキチン化関連活性を調節可能な薬剤の使用を提供する。
本発明は、SIVA、SIVAポリペプチドの、または配列番号6のB−ボックス様リングを有するポリペプチドまたはその相同体の、ユビキチン関連活性を調節可能な候補薬剤を同定するための特定の方法を提供する。
本発明の方法にて選別可能な試験薬剤または候補薬剤の例には、限定はしないが、小有機分子、ペプチド(たとえば抗体)、核酸、および天然の抽出物からの分子、炭化水素または任意の他の基質が含まれる。試験薬剤には、たとえばコンビナトリアル化学によって作製された、合成有機化合物が含まれる。試験した化合物は、コンビナトリアル化学を介してのみでなく、また他のハイスループット合成法によっても得てよい。自動化技術によって、選別可能である、分子のライブラリー、異なる化合物の大きなコレクションの迅速な合成が可能である。より大きな、またはより異なった化合物ライブラリーを産出することが、ライブラリー内の有用な薬物を発見する可能性を増加させる。ハイスループットスクリーニングのために、ロボットを使用して、数千の化合物による、SIVA仲介ユビキチン化および/またはタンパク質分解の阻害または活性化を試験することができる。
本発明にしたがって、SIVA−C末端を構成的に発現しているRamos細胞が、B細胞中TRAF2欠損を摸倣することが示された。TRAF2欠損B細胞は、高レベルのp52(構成的異なるNF−κB)およびTRAF3(Grech et al., 2004)を提示する。同様に、本発明にしたがって、SIVA C末端を安定に発現するように遺伝子工学的に改変したRamos細胞が、高レベルのp52ならびにTRAF3を示し、TRAF2の発現の減少を示す。SIVAc発現の結果である超NF−κB活性化が、結果として、細胞からのNF−κB依存免疫調節物の発現の増強となり得る。
したがって、本発明は、免疫系の調節によって、または調節を介して、疾患、障害または症状を治療するための医薬の製造における、SIVAc、SIVA 1〜58、SIVA 1〜81およびSIVA2C73AのようなSIVAポリペプチド、およびSIVAのユビキチン関連またはタンパク質分解関連活性を調節可能な薬剤の使用を提供する。
本発明にしたがって、SIVA2はまた、NIKのK48ユビキチン化を誘導し、これがNIK中のK670残基の変異によって著しく減少されたことがわかった。したがって、そのようなNIKの変異体を、免疫系の調節に応答する疾患、障害または症状を治療するための医薬の製造において使用可能である。
本発明はまた、免疫疾患、障害または症状および/またはその病因または経過が、過剰なNF−κB発現または活性に関連した疾患、障害または症状、および/または炎症または癌のような、その病因または経過が、NIKの過剰な活性に関連する疾患、障害または症状の治療のための医薬の製造における、NIK−SIVA2−TRAF3複合体の形成を調節可能な薬剤の使用を提供する。
他の態様において、本発明は、SIVA1およびSIVA2を除く、B−ボックス様リングフィンガーおよび/または亜鉛フィンガーモチーフを含むSIVAポリペプチドのC−末端断片を含む単離ポリペプチドのような、単離ポリペプチドを提供する。本発明は、配列番号3にて列記したような、SIVA2のアミノ酸残基58〜110、Znフィンガーモチーフ1〜81(配列番号5)を欠くSIVAポリペプチドのN−末端断片、SIVAのN−末端断片を含むポリペプチド、SIVA2 1〜58(配列番号4)のZnフィンガーモチーフおよびB−ボックス様リングフィンガーを欠くポリペプチド、配列番号4、配列番号5からなるポリペプチド、リングフィンガーモチーフに局在するシステイン残基にて変異されたSIVAポリペプチドを含むポリペプチド、リシン残基670に関するNIK変異体、またはそれらの断片のような単離ポリペプチドを提供する。
本明細書で使用するところの語句「変異タンパク質(muteins)」は、本来のタンパク質と比較して、得られる産物の活性が、相当変化することなしに、タンパク質の天然に存在する成分の1つ以上のアミノ酸残基が、異なるアミノ酸残基によって置換される、または欠損される、または1つ以上のアミノ酸残基がタンパク質の本来の配列に加えられる、タンパク質の類似体を意味する。これらの変異タンパク質は、公知の合成によって、および/または部位特異的変異導入技術によって、またはそのために好適な任意の他の公知の技術によって、調製される。
本発明による変異タンパク質には、ストリンジェントな条件下で、本発明にしたがって、タンパク質をコードしている、DNAまたはRNAにハイブリッド形成する、DNAまたはRNAのような核酸によってコードされるタンパク質が含まれる。語句「ストリンジェントな条件」は、「ストリンジェント」として通常当業者に引用される、ハイブリッド形成および続く洗浄条件を意味する。Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、上記、Interscience,N.Y.,§§6.3および6.4(1987,1992)およびSambrook ら(Sambrook,J.C., Fritsch,E.F.,およびManiatis,T.(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY)を参照のこと。
限定なしに、ストリンジェントな条件の例には、たとえば2×SSCおよび0.5% SDS、5分間、2×SSCおよび0.1% SDS、14分間、0.1×SSCおよび0.5% SDS、37℃で30−60分間、ついで0.1×SCCおよび0.5% SDS、68℃で30〜60分間中の研究下、ハイブリッドの計算Tmの12〜20℃下の洗浄条件が含まれる。当業者は、ストリンジェントな条件もDNA配列、(10〜40塩基のような)オリゴヌクレオチドプローブ、または混合オリゴヌクレオチドプローブの長さに依存することを理解する。混合プローブを使用する場合、SSCの代わりに、塩化テトラメチルアンモニア(TMAC)を用いることが好ましい。Ausubel上記を参照のこと。
任意のそのような変異タンパク質は好ましくは、SIVAと本質的に同様の、またはよりよい活性を有するためのような、SIVAのアミノ酸配列に十分に重複したアミノ酸の配列を有する。たとえば、SIVAの1つの活性は、自己またはTRAF2ユビキチン化を誘導する能力である。SIVAおよびTRAF2ユビキチン化を測定するためのアッセイが、以下の実施例にて記述されている。SIVAの任意の活性は、以下の実施例にて記述されたNIKまたはTRAF3の直接または間接ユビキチン化を誘導することである。SIVAのさらなる活性は、以下の実施例にて記述されたような、NIKおよび/またはTRAF3(全または部分)の分解のような、タンパク質分解を誘導することである。SIVAの言及された活性の1つのような、変異タンパク質が十分な活性を持ち得る限り、SIVAの本質的に同様な活性をもつことが考慮可能である。したがって、任意の該変異タンパク質が、以下の実施例において、SIVAに関して示されたような日常の実験の方法によって、本発明のSIVAと少なくとも本質的に同一の活性を有するかどうかを決定可能である。
好ましい実施形態において、任意のそのような変異タンパク質は、SIVAのアミノ酸配列と、少なくとも40%同一性または相同性を有する。より好ましくは、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、またはもっとも好ましくは、少なくとも90%同一性または相同性を有する。
同一性は、配列を比較することによって決定する、2つ以上のポリペプチド配列、または2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関連を反映する。一般的に、同一性は、比較される配列の長さにわたる、それぞれ2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド配列の、実際のヌクレオチドからヌクレオチド、またはアミノ酸からアミノ酸の相関を意味する。
実際の相関がない配列に関して、「パーセント同一性(percent identity)」を決定してよい。一般的に、比較すべき2つの配列を、配列間の最大相関を得るように並べる。これには、アライメントの程度を増強するために、1つまたは両方の配列いずれかに、「ギャップ」を挿入することが含まれ得る。パーセント同一性は、同一化、または著しく同様な長さの配列にとりわけ好適である、比較している配列のそれぞれの全長(グローバルアライメントと呼ばれる)、または不均等な長さの配列に対してより好適である、より短い、定義された長さにわたって(ローカルアリアメントと呼ばれる)決定してよい。
2つ以上の配列の同一性および相同性を比較するための方法が、本技術分野でよく知られている。したがってたとえば、Wisconsin Sequence Analysis Package,バージョン9.1(Devereux J et al 1984,Nucleic Acids Res.1984 Jan 11;12(1 Pt 1):387-95.)で入手可能なプログラム、たとえば、プログラムBESTFITおよびGAPを、2つのポリヌクレオチド間の%同一性、および2つのポリペプチド配列間の%相同性を決定するために使用してよい。BESTFITは、Smith and Waterman(J Theor Biol.1981 Jul 21;91(2):379-80およびJ Mol Biol.1981 Mar 25;147(1):195-7.1981)の「ローカル相同性」アルゴリズムを用い、2つの配列間の類似性の最適な単一領域を発見する。配列間の同一性および/または類似性を決定するための他のプログラムも本技術分野で公知であり、たとえば、BLASTプログラムファミリー(www.ncbi.nlm.nih.govにてNCBIのホームページを通してアクセス可能、Altschul S F et al., 1990 J Mol Biol.1990 Oct 5;215(3):403-10, Proc Natl Acad Sci USA.1990 Jul;87(14):5509-13, Altschul SF et al, Nucleic Acids Res.1997 Sep 1;25(17):3389-402)およびFASTA(Pearson WR, Methods Enzymol.1990;183:63-98. Pearson J Mol Biol.1998 Feb 13;276(1):71-84)である。
本発明にしたがって使用可能なSIVAの変異タンパク質には、本明細書で示された教義およびガイドラインに基づいて、不必要な実験なしに、当業者によって日常的に得ることが可能な、置換ペプチドまたはポリペプチドとして、本質的に相当する配列の有限な組が含まれる。
本発明による変異タンパク質に対する好ましい変化は、「保存的(conservative)置換」として知られるものである。SIVAの同類アミノ酸置換には、群のメンバー間の置換が、分子の生物学的機能を保存し得る十分に類似の生理化学的特性を有する群内の同義アミン酸が含まれ得る(Grantham Science. 1974 Sep 6;185(4154):862-4)。アミノ酸の挿入および欠失をまた、それらの機能を変化させないで、とりわけ挿入または欠失が、2、3個のアミノ酸、たとえば30以下、好ましくは10以下のみが関与する場合、そして機能的配座に重大であるアミノ酸、たとえばシステイン残基を除去または置換しない場合に、以上で定義した配列中で実施してよい。タンパク質および変異タンパク質は本発明の範囲内で生じる、こういった欠失および/または挿入により産出される。
SIVAの変異タンパク質を得るため、本発明で使用するために使用可能なタンパク質内のアミノ酸置換の産出の例には、Markらに付与された、米国特許第4,959,314号、第4,588,585号、および第4,737,462号、Kothsらに付与された、第5,116,943号、Namenらに付与された第4,965,195号、Chongらに付与された第4,870,111号、およびLeeらに付与された第5,017,691号にて示されたような任意の公知の方法、および米国特許第4,904,584号(Shaw et al)にて示されたリシン置換タンパク質が含まれる。
本発明の1つの実施形態において、SIVA変異タンパク質は、SIVAのB−ボックス様リングフィンガーに局在するシステイン残基、好ましくはSIVA2のシステイン残基73にて変異されたものである。
本明細書で使用するところの「機能的誘導体(functional derivatives)」は、本技術分野で公知の方法によって、残基上の側鎖として発生する機能的基から調製してよく、N−またはC−末端基への添加である、SIVAの誘導体、およびそれらの変異タンパク質をカバーし、それらが薬理学的に許容可能であるままである、すなわちSIVAと本質的に類似であるタンパク質の活性を破壊しない限り、本発明に含まれる。
「機能的誘導体」はまた、変化が、任意の従来の方法によって、SIVAを構成しているアミノ酸の配列中に導入された、SIVAを構成するマルチマーを含む。これらの変化には、SIVA分子の延長または切断、またはSIVAの1つ以上のアミノ酸の欠損または置換が含まれ得る。以上の変化のどれもが、SIVAのユビキチン化および/または分解特性に影響を与え得ない。
これらの誘導体には、たとえば、抗原性部位をマスクし、体液中のSIVAの滞留を延長し得る、ポリエチレングリコール側鎖が含まれ得る。他の誘導体には、カルボキシ基の脂肪族エステル類、アンモニアと、または一級または二級アミンとの反応による、カルボキシル基のアミド類、アシル部位と形成されたアミノ酸残基の遊離アミノ基のN−シル誘導体(たとえばアルカノイルまたはカルボキシルアロイル基)、またはアシル部位と形成された、遊離ヒドロキシル基のO−アシル誘導体(たとえば、セリルまたはスレオニル残基)が含まれる。
本発明による「活性画分」は、たとえばSIVAの断片であり得る。語句断片は、分子の任意のサブセット、すなわちSIVA8の望む生物学的活性を維持するより短いペプチドを意味する。断片は、SIVAのいずれかの末端からアミノ酸を除去し、得られた断片を、マクロファージ中および/または局所炎症のモデルでのその活性に関して試験することによって簡単に調製し得る。ポリペプチドのN−末端またはC−末端いずれかから、一度に1アミノ酸を除去するためのプロテアーゼが公知であり、望む生物学的活性を維持する断片をそのように決定することには、日常の実験のみが含まれる。
本発明の1つの実施形態において、SIVA活性断片は、残基58〜110(配列番号3)からなるsIVA2の断片のような、B−ボックス様リングフィンガーおよび/または亜鉛フィンガーモチーフを含むSIVAポリペプチドのC−末端断片に相当するものである。他の実施形態において、SIVA活性画分は、残基1〜58(配列番号4)から、または残基1〜81(配列番号5)からのSIVAの断片のような、Znフィンガーモチーフ、B−ボックス様リングフィンガーまたは両方を欠いている、SIVAのN−末端断片に相当するものである。
SIVAの活性断片として、変異タンパク質およびその融合タンパク質として、本発明は、前記断片が、SIVAに対して本質的に類似の活性を有するという条件で、単独、またはそれに連結した結合分子または残基、たとえば糖またはリン酸残基と一緒のタンパク質分子のポリペプチド鎖の任意の断片または前駆体、またはそれら自身によるタンパク質分子または糖残基の凝集物をカバーしている。
語句「融合タンパク質」は、たとえば体液中の滞留時間が延長され、他のタンパク質と融合した、SIVAまたは変異タンパク質またはそれらの断片を含むポリペプチドを意味する。SIVAはしたがって、たとえば免疫グロブリンまたはその断片に融合してよい。
SIVAの「アイソフォーム(isoforms)」は、SIVA活性を持ち得るタンパク質またはその断片であり、選択的スプライシングによって産出され得る。
本明細書で使用するところの語句「円順列誘導体(circularly permuted derivatives)」は、直接的またはリンカーを介してのいずれかで、末端を互いに結合させ、環状分子を産出し、ついでその環状分子が、他の局所で開裂して、本来の分子中の末端とは異なる末端を有する新規の直線分子を産出する、直線分子を意味する。環状置換には、その構造が、環状化され、ついで開いた分子と等しい分子が含まれる。したがって、環状置換分子は、直線分子としてde novoで合成してよく、環状化および開裂段階を経ない。円順列誘導体の調製は、国際特許第WO95/27732号にて記述されている。
他の態様において、本発明は、本発明によるポリペプチドをコードしている、配列番号7、配列番号8または配列番号9にて列記したもののような、単離ポリヌクレオチドを提供する。
哺乳動物細胞中の本発明のポリペプチドの発現が、ペプチドをコードしているDNA、プロモーター、任意にイントロン配列およびスプライシングドナー/アクセプターシグナルを含み、さらに任意に終結配列を含むベクター内に挿入することによって取り組まれてよい。これらの技術は、一般的に、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology(Chapter 16),Greene PublicationsおよびWiley Interscience、ニューヨーク、NY、1987〜1995、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY,1989にて記述されている。
上記プロモーター、イントロンおよび終結配列が、哺乳動物細胞中で動作可能である。プロモーターは好ましくは、上記RSV、CMVまたはMPSVプロモーターのような強力なプロモーターである。プロモーターはまた、SV40早期プロモーター(Everett,et al. 1983、およびそこでの参照)、またはベータ−アクチンプロモーターまたはELF−1プロモーターのような細胞プロモーター(Tokushige,et al., 1997)でもあってよい。また、Edamatsuら、1997によって記述されたような、lacオペレーターおよびヒトELF−1アルファプロモーター間のハイブリッド、Akagiら(1997)によって記述されたCMV−ベータ−アクチンハイブリッドプロモーター、またはオペレーター配列とCMVプロモーター間のハイブリッド(Furth et al., 1994、およびそこでの参照)のようなハイブリッドプロモーターを、使用してよい。
完全配列として挿入され得る、すなわちスプライスドナーおよびアクセプター部位を含む、イントロン配列を、ポリペプチドのコーディング配列内に挿入し、発現することが望ましい。そのようなイントロン配列の挿入がRNA安定性を増強し、したがって望むポリペプチドの産出を増強する。原則としては、好適なイントロン配列を、イントロンを含む任意の遺伝子より選別してよく、代表的なイントロン配列はベータ−アクチンイントロン、SV40イントロン、およびp55 TNFレセプターイントロンである。
イントロン配列は、エンハンサー要素を含んでよく、上記プロモーターからの転写を増強し得る。
しばしば、イントロン配列はまた、組織特異的発現を達成する転写または翻訳制御配列を含む。したがって、組織特異的様式にて、本発明のポリペプチドを発現することが望ましい場合、そのようなイントロン配列を、有利に使用してよい。組織特異的エンハンサー要素を含むイントロンの例は、ヒト5−アミノレブリン酸シンターゼ2遺伝子のイントロン8中に局在した赤血球−特異的エンハンサー(Surinuya et al. 1998)であり、代表的なイントロン配列と一緒に、イントロン配列を用いる、タンパク質産出を増強する原理の議論が、Huangら、1990にて提供される。
転写終結配列およびポリアデニル化シグナルを、発現することが望ましいポリペプチドをコードしているDNAの3’末端に加えてよい。そのような配列は、多くの、またはほとんどの遺伝子で見られ得る。有利に、SV40ポリアデニル化シグナルを使用可能である(Schek et al., 1992、およびそこでの参照)。
たとえば、望むポリペプチドをコードしている遺伝子の発現を駆動するためのCMVプロモーターを含む、pcDNA3.1ベクター(インビトロジェン)、およびMPSVプロモーターを含むpMPSVEHのような、哺乳動物細胞内での本発明のポリペプチドの発現のためのベクターを使用可能である。
組換え体ポリペプチドを、そのようなポリペプチドをコードしているベクターをトランスフェクトした細菌または真核(たとえばCHO)培養宿主細胞中、またはトランスジェニック動物中いずれかで産出可能である。トランスジェニック動物を使用する場合、それらの乳中で均質ポリペプチドを産出することがとりわけ有利である。ウシ、ヒツジおよびヤギのような乳畜がしたがって代表的な宿主である。たとえば、そのすべてが参照によって本明細書に組み込まれている、国際公開第88/00239号パンフレット、同第90/05188号パンフレット、同第91/02318号パンフレットおよび同第92/11757号パンフレット、および米国特許第4,873,191号、同第4,873,316号および同第5,304,489号を参照のこと。
ポリペプチドは、結果として、体液中の半減期が延長される「融合ポリペプチドまたはタンパク質」となる、高分子量ポリマーのような、半減期延長部位を含んでよい。たとえば、本発明によるポリペプチドを、たとえば免疫グロブリンのようなタンパク質に、またはポリエチレングリコール(PEG)のような高分子量ポリマーなどに融合させることができる。
本発明は、以上で定義したような本発明によるポリペプチド、またはその塩および/またはその誘導体および/またはその融合ポリペプチドに関連する。
語句「塩(saltes)」は本明細書で、本発明のペプチドのカルボキシル基の塩、およびアミノ基の酸添加塩両方を意味する。カルボキシル基の塩は、本技術分野で公知の方法によって形成されてよく、無機塩、たとえばナトリウム、カルシウム、アンモニウム、鉄または亜鉛塩など、およびたとえば、トリエタノールアミン、アルギニンまたはリシン、ピペリジン、プロカインなどのようなアミンと形成されたもののような有機塩基との塩が含まれる。酸添加塩には、たとえば、塩酸または硫酸のようなミネラル酸との塩、およびたとえば酢酸またはオキサル酸のような有機酸との塩が含まれる。もちろん、任意のそのような塩が、本発明のペプチドに対して、本質的に類似の活性を持たなければならない。
本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードしているDNAを含む発現ベクター、および前記ベクターを、昆虫細胞、酵母細胞、またはHeLa、HEK 293TおよびCHO細胞のような乳動物細胞のような、原核または真核宿主細胞中に導入すること、および細胞を増殖させること、および産出されたタンパク質を単離すること、による、それらの産出の方法を提供する。
さらに、本発明は、ポリペプチドをコードしているウイルスベクターを提供する。
他の態様において、本発明は、配列番号6の配列またはその相同的配列のB−ボックス様リングを有するポリペプチドのユビキチン関連活性を調節可能な薬剤、および薬学的に許容され得る担体を含む、医薬組成物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、配列番号6の配列またはその相同的配列のB−ボックス様リングを有するポリペプチドの活性によって仲介されたタンパク質分解を調節可能な薬剤、および薬学的に許容され得る担体を含む、医薬組成物を提供する。
本発明にしたがって、残基58〜110(配列番号3)に広がるSIVAの断片のような、SIVAのC−末端断片が、高濃度で、NIKおよびCD27誘導NF−κB活性化において、ドミナントネガティブな効果をもつことが示された。低濃度で、安定細胞株においては、NF−κB活性化における増強効果を示している。したがって、他のさらなる態様において、本発明は、B−ボックス様リングフィンガーおよび/または亜鉛フィンガーモチーフを含むSIVAのC−末端断片に相当するポリペプチド、および前記ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド(またはDNA)を提供する。
また、本来のSIVAのような、残基1〜58(配列番号4)または1〜81(配列番号5)に広がるSIVAの断片のような、SIVAのN−末端断片が、NIKの分解を誘導可能であることがわかった。したがって、本発明の他の態様は、Znフィンガーモチーフ、B−ボックス様リングフィンガーモチーフまたは両方を欠いているSIVAポリペプチドのN−末端断片に相当するポリペプチドに、そして前記ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド(またはDNA)に関する。
本発明はまた、配列番号7、配列番号8および配列番号9にて列記したもののような、本発明のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドに関する。
本発明のポリペプチドは、原核または真核発現系、細胞内、ペリプラズム中で産出されてよく、または培地内に分泌されてよい。本発明の産出されたポリペプチドを、可溶性または不溶性形態(封入体)中に回復してよい。本発明のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを含むベクターを、原核または真核系中での前記ポリペプチドの発現のために使用してよい。ヒト成長ホルモンシグナルペプチドのような、本発明のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド(またはDNA)に融合した効果的なシグナルペプチドを、真核発現および分泌のために使用してよい。
本発明は、疾患、障害または症状の治療のための医薬の製造のための、配列番号3、配列番号4および配列番号5に示すような本発明のポリペプチド、または変異タンパク質、融合タンパク質、機能的誘導体、円順列誘導体またはそれらの断片、またはそれらの塩、または本発明の前記ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを提供する。たとえば、ウイルス感染の病因、化学療法の副作用、虚血性再灌流の副作用、SIVAのアップレギュレーションの状態、NIKに依存する方法における他のNF−κB経路の活性化に関連した自己免疫疾患、および制御されていないリンパ球活性に関連した疾患のような、SIVA、NIK、TRAF2およびTRAF3と関連した疾患、障害または症状の治療のためである。
これらのツールの治療的、または研究に関連した使用が、生きている有機体の細胞内へのそれらの導入を必要とする。本目的のために、ペプチド、ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの膜透過性を改善することが望ましい。
脂肪親和性構造での誘導化を、膜透過性の増強したペプチドおよびタンパク質を作製することにおいて使用してよい。たとえば、以上で言及した公知の膜屈性ペプチドを、ペプチドまたはポリペプチドの配列に加えてよい。さらに、ペプチドまたはポリペプチドを、少なくとも1つの極性または荷電基によって置換される、以上で言及した炭化水素鎖のような部分的な脂肪親和性構造によって誘導化してよい。たとえば、ペプチドのラウロイル誘導体が、Muranishiら、1991によって記述された。ペプチドおよびポリペプチドのさらなる改変には、Zachariaら、1991によって記述されたような、メチオニン残基の酸化が含まれ、それによってスルホキシド基が作製される。Zachariaおよびその共同研究者らはまた、比較的親水性のペプチド結合が、そのケトメチレンイソエステル(COCH2)によって置換されるペプチドまたは誘導体も記述している。タンパク質およびペプチド化学の領域の当業者に公知のこれらの、そして他の改変が、膜透過性を増強する。
本発明のポリペプチドのような、治療的分子の細胞内伝達のための脂肪に基づく担体を使用するためのガイダンスが、本技術分野でよく知られている(Abra RM.et al., 2002. J.Liposome Res.12:1-3; Park JW., 2002. Breast Cancer Res.;4(3)95-9; Bendas G.,2001.BioDrugs 15:215-24; Maruyama K.,2000.Biol Pharm Bull.23:791-9; Hong K.et al.,1999.Ann NY Acad Sci.886:293-6; Margalit R.,1995.Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.12:233-61; Storm G and Crommelin DJ.,1997.Hybridoma 16:119-25; Park JW.et al.,1997.Adv Pharmacol.40:399-435)。
膜透過性を増強するための他の方法は、ペプチドまたはタンパク質の細胞取り込みを誘導するために、細胞表面上の、ウイルスレセプターのようなレセプターを使用することである。このメカニズムは、ウイルスによって非常に使用されており、特定の細胞表面分子に特異的に結合する。結合に際して、細胞が、その内部にウイルスを取り込む。細胞表面分子はウイルスレセプターと呼ばれる。たとえば、インテグリン分子CARおよびAdVは、アデノウイルスに対するウイルスレセプターとして記述されており、Hemmiら、1998およびそこでの参照を参考のこと。CD4、GPR1、GPR15およびSTRL33分子が、HIVAのレセプター/共レセプターとして同定されており、Edingerら、1998およびそこでの参照を参考のこと。
したがって、ペプチド、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを、細胞表面レセプターに結合することが公知の分子に共役させることが、前記ペプチド、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの膜透過性を増強し得る。共役物を形成するために好適な基の例は、糖、ビタミン、ホルモン、サイトカイン、トランスフェリン、アシアロ糖タンパク質、および類似分子である。Lowら米国特許第5,108,921号は、ペプチド、ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの膜透過性を増強する目的のための、これらの分子の使用、および前記共役物の調製を記述している。
Lowおよびその共同研究者らはさらに、葉酸またはビオチンのような分子を使用して、これらの分子に対するレセプターの豊富な、そして非特異的発現のために、有機体中の多数の細胞に共役物を標的化するために使用してよいことを教示している。
本発明のペプチド、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの膜透過性を増強するための、細胞表面タンパク質の上記使用も前記ポリペプチドまたは本発明のポリヌクレオチドを、特定の細胞型または組織に標的化することにおいて使用してよい。たとえば、癌細胞を標的化することが望ましい場合、これらの細胞の表面上により豊富に発現する細胞表面タンパク質を使用することが好ましい。例は、葉酸レセプター、ムチン抗体MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、MUC5AC、MUC5BおよびMUC7、糖タンパク質抗原KSA、癌胎児性抗原、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、HER−2/neu、およびヒト絨毛膜ゴナドトロピン−ベータである。上記Wangら、1998は、癌細胞を標的化するための葉酸の使用を教示しており、Zhangら、1998は、種々の型の癌、および正常細胞における、相対的に豊富な上記それぞれの他の抗原を教示している。
本発明のポリペプチド、ペプチドまたはポリヌクレオチドはしたがって、上述共役技術を用いて、望むような特定の細胞型に対して標的化され得る。たとえば、リンパ球系統の細胞におけるNIKの活性化を阻害することが望ましい場合、本発明のポリペプチド、ペプチドまたはポリヌクレオチド、それらの断片、本発明の変異タンパク質および誘導体を、たとえば、これらの細胞上で発現しているMHCクラスII分子を用いることによって、そのような細胞にて標的化してよい。これは、前記MHCクラスII分子の定常領域に対して指向する、抗体、またはその抗原結合部位を、本発明のポリペプチドまたはペプチドに共役することによって達成してよい。さらに、種々のサイトカインおよび他の細胞コミュニケーション分子に対する多数の細胞表面レセプターが記述されてきており、これらの分子の多くが、より多い、またはより少ない組織−または細胞−型制限様式にて、発現する。したがって、T細胞のサブグループを標的化することが望ましい場合、CD4 T細胞表面分子を、本発明の共役物を産出するために使用してよい。CD4−結合分子は、その表面抗原gp42が、CD4分子に特異的に結合可能である、HIVウイルスによって提供される。
本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチド配列を、ウイルスベクターの使用によって細胞内に導入してよい。この目的のための、ワクシニアベクターの使用が、Curent Protocols in Molecular Biologyの16章にて詳述されている。アデノウイルスベクターの使用が、Teohら、1998,Narumiら、1998、Pedersonら、1998、Guang−Linら、1998、およびそこでの参照、Nishidaら、1998、Schwarzenbergerら、1998、およびCaoら、1998によって記述された。アンチセンス配列のレトロウイルス伝達が、Danielら、1998によって記述された。
ベクターとしてウイルスを用いる場合、ウイルス表面タンパク質が一般的に、ウイルスを標的化するために使用される。上記アデノウイルスのような、多くのウイルスが、それらの向細胞性において非特異的であるので、細胞型または組織特異的プロモーターを用いることによって、さらなる特異性を与えることが望ましい。Griscelliら、1998は、その伝達が、アデノウイルスによって仲介される遺伝子の心臓特異的標的化のための、心室特異的心臓ミオシン軽鎖2の使用を教授している。
または、ウイルスベクターを、その表面上にさらなるタンパク質を発現するように改変してよく、またはウイルスベクターの表面タンパク質を、望むペプチド配列を組み込むように変化させてよい。ウイルスベクターはしたがって、前記ベクターを標的化するために使用してよい、1つ以上のさらなるエピトープを発現するように改変してよい。たとえば、サイトカインエピトープ、MHCクラスII−結合ペプチド、またはホーミング分子から由来したエピトープを、本発明の教義にしたがって、ウイルスベクターを標的化するために使用してよい。
本発明は、本発明の1つ以上のポリペプチド、および/またはポリヌクレオチドまたはそれらの配列またはアンチセンスを有するベクターから選択される、1つ以上の活性基質を含む医薬組成物を包含する。本発明は、SIVA、TRAF2、NIKおよびTRAF3をユビキチン化することに関与するSIVAポリペプチド領域中で、認識および結合可能な特異的抗体を含む医薬組成物を包含する。
「薬学的に許容され得る(pharmaceutically acceptable)」の定義は、活性成分の生物学的活性の効果を干渉しない、そして投与する宿主に対して毒性ではない、任意の担体を包含することを意味する。たとえば、非経口投与のために、活性タンパク質(類)を、生理食塩水、デキストロース溶液、血清アルブミンおよびリンガー溶液のようなビヒクル中、注射のためのユニット投与形態中で処方してよい。
本発明による医薬組成物の活性成分を、種々の方法にて個体に投与可能である。投与経路には、皮内、経皮(たとえば除放処方)、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、経口、頭蓋内、硬膜外、局所および鼻腔内経路が含まれる。任意の他の治療的に効果的な投与経路を、たとえば、上皮または内皮組織を介した吸収、またはインビボにて活性薬剤を発現し、分泌させる、活性薬剤をコードしているDNAまたはRNA分子を(たとえばベクターを介して)投与する遺伝子治療によって、使用可能である。さらに、本発明によるポリペプチド(類)を、薬学的に許容され得る界面活性剤、賦形剤(excipients)、担体、希釈液およびビヒクル(vehicles)のような、生物学的に活性な薬剤の他の成分と一緒に投与可能である。
本発明は、疾患の治療のための医薬の製造におおける、SIVA、TRAF2、TRAF3およびNIKユビキチン化に関与するSIVAポリペプチド領域中で、認識および結合可能な特異的抗体の使用に関する。
本発明はまた、治療的に効果的な量の、ユビキチン化に関与するSIVA中の領域を認識可能な特異的抗体の、必要としている患者への投与を含む、前記疾患の病因における、SIVA、TRAF2、TRAF3、および/またはNIKのユビキチン化に関与している疾患の治療のための方法にも関する。
非経口(たとえば静脈内、皮下、筋肉内)投与のために、活性タンパク質(類)を、薬学的に許容され得る非経口ビヒクル(たとえば水、生理食塩水、デキストロース溶液)および等張性(たとえばマンニトール)または化学安定性(たとえば保存剤および緩衝液)を維持する添加物と一緒に、溶液、懸濁液、エマルジョンまたは凍結乾燥粉末として、処方可能である。処方を、通常使用される技術によって滅菌する。
本発明による活性ポリペプチド(類)のバイオアベイラビリティーもヒト体中の分子の半減期を増加させる共役手順を用いることによって、たとえば、PCT特許明細書国際公開第92/13095号パンフレットにて記述されたような、分子をポリエチレングリコールに連結することによって、改善される。
「治療的に効果的な量」は、投与したときに、本発明の前記ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたはウイルスが、疾患の予防または経過において、有益な効果を誘導することである。単一または多重用量として個体に投与した用量は、投与経路、患者の症状および特徴(性別、年齢、体重、健康およびサイズ)、症状の程度、同時治療、治療の頻度および望む効果を含む、種々の因子に依存して変化してよい。確立された投与範囲の調節および操作が、よく当業者の能力内である。
学術論文または要約、発行または未発行米国または海外特許明細書、付与された米国または海外特許または任意の他の参考文献を含む、本明細書で引用されたすべての参考文献は、引用された参考文献中で示されたすべてのデータ、表、図および文を含む、すべてが本明細書で参考文献によって組み込まれている。さらに、本明細書で引用された参考文献中に引用された参考文献の全内容もすべて参考文献によって組み込まれる。
公知の方法段階、従来の方法段階、公知の方法または従来の方法に対する参照は、本発明の任意の態様、記述または実施形態が、関連技術分野にて開示、教示または指摘される承認ではない。
本発明を記述しているが、代表的な方法によって提供され、本発明の制限であるとは意図しない以下の実施例に対する参照によって、より簡単に理解されるであろう。
材料および方法
試薬:mCD70、hCD40LおよびhBLyS/BAFFを、相当する発現構造での、ヒト胎児腎臓(HEK)293Tの大規模トランスフェクションによって産出した(以下を参照のこと)。G.Adolf博士、べーリンガー インスティテュート(Boehringer Institute)、ウイーン、オーストリアから提供を受けたTNFを、100ng/mlの濃度にて、細胞に適用した。MG132およびラクタシスチンは、カルビオケム(Calbiochem)から購入し、G418はライフ テクノロジーズ(Life Technologies)、ゼオシンはインビボジェン(Invivogen)から、およびブラスチシジン、プロマイシンおよびポナステロンはインビトロジェンから購入した。組換え体TRAILは、アレキシス(Alexis)から購入した。組換え体HIS−ユビキチンK48のみ、HIS−ユビキチンK63のみ、ヒトE1、Ubc13−Uev1ヘテロダイマーは、ボストン バイオケムから得た。ユビキチンアルデヒドはA.G.サイエンティフィック(A.G.Scientific)からであった。
抗体:抗−p52抗体は、アップステート バイオテクノロジーズ(Upstate Biotechnologies)から購入し、p65、p52、p50、RelB、TRAF2、IKK1(M280&H744)、SIVA、TRAF3、NIK(H−248)は、サンタ クルズ バイオテクノロジー(Santaq Cruz Biotechnology)から、抗−HIS、抗−FLAG、抗−FLAG M2−ビーズ、および抗−bアクチンはシグマから、抗−ユビキチンおよび抗−GSTはコバンス(Covance)から、抗−GFPはロッシュから、抗−IκBαはトランスダクション ラボラトリーズ(Transduction Laboratories)から購入した。抗−NIKモノクローナル抗体NIK−81は、マウスを、NIKキナーゼドメイン内の配列(CRLGRGSFGEVHRMEDK−アミノ酸405〜420 配列番号34)に相当するKLH−共役ペプチドで免疫化することによって作製した。抗−NIK、抗−HAおよび抗−myc(クローン−9E10)モノクローナル抗体は、それらの相当するペプチドが共役したアフィニティカラム上で、マウス腹水液から精製した。
Burkittリンパ腫由来のヒトBリンパ芽、Ramos、RajiおよびBJABを、RPMI培地中で培養した。すべての接着細胞HEK293T、HeLaおよびMEFを、ダルベッコ改変イーグル培地中で培養した。両方の培養培地に、10%ウシ胎児血清、100U/mlペニシリン、および100mg/mlストレプトマイシンを含めた。
C−末端TAPタグを含むNIKを安定に発現しているBJAB細胞(Rigaut et al., 1999)を、エレクトロポレートした細胞のG418、1mg/mlによって作製した。SIVA2を、レトロウイルス形質転換、続いて1mg/mlプロマイシンでの選別によって、BJAB NIK安定細胞株内に導入した。mycでN−末端でタグ化したNIK(myc−NIK)を安定に発現しているRamos細胞を、アマクサ(Amaxa)ヌクレオフェクター器具を用いるヌクレオフェクション、および1mg/mlプロマイシンを用いる選別によって作製した。HIS−SIVA2を安定に発現しているRamos細胞およびRamos mycNIK。
SIVA2を発現しているエクジソン誘導可能293細胞株を、製造者説明書(インビトロジェン(Invitrogen))にしたがって作製し、後でmycNIKおよびmycNIKK670Aを、レトロウイルス形質導入および1mg/mlプロマイシンでの選別によって、これらの細胞内に導入した。
発現ベクター:mCD70、hCD40Lの細胞外ドメインのためのcDNAsを、ESTsからPCR−増幅し、改変ロイシンジッパーおよびFLAGタグ(Fanslow et al., 1994)との融合で、pcDNA3(インビトロジェン)内にクローン化した。pCS3MTNIKおよびpCS3MT−NIK KK429,430AA、野生型および6つのmycタグにN−末端で融合した「キナーゼ−死」のためのNIK発現ベクターは、Michael Kracht博士、ドイツから得た。pEGFPはクロンテック(Clontech)から購入した。マウスaly変異(G856R)のものに相当する変異(G860R)を含むヒトNIK(Shinkura et al., 1999)、および記述したすべての他の点変異を、部位特異的変異形成キット(ストラタジーン(Stratagene))で作製した。モノユビキチン化を査定するためのユビキチンプラスミド(UbKKKK 11,29,48,63 RRRR)は、Yosef Yarden教授、ワイズマン インスティチュート オブ サイエンス(Weizmann Institute of Sciences)、イスラエルによって親切にも提供された。C−末端mycタグを有する、プロテアソームサブユニットC8を、PCRによって産出し、pcDNA3ベクター(インビトロジェン)内にクローン化した。
N−末端6mycタグを有するNIK−pCS3MTNIK、aly NIK、キナーゼ死NIK、NIK K670Aを、製造者のプロトコール(ストラタジーン)を用いて、pfu DNAポリメラーゼを用いる部位特異的変異導入によって、pCS3MTNIKから産出した。
mycタグ(EQKLISEEDL、配列番号35)にN−末端融合したNIKを発現するためのベクターを、Michael Kracht博士、ドイツより得た。
酵母ツー−ハイブリッドスクリーニング:スクリーニングのために使用した系は、MatchmakerバージョンIII(クロンテック)であった。プレイは、a−ゲルアッセイに加えて、高度にストリンジェントな四重脱落(QDO)選別を提供する、前形質転換ヒト骨髄ライブラリー(カタログ番号HY4053AH)であった。LEU、TRP、HISおよびADEなしのプレート上で増殖しているクローンを、通常よりさらにより特異的である、a−ゲルアッセイ、しばしば漏出、b−ゲルアッセイによって再確認する。陽性クローンのプラスミドを、以下のように調製した。単一クローンを、QDO液体ブロス中に接種させ、37℃で一晩増殖させた。細胞を10,000gにてペレット化し、2%Triton X−100、1% SDS、100mM NaCl、10mM Tris pH8.0、および1mM EDTAを含む緩衝液200μl中に再懸濁させた。溶解物を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)200μlおよび0.3gの600ミクロン酸洗浄ガラスビーズ(シグマ)を加えた後に2分間ボルテックスした。上清を、12,000gでの遠心によって回収し、DNAを酢酸ナトリウム/エタノール沈殿法(Sambrook et al., 1989)によって沈殿させた。プラスミドからのコードされた挿入物を、ライブラリーベクターpACT2に対して特異的なプライマーでのPCRによって増幅させた。個々のクローンのさらなる生物化学解析のために、アンプリコンを直接、N−末端HISタグ化哺乳動物発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン)内にクローン化した。
組換え体タンパク質の発現:GST融合タンパク質の細菌発現のために、IκBα 1−54、SIVA2およびSIVA2 C73Aを、pGEXベクター内にクローン化し、製造業者プロトコール(GST Gene Fusion System、3rd ed、ファルマシア バイオテック(Pharmacia Biotech))にしたがって、BL−21細胞中で発現させた。誘導は、1mM IPTGにて、0.6のOD600にて実施した。不溶性タンパク質および封入体の形成を避けるために、細菌培養液を、37℃のかわりに25℃で増殖させた。
HIS−NIK 338〜947を、すでに記述したように、本発明者らの研究室にて、昆虫細胞中、バキュロウイルスを用いて発現させた。
PCRおよびRT−PCR:部位特異的変異導入および種々のcDNAsを増幅するためのPCRsを、製造業者の説明書(ストラタジーン)にしたがって、Pfu Turbo DNAポリメラーゼを用いて実施した。すべてのRT−PCRsを、製造業者のプロトコール(インビトロジェン)にしたがって、Superscript IIを用いて実施した。
プラスミドトランスフェクション、免疫ブロッティング、および免疫沈降:
プラスミドトランスフェクションを、以下の方法の1つによって実施した。
a.リン酸カルシウム沈殿法(Sambrook et al., 1989)
b.アマクサ ヌクレオフェクション(アマクサ バイオシステムズ(Amaxa biosystems))
c.Geneポーター(ジーン セラピー システムズ(Gene therapy systems))
d.リポフェクタミン2000(インビトロジェン)
e.通常のエレクトロポレーションを以下のように実施した。
細胞(10×106/エレクトロポレーション)を一度洗浄し、25μgのプラスミドを含む、400μlの血清を含まない培地中で再懸濁させた。DNAと混合した細胞を、0.4cmギャップキュベット内に移し、10分間氷中でインキュベートした。エレクトロポレーションを、BIORAD Genepulser中、0.24KV、960μFで実施し、時間定数を40まで最適化した。パルス後、細胞を氷中に5分間維持し、後に増殖培地中に移した。
免疫ブロッティングおよび免疫沈降を、記述された(Ramakrishnan et al., 2004)ように実施した。典型的に、1.5×106 HEK 293T細胞を10cmプレートにまいた。インキュベーションンの24時間の後、培養液を、空のベクターを添加することによって、プレートあたり15μgの総DNA濃度を維持しながら、それぞれのプラスミドでトランスフェクトした。
典型的に、HEK293T細胞を90−mmプレート上にまき(1.5×106細胞/プレート)、リン酸カルシウム沈殿法(Sambrook et al., 1989)を使用して、10% FBSを含むDMEM培地、10ml中、総量10μgDNAを用いて一日後に、トランスフェクトした。コトランスフェクションのために、試験したタンパク質をコードしているプラスミドの1:1混合液を使用した。トランスフェクション24時間後に、細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS)で一回リンスし、1’完全プロテアーゼ阻害剤カクテル(ロッシュ モレキュラー バイオケミカルズ(Roche Molecular Biochemicals)を含んだ、1mlの溶解緩衝液(10mM Tris−HCl(pH7.6)、250mM NaCl、1% NP−40、1mM EDTA、1mM PMSF)中で溶解した。先に洗浄した溶解物を、タンパク質−G−Sepharoseビーズ(アマシャム バイオサイエンセズ(Amersham biosciences)に先に吸着した2μgの抗−mycまたは抗−HIS抗体と一緒に、4℃で2時間インキュベートした。ついでビーズを溶解緩衝液でリンスし、SDS−PAGEにかけ、タンパク質をニトロセルロース膜に移し、示した抗体でプローブ化した。抗体を、製造業者の説明書にしたがって、増強化学発光(ECL)ウエスタンブロッティング検出システム(アマシャム)を用いて、ホースラディッシュ ペルオキシダーゼ(HRP)−共役二次抗体で視覚化した。
細胞の溶解物を調製するために、典型的に、細胞をトランスフェクション24時間で回収し、ついで、1% Triton X−100溶解緩衝液[1% Triton X−100、150mM NaCl、1mM EDTA、20mM Tris−cl(pH7.6)および1×完全プロテアーゼ阻害剤(ロッシュ)]中で溶解した。すべての免疫沈降を、特異的な抗体およびタンパク質Gセファロースビーズ(アマシャム ファルマシア(Amersham Pharmacia))との、4℃で4時間のインキュベーションによって実施した。
溶解条件は、核および細胞質抽出物を調節する場合で異なる(Schreiber et al., 1989)。
インビトロキナーゼアッセイ:トランスフェクトした、内因性タンパク質のキナーゼアッセイを、記述された(Ramakrishnan et al., 2004)ように実施した。
ルシフェラーゼアッセイ:細胞を6−ウェルプレートにまいた(HEK 293T 200000、HeLa 100000、MEF 100000細胞/ウェル)。HEK 293TおよびHeLa細胞を、リン酸カルシウム沈殿法によってトランスフェクトし、MEFsを、リポソームに基づく試薬(ジーン テラピー システムズ(Gene therapy systems))でトランスフェクトした。HIV−LTR(ヒト免疫不全ウイルス末端反復配列)NF−κBプロモーターの制御下、ルシフェラーゼcDNAを、レポータープラスミドとして使用した。24時間後、細胞を記述された(Fred M.Ausubel, 1996)ように溶解緩衝液、120μl中で溶解し、10−20μl溶解物をルシフェラーゼアッセイのために使用した。
siRNAおよびレンチウイルス形質転換:siRNAの安定および一時的発現、およびレンチウイルス形質転換を、記述された(Ramakrishnan et al., 2004)ように実施した。
SIVA1およびSIVA2のヌクレオチドおよびアミノ酸配列および断片。
位置指定突然変異誘発に関するオリゴヌクレオチド配列およびRNA干渉によるタンパク質合成の抑制に関するオリゴヌクレオチド配列:マウスaly変異(G860R)の変異に対応する変異を有するヒトNIKが以下の配列を用いて作製された。
使用されたNIK siRNAに非相補的となるよう変更された配列を有するNIKが、以下の配列をプライマーとして用いて作製された。
NIKのN−およびC−末端におけるTRAF2結合モチーフが、以下のオリゴにより変異された。
以下のsiRNA配列が、pSUPERベクターに導入された(スペーサーとして配列ttcaagagaを有する)。
RNAiノックアウト。ヘアピンsiRNAを、先に記述された(Brummelkamp et al., 2002)ように、pSUPERベクターを用いて発現させた。簡単に記すと、二本鎖オリゴヌクレオチドを、ヒトSIVAオープンリーディングフレームアンチセンス鎖中の領域に相当するフォワードおよびリバース配列を含むように設計した。2つのオリゴヌクレオチドをアニールし、H1 RNAプロモーターの制御下、発現のためにpSUPERベクター内にクローン化した(Brummelkamp et al., 2002)。5倍過剰までのこのpSUPER−SIVGAの一過性トランスフェクションを、以上で記述したように実施した。
(Lois et al., 2002によって先に記述されたような)レンチウイルスベクターを、Ramos細胞中で構成的に、pSUPER−SIVAを発現するために使用した。典型的に、H1プロモーター(Brummelkamp et al., 2002)およびSIVA RNAiを含むカセットを、EcoRIおよびHindIII(両方ニュー イングランド バイオラボズ(New England Biolabs)より)を用いてpSUPERベクターより切り出し、粘着性末端を、T4 DNAポリメラーゼ(ニュー イングランド バイオラボズ)を用いてブラント化し、ブラント化した断片を、GFP−発現FUGWレンチウイルスベクター(Lois et al., 2002)のブラント化したPacI内に挿入した。形質転換細胞を、GFP発現のためにFACSによってソートした(FACS Vantage、ベクトン−ディッキンソン(Becton-Dickinson))。ソートした細胞が、数ヶ月間、GFPの発現およびSIVAの欠如を示した。
インビトロ自己ユビキチン化:典型的に、インビトロユビキチン化アッセイを、30mM HEPES pH7.6、5mM MgCl2、2mM ATP、0.2mM DTT、5mM クエン酸ナトリウム、10mMリン酸クレアチニン、0.2μg/mlクレアチニンキナーゼおよび5μMユビキチンアルデヒドを含む緩衝液中、K63を除くユビキチン中のすべてのリシンがアルギニンに変異された、組換え体HIS−ユビキチン(ボストン バイオケム)(8μg)、E1(0.2μg)、E2(0.5μg)および1−2μgの組換え体GST−SIVAまたはGST−SIVAC73Aを用いる組換え体を含む50μl反応容量中で実施した。反応液を30℃で1時間インキュベートした。反応を、Laemmli試料緩衝液の添加によって終結するか、または20mM HEPES pH7.6、150mM NaCl、1% Triton X−100、1mM EDTAおよび完全プロテアーゼ阻害剤カクテルを含む緩衝液で1mlまで希釈した。SIVAを、タンパク質Gビーズに吸着した抗−GST抗体を用いて、4℃で4時間免疫沈降させた。免疫沈降物を、示した抗体でのウエスタンブロッティングにかけた。
ウイルス接種材料の調製。フェニックス−アンホ細胞(9cmプレート中に播いた1.5×106細胞)(Gary Nolan教授、スタンフォード大学から提供)を、pBABEプロSIVA2ベクター(20μg/プレート)でのリン酸カルシウム法によってトランスフェクトし、トランスフェクション48時間後に、ウイルスを含む条件培地を回収した。5mlのウイルスを含む培地を、BJAB細胞(20×106細胞)を含むRPMI培地、45mlに加え、2日後、細胞をプロマイシン(SIGMA p7255)含有培地(500ng/ml)中の4日間の選別にかけた。4日後、プロマイシン濃度を増加させ(1μg/ml)、細胞を培養条件中で増殖させた。
SIVAcを構成性に発現しているRamos細胞。(pSIVAcで構成性にトランスフェクトした)SIVA−cを発現しているB−リンパ芽細胞クローンを単離し、増殖させた。SIVAcを発現している細胞クローンを得るために使用した発現ベクターが、Hisタグ化SIVAc(His−タグが、SIVAcのC−末端に融合する)を産出する。SIVA−cを発現しているRAMOS B−リンパ芽細胞クローンを以下のように調製した。B−リンパ芽細胞を、SIVAcまたは対照ベクターpC HISでのヌクレオフェクション(アマクサ バイオシステムズ)によってトランスフェクトした。トランスフェクション48時間後、細胞を30日間、1000ng/mlネオマイシン(G418、ギブコ BRL(Gibco BRL)11811−031)を含む培地中で選別した。選別後、単一細胞クローンを、SIVA−cの発現をモニタするために、抗−HISを用いるウエスタンブロッティングによって解析した。陽性選別クローンを増殖させ、実験のために使用した。
実施例1
NIKは、CD27と結合したアダプタータンパク質である、SIVAに結合する
ベイトとしてNIKを用いて、ヒト骨髄ツー−ハイブリッドライブラリーをスクリーニングして、NIKが、SIVAのC−末端断片に結合することがわかった(図1Aを参照のこと)。TRAF2へのNIK−結合の場合(Malinin et al., 1997)においてのように、SIVA断片が、NIKのC−末端部分に結合することがわかり、この結合は、おそらくNIKのN−末端部分の、そのC−末端に結合する傾向のため、全長NIKタンパク質(図1A)で観察されたものよりも強く、したがって他のタンパク質へのその結合を防止する(Xiao and Sun, 2000)。
哺乳動物細胞中で、NIKがSIVAに結合可能かどうかを試験するために、NIKを、一時的にトランスフェクトしたHEK−293T細胞中で2つの既知のSIVAスプライス変異体である(Yoon et al., 1999)、SIVA1またはSIVA2いずれかとともに発現させた。図1Bおよび1Cで示したように、NIKは、トランスフェクトした細胞の溶解物からのSIVAの両方のスプライス変異体と双方向で共免疫沈降した。
興味深いことに、トランスフェクト細胞中のSIVA1およびSIVA2の細胞レベルが、NIKの共発現によって増加し、明らかにその結合NIK分子によるSIVAの安定化を反映している。この組の実験にて適用したSIVA cDNAの特定の容量にて、NIKの発現もSIVAの2つのスプライス変異体のいずれかの共発現によって増強された。そのような増強は、NIKとの、GFPまたはIKK1の共発現に際しては観察されなかった(図1B、CおよびD)。明白に、aly NIKとの共発現に際して、2つのSIVAアイソフォームが、効果において差を示した。SIVA1およびaly NIK両方が、それらの共発現に際して安定化し、相互作用した一方で、SIVA2は、共発現したaly NIKを安定化せず、またaly NIKによって安定化したSIVA2でなかった。この安定化の欠如によって、aly NIKのSIVA2への結合は査定できなかった(図1BおよびC)。
インビトロにて、NIKおよびSIVAの相互作用を要約するために、GSTタグ化SIVA2を細菌中に発現させ、NIKのN−末端欠損変異体(NIK 338〜947)をバキュロウイルス中に発現させた。2つのタンパク質の共インキュベーションと、続くNIKの免疫沈降によって、SIVA2を特異的に破壊し、したがって、インビボでのそれらの相互作用が直接的であることが再確認された(図1E)。
さらに、内因性SIVA2もCD70リガンド処理後、Ramos細胞中に安定に発現したNIKと相互作用することもわかった(図1F)。同様に、NIKを安定して発現しており、SIVA2でレトロウイルス的に形質転換したBJAB細胞中で、これらの2つのタンパク質が、他のTNFファミリーリガンドであるTRAILとのではなく、CD40リガンドでの長期処理後に相互作用した(図1G〜H)。反対に、SIVA1とNIKの相互作用は、2つのタンパク質を発現している安定細胞株にて観察されなかった(図示せず)。
SIVAのCD27およびGITRレセプターとの相互作用を扱っている先のレポートは、SIVAが2つのレセプター中のTRAF2結合ドメインへ結合することを示している(Spinicelli et al., 2002)。NIKはまたTRAF−結合タンパク質でもあるので、SIVAおよびTRAF2が、NIKに競争的に結合すると推測することができる。しかしながら、NIK NおよびC末端中のTRAF2結合ドメインが変化したNIKの2つの変異体バージョンが、野生型NIKと同様の効果で、SIVAに結合した(図1)。SIVAはまた、NIK機能に影響を与え得るようにみえる。単独で発現した場合、SIVA1およびSIVA2が、NF−κBのわずかな活性化のみを引き起こした。しかしながら、SIVAの両方のスプライス変異体は、NIK aly変異体によるNF−κBの活性化においてなんの効果も持たなかった一方で、共発現したNIKによるNF−κBの活性化を有意に増強した(図1J)。
実施例2
リングフィンガー様モチーフおよび亜鉛フィンガー様モチーフを含むSIVA中のドメインが、NIKに結合するために重要であり、NIK機能のSIVA−誘導改変に関与する
Sivaは、そのC−末端中にリング/亜鉛フィンガー相同システインリッチ領域を含む(図2A)。これまでに、この「B−ボックス様リング」ドメインになんの機能も割り当てられてこなかった。SIVA2のB−ボックス様リング中のNIK結合ドメインを定義するための欠損解析によって、末端亜鉛フィンガー様ドメインが主要なNIK結合領域であることが示された(図2B)。実施、SIVAのN−末端部分(アミノ酸1〜57、図2A)を欠く、切断SIVA(SIVA−C)へのNIKの直接結合が、一過性にトランスフェクトした細胞で検出された(図2F)。これにそって、レポーター遺伝子アッセイによって、一旦亜鉛フィンガードメインが欠損されたならば、SIVA2が、NIK誘導NF−κB活性化を強化する能力を欠く(図2C)。この切断結合ドメインの発現が、競合阻害剤として、作用し、NIKに結合し、NIK機能を防止する可能性を試験するために、SIVA−C末端をNIKとともに細胞内に発現させた。興味深いことに、全長SIVA2と同じように、低濃度でのSIVA−C末端もまた、NIK誘導NF−κB活性化における効果を増強することを示した(図2D)。この阻害効果もおそらくNIKに結合し、NIK機能を防止することによって、過剰発現SIVA−CがまたCD27誘導NF−κB活性化を落とすので、より生理学的に意味のある状態にても観察された(Ramakrishnan et al., 2004)(図2E)。一貫して、低レベルのSIVA−Cを構成性に発現しているRamos細胞株の安定クローンが、p52の基底レベルの上昇を示し(図2F)、p100処理の増強を引き起こしているNIK機能の活性化による可能性が最も高い。
実施例3
SIVAは、NIKのポリユビキチン化を促進する。
NIKは、ユビキチンとの共発現に際して、ユビキチン化を受ける(図3A)。NIK発現細胞の、プロテアソーム阻害剤への暴露が、結果として、ポリユビキチン化NIKの集積となる(図3B)。種々のユビキチン変異タンパク質を使用することで、NIKが、K48およびK63ポリユビキチン鎖両方に共役可能であることがわかった(図3C)。驚くべきことに、NIKはまた、そのリシンがアルギニンに置換されたユビキチン変異タンパク質(K11、29、48、63R)との共発現に際して、モノユビキチン化を示した(図3D)。モノユビキチン化と一致して、NIK配列の手動スキャニングによって、ユビキチン相互作用モチーフ(Ubiquitin Interacting Motif)[UIM、潜在的ユビキチン結合配列(Hofmann and Falquet, 2001)]の存在が示された。SIVA2の添加が、NIKユビキチンのK48およびK63両方の型を増強し(図3E、3Aおよび3B)、一方で、NIKのモノユビキチン化にインパクトはもたない(図3D)。HEK 293T細胞中のNIKおよびSIVAの単なる共発現が、内因性ユビキチンでのNIKのポリユビキチン化の発生を引き起こした(図3F)。興味深いことに、内因性ポリユビキチン鎖に共役したNIKに相当するNIKの高分子量形態もCD27活性化の後、タグ化NIKを発現しているRamos(図3G)およびHEK 293T(図3H)細胞株中でも見られた。SIVA2のNIKへの動員と並んで、この発見は、CD27機能におけるSIVA2のNIKへの潜在的関与と一致する(Prasad et al., 1997)。SIVA1はまたNIKのユビキチン化を誘導するが、SIVA2と比べてより小さな程度である(図3F)。リングフィンガーモチーフは、ユビキチン化酵素の触媒活性に対して重要であるので、SIVA2のリングフィンガー−様ドメイン中の保存システイン残基を、NIKユビキチン化におけるその結果を研究するために、変異導入した(SIVA2 C73A)。リングフィンガー変異体SIVA2が、反応の特異性をさらに確認する、NIKをユビキチン化する能力の劇的な減少を示した(図3F)。
実施例4
SIVA2は、NF−κB活性化活性をネガティブに制御し、NIK分解を与えるその能力をもっとも反映している
SIVAは、アポトーシス促進分子であり、カスパーゼ依存ミトコンドリア系における細胞死を誘導する。アポトーシスにおけるその鍵となる役割と一致して、SIVAは、異なる細胞型において、UVおよび酸化ストレスに対する応答でアップレギュレートされ、腫瘍抑制遺伝子p53およびE2F1の直接転写標的である(Fortin et al., 2004)。アポトーシスの工程において、カスパーゼ8が、NF−κB経路を抑制するために、NIKのようなタンパク質を開裂することが知られており、その経路は、細胞生存および増殖において重大な役割を果たす(Foeher et al., 2000)。NIK誘導NF−κB活性化の効果を査定する一方で、低用量で刺激効果を有する一方、高用量にてSIVA2は、NIK誘導NF−κB活性化を完全に抑制した(図4A)。これは、細胞中のNIKの発現レベルによく相関し、高濃度のSIVA2が存在する場合に、NIKのレベルが劇的に減少した(図4B、最初の3レーン)。SIVA2が、一時的発現において、NIKのK48ユビキチン化を増加させるので、SIVA2が、NIKのK48ユビキチン化を誘導し、そのプロテアソーム分解を導くことが仮定される。一貫して、MG132またはラクタシスチン(Lactacystin)でのプロテアソーム阻害が、NIKをSIVA誘導分解から効果的に保護した(図4B)。他の分解の方法の可能性を除いて、パン カスパーゼp35バキュロウイルス阻害剤の発現またはリソソーム阻害剤での処理は、NIKをSIVA2−誘導分解から保護しなかった(図示せず)。過剰発現SIVA2もHEK 293T細胞中で安定に発現したNIKを分解した(図4C)。反対に、SIVA12は、NIKの分解を与える能力を示さなかった(図示せず)。次に、SIVA2の2つの欠損変異体、亜鉛フィンガーのないもの、およびリングおよび亜鉛フィンガー両方のないもの、をNIKを分解するそれらの能力に関して試験した。興味深いことに、全長タンパク質のように、両方の欠損変異体が、NIK分解を誘導可能であることがわかった(図4D)。リングおよび亜鉛フィンガーを欠いている、SIVA2 1〜58もNIKの分解を与え、この断片もNIKのK48ユビキチン化を誘導可能であるかどうかを試験することに引きつけた。実際、NIKの分解を与えるその能力に一致して、NIK結合が不能であることを通してでさえ、SIVA2 N−末端が、NIKの特異的K48ユビキチン化を誘導する(図4E)。この発見によって、SIVAが、NIK誘導K48ユビキチン化の直接E3ではないが、他のアクセサリー因子を必要とするユビキチン化複合体の一部であることが示された。同様に、TRAF3はまた、その分解を引き起こす、間接ユビキチン化酵素として報告された(Liao et al., 2004)。
実施例5
NIKの670位でのリシン残基が、SIVA2によるその分解に関与するK48ユビキチン化の部位である
連続欠損解析によって、NIK中の短い領域、アミノ酸640〜720が、潜在的ユビキチン化可能領域として定義された(図5A)。この領域は、3個の保存されたリシン残基を有し、これらのリシンの1つの、アラニンへの変異、K670Aは、野生型NIK(図5B、左パネル)と比較して、NIKのK48ユビキチン化をとりわけ減少させる(図5B、右パネル)。K48ユビキチン化がプロテアソーム分解に関するマーカーであり、SIVA2が、NIKのユビキチン化およびプロテアソーム分解を誘導したことがわかったので、SIVA2によるNIK K670Aの分解を、査定した。実際に、NIKの残基670でのリシン置換が、NIKをSIVA誘導分解から劇的に保護したことがわかった(図5C)。しかしながら、より高い濃度のSIVA2と、培養時間の延長で、NIK K670Aレベルが細胞内で落ち始めた。これは、リシン670が、その分解を導くSIVA2によるNIKのK48ユビキチン化に必須であるが、関与する唯一の残基ではないことを証明している。リシン670はおそらく、NIKが分解するように感作しているSIVA2による、K48ユビキチン化を受けている最初の残基として働く。先にTRAF3過剰発現が、NIK分解を引き起こすことが報告された(Liao et al., 2004)。SIVA2およびTRAF3の、NIK K670Aの分解を与える能力を比較した一方で、リシン670変異が、NIKを、TRAF3−誘導分解からではなく、SIVA2−誘導からのみ、保護する事がわかった(図5D)。したがって、NIKは、SIVA2に対する、およびTRAF3に対する応答両方で分解されるが、2つの工程に関与する分子機構は異なる。
次に、SIVAリングフィンガー変異(SIVA2 C73A)が、NIKをユビキチン化するその能力を著しく減少させることが観察されたので、NIK分解におけるこの変異SIVA2の発現の結果を試験した。野生型と同様に、リングフィンガー変異体SIVA2もまた、NIKおよびaly NIKを分解した。思いがけなく、野生型とは異なり、SIVA2 C73Aは、共発現したNIK K670Aを効果的に分解した(図5E)。
異なるユビキチン変異体での一過性の発現によって、自己による、リングフィンガー領域、SIVA−Cが、K63ユビキチン化を受け、NIKと共沈殿させる事がわかった(図5F)。しかしながら、全長SIVAとは異なり、SIVA−Cが、NIKのK63ユビキチン化を与えることができないことがわかった(図5E)。
実施例6
SIVA2は、K63ユビキチン化を引き起こすE3リガーゼであり、そのリングフィンガーがこの機能を仲介する
E3sは、ユビキチン化反応の選択性および効果を決定するユビキチン−タンパク質リガーゼである。ほとんどすべての公知のE3sが、ユビキチン化反応に関与するために、リングフィンガーまたはHECTドメインいずれかを利用する(Hofmann and Pickart, 2001)。SIVA2リングフィンガーが実際に、NIKのK63ユビキチン化に関与し、K63連結作を介してのみポリユビキチン化を許容する、ユビキチン変異体K48Rが、NIKとともに細胞中で発現した。予想されたように、SIVA2添加が、NIKのK63ポリユビキチン化を著しく促進し、SIVA2中のリングフィンガー変異がこの能力を防止し、これは、リングフィンガーの機能として、K63ユビキチン化を示している。先に、本発明者らのツー ハイブリッド スクリーニングにおいて、NIK C−末端によって釣ったプレイの1つが、ユビキチン共役酵素、Ubc13であった。このE2が補因子、Uev1と一緒に、タンパク質のK63ユビキチン化を特異的に仲介した(Hofmann and Pickart, 2001)。SIVA2誘導NIK K63ユビキチン化におけるUbcl3の関与を試験するため、およびその特異性を再確認するために、触媒的に不活性なUbc13(C87A)を過剰発現させて、この工程を防止した(Deng et al., 2000)。一貫して、Ubc13 C87Aが、SIVA2誘導NIK K63ユビキチン化を防止した(図6A)。
CYLDは、ユビキチン鎖に連結したK63を標的化する、脱ユビキチン化酵素である(Kovalenko et al., 2003)。CYLDの共発現が、NIK上のSIVA2誘導ユビキチンを簡単に脱共役させ、これは、NIUKの特異的K63ユビキチン化に関するさらなる証拠を提供する(図6B)。
観察されたインビボユビキチン化に加えて、インビトロでのNIK K63ユビキチン化を試験した。残念ながら、これらの系中で調製されたタンパク質の不溶性および不活性のために、細菌または昆虫細胞いずれかから、組換え体NIKを得ることは不可能であった。したがって、本発明者らは、哺乳動物細胞から、またはインビトロ転写および翻訳ウサギ網状赤血球溶解物系から、過剰発現し精製したNIKを使用することを決定した。両方の方法によって調製したNIKは、E3の添加なしで、E1およびE2とともにインキュベートした場合に、K63ユビキチン化の飽和を示し、そのインビトロユビキチン化のためにE3として働く、SIVA2の能力の解析を妨害する。この発見によって、ほ乳動物系にて発現したNIKが、熱心に結合し、E3リガーゼ(類)を停止させ、そのインビトロでのユビキチン化に影響を与える。この知見は、哺乳動物系において発現されるNIKは、インビトロでそのユビキチン化をもたらすE3リガーゼに強く結合し、停止させるということを示す。またあるいは、NIKそれ自身がE3リガーゼ活性を有するということを示す。次に、バキュロウイルス系を使用して、昆虫細胞中で、337 N−末端アミノ酸を欠く切断NIKを発現した。この切断NIK(338〜947)は、全長NIKよりもより可溶性であり、インビトロユビキチン化実験に適用した。NIK338〜947は、SIVA2の存在下または非存在下においてユビキチン化を示さなかった。これは、この切断NIKの、工程に関与する不能性による可能性がある。または、NIK N−末端が、K63ユビキチン化を受けている領域であることが示され得る。
SIVA2がNIKを安定化するように働くという考えと一致するようにみえる1つのさらなる発見が、TRAF2、NIKおよびSIVA2をHeLa細胞中に共発現した実験で得られた。TRAF2がNIK分解を誘導した。先に示したように、低用量でのSIVA2が、NIKの量および機能を増加させた。加えて、図6Cで示したように、低用量SIVA2が、TRAF2誘導分解から、NIKを安定化/保護した。
明らかに、細菌発現組換え体SIVA2それ自身が、E1およびE2(Ubcl3/UevI)を加えたインビトロユビキチン化反応中で自己−K63ユビキチン化されることが見出され、これは、強力なE3リガーゼとして、自己−ユビキチン化を誘導可能であることを確立している(図6D)。
実施例7
細胞中の誘導可能SIVA2発現がNIK機能を緩衝する発見の、生理学的重要性の探索
最初に、小干渉RNA(siRNA)アプローチによる、その発現を抑制することによってSIVA機能を研究することが試みられた。いくつかのsiRNAを設計し、pSUPERベクター(Brummelkamp et al., 2002)内にクローン化し、HEK 293T中にて、それらのSIVAメッセージを減少させる能力に関して試験した。RT−PCRによって、2つの最適なサプレッサー、pSUPER−NC3およびpSUPER−275(図7A)が、さらなる実験のために選別された。HEK 293T細胞中のCD27誘導NF−κBレポーター遺伝子活性化に関する、pSUPER−NC3の一時的発現が、ルシフェラーゼ活性の2倍の増加を示した(図7B)。SIVAが、NIKのダウンレギュレーションを誘導可能であるという発見を考慮して、この発見が、SIVAレベルを減少させることが、NIKレベルの上昇を介して、CD27−誘導シグナル伝達を促進することをほのめかし得る。次に、SIVA欠損細胞株を作成することが試みられた。この目的のために、SIVA特異的siRNAを発現しているレンチウイルスを記述された(Lois et al., 2002)ように調製し、異なる細胞株を形質転換した。SIVAの完全な抑制は、このアプローチで、Ramos、RAJIまたはBJAB細胞においては観察されなかった。SIVAレベルのおよそ75%の減少が達成されたRamos細胞中で、CD27シグナル伝達を試験することにおいて(図7C)、対照細胞と比較して、p52およびp65の核への転位において、軽微な差異しか発見されなかった(図7D)。NIKレベルおよび機能の増加を示している、CD70刺激後のSIVA発現細胞の核内のp52およびp65のわずかに上昇したレベルが、見られた。しかしながら、これらのわずかな差違が、信頼可能な結論を導くのに十分である。
SIVAは、ストレス誘導タンパク質である(Fortin et al., 2004; Henke et al., 2000; Padanilam et al., 1998)。したがって、その抑制の効果に追跡することによってではなく、SIVAのレベルの上昇の効果を研究することによって、SIVAの生理学的役割を評価することがより妥当であり、実現可能である。この方向において、最初に、細胞中のSIVA2の安定発現の結果を試験した。繰り返しの試みにおいて、SIVA2が、短時間においてのみ細胞中で構成性に発現し、その後発現が失われた。この確率の後早期に、SIVA2を構成性に発現している3つの異なるRamos細胞クローンを試験して、これらの細胞が、IκBαの減少した基底レベルを発現することがわかり、CD70刺激の後、p100処理の減少および核へのp52およびp65転位の減少を示した(図7E)。NF−κB活性化におけるSIVA2アップレギュレーションの効果のさらなる連結のために、SIVA2に対する誘導可能な発現系を開発することが決定された。これを達成するために、エクジソン誘導可能293T Ecr細胞(インビトロジェン)を、誘導可能FLAG−SIVA2およびCD27、および両方を発現しているクローンでトランスフェクトし、導入したタンパク質を、薬物耐性に関する選別によって同定した。SIVA2発現を、これらをラクタシスチン、プロテアソーム阻害剤に暴露した場合にのみ、これらの細胞の誘導後に検出可能でありこれは、SIVA2が、高い回転率を有する短命タンパク質であることを示しており、その合成後すぐに分解を受けている。この条件下、SIVA2は、インデューサーの適用3時間ほどで、細胞中に集積した。同様に、プロテアソーム阻害剤によるSIVA2発現の過度のユビキチン化および増強も一時的発現試験にて観察された(図7F)。SIVA2を構成性に発現している細胞中で実施した実験を要約すると、SIVA2発現の誘導が、結果として核p52の、またCD70によるRelB誘導の減少となることが一貫してわかり、これは、NIK機能の混乱を指摘している。しかしながら、SIVA2を構成的に発現しているRamos細胞クローンとは異なり、誘導可能に発現したSIVA2は、293細胞中のCD70誘導p65核転位に有意に影響を与えはしなかった(図7G)。
次に、HEK 293T内のCD70誘導によって仲介されたp52およびp65の核転位におけるSIVAサイレンシングの効果を調査した。本目的のために、レトロウイルス形質転換NIKを発現しているHEK 293T細胞を、リン酸カルシウム沈殿法によって、pSUPER SIVAまたはpSUPER空ベクター、スクランブル非六位的配列をコードしているpSUPERベクターおよび対照としてGFP配列に対するsiRNAをコードしているpSUPERベクターをトランスフェクトした。pSUPER SIVAまたはpSUPER対照ベクターをトランスフェクトした細胞を、CD70発現培地にて8時間処理するか、または未処理のままとし、核および細胞質抽出物を調製し、NIK、p100、p52およびp65の検出のための適切な特異的抗体でのウエスタンブロッティングによって解析した。アクチン特異的抗体を、内部標準として、アクチンを検出するために使用した。結果は、SIVAのサイレンシングが、細胞質中のNIK、および核中のp52のレベルを上昇させる(図7H)。
実施例8
MIKは直接SIVA2をリン酸化し、その安定化を引き起こす
NIKとの共発現に際して、SIVAタンパク質レベルにおける増加を考慮するメカニズムを研究するために、この調節が、NIKのキナーゼ機能に関与するかどうかを調査した。インビトロキナーゼアッセイを用いて、NIKが簡単にSIVA2をリン酸化することがわかり、これは、SIVA2が、NIKの生理学的基質であり得ることを示している。SIVAは以前に、Y34でのARGキナーゼによってチロシンリン酸化を受けることが報告された(Cao et al., 2001a)。しかしながら、本明細書において、SIVA2のNIK−誘導リン酸化が、Y34F変異によって影響を受けないことが示されている。また、キナーゼ−死NIKで、SIVA2のリン酸化は観察されなかった(図8A)。これらの実験において、SIVA2の発現を確認するために、細胞の全溶解物を解析する一方で、NIKが共発現したSIVA2を著しく安定化する一方、キナーゼ−死NIKが、この能力を完全に欠くことがわかり、SIVA2安定化における、NIKによるSIVA2リン酸化の役割を示している(図8B)。NIK−誘導SIVA2リン酸化が、直接の事象であるのか、またはNIKの下流キナーゼによって仲介されるものであるのかを決定するために、キナーゼ−不活性IKK1またはIKK2がそれを干渉可能かどうかを試験した。NIKがIKK1を介して効果を発揮する場合、NF−κB p100のリン酸化とは異なり(Senftleben et al., 2001)、IKK1またはIKK2の変異体のいずれもが、NIKによるSIVA2リン酸化における任意の有意な効果を持たなかった。これらの初期発見によって、SIVA2リン酸化が、SIVA2でのNIK誘導の直接の結果であり得ることが示される(図8C)。
実施例9
SIVA1でなく、SIVA2が、NIK誘導ユビキチン化およびTRAF3の開裂を促進する
ユビキチン仲介分解を含む、ネガティブ調節物としてTRAF3は機能する(Liao et al., 2004)。これにそって、TRAF3の過剰発現は、NIK誘導NF−κBレポーター活性を抑制する。TRAF3はまた、低レベルで、SIVA2の共発現によって与えられるNIK機能の増強効果を抑制した(図9A)。
これらの実験の経過において、NIKがまたTRAF3を調節し、そのユビキチン化および分解に影響を与えることが驚くべきことにわかった。内因性ユビキチンの存在において、NIKは、TRAF3ユビキチン化を劇的に増幅し、還元ゲル中で、多重TRAF3バンドパターンを産出した。ユビキチンまたはNIKのみの添加もいくらかの程度まで、TRAF3を調節した。注意深い解析によって、ユビキチン化に加えて、TRAF3の(N末端HISタグを維持しているような)N−末端ドメイン低分子量バンド(dTRAF3)が、主要な開裂産物として現れた(図9B)。
次に、NIK誘導ユビキチン化およびTRAF3の開裂におけるSIVAタンパク質の効果を試験した。ユビキチン発現のみがTRAF3に影響を与えたので、本実験を、バックグラウンドを制限するために、内因性ユビキチンなしで実施した。本セットアップにおいて、NIKのみが、TRAF3のほんの少しの改変を引き起こした。しかしながら、TRAF3のNIK誘導改変における、SIVA1およびSIVA2の明確な差動効果が検出された。SIVA1は、NIKによって誘導されたものにわたって、TRAF3における効果を持たなかった。一方で、SIVA2は、TRAF3ユビキチン化および開裂を有意に増加させた(図9C)。(K48およびK63変異体ユビキチンとの一過性共発現による)TRAF3のユビキチンの種類のさらなる解析に際して、TRAF3のポリユビキチン化の主要な種類が、K63連結であり、一方で、K48連結ユビキチン化は最小であったことがわかった(図9D)。興味深いことに、TRAF3、SIVA2およびK63連結鎖を形成することが可能なユビキチン変異体の共発現が、結果としてTRAF3のユビキチン化および開裂となり、トランスフェクトNIKの非存在下でさえ、dTRAF3断片を産出する。野生型SIVA2の、リングフィンガー変異体SIVA2での置換が、dTRAF3産出を完全に廃止し、これは、工程における、SIVA2リングフィンガーに対する重大な役割を示している。プロテアソーム阻害もSIVA2−誘導dTRAF3形成を阻害することもわかり、これは、工程がK63ユビキチン化およびプロテアソーム−依存であることを示している(図9E)。一貫して、リソソーム阻害は、SIVA2またはNIKに対する応答いずれかで、TRAF3の開裂を防止しなかった(図示せず)。先のレポートが、カスパーゼによるTRAF3の同様の開裂を示し、N−末端TRAF3断片を産出した(Lee et al., 2001)。しかしながら、TRAF3中のカスパーゼ−開裂部位におけるアスパラギン酸残基のアラニンへの変異(TRAF3 D347A)は、SIVA2に対するその開裂を防止しなかった(図9E)。同様に、TRAF3のNIK−誘導開裂はまた、D347A変異によって防止されず、しかし増強されたように見え、これは、NIK−およびSIVA2−誘導TRAF3開裂が、異なるメカニズム、もっともあり得るのはプロテアソーム処理によって発生したことを示している。リングフィンガー変異体TRAF3はまた、野生型TRAF3のような同様の程度まで、NIKによって開裂された(図9F)。驚くべきことに、NIKまたはSIVA2いずれか、およびK63連結鎖を形成するために可能なユビキチン変異体の存在下で、劇的なユビキチン化を示し、トリトン不溶性画分内にほとんど存在した(図9G)。
次に、NIK、SIVA2およびTRAF3が独立して完全に機能するかどうかを理解するために、本発明者らは、一過性にこれらのタンパク質を発現している細胞からの共沈殿実験を実施した。実際、三部分複合体が存在し、これはNIKキナーゼ機能に依存しなかった。内因性NIKの非存在下で、TRAF3およびSIVA2の弱い相互作用のみが観察され、おそらく内因性NIKによって仲介された。結合がNIKのキナーゼ機能によって影響を受けない、p100−NIK−IKK1複合体の場合(Xiao et al., 2004)、ここでまたNIKが、TRAF3とSIVA2を連結しているアダプタータンパク質の役割を果たす(図9H)。
実施例10
HeLaおよびRamos細胞中のSIVA2の誘導が、結果としてNF−κBのさらなる活性化となる
NF−κBの代替活性化におけるSIVA2の効果を試験するために、クローン化遺伝子のテトラサイクリン(またはドキシ−ドキシサイクリン、テトラサイクリン類似体)誘導可能発現を可能にする、TRECクローニング系を用いた。SIVA2遺伝子を、TREX系中にクローン化し、HeLa細胞内に安定に導入した。細胞は、誘導可能なSIVA2発現を示し(データは図示せず)、さらに、SIVA2発現が誘導されなかった場合、細胞は、通常NF−κB活性化に関して、LIGHTリガンドに応答する。
テトラサイクリン誘導可能SIVA2を発現可能なHeLa TREX細胞を、LIGHT濃縮培地にて、8時間、NF−κBを活性化するために処理した。LIGHT処理に続いて、細胞を溶解し、細胞質および核画分に画分化し、核画分を、抗−p52、RelBまたはp65特異的抗体でプローブしたウエスタンブロット解析にかけた。LIGHTが、HeLa細胞中で、p52およびp65核転位両方を誘導したことがわかった。LIGHT−仲介NF−κB活性化におけるSIVA2の誘導の効果を研究した。得られた結果は、SIVA2の短時間誘導が、増強LIGHT−仲介p52およびp65核転位を増強し、一方で、SIVA2の長時間誘導が、p52およびp65両方のLIGHT−仲介核転位を干渉したことを示している(図10A)。
SIVA2遺伝子を、293−ecr細胞(インビトロジェン)系中にクローン化した。この系は、SIVA2のエクジソン(または類似体ポナステロン)−仲介誘導可能発現を可能にする。クローン化したSIVA2遺伝子を含む293−ecr細胞を、CD27を構成性に発現するように遺伝子工学的に改変した。これらの細胞を、0および8時間、CD70で処理し、代替NF−κB経路の活性化を誘導した。処理の後、細胞を溶解し、細胞質および核画分に画分化し、抗NIK、TRAF2およびTRAF3 p100およびp52抗体でプローブしたウエスタンブロット解析にかけた。結果は、CD70誘導の最後の時間での、短時間のSIVA2の誘導が、TRAF2/3のレベルを減少させ、NIKおよびp100処理のレベルを増加させ、結果として、核p52レベルの増加となった。CD70処理にそって8時間の、SIVA2の長時間の誘導が、NIKおよび核p52のレベルを減少させた(図10B)。これらの結果は、293細胞内で、SIVAが、NIKおよびNIK仲介NF−κB活性化における、陽性および陰性制御効果両方を有することを示している。
テトラサイクリン誘導可能SIVA2または変異体SIVA2C73Aを発現可能なTREX系を有するRamos細胞を、CD70で処理して、NF−κBを活性化し、CD70誘導NF−κB活性化におけるSIVA2の効果を研究した。本目的のために、Ramos細胞を、CD70で0、0.3または8時間処理し、長時間(8時間)、短時間(1時間)、SIVA2または変異体SIVA2C73Aを発現するように誘導するか、または誘導しなかった。図で示したように、SIVAの誘導での8時間リガンド処理、ドキシサイクリンをリガンドと一緒に適用した。SIVAの1時間誘導のために、ドキシサイクリンを、8時間リガンド処理の最後の1時間で加えた。短時間CD70処理の場合に、ドキシサイクリンを8時間、または1時間加え、リガンドを最後の0.3時間適用した。次に、細胞を溶解し、核および細胞質抽出物に画分化し、抗−IκBα、p65、p100およびp52特異的抗体でプローブ化したウエスタンブロットにかけた。得られた結果が、野生型SIVA2の誘導が、CD70誘導IκBα分解およびp65の核への転位を防止したことを示している(図10C)。反対に、リングフィンガー変異体SIVAは、CD70誘導IκBα分解を防止せず、p65の核転位を増強した。SIVA2誘導もリングフィンガー依存様式で、CD70誘導p52核転位を防止した。したがって、HEK 293TおよびHeLaのような接着細胞とは異なり、リンパ球にて、短時間SIVA誘導は、NF−κB活性化を増強せず、これは、非−リンパ球およびリンパ球細胞におけるSIVAの活性の様式が異なることを示している。
テトラサイクリン誘導可能SIVA2または変異体SIVA2 C73Aを発現可能なRamos TREX細胞を、TNFで処理し、SIVA2またはSIVA2 C73A誘導のTNF誘導p65の核への転位における効果を研究した。本目的のために、Ramos細胞をTNFにて0、0.3および4時間処理し、SIVA2または変異体SIVA2C73Aを発現するように、長時間(4時間)または短時間(1時間)誘導し、または以上で記述したように、誘導なしでおいた。細胞を溶解し、核および細胞質抽出物に画分化し、抗−p65特異的抗体でプローブ化したウエスタンブロット解析にかけた。得られた結果が、野生型SIVA2の誘導が、TNF誘導p65の核への転位を防止したことを示している(図10D)。反対に、SIVAのリングフィンガー変異体の誘導が、TNF誘導IκBα分解を誘導し、p65の核転位を増強した。
したがって、SIVA2上昇は、Ramos細胞中のTNF誘導NF−κB活性化を抑制する。
実施例12
SIVA2によるTRAF2のインビトロユビキチン化。
インビトロユビキチン化アッセイを、組換え体HIS−ユビキチン−K65のみ(K63を除くユビキチン中のすべてのリシンがアルギニンに変異された、組換え体HIS−ユビキチン、ボストン バイオケム)(8μg)、E1(0.2μg)、E2(0.5μg)、および1〜2μgの、FLAGタグ化TRAF2tpmp組換え体GST−SIVAまたはGST−SIVAC73Aを含む、50μl反応容量中で実施した。FLAGタグ化TRAF2を一過性に発現させ、抗FLAG M2ビーズ(シグマ)を用いて精製し、30mM HEPES pH7.6、5mM MaCl2、2mM ATP、0.2mM DTT、5mMクエン酸ナトリウム、10mMリン酸クレアチニン、0.2μg/mlクレアチニンキナーゼおよび5μMユビキチンアルデヒドを含む緩衝液中、FLAGペプチドを用いて溶出した。反応液を30℃で1時間インキュベートした。反応液を、20mM HEPES pH7.6、150mM NaCl、1% Triton X−100、1mM EDTAおよび完全プロテアーゼ阻害カクテルを含む緩衝液で1mlまで希釈した。TRAF2を、4℃で4時間、抗−FLAG M2ビーズを用いて免疫沈降させた。免疫沈降物を、抗TRAF2(H249、サンタクルズ)抗体でのウエスタンブロッティングにかけた。図11A中の結果が、変異体SIVA2C73Aではなく、SIVA2が直接、TRAF2のK63ユビキチン化を誘導することを示している。
実施例13
SIVA−C末端を構成性に発現しているRamos細胞が、B細胞中TRAF2欠損を摸倣する。
TRAF2欠損B細胞は、高レベルのp52(構成性代替NF−κB)およびTRAF3(Grech et al.,2004)を提示している。同様に、SIVA C末端を安定に発現するように遺伝子工学的に改変したRamos細胞が、高レベルのp52ならびにTRAF3、およびTRAF2の発現の現象を示している(図11B)。SIVAc発現からの結果である、超NF−κB活性化が、結果として、細胞からのNF−κB依存免疫調節物の発現の増強となり得る。
実施例14
TRAF2のSIVA2へのインビトロ結合
TRAF2がSIVA2に結合するかどうかを調査するために、FLAGタグ化TRAF2を、抗−FLAG M2ビーズを用いて、トランスフェクトした193T細胞から免疫沈降した。TRAF2を、FLAGペプチドを用いて、ビーズより溶出した。溶出したFLAGタグ化TRAF2を、組換え体(細菌発現)GSTタグ化SIVA2またはGSTタグ化リングフィンガー変異体SIVA2とともに、50μl緩衝液(30mM HEPES、pH7.6、5mM MgCl2、0.2mM DTT)の容量中、30℃で1時間インキュベートした。次に、結合混合液を、1mlまで希釈して、以下の成分−30mM HEPES、5mM MgCl2、0.2mM DTT、150mM NaCl、1% Triton X100および1mM EDTAを実現した。免疫沈降を、TRAF2に対して抗−FLAGで実施し、ウエスタンブロッティング解析を、抗SIVAにて実施して、共沈殿しているSIVAを検出した。結果が、TRAF2が、インビトロで直接SIVA2に結合すること、およびSIVAのリングフィンガーが、本結合に対して重要であること、を示している(図11C)。後者は、以下の実験で確認した。リン酸カルシウム法によって、HEK 293T細胞を、12ugのHIS−SIVA2、またはリングフィンガーを欠いているSIVA2(SIVA2 1〜58およびSIVA 1〜81)およびFLAG−TRAF2の欠損で共トランスフェクトした。トランスフェクション24時間後、細胞を回収し、溶解緩衝液を含む1% Triton中で溶解した。TRAF2を、抗FLAG−M2ビーズを用いて免疫沈降し、共沈殿したSIVA2を、抗HIS抗体を用いたウエスタンブロッティングによってプローブ化した。図11D中の全溶解物が、タンパク質の発現レベルを示している。得られた結果が、リングフィンガーがない場合(SIVA2 1〜58)、TRAF2と共沈殿せず、リングフィンガーが存在する場合(本来のSIVA2およびSIVA2 1〜81)のみ共沈殿することを示している。これらの結果により、SIVA2中のリングフィンガーが、TRAF2およびSIVA2の結合のために必要であることが確認された(図11D)。
実施例15
HEK 293T細胞中のSIVAの過剰発現が、TRAF2のK48ユビキチン化を増強する
HEK 293T細胞を、4μgのFLAG−TRAF2、6ugのHIS−SIVA2および6μgのユビキチン変異体プラスミドで、リン酸カルシウム法によってトランスフェクトした。トランスフェクション24時間後、細胞を1% Triton X100を含む緩衝液中で溶解し、免疫沈降し、特異的抗体を用いてウエスタンブロット解析した。TRAF2リングフィンガー変異体(C34A)を使用して、その自己ユビキチン化を防止した。TRAF2中のリングフィンガー変異は、自己K63ユビキチン化のみを防止した。SIVA2は、そのリングフィンガーの機能として、TRAF2のK48ユビキチン化を増強した。TRAF2リングフィンガー変異体が、SIVA2に結合するその能力を維持した(図11E)。
実施例16
SIVA2は、Ramos細胞中、CD27レセプターに動員されたTRAF2のユビキチン化を調節する
CD27レセプターへのTRAF2動員を、FLAG−CD70での刺激によって誘導し、このレセプターへ動員されたTRAF2を、時間点あたり100×106細胞から、FLAG−CD70を介して、抗FLAGを用いて免疫沈降した。SIVA2を2時間、CD70での刺激の前に、1μMドキシサイクリンで誘導した。CD27レセプターへのIKK1動員は、SIVA誘導によって影響を受けなかった。ドキシサイクリン誘導後に発現した総SIVA2の量を下部パネルにて示している。
SIVA2誘導は、Ramos細胞中、リング依存様式にて、レセプター複合体中、ユビキチン化TRAF2を増加させる(図11F)。
CD27へ動員されたTRAF2ユビキチン化中のSIVAのサイレンシングの効果を調査した。本目的のために、293−CD28細胞を、リン酸カルシウム法によって、3μgのpSUPER SIVA(2ug pSUPER275+1ug pSUPER NC3)で、6ウェルプレート中でトランスフェクトした。48時間後、細胞を、0、15、30および60分間、FLAG−CD70発現培地で処理し、TRAF2のCD27レセプターへの動員を誘導した。細胞を溶解し、CD27レセプター複合体を、抗−FLAG抗体を用いて免疫沈降した。レセプター結合TRAF2を、抗−TRAF2(サンタクルズ H249)抗体でプローブ化した。リガンドを介して沈殿したCD27レセプターおよびIKK1を、下部パネルで示している。B.pSUPER SIVAトランスフェクト細胞を、CD70刺激に続く細胞質中のTRAF2のレベルに関して、対照pSUPERトランスフェクト細胞と比較した。CD70トリガー化が、結果として、SIVA依存様式にて、TRAF2の分解となる。SIVAは、CD27レセプターへの最初のTRAF2動員を促進し、これは、CD27刺激に続くTRAF2分解のために必要である。
A〜Jは、SIVAがインビボおよびインビトロの双方で、NIKに結合し、その機能を調節することを示している。A.酵母2ハイブリッド試験におけるNIKのSIVAへの結合。NIKおよびそのN−末端切断変異体(NIK624〜947)の、SIVAのC−末端部分(SIVA1ポリペプチド中、アミノ酸123〜175、またはSIVA2中58〜110)、またはTRAF2への結合を、形質転換SFY526中で査定した。「++」および「+」は、それぞれアッセイの開始後1時間および3時間以内での、強力な色の発色を示し、「−」は、24時間以内に発色がないことを示す。B.SIVAとのNIK(またはalyマウスにおいて見られるものに相当するミスセンス変異を導入したNIK)の共免疫沈降、およびC.一時的にトランスフェクトしたHEK 293T細胞からのNIKとのSIVAの共免疫沈降。D.共発現したSIVAによる、トランスフェクトしたNIKの発現の増強。NIK、SIVA、IKK1およびGFPを、1:1比でトランスフェクトし、全溶解物を、トランスフェクト24時間後、ウエスタンブロットで解析した。E.NIKおよびSIVA2のインビトロ結合。細菌が発現したGST−SIVA2、およびバキュロウイルスが発現したN−末端を有するNIKを混合し、30℃で30分間インキュベートした。抗−NIK免疫沈降物を、抗−SIVAでのウエスタンブロットによって解析した。F.CD70が、NIKとのSIVA2の結合を促進する。myc−タグ化NIKを構成的に発現しているRamos細胞を、20分間CD70で処理し、続いて、NIKの免疫沈降、およびSIVAのNIKとの結合のウエスタン解析をした。CD70を発現しているHEK 293T細胞の培養上清を、全ての試験で細胞を処理するために、50%希釈で使用した。G.CD40Lトリガーが、SIVA2とのNIKの結合を促進する。トランスフェクトしたNIKを構成的に発現しているヒトBJABリンパ芽細胞に、SIVA2およびプロマイシン耐性選別マーカーを発現しているレトロウイルスベクターで感染させた。細胞のプロマイシン耐性プールを、CD40Lで、指定された時間点の間活性化した。またはH.TRAIL(100ng/ml)。NIKを免疫沈降し、共免疫沈降したSIVAを、ウエスタンブロットによって解析した。CD40L処理のために、細胞を、CD40Lを発現しているHEK 293T細胞の培養上清中に再懸濁した。I.HeLa細胞中の、NIKおよびそのTRAF2結合ドメイン変異体の共発現。(NIK304*−アミノ酸332〜335、SVAAに対するSVEE変異、およびNIK704*−アミノ酸702〜705、PAAAに対するPAEE変異)。SIVA2共沈殿に関するウエスタンブロッティングによって解析した抗−NIK免疫沈降物(左−4レーン)およびSIVA2発現レベルを示している全溶解物(右−4レーン)。J.共発現したSIVAによる、NIK−仲介NF−κB活性化の増強。HEK 293T細胞中のNF−κBルシフェラーゼの発現における、単独、またはSIVA1またはSIVA2と一緒の、NIKの過剰発現の効果を、トランスフェクションの24時間後に査定した。aly NIKの発現が、まさに同様に有意なNF−κB活性化となることに注意。しかしながら、SIVAはこの活性化を増強しない。示したデータは、それぞれの試験を三重で行った、2つの実験において得られたものの平均である。
A〜Fは、SIVAのリング/亜鉛フィンガー領域がNIKの機能の調節に関与することを示している。A.実験で使用した、SIVA2の、および欠損変異体の構造のダイアグラム的表現。B.mycタグ化NIKおよびHISタグ化SIVA2、およびその2つのC−末端欠損変異体を、HEK 293Tに発現させ、続いて、示したように、NIKの免疫沈降、およびウエスタンブロット解析を実施した。C.単独、またはSIVA2およびその欠損変異体と一緒の、NIKの過剰発現の、HEK 293T細胞中のNF−κBルシフェラーゼの発現における効果を、トランスフェクション24時間後に査定した。D.SIVA−C発現の、NIKおよびalyNIK誘導NF−κB活性化における効果、およびE.SIVA−C発現の、CD27トランスフェクトHEK 293T細胞中の、CD70誘導NF−κB活性化における効果。示したデータは、それぞれの試験を三重で行った、2つの実験で得られたものの平均である。F.SIVA−C末端を、RAMOS B−リンパ芽細胞において構成的に発現させた。Hisタグ化SIVA2のウエスタンブロット検出(下パネル)。核抽出物を、抗−p52抗体でプローブ化した(上パネル)。
A〜Hは、NIKのユビキチン化が、SIVA2によって仲介されることを示している。A.NIKおよびユビキチンをコードしているプラスミドを、HEK 293T細胞内に、1:3の比でトランスフェクトした。24時間後、溶解物を調製し、抗−NIK抗体で免疫沈降し、ウエスタンブロッティングによって解析した。B.HeLa細胞に、NIKをトランスフェクトし、24時間トランスフェクションの最後の4時間、プロテアゾーム阻害剤MG132(25μM)に暴露した。DMSOを希釈液対照として使用し、全溶解物を、抗−NIKを用いるウエスタンブロッティングによって解析した。C.NIKを、HEK293T細胞中、1:3の比で、ユビキチン変異体と共発現させた。免疫沈降NIKを、抗−ユビキチン抗体でのウエスタンブロッティングによって解析した。D.NIKまたはNIK K670Aの、SIVA2、およびHeLa細胞中のポリユビキチン化を削除するために、4つのリシンをアルギニンによって置換したユビキチンとの共トランスフェクト。全細胞溶解物を、抗−NIKウエスタンブロッティングによって解析した。E.NIKの、SIVA2、およびK63ポリユビキチン鎖を形成不可能な、HAタグ化ユビキチン変異体プラスミドの共トランスフェクション。抗−NIK免疫沈降物を、抗−HAウエスタンブロッティングによって解析し、K48結合ポリユビキチン鎖をモニタした。F.NIKを、SIVA1、SIVA2またはリングフィンガーが変異導入された(C73A)SIVA2と、HEK 293T細胞中で一時的に過剰発現させた。NIKを細胞溶解物から免疫沈降させ、NIKに対するユビキチン共役物に対してプローブ化し(上パネル)、SIVAタンパク質の共沈殿のためにプローブ化した(下パネル)。G.レトロウイルス的に形質転換したNIKを発現している、Romas細胞を、CD70で処理した。免疫沈降したNIKを、抗−NIK抗体を用いるウエスタンブロッティングによって解析した。H.CD27レセプターおよびNIKを安定に発現しているHEK 293T細胞を、CD70で処理した。免疫沈降したNIKを、抗−ユビキチン抗体を用いるウエスタンブロッティングによって解析して、NIKユビキチン化をモニターした。
A〜Eは、SIVA2によるNIKの陰性制御を示している。A.NIK 0.5μgおよび示した比でのSIVA2を、NF−κBレセプタールシフェラーゼとともに、HEK 293T細胞中に一時的に発現させた。24時間後、細胞を溶解し、それらのルシフェラーゼ活性を、蛍光で検出した。結果は、3回の独立実験の1つからの二重の平均を表している。B.SIVA2(1.5μgおよび3μgプラスミド)があるか、またはなしで、NIK(0.5μgプラスミド)をHeLa細胞中に一時的に発現させた。30時間のインキュベーションのなかの最後の6時間、細胞をプロテアソーム阻害剤、ラクタシスチン 20μMまたはMG132 50μMで処理し、全溶解物をウエスタンブロッティングによって解析した。C.SIVA2プラスミド(1.5μgおよび3μg)を、安定にNIKを発現しているHEK 293T細胞中にトランスフェクトした。トランスフェクションの30時間後、全溶解物を、NIKおよびSIVA2レベルに関して、ウエスタンブロッティングによって解析した。D.SIVA2の2つの欠損変異体を、1:3および1:6比でNIK(0.5μg)と共トランスフェクトした。溶解物中のNIKレベルを、トランスフェクト30時間後に査定した。下パネルは、ローディング対照としてのアクチンを示している。E.NIKプラスミド(4μg)を、HeLa細胞中、SIVA 1〜58またはSIVA−Cプラスミド(8μg)、およびHA−ユビキチンK48RまたはK63R変異体プラスミド(6μg)と共トランスフェクトした。トランスフェクション24時間後、細胞を回収し、溶解し、抗−NIK抗体で免疫沈降した。ウエスタンブロッティングを、NIK上のユビキチン共役物の検出のために、抗−HAで実施した。
A〜Fは、NIK中のリシン残基670の変異が、SIVA2によるダウンレギュレーションからNIKを保護することを示している。A.種々のNIK欠損のユビキチン化の程度を示している表。B.野生型NIK(左パネル)と比較して、HEK 293T細胞中の、NIK K670Aの、ユビキチンK48RおよびK63R変異体との共発現(右パネル)。免疫沈降したNIKを、抗−ユビキチン抗体によって解析した。C.SIVA2の増加濃度(1.0、2.0および3.0μgプラスミド)による、およびD.トランスフェクトしたHeLa細胞中のTRAF3による、NIK K670A変異体と比較した、野生型NIK(0.5μgプラスミド)の分解。E.トランスフェクトしたHeLa細胞中の、SIVA2 C73Aによる、野生型NIK、aly NIKおよびNIK K670Aの分解。C、DおよびE中の下パネルは、ローディング対照としてのアクチンを示している。F.NIKとのSIVA−Cの共沈殿およびそのユビキチン化(図4Eにおいてと同様の条件)。
A〜Dは、SIVA2がE3リガーゼであることを示している。SIVA2誘導NIKのK63ユビキチン化が、A.不活性化変異体Ubc13(C87A)によって触媒的に、B.CYLD過剰発現によって、阻害される。示したプラスミドを、HeLa細胞中に共トランスフェクトし、細胞溶解物を、トランスフェクション後24時間で調製した。抗−NIK免疫沈降物を、抗−HAでのウエスタンブロッティングでプローブして、ユビキチン化を検出し、全溶解物を抗−NIKで検出した。C.NIK(0.5μgプラスミド)を、示したように、SIVA2(1.5μgおよび3.0μgプラスミド)、およびTTRAF2(0.5μgプラスミド)と共発現させた。全細胞溶解物を、トランスフェクション後30時間で調製し、抗−NIKおよび抗−IKK1でプローブ化した。D.GST−SIVA2を、インビトロユビキチン化アッセイ中、E1(200ng/50μl)およびE2、Ubc13/Uev1(500ng/50μl)、酵素とともにインキュベートした。37℃で1時間後、試料を抗−GST抗体で免疫沈降させた。IPおよび全溶解物の双方を、抗−SIVAを用いるウエスタンブロッティングによって解析した。
A〜Hは、SIVAのアップレギュレーションまたはダウンレギュレーションが、NIKの機能を干渉することを示している。A.HEK 293T細胞中、SIVAを抑制する、種々のpSUPER−siRNAsの効果を試験するためのRT−PCR。6ウェルプレートに、200,000細胞/ウェルをまき、リポフェクタミン2000試薬(インビトロジェン)によって、種々のpSUPER−siRNAsでトランスフェクトした。細胞を、トランスフェクションの48時間後に回収し、RNAをTRIZOL(インビトロジェン)試薬を用いて抽出した。下部パネルは、定量のための対照としての、GAPDHを示している。B.HEK293T細胞を、CD27またはp55 TNFRおよびp35(TNFR誘導死から細胞を保護するためのパン カスパーゼ阻害剤)、NF−κBルシフェラーゼレポーター、およびpSUPER−SIVA siRNAs NS3と共トランスフェクトした。26時間後、CD27トランスフェクト細胞を、4時間CD70で処理し、続いて、ルシフェラーゼ活性ならびにp52産出の査定を行った。C.H1プロモーター下、siRNA NC3をコードしているレンチウイルスベクターで形質導入したRamos細胞中のSIVA mRNAレベル。D.CD70が、SIVA発現がsiRNA SIVAのレンチウイルス形質導入によって抑制されたRamos細胞中の、NF−κB核転位を誘導した。E.SIVA2を構成性に発現しているRamos細胞(1×106/時間点)、およびベクター対照細胞を、示した時間点の間、CD70またはTNFで処理した。細胞質および核抽出物を、示した抗体を用いて解析した。F.HeLa細胞からの一時的に発現したFLAG−SIVA2の免疫沈降。MG132を、24時間のトランスフェクションの最後の4時間、25μMで適用した。G.CD27レセプターおよびエクジソン誘導可能SIVA2を、エクジソンレプレッサーで、293細胞にて安定に発現させた。6ウェルプレートに、200,000細胞/ウェルを撒き、SIVA2を、10μMエクジソン類似体、ポナステロンで誘導した。CD70を、12時間、または12時間の誘導の最後の20分間、誘導物質とともに適用した。細胞を回収し、核および細胞質抽出物を調製し、ウエスタンブロッティングによって解析した。H.CD70で処理した293−D27細胞中のNIKによって仲介されたp52およびp65の核転位における、SIVAサイレンシングの効果を示している。レトロウイルス的に形質導入したNIKを発現している、HEK 293T細胞に、pSUPER SIVAまたは対照としてpSUPERからベクターを、CD70発現培地において8時間トランスフェクトし、または未処理のままとし、細胞および細胞質抽出物を調製し、NIK、p100、p52およびp56の検出のための、適切な特異的抗体でのウエスタンブロッティングによって解析した。アクチン特異的抗体を用いて、内部標準として検出した。結果が、SIVAのサイレンシングが、細胞質におけるNIKのレベル、および核におけるp52のレベルを上昇させることを示している。
A〜Cは、SIVA2が、NIKの基質であり得ることを示している。A.myc−NIK、HIS−SIVA2およびそれらの変異体を、HEK 293T細胞中、示したように共発現させ、つづいて、SIVAの免疫沈降およびインビトロキナーゼ反応を実施した。B.SIVA2を、HeLa細胞中、野生型またはキナーゼ不活性化NIKと共発現させた。トランスフェクション24時間後、全溶解物を、SIVA発現に関して解析した。下部パネルは、ローディング対照としてアクチンを示している。C.インビトロキナーゼアッセイ(上パネル)。NIK(6μgプラスミド)およびキナーゼ死IKK1またはIKK2(各6μgプラスミド)を、HEK 293T細胞中、FLAG−SIVA2(8μgプラスミド)と共発現させた。トランスフェクション24時間後、抗−FLAG免疫沈降を、溶解物より実施し、キナーゼアッセイを実施した。全溶解物を、トランスフェクトしたタンパク質の発現レベルを確認するために、示した抗体を用いるウエスタンブロッティングによって解析した(下部パネル)。
A〜Hは、TRAF3ユビキチン化および開裂が、SIVA2と一緒に動作可能にNIKによって仲介されたことを示している。A.HEK293T細胞(200000細胞/ウェル)を、6ウェルプレート中にまき、24時間後、図において示したように、以下のプラスミドでトランスフェクトした。myc NIK 0.2μg、FLAG−SIVA2 0.3μg、HIS−TRAF3 0.3μgおよびHIV−Luciferase 1.0μg。24時間後、細胞を溶解し、それらのルシフェラーゼ活性を蛍光で測定した。結果は、2つの独立した実験の1つからの、二重の平均を示している。B.TRAF3プラスミド(3.0μg)、NIKプラスミド(4.0μg)およびユビキチンプラスミド(4.0μg)を、9cmプレート中、HEK 293T細胞(1.5×106細胞/プレート)内に共トランスフェクトした。細胞をトランスフェクト24時間後に回収し、全溶解物を、抗−TRAFD3抗体を用いるウエスタンブロッティングによって解析した。矢印は、改変TRAF3形態を示している。C.9cm中にまいたHEK293T(1.5×106細胞/プレート)を、それぞれ4.0μgの示したプラスミドでトランスフェクトした。細胞をトランスフェクト24時間後に回収し、全溶解物を、抗TRAF3ウエスタンブロッティングによって解析した。D.HIS−TRAF3(4.0μg)、FLAG−SIVA2(6.0μg)、およびHA−ユビキチンK48R(6.0μg)を、Bでのようにトランスフェクトし、抗HIS免疫沈降物を、抗HA抗体を用いるウエスタンブロッティングにかけた。E.トランスフェクションを、Dでのように実施した。レーン4において、4.0μgのP35プラスミドをまた共トランスフェクトした。レーン5を、トランスフェクションに続く28時間のインキュベーションのうちの8時間、25μMのMG132で処理した。FおよびG.トランスフェクションをCでのように実施し、トランスフェクション28時間後、細胞を回収し、1% Triton X−100含有緩衝液中で、氷中20分間、溶解させた。溶解物を10000gで遠心し、上清をトリトン可溶性画分として回収した。ペレットを試料緩衝液中に再懸濁させ、煮沸させ、トリトン不溶性画分を得た。H.トランスフェクションをCでのように実施し、溶解物を、抗FLAG抗体で免疫沈降して、SIVA2を沈降させ、抗−TRAF3でプローブ化した。
A〜Dは、HEK 293T、HeLaおよびRamos細胞中のNF−κBのリガンド活性化におけるSIVA2の効果を示している。A.テトラサイクリン(またはドキシサイクリン)誘導可能SIVA2を発現可能なHeLa TREX細胞を、LIGHT濃縮培地において、NF−κBを活性化するために8時間処理した。LIGHT治療後、細胞を溶解し、核画分を単離して、抗−p52、RelBまたはp65特異的抗体でプローブ化したウエスタンブロット解析にかけた。LIGHTは、HeLa細胞中のp52およびp65核転位の双方を誘導した。SIVA2の短時間の誘導が、LIGHT−仲介p52およびp65核転位を増強し、一方でSIVA2の長時間の誘導が、p52およびp65の双方のLIGHT−仲介核転位を干渉した。B.pINDベクター中にクローン化したSIVA2 cDNAを、293−ecr細胞(インビトロジェン)系中に安定に発現させた。この系により、クローン化SIVA2のエクジソン(または類似ポナステロン)−仲介誘導可能発現が可能となる。これらの細胞を、CD70で8時間処理して、他のNF−κB経路の活性化を誘導するか、または未処理のままとした。処理後、細胞を溶解し、細胞質画分および核画分に画分化し、抗NIK、TRAFD2、TRAD3 p100およびp52抗体でプローブ化したウエスタンブロット解析にかけた。CD70誘導の最後の時間での、短時間でのSIVA2の誘導が、TRAF2/3のレベルを減少させ、NIKおよびp100処理のレベルを減少させ、結果として、核p52のレベルが増加した。CD70処理にそった8時間の、長時間でのSIVA2の誘導は、NIKおよび核p52のレベルを減少させた。C.テトラサイクリン(またはドキシサイクリン)誘導可能SIVA2または変異体SIVA2C73Aを発現可能なTREX系を有するRamos細胞を、0、0.3または8時間、CD70で処理し、CD70誘導NF−κB活性化における、長時間(8時間)、短時間(1時間)でのSIVA2または変異体SIVA2C73Aの誘導の効果を調査した。図において示したように、SIVAの誘導でのリガンドの8時間処理に関して、ドキシサイクリンをリガンドとともに適用した。SIVAの1時間処理に関して、ドキシサイクリンを、8時間リガンド処理の最後の1時間で加えた。短時間CD70処理の場合、ドキシサイクリンを8時間、または1時間加え、リガンドを最後の0.3時間適用した。示したように処理および誘導した細胞を溶解し、核および細胞質抽出物に画分化し、これらの画分を、抗−IκBα、p65、p100およびp52特異的抗体でプローブしたウエスタンブロットにかけた。野生型SIVA2の誘導は、CD70誘導IκBα分解および核へのp65転位を防止した。リングフィンガー変異体SIVAの誘導は、CD70誘導IκBα分化を防止せず、p65の核転位を増強させた。SIVA2誘導はまた、リングフィンガー依存様式で、CD70誘導p52核転位を防止した。D.テトラサイクリン誘導可能SIVA2または変異体SIVA2C73Aを発現可能なRamos TREX細胞を、TNFで0、0.3および4時間処理し、長時間(4時間)または短時間(1時間)SIVA2またはSIVA2C73A誘導の、核へのTNF誘導p65転位における効果を上記したように調査した。処理に続いて細胞を溶解し、核および細胞質抽出物に画分化し、抗−p65特異的抗体でプローブしたウエスタンブロットにかけた。野生型SIVA2の誘導が、核へのTNF誘導p65転位を防止した。SIVAのリングフィンガー変異体の誘導は、TNF誘導p65の核転位を防止しなかった。
Aは、SIVA2によるTRAF2のインビトロユビキチン化を示している。インビトロユビキチン化アッセイを、30mM HEPES pH7.6、5mM MaCl2、2mM ATP、0.2mM DTT、5mMクエン酸ナトリウム、10mMリン酸クレアチニン、0.2μg/mlクレアチニンキナーゼおよび5μMユビキチンアルデヒドを含む緩衝液中、組換え体HIS−ユビキチン−K63のみ、E1、E2(Ubc13/Uev1ヘテロダイマー)(E1およびE2の双方を、ボストン バイオケムより購入した)、およびFLAGタグ化TRAF2との組換え体GST−SIVAまたはGST−SIVAC73Aを含む反応液中で実施した。FLAGタグ化TRAF2を、pcFLAG TRAF2をHK 293T細胞中にトランスフェクトすることによって調製した。トランスフェクション24時間後、細胞を溶解緩衝液を含む1% Trition X100中に溶解し、抗FLAG M2ビーズ(シグマ)を用いて免疫沈降させた。免疫沈降したTRAF2を、FLAGペプチドで溶出し、マイクロコンカラム(MWCO3000)を用いて濃縮し、インビトロユビキチン化反応で使用した。反応液を、30℃で1時間インキュベートした。TRAF2を、抗−FLAG M2ビーズを用いて、4℃で4時間、免疫沈降した。免疫沈降物を、抗TRAF2(H249、サンタクルズ)抗体でのウエスタンブロッティングにかけた。B.は、SIVA C末端を安定して発現するように遺伝子工学的に改変したRamos細胞が、高レベルのp52ならびにTRAF3、およびTRAF2の発現の減少を提示することを示している。C.は、TRAF2がSIVA2に結合することを示している。FLAGタグ化TRAF2を、組換え体(細菌発現)GSTタグ化SIVA2またはGSTタグ化リングフィンガー変異体SIVA2とともに、30℃で1時間インキュベートした。つぎに、免疫沈降を、TRAF2に対して抗−FLAGで実施して、ウエスタンブロッティング解析を抗SIVAにおいて実施して、共沈殿しているSIVAを検出した。組換え体GSTタグ化細菌発現SIVA2が、ウエスタンブロットで2つのバンドとして発現した。SIVA2中のリングフィンガー変異体が、結果としてTRAF2に対する異なる結合親和力となる、配座変化を引き起こし得る。これは、TRAF2がSIVA2リングフィンガーに結合することが分かった、図11Dでの観察と同様である。D.は、SIVAのリングフィンガーが、TRAF2への結合のために重要であることを示している。HEK93T細胞を、HIS−SIVA2、またはSIVA2の欠損、リングフィンガーを欠いているSIVA2 1〜58またはSIVA 1〜81をコードしているプラスミド、およびFLAG−TRAF2をコードしているプラスミドと共トランスフェクトした。トランスフェクション24時間後、細胞を回収して、溶解した。TRAF2を、抗FLAG−M2ビーズを用いて免疫沈降し、共沈殿したSIVA2を、抗HIS抗体を用いてウエスタンブロッティングによってプローブした。総溶解が、タンパク質の発現レベルを示している。SIVAは、リングフィンガーがない場合(SIVA2 1〜58)、TRAF2と共沈殿せず、リングフィンガーが存在する場合(本来のSIVA2およびSIVA2 1〜81)が存在する場合のみ共沈殿した。E.は、HEK 293T細胞中のSIVAの過剰発現が、TRAF2のK48ユビキチン化を増強することを示している。HEK 293T細胞を、FLAG−TRAF2、HIS−SIVA2およびユビキチン変異体をコードしているプラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクション24時間後、細胞を溶解し、免疫沈降して、特定的な抗体を用いてウエスタンブロット解析した。TRAF2リングフィンガー変異体(C34A)を使用して、その自己ユビキチン化を防止した。TRAF2中のリングフィンガー変異体が、自己K63ユビキチン化のみを防止した。SIVA2過剰発現が、そのリングフィンガーの機能として、TRAF2のK48ユビキチン化を増強した。TRAF2リングフィンガー変異体は、SIVA2に結合するその能力を維持した。F.は、SIVA2が、Ramos細胞中、CD27レセプターに動員されたTRAF2のユビキチン化を制御することを示している。TRAF2のCD27レセプターへの動員は、FLAG−CD70での刺激によって誘導され、レセプターへ動員されたTRAF2を、抗−FLAGを用いて、免疫沈降した。SIVA2を、CD70の刺激の前に、1uMドキシサイクリンで2時間誘導した。CD27レセプターへのIKK1動員は、SIVA誘導によって影響を受けなかった。ドキシサイクリン誘導後に発現した総SIVA2の量を、下部パネルにおいて示している。SIVA2誘導が、Ramos細胞中、リング依存様式において、レセプター複合体中のユビキチン化TRAF2を増加させる。G.は、CD27レセプターへ動員されたTRAF2のユビキチン化における、SIVAのサイレンシングの効果を示している。293−CD27細胞に、pSUPER SIVAをトランスフェクトし、48時間後、0、15、30および60分間、FLAG−CD70発現培地で処理し、溶解し、CD27レセプター複合体を、抗−FLAG抗体を用いて免疫沈降した。レセプター結合TRAF2を、抗−TRAF2抗体でプローブ化した。リガンドを通して沈殿した、CD27レセプターおよびIKK1が下部パネルで示されている。H.は、SIVAのサイレンシングが、CD27刺激に続くTRAF2分解のために必要である、CD27レセプターへの初期TRAF2動員を促進することを示しており、pSUPER SIVAトランスフェクト細胞を、CD70刺激に続く細胞質中のTRAF2のレベルに関して、対照pSUPERトランスフェクト細胞と比較した。CD70トリガー化は結果として、SIVA依存様式で、TRAF2の分解となる。