JP5084207B2 - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、セルを積層した燃料電池の技術に関する。
近年、エネルギー変換効率が高く、かつ、発電反応により有害物質を発生しない燃料電池が注目を浴びている。こうした燃料電池の一例として、100℃以下の低温で作動する固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:以下、「PEFC」という)が知られている。
また、燃料電池の小型化、軽量化が図られつつあることで、携帯機器用の電源としての用途開発も進められている。このような燃料電池の一例として、ダイレクトメタノール燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:以下、「DMFC」という)も知られている。
これらの燃料電池においては、必要な出力電圧を得るために複数のセルを積層したものもある。例えば、PEFCスタックでは、固体高分子電解質膜の一方の面にアノード、他方の面にカソードを接合して膜電極接合体(以下、「MEA」という)を構成し、このMEAのアノードに対向して燃料流路を設けたアノード側プレートと、MEAのカソードに対向して酸化剤流路を設けたカソード側プレートとでMEAを挟んでセルを構成する。このような構造のセルを複数積層して積層体を形成し、この積層体の両端に端板を添えて締め付けることにより燃料電池が構成される。
このような燃料電池においては、燃料流路や酸化剤流路がつまって改質ガスや酸化剤としての空気の供給が不足すると、該当するセルの電圧は低下する。このような異常な電圧低下のもとで燃料電池による発電を継続すると、要求されている出力を維持するために電流が増加し電池の寿命を早めることにもなる。そこで、異常な電圧低下を検出した場合、燃料電池を緊急停止することが考えられる。
特許文献1には、燃料電池を異常停止させるための第1の設定電圧値より高い第2の設定電圧値を設定して燃料電池電圧を監視し、燃料電池電圧が第2の電圧設定値に達したら電力調整装置の入力電流を徐々に低下させていくことで異常停止を回避する燃料電池発電制御方法が開示されている。
特開平11−144749号公報
しかしながら、特許文献1に記載の制御方法では、燃料電池全体の電圧のみを監視しているので、セルを複数積層した積層体を有する燃料電池の場合、一部のセルにおける異常な電圧低下を正確に検出することはできない。
本発明は上述の事情を鑑みなされたもので、その目的とするところは、複数のセルを有する燃料電池スタックにおいてセル電圧の変動に応じた適切な出力制御を可能とする燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の燃料電池システムは、複数のセルを積層した燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックの出力を制御する制御装置と前記燃料電池スタックを構成する全てのセルの直列電圧である全体電圧前記燃料電池スタックを構成する一以上のセルを組み合わせてなるセルブロックを複数形成し、当該各セルブロックを構成する一以上のセルの直列電圧である部分電圧を算出する電圧算出装置とを備える。前記複数のセルブロックは、前記部分電圧の総和が前記全体電圧と実質的に等しくなるように形成されている。前記制御装置は、前記全体電圧が所定の第1の閾値電圧より小さい場合は、前記燃料電池スタックによる発電を実質的に停止させ、前記全体電圧が前記第1の閾値電圧以上、かつ、複数の前記部分電圧のいずれかが所定の第2の閾値電圧より小さい場合は、前記燃料電池スタックの出力を低下させる。
この態様によると、燃料電池スタックに対応する全体電圧が所定の第1の閾値電圧より小さい場合には、燃料電池による発電を実質的に停止することで異常な電圧低下のまま発電が継続することを防止できる。また、各セルの電圧は、燃料および酸化剤の供給が適正であればほぼ一定であるが、燃料および酸化剤の供給が適切な範囲からはずれるにつれて大幅に低下する。一般に、各セルの発電性能には、各セルの電極の特性により個体差が生じている。そのため、あるセルブロックのうち一部のセルが異常な場合、燃料電池スタックの全体電圧としては電圧低下は少なく第1の閾値電圧以下にならないが、あるセルブロックに対応する部分電圧の電圧低下としては大きくなるときがある。ここで、所定の第1の閾値電圧とは、例えば、全体電圧が許容される下限電圧として定義することもできる。また、所定の第2の閾値電圧は、例えば、複数の部分電圧のいずれもが許容される下限電圧として定義することもできる。第2の閾値電圧は対応するセルブロックに応じて異なる複数の値が設定されていてもよい。
そこで、全体電圧が所定の第1の閾値電圧以上、かつ、部分電圧が所定の第2の閾値電圧より小さい場合は、燃料電池スタックの出力を低下させることで、一部のセルの異常により低下した部分電圧を回復することができる。そのため、燃料電池システムは、全体電圧を第1の閾値電圧と比較するのみでは検出できない一部のセルの異常についても検出することができ、セルブロックに含まれるセルの電圧の変動に応じた適切な出力制御が可能となる。
前記制御装置は、前記複数の部分電圧のいずれもが前記第2の閾値電圧以上になるまで更に出力を低下させてもよい。これにより、燃料電池システムは、異常なセルを含むセルブロックの電圧を充分に回復することができる。
前記制御装置は、低下させた燃料電池スタックの出力を所定のタイミングで増大させてもよい。これにより、燃料電池システムは、セルの異常による電圧低下が一時的であり時間の経過に伴い正常となるような場合は、そのまま出力を低下させて発電を継続したときと比べて高い発電効率を得ることができる。ここで、所定のタイミングとしては、例えば、出力を低下させてから一定時間経過したタイミングとしてもよい。
前記第1の閾値電圧をVth1、前記第2の閾値電圧をVth2、前記セルブロックの数をnとした場合、Vth1/n>Vth2を満たすとよい。通常、あるセルブロックが正常に発電している場合の部分電圧と第2の閾値電圧との差は、燃料電池スタックが正常に発電している場合の全体電圧と第1の閾値電圧との差よりも小さい。そのため、第2の閾値電圧が大きく設定されており、あるセルブロックが正常に発電している場合の部分電圧と第2の閾値電圧との差が小さい場合、セルの軽微な電圧変動であってもそのセルを含むセルブロックの部分電圧が第2の閾値電圧以下になることが多くなる。このような場合、本来必要のない制御による出力の低下が発生するため、燃料電池システム全体の発電効率が低くなってしまう。
つまり、正常時の平均的な部分電圧が正常時の全体電圧をセルブロックの数で除算することに対応して、第2の閾値電圧を単純に第1の閾値電圧をセルブロック数で除算した値とすると、上述の問題が発生しやすい。そのため、少なくともVth1/n>Vth2を満たすように第2の閾値電圧を設定することで、異常とはいえないセルの軽微な電圧変動による出力の低下が発生する可能性を抑制することができる。
本発明の別の態様は、燃料電池システムの制御方法である。この方法は、複数のセルを積層した燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックを構成する全てのセルの直列電圧である全体電圧と、前記燃料電池スタックを構成する一以上のセルを組み合わせてなるセルブロックを複数形成し、当該各セルブロックを構成する一以上のセルの直列電圧である部分電圧とを算出する電圧算出装置とを備え、前記複数のセルブロックは、前記部分電圧の総和が前記全体電圧と実質的に等しくなるように形成されている燃料電池システムの制御方法であって、前記全体電圧を算出するステップと、前記部分電圧を算出するステップと、前記全体電圧が所定の第1の閾値電圧より小さい場合は、前記燃料電池スタックによる発電を実質的に停止するステップと、前記全体電圧が前記第1の閾値電圧以上、かつ、複数の前記部分電圧のいずれかが所定の第2の閾値電圧より小さい場合は、前記燃料電池スタックの出力を低下させるステップと、を備える。
この態様によると、全体電圧が所定の第1の閾値電圧以上、かつ、部分電圧が所定の第2の閾値電圧より小さい場合は、燃料電池の出力を低下させることで、一部のセルの異常により低下した部分電圧を回復することができる。そのため、全体電圧を第1の閾値電圧と比較するのみでは検出できない一部のセルの異常についても検出することができ、セルブロックに含まれるセルの電圧の変動に応じた適切な出力制御が可能となる。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものや置換したものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。また、本発明を方法、装置、あるいはシステムとして表現したもの、それらの表現を入れ替えたものなどもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、複数のセルを有する燃料電池スタックにおいてセル電圧の変動に応じた適切な出力制御が可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態では、燃料電池の一形態として、固体高分子形燃料電池(PEFC)を例に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る固体高分子形の燃料電池システムの全体構成を示す図である。図2は、第1の実施の形態に係る複数のセルを積層した燃料電池スタックの構成を示す図である。
固体高分子形の燃料電池システム100は、複数のセルを積層した燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10の出力を制御する制御装置12と、燃料電池スタックに対応する全体電圧Vtotalと、一以上のセルを組み合わせた各セルブロックに対応する複数の部分電圧Vpartとを算出する電圧算出装置14とを備える。
燃料電池スタック10は、図2に示すように、MEA21(21a〜21p)を含むセル31(31a〜31p)を複数積層した積層体90を有し、この積層体90の両側から集電板23a,23bおよび絶縁板24,24を介して、端板25a,25bを添えて締め付けることにより構成される。MEA21は、本実施の形態に係る固体高分子電解質膜26の一方の面にアノード27、他方の面にカソード28を接合して構成される。
アノード27およびカソード28は、白金を担持したカーボンを主成分とし、ガスを拡散可能な拡散経路を有する反応部位を備える。セル31は、MEA21を、MEA21のアノード27に対向して燃料流路を設けたアノード側プレート32と、MEA21のカソード28に対向して酸化剤流路を設けたカソード側プレート42とで挟んで構成される。
アノード側プレート32および/またはカソード側プレート42のMEA21とは反対側の面には、必要に応じて冷却水を流通させるための冷却水流路を設けてもよい。また、アノード側プレート32およびカソード側プレート42に代えて、アノード27側には、燃料が流通する燃料流路が設けられ、カソード28側には、酸化剤が流通する酸化剤流路が設けられているバイポーラプレートを用いてもよい。
このように構成されたセル31において、アノード側プレート32の燃料流路を経てアノード27内に導入された水素ガスは、アノード27内で酸化してプロトン(H+)となる。そして、このプロトンは、固体高分子電解質膜26中を移動してカソード28へ至り、カソード28内で、カソード側プレート42の酸化剤流路を経て導入された空気中の酸素と電気化学反応して還元され、水に変化する。この電気化学反応に伴い、アノード27とカソード28間に直流電力が発生する。
本実施の形態に係る燃料電池スタック10は、炭化水素系の燃料ガスを改質して得られる水素ガスと、反応空気とが供給され、水素と反応空気に含まれる酸素との電気化学反応を利用して直流の電力を発生する。
図1に示すように、水素ガスは、燃料ガス系統16から供給される炭化水素系の燃料ガスを水蒸気改質法により改質装置18で改質することにより得られる。燃料ガス系統16から供給される燃料ガスの一部は、改質装置18の熱源の燃料として用いられる。改質装置18で得られた水素ガスは、燃料電池スタック10の各セル31におけるアノード側プレート32の燃料流路に供給される。
一方、反応空気50は、ブロア52で取り込まれた後、燃料電池スタック10の各セル31におけるカソード側プレート42の酸化剤流路へ適量が供給される。
燃料電池スタック10にて反応に供されなかった未使用水素ガスは、改質装置18に供給され熱源の燃料として利用される。一方、燃料電池スタック10にて反応に供されなかった未使用反応空気は、排気ダクト54に送られる。
燃料電池スタック10にて発生した直流電力は、DC/DCコンバータ56により所定電圧の直流電力に変換された後、DC/ACインバータ58によって交流電力(例えば100V)に変換される。DC/ACインバータ58で変換された交流電力は出力端60へ出力される。また、上記DC/DCコンバータ56で変換された所定電圧の直流電力は、制御装置12などの電源として利用される。
制御装置12は、燃料電池システム100の各種制御を実施する。つまり、制御装置12は、燃料電池スタック10、ブロア52、DC/ACインバータ58及びDC/DCコンバータ56等との間で電気信号を送受信して、これらの各種機器を制御する。
本実施の形態の燃料電池スタック10は、電圧算出装置14として電圧計91〜98を更に備える。電圧計91〜98により、セル31aおよびセル31bの直列電圧V1、セル31aからセル31dまでの直列電圧V2、セル31aからセル31fまでの直列電圧V3、セル31aからセル31hまでの直列電圧V4、セル31aからセル31jまでの直列電圧V5、セル31aからセル31lまでの直列電圧V6、セル31aからセル31nまでの直列電圧V7、セル31aからセル31pまでの直列電圧Vnが、共通のグランドを基準として、それぞれ測定される。電圧算出装置14が有する不図示の演算部は、各電圧計91〜98で測定された電圧値に基づいて、燃料電池スタックに対応する全体電圧と、一以上のセルを組み合わせた各セルブロックに対応する複数の部分電圧とを算出する。
本実施の形態では、燃料電池スタックに対応する全体電圧Vtotal=Vnおよび二つのセルを組み合わせた各セルブロックに対応する複数の部分電圧Vpart=Vc1〜Vcnが下記の式に従って算出される。
セル31aおよびセル31bの直列電圧Vc1:V1
セル31cおよびセル31dの直列電圧Vc2:V2−V1
セル31eおよびセル31fの直列電圧Vc3:V3−V2
セル31gおよびセル31hの直列電圧Vc4:V4−V3
セル31iおよびセル31jの直列電圧Vc5:V5−V4
セル31kおよびセル31lの直列電圧Vc6:V6−V5
セル31mおよびセル31nの直列電圧Vc7:V7−V6
セル31oおよびセル31pの直列電圧Vcn:Vn−V(n−1)
本実施の形態では、p組のセル31に対して、n個の電圧計により全てのセルブロックの電圧を監視している。なお、本実施の形態では、nはp/2である。各セル31にそれぞれ電圧計を設置して、各セル31の電圧を検出することも可能であるが、本実施の形態のように、複数のセル31の電圧を一つの電圧計でまとめて検出することにより、部品点数の削減によるコスト低下を図ることができる。また、データ量を減らすことにより、電圧算出装置14が有する演算部における演算処理の負担を軽減することができる。なお、電圧算出装置14が備える電圧計91〜98が測定する箇所は上述の例に限られない。例えば、セルブロックごとの部分電圧を直接測定することが可能な箇所に設けられてもよい。この場合、燃料電池スタック10の全体電圧は全ての部分電圧を積算して算出することができる。
本実施の形態に係る燃料電池システム100は、上述の電圧算出装置14で算出した燃料電池スタックに対応する全体電圧と、一以上のセルを組み合わせた各セルブロックに対応する複数の部分電圧とを用いて、セル電圧の変動に応じた適切な出力制御をするために以下の電圧監視制御を行っている。図3は、第1の実施の形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。
所定のタイミングで処理が開始されると、電圧計91〜98により電圧値V1からVnが測定される(S10)。電圧算出装置14が有する演算部は、測定された電圧値V1からVnに基づいて、燃料電池スタックに対応する全体電圧Vtotalを算出する(S12)。本実施の形態では、全体電圧Vtotalは電圧値Vnとなる。
次に、全体電圧Vtotalと、燃料電池スタック10の動作許容電圧の下限として設定されている第1の閾値電圧Vth1とを比較する(S14)。全体電圧Vtotalが第1の閾値電圧Vth1より小さい場合(S14のYes)、制御装置12は、燃料ガスの供給や電流値を制御し、燃料電池スタック10による発電を実質的に停止する(S16)。このような処理により、異常な電圧低下のまま発電が継続することを防止できる。その後、ブザーやランプ等を用いてユーザや管理者にシステムの停止を報知する報知処理が行われ(S18)、電圧監視制御が終了される。
全体電圧Vtotalが第1の閾値電圧Vth1以上の場合(S14のNo)、電圧算出装置14が有する演算部は、測定された電圧値V1〜Vnに基づいて、各セルブロックに対応する複数の部分電圧Vpartを算出する(S20)。本実施の形態では、複数の部分電圧Vpartは電圧Vc1〜Vcnとなる。なお、S20の処理はS14よりも前に行ってもよい。
次に、複数の部分電圧Vpartのそれぞれと第2の閾値電圧Vth2とを比較する(S22)。複数の部分電圧Vpartのいずれもが、つまり電圧Vc1〜Vcnのいずれもが第2の閾値電圧Vth2以上の場合(S22のNo)、制御装置12は、燃料電池スタック10のいずれのセルにも異常はないと判定し今回の処理を終了する。一方、複数の部分電圧Vpartの少なくともいずれかが、つまり電圧Vc1〜Vcnの少なくともいずれかが第2の閾値電圧Vth2より小さい場合(S22のYes)、制御装置12は、燃料電池スタック10のいずれかのセルに異常があると判定し出力低下処理をする(S24)。なお、出力低下処理としては、例えば、制御装置12が、燃料電池スタック10の電流値が下がるように燃料電池システム100の各部を制御してもよい。
このような処理により、一部のセルの異常により低下したセルブロックに対応する部分電圧を回復することができる。そのため、燃料電池システム100は、全体電圧Vtotalを第1の閾値電圧Vth1と比較するのみでは検出できない一部のセルの異常についても検出することができ、セルブロックに含まれるセルの電圧の変動に応じた適切な出力制御が可能となる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態に係る燃料電池システム100では、複数の部分電圧Vpartの少なくともいずれかが、つまり電圧Vc1〜Vcnの少なくともいずれかが第2の閾値電圧Vth2より小さい場合に出力低下処理が行われる。しかし、一度の出力低下処理では、複数の部分電圧Vpartの全てが第2の閾値電圧Vth2以上に回復しないことも考えられる。
そこで、制御装置12は、複数の部分電圧Vpartのいずれもが第2の閾値電圧Vth2以上になるまで更に出力低下処理を繰り返す。具体的には、第1の実施の形態におけるS24の後に再度S22において複数の部分電圧Vpartのそれぞれと第2の閾値電圧Vth2とを比較する。これにより、燃料電池システム100は、異常なセルを含むセルブロックの電圧を充分に回復することができる。
(第3の実施の形態)
セルの異常による電圧低下は、必ずしも恒久的なものではなく、一時的である場合もある。例えば、燃料流路や酸化剤流路に異物がつまったり、セルのカソードやアノードにおいて気泡が付着したりすることで電圧が低下した場合、なんらかの振動や時間の経過に伴い、これらの電圧低下の要因がなくなる可能性もある。このような場合、その後も出力を低下させて燃料電池システム100を作動させ続ける必要はない。
そこで、本実施の形態に係る制御装置12は、低下させた燃料電池スタック10の出力を所定のタイミングで増大させる。これにより、燃料電池システム100は、セルの異常による電圧低下が一時的であり時間の経過に伴い正常となるような場合は、そのまま出力を低下させて発電を継続したときと比べて高い発電効率を得ることができる。ここで、所定のタイミングとしては、例えば、出力を低下させてから一定時間経過したタイミングとしてもよい。
(第4の実施の形態)
通常、図3に示す処理のように、セルの異常による電圧低下に対して発電停止処理と出力低下処理の2段階で電圧開始制御をする場合、あるセルブロックの部分電圧と比較する第2の閾値電圧は、燃料電池スタックの全体電圧と比較する第1の閾値電圧よりも小さくなるように設定されている。また、あるセルブロックが正常に発電している場合の部分電圧と第2の閾値電圧との差は、燃料電池スタックが正常に発電している場合の全体電圧と第1の閾値電圧との差よりも小さくなる。
そのため、あるセルブロックの部分電圧と比較する第2の閾値電圧Vth2を、n個のセルブロックからなる燃料電池スタック10の全体電圧と比較する第1の閾値電圧Vth1を単にnで除算した平均値とすると、セルの軽微な電圧変動であってもそのセルを含むセルブロックの部分電圧が第2の閾値電圧Vth2以下になることが多くなる。このような場合、本来必要のない制御による出力の低下が発生するため、燃料電池システム全体の発電効率が低くなってしまう。
つまり、正常時の平均的な部分電圧が正常時の全体電圧をセルブロックの数で除算することで求められる点に対応して、第2の閾値電圧Vth2を単純に第1の閾値電圧Vth1をセルブロック数nで除算した値とすると、上述の問題が発生しやすい。そこで、少なくともVth1/n>Vth2を満たすように第1の閾値電圧Vth1および第2の閾値電圧Vth2を設定することで、異常とはいえないセルの軽微な電圧変動による出力の低下が発生する可能性を抑制することができる。
なお、燃料電池スタック10が有するセルの総数がセルブロックに含まれるセルの数の整数倍とならない場合、つまり、全てのセルブロックに含まれるセルの数が同じにはならない場合、セルブロックに含まれるセルの数に応じて第2の閾値電圧Vth2が複数種類設定されていてもよい。これにより、コスト等の設計事項を考慮した電圧計の数や燃料電池スタック10に含まれるセルの数をより柔軟に選択することができる。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
例えば、本発明に適用可能な燃料電池は特にPEFCに限られない。例えば、DMFCであってもよい。また、燃料電池スタックの部分電圧の測定方法は図2に示す方法に限られない。図4は、図2に示す燃料電池スタックの構成図における部分電圧の異なる測定方法を説明するための図である。図4に示すように、電圧計91〜98を直列につないでもよい。
第1の実施の形態に係る固体高分子形の燃料電池システムの全体構成を示す図である。 第1の実施の形態に係る複数のセルを積層した燃料電池スタックの構成を示す図である。 第1の実施の形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。 図2に示す構成図における部分電圧の測定の異なる算出方法を示す説明図である。
符号の説明
10 燃料電池スタック、 12 制御装置、 14 電圧算出装置、 18 改質装置、 21 MEA、 26 固体高分子電解質膜、 27 アノード、 28 カソード、 31 セル、 91 電圧計、 100 燃料電池システム。

Claims (7)

  1. 複数のセルを積層した燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックの出力を制御する制御装置と、
    前記燃料電池スタックを構成する全てのセルの直列電圧である全体電圧前記燃料電池スタックを構成する一以上のセルを組み合わせてなるセルブロックを複数形成し、当該各セルブロックを構成する一以上のセルの直列電圧である部分電圧を算出する電圧算出装置とを備え、
    前記複数のセルブロックは、前記部分電圧の総和が前記全体電圧と実質的に等しくなるように形成され、
    前記制御装置は、
    前記全体電圧が所定の第1の閾値電圧より小さい場合は、前記燃料電池スタックによる発電を実質的に停止させ、
    前記全体電圧が前記第1の閾値電圧以上、かつ、複数の前記部分電圧のいずれかが所定の第2の閾値電圧より小さい場合は、前記燃料電池スタックの出力を低下させる、
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記セルブロックは、複数のセルを組み合わせてなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御装置は、複数の前記部分電圧のいずれもが前記第2の閾値電圧以上になるまで更に出力を低下させることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御装置は、低下させた燃料電池スタックの出力を所定のタイミングで増大させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池システム。
  5. 前記第1の閾値電圧をVth1、前記第2の閾値電圧をVth2、前記セルブロックの数をnとした場合、
    th1/n>Vth2
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の燃料電池システム。
  6. 複数のセルを積層した燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックを構成する全てのセルの直列電圧である全体電圧と、前記燃料電池スタックを構成する一以上のセルを組み合わせてなるセルブロックを複数形成し、当該各セルブロックを構成する一以上のセルの直列電圧である部分電圧とを算出する電圧算出装置とを備え、
    前記複数のセルブロックは、前記部分電圧の総和が前記全体電圧と実質的に等しくなるように形成されている燃料電池システムの制御方法であって、
    前記全体電圧を算出するステップと、
    前記部分電圧を算出するステップと、
    前記全体電圧が所定の第1の閾値電圧より小さい場合は、前記燃料電池スタックによる発電を実質的に停止するステップと、
    前記全体電圧が前記第1の閾値電圧以上、かつ、複数の前記部分電圧のいずれかが所定の第2の閾値電圧より小さい場合は、前記燃料電池スタックの出力を低下させるステップと、
    を備えることを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  7. 前記セルブロックは、複数のセルを組み合わせてなることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システムの制御方法。
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