JP5086223B2 - 回転検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブラシレスレゾルバ等の回転トランスを有する回転検出装置に関し、詳しくは回転トランスに形成されたリード線導出用の案内孔から漏洩する磁束が回転位置の検出精度の低下に与える影響が抑制される回転検出装置に関する。
ブラシレスレゾルバやブラシレスシンクロ等の回転位置を検出する回転検出装置は、ロータトランスとステータトランスとから構成される回転トランスによって信号の伝達が行なわれる。回転トランスを使用した従来の回転検出装置として、例えば、図14に示すブラシレスレゾルバ(ブラシレスタイプ回転検出装置)100が知られている(特許文献1参照)。
ブラシレスレゾルバ100は、回転中心となる軸101を覆う筒状ケース102内に配置された円環状のレゾルバ103と、レゾルバ103に並設された円環状の回転トランス110と、レゾルバ103および回転トランス110に電気的に接続されたリード線(入出力信号線)118とから構成されている。
このうち回転位置の検出を担うレゾルバ103は、軸101を中心に回転自在なレゾルバロータ104と、筒状ケース101に固定されたレゾルバステータ107とから構成されている。レゾルバロータ104は、レゾルバロータ鉄心(ロータ鉄心)105にレゾルバロータ巻線106を巻回することによって構成されている。一方、レゾルバステータ107は、レゾルバステータ鉄心(ステータ鉄心)108にレゾルバステータ巻線109を巻回することによって構成されている。ここで、レゾルバ103として1相励磁2相出力型のレゾルバを想定すると、レゾルバロータ巻線106は、1相の分布巻線であり、レゾルバステータ巻線109は、電気角として互いに90度ずれた2相の分布巻線(いわゆるsin巻線とcos巻線)である。なお、分布巻線とは、レゾルバロータ鉄心105およびレゾルバステータ鉄心108の円周方向に等間隔に形成されている複数の突極(ティース)に対して、実効的な巻数が正弦波状に変化するようにマグネットワイヤを巻回してなるものである。
このようにレゾルバ103を構成することにより、回転トランス110からの信号(励磁信号)によりレゾルバロータ104が励磁されると、レゾルバステータ107側に回転角θに応じた2つの信号(VsinθとVcosθ)が発生する。そして、この2つの信号から回転角θを演算することができる。
これに対して、回転トランス110は、軸101を中心に回転自在なロータトランス111と、筒状ケース102に固定されたステータトランス114とから構成されている。ロータトランス111は、円環状のロータトランス鉄心112と、ロータトランス鉄心112の周方向にマグネットワイヤを多重巻きしてなるロータトランス巻線113とから構成されている。一方、ステータトランス114は、円環状のステータトランス鉄心115と、ステータトランス鉄心115内に配置されたボビンの周方向にマグネットワイヤを多重巻きしてなるステータトランス巻線116とから構成されている。そして、ステータトランス鉄心115には、ステータトランス巻線116に電気的に接続されたリード線118の一部を挿通する案内孔117が形成されている。
このように回転トランス110を構成することにより、リード線118からステータトランス114に電送された励磁信号が、ステータトランス巻線116とロータトランス巻線113との巻数比に応じた電圧信号としてロータトランス111側に非接触で伝達される。次いで、この励磁信号がロータトランス111に接続されているレゾルバロータ104のレゾルバロータ巻線106に電送される。これにより、レゾルバ103による上述した回転位置の検出が可能となる。
特開2006−138807号公報
しかしながら、上記のように構成された従来のブラシレスレゾルバ100には、ステータトランス114のステータトランス鉄心115に形成された案内孔117に起因する以下の問題があった。
ステータトランス114を構成するステータトランス巻線116を断面コ字状に覆うステータトランス鉄心115は、珪素鋼やフェライト等の磁性材料により構成されるものである。したがって、ステータトランス巻線116に励磁信号を通電することにより発生する磁束のうち、レゾルバ103のレゾルバステータ鉄心108側に漏れる磁束は比較的少なく、その漏洩磁束は、レゾルバステータ鉄心108の円周方向に対し略均一である。ところが、ステータトランス鉄心115には上記の案内孔117が形成されていることから、この案内孔117から比較的大きな磁束が漏れる。このため、レゾルバステータ鉄心108の、案内孔117と対面する部分における磁束密度が比較的大きくなり、レゾルバステータ鉄心108が部分的に大きく磁化される(後述する図3(B)参照)。このように、磁束の流れの乱れによりレゾルバステータ鉄心108が不均一に磁化されると、レゾルバステータ巻線109にノイズ成分となる不要な電圧が誘起され、回転位置の検出精度が低下するという問題点があった(後述する図5(B)参照)。
そこで、本発明の目的は、簡易的かつ安価な構造でありながら、回転トランスからの漏洩磁束による回転位置の検出精度の低下を抑制することのできる回転検出装置を提供することにある。
本発明の請求項1に係る回転検出装置の特徴は、円環状の分布巻線を有し、軸倍角数がn(nは正の整数)の回転検出器と、ステータトランスおよびロータトランスの組み合わせからなり、前記回転検出器と対向するように回転軸方向に配置される回転トランスと、を備え、前記ステータトランスを構成する円環状のステータトランス鉄心に、同ステータトランス鉄心の内側に配置されたステータトランス巻線に接続するリード線を外部に導出するための案内孔が形成された回転検出装置において、前記ステータトランス鉄心には、前記案内孔と同一円周上で、かつ、前記案内孔となす角N°が(1)式で与えられる部位のいずれかに開口が形成されていることである。ここで、(1)式はN=m×(180°/n)であり、mは任意の奇数である。
かかる発明によれば、リード線を外部に導出するための案内孔とは異なる開口が、案内孔の位置を基準として、円周方向に対してN°(ただし、N=m×(180°/n)であり、mは任意の奇数、nは回転検出器の軸倍角数である)回転した部位のいずれか一つの部位に形成されている。案内孔に対してこのような位置関係に開口を形成した場合、回転検出器の円環状をなす分布巻線における案内孔が対向する領域と、開口が対向する領域とでは、巻数は同一でかつ巻線方向(極性)が互いに異なる。すなわち、案内孔から漏れる磁束により回転検出器に発生する電圧と、開口を設けることによって積極的に漏らす磁束により回転検出器に発生する電圧とは、絶対値が同一で極性(+と−)が異なり、互いに打ち消し合う関係にある。このため、案内孔から漏れる磁束による回転位置の検出精度の低下が抑制される。なお、本発明における開口が形成される位置は、各式から求められる位置の近傍を含むものである。他の発明についても同様である。
本発明の請求項2に係る回転検出装置の特徴は、円環状の分布巻線を有し、軸倍角数がn(nは正の整数)の回転検出器と、ステータトランスおよびロータトランスの組み合わせからなり、前記回転検出器と対向するように回転軸方向に配置される回転トランスと、を備え、前記ステータトランスを構成する円環状のステータトランス鉄心に、同ステータトランス鉄心の内側に配置されたステータトランス巻線に接続するリード線を外部に導出するための案内孔が形成された回転検出装置において、前記ステータトランス鉄心には、前記案内孔と同一円周上で、かつ、前記案内孔となす角R°が(1)式で与えられるすべての部位に開口が形成されていることにある。ここで、(1)式はR=s×(180°/n)であり、sは整数である。
このように開口を形成した場合であっても、案内孔から漏れる磁束により回転検出器に発生する電圧を、各開口から漏れる磁束により発生する電圧によって打ち消すことができる。また、かかる発明によれば、案内孔を含めた複数の開口が、ステータトランスの円周方向に対して等間隔で配置される。すなわち、回転軸を対称軸として複数の開口を回転対称に配置される。これにより、対称性のよい回転トランスが得られる。
また、本発明の請求項3に係る回転検出装置の特徴は、円環状の分布巻線を有し、軸倍角数がn(nは3以上の整数)の回転検出器と、ステータトランスおよびロータトランスの組み合わせからなり、前記回転検出器と対向するように回転軸方向に配置される回転トランスと、を備え、前記ステータトランスを構成する円環状のステータトランス鉄心に、同ステータトランス鉄心の内側に配置された前記ステータトランス巻線に接続するリード線を外部に導出するための案内孔が形成された回転検出装置において、前記ステータトランス鉄心には、前記案内孔と同一円周上に第1の開口および第2の開口が形成され、前記第1の開口は、前記案内孔となす角N°が(1)式で与えられる任意の部位のうち2以上n−1以下の数の部位に形成され、前記第2の開口は、前記案内孔となす角N’°が(2)式で与えられる任意の部位のうち前記第1の開口の数より1つ少ない数の部位に形成されていることにある。ここで、(1)式はN=m×(180°/n)であり、(2)式はN’=p×(180°/n)であり、mは任意の奇数、pは任意の偶数である。
かかる発明によっても、案内孔から漏れる磁束により回転検出器に発生する電圧を、開口から漏れる磁束により発生する電圧によって打ち消すことができる。
また、前記開口または前記第1の開口および前記第2の開口は、前記案内孔と略同形状であることが好ましい。この場合、案内孔から漏れる磁束を、開口から漏れる磁束によって正確に打ち消すことができる。
また、前記ステータトランス鉄心は、断面L字状のリングと円環状平板とから、内周側を開口する断面コ字状のリングに形成され、前記円環状平板に、前記案内孔と、前記開口または前記第1の開口および前記第2の開口とが形成され、前記円環状平板が、前記回転検出器に対向するように配置されてもよい。
ステータトランスを構成するステータトランス鉄心の所定の部位に開口を形成することにより、リード線導出用の案内孔に基づき回転検出器に誘起される電圧がキャンセルされ、これにより、回転位置の検出精度に優れた回転検出装置を実現することができる。
以下、本発明の実施形態に係る回転検出装置について図面を参照して説明する。なお、回転検出装置としてブラシレスレゾルバについて説明するが、これに限定されるものではない。
〔第1の実施形態〕
〈全体構成〉
図1は本発明の第1の実施形態に係るブラシレスレゾルバ10の縦断面図である。ブラシレスレゾルバ10は、回転軸(軸)中心Cに配置される中空状のシャフトホルダ11と、シャフトホルダ11の外周側において同軸状に配置される筒状のケース12と、シャフトホルダ11とケース12との間に配置される回転検出器としての円環状のレゾルバ13と、レゾルバ13と対向するように軸方向に沿って図示下側に並設される円環状の回転トランス20と、レゾルバ13および回転トランス20に電気的に接続されたリード線30と、を備えている。
レゾルバ13は、本実施形態では、従来技術で説明した1相励磁2相出力型であり、シャフトホルダ11に固定され回転自在なレゾルバロータ14(レゾルバ13のロータ部)と、ケース12に固定されたレゾルバステータ17(レゾルバ13のステータ部)とから構成されている。
レゾルバロータ14は、円周方向に対して等間隔で配置された複数(本実施形態では、20個)の突極(ティース)を有するレゾルバロータ鉄心15(ロータコアとも呼ばれる)と、レゾルバロータ鉄心15の各突極にマグネットワイヤを巻回してなるレゾルバロータ巻線16とから構成されている。レゾルバロータ巻線16は、レゾルバロータ鉄心15の全周にわたって正弦波一周期分の分布となるように、各突極の実効的な巻数および巻線方向(極性)が変化する1つの円環状の分布巻線として形成されている。
レゾルバステータ17は、複数(本実施形態では、12個)の突極を有するレゾルバステータ鉄心18(ステータコアとも呼ばれる)と、レゾルバステータ鉄心18の各突極にマグネットワイヤをインシュレータを介して巻回してなるレゾルバステータ巻線19とから構成されている。レゾルバステータ巻線19は、互いに90度ずれるとともに、レゾルバステータ鉄心18の全周にわたって正弦波一周期分の分布となる2つの円環状の分布巻線(sin巻線とcos巻線)として形成されている。すなわち、レゾルバ13は、シャフトホルダ11が1回転するにつき1周期の信号が発生する、いわゆる1Xレゾルバ(軸倍角数nが1)として構成されている。
次に、本発明の特徴部分である回転トランス20について説明する。回転トランス20は、シャフトホルダ11に固定され回転自在なロータトランス21(回転トランス20のロータ部)と、ケース12に固定されたステータトランス24(回転トランス20のステータ部)とから構成されている。
ロータトランス21は、外周側を向く面が開口された断面コ字状のロータトランス鉄心22(インナーコアとも呼ばれる)と、ロータトランス鉄心22に対して周方向にマグネットワイヤを多重巻きしてなるロータトランス巻線23(インナーコイルとも呼ばれる)とから構成されている。
ステータトランス24は、内周側を向く面が開口された断面コ字状で円環状のステータトランス鉄心25(アウターコアとも呼ばれる)と、ステータトランス鉄心25の内側に配置されたステータトランス巻線28(アウターコイルとも呼ばれる)とから構成されている。ステータトランス鉄心25は、本実施形態では、断面がL字状で全体として円環状(中央部に開口が形成された全体として凹状)の第1のコア部26と、リング平板状の第2のコア部27とを接合して構成されている。また、ステータトランス巻線28は、外周側を向く面が開口された断面コ字状で円環状のボビン29の周方向にマグネットワイヤを多重巻きすることにより形成されている。
ステータトランス鉄心25の、レゾルバ13と対向する壁である上壁部25a(第2のコア部27に相当)には、図1および図2に示すように、その外周側の一箇所(図示右側)にステータトランス巻線28に接続されたリード線30を外部に導出するための上面視略矩形状の開口からなる案内孔31(以下では、「開口」という場合もある)が形成されている。
また、ステータトランス鉄心25の上壁部25aには、軸中心C(ステータトランス鉄心25の中心)を回転中心(角度中心)として、案内孔31の中心からCCW回り(CW回りでもよい、以下同様である。)に180°回転した同一円周上の部位(位置)に、案内孔31と略同一形状の開口からなる第1の開口32(以下では、単に「開口」とも言う)が形成されている。なお、図2における破線は、レゾルバステータ鉄心18を投影して示したものである。
〈作用・効果〉
以上のように構成されたブラシレスレゾルバ10は、シャフトホルダ11に回転体(被検出体)のシャフト(図示せず)を取り付けることにより、従来技術で説明した作動原理に基づき、回転体の回転位置を検出することができる。以下では、ステータトランス鉄心25に形成されている第1の開口32の作用・効果について図3〜図5を参照して説明する。
図3(A)は、ステータトランス鉄心25に対向するレゾルバステータ鉄心18の表面における、ステータトランス24からの漏洩磁束による磁束密度分布を示す図である。図3(B)は、比較のために、第1の開口32がステータトランス鉄心25に形成されていない場合(従来構成)の、レゾルバステータ鉄心18の表面の磁束密度分布を示す図である。なお、両図において、色が濃いほど磁束密度が大きいことを示している。
図3(A)と図3(B)とを比較して明らかのように、ステータトランス鉄心25に第1の開口32を形成することにより、第1の開口32に対応する領域Qの磁束密度が、案内孔31に対向する領域Gの磁束密度と同程度に大きくなり、全体として左右対称な磁束密度分布となっている。
次に、ステータトランス巻線28に所定の交流電圧を印加した場合に、漏洩磁束によりレゾルバステータ巻線19の全周に誘起される電圧の合計値を、sin巻線およびcos巻線のそれぞれについて解析した結果を図4(A)に示す。また、比較のために、第1の開口32が形成されていない場合(従来構成)の解析結果を図4(B)に示す。両者を比較すると、ステータトランス鉄心25に第1の開口32を形成することにより、磁束の流れの乱れよってレゾルバステータ巻線19に誘起される不要な電圧、すなわちノイズ成分が大幅に低減されることが分かる。このように、ステータトランス鉄心25に第1の開口32を形成することにより、ノイズ成分が大幅に低減され、回転位置の検出精度に優れた回転検出装置10が実現できる。
次に、ステータトランス鉄心25に第1の開口32を形成することにより、漏洩磁束によって誘起される不要な電圧が低減される理由について図5を参照して説明する。
図5は、レゾルバステータ巻線19におけるsin相(図中実線)およびcos相(図中破線)の巻線分布図(レゾルバステータ鉄心18の各突極におけるマグネットワイヤの実効的な巻数比を、巻線方向を考慮しながら、円周方向の角度に対して連続線として示す模式図)上に、ステータトランス鉄心25に形成されている案内孔31および第1の開口32の相対位置(角度)を示す図である。なお、同図では、sin相の巻数比が0(ゼロ)で、かつcos相の巻数比が1である位置を0°(原点)としている。なお、以後に示す巻線分布図においても同様である。
ここで、図5に示すように、ステータトランス鉄心25の案内孔31が、原点から60°の位置に形成されていると仮定する。この場合、第1の開口32は、案内孔31に対して180°回転した位置に形成されていることから、原点から角度240°の位置に第1の開口32が形成されていることになる。
第1の開口32の位置(円周方向の位置)に対応するsin相の領域A’は、案内孔31の位置に対応するsin相の領域Aと比較して、巻数比は同一で巻線方向が逆である。また、第1の開口32の位置に対応するcos相の領域B’は、案内孔31の位置に対応するcos相の領域Bと比較して、巻数比は同一で巻線方向が逆である。したがって、案内孔31によりレゾルバステータ巻線19に誘起される電圧と、第1の開口32によりレゾルバステータ巻線19に誘起される電圧とは、sin相およびcos相のいずれにおいても、絶対値が同じで極性(+と−)が異なる関係になる。このため、第1の開口32により誘起される電圧によって、案内孔31により誘起される電圧が打ち消される。
〈軸倍角数nが2以上の場合〉
以上、1Xレゾルバ(軸倍角数nが1)を例に第1の実施形態に係る回転検出装置10について説明したが、本発明は軸倍角数nが2以上のブラシレスレゾルバにも適用することができる。ただし、第1の開口32を形成する部位(案内孔31と同一円周上の部位)が軸倍角数nによって異なる。案内孔31の中心に対する第1の開口32の相対位置を、軸中心C(ステータトランス鉄心25の中心)を回転中心とする回転角N°(案内孔31と第1の開口32とがなす角に相当)で表すと、軸倍角nX(nは正の整数)に対応して、Nは
N=m×(180°/n) ・・・(1)式
(ただし、mは任意の奇数を示す。)
となる。
以下では、この関係式について、軸倍角が2X,3X,4Xを例に説明する。なお、nXレゾルバは、レゾルバロータ14が1回転する間にレゾルバステータ巻線19からの出力がn周期分となるように、レゾルバロータ14およびレゾルバステータ17が形成されている点で1Xレゾルバと異なっている。具体的には、軸倍角nXに応じて、n周期分の分布巻線がレゾルバロータ鉄心15およびレゾルバステータ鉄心18の全周にわたってそれぞれ形成されている。また、(1)式においてmが現実に採り得る値は、1から始めた場合、1から数えてn個目に相当する値(2n−1)までである。
(n=2の場合)
軸倍角数nが2の場合の、ステータトランス鉄心25Aにおける第1の開口32aの位置(案内孔31となす角度)について、図6(A),(B)を参照して説明する。なお、軸倍角数nが2の場合、mとして1および3を採り得る。
まず、mが1の場合には、(1)式よりNは90(°)となる。図6(A)のステータトランス鉄心25Aの平面図においては、案内孔31からCCW方向に90°回転した位置に第1の開口32a_1が形成されている。また、図6(B)の巻線分布図においては、案内孔31が原点から60°の部位に形成されていると仮定すると、第1の開口32a_1は原点から150°の位置に形成されていることになる。
図6(B)から明らかのように、第1の開口32a_1の位置に対応するsin相の領域A’は、案内孔31の位置に対応するsin相の領域Aと比較して、巻数比は同一で巻線方向が互いに逆である。また、第1の開口32a_1の位置に対応するcos相の領域B’は、案内孔31の位置に対応するcos相の領域Bと比較して、巻数比は同一で巻線方向が逆である。したがって、第1の開口32a_1により誘起される電圧によって、案内孔31により誘起される電圧を打ち消すことができる。
次に、m=3の場合には、(1)式よりNは270(°)である。図6(A)においては、案内孔31からCCW方向に270°回転した位置に第1の開口32a_3が形成されている。また、図6(B)の巻線分布図においては、第1の開口32a_3は原点から330°の位置に形成されていることになる。このように形成された第1の開口32a_3は、第1の開口32a_1と比較して、対応するsin相およびcos相のいずれのおいても巻数比および巻線方向がそれぞれ同一である。すなわち、第1の開口32a_3を形成した場合であっても、第1の開口32a_1と同様の作用・効果を奏することができる。
(n=3の場合)
軸倍角数nが3の場合の、ステータトランス鉄心25Bにおける第1の開口32bの位置について、図7(A),(B)を参照して説明する。なお、軸倍角数nが3の場合、mとして1、3、および5を採り得る。
まず、mが1の場合には、(1)式よりNは60(°)となる。図7(A)のステータトランス鉄心25Bの平面図においては、案内孔31からCCW方向に60°回転した位置に第1の開口32b_1が形成されている。また、図7(B)の巻線分布図においては、案内孔31が原点から45°の部位に形成されていると仮定すると、第1の開口32b_1は原点から105°の位置に形成されていることになる。
図7(B)から明らかにように、第1の開口32b_1の位置に対応するsin相の領域A’は、案内孔31の位置に対応するsin相の領域Aと比較して、巻数比は同一で巻線方向が逆である。また、第1の開口32b_1の位置に対応するcos相の領域B’は、案内孔31の位置に対応するcos相の領域Bと比較して、巻数比は同一で巻線方向が逆である。したがって、第1の開口32b_1により誘起される電圧によって、案内孔31により誘起される電圧を打ち消すことができる。
同様に、mが3の場合に相当する第1の開口32b_3(N=180)、およびmが5の場合に相当する第1の開口32b_5(N=300)を形成した場合であっても、第1の開口32c_1(N=60)と同様の作用・効果を奏することが図7(B)から理解できる。
(n=4の場合)
軸倍角数nが4の場合の、ステータトランス鉄心25Cにおける第1の開口32cの位置について、図8(A),(B)を参照して説明する。なお、軸倍角数nが4の場合、mとして1、3、5、および7を採り得る。
まず、mが1の場合には、(1)式よりNは45(°)となる。図8(A)のステータトランス鉄心25Cの平面図においては、案内孔31からCCW方向に45°回転した位置に第1の開口32c_1が形成されている。また、図8(B)の巻線分布図においては、案内孔31が原点から30°の部位に形成されていると仮定すると、第1の開口32c_1は原点から75°の位置に形成されていることになる。
図8(B)から明らかにように、第1の開口32c_1の位置に対応するsin相の領域A’は、案内孔31の位置に対応するsin相の領域Aと比較して、巻数比は同一で巻線方向が互いに逆である。また、第1の開口32c_1の位置に対応するcos相の領域B’は、案内孔31の位置に対応するcos相の領域Bと比較して、巻数比は同一で巻線方向が互いに逆である。したがって、第1の開口32c_1により誘起される電圧によって、案内孔31により誘起される電圧を打ち消すことができる。
同様に、mが3の場合に相当する第1の開口32c_3(N=135)、mが5の場合に相当する第1の開口32c_5(N=225)、およびmが7の場合に相当する第1の開口32c_7(N=315)を形成した場合であっても、第1の開口32c_1(N=45)と同様の作用・効果を奏することが図8(B)から理解できる。
以上の通り、(1)式に従って軸倍角数nに応じた第1の開口32を形成することにより、案内孔31に基づいて誘起される不要な電圧を打ち消すことができる。なお、(1)式を言葉で表現すれば以下の通りである。すなわち、レゾルバステータ巻線19を構成するn周期の巻線分布の中から1つの周期を選択し、その周期内において、案内孔31が対応する巻線分布の部位と比較して、巻数比が同じで巻線方向が逆の部位を決定する。そして、その決定した部位に対応するステータトランス鉄心25の部位に、第1の開口32を形成する、というものである。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る回転検出装置について図9(A),(B)を参照して説明する。第1の実施形態に係る回転検出装置10と相違する点は2つである。1つ目の相違点は、軸倍角が2X(軸倍角数nが2)となるように、レゾルバ13が構成されていることである。具体的には、レゾルバロータ鉄心15およびレゾルバステータ鉄心18の全周にわたって2周期分の分布巻線が形成されている。
2つ目の相違点は、前述の(1)式によって導き出される第1の開口32a_1(m=1に相当)および第1の開口32a_3(m=3に相当)のいずれもがステータトランス鉄心45Aの上壁部45Aaに形成されるとともに、1つの第2の開口46(以下では、単に「開口」とも言う)が案内孔31および第1の開口32a_1,32a_3と同一円周上に形成されているところにある。
具体的には、図9(A)に示すように、案内孔31を基準(0°)に、CCW方向に90°回転した位置に一方の第1の開口32a_1が形成され、180°回転した位置に第2の開口46aが形成され、270°回転した位置に他方の第1の開口32a_3が形成されている。いずれの開口32a_1,32a_3,46aとも、その上面視形状は案内孔31の形状と略同一である。すなわち、ステータトランス鉄心45Aの上壁部45Aaには、その円周方向に4(=n×2)等分した位置に、案内孔31および3つの開口32a_1,32a_3,46aがそれぞれ形成されている。
以上説明したように、第2の実施形態に係る回転検出装置では、ステータトランス鉄心45Aの上壁部45Aaに、2つの第1の開口32a_1,32a_3と、1つの第2の開口46aとが形成されている。このようにステータトランス鉄心45Aを構成した場合であっても、第1の実施形態と同様に、案内孔31による磁束の流れの乱れによってレゾルバステータ巻線19に誘起される不要な電圧による検出精度の低下を抑制することができる。以下、その理由について図9(B)を参照して説明する。
図9(B)に示す巻線分布図においては、ステータトランス鉄心45Aの案内孔31が原点から60°の部位に形成されていると仮定する。この場合、2つの第1の開口32a_1,32a_3は、原点から150°,330°の位置にそれぞれ形成される。そして、第2の開口46aは、案内孔31から原点から240°の位置に形成される。
ここで、案内孔31と一方の第1の開口32a_1とは、第1の実施形態において説明したように、一方の第1の開口32_1により誘起される電圧によって、案内孔31により誘起される電圧を打ち消すことができる。次に、第2の開口46aと他方の第1の開口32a_3に注目すると、両者の関係は、案内孔31と一方の第1の開口32a_1との関係と同様であり、2つの開口32_3,46aにより誘起される電圧は互いに打ち消し合われる。このため、第1の開口32_1に加えて他方の第1の開口32a_3と第2の開口46aとを形成した場合であっても、案内孔31による磁束の流れの乱れによってレゾルバステータ巻線19に誘起される不要な電圧による検出精度の低下を抑制することができる。
それに加えて、第2の実施形態に係る回転検出装置においては、案内孔31、第1の開口32a_1,32a_3、および第2の開口46aからなる4つの開口31,32a_1,32a_3,46aがステータトランス鉄心45Aの円周方向に対して等間隔に配置さされている。すなわち、4つの開口31,32a_1,32a_3,46aが、軸中心C(ステータトランス鉄心45の中心)を対称中心として回転対称に配置される。このため、ステータトランス鉄心45Aの回転対称性が向上し、回転位置の検出精度がより向上することが期待できる。特に、磁性材料からなるステータトランス鉄心45Aに開口を形成する際の加工歪みが大きい場合に好適である。また、回転検出装置の軽量化が促進される。
〈軸倍角数nが3以上の場合〉
以上、2Xレゾルバ(軸倍角数nが2)を例に第2の実施形態に係る回転検出装置について説明したが、本発明は軸倍角数nが3以上のブラシレスレゾルバにも適用することができる。ただし、第1の開口32および第2の開口46の数ならびにそれらを形成する部位(案内孔31と同一円周上の部位)が軸倍角数nによって異なる。
第1の開口32が形成される部位は、前述の(1)式で示されるのに対して、第2の開口46が形成される部位は以下のように示される。すなわち、案内孔31に対する第2の開口46の相対位置を、軸中心Cを回転中心とする回転角N’°(案内孔31と第2の開口46とがなす角に相当)で表すと、軸倍角nX(nは2以上の正の整数)に対応して、N’は
N’=p×(180°/n) ・・・(2)式
(ただし、pは任意の偶数を示す。)
となる。以下では、この点について、軸倍角3X,4Xを例に説明する。なお、(2)式においてpが現実に採り得る値は、1から始めた場合、1から数えて(n−1)個目に相当する値2(n−1)までである。
(n=3の場合)
軸倍角数nが3の場合の、ステータトランス鉄心45Bにおける第1の開口32bおよび第2の開口46bの位置(案内孔31となす角度)について、図10(A),(B)を参照して説明する。なお、軸倍角数nが3の場合、mとして1、3、および5を採り得る。また、pとして2および4を採り得る。
図10(A)に示すように、ステータトランス鉄心45Bの上壁部45Baには、(1)式に基づき、案内孔31を基準にCCW方向に60°(m=1),180°(m=3),300°(m=5)回転した位置に、3つの第1の開口32b_1,32b_3,32b_5がそれぞれ形成されている。
また、ステータトランス鉄心45Bの上壁部45Baには、(2)式に基づき、案内孔31を基準にCCW方向に120°(p=2),240°(p=4)回転した位置に、2つの第2の開口46b_2,46b_4がそれぞれ形成されている。
次に、図10(B)に示す巻線分布図においては、ステータトランス鉄心45Bの案内孔31は、原点から45°の部位に形成されていると仮定する。この場合、3つの第1の開口32b_1〜32b_5は、原点から105°,225°,345°の位置にそれぞれ形成される。そして、第2の開口46b_2,46b_4は、原点から165°と285°の位置にそれぞれ形成さる。
案内孔31を含めた6つの開口31〜46b_4は、図10(B)から明らかのように、対応するsin相およびcos相の巻数比がいずれも同一である。ただし、6つの開口31〜46b_4のうち、3つの開口31,46b_2,46b_4と、3つの開口32b_1,32b_3,32b_5とでは、巻線方向が互いに逆である。したがって、案内孔31を含めた6つの開口31〜46b_4により誘起される電圧は打ち消される。また、6つの開口31〜46b_4は、図10(A)から明らかのように、ステータトランス鉄心45Bの円周方向に対して等間隔に配置されている。すなわち、6つの開口31〜46b_4は、軸中心Cを対称中心として回転対称に配置されている。
(n=4の場合)
軸倍角数nが4の場合の、ステータトランス鉄心45Cにおける第1の開口32cおよび第2の開口46cの位置(案内孔31となす角度)について、図11(A),(B)を参照して説明する。なお、軸倍角数nが4の場合、mとして1、3、5、および7を採り得る。また、pとして2、4、および6を採り得る。
図11(A)に示すように、ステータトランス鉄心45Cの上壁部45Caには、(1)式に基づき、案内孔31を基準にCCW方向に45°(m=1),135°(m=3),225°(m=5),315°(m=7)回転した位置に、4つの第1の開口32c_1,32c_3,32c_5,32c_7がそれぞれ形成されている。
また、ステータトランス鉄心45Cの上壁部45Caには、(2)式に基づき、案内孔31を基準にCCW方向に90°(p=2),180°(p=4),270°(p=6)回転した位置に、3つの第2の開口46c_2,46c_4,46c_6がそれぞれ形成されている。
次に、図11(B)に示す巻線分布図においては、ステータトランス鉄心45Cの案内孔31は原点から30°の部位に形成されていると仮定する。案内孔31に対して、4つの第1の開口32c_1〜32c_7は、原点から75°、165°、255°、および345°の位置にそれぞれ形成されている。そして、3つの第2の開口46c_2〜46c_6は、原点から120°、210°、および300°の位置にそれぞれ形成されている。
案内孔31を含めた8つの開口31〜46c_6は、図11(B)から明らかのように、対応するsin相およびcos相の巻数比がいずれも同一である。ただし、8つの開口31〜46c_6のうち、4つの開口31,46c_2,46c_4,46c_6と、4つの開口32c_1,32c_3,32c_5,32c_7とでは、巻線方向が互いに逆である。したがって、案内孔31を含めた8つの開口31〜46c_6により誘起される電圧は打ち消される。また、8つの開口31〜46c_6は、図11(A)から明らかのように、ステータトランス鉄心45Cの円周方向に対して等間隔に配置されている。すなわち、8つの開口31〜46c_6は、軸中心Cを対称中心として回転対称に配置されている。
〈他の表現形式〉
以上説明したように、第2の実施形態に係る回転検出装置は、(1)式および(2)式に基づき第1の開口32および第2の開口46をそれぞれ形成することにより、軸倍角数が3以上の場合にも展開できる。ところで、第1の実施形態との関係で、便宜的に2種類の開口(第1の開口32および第2の開口46)に分けて、複数の開口を形成する位置が決定されることを示したが、1種類の開口として説明することも可能である。
すなわち、第2の実施形態においては、ステータトランス鉄心45の案内孔31と同一の円周(全周360°)を、案内孔31の中心を基準(0°)として2n等分割し、案内孔31の位置を除く(2n−1)個の部位に開口を形成すればよい。軸中心C(ステータトランス鉄心45の中心)を回転中心として、案内孔31の中心と各開口の位置とがなす角度をR°とすれば、Rは
R =s×(180°/n) (sは整数) ・・・(3)式
として表される。なお、(3)式においてsが現実に採り得る値は、1から始めた場合、1から(2n−1)までである。また、このように1種類の開口として開口を形成する位置を表す場合には、nが1の場合を含めることができる。
具体的に説明すれば、例えばnが1の場合(図2参照)、第1の開口32(N=180)が(3)式のs=1に相当する。また、nが3の場合(図10(A)参照)、第1の開口32b_1(N=60)がs=1に相当し、第2の開口46b_2(N’=120)がs=2に相当し、第1の開口32b_3(N=180)がs=3に相当し、第2の開口46b_4(N’=240)がs=4に相当し、第1の開口32b_5(N=300)がs=5に相当する。
以上の通り、(3)式に従って軸倍角数nに応じた開口32,46を形成することにより、案内孔31に基づいて誘起される不要な電圧を打ち消すことができる。また、案内孔31を含めて各開口32,46を回転対称に配置させることができる。なお、(3)式を別の言葉で表現すれば以下の通りである。すなわち、レゾルバステータ巻線19を構成する分布巻線の、案内孔31が対応する周期を除く各周期のそれぞれにおける、案内孔31に対応する部位と巻数比および巻線方向が同一の部位と、案内孔31が対応する周期を含めた各周期のそれぞれにおける、案内孔31に対応する部位と巻数比が同一で巻線方向が逆の部位と、に対応するステータトランス鉄心45の各部位に開口を形成する、というものである。なお、開口の個数は(2n−1)個である。
〔その他の実施形態〕
以上、本発明を好ましい実施形態によって説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変形や応用が可能である。
例えば、第2の実施形態では、(1)式により導き出されるすべての第1の開口32と(2)式により導き出されるすべての第2の開口46とがステータトランス鉄心45に形成されているが、第1の開口32と第2の開口46とは必ずしもすべてを形成する必要はない。軸倍角数が4の場合を一例として説明すると、図12(A)に示すように、2つの第1の開口32c_1,32c_5を案内孔31の中心(0°)からCCW方向に45°(m=1)および225°(m=5)の位置にそれぞれ形成するとともに、1つの第2の開口46c_4を180°(p=4)の位置に形成してもよい。このようにステータトランス鉄心65Cを構成された場合にも、図12(B)から理解できるように、案内孔31による磁束の流れの乱れによる検出精度の低下を抑制することができる。なお、この場合、第1の開口32c_5と第2の開口46c_4とが、分布巻線の同一周期内に形成されているが、互いに異なる周期内に形成されてもよい。
すなわち、案内孔31の中心から円周方向にN°回転した部位から任意に選択された2以上n−1以下の箇所に第1の開口32を形成するとともに、案内孔31の中心から円周方向にN’°回転した部位の任意の箇所で、かつ第1の開口32の数より一つ少ない数の第2の開口46を形成するようにしてもよい。ただし、この形態は、軸倍角数nは3以上に限定される。
また、ステータトランス鉄心25〜65Cにおける開口32,46が形成される位置は、ステータトランス鉄心25〜65Cの上壁部25a〜65Caに限定されるものではない。例えば、図13に示すように、ステータトランス鉄心85の外周側を向く側壁部85bに案内孔86が形成されている場合には、開口87を側壁部85bに形成すればよい。
また、ステータトランス鉄心25,45は、断面がL字状で全体として円環状の第1のコア部26と、リング平板状の第2のコア部27とから構成されたものである必要はなく、例えば、断面がL字状で全体として円環状のコアを2つ組み合わせて構成してもよい。
また、上記の実施形態においては、軸倍角が1X〜4Xの場合の具体例を説明したが、これらの軸倍角に限定されるものではなく、他の軸倍角にも適用可能である。
また、本発明における開口32,46が形成される位置は、各式から求められる位置の近傍であってもよい。
また、開口32,46の形状についても、案内孔の形状と必ずしも略一致させる必要はなく、所定の効果が得られる範囲内で変形することができる。
また、各軸倍角における案内孔の原点に対する角度は上記の実施形態に限定されるものではなく、個々の設計仕様により任意の角度に設定することができる。
また、上記実施形態では、1相励磁2相出力型のブラシレスレゾルバを用いて説明したが、これに限定されものではなく、例えば、2相励磁1相出力型のブラシレスレゾルバにも適用可能である。また、ステータ部(レゾルバステータ17およびステータトランス24)を内周側に配置し、ロータ部(レゾルバロータ14およびロータトランス21)を外周側に配置したアウターロータ型のブラシレスレゾルバにも適用可能である。さらに、本発明にかかる回転検出装置は、ブラシレスレゾルバ(2相)に限定されるものではなく、ブラシレスシンクロ(3相)等の他のブラシレスタイプの回転検出装置にも適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る回転検出装置の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るステータトランス鉄心の平面図である。 (A)は回転トランスからの漏洩磁束によるレゾルバステータ鉄心の磁束密度分布を示す図であり、(B)は比較のために従来構成における結果を示す図である。 (A)は回転トランスからの漏洩磁束によりレゾルバステータ巻線に誘起される電圧を示す図であり、(B)は比較のために示す従来構成における結果を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るレゾルバステータ巻線の巻線分布図に、案内孔および第1の開口の位置を示す図である。 本発明の第1実施形態において、軸倍角数が2の場合であり、(A)はステータトランス鉄心の平面図であり、(B)はレゾルバステータ巻線の巻線分布図に、案内孔および第1の開口の位置を示す図である。 本発明の第1実施形態において、軸倍角数が3の場合であり、(A)はステータトランス鉄心の平面図であり、(B)はレゾルバステータ巻線の巻線分布図に、案内孔および第1の開口の位置を示す図である。 本発明の第1実施形態において、軸倍角数が4の場合であり、(A)はステータトランス鉄心の平面図であり、(B)はレゾルバステータ巻線の巻線分布図に、案内孔および第1の開口の位置を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る回転検出装置を説明するための図であり、(A)はステータトランス鉄心の平面図であり、(B)はレゾルバステータ巻線の巻線分布図に、案内孔ならびに第1および第2の開口の位置を示す図である。 本発明の第2実施形態において、軸倍角数が3の場合であり、(A)はステータトランス鉄心の平面図であり、(B)はレゾルバステータ巻線の巻線分布図に、案内孔ならびに第1および第2の開口の位置を示す図である。 本発明の第2実施形態において、軸倍角数が4の場合であり、(A)はステータトランス鉄心の平面図であり、(B)はレゾルバステータ巻線の巻線分布図ならびに第1および第2の開口の位置を示す図である。 本発明に係るステータトランス鉄心のその他の実施形態を示す図であり、(A)はステータトランス鉄心の平面図であり、(B)はレゾルバステータ巻線の巻線分布図ならびに第1および第2の開口の位置を示す図である。 本発明に係る回転検出装置の変形例を示す縦断面図である。 従来の回転検出装置の縦断面図である。
符号の説明
10 ブラシレスレゾルバ
11 シャフトホルダ
12 ケース
13 レゾルバ(回転検出器)
14 レゾルバロータ
15 レゾルバロータ鉄心(ロータコア)
16 レゾルバロータ巻線
17 レゾルバステータ
18 レゾルバステータ鉄心(ステータコア)
19 レゾルバステータ巻線
20 回転トランス
21 ロータトランス
22 ロータトランス鉄心(インナーコア)
23 ロータトランス巻線(インナーコイル)
24 ステータトランス
25,45,65,85 ステータトランス鉄心(アウターコア)
25a 上壁部
26 第1のコア部
27 第2のコア部
28 ステータトランス巻線(アウターコイル)
29 ボビン
30 リード線
31 案内孔
32 第1の開口
46 第2の開口
85b 側壁部
C 回転軸中心
n 軸倍角数

Claims (5)

  1. 円環状の分布巻線を有し、軸倍角数がn(nは正の整数)の回転検出器と、
    ステータトランスおよびロータトランスの組み合わせからなり、前記回転検出器と対向するように回転軸方向に配置される回転トランスと、を備え、
    前記ステータトランスを構成する円環状のステータトランス鉄心に、同ステータトランス鉄心の内側に配置されたステータトランス巻線に接続するリード線を外部に導出するための案内孔が形成された回転検出装置において、
    前記ステータトランス鉄心には、前記案内孔と同一円周上で、かつ、前記案内孔となす角N°が(1)式で与えられる部位のいずれかに開口が形成されていることを特徴とする回転検出装置。
    N=m×(180°/n) ・・・(1)
    ここで、mは任意の奇数である。
  2. 円環状の分布巻線を有し、軸倍角数がn(nは正の整数)の回転検出器と、
    ステータトランスおよびロータトランスの組み合わせからなり、前記回転検出器と対向するように回転軸方向に配置される回転トランスと、を備え、
    前記ステータトランスを構成する円環状のステータトランス鉄心に、同ステータトランス鉄心の内側に配置されたステータトランス巻線に接続するリード線を外部に導出するための案内孔が形成された回転検出装置において、
    前記ステータトランス鉄心には、前記案内孔と同一円周上で、かつ、前記案内孔となす角R°が(1)式で与えられるすべての部位に開口が形成されていることを特徴とする回転検出装置。
    R=s×(180°/n) ・・・(1)
    ここで、sは整数である。
  3. 円環状の分布巻線を有し、軸倍角数がn(nは3以上の整数)の回転検出器と、
    ステータトランスおよびロータトランスの組み合わせからなり、前記回転検出器と対向するように回転軸方向に配置される回転トランスと、を備え、
    前記ステータトランスを構成する円環状のステータトランス鉄心に、同ステータトランス鉄心の内側に配置された前記ステータトランス巻線に接続するリード線を外部に導出するための案内孔が形成された回転検出装置において、
    前記ステータトランス鉄心には、前記案内孔と同一円周上に第1の開口および第2の開口が形成され、
    前記第1の開口は、前記案内孔となす角N°が(1)式で与えられる任意の部位のうち2以上n−1以下の数の部位に形成され、
    前記第2の開口は、前記案内孔となす角N’°が(2)式で与えられる任意の部位のうち前記第1の開口の数より1つ少ない数の部位に形成されていることを特徴とする回転検出装置。
    N =m×(180°/n) ・・・(1)
    N’=p×(180°/n) ・・・(2)
    ここで、mは任意の奇数であり、pは任意の偶数である。
  4. 前記開口または前記第1の開口および前記第2の開口は、前記案内孔と略同形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回転検出装置。
  5. 前記ステータトランス鉄心は、断面L字状のリングと円環状平板とから、内周側を開口する断面コ字状のリングに形成され、
    前記円環状平板に、前記案内孔と、前記開口または前記第1の開口および前記第2の開口とが形成され、
    前記円環状平板が、前記回転検出器に対向するように配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の回転検出装置。



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