JP5082648B2 - 撮像装置、撮像装置制御プログラム及び撮像装置制御方法 - Google Patents

撮像装置、撮像装置制御プログラム及び撮像装置制御方法 Download PDF

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本発明は、分光撮影機能を備えた撮像装置、及びこの撮像装置に用いられる撮像装置制御プログラム及び撮像装置制御方法に関する。
従来のデジタルカメラにおいては、単板方式を採用するものと板方式を採用するものとが存在する。単板方式のデジタルカメラにあっては、二次元に配列したCCDやCMOSイメージセンサ等の単一の撮像素子を用い、この撮像素子にRGB原色フィルタやCMY補色フィルタなどのカラーフィルタをベイヤー(Bayer)配列して、カラー画像を撮影する。
板方式のデジタルカメラにあっては複数の撮像素子を用い、撮影レンズの後部にビームスプリッタなどの被写体光の分光手段を設け、分光したRGBを各撮像素子(例えば3CCD)でカラーフィルタを介して撮像した後、合成することによりカラー画像を撮影する(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、単板方式及び板方式のいずれにおいても、透過する波長帯域がカラーフィルタの特性により撮影時点で決まってしまうので、撮影後に信号処理しても、波長帯域毎の分光画像を得ることは原理的に困難となる。
しかも、板方式にあっては、複数の撮像素子が必要となるのみならず、これら複数の撮像素子の位置合わせが必要となる。
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、小型でありながら、分光帯域毎に分光画像を得ることのできる撮像装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために発明に係る撮像装置にあっては、入力される駆動信号に応じて、被写体光の透過波長帯域を変化させるフィルタ手段と、このフィルタ手段に駆動信号を入力して、前記透過波長帯域を複数段に変化させる分光制御手段と、前記フィルタ手段の後方に配置され、該フィルタ手段が透過波長帯域を変化させる毎に撮像する単一の撮像手段と、この単一の撮像手段により撮像された複数の画像データを記録手段に記録する記録制御手段と、前記単一の撮像手段により撮像された前記複数の透過波長帯域毎の画像データを、その透過波長帯域に応じて補正し、マルチプレーン加算合成する合成手段とを備え、前記記録制御手段は、前記合成手段により合成された単一の画像データを記録手段に記録することを特徴とする。
また、発明に係る撮像装置制御プログラムにあっては、入力される駆動信号に応じて、被写体光の透過波長帯域を変化させるフィルタ手段と、このフィルタ手段の後方に配置された単一の撮像手段とを備える撮像装置が有するコンピュータを、前記フィルタ手段に駆動信号を入力して、前記透過波長帯域を複数段に変化させる分光制御手段と、前記フィルタ手段が透過波長帯域を変化させる毎に前記単一の撮像手段を動作させる撮像制御手段と、前記単一の撮像手段により撮像された複数の画像データを記録手段に記録する記録制御手段と、前記単一の撮像手段により撮像された前記複数の透過波長帯域毎の画像データを、その透過波長帯域に応じて補正し、マルチプレーン加算合成する合成手段として機能させ、前記記録制御手段は、前記合成手段により合成された単一の画像データを記録手段に記録することを特徴とする
また、発明に係る撮像装置制御方法にあっては、入力される駆動信号に応じて、被写体光の透過波長帯域を変化させるフィルタ手段と、このフィルタ手段の後方に配置された単一の撮像手段とを備える撮像装置の制御方法であって、前記フィルタ手段に駆動信号を入力して、前記透過波長帯域を複数段に変化させる分光制御ステップと、前記フィルタ手段が透過波長帯域を変化させる毎に前記単一の撮像手段を動作させる撮像制御ステップと、前記単一の撮像手段により撮像された複数の画像データを記録手段に記録する記録制御ステップと、前記単一の撮像手段により撮像された前記複数の透過波長帯域毎の画像データを、その透過波長帯域に応じて補正し、マルチプレーン加算合成する合成ステップとを含み、前記記録制御ステップは、前記合成ステップにより合成された単一の画像データを記録手段に記録することを特徴とする。
本発明によれば、小型でありながら、分光帯域毎の分光画像、つまりは複数の狭帯域の波長毎に分光画像を得ることができる。
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラ(分光カメラ)1の回路構成を示すブロック図である。図に示すように、デジタルカメラ1は、制御回路2を有している。制御回路2には、CPU3とこのCPU3にデータバス4を介して各々接続されたインタフェース5、音声入出力回路6、入力回路7、メモリカード・IF8、USBコントローラ9、入出力インタフェース10、入出力回路11、入出力ポート12、13、HDD・IF14が設けられている。音声入出力回路6には、マイク16がアンプ17及びA/D変換器18を介して接続されているとともに、スピーカ19がアンプ20及びD/A変換器21を介して接続されている。入力回路7には、各種操作キー、スイッチ等が設けられた操作入力部22が接続され、メモリカード・IF8には脱着自在に設けられた画像メモリ媒体25が接続されている。USBコントローラ9はUSB端子26に接続されており、入出力インタフェース10はアンテナ27を有する無線LAN送受信部28に通信コントローラ29を介して接続されている。また、入出力回路11には、外部トリガー端子30がトリガー検出部31を介して接続されている。
前記入出力ポート12には、分光フィルタ駆動部32、温度検出回路33、焦点レンズ駆動部34、ズーム駆動部35、ブレ補正駆動部36、絞り駆動部37及びシャッタ駆動部38が接続されているとともに、ストロボ39がストロボ駆動回路40を介して接続され、LED41がLED駆動回路42を介して接続されている。前記温度検出回路33は、分光フィルタ59近傍の温度を検出するものである。前記入出力ポート13には、当該デジタルカメラ1の上下方向のブレを検出する角速度センサ(Y/Pitch)43と、上下方向のブレを検出する角速度センサ(X/Yaw)とが各々検出回路44、46を介して接続されている。HDD・IF14には、HDD記憶装置47が接続されている。HDD記憶装置47は、ディスク媒体48を有するとともに、モータ49、モータドライバ50、マイコン部51、VCモータ52、ヘッドアンプ53、リード/ライトチャンネル+CODEC54、HDD制御部55等を有している。
また、制御回路2には、電池56が電源制御部57を介して接続され、電源制御部57は制御回路2により制御されて各部に電池56からの電力を供給する。さらに、前記データバス4には音声CODEC(符号器/復号器)15、プログラムメモリ23及びデータメモリ24が接続されている。音声CODEC15は、音声信号を符号化するとともに音声データを復号化する。プログラムメモリ23は、後述するフローチャートに示す制御回路2が動作するためのプログラムを格納しており、データメモリ24は各種データが予め格納されているとともに画像データ以外の他のデータを格納する。
一方、撮像光学系58は、前記焦点レンズ駆動部34、ズーム駆動部35、ブレ補正駆動部36により駆動されるレンズ群から構成され、前方光軸上には分光フィルタ59が配置されているとともに、後方光軸上には撮像素子60が配置されている。
ところで、今日においては6百万画素の解像度で60フレーム/秒、VGAの低解像度でも300フレーム/秒以上など、高解像度かつ高フレームレートで撮影が可能なCMOSイメージセンサが開発され、実用化されるに至っている。本実施の形態は、このような既に開発、実用化されている高解像度かつ高フレームレート撮影可能なイメージセンサの存在を前提として、このイメージセンサを撮像素子60として用いるものである。また、撮像光学系58中には、前記絞り駆動部37により駆動される絞り61及び前記シャッタ駆動部38により駆動されるシャッタ62が介挿されている。
前記撮像素子60は、並列読み出しなどの前記高フレームレートでの撮影を行うための高速読み出しが可能なものであるが、一般的な撮像素子とは異なり、画素毎のベイヤー配列のRGBカラーフィルター等は設けられていない。この撮像素子60は、イメージセンサ部63、水平走査部64、垂直走査部65、P/S変換部66を有している。水平走査部64は、信号読み出し、信号処理部、CDS(相関二重サンプル回路)/ADC(A/D変換器)を備えている。この撮像素子60には、DSP部67が接続されている。DSP部67には、撮像素子60のP/S変換部66から取り込んだ画像信号を処理するためのS/P変換部68、前処理部69、バッファメモリ(A)70、帯域別信号処理部71、マルチプレーン加算回路72、RGB変換部73、階調変換ガンマ補正部74、カラーマトリクス回路75、解像度変換部76を備えているとともに、前記垂直走査部65の周期を制御するためのコントローラ77や、画像特徴抽出処理・画像認識処理部78、測光処理/合焦検出/分光特性抽出処理部79を備えている。
前記解像度変換部76、画像特徴抽出処理・画像認識処理部78、測光処理/合焦検出/分光特性抽出処理部79は、画像データバス80を介してバッファメモリ(B)81、画像CODEC(符号器/復号器)82、動画像CODEC(符号器/復号器)83及び表示駆動回路84に接続され、画像データバス80は前記制御回路2のインタフェース5に接続されている。バッファメモリ(B)81は、画像CODEC82及び動画像CODEC83が符号化及び復号化処理する際の画像データを一時的に格納し、表示駆動回路84は、LCDからなる表示部85を駆動する。
前記分光フィルタ59は、狭帯域の透過波長特性を持つフィルタである。この狭帯域の透過波長特性を持つフィルタとしては、後述するリオ(Lyot)フィルタや、ファブリペロー(Fabry−Perot)干渉フィルタ等がある。また、LCTF(液晶チューナブルフィルタ)やLCFP(液晶ファブリペロー)エタロンなどの電子制御可能なフィルタも用いることができる。
図2及び図3は、本実施の形態における撮影制御の処理手順を示す一連のフローチャートである。本実施の形態は、分光撮影モードとして、所定の波長帯域の「分光画像の単写モード」と、複数の波長帯域に渡って、順次波長帯域を切り替えながら複数枚の分光画像を高速速写する「分光画像の高速速写モード」、及び可視光の全波長領域など、複数の波長帯域に渡って、順次波長帯域を切り替えながら高速速写するとともに、各分光画像をマルチプレーン加算合成して、通常のRGBデータやYUVデータなど広帯域のカラー画像信号に変換して保存記録できる「分光画像の連写合成撮影モード」とを備える。そして、「分光画像の連写合成撮影モード」では、各分光撮影時の波長帯域毎のフィルタやレンズの透過率、撮像素子の撮影感度など、分光撮影特性のバラツキの補正処理を行ってから、加算合成やRGBデータなどへの変換処理を行うようにしたものである。
制御回路2はプログラムメモリ23に格納されているプログラムに基づき、このフローチャートに示すような処理を実行する。先ず、ユーザーによる操作入力部22での操作に応じて、撮影モードを選択するとともに、撮影条件等を選択する(ステップS1)。次に、この選択された撮影モードが分光撮影モードであるか否かを判断し(ステップS2)、分光撮影モードでない場合にはその他のモード処理に移行する(ステップS3)。
分光撮影モードであった場合には、ユーザーによる操作入力部22での操作に応じて、スルー映像の波長帯域、撮影波長帯域をそれぞれ選択する(ステップS4)。ここで、スルー映像の波長帯域とは、表示部85に表示させるスルー画像の波長帯域であり、撮影波長帯域とは、分光撮影モードにおいて後述する「分光画像の単写」が選択されている場合において記録する画像の波長帯域である。
引き続き、電子制御フィルタ(分光フィルタ59)を前記ステップS4で選択されたスルー映像用の波長帯域に設定して、この選択帯域のスルー映像を表示部85に表示させる処理を実行する(ステップS5)。このステップS5の詳細については、図6に示すフローチャートに従って後述する。
次に、ズーム処理、AF処理等を実行する(ステップS6)。このステップS6の処理に際しては、図4に示すように、ユーザーが操作入力部22により選択したズーム枠851の被写体にAF処理やAE処理を実行する。引き続き、操作入力部22に設けられているレリーズ釦が押下された否かを判断し(ステップS7)、押下されなかった場合には、その他のキー処理を実行する(ステップS8)。レリーズ釦が押下された場合には、測光処理を実行し、これによりえられた測光値と前記ステップS1で選択された撮影条件に応じて、露出条件(絞り、露出時間t)を設定する(ステップS9)。
また、前記ステップS1で選択された撮影条件等が分光画像の連写合成撮影であるか否かを判断し(ステップS10)、分光画像の連写合成撮影でない場合には、後述する図3のステップS23に進む。分光画像の連写合成撮影である場合には、撮像素子60とDSP部67を高速連写&マルチプレーン加算モードに設定する(ステップS11)。
次に、撮影条件に応じて、透過波長帯域の数(n)と各露出時間(t/n)を再設定する(ステップS12)。つまり、1枚の撮影画像をn個の透過波長帯域毎に、前記ステップS9で設定された露出時間(t)内において、露出及び撮影処理を行うと、透過波長帯域毎の露出時間は「t/n」となるので、この露出時間(t/n)と透過波長帯域の数(n)とを設定する。
次に、透過波長帯域の数(n)に分割された画像の波長帯域において、最初の波長帯域(λi=λ1)を選択する(ステップS13)。この最初の波長帯域(λi=λ1)は、波長が最も短い帯域側でもよいし、最も長い帯域側でもよい。そして、電子制御フィルタ(分光フィルタ59)に、所定の駆動信号を加えて、透過波長帯域を前記ステップS13で選択した波長帯域λ1に設定する(ステップS14)。引き続き、露出&撮影処理を実行して、イメージセンサ部63からの画像データをバッファメモリ(A)70に記憶する(ステップS15)。したがって、このステップS15での処理により、バッファメモリ(A)70には分光フィルタ59を透過した波長帯域λiからなる分光画像データが記憶されることとなる。
次に、前記ステップS12で再設定された各露出時間(t/n)が経過したか否かを判断し(ステップS16)、経過したならば次のステップS17に進む。したがって、ステップS14〜S22のループは、各露出時間(t/n)毎に繰り返される。そして、ステップS16に続くステップS17では、前記ステップS15で撮影されてバッファメモリ(A)70に記憶された分光画像データを、該バッファメモリ(A)70から読み出す(ステップS17)。
引き続き、この読み出した分光画像データを、波長帯域(λi)毎に、透過率T(λi)、感度S(λi)などを補正する(ステップS18)。また、各画素の輝度値V(x,y;λi)に等色関数を乗算して、R,G,Bデータに変換する(ステップS19)。さらに、撮影された各波長帯の分光画像の各画素のR,G,Bデータをマルチプレーン加算合成して、バッファメモリ(B)81に記憶する(ステップS20)。したがって、バッファメモリ(B)81には、t/n毎に撮影された分光画像の各画素のR,G,Bデータをマルチプレーン加算合成した合成画像が更新されつつ記憶される。
なお、ステップS17〜S20の処理内容については詳細に後述する。
次に、帯域数n枚の分光画像を撮影済みか否か、つまりi≧nとなったか否かを判断する(ステップS21)。i≧nとなっておらず、帯域数n枚の分光画像を撮影済みでない場合には、iをインクリメントして(i=i+1)、このiの値により示される次の波長帯域(λi)を選択し(ステップS22)、ステップS14からの処理を繰り返す。したがって、ステップS14〜S21の処理は、t/nのタイミングでn回繰り返され、n回繰り返されると、ステップS21の判断がYESとなって、ステップS21から図3のステップS45に進む。また、ステップS20の処理がn回繰り返されることにより、バッファメモリ(B)81には、n個の各波長帯の分光画像の各画素のR,G,Bデータがマルチプレーン加算合成された単一の合成画像が記憶されることとなる。
一方、前記ステップS10での判断の結果、分光画像の連写合成撮影が選択されていない場合には、ステップS10から図3のステップS23に進み、分光画像の高速連写が選択されているか否かを判断する。分光画像の高速連写が選択されていない場合には、後述するステップS36に進む。分光画像の高速連写が選択されている場合には、撮像素子60とDSP部67を高速連写モード(加算なし)に設定する(ステップS24)。
次に、ユーザーによる操作入力部22での操作に応じて、連写枚数又は透過波長帯域の数(n)を設定する(ステップS25)。引き続き、透過波長帯域の数(n)に分割された画像の波長帯域において、最初の波長帯域(λi=λ1)を選択する(ステップS26)。この最初の波長帯域(λi=λ1)は、波長が最も短い帯域側でもよいし、最も長い帯域側でもよい。そして、電子制御フィルタ(分光フィルタ59)に、所定の駆動信号を加えて、透過波長帯域を前記ステップS26で選択した波長帯域λ1に設定する(ステップS27)。引き続き、露出&撮影処理を実行して、イメージセンサ部63からの画像データをバッファメモリ(A)70に記憶する(ステップS28)。したがって、このステップS28での処理により、バッファメモリ(A)70には分光フィルタ59を透過した波長帯域λiからなる分光画像データが記憶されることとなる。
次に、各露出時間t/nが経過したか否かを判断し(ステップS29)、経過したならば次のステップS30に進む。したがって、ステップS27〜S35のループは、各露出時間(t/n)毎に繰り返される。そして、ステップS29に続くステップS30では、前記ステップS28で撮影されてバッファメモリ(A)70に記憶された分光画像データを、該バッファメモリ(A)70から読み出す(ステップS30)。
引き続き、この読み出した分光画像データを、波長帯域(λi)毎に、透過率T(λi)、感度S(λi)などを補正する(ステップS31)。また、各画素の輝度値V(x,y;λi)に等色関数を乗算して、R,G,Bデータに変換する(ステップS32)。さらに、補正及び変換された各波長帯の分光画像を順次バッファメモリ(B)81に記憶する(ステップS33)。したがって、バッファメモリ(B)81には、t/n毎に撮影された各波長帯の分光画像が順次記憶される。
なお、ステップS30〜S33の処理内容については詳細に後述する。
次に、帯域数n枚の分光画像を撮影済みか否か、つまりi≧nとなったか否かを判断する(ステップS34)。i≧nとなっておらず、帯域数n枚の分光画像を撮影済みでない場合には、iをインクリメントして(i=i+1)、このiの値により示される次の波長帯域(λi)を選択し(ステップS35)、ステップS27からの処理を繰り返す。したがって、ステップS27〜S34の処理は、t/nのタイミングでn回繰り返され、n回繰り返されると、ステップS21の判断がYESとなって、ステップS34から後述するステップS45に進む。また、ステップS20の処理がn回繰り返されることにより、バッファメモリ(B)81には、n個の各波長帯の分光画像が記憶されることとなる。
他方、ステップS23の判断がNOである場合には、分光画像の単写が選択されている。この場合には、ステップS23からステップS36に進み、撮像素子60とDSP部67を単写モード(加算なし)に設定する(ステップS36)。次に、ユーザーによる操作入力部22での操作により設定された波長帯域(λi)を選択し(ステップS37)、電子制御フィルタ(分光フィルタ59)に、所定の駆動信号を加えて、透過波長帯域を前記ステップS37で選択した波長帯域λ1に設定する(ステップS38)。引き続き、露出&撮影処理を実行して、イメージセンサ部63からの画像データをバッファメモリ(A)70に記憶する(ステップS39)。したがって、このステップS39での処理により、バッファメモリ(A)70には分光フィルタ59を透過した波長帯域λiからなる分光画像データが記憶されることとなる。
次に、前記ステップS9で設定された露出時間tが経過したか否かを判断し(ステップS40)、経過したならば前記ステップS39で撮影されてバッファメモリ(A)70に記憶された分光画像データを、該バッファメモリ(A)70から読み出す(ステップS41)。引き続き、この読み出した分光画像データを、波長帯域(λi)毎に、透過率T(λi)、感度S(λi)などを補正する(ステップS42)。また、各画素の輝度値V(x,y;λi)に等色関数を乗算して、R,G,Bデータに変換する(ステップS43)。さらに、補正及び変換された各波長帯の分光画像を順次バッファメモリ(B)81に記憶する(ステップS44)。したがって、バッファメモリ(B)81には、ユーザーにより設定された波長帯域(λ1)である単一の分光画像が記憶される。
そして、図2のステップS21、及び図3のステップS34又はステップS44のいずれかに続くステップS45においては、バッファメモリ(B)81記憶されている撮影画像データの圧縮及び符号化処理を実行する。さらに、この圧縮及び符号化処理した撮影画像データを画像メモリ媒体25に保存記録し(ステップS46)、この画像メモリ媒体25に保存記録した撮影画像データに基づく画像を表示部85にプレビュー表示する(ステップS47)。
したがって、分光画像の連写合成撮影モードが選択された場合には、撮影された各波長帯の分光画像の各画素のR,G,Bデータをマルチプレーン加算合成して生成された単一の画像が画像メモリ媒体25に記録されるとともに、プレビュー表示される。また、分光画像の高速連写モードが選択された場合には、各波長帯域で撮影された複数(n枚)の分光画像が画像メモリ媒体25に記録されるとともに、これら複数の分光画像がプレビュー表示される。また、分光画像の単写モードが選択された場合には、ユーザーにより選択された波長帯域である単一の分光画像が画像メモリ媒体25に記録されるとともに、この単一の分光画像がプレビュー表示されることとなる。
よって、小型でありながら、高分解能でのカラー撮影を可能にし、さらに狭帯域の波長毎に分光画像を得ることもできる。
すなわち、図4に示すように、(A)風景と人物(昼光)を撮影した場合において、可視光領域で、特定の波長帯を選択して分光撮影を行った場合には、当該選択領域の分光画像を記録することができ、順次透過波長を切り替えて、分光撮影を行った場合には、分光画像を多重合成した広帯域画像を記録することができる。また、(B)夜景を撮影した場合において、近紫外〜可視光領域〜近赤外光領域で、特定の波長帯を選択して分光撮影を行った場合には、当該選択領域の分光画像を記録することができ、順次透過波長を切り替えて、分光撮影を行った場合には、分光画像を多重合成した広帯域画像を記録することができる。また、(C)赤外線撮影を行うべく、赤〜近赤外領域で、特定の波長帯を選択して分光撮影を行った場合には、赤〜近赤外領域の分光画像を多重合成し、疑似カラーに変換して記録することができる。
さらに、図5に示すように、近紫外〜可視光〜近赤外領域で、特定の波長帯を選択して分光撮影を行った場合には、選択領域の分光画像、又は分光画像を合成した広帯域画像、若しくは疑似カラー画像を記録することができる。
図6は、前記ステップS5の詳細であって、本実施の形態における分光スルー画像の表示処理手順を示すフローチャートである。制御回路2はプログラムメモリ23に格納されているプログラムに基づき、このフローチャートに示すような処理を実行する。先ず、ユーザーによる操作入力部22での操作に応じて、スルー映像表示の波長帯域(λi)を選択して設定する(ステップS101)。このスルー映像表示の波長帯域(λi)は、単数であってもよいし複数であってもよい。次に、撮像素子60とDSP部67を、高速ドラフトモード又はスルー画像表示(モニタリング)用高速読み出しモードに設定する(ステップS102)。また、スルー表示の波長帯域の数(n)と表示更新周期(Td)に応じて、読み出し更新周期(Tr)を設定する(ステップS103)。この読み出し周期(Tr)は、Tr≦Td×(1/n)となる値である。次に、透過波長帯域の数(n)に分割された画像の波長帯域において、最初の波長帯域(λi=λ1)を選択する(ステップS104)。この最初の波長帯域(λi=λ1)は、波長が最も短い帯域側でもよいし、最も長い帯域側でもよい。
そして、電子制御フィルタ(分光フィルタ59)に、所定の駆動信号を加えて、透過波長帯域を前記ステップS13で選択した波長帯域λ1に設定する(ステップS105)。引き続き、高速ドラフトモード又はスルー映像読み出しモードで撮像素子60を駆動する(ステップS106)。そして、設定された読み出し周期時間(Tr)が経過したか否かを判断し(ステップS107)、経過したならば次のステップS108に進む。したがって、ステップS105〜S005のループは、読み出し周期(Tr)毎に繰り返される。そして、ステップS107に続くステップS108では、透過波長帯域(λi)のスルー映像信号(xy;λi)をバッファメモリ(A)70に読み出す(ステップS108)。
引き続き、波長帯域(λi)毎に、レンズやフィルタの透過率T(λi)、撮像素子の感度S(λ)などの分光特性のバラツキを補正する(ステップS109)。この補正は、下記例次式により行う。
V(x,y;λi)=V(x,y;λi)×{T(λi)/T(λi)}×{S(λi)/S(λi)}
又は、
V(x,y;λi)=V(x,y;λi)×{1/T(λi)}×{1/S(λi)}
ここで
V(x,y;λi):輝度信号
T(λi):帯域毎の撮影レンズや干渉フィルタ等の分光透過率
S(λi):撮像センサの分光撮像感度
(λi):理想の分光特性(透過率100%)や標準の分光透過率
(λj):理想の分光感度や標準の分光感度。
次に、疑似カラー表示に設定されているか否かを判断する(ステップS110)。疑似カラー表示に設定されている場合には、各画素の輝度値V(x,y;λi)に、設定された疑似カラー変換関数r′(λi)、g′(λi)、b′(λi)を乗算して、下記式に示すように、擬似的に3刺激値R,G,Bを得る(ステップS111)。
Ri(x、y)=r′(λi)・V(x,y;λi)、
Gi(x、y)=g′(λi)・V(x,y;λi)、
Bi(x、y)=b′(λi)・V(x,y;λi)。
また、疑似カラー表示が設定されておらず、リアルカラー表示が設定されている場合には、各画素の輝度値V(x,y;λi)に、等色関数r ̄(λi)、g ̄(λi)、b ̄(λi)を乗算して、下記式に示すように3刺激値R,G,Bを得る(ステップS112)。
Ri(x、y)=r ̄(λi)・V(x,y;λi)、
Gi(x、y)=g ̄(λi)・V(x,y;λi)、
Bi(x、y)=b ̄(λi)・V(x,y;λi)。
そして、ステップS111又はステップS112に続くステップS113では、各波長帯の分光画像の各画素のR,G,Bを下記式に示すように順次加算して、バッファメモリ(B)81に記憶する(ステップS113)。
R(x,y)=ΣiRi(x,y)、
G(x,y)=ΣiGi(x,y)、
B(x,y)=ΣiBi(x,y)。
したがって、バッファメモリ(B)81には、読み出し周期時間(Tr)毎に、各波長帯の分光画像の各画素のR,G,Bが順次加算されて更新されていく。
つまり、従来のモザイク状のRGBカラーフィルタ設けた3色カラー撮像素子の場合のマルチプレーン加算処理では、各連写画像のBayar配列データのうち、輝度成分や解像感をよく反映するG(緑)画像の相関度を求めて位置合わせを行い、またBayer配列データでは欠けている縦、横、斜め画素の補間処理を行い、フル画素のG(緑)データを生成する。R(赤)、B(青)データは、G(緑)データの位置合わせ結果に準じて、位置合わせとラー補間処理を行い、フルサイズのRGBデータに変換する。これに対して、本実施の形態のデジタルカメラ1におけるマルチプレーン加算回路72は、図7に示すように、速写撮像した波長帯域毎の分光画像Vを、分光特性バラツキなどを補正した後、全波長領域に渡って、マルチプレーン加算合成、RGBやYUVなど通常の広帯域カラー画像データに変換することができる。
次に、帯域数n枚の分光画像を撮影済みか否か、つまりi≧nとなったか否か、又は設定された表示更新周期(Td)が経過したか否かを判断する(ステップS114)。i≧nとなっておらず、又は表示更新周期(Td)が経過していなければ、iをインクリメントして(i=i+1)、このiの値により示される次の波長帯域(λi)を選択し(ステップS115)、ステップS105からの処理を繰り返す。したがって、ステップS105〜S114の処理は、n回又は表示更新周期(Td)が経過するまで繰り返される。
そして、ステップS114の判断がYESになると、RGB変換されたスルー映像信号を階調変換、ガンマ補正、色マトリクス処理など信号処理する(ステップS117)。さらに、この信号処理したスルー映像信号を表示部85に出力した後(ステップS117)、以上の処理を繰り返す。
したがって、ユーザーが操作により、(単数又は複数の)狭帯域の波長帯域、あるいは、可視光(波長:約400〜700nm)だけでなく、近赤外線(波長:約700nm〜2500nm)や、近紫外線(波長:約200〜400nm)なども含む領域を選択すると、a)スルー映像表示中には、選択帯域における分光画像の連続映像が表示部85に表示される。このとき、近赤外や近紫外など可視光領域外の帯域が選択されている場合には、これら帯域成分が含まれる映像信号を、可視光領域側にシフト変換するか、若しくは、RGB変換式を変更して、所望の色データに変換して、擬似カラー表示を行い、撮影ユーザーが暗所における被写体や構図の確認が容易にできるようにする。
これにより、可視光では観察しにくいシーンや夜間などでも、ユーザーが観察しやすい所望の波長帯を選択して、被写体像を観察しながら、分光撮影又は通常撮影ができるので、被写体を容易にまた確実に狙ったり、追従撮影したりすることができる。
すなわち、図8に示すように、(A)風景と人物(昼光)を撮影する場合において、可視光領域で、透過波長帯域を順次切り替えてスルー撮像した場合には、選択領域の分光画像を多重合成し、リアルカラー(又は疑似カラー)でスルー映像が表示されることとなる。また、(B)夜景を撮影する場合において、近紫外〜可視光領域〜近赤外領域で、透過波長帯域を順次切り替えてスルー撮像した場合には、(近赤外を含む)選択領域の分光画像を多重合成し、リアルカラー(又は疑似カラー)でスルー映像が表示されることとなる。また、(C)赤外線撮影する場合において、赤色〜近赤外領域で、透過波長帯域を順次切り替えてスルー撮像した場合には、赤〜近赤外領域の分光画像を多重合成し、帯域をシフトして、所望の疑似カラーに変換して、スルー映像が表示されることとなる。
さらに、図9に示すように、モンシロチョウの♂(オス)と♀(メス)とでは、人間の眼や可視光映像では、同じような色に見えるので識別は難しいが、紫外線映像では、モンシロチョウの♂(オス)は、長波長紫外線を吸収して黒く見えるので、明るい色め♀(メス)とは容易に区別できる。したがって、近紫外〜可視光〜近赤外領域で、透過波長帯域を順次切り替えてスルー撮像した場合には、モンシロチョウの♂(オス)と♀(メス)と識別できる形態でスルー映像が表示されることとなる。同様に、ヒマワリ(キク科)やコマツヨイグサ(アカバナ科)、菜の花(アブラナ科)などの花では、肉眼や可視光映像では識別できないが、紫外線映像では、舌状花の基部などが、外側の部分と比べて暗く見えたり、可視光では同じような色に見え葯と柱頭も、紫外線画像では、葯の方がずっと暗く見えたりするなど、様変わりした姿が観察でき、あたかも、蝶や蜂など他の生物がどのように草花を見ているか、識別しているのか等を実感できるような特殊画像も、本実施の形態に係るデジタルカメラ1で簡単に撮影することができる。
次に、本実施の形態における構成上の詳細、動作及び作用上の詳細について説明する。
[分光フィルタ59]
前記分光フィルタ59としては、狭帯域の透過波長特性を持つフィルタを用いる。この狭帯域の透過波長特性を持つフィルタとしては、リオ(Lyot)フィルタや、ファブリペロー(Fabry−Perot)干渉フィルタ等がある。また、LCTF(液晶チューナブルフィルタ)やLCFP(液晶ファブリペロー)エタロンなどの電子制御可能なフィルタも用いることができる。
(1)リオ・フィルタ
リオ・フィルタ(LyotFilter)は、複屈折性の結晶板による干渉を利用し、非常に狭い波長光を透過する光学フィルタであって、2枚の平行な偏光板の間に、方解石や水晶など複屈折性(birefringence)の結晶板を配したものである。複屈折性の結晶板(厚さd)を透過した光は、互いに垂直な振動方向の通常光と異常光の2光線に分離し、それぞれ異なる屈折率と位相速度を持つ。結晶のX軸方向に直線偏光した光に対して屈折率Ne、Y軸方向に直線偏光した光に対して屈折率Noの場合、
位相差δは、δ=(2π/λ)(Ne−No)d・・・式(1)
透過率Tは、T=cos2δ/2・・・式(2)
となり、分離した通常光と異常光は、同じ偏光状態で光路長の整数倍に等しい波長の光だけが、結晶板から出射される。2枚の平行な偏光板の間に、結晶板を45度回転させて配すると、全体の波長特性は、周期的に多数の透過ピークがある櫛歯状の透過波長特性となる。結晶板の角度をモータ等で回転させることにより、透過波長のピークを変えて、フィルタ特性をチューニングできる。
また、複数N枚の結晶板を、順次、次の結晶板より厚さdが2倍となるように、dk=2k−1×d(k=1、2・・・、N−1)として積層すると、透過波長の多数のピークから所望波長の光だけ選択できる。多層フィルタによる全体の透過率は、x=δ/2とおくと、次式となる。
T=T・・・TN−1=cos×(2x)cos(4x)・・・cos(2N−1x)・・・式(3)
(2)ファフリー・ペロー干渉フィルタ
ファブリ・ペロー干渉フィルタ(Fabry−PerotFilter、Fabry−PerotEtalon)は、多重反射光線の干渉効果を利用して、狭い波長城の光だけを透過する。水晶の平行平板の両面、若しくは、2枚のガラス板の内面に、金属薄膜や誘電体多層薄膜など反射膜をコートした単純な構造で、各種光学機器に広く利用されている。反射膜(半透鏡)を透過して内部に入射された光線は、2枚の面の間を多重反射する。透過光の波面は、その内、偶数回の反射を受けた後に透過する各成分波面の重畳となる。
位相差δ=(2π/λ)2ndcosθ=4πndcosθ/λ・・・式(4)
入射光Iinに対し、透過光Itは、It=Iin×(1−R/{(1−R)+4Rsin(δ)}となるので、
透過率T=(1−R)/{(1−R)+4Rsin(δ)・・・式(5)
ここで、δ:位相差、λ:波長、θ:入射角、d:ミラー間の物理的間隔、n:媒質の屈折率(空気の場合n=1)、R:ミラーの反射率。
各成分波面間に位相差がないとき透過光が最大になり、このとき光学距離の差は、波長λの整数倍になる。mλ=2ndcosθ、(m=1,2,3,・・・)・・・式(6)
このとき、他の波長では、各透過成分波面間で打ち消し合いの干渉が起こり、透過光がゼロ近くまで減少する。ミラーは、可視光ではAg、Au、AI、Cr、Rhなどを蒸着した金属膜コーティングでも可能だが、吸収ロスが大きいために、主に、多層の誘電体薄膜等が用いられる。可視光域では、高屈折率のH膜(ZnS等)と低屈折率のL膜(MgF2等)を、λ/4厚づつ交互に13層重ねた誘電体多層膜で、99.5%程度の反射率が得られる。
ミラーの間隔dは、数ミクロン(μm)〜数センチ(cm)まで様々に設計でき、この間隔d、若しくは、媒質の屈折率nを変えることで、透過する波長を選択できる。また、フィルタの傾きを調整することで波長特性を微調整できる。プリズムや回折格子に比べ、分解能が非常に高く、偏光板を使用するリオ・フィルタ等に比べ、透過率が高く、吸収が少ない。隣のピーク波長との間隔FSR(Free Spectral Range)を、最小帯域幅となる透過ピークの半値全幅FWHM(Fu11 Width at Half Maximum)で割った値は、フィネス(Finesse)と呼ばれ、フィルタ性能をあらわす。
フィネスF=FSR/FWHM=Δλ/δλ=π√R/(1−R)・・・式(7)
ここで、フリースペクトラルレンジFSR=Δλ=δλ=λo/(2nd)・・・式(8)
ピーク波長の半値全幅FWHM=δλ=FSR/F・・・式(9)
鏡面の反射率Rを上げるほど、フィネスFが高くなり、波長分解能であるFWHM=δλを狭くし、透過ピークを鋭くすることができる。
また、入射角θで入射する波長λの透過光の強度It(θ,λ)は、次式で表される。
It(θ,λ)=Io(λ)/[1+{4R/(1−R)}sin(2πでnd・cosθ/λ)]=Io(λ)/{1+(F/π)2sin2(δ/2)}・・・式(10)
ここで、Io(λ)は、同心円状の干渉パターン(Hadinger fringe)の中心での透過光強度。
光源が単色性(単一波長)ならば、エタロンは特定の条件を満たす入射角でのみ、光を透過させる。このため単色球面波を入射させると、同心円状の円環(干渉パターン)を生成する。なお、ファブリ・ペロー・エタロン(固定間隔のものはエタロン板と呼ばれる)をフィルタとして用いる際には、入射角θが、最も内側の干渉リング(円環)に相当する入射角よりも小さくなるよう、次式の視野角FOV(Field of view)を制限する必要がある。
視野角FOV=√{(8/λ)Xδλ}・・・式(11)
(3)電子制御可能な干渉フィルタ
前述のリオ・フィルタや、ファブリ・ペロー・フィルタに、液晶素子や電気光学結晶などの複屈折性要素を挿入して組み合わせると、透過波長特性を電子的に可変できる狭帯域フィルタを構成でき、選択された所望の波長帯域で分光撮影ができる。
液晶同調フィルタ(LCTF:Liquid Crystal Tunable Filter)は、前述のリオ・フィルタの各層において、入力偏光子と出力偏光子の2枚の偏光子の間に、複屈折性結晶板と液晶素子とを挟んでサンドイッチ構造とし、複数段積層したものである。入射光は、入力偏光子を通り、次に、偏光子の偏光輪に対し結晶軸が45度に設置された複屈折結晶板により、それぞれ位相速度の異なった常光、異常光の2成分に等量に分割される。液晶分子の長輪方向と短輪方向での屈折率の違いにより、長輪方向に偏光している光と、直交する偏光方向の光との間には光路長差(Δ1φ=2πΔz/λ)が生じる。液晶素子の電極間にかける電圧を変化させると、液晶分子の長輪方向が傾くので光路長差が小さくなる。液晶素子に加える電圧(V)により、液晶の結晶軸の一方の屈折係数が変化するので、一方の光は他方の光に比べ遅延する。このように、液晶素子は遅相器として働き、液晶素子を出た2つの成分は出力偏光子で合成されるが、干渉により波長に関して周期的な透過特性となる。
これらを1段として、次々に、複屈折結晶板の厚さが前段の2倍になるようにして複数段重ねることで、入射光の最終的な透過特性を狭帯域にすることができる。したがって、リオ・フィルタのように結晶板を回転させる代りに、各層に挿入した液晶素子の透明電極間に印加する電圧を変えるだけで、各層の選択波長を連続して高速で可変して、その組合せにより、全ての層を透過する所望波長の光だけを選択的に透過させ、CCDなどで撮像すると、狭帯域の分光カメラが実現できる。
(4)LCTFの透過波長の選択
所望の波長において、全フィルタにおける透過率のピークを揃えるためには、液晶にかけるAC(交流)若しくは直流(DC)矩形波の電圧を調整して、所望の狭帯域波長に各フィルタの透過率ピークを合わせる必要がある。
各層フィルタの各電圧における分光透過率の特性データ、又は各波長(λi)に調整する為に各層の液晶素子にかける電圧データを、参照テーブル(LUT)として予めメモリに記憶しておき、制御回路2では、それらを参照してフィルタの選択特性を自動調整できるように制御すればよい。
なお、積層型のLCTFで、不要な方向の偏光を遮断する為に、液晶と結晶板の両側に偏光板が必要である。また、選択波長の帯域を5〜10nm程度の狭帯域だけの光で撮像して分光画像を得る為には、フィルタ層の数、すなわち、結晶板と液晶層の数を増やして、同時に透過する波長を分離する必要があり、偏光板の数が増えるので透過率が落ちる。特に短波長側(紫〜紫外線側)では透過率がかなり低下する(暗くなる)難点がある。中心部と周辺部とでも透過率が変わり、一様ではない。また、LCTFでは、液晶の立ち上がり時間や、波長特性の切り替え処理や調整処理に時間がかかると、高速撮影が制限される。例えば、可視光領域の400〜700nmを波長間隔10nm毎に撮影する場合、31枚撮影する必要があり、液晶の立ち上がり時間や波長の切り替えに約50ms以上かかるとすると、露出条件などが満たされたとしても、秒当たり20枚(帯域)程度しか撮影できないので、全帯域の撮影に、1.5秒以上かかってしまう等の制約がある。
(5)液晶ファブリ・ペロー・エタロン(LCFP:Liquid Crysta1 Fabry−Perotetalon)
液晶ファブリ・ペロー・エタロン(LCFP)としては、米国SSI社(Scientific Solutions lnc.)のものが公知である。LCFPは、前述の多重反射を利用するファブリ・ペロー干渉フィルタの、薄膜ミラーが形成された2枚のガラス板(又は水晶板)等の間に、液晶層を封入し、両側に透明電極を形成したものである。所定の波長特性となるようにミラー間隔(ギャップ)を最適に設計するのに加え、エタロンのギャップ幅を埋める液晶層の両側電極に印加する電圧を変えることで、液晶層の屈折率nを変化させて、それまでピークではなかった波長に透過率ピークを与えるように変化させ、前述のファブリ・ペロー干渉フィルタにおける前述の式(4)、式(5)により、
間隔d、液晶層も含む屈折率nを式(4)に代入して、
位相差δ=4πndcosθ/λ・・・前述式(4)
を求め、当該位相差δを式(5)に代入して、
透過率T=(1−R)/{(1−R)+4Rsin(δ)}・・・前述式(5)
を求めることができ、フィルタの各波長における分光透過率特性を求めることができる。 あるいは、これら理論式によるシミュレーション結果又は逆算結果と、液晶の駆動電圧−屈折率特性データから、所望の透過特性となる液晶の屈折率n、及び、所要の駆動電圧Vを求めることができ、各層フィルタを所望の分光透過率特性とすることができる。さらに、異なるミラー間隔のエタロンを多層に積層し、各層に設けた液晶層に印加する電圧を変えることで、複数層のフィルタ全てを透過する波長帯域を、所望の狭帯域の波長帯城λにチューニングすることができ、順次選択した波長帯域の光だけを撮像して、分光撮影に利用できる。ただし、液晶の特性として、この屈折率変化は偏光の直交2成分のうち、1成分のみにしか機能しないため、他方の成分はチューニングには寄与できず、この不要成分をブロックするためにLCFPと直列に偏光板を挿入する必要がある。
(6)液晶ファブリ・ペロー・エタロン(LCFP)の設計
分光撮影で利用するフィルタの動作波長範囲を、例えば、波長400nm〜700nmの可視光全域とする場合、その全域において高反射率となるコーティングを、平面度の高いエタロン基板上に蒸着する必要がある。また、コーティングの反射率と透過率との相反や、エタロン面の平坦度や間隔の平行精度などから、実用的に無理なく実現できるフィネスFには、例えば(SSI社製LCFPの標準品の場合)波長400nmでF≦8、600nmでF≦10、800nmでF≦12、i200nmでF≦15、1500nmでF≦20などと、ある程度の限界がある。
所望の帯域における波長分解能(最小帯域幅)を、FWHM=δλ=50nm、あるいは、10nmに設定したい場合、例えば、400〜700nmの可視光域では、実現できるフィネスF=8〜10程度と考えると、前述の式(6)から、フィネスF=Δjλ/δλであるので、δλ=50nmの場合には、ピーク波長の間隔FSR=Δ1λ=δλ×F=50nm×8=400nmとなり、単一のエタロンでも可視光全域で利用できるが、δλ=10nmの場合、FSR=δλXF=10nm×8=80nmとなり、帯域内で3〜4個のピーク波長が同時に透過されてしまうことになり、3〜4個の次数分離フィルタを必要とする。また、フィネスの点からは所望のFSRが可能であっても、種々のギャップ幅(ミラー間隔)に対するFSRと波長λの関係から、例えば、実現できるエタロンの最小ギャップ幅が3μmの場合、単一エタロンでは、可視光全域ではFSRは30〜80nm程度しか得られないので、次数分離フィルタが4〜10個程度必要になることがわかる。このような場合、複数のエタロンを組み合わせた多層のLCFPを利用する。
(7)多層のLCFP
複数のエタロンを直列に組み合わせて使う場合、ギャップ幅の大きな方の第1エタロン(波長分解エタロン)が、系全体の透過幅を規定し、ギャップ幅の小さな方の第2エタロン(次数抑制エタロン)がFSRを規定する。系全体のFSRは、両エタロンのFSRの比に依存する。第1エタロンのFSRと、第2エタロンのFSRとの整数比が、B/Aで表現できるとすると、
FSR=A×FSR=B×FSR・・・式(12)
B=1の場合は、第2エタロンのFSRそのものが全体系のFSRになる。それ以外なら、全体系のFSRは次数抑制エタロンのFSRよりもB倍だけ大きくなる。式(12)から、2台のエタロンを組合せた系では、波長分解エタロンのFSRはA倍に拡大し、全体系のFSRの中に存在できる透過帯の総数も、A倍(FSR拡大係数)に拡大することができる。
次数分離フィルタの数を最少にするためには、液晶のチューナブルレンジ(屈折率の変化範囲)よりも大きくならない範囲で、エタロンのFSRを最大化することが必要である。例えば、ギャップ幅3μmのエタロンでは、可視光域(4004m〜700n面が10個の次数で満たされるが、ギャップ幅6μmと、7.4μmのエタロンを組み合わせると、得られるFSRは、ギャップ幅3μmの単体エタロンの2倍、ギャップ幅1.5μmの単体エタロンに相当するものが実現できる。
図10は、前記ステップS14、S27、S38で実行される分光フィルタ59の制御例(1)を示すフローチャートである。先ず、予めプログラムメモリ23に記憶させてある分光フィルタ59の仕様データ、構成層数(m)を読み込む(ステップS51)。次に、ユーザーによる操作入力部22での操作に応じて、フィルタの設定波長帯域(中心λi、帯域幅Δλiを入力する(ステップS52)。また、温度検出回路33からの検出信号を取り込んで、分光フィルタ59周辺の温度計測データを読み込む(ステップS53)。
引き続き、i=1として、iの値で示される分光フィルタ59の第1層を選択する(ステップS54)。また、予めプログラムメモリ23に記憶させてあるフィルタ駆動用LUT(参照テーブル)から、第(i)層のフィルタの波長帯域λiに設定する為の駆動データ(LC(液晶)駆動電圧など)、及び個別バラツキ補正データ等を読み込む(ステップS55)。そして、このステップS55で読み込んだ最適駆動データ(第(i)層のフィルタの波長帯域λiに設定する為の駆動データ)を、前記ステップS53で読み込んだ温度、及びステップS55で読み込んだ個別バラツキ補正データに基づいて補正し、補正駆動データを求める(ステップS56)。
さらに、このステップS56で補正された駆動データに応じて、駆動電圧などの駆動信号を、第(i)層フィルタの駆動部に加えて(ステップS57)、被写体輝度又はコントラスト(又はフィルタの透過特性)をチェックする(ステップS58)。そして、このチェックの結果、所定値以上の輝度(又はコントラスト、透過率)か否かを判断する(ステップS59)。この判断の結果、所定以上の輝度(又はコントラスト、透過率)でない場合には、駆動データ又は駆動電圧を調整して(ステップS60)、ステップS56からの処理を繰り返す。
このようにして、ステップS55〜S60のループが繰り返されると、やがて所定以上の輝度(又はコントラスト、透過率)となって、ステップS59の判断がYESとなる。したがって、ステップS59からステップS61に進み、全てのフィルタ層を駆動設定済みか否か、つまりi≧mとなったか否かを判断する(ステップS61)。i≧mとなっておらず、全てのフィルタ層mを駆動設定していない場合には、iをインクリメントして(i=i+1)(ステップS62)、ステップS55からの処理を繰り返す。
図11は、前記ステップS14、S27、S38で実行される分光フィルタ59の制御例(2)を示すフローチャートである。先ず、予めプログラムメモリ23に記憶させてある干渉フィルタ(分光フィルタ59)の仕様データ、構成層数(m)を読み込む(ステップS71)。次に、ユーザーによる操作入力部22での操作に応じて、フィルタの設定波長帯域(中心λi、帯域幅Δλiを入力する(ステップS72)。また、温度検出回路33からの検出信号を取り込んで、分光フィルタ59周辺の温度計測データを読み込む(ステップS73)。
引き続き、フィルタ各層の駆動部にそれぞれ所定の駆動電圧を加え、所定の初期位置(初期の分光特性)にリセットする(ステップS74)。そして、i=1として、iの値で示される分光フィルタ59の第1層を選択する(ステップS75)。また、下記に例示する、干渉フィルタの透過率の分光特性計算式を用いて、第(i)層フィルタの透過波長をλに設定する為の駆動データ(LCやアクチュエータの駆動電圧など)を算出又は逆算する(ステップS76)。
(例)次式の透過率T(λ)がピーク又は所定値以下となる位相差(δ)を実現する屈折率(N)又はLC駆動電圧(V)を求める。
a)Lyot系のフィルタの場合
T(λ)=cosδ/2、
ただし、δ=(2π/λ)(Ne−No)d、
b)Fabry−Perot系フィルタの場合
T(λ)=(1−R)/{(1−R)+4Rsin(δ)、
ただし、δ=4πndcosθ/λ
次に、予めプログラムメモリ23に記憶させてあるLUT(参照テーブル)から、当該層フィルタの補正用データを読み出す(ステップS77)。そして、前記ステップS76で算出した駆動データを、前記ステップS73で読み込んだ温度及び前記ステップS77で読み出した補正用データに基づいて補正し、補正駆動データを求める(ステップS78)。引き続き、この補正された駆動データ(補正駆動データ)に応じて、駆動信号(駆動電圧など)を、第(i)層フィルタの駆動部に加えて(ステップS79)、被写体輝度又はコントラスト(又はフィルタの透過特性)をチェックする(ステップS80)。そして、このチェックの結果、所定値以上の輝度(又はコントラスト、透過率)か否かを判断する(ステップS81)。この判断の結果、所定以上の輝度(又はコントラスト、透過率)でない場合には、駆動データ又は駆動電圧を調整して(ステップS82)、ステップS78からの処理を繰り返す。
このようにして、ステップS78〜S82のループが繰り返されると、やがて所定以上の輝度(又はコントラスト、透過率)となって、ステップS81の判断がYESとなる。したがって、ステップS81からステップS83に進み、全てのフィルタ層を駆動設定済みか否か、つまりi≧mとなったか否かを判断する(ステップS83)。i≧mとなっておらず、全てのフィルタ層mを駆動設定していない場合には、iをインクリメントして(i=i+1)(ステップS84)、ステップS76からの処理を繰り返す。
[撮像素子60]
従来のように、撮像素子60をCCDで構成する場合には、入射光によってフォトダイオードに発生した信号電荷を増幅せずにそのまま、垂直と水平のCCD転送路によって順繰りに転送され、出力回路で初めてFD(Floating Diffusion)アンプにより信号電圧に増幅されて出力される。CCDから出力された撮像信号は、CDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプル)回路でノイズ除去及びサンプル&ホールド処理され、AGC(自動利得制御)アンプで増幅され、ADC(A/D変換器)でデジタル撮像信号に変換され、DSP(信号処理回路)に出力される。
一方、撮像素子60をCMOSイメージセンサで構成する場合には、一般的なAPS(Active Pixe1 Sensor、増幅型画素センサ)型のCMOSセンサでは、フォトダイオードを含む単位画素回路毎に増幅素子が内蔵されており、フォトダイオードで光電変換された信号電荷は画素回路内のアンプで一旦増幅され、垂直走査回路からの行アドレス選択信号と水平走査回路からの列選択信号によりXYアドレス方式で選択された画素毎の撮像信号が、出力から順次電圧又は電流として取り出すことができる。CCDのように順番に取り出さなくとも、CMOSセンサでは、任意の画素や領域の撮像信号だけを任意の順序で取り出しできるので、デジタルズーム処理で所定領域のみを切出して読出す場合などに高速で読み出せる。また、CCDでは信号電荷をそのまま転送するのでスミアやノイズに弱いが、CMOSセンサでは、画素毎にランダムアクセスで読出せ、各面素回路は電気的に分離しているので伝送ノイズに強く、また同じCMOS製造プロセスにてイメージセンサの周辺に、加算演算回路など論理回路や信号処理回路を高集積化して一緒に作りこめる利点がある。
反面、CMOSセンサでは、画素毎のアンプの闇値など、個々の素子バラツキによる固定パターンノイズ(FPN)や暗電流、kTC雑音が大きい難点があったが、今日においては、(CCDと同様に)埋め込みフォトダイオードとFDアンプを用いる構造にして、暗電流とKTC雑音を低減できるようになった。また、列信号線毎に並列に並んだ列回路に設けたColumn型CDS/ADC回路等により、フォトダイオードをリセットする前と後の信号を減算して固定パターンノイズ(FPN)を除去できるようになり、列回路毎に積分型や巡回型、逐次型などのAD変換器を組み込んで、デジタル信号での撮像信号出力もできるようになった。
(1)高速イメージセンサ
本実施の形態に係るデジタルカメラ1に用いるイメージセンサ部63では、任意のサイズの画像領域を選択して、領域内の画素の撮像信号を読み出す選択読み出しができるようにする。また、CMOSセンサの列回路のCDS/ADC回路の後段や水平出力回路に、各面素に隣接する同色フィルタの複数の画素の撮像信号同士をデジタル信号で加算する加算回路などを設けて、デジタルズーム時や高感度撮影時には、選択領域内の画素データを任意の行列毎に複数画素分加算された撮像信号を読み出しできるように構成する。これにより、画素当たりの撮影感度を実質的に加算数分だけ上げることができ、短い露出時間でも露出が良好な撮影ができ、高速レートの動画撮影や連続撮影でも、画像データ量の小さい撮像信号に変換して出力できるようにする。なお、選択読み出し、あるいは、さらに画素加算された撮像信号は、列回路のCDS/ADC回路から水平走査回路の列選択信号により選択された列信号が順次出力されるが、このとき、高速クロックに同期させて並列デジタル信号として出力するか、並列/直列変換回路により変換して直列(シリアル)のデジタル撮像信号として、LVDS(小振幅差動信号方式)の送信回路等により、高速レートでDSPに転送出力できる。
(2)CDS/ADC回路と加算回路
特開2005−278135号公報には、積分型のADC回路を、列並列のADC比較器とアップ/ダウンカウンタを用いてCDS/ADC回路として構成して、デジタル衆値をメモリ部に書き込み、例えば、カウンタをリセットせずに次の画素値を続けてカウントさせると目算器なしで画素加算演算を行えるようにしたCMOSイメージセンサが開示されている。したがって、本実施の形態におけるイメージセンサ部63として、前記CMOSイメージセンサを用いてもよい。
また、図12は、前記公報記載のCDS/ADC回路に画素加算以外の任意の演算や信号処理もできるように行演算回路110、列演算回路111を設け、出力路に並列デジタル/直列デジタル変換回路112やLVDSドライバ113を設けた例であり、図13はその動作タイミングチャートである。
列回路部は、列信号線101毎に設けられたCDS/ADC回路102を有し、垂直走査回路114に接続された各単位画素回路108から列毎に出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。各列のADC回路(アナログ−デジタル変換回路)部の構成は、制御信号によって、全領域の撮像信号を読み出すプログレッシブ走査方式での(加算なしの)通常フレームレートモードと、単位画素の露光時間を1/Nに設定してフレームレートをN倍、例えば2倍に上げる(垂直加算を行う)高速フレームレートモードとの各動作モードに対応したA/変換動作を切り替えられる構成となっており、各ADCは、比較器103と、U/D(アップ/ダウン)カウンタ104など計数器、転送スイッチ105及びメモリ106から成る。
参照電圧の供給部は、例えばDAC(デジタル−アナログ変換回路)107などを内蔵し、タイミング制御部115からのクロックCLKに基づいて、時間経過につれて電位が傾斜状に変化するいわゆるランプ(RAMP)波形の参照電圧Vrefを生成する。比較器103は、n列目の列信号線の信号電圧Vxと、参照電圧供給部からのランプ波形の参照電圧Vrefとを比較し、例えば、参照電圧Vrefが列信線101の信号電圧vxよりも大きいときに比較器103の出力vcoが「H」レベルになり、参照電圧Vrefが信号電圧Vx以下のときに比較器103出力Vcoが「L」レベルになる。
U/Dカウンタ104は、非同期カウンタで、クロックCLKに同期してダウン(DOWN)カウント、又は、アップ(UP)カウントを行うことにより、比較器103で比較開始から比較終了までの比較時間を計測し、参照電圧Vrefは電圧が線形に上昇するRMP波形なので、カウント値はデジタル電圧値を表すことになる。1回目の読み出し動作では、(単位画素毎にばらつく固パターンノイズを含む)単位画素のリセット成分ΔVが読み出され、2回目の読み出し動作では、リット成分ΔVに加えて、単位画素毎の入射光量に応じた信号成分が、同様の動作によって読み出しされる。
通常フレームレートモードでは、1つの画素からの信号読み出しにおいて、1回目の読み出し時に、比較器出力Vcoが「H」から「L」へ反転するまで、ダウンカントを行うことにより1回目読み出し時の比較時間を計測し、2回目の読み出し時に、Vcoが逆に「L」から「H」へ反転するまで、アップカウントを行うことにより2回目読み出し時の比較時間を計測する。また、ダウンカウント後にアップカウントを行うことにより、2回目と1回目の減算を行うことになり、
(2回目の比較時間)−(1回目の比較時間)=(信号成分vsig+リセット成分ΔV+ADCオフセット成)−(リセット成分ΔV+ADCオフセット成分)=(信号成分Vsig)
となるので、2回の読み出し動作とU/Dカウンタ104で減算処理により、単位画素毎のばらつきを含んだリセット成分ΔVに加えて、ADC毎のオフセット分も除去され、単位画素毎の入射光量に応じた信号成分Vsigのみを取り出すことができる。AC回路に加え、CDS回路の働きを兼ねることができる。
一方、(N画素加算による)高速フレームレートモードで、ある行の単位画素についてのカウント結果をそのまま保持しておき、引き続き、次行の単位画素について、前回カウント結果から1回目の読み出し時にダウンカウント、2回目の読み出し時にアップカントを行うので、同様にCDS/ADC処理を行うとともに、画素値が引き続き加算されることになり、らに垂直加算回路の働きをも兼ねることができる。
転送スイッチ105は、(加算なしの)通常フレームレートモードでは、ある行の単位画素についてのアップ/ダウンカウンタのカウント動作が完了した時点でオンとなってU/Dカウンタ104のカウント結果をメモリ106に転送する。一方、(例えば、N=2の)画素加算読み出しによる高速フレームレートでは、ある行の単位画素についてのアップ/ダウンカウント動作が完了した時点でオフのままで、引き続き、次行の単位画素についてのアップ/ダウンカウント動作が完了した時点でオン状態となってU/Dカウンタ104の垂直2画素分についてのカウント結果をメモリ106に転送する。カウント結果を、転送スイッチ105を介して選択的にメモリ106に転送できるため、カウント動作と、カウント結果の水平信号線への読み出し動作とを独立して制御できる。このようにして、各単位画素回路108から列毎に供給されるアナログ信号が、ADCにおける比較器及びカウンタ動作により、Nビットのデジタル信号に変換されメモリ106に格納される。水平走査回路(Hレジスタ、列走査回路)109からの列選択言号に応じて、各ADCでA/D変換されたNビットのデジタル信号は順に水平信号線に読出され、水平信号線を経由して出力回路から撮像データとして出力される。
(3)撮像信号の高速読み出し
通常読み出し、又は加算読み出しされた撮像信号のデジタル信号は、並列/直列変換回路で順次シリアル(直列)のデジタル信号に変換されて出力されDSPに転送される。高解像度、高速フレームで撮像を行うためには、当然ながら、撮像信号を高速でDSPに転送する必要がある。一般のCMOS入出力回では、入出力信号の振幅は、電源電圧範囲の一杯の範囲で振らせるので、消費電力が大きくなり転送できる速度も遅くなってしまう。これに対し、例えば、CML系(Cuent Mode Logic、電流モードロジック)の入出力回路では、トランジスタを不飽和領域で使用して、インピーダンスを低くし、電圧を振らせるというよりは電流をon/offさせる方法で、(vdd−0.4V)の電位を中心に低振幅で動作させる。浮遊容量を充・放電する量が少なくなるので高速動作できる。また、LVDS系(Low−voltge Differential Signaling、小振幅差動信号方式)は、2本の信号線を使って情報を運ぶ差動信号式で、単一チャネルあたり数百〜数千Mbps(メガビット/秒)の高速度でデータ伝送でき、かつ、mWレベルの低消費電力の差動データ伝送方式として、内部バスの信号線の本数も減らせるため、モニタ表示装置とPC本体等とのデジタル入出力インタフェースとして利用されている。
LVDS(小振幅差動信号方式)では、電流モード・ドライバの採用と、+1.2V電位を中心に0.3Vの上下振幅内で振らせる小振幅によって、コモンモードノイズを除去でき、広い周波数範囲に対して高いノイズ耐性が得られる。CMOS回路でも、高速でシリアル伝送でるCML系やLVDS系など低振幅や差動信号方式の入出力インタフェースを用いて、また、直列(シリアル)信号に変換されたデジタル撮像信号を撮像素子の出力回路(トランシーバー)から出力して、少ない端子数でも後段のDSP(映像信号処理回路)へ高速で伝送し、DSP側の入力回路(レシーバー)では、受信した直列デジタル信号を並列/直列変換回路で並列デジタル信号に復変換して、デジタル撮像信号として映像信号処理に用いることができる。
例えば、10ビットパラレルのLVDS出力を搭載すると、900×2200画素=約600万両素、各画素当たり10ビットの撮像信号も、画素レート約400MHzの速で転送出力すると、約600万両素の高解像度でも、秒当たり60フレーム(60fps)以上の高速で、DSPに転送出力できる。同様に、垂直5×加算読み出し、又は、垂直1/5間引を行なってデータ圧縮した場合(約600万÷5=約120万両素)には、同レートでは、約300fps当の高速で転送出力できることになる。
(4)高速DSP
図1に示したように、CMOイメージセンサ内蔵のCDS/ADC回路でデジタル変換され、並列又は直列のデジタル信号で高速転送された撮像信号を入力すると、DSP(デジタル信号処理回路)では、まずシェーディング正や黒レベル補正、欠陥画素補正など前処理を行った後、デジタルAGC回路で増幅するとともに、ホワイトバランス調整やカラーバランス調整を行う。通常のRGB3色カラーの撮像素子の場合には、撮像素子の前面に設けられたモザイク状のRGBカラーフィルタ配列に従って、画素毎には一つの色分しか持たないBayerデータから、他の色差成分の画素値も、近隣周辺の画素値等から画素関して求めて、面素毎にRGB各色差成分毎の階調値を持つデジタル画像データに変換するラー補間処理などを行うが、本例の高速度分光撮影カメラでは、撮像素子に画素のカラーフィルタを設けずに、撮像素子の全面素で同時に受光し、順次フィルタの透過波長特性を切り替えながら、高速で連続撮影した波長帯域毎の分光画像を撮影する。
また、波長帯域毎の分光特性バラツキなどを補正した後、各面素の3刺激値R、G、Bを算出して、全波長帯域でマルチプレーン加算合成して、また、通常のRGBなどの空間座標の広帯域の画像信号に変換(RGB信号への変換処理)することができる。さらに、以降は、通常のカラーフィルタ付き撮像素子による撮像信号の信号処理と同様に、RGB系のデジタル画像信号は、階調補正やガンマ補正され、バッファメモリ(B)81に一時記憶された後、LCDモニタや電子ファインダ(EVF)に再生表示されるか、カラーマトリクス回路75でRGB系からYUV系/YCbCr系など所定の色空間の画像信号に変換され、画像CODEC82により、JPEG静止画像データやMPEG4や、H.264動画像データなどに圧縮/符号化処理され、メモリカード媒体25などに保存記録される。また、必要に応じて、表示サイズや所の記録画像サイズなどに応じて、リサイズ(Resize)、若しくは、補間処理(lnterpolation)、縮小/拡処理など、撮像画像サイズを異なる画像サイズに変換する解像度変換処理などを行う。
(5)カラー画像の撮影プロセス
一般に、波長(λ)における3次元空間座標(x,y,z)の時間(t)における、ある反射物体の分光反射率の関数をO(x,y,z,t,λ)で表すと、この物質を、分光放射率E(λ)の光源で照明して、分光透過率T(λ)のレンズを通して結像し、分光透過率TFi(λ)のフィルタ、分光感度S(λ)を有する撮像素子のカメラで撮影するとき、カメラの撮像出力である2次元画像Vi(x,y)は、次式で表すことができる。
Vi(x,y)=∫∫∫T(λ)TFi(λ)S(λ)t(t)A(z)O(x,y,z,t,λ)E(λ)dλdtdz・・・式(13)
(ただし、t(t):露光時間、A(z):レンズによる結像関数(3次元−2次元変換関数))。
カメラでは露出時間tも所定時間ON/OFFの矩形関数近似できるので、ここでは、色の再現性に注目して、座標軸や時間関数、レンズ結像関数などを略化して考えると、
Vi(x,y)=∫T(λ)TFi(λ)S(λ)O(x,y,λ)(λ)dλ・・・式(14)
となる。
従来の3原色に基づくRGBの3バンド画像の場合には、上記式で、i=R,G,Bで、分光透過率TFi(λ)は、それぞれ、TFR(λ),TFG(λ),TFB(λ)のカーフィルタである。
本実施の形態に係る分光カメラ(デジタルカメラ1)や、狭帯域毎の分光画像の場合にはバンド番号i=1,2,・・・,nとすると、分光透過率T・(λ)が、それぞれ、TF1(λ),TF2,・・・,TFn(λ)の狭帯域バンド毎のフィルタに相当する。(なお上記式で、反射物体と光源のO(λ)E(λ)の代わりに、物体の分光放射輝度Oe(λ)に置き換えると、放射物体の場合にも同様に扱える。)
(6)3原色による色再現
一般に、色再現では3色の分解像V、V,Vを、例えば、CIE−XYZ表色系における等色関数x ̄(λ),y ̄(λ),z ̄(λ)などを用いて、元の物体の3刺激値(X,Y,Z)が、下記の(X,Y,Z)と対応するような、所謂測色的な色再現が行われている。
=K∫O(λ)E(λ)x ̄(λ)dλ、
=K∫O(λ)E(λ)y ̄(λ)dλ、
=K∫O(λ)E(λ)z ̄(λ)dλ、・・・式(15)
ここで、K=100[%]/{∫E(入)y ̄(λ)dλ}、
また、記録された画像をハードコピーとして、別の分光放射率の照明光源E′(λ)で観察する場合も、光源E(λ)をE′(λ)に、物体の分光反射率O(λ)を、画像の分光反射率(又は、分光濃度)O′(λ)に置き換えると、3刺激値(X,Y,Z)は次式で表される。
=K∫O′(λ)E′(λ)x ̄(λ)dλ、
=K∫O′(λ)E′(λ)y ̄(λ)dλ、
=K∫O′(λ)E′(λ)z ̄(λ)dλ、・・・式(16)
ここで、K=100[%]/{∫E′(λ)y ̄(λ)dλ}、
フィルムや写真、印刷などのハードコピー、又は、電子ディスプレーなど、個々に表現形式や変換行列又はLUT(Lookup Table、変換表)は異なっても、上記と同様に考えることができる。このように、式(15)、(16)からも明らかなように、物体、画像の3刺激値は、照明光源の分光放射率E(λ)、E′(λ)などに依存することになる。
(7)分光画像の色表現
本実施の形態のような分光画像の場合も式(14)から、
Vi(x,y)=∫T(λ)TFi(λ)S(λ)O(x,y,λ)(λ)dλ・・・前式(14)
(ただし、vi(x,y):2次元画像、E(λ):光源の分光放率、T(λ):撮影レンズの分光透過率、TFi(λ):i番目のフィルタの分光透過率、S(λ)撮像素子の分光感度、O(x,y,λ.):物体の分光反射率である。
(8)広帯域画像への変換
得られた複数枚の分光画像データを高速で転送入力したDSPでは、各波長帯λiにおける画の輝度信号V(x,y;λi)を、帯域毎の撮影レンズや干渉フィルタ等の分光透過率T(λi)、撮像センサの分光撮像感度S(λi)など、実際のカメラの分光特性や固体バラツキデータ等予めカメラ内のメモリに記憶しておき、実際の分光特性T(λi)や、S(λi)と、理想の分光特性(透過率100%)や標準の分光透過率T(λi)や分光感度S(λj)との比率で除算する、又は、比率の逆数を波長帯域(λ)毎の変換係数として乗算することにより、波長帯域別の感度性バラツキが補正された分光画像V′(x,y;λi)を得る。つまり、
V′(x,y;λi)=V(x,y;λi)×{T(λi)/T(λi)}×{S(λi)/S(λi)}・・・式(17a)
又は、
V′(x,y;λi)=V(x,y;λi)×{1/T(λi)}×{1/S(λi)}・・・式(17b)
また、補正された分光画像V′(x,y;λi)に対して、さらに、各分光画像の波長帯域(λi)毎におけるr ̄(λi)、g(λi)b ̄(λi)など等色関数などを乗算して、各面素(x、y)毎のR、G、Bなどの3刺激値を求め、各分光画像をRGBカラーデタに変換し、
Ri(x、y)=V′(x,y;λi)×r ̄(λi)、
Gi(x、y)=V′(x,y;λi)×g ̄(λi)、
Bi(x、y)=V′(x,y;λi)×b ̄(λi)、・・・式(18)
さらに、DSP内のマルチプレーン加算回路により、各波帯域(λi)の各面素(x、y)のRGB値をそれぞれ加算合成して、RGBなど広帯域カラーの画データに変換することができる。
R(x,y)=ΣiRi(x,y)、
G(x,y)=ΣiGi(x,y)、
B(x,y)=ΣiBi(x,y)、・・・式(19)
また、標準モニター等のガンマ特性に合わせて、諧調補正やガンマ補正を行ったり、各画素(x、y)毎のrgb色度値やYUV(YCrCb)信号など、他の色空間座標に変換して出力してもよい。このようにして、複数の波長帯域の殆んど同じタイミングとなる微小時間内で高速速写された分光画像を高速に読み出し、加算合成して、色再現性の高い高解像度からなる1枚の広帯域画像データを生成し、出力又は記録できる。
[圧電アクチュエータを用いた干渉フィルタ]
前述のように、積層型のLCFTでは、不要な方向の偏光を遮断する為に、液晶と液晶板の両側に偏光板が必要となることから、フィルタ層が増えるほど、偏光板の数が増える。よって、透過率が落ちる難点や、液晶の立ち上がり時間や切替時間が長くかかり、高速撮影が制限される難点が生ずる。
本実施の形態においては、前述のLCTFやLCFPのように液晶の複屈曲性を利用したり、複数の偏光板を用いる代わりに、多重反射を用いるFP(ファブリペロー)エタロンの誘導体多層膜等でコートした2枚の透明板のギャップ間隔を、圧電アクチュエータにより、数ミクロン(μm)単位の微細寸法で駆動して、透過波長を選択できる圧電アクチュエータ式の干渉フィルタを構成し、複数層組み合わせて、分光フィルタを実現するものである。
圧電アクチュエータ式の干渉フィルタでは、その誘導体多層膜などのミラー間の物理的間隔(d)を、圧電アクチュエータにより機械的に可変駆動する点以外は、前述のファブリ・ペロー干渉フィルタと同様であり、
位相差δ及び透過率の分光特性は、前述の式(4)、式(5)で表される。
位相差δ=(2π/λ)2ndcosθ=4πndcosθ/λ・・・式(4)
透過率T=(1−R)/{(1−R)+4Rsin(δ)・・・式(5)
ここで、δ:位相差、λ:波長、θ:入射角、d:ミラー間の物理的間隔、n:媒質の屈折率(空気の場合n=1)、R:ミラーの反射率。
(1)圧電アクチュエータ式多層型干渉フィルタ
図14(A)に示す例は、ガラス板、水晶板などの基板201、202に、金属薄膜、誘電体多層薄膜などの反射膜203、204が設けられており、基板201、202のギャップ間隔(又は反射膜203、204間隔)に圧電アクチュエータ素子205を挟んで設け、圧電アクチュエータ素子205の両端に印加する電圧を変化させることにより、アクチュエータの厚さを可変駆動するものである。この単純な構造では、反射膜203、204間隔のギャップをアクチュエータの厚さ未満の寸法にできないので、干渉フィルタで実現できる分光透過率特性の制限が大きくなる。
これに対して、図14(B)に示すものは、一方の基板201に基台206とスペーサ207とを設け、他方の基板202にスペーサ又は緩衝材208を設け、この緩衝材208と前記基台206間に積層型圧電アクチュエータ素子209を配置してある。また、図14(C)に示すものは、反射膜203、204間に弾性体又はバネ210を配置する一方、基台211と他方の基板202間に積層型圧電アクチュエータ素子212を配置してある。このように、外周部に圧電アクチュエータを設ける構成にすると、圧電アクチュエータ自体の厚さや取り付け厚などの制約を受けずに、圧電アクチュエータ自体の厚さより薄いギャップ間隔dも実現でき、分光透過率特性の制約が少ない利点がある。
また、図15に示すように、圧電アクチュエータ素子209を有する圧電アクチュエータ式の干渉フィルタ216を複数層重ねて、又は固定式の干渉フィルタ215と圧電アクチュエータ式の干渉フィルタ216とを組み合わせて、サーミスタ等からなる温度センサー213で検出された温度等に基づき、圧電アクチュエータ式の干渉フィルタ216の分光特性を可変して、それらを組み合わせて、総合特性を所望の狭帯域の波長帯域に限定して、前述のLCFTやLCFPなどと同じように、分光カメラの可変フィルタとして利用できる。また、圧電アクチュエータ式の多層型干渉フィルタを構成し、液晶や偏光板が不要になるので、透過率の高い(明るい)高感度の分光撮影ができる。また、圧電アクチュエータにより高速で波長帯域を切り替えすることができるので、従来より高速の分光撮影ができ、連写合成により広帯域画像を得る際にも、被写体のブレの少ない高解像度の画像が得られる。
(2)圧電アクチュエータの構造と変位量
積層型の圧電アクチュエータでは、平方ミリあたり3キログラムレベルと駆動力が大きく、数十μmまでの変位量を0.01μmの高精度で制御でき、10μsec.レベルと応答性に優れる。容量型なので消費電力も少ないが、変位量は単層型で数ミクロン、積層型でも0.05mm程度と小さい。積層型の圧電アクチュエータでは、変位の大きさLは、次式で表される。
変位の大きさL=d33・V・N[m]・・・式(20)
ただし、d33:圧電定数(例d33=620〜770pm/V)、V:駆動電圧、N:積層数。
なお、圧電セラミックスとしては、ニッケル酸ニオブ酸鉛−チタン酸鉛−ジルコン酸鉛、などのセラミック圧電材料や、PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)系など、発生ひずみが電場に略比例する圧電材料が用いられるが、大きな駆動電圧では強誘電体的分極の履歴現象(ヒステリシス)などで、駆動変位量が駆動電圧に比例しなくなったり、に示すように、環境温度によって、駆動変位量が異なってしまう難点がある。より大きな駆動力を要したり、サーボ駆動等を行う場合には、発生ひずみが電場の2乗に比例し、ヒステリシスも無いPMN(マグネシウムニオブ酸鉛)系など電歪材料を用いたアクチュエータ(電歪アクチュエータ)等を用いてもよい。又は、積層型の圧電アクチュエータの代りに、バイモルフ型やバイモルフ・パラレル型のアクチュエータ等を用いるように構成してもよい。
バイモルフ・パラレル型のピエゾセラミック・アクチュエータでは、2枚の圧電セラミックの間に燐青銅やCFRP、ステンレスなどのシム材を挟み、各圧電セラミックス端とシム材間に電圧を加えることで、圧電セラミックスが撓むように曲げて変位させることできる。両圧電セラミックスの分極方向を逆方向とするバイモルフ型と、同一方向とするバイモルフ・パラレル型とがある。例えば、バイモルフパラレル型・ピエゾセラミック・アクチュエータの変位の大きさLは、下式で求められる。
変位の大きさL=3V・d31・(1/t)・(1十t/t)・α[m]、・・・式(21)
ただし、V:電圧、1:長さ、t:総厚、t:シム材厚、d31:等価圧電定数、α:非線形補正係数≒2、
(3)干渉フィルタのアクチュエータの履歴補正、温度補正
図16は、各層の干渉フィルタに設ける圧電アクチュエータの駆動制御例を示すフローチャートである。図15に示した圧電アクチュエータ式の干渉フィルタ等を複数層組み合わせて、分光カメラを実現する際、干渉フィルタを駆動するアクチュエータ等による駆動変位の前回の駆動電圧や駆動変位量、駆動方向などの駆動履歴データメモリと、前記フィルタ駆動手段における駆動電圧一駆動変位量の履歴特性(ヒステリシス特性)を、予めEEPROMなど不揮発性メモリなどに記憶しておく。そして、履歴特性データ・メモリとを設け、今回必要な駆動変位量と前回の駆動電圧又は駆動変位量や駆動方向など駆動履歴データと、予めに記憶された電圧一変位量の履歴特性(ヒステリシス特性)データとに基づいて、今回必要な駆動変位量に対応する駆動電圧を補正して、補正された駆動電圧を用いてフィルタを駆動制御できるようにするものである。
すなわち、今回の位置を入力し(ステップS201)、データメモリ24に記憶させてある今回の駆動位置と駆動方向とを読み込む(ステップS202)。次に、今回の駆動位置=今回の駆動位置−前回の駆動位置を算出し(ステップS203)、温度検出回路(温度センサー213)から温度計測値を読み込む(ステップS204)。この読み込んだ温度計測値に相当する温度特性データに応じて、駆動すべき変位量を補正する(ステップS205)。また、変位位置の個別バラツキデータに基づいて、駆動すべき変位位置を補正する(ステップS206)。また、これら補正した駆動すべき方向である駆動方向は変位量の増加(+)方向であるか否かを判断する(ステップS207)。
このステップS207での判断の結果、駆動方向が変位量の増加(+)方向である場合には、前回の駆動方向は減少方向(−)であったか否かを判断する(ステップS208)。そして、今回の駆動方向が(+)でかつ前回の駆動方向が(−)であった場合には、往復駆動回数をカウント(カウンタC=C+1)し(ステップS209)、このカウンタCの値により示される往復駆動回数(C)が所定値(N)以上であるか否か、つまりC≧Nでるあるか否かを判断する(ステップS210)。このステップS210の判断がYESであって、C≧Nでるある場合には、駆動電圧を0として、変位量を一度リセットする(ステップS211)。また、往復駆動回数もリセットしてC=0とし(ステップS212)、前回の駆動位置を0に変更して(ステップS213)、ステップS203からの処理を繰り返す。
つまり、駆動方向が(十)方向と(−)方向の反転駆動回数や往復駆動回数などが繰り返されると、ヒステリシス特性による駆動変位量の誤差が累積されて、変位位置の誤差が大きくなるので、干渉フィルタの所望透過波長帯域への駆動精度が低下してしまう。このため、反転駆動や往復駆動が所定回数以上繰り返された場合には、一旦圧電アクチュエー¬夕の駆動電圧を0Vまで戻してから、(十)方向で今回の駆動位置まで駆動して、アクチュエータの履歴特性(ヒステリシス特性)をリセットできるようにする。
一方、ステップS208の判断がNOであって、前回の駆動方向も(+)であった場合、及びステップS210の判断がNOであって、C≧Nとなっていない場合には、補正された変位量に相当する駆動電圧を、増加(+)方向の特性データに基づいて求める(ステップS214)。また、変位特性の個別バラツキデータに基づいて、駆動電圧を補正し(ステップS215)、この補正した駆動電圧を当該フィルタの駆動部に出力する(ステップS216)。
他方、ステップS207での判断の判断がNOであって、駆動方向が減少(−)方向であった場合には、前回の駆動方向は増加(+)方向であったか否かを判断する(ステップS208)。そして、今回の駆動方向が(−)でかつ前回の駆動方向が(+)であった場合には、往復駆動回数をカウント(カウンタC=C+1)し(ステップS218)、このカウンタCの値により示される往復駆動回数(C)が所定値(N)以上であるか否か、つまりC≧Nでるあるか否かを判断する(ステップS219)。このステップS219の判断がYESであって、C≧Nでるある場合には、前述したステップS211に進む。
また、ステップS217の判断がNOであって、前回の駆動方向も(−)であった場合、及びステップS219の判断がNOであって、C≧Nとなっていない場合には、補正された変位量に相当する駆動電圧を、減少(−)方向の特性データに基づいて求め(ステップS220)、前述したステップS215に進む。
このように、図15に示した圧電アクチュエータ駆動式の干渉フィルタを、図16に示したフローに従って制御すれば、液晶や偏光板が不要になるので、透過率が高い(明るい)高感度の分光撮影ができる。また、圧電アクチュエータにより高速で波長帯域を切替えできるので、従来より高速の分光撮影ができ、速写合成により広帯域画像を得る際にも、被写体ブレの少ない高解像度の画像を得られる。
また、電圧一変位特性の履歴(ヒステリシス)特性や温度−変位特性が大きな積層型圧電アクチュエータ等を用いて、多層型干渉フィルタの各層のミラー間隔を駆動制御する場合には、駆動履歴補正や温度補正を行って、駆動変位量の誤差も大きくならないように駆動制御できるので、圧電アクチュエータ式の干渉フィルタにおいても、所望の透過波長帯域に高精度で高速に駆動できる。結果的に、透過率が高く高感度の分光撮影ができ、高速で波長帯域を切替えできるので、高速速写による分光画像を加算合成して色再現性の高い広帯域カラー画像を得られ、また、加算合成する際にも、被写体ブレの少ない広帯域画像を得られる。
圧電アクチュエータ以外でも、履歴(ヒステリシス)特性や温度変化の大きなアクチュエータや駆動手段を用いてフィルタを駆動する場合、あるいは、前述の液晶ファブリ・ペロー・エタロン(LCFPエタロン)など、温度特性の大きな液晶の屈折率を変化させて、フィルタの分光透過率特性や透過波長帯域を選択切り替え制御する場合などでも、前述と同様の考え方で、履歴(ヒステリシス)特性に対する補正処理や、温度特性に対する補正処理を行ない、駆動精度を高くして、より確実に所望の特性にフィルタ特性をチューニングすることができる。
本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である。 撮影制御処理手順を示すフローチャートである。 図2に続くフローチャートである。 撮影処理の処理手順を示す説明図である。 撮影処理の処理手順を示す説明図である。 分光スルー映像の表示処理の手順を示すフローチャートである。 マルチプレーン加算処理の処理手順を示す説明図である。 スルー映像処理の処理手順を示す説明図である。 スルー映像処理の処理手順を示す説明図である。 フィルタの駆動制御例(1)の手順を示すフローチャートである。 フィルタの駆動制御例(2)の手順を示すフローチャートである。 CMOSイメージセンサの列回路と画素加算回路の構成例を示す図である。 CMOSイメージセンサの列回路と画素加算回路の動作を示すタイミングチャートである。 圧電アクチュエータ式多層型干渉フィルタの構成例を示す断面図である。 圧電アクチュエータ式多層型干渉フィルタの他の構成例を示す断面図である。 各層の干渉フィルタに設ける圧電アクチュエータの駆動制御例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 デジタルカメラ
2 制御回路
3 CPU
22 操作入力部
23 プログラムメモリ
24 データメモリ
25 メモリカード媒体
25 画像メモリ媒体
32 分光フィルタ駆動部
33 温度検出回路
34 焦点レンズ駆動部
35 ズーム駆動部
36 ブレ補正駆動部
47 HDD記憶装置
48 ディスク媒体
49 モータ
58 撮像光学系
59 分光フィルタ
60 撮像素子
62 シャッタ
63 イメージセンサ部
64 水平走査部
65 垂直走査部
66 P/S変換部
67 DSP部
68 S/P変換部
69 前処理部
71 帯域別信号処理部
72 マルチプレーン加算回路
73 RGB変換部
74 階調変換ガンマ補正部
75 カラーマトリクス回路
76 解像度変換部

Claims (12)

  1. 入力される駆動信号に応じて、被写体光の透過波長帯域を変化させるフィルタ手段と、
    このフィルタ手段に駆動信号を入力して、前記透過波長帯域を複数段に変化させる分光制御手段と、
    前記フィルタ手段の後方に配置され、該フィルタ手段が透過波長帯域を変化させる毎に撮像する単一の撮像手段と、
    この単一の撮像手段により撮像された複数の画像データを記録手段に記録する記録制御手段と
    前記単一の撮像手段により撮像された前記複数の透過波長帯域毎の画像データを、その透過波長帯域に応じて補正し、マルチプレーン加算合成する合成手段とを備え
    前記記録制御手段は、前記合成手段により合成された単一の画像データを記録手段に記録することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記合成手段による前記補正には、前記撮像手段に被写体像を結像させる光学系の透過率特性、前記フィルタ手段の透過率特性、前記撮像手段の撮影感度特性のいずれか少なくとも一つに基づく補正が含まれることを特徴とする請求項記載の撮像装置。
  3. 前記分光制御手段は、前記透過波長帯域を複数段に変化させた際の駆動履歴を記憶する駆動履歴記憶手段と、
    この駆動履歴記憶手段に記憶された前回の駆動量及び駆動方向に基づき今回の駆動量及び駆動方向を補正する補正手段とを備え、
    この補正手段により補正された駆動量及び駆動方向に基づき、前記フィルタ手段に駆動信号を入力して、前記透過波長帯域を複数段に変化させることを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
  4. 前記分光制御手段は、温度を検出する温度検出手段と、
    この温度検出手段により検出された温度に基づき、今回の駆動量及び駆動方向を補正する補正手段とを備え、
    この補正手段により補正された駆動量及び駆動方向に基づき、前記フィルタ手段に駆動信号を入力して、前記透過波長帯域を複数段に変化させることを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
  5. 入力される駆動信号に応じて、被写体光の透過波長帯域を変化させるフィルタ手段と、このフィルタ手段の後方に配置された単一の撮像手段とを備える撮像装置が有するコンピュータを、
    前記フィルタ手段に駆動信号を入力して、前記透過波長帯域を複数段に変化させる分光制御手段と、
    前記フィルタ手段が透過波長帯域を変化させる毎に前記単一の撮像手段を動作させる撮像制御手段と、
    前記単一の撮像手段により撮像された複数の画像データを記録手段に記録する記録制御手段と
    前記単一の撮像手段により撮像された前記複数の透過波長帯域毎の画像データを、その透過波長帯域に応じて補正し、マルチプレーン加算合成する合成手段として機能させ
    前記記録制御手段は、前記合成手段により合成された単一の画像データを記録手段に記録することを特徴とする撮像装置制御プログラム。
  6. 前記合成手段による前記補正には、前記撮像手段に被写体像を結像させる光学系の透過率特性、前記フィルタ手段の透過率特性、前記撮像手段の撮影感度特性のいずれか少なくとも一つに基づく補正が含まれることを特徴とする請求項5記載の撮像装置制御プログラム。
  7. 前記分光制御手段は、前記透過波長帯域を複数段に変化させた際の駆動履歴を記憶手段に記憶する駆動履歴記憶制御手段と、
    前記記憶手段に記憶された前回の駆動量及び駆動方向に基づき、今回の駆動量及び駆動方向を補正する補正手段とを含み、
    この補正手段により補正された駆動量及び駆動方向に基づき、前記フィルタ手段に駆動信号を入力して、前記透過波長帯域を複数段に変化させることを特徴とする請求項5又は6記載の撮像装置制御プログラム。
  8. 前記分光制御手段は、温度を検出する温度検出手段と、
    この温度検出手段により検出された温度に基づき、今回の駆動量及び駆動方向を補正する補正手段とを含み、
    この補正手段により補正された駆動量及び駆動方向に基づき、前記フィルタ手段に駆動信号を入力して、前記透過波長帯域を複数段に変化させることを特徴とする請求項5又は6記載の撮像装置制御プログラム。
  9. 入力される駆動信号に応じて、被写体光の透過波長帯域を変化させるフィルタ手段と、このフィルタ手段の後方に配置された単一の撮像手段とを備える撮像装置の制御方法であって、
    前記フィルタ手段に駆動信号を入力して、前記透過波長帯域を複数段に変化させる分光制御ステップと、
    前記フィルタ手段が透過波長帯域を変化させる毎に前記単一の撮像手段を動作させる撮像制御ステップと、
    前記単一の撮像手段により撮像された複数の画像データを記録手段に記録する記録制御ステップと
    前記単一の撮像手段により撮像された前記複数の透過波長帯域毎の画像データを、その透過波長帯域に応じて補正し、マルチプレーン加算合成する合成ステップとを含み、
    前記記録制御ステップは、前記合成ステップにより合成された単一の画像データを記録手段に記録することを特徴とする撮像装置制御方法。
  10. 前記合成ステップによる前記補正には、前記撮像手段に被写体像を結像させる光学系の透過率特性、前記フィルタ手段の透過率特性、前記撮像手段の撮影感度特性のいずれか少なくとも一つに基づく補正が含まれることを特徴とする請求項9記載の撮像装置制御方法。
  11. 前記分光制御ステップは、前記透過波長帯域を複数段に変化させた際の駆動履歴を記憶手段に記憶する駆動履歴記憶制御ステップと、
    前記記憶手段に記憶された前回の駆動量及び駆動方向に基づき、今回の駆動量及び駆動方向を補正する補正ステップとを含み、
    この補正ステップにより補正された駆動量及び駆動方向に基づき、前記フィルタ手段に駆動信号を入力して、前記透過波長帯域を複数段に変化させることを特徴とする請求項9又は10記載の撮像装置制御方法。
  12. 前記分光制御ステップは、温度を検出する温度検出ステップと、
    この温度検出ステップにより検出された温度に基づき、今回の駆動量及び駆動方向を補正する補正ステップとを含み、
    この補正ステップにより補正された駆動量及び駆動方向に基づき、前記フィルタ手段に駆動信号を入力して、前記透過波長帯域を複数段に変化させることを特徴とする請求項9又は10記載の撮像装置制御方法。
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