JP5083781B2 - 光学的センサー - Google Patents

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Description

本発明は、表面プラズモン共鳴法を用いた光学的センサーに関する。
従来の表面プラズモン共鳴法を用いた光学的バイオセンサーとしては、例えば、金属薄膜に所定の周期で複数の微小開口を設けたものが開示されている(特許文献1)。この光学的バイオセンサーにおいては、金属薄膜の上側を伝搬する表面プラズモン波が共鳴的に位相を揃え、振幅を増大させて微小開口に集まる。このため、微小開口の下側に生じる透過光は、微小開口に直接照射されて透過する成分よりも、金属薄膜の上側を伝搬してきた表面プラズモン波に由来する成分が大半となる。したがって、微小開口の下側に生じる透過光を検出することで、金属薄膜の上側を伝搬してきた表面プラズモン波の成分を検出することができる。そして、この表面プラズモン波の成分が金属薄膜の上側に存在する被検出物質の情報を含むため、微小開口の下側に生じる透過光を検出することで被検出物質を検出することができるというものである。
特開2005−16963号公報
しかし、この光学的バイオセンサーにおいては、金属薄膜に形成された微小開口を透過した光を観察するため、微小開口の大きさが照射光の波長より小さい場合は、十分な強度の透過光が得られないという問題があった。また、表面プラズモン波と相互作用した透過光から得られる被検出物質の情報は、屈折率のみであった。
そこで、本発明は、照射光の波長に依存せずに高感度で被検出物質を検出することができ、屈折率以外の被検出物質の情報を得ることのできる、表面プラズモン共鳴法を用いた新規の光学的センサーを提供することを目的とする。
本発明の光学的センサーは、基板と、この基板上に形成された開口部を有しない金属膜とを備え、この金属膜の表面には、中央に直径が0.1〜250nmの円形の凹部が形成され、この凹部を中心として同心円状に複数の凹部が450〜530nmの間隔で周期的に形成され、前記金属膜に光を照射すると表面プラズモン共鳴により前記金属膜の表面に発生した表面プラズモンが前記金属膜の一点に集中するように構成されたことを特徴とする
また、前記金属膜の表面に自己組織化単分子膜が形成されたことを特徴とする。
また、前記金属膜は、銀又は金からなることを特徴とする。
また、前記金属膜は、ビスマスを添加した銀からなることを特徴とする。
本発明の光学的センサーによれば、基板と、この基板上に形成された開口部を有しない金属膜とを備え、この金属膜の表面には、中央に直径が0.1〜250nmの円形の凹部が形成され、この凹部を中心として同心円状に複数の凹部が450〜530nmの間隔で周期的に形成され、前記金属膜に光を照射すると表面プラズモン共鳴により前記金属膜の表面に発生した表面プラズモンが前記金属膜の一点に集中するように構成されたことにより、中央の凹部から高強度の反射光が発生し、この反射光を観察することにより、高感度で被検出物質を検出することができる
また、前記金属膜の表面に自己組織化単分子膜が形成されたことにより、被検出物質としての生体分子を吸着させて、高感度で検出することができる。
また、前記金属膜は、銀又は金からなることにより、表面プラズモンの発生効率を高めることができる。
また、前記金属膜は、ビスマスを添加した銀からなることにより、金属膜の耐食性、耐熱性が向上するとともに、金属膜の表面が平坦になるため金属膜の表面の粗さによる表面プラズモンの散乱を防止することができる。
実施例1の光学的センサーを示す上面図である。 実施例1の光学的センサーを示す図1のA−B線における断面図である。 実施例1の光学的センサーを示す拡大断面図である。 実施例1の光学的センサーを示す生体分子を吸着した様子を示す拡大断面図である。 実施例1の光学的センサーのSEM像である。 実施例1のラマン分光の結果を示すラマン強度像、ラマンスペクトル、及びラマン強度分布図である。 実施例2の光学的センサーを示す上面図及び中心部拡大図である。 実施例2の光学的センサーを示す図7における断面図である。 実施例3の光学的センサーの作製法を示す基板エッチング法のフロー図である。 実施例3の光学的センサーの作製法を示すナノインプリント法のフロー図である。 実施例4のラマンスペクトルである。 実施例5のラマンスペクトルである。 実施例5のラマンスペクトルである。 実施例5のラマンスペクトルである。
本発明のエネルギー変換デバイスは、開口部を有しない金属膜の表面に同心円状に複数の凹部が周期的に形成され、前記金属膜に光を照射すると表面プラズモン共鳴により前記金属膜の表面に発生した表面プラズモンが前記金属膜の一点に集中するように構成されている。
以下、このエネルギー変換デバイスの原理を利用した本発明の光学的センサーの実施例について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の光学的センサーの実施例1を示す図1,2において、1は平坦な板状の基板であり、基板1上には金属膜2が形成されている。基板1の材質としては、金属膜2を形成できるものであればよく、特定のものに限定されないが、例えば、石英、シリコン、プラスチックなどを用いることができる。金属膜2は開口部を有せず、光を透過しない厚さを有している。このため、金属膜2は、好ましくは、最も薄い箇所で100nm以上の厚さを有する。
金属膜2の材質としては、表面プラズモンが発生するものであれば特定のものに限定されず、銀、金、銅、アルミニウムなどを用いることができるが、表面プラズモンの発生効率から、銀が最も好ましい。また、耐食性の観点からは金が好ましく用いられる。さらに、銀にビスマスを添加することにより、金属膜2の表面が平坦になり、金属膜2上を伝搬する表面プラズモンの散乱を防止することができる。また、銀にビスマスを添加することにより、金属膜2の耐食性、耐熱性が向上する。添加するビスマスは、金属膜2を構成する全原子数の0.05〜0.2%とするのが好ましい。ビスマスの代わりに、ネオジウムを添加しても同様の効果がある。
なお、基板1と金属膜2の付着性を向上させるために、基板1と金属膜2の間にクロミウムやタンタルなどの層を設けてもよい。
金属膜2の表面には、同心円状に複数の凹部3が周期的に形成されている。好ましくは、中央に直径が0.1〜250nmの円形の凹部4が形成され、この凹部4を中心として同心円状に複数の凹部3が一定の間隔で周期的に形成されている。なお、凹部3の間隔は、表面プラズモンの波長と略一致していることが好ましく、具体的には、450〜530nmとするのが好ましい。
なお、中央の凹部4の直径は、表面プラズモンの波長よりも小さい方が後述する反射光の強度が増すので好ましい。また、凹部4の大きさがセンシングの分解能を決定する。凹部4の大きさが0.1nmの場合は、原子分解能が得られる。
また、凹部3,4は一定の深さを有しており、凹部3,4の深さは50〜200nmとするのが好ましい。また、凹部3の間には、一定の幅を有する凸部5が形成されている。凹部3,4の寸法を上記のようにすることにより、金属膜2の全面への光の照射により発生した表面プラズモンを、効率的に中央の凹部4に集中させることができる。
また、図3,4に示すように、金属膜2の表面に自己組織化単分子膜(SAM膜)6を形成してもよい。自己組織化単分子膜6を形成した場合には、被検出物質としての生体分子7を効率的に吸着することができる。なお、自己組織化単分子膜6は薄くて光を透過するので、金属膜2上における表面プラズモンの発生効率に影響を及ぼすことがない。
本発明の光学的センサーは、公知のリフトオフを利用した方法、エッチングを利用した方法などによって製造することができる。なお、基板1に予め凹部を形成しておき、その上に金属膜2を形成することによって製造することもできる。
金属膜2の表面に自己組織化単分子膜6を形成する場合は、基板1上に凹部3,4を有する金属膜2を形成した後に、自己組織化単分子膜を形成する有機物の水溶液に、基板1を浸漬する。そして、リンス洗浄、乾燥することにより、自己組織化単分子膜6が形成する。自己組織化単分子膜を形成する有機物としては、特定のものに限定されないが、例えば、シスタミンなどが好適に用いられる。
つぎに、本実施例の光学的センサーの作用について説明する。
本実施例の光学的センサーの全面に、金属膜2側から光を照射すると、金属膜2の表面に表面プラズモン共鳴によって表面プラズモンが発生する。この表面プラズモンは、同心円状に周期的に形成された複数の凹部3に導かれて、中央の凹部4に向かって移動する。この移動の際に、表面プラズモンは、金属膜2又は自己組織化単分子膜6の表面に付着した被検出物質と相互作用をしながら中央の凹部4に集中する。その結果、中央の凹部4から、被検出物質の情報を含み数千倍に増強された高強度の反射光が発生する。この反射光を観察することで、被検出物質を高感度で検出、分析することができる。
分析手法としては、ラマン分析、蛍光分析など、種々の光学的分析手法を使用することができる。このため、本実施例の光学的センサーは、抗原−抗体反応、DNAや蛋白質の検出のための超高感度バイオセンサー、臭いや味覚などの各種分子センサー、或いは太陽電池のシリコン薄膜や磁気ディスクのダイアモンドライクカーボンからなる保護膜や潤滑膜などの薄膜構造センサーなどとして幅広く使用することができる。また、本発明の光学的センサーは、揮発性有機化合物(VOC)を検知するための光学的環境センサーなどとしても使用できる。VOCとしては、パーソナルコンピュータなどの電子機器や建築材料などから発生する人体に有害なガスであるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジ−n−ブチル、テトラデカン、フタル酸ジ−n−エチルヘキシル、ダイアジノン、フェノブカルブなどがある。
以上のように、本実施例の光学的センサーは、基板1と、この基板1上に形成された開口部を有しない金属膜2とを備え、この金属膜2の表面に同心円状に複数の凹部3が周期的に形成されたことにより、光を照射すると表面プラズモン共鳴により発生した表面プラズモンが中央に集中する。その結果、中央から高強度の反射光が発生し、この反射光を観察することにより、高感度で被検出物質を検出することができる。
また、基板1と、この基板1上に形成された開口部を有しない金属膜2とを備え、この金属膜2の表面には、中央に直径が0.1〜250nmの円形の凹部4が形成され、この凹部4を中心として同心円状に複数の凹部3が450〜530nmの間隔で周期的に形成されたことにより、光を照射すると表面プラズモン共鳴により発生した表面プラズモンが中央の凹部4に集中する。その結果、中央の凹部4から高強度の反射光が発生し、この反射光を観察することにより、高感度で被検出物質を検出することができる。
また、前記金属膜2の表面に自己組織化単分子膜6が形成されたことにより、被検出物質としての生体分子を吸着させて、高感度で検出することができる。
また、前記金属膜2は、銀又は金からなることにより、表面プラズモンの発生効率を高めることができる。
また、前記金属膜2は、ビスマスを添加した銀からなることにより、金属膜2の耐食性、耐熱性が向上するとともに、金属膜2の表面が平坦になるため金属膜2の表面の粗さによる表面プラズモンの散乱を防止することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、照射光が2波長である場合には、凹部を同心円状ではなく、楕円状にしてもよい。また、基板と金属膜との間に、別の金属膜等を形成してもよい。
以下の具体的実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
石英からなる基板上にスパッタリング法により5nmの厚さのクロミウム膜をスパッタリング法により形成し、クロミウム膜上に銀からなる厚さ100nmの金属膜をスパッタリング法により形成した。そして、金属膜上にレジストを塗布し露光・現像により同心円状のレジストパターンを形成し、該レジストパターンの上に金属膜を再度100nmの厚みで成膜し次にリフトオフによりレジストを除去することにより、金属膜の表面に同じ金属からなる同心円状の複数の凸部を形成することにより、この複数の凸部の間に同心円状に複数の凹部を490nmの間隔で周期的に形成した。このときの凸部の厚さ、すなわち凹部の深さは100nmであった。なお、同心円の中央には円形の凹部を形成した。
その後、シスタミンの水溶液に基板を浸漬、リンス、乾燥することにより、金属膜上に自己組織化単分子膜を形成した。
このようにして作成した光学的センサーのSEM像を図5に示す。
つぎに、作成した光学的センサーに波長532nmの光を照射して、ラマン分析を行った。その結果、図6に示すように、光学的センサーの中心から約2000倍に増強された高強度のラマン光が反射光として観測された。また、光学的センサーの中心の反射光から、シスタミンから形成した自己組織化単分子膜のラマンスペクトルが高感度で得られた。
以下、本発明の光学的センサーのその他の実施例について説明する。なお、実施例1と同様の部分については同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施例は、多波長励起光を用いた光学的センサーの例を示す。
ラマン散乱光の強度は、励起波長によって異なる。短波長または紫外領域の波長では、共鳴ラマン効果によりラマン強度が増加する分子が知られている。例えば、ヘモグロビンは200nmや488nmの紫外光、またβカロチンは465.8nmの短波長、また磁気ディスクの潤滑剤に用いるパーフロロポリエーテルは257nmの励起光波長で共鳴ラマン効果を生じる。
このように共鳴ラマン効果はさまざまな波長で生じるので、全ての波長を単一波長のレーザー光源でまかなうのは困難である。一方、励起光源にXeランプやHgランプで広い波長の光源や超広帯域光輝度コヒーレント光源を用いると紫外から赤外までの広い波長領域に対応できるが、単一ピッチのセンサーでは対応が困難である。
(1)パターン(A)
図7に示すパターン(A)(モデル(A))はこの問題を解決するためのセンサー構造の一例である。このパターン(A)は、凹部3Aの間隔が異なる複数の扇形の領域を備えている。より詳細には、基板1A上の円の中心角を90°ごとに分割して形成した4つの扇形の領域のうち、円の中心に対して向かい合う2つの領域に、複数の凹部3Aを同心円状に周期的に配置し、残りの2つの領域には、複数の凹部3A’を同心円状に周期的に配置している。すなわち、凹部3Aが形成された扇形の領域と、凹部3A’が形成された扇形の領域は、交互に配置されている。また、隣接する凹部3A同士の間隔(ピッチ)は、隣接する凹部3A’同士の間隔よりも広くなっており、隣接する2つの凹部3Aの間には凸部5A、隣接する2つの凹部3A’の間には凸部5A’が形成されている。なお、凹部3A,3A’、凸部5A,5A’が形成された基板1A上には、実施例1と同様に金属膜(図示せず)が形成されている。
このように、パターン(A)ではセンサー中心からの方向(角度)に応じてパターンのピッチを変えている。この場合、特定の励起光の波長(波長λ1および波長λ2)に応じたピッチの方向を選び、該方向に励起光に偏光をかけプラズモン共鳴が生じるようにすることにより、プラズモン波は効率よくセンサー中心に収束できる。本例では円を4つの扇形の領域に分割して2種類のピッチの異なる領域を交互に配置しているが、偏光フィルターの指向性能に応じて、扇形の領域の数や中心角を変更することができる。
特定の偏光方向に共鳴するセンサー構造は、配向性や結晶異方性を有する薄膜に対し有効である。例えば、液晶分子は印加電場の方向によって配向方向が変化するが偏光角を回転させてラマン強度が最大となる偏光角を検出することにより分子の配向方向を知ることが出来、同時にラマンスペクトルを解析することにより配向分子の結合状態や分子構造を知ることができる。
(2)パターン(B)
図7、8に示すパターン(B)(モデル(B))は2重螺旋のパターンを設けた例である。このパターン(B)は、2本の螺旋形の凸部5B,5B’が形成されるとともに、2本の凸部5B,5B’はそれぞれの螺旋中心で相互に接合し、この螺旋中心、すなわち、2本の凸部5B,5B’の接合部の中心には、凸部5B,5B’の幅よりも小さい直径を有する略円形の凹部4Bが形成されている。ここで、略円形には、円形、角度方向に応じて直径が異なる楕円、その他の円形や楕円に近似した形状が含まれる。また、2本の螺旋形の凸部5B,5B’は相互に略平行に形成され、凸部5Bと凸部5B’の間には、螺旋形の凹部3Bが形成されている。そして、それぞれ直交するa−b断面とc−d断面において、隣接する凹部3B同士の間隔(ピッチ)を比較すると、c−d断面のピッチP1は、a−b断面のピッチP2よりも小さくなっている。なお、基板1B上には、実施例1と同様に金属膜(図示せず)が形成されている。
このように、パターン(B)では同一角度の断面では中心に対し左右対称でピッチは一定であるが、角度が異なるとピッチは連続的に変化するため、連続波長の励起光に対しプラズモン共鳴を生じさせることができる。また連続波長の励起光源に、特定の波長を通過させるフィルターを入れてラマン散乱光の強度やスペクトルの変化を観察することにより、共鳴ラマン効果の生じる波長を知ることができる。さらにパターン(A)と同様に特定方向の偏光をかけることにより分子の配向状態や結合状態の異方性を知ることができる。
(3)パターン(C)
図7、8に示すパターン(C)(モデル(C))は1重螺旋のパターンを設けた例である。このパターン(C)は、1本の螺旋形の凸部5Cが形成されるとともに、凸部5Cの螺旋中心、すなわち、凸部5Cの螺旋中心側の端部には、凸部5Cの幅よりも小さい直径を有する略円形の凹部4Cが形成されている。ここで、略円形には、円形、角度方向に応じて直径が異なる楕円、その他の円形や楕円に近似した形状が含まれる。また、凸部5Cの間には、螺旋形の凹部3Cが形成されている。そして、e−f断面における隣接する凹部3C同士の間隔(ピッチ)は、中心よりも左のピッチP1が右のピッチP2より大きくなっている。なお、基板1C上には、実施例1と同様に金属膜(図示せず)が形成されている。
このように、パターン(C)では、同一角度の断面では中心に対し左右非対称のピッチとなる。特定波長に対応するプラズモン共鳴は片側で生じるが中心への収束性に問題はなく共鳴波長の分解能を上げることが出来る。またパターン(B)と同様に励起光源に特定波長通過フィルターを入れて共鳴ラマン効果の生じる波長を知ることができる。さらにパターン(A)と同様に特定方向の偏光をかけることにより分子の配向状態や結合状態の異方性を知ることができる。
以下、本発明の光学的センサーの作製法について説明する。
センサーの作製法としては、リフトオフ法により銀などの金属膜に同心円パターンを設ける方法以外に、エッチングやナノインプリント法により基板に同心円パターンを形成しその上に銀などの金属膜を形成する方法がある。基板材料としては、材料に制限はなく、シリコン、ガラス、プラスチック、紙などを用いることができる。
(1)基板エッチング法
基板エッチング法では、図9に示すように、基板にレジストを塗布し、光学露光又は電子線露光、及び溶剤により部分的なレジスト除去を行う(現像)ことによりレジストパターンを形成する。そして、ウエットエッチング法、イオンエッチング又は反応性イオンエッチングなどのドライエッチング法により、基板をエッチングしてパターンを形成する。さらにAg、Au、Cu、Alなどのプラズモンを励起できる金属膜を蒸着法やスパッタリング法により被覆してセンサーを作製する。
(2)ナノインプリント法
ナノインプリント法では、図10に示すように、まず、金型を作製し、つぎに該金型を基板に押しつけることによりパターン付きの基板を作製する。
金型は、レジストを塗布し、光学露光又は電子線露光、及び溶剤により部分的なレジスト除去を行うことによりレジストパターンを形成する。そして、ウエットエッチング法、イオンエッチング又は反応性イオンエッチングなどのドライエッチング法により、基板をエッチングしてパターンを形成することにより作製する。さらに、表面にフッ素樹脂などの低表面エネルギーの離型剤を被覆する。
つぎに基板側については、基板材料に紫外線硬化樹脂或いはゾルゲルSiO樹脂(SOG)膜などを被覆し、その上に前記金型を押し付けることにより前記紫外線硬化樹脂やSOG膜にパターンを転写する。紫外線硬化樹脂の場合は、紫外線照射により樹脂を硬化させた後、金型を外してパターン基板を作製する。また、SOGの場合は、150℃若しくは200℃程度の加熱によりSOG膜を硬化させた後、金型を外してパターン基板を作製する。さらに該パターン基板上にAg、Au、Cu、Alなどのプラズモンを励起できる金属膜を蒸着法やスパッタリング法により被覆してセンサーを作製する。
有機薬品を取り扱っていない室内に、実施例1で作成した光学的センサーのセンサー面をウエハーケースの下に向けて2週間放置(塵埃の付着を防ぐため)して空気中に暴露したところ、図11に示すように、有機、無機の種々の吸着物、反応物と見られるラマンスペクトルが得られた。検出された物質は、銀と反応した硝酸根、硫酸根、塩化物、水和物、及び吸着有機物(芳香族)と考えられる。
実施例1で作成した光学的センサー上に、磁気ディスク用のダイアモンドライクカーボン(DLC)の膜を形成し、ラマンスペクトルを測定した。
膜厚13nmのDLC膜を形成したとき、図12に示すとおり、1480cm−1のGバンドと1300cm−1付近のDバンドのピークが明瞭に観察された。膜厚0.8nmのDLC膜を形成したときは、図13に示すとおり、468cm−1,974cm−1,1178cm−1,1339cm−1,1554cm−1のピークと、膜成長初期の有機物のピークが多数観察された。
また、実施例1で作成した光学的センサー上に、化1の分子構造を有する磁気ディスク用のパーフロロポリエーテル(PFPE)からなる潤滑剤の膜を形成し、ラマンスペクトルを測定した。
膜厚2nmのPFPE膜を形成したとき、図14に示すとおり、PFPEの分子構造に対応するピークが多数観察された。
実施例1で作成した光学的センサーを用いて、磁気ディスクに用いるサブナノメートルの薄膜の構造を解析することができた。
1,1A,1B,1C 基板
2 金属膜
3,3A,3B,3C,4,4B,4C 凹部
5B,5B’,5C 凸部
6 自己組織化単分子膜

Claims (4)

  1. 基板と、この基板上に形成された開口部を有しない金属膜とを備え、この金属膜の表面には、中央に直径が0.1〜250nmの円形の凹部が形成され、この凹部を中心として同心円状に複数の凹部が450〜530nmの間隔で周期的に形成され、前記金属膜に光を照射すると表面プラズモン共鳴により前記金属膜の表面に発生した表面プラズモンが前記金属膜の一点に集中するように構成されたことを特徴とする光学的センサー。
  2. 前記金属膜の表面に自己組織化単分子膜が形成されたことを特徴とする請求項記載の光学的センサー。
  3. 前記金属膜は、銀又は金からなることを特徴とする請求項1又は2記載の光学的センサー。
  4. 前記金属膜は、ビスマスを添加した銀からなることを特徴とする請求項1又は2項記載の光学的センサー。
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