JP5080729B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子、特に有機電界発光素子(EL素子)に関する。
今日、種々の表示素子に関する研究開発が活発であり、中でも有機電界発光(EL)素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。有機EL素子の重要な特性として耐久性があり、有機EL素子の耐久性を向上させる試みが検討されている。耐久性を改良する手段としては、CuPc(銅フタロシアニン)を正孔注入層に用いた発光素子が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)が、量子効率が低く、さらなる改良が求められていた。
一方、近年の有機EL素子開発においては、外部量子効率向上の研究が種々行われており、中でも、トリスフェニルピリジンイリジウム錯体(例えば、特許文献2参照。)、及び、オクタエチルポルフィリン白金錯体などの白金錯体(例えば、特許文献3、4参照。)などのりん光発光材料を含有する素子が高い効率を達し、着目されている。
しかしながら、これらのりん光材料を含有する素子は耐久性の点で満足のいくものではなく、さらなる改良が求められていた。また、従来の白金錯体(例えば、特許文献3、4参照。)は、発光色が橙〜赤色に限られており、フルカラー、及び、マルチカラーディスプレイ用途に必要な青〜緑色の短波長の発光が得られない問題点があった。
さらに、では、三座配位子の金属錯体系りん光材料について報告されている(例えば、特許文献5、6、7および非特許文献2、3)が、耐久性は十分満足の行くものではなかった。
また最近、6座のイリジウム錯体系りん光材料、6座のアルミニウム錯体系ホスト材料に関し開示された(特許文献8)が、その素子耐久性はいまだ満足のいくものではない。
特開昭57−51781号公報 国際公開第00/070655号パンフレット 米国特許第6,303,238B1号明細書 米国特許第6,653,564B1号明細書 国際公開第04/039781号パンフレット 国際公開第04/039914号パンフレット 特開2002−363552号公報 国際公開第04/081017号パンフレット 「アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)」,15,69,(1996) 「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Journal of The American Chemical Society), 2004年,126巻, 4958−4971頁. 「ジャーナル・オブ・ジ・ケミカル・ソサイエティー・ダルトン・トランザクションズ(Journal of the Chemical Society, Dalton Transactions)」, 2002年, 3234−3240頁.
本発明の目的は、発光特性、耐久性が良好な発光素子の提供にある。
上記課題は下記手段によって達成された。
<1>一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、下記一般式(3−A)で表される5座以上の配位子を有する金属錯体の少なくとも1種を有機層に含有することを特徴とする有機電界発光素子。


(一般式(3−A)中、M3で表される金属イオンはイリジウムイオンを表し、L31 、L 33 、L 35 それぞれ独立にピリジン配位子を表し、L 32 、L 34 、L 36 はそれぞれ独立にベンゼン配位子からなる基を表し、Y31は、アルキレン基及び酸素原子連結基の組み合わせからなる連結基を表し、Y32、Y33、Y34、Y35は単結合を表す。)
<2>前記金属錯体がりん光を発光する金属錯体であり、かつ該金属錯体を発光層に含有することを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子。
本発明によれば、高効率発光可能であり、耐久性にも優れる発光素子を提供することができる。
本発明の有機電界発光素子は、一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機層を有し、後述の一般式(3−A)で表される5座以上の配位子を有する金属錯体の少なくとも1種を有機層に含有することを特徴とする。
該一対の電極間の有機層に5座以上に多座化された金属錯体を含有することにより、電荷に対する安定性が向上し、駆動耐久性が従来の化合物に対して著しく向上する効果がある。また、発光の量子収率、励起状態での安定性も向上し、発光材料として用いた場合には、発光効率の向上と耐久性の向上の効果を奏することができる。
以下に本発明における5座以上の配位子を有する金属錯体(以下、「本発明の錯体」という)について、その構造等について詳細に説明する。
本発明の金属錯体の金属イオンは特に限定されないが、1価ないし4価の金属イオンが好ましく、1価ないし3価の金属イオンがより好ましく、2価または3価の金属イオンが更に好ましい。
金属イオンの具体例としては、アルミニウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、ガリウムイオン、ルテニウムイオン、ロジウムイオン、パラジウムイオン、銀イオン、セリウムイオン、ユーロピウムイオン、タングステンイオン、レニウムイオン、オスミウムイオン、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、鉛イオン、亜鉛イオンなどが挙げられる。
本発明の錯体を電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)材料、電荷ブロッキング層(正孔ブロッキング層、電子ブロッキング層)材料、励起子ブロッキング層材料、及び発光層のホスト材料として用いる場合、金属イオンとしては、アルミニウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、ガリウムイオン、ルテニウムイオン、ロジウムイオン、パラジウムイオン、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、鉛イオンが好ましく、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、ロジウムイオン、パラジウムイオン、イリジウムイオン、白金イオン、金イオンがより好ましく、イリジウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオンが更に好ましい。
本発明の錯体を発光材料として用いる場合、金属イオンとして好ましくは、白金イオン、金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、タングステンイオン、銅イオンであり、より好ましくは白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオンであり、更に好ましくは白金イオン、イリジウムイオンであり、特に好ましくはイリジウムイオンである。
前記金属イオンに配位する部分の原子としては特に限定はないが、好ましくは酸素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子、りん原子、ハロゲン原子であり、より好ましくは酸素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子、りん原子、塩素原子であり、更に好ましくは酸素原子、窒素原子、炭素原子、りん原子であり、特に好ましくは酸素原子、窒素原子、炭素原子である。
前記配位子の配位基の構造としては特に限定はないが、例えば芳香族炭化水素環配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、更に好ましくは炭素数6〜16であり、例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントラセン配位子などが挙げられる。)、ヘテロ環配位子((好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、更に好ましくは炭素数1〜12であり、特に好ましくは芳香族ヘテロ環配位子である。好ましいヘテロ環配位子の具体例としては、例えばフラン配位子、チオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えばインドール配位子、キノリン配位子、イソキノリン配位子、キノキサリン配位子、プリン配位子、カルバゾール配位子、フェナントロリン配位子、ベンゾチアゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)およびこれらの互変異性体)などが挙げられる。これらのヘテロ環配位子はヘテロ環内のヘテロ原子または炭素原子のいずれで金属イオンに配位しても良い。)、
アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ配位子(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、
カルボキシラト配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルボキシラト、メチルカルボキシラト、フェニルカルボキシラト、ナフチルカルボキシラト、ピリジンカルボキラト、キノリンカルボキシラトなどが挙げられる。)、エーテル配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばジアルキルエーテル配位子(ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなど)、ジアリールエーテル配位子(例えばジフェニルエーテルなど)、フリル配位子などが挙げられる。)、
アミノ配位子(アルキルアミノ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどが挙げられる。)、アリールアミノ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜10であり、例えばフェニルアミノなどが挙げられる。)、ヘテロ環アミノ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリ
ジルアミノ、ピラジルアミノ、ピリミジルアミノ、キノリルアミノ、イソキノリルアミノ、キノキサリルアミノ、カルバゾリルアミノ、チエニルアミノ、フリルアミノ、チアゾリルアミノ、オキサゾリルアミノ、ピラゾリルアミノ、トリアゾリルアミノなどが挙げられる。)、アシルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシ
カルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ、ペンタフルオロベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。))、
カルボニル配位子(例えばケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子など)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば2−ピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル配位子(例えばチオケトン配位子、チオエステル配位子などが挙げられる。)、チオエーテル配位子(例えばジアルキルチオエーテル配位子、ジアリールチオエーテル配位子、チオフリル配位子などが挙げられる。)、及び上記の組み合せからなる基などが挙げられる。
配位基として好ましくは、芳香族炭化水素環配位子、芳香族へテロ環配位子(例えばフラン配位子、チオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、及び、それらを含む縮環配位子(例えば、キノリン配位子、イソキノリン配位子、フェナントロリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体など)、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、エーテル配位子、アルキルチオ配位子、アリールチオ配位子、アルキルアミノ配位子、アリールアミノ配位子、アシルアミノ配位子、カルボキシラト配位子、及び、これらの組み合せからなる配位子であり、より好ましくは、芳香族炭素環配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、チオフェン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、キノリン配位子、イソキノリン配位子、ベンズイミダゾール配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、エーテル配位子、アルキルチオ配位子、アリールチオ配位子、アルキルアミノ配位子、アリールアミノ配位子、アシルアミノ配位子、カルボキシラト配位子、及び、これらの組み合せからなる基であり、更に好ましくは芳香族炭素環配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、キノリン配位子、イソキノリン配位子、ベンズイミダゾール配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、アルキルアミノ配位子、アリールアミノ配位子、アシルアミノ配位子、カルボキシラト配位子、及びこれらの組み合せからなる基である。
上記の配位子は可能な場合には置換基を有してもよい。置換基としては下記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
<置換基群A>アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば
フェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、
例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。
)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、ト
リフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)
置換基を有する場合、これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基同士で連結して環を形成してもよい。
本発明の錯体として好ましくは一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)および(7)で表される化合物である。
(一般式(1)中、M1は金属イオンを表す。L11、L12、L13、L14、L15、L16およびL17はそれぞれ独立にM1に配位する配位基を表す。Y11、Y12、Y13、Y14およびY15はそれぞれは独立に単結合または連結基を表す。n11は0または1を表す。n12は0〜4の整数を表す。)
(一般式(2)中、M2は金属イオンを表す。L21、L22、L23、L24、L25、L26およびL27はそれぞれ独立にM2に配位する配位基を表す。Y21、Y22、Y23およびY24はそれぞれは独立に単結合または連結基を表す。n21は0または1を表す。n22は0〜4の整数を表す。)
一般式(3)中、M3は金属イオンを表す。L31、L32、L33、L34、L35、L36およびL37はそれぞれ独立にM3に配位する配位基を表す。Y31、Y32、Y33、Y34およびY35はそれぞれは独立に単結合または連結基を表す。n31は0または1を表す。n32は0〜4の整数を表す。
(一般式(4)中、M4は金属イオンを表す。L41、L42、L43、L44、L45、L46およびL47はそれぞれ独立にM4に配位する配位基を表す。Y41、Y42およびY43はそれぞれ独立に単結合または連結基を表す。n41、n42はそれぞれ独立に0または1を表すが、n41とn42の少なくともいずれか一方は1を表す。n43は0〜4の整数を表す。)
(一般式(5)中、M5は金属イオンを表す。L51、L52、L53、L54、L55、L56およびL57はそれぞれ独立にM5に配位する配位基を表す。Y51、Y52およびY53はそれぞれ独立に単結合または連結基を表す。n51、n52はそれぞれ独立に0または1を表すが、n51とn52の少なくともいずれか一方は1を表す。n53は0〜4の整数を表す。)
(一般式(6)中、M6は金属イオンを表す。L61、L62、L63、L64、L65、L66およびL67はそれぞれ独立にM6に配位する配位基を表す。Y61、Y62およびY63はそれぞれ独立に単結合または連結基を表す。n61は0または1を表す。n62は0〜4の整数を表す。)
(一般式(7)中、M7は金属イオンを表す。L71、L72、L73、L74、L75、L76およびL77はそれぞれ独立にM7に配位する配位基を表す。Y71、Y72およびY73はそれぞれ独立に単結合または連結基を表す。n71、n72はそれぞれ独立に0または1を表すが、n71とn72の少なくともいずれか一方は1を表す。n73は0〜4の整数を表す。)
次に、一般式(1)で表される化合物について詳細に説明する。
1で表される金属イオンは、前述の本発明の錯体の金属イオンと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
11、L12、L13、L14、L15、L16およびL17で表される配位基は、前述の本発明の錯体の配位基と同義である。L11、L12、L13、L14、L15、L16、L17は可能な場合には、それぞれ他のL11、L12、L13、L14、L15、L16、L17やY11、Y12、Y13、Y14、Y15と相互に連結してもよい。
11、Y12、Y13、Y14およびY15で表される連結基としては特に限定されないが、例えばアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロ環連結基、酸素原子連結基、硫黄原子連結基、ケイ素原子連結基、イミノ連結基、カルボニル連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
11、Y12、Y13、Y14、Y15として好ましくは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロ環連結基、イミノ連結基、酸素原子連結基、硫黄原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基であり、更に好ましくは単結合、アルキレン基、含窒素芳香族ヘテロ環連結基、イミノ連結基、酸素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基である。
11、Y12、Y13、Y14、Y15で表される連結基の具体例を以下に示す。
11は0または1を表し、好ましくは1である。n12は0〜4の整数を表し、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。n12が2〜4の整数の場合、複数のL17は同一または互いに異なっても良い。また複数のL17同士が連結して二座以上の多座配位子となっていてもよい。
一般式(1)で表される化合物のうち、好ましくは下記一般式(1−A)で表される化合物であり、より好ましくは下記一般式(1−B)で表される化合物である。
一般式(1−A)中、M1、L11、L12、L13、L14、L15、L16、Y11、Y12、Y13、Y14、Y15は、それぞれ一般式(1)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(1−B)中、M1、L12、L13、L15、L16、Y11、Y12、Y13、Y14、Y15は、それぞれ一般式(1)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
次に、一般式(3)で表される化合物について詳細に説明する。
3で表される金属イオンは、前述の本発明の錯体の金属イオンと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
31、L32、L33、L34、L35、L36およびL37で表される配位基は、前述の本発明の錯体の配位基と同義である。L31、L32、L33、L34、L35、L36、L37は可能な場合には、それぞれ他のL31、L32、L33、L34、L35、L36、L37やY31、Y32、Y33、Y34、Y35と相互に連結してもよい。
31、Y32、Y33、Y34およびY35で表される連結基としては特に限定されないが、例えば一般式(1)におけるY11〜Y15で挙げたものが適用できる。
31は0または1を表し、好ましくは1である。n32は0〜4の整数を表し、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。n32が2〜4の整数の場合、複数のL37は同一または互いに異なっても良い。また複数のL37同士が連結して二座以上の多座配位子となっていてもよい。
一般式(3)で表される化合物のうち、好ましくは下記一般式(3−A)で表される化合物である。
本発明においては、下記一般式(3−A)で表される5座以上の配位子を有する金属錯体の少なくとも1種を有機層に含有する。
(一般式(3−A)中、M3、L31、L32、L33、L34、L35、L36、Y31、Y32、Y33、Y34、Y35は、それぞれ一般式(3)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(3−A)中、M3で表される金属イオンはイリジウムイオンを表し、L31 、L 33 、L 35 それぞれ独立にピリジン配位子を表し、L 32 、L 34 、L 36 はそれぞれ独立にベンゼン配位子からなる基を表し、Y31は、アルキレン基及び酸素原子連結基の組み合わせからなる連結基を表し、Y32、Y33、Y34、Y35は単結合を表す。)
次に、一般式(4)で表される化合物について詳細に説明する。
4で表される金属イオンは、前述の本発明の錯体の金属イオンと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
41、L42、L43、L44、L45、L46およびL47で表される配位基は、前述の本発明の錯体の配位基と同義であり、また好ましい範囲も同様である。L41、L42、L43、L44、L45、L46およびL47は可能な場合には、それぞれ他のL41、L42、L43、L44、L45、L46およびL47やY41、Y42、Y43と相互に連結してもよい。
41、n42はそれぞれ独立に0または1を表すが、n41とn42の少なくともいずれか一方は1を表す。n41として好ましくは1であり、n42として好ましくは1である。n43は0〜4の整数を表し、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。n43が2〜4の整数の場合、複数のL47は同一または互いに異なっても良い。また複数のL47同士が連結して二座以上の多座配位子となっていてもよい。
次に、一般式(5)で表される化合物について詳細に説明する。
5で表される金属イオンは、前述の本発明の錯体の金属イオンと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
51、L52、L53、L54、L55、L56およびL57で表される配位基は、前述の本発明の錯体の配位基と同義であり、また好ましい範囲も同様である。L51、L52、L53、L54、L55、L56およびL57は可能な場合には、それぞれ他のL51、L52、L53、L54、L55、L56およびL57やY51、Y52、Y53と相互に連結してもよい。
51、n52はそれぞれ独立に0または1を表すが、n51とn52の少なくともいずれか一方は1を表す。n51として好ましくは1であり、n52として好ましくは1である。n53は0〜4の整数を表し、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。n53が2〜4の整数の場合、複数のL57は同一または互いに異なっても良い。また複数のL57同士が連結して二座以上の多座配位子となっていてもよい。
次に、一般式(6)で表される化合物について詳細に説明する。
6で表される金属イオンは、前述の本発明の錯体の金属イオンと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
61、L62、L63、L64、L65、L66およびL67で表される配位基は、前述の本発明の錯体の配位基と同義であり、また好ましい範囲も同様である。L61、L62、L63、L64、L65、L66およびL67は可能な場合には、それぞれ他のL61、L62、L63、L64、L65、L66およびL67やY61、Y62、Y63と相互に連結してもよい。
61は0または1を表し、n61として好ましくは1である。n62は0〜4の整数を表し、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。n62が2〜4の整数の場合、複数のL67は同一または互いに異なっても良い。また複数のL67同士が連結して二座以上の多座配位子となっていてもよい。
次に、一般式(7)で表される化合物について詳細に説明する。
7で表される金属イオンは、前述の本発明の錯体の金属イオンと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
71、L72、L73、L74、L75、L76およびL77で表される配位基は、前述の本発明の錯体の配位基と同義であり、また好ましい範囲も同様である。L71、L72、L73、L74、L75、L76およびL77は可能な場合には、それぞれ他のL71、L72、L73、L74、L75、L76およびL77やY71、Y72、Y73と相互に連結してもよい。
71、n72はそれぞれ独立に0または1を表すが、n71とn72の少なくともいずれか一方は1を表す。n71として好ましくは1であり、n72として好ましくは1である。n73は0〜4の整数を表し、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。n73が2〜4の整数の場合、複数のL77は同一または互いに異なっても良い。また複数のL77同士が連結して二座以上の多座配位子となっていてもよい。
次に、一般式(2)で表される化合物について詳細に説明する。
2で表される金属イオンは、前述の本発明の錯体の金属イオンと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
21、L22、L23、L24、L25、L26およびL27で表される配位基は、前述の本発明の錯体の配位基と同義であり、また好ましい範囲も同様である。L21、L22、L23、L24、L25、L26、L27は可能な場合には、それぞれ他のL21、L22、L23、L24、L25、L26、L27やY21、Y22、Y23、Y24と相互に連結してもよい。
21、Y22、Y23およびY24で表される連結基としては特に限定されないが、例えば一般式(1)におけるY11〜Y15で挙げたものが適用できる。
21は0または1を表し、好ましくは1である。n22は0〜4の整数を表し、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。n22が2〜4の整数の場合、複数のL27は同一または互いに異なっても良い。また複数のL27同士が連結して二座以上の多座配位子となっていてもよい。
一般式(2)で表される化合物のうち、好ましくは下記一般式(2−A)で表される化合物である。
一般式(2−A)中、M2、L21、L22、L23、L24、L25、L26、Y21、Y22、Y23、Y24は、それぞれ一般式(2)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(2−A)で表される化合物のうち、好ましくは下記一般式(2−1)〜一般式(2−13)で表される化合物である。
(一般式(2−1)〜一般式(2−13)中、M2は金属イオンを表す。Y21、Y23およびY24は、それぞれ独立に単結合または連結基を表す。L23、L24、L25およびL26はそれぞれ独立にM2に配位する配位基を表す。Aは、CRA、NまたはPを表し、RAは水素原子または置換基を表す。ZはNまたはPを表す。XはO、S、NRN1を表し、RN1は水素原子または置換基を表す。nxは0または1を表す。QはO、S、Se、NRN2、CRC1C2を表し、RN2は、置換基を表す。RC1、RC2はそれぞれ独立に置換基を表す。GはOまたはSを表す。)
次に、一般式(2−1)〜(2−13)について詳細に説明する。
2、Y21、Y23、Y24、L23、L24、L25およびL26は一般式(2)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
Aは、CRA、NまたはPを表す。RAは水素原子または置換基を表し、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、フッ素原子、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基である。Aとして好ましくはCRA、Nであり、さらに好ましくはCRAである。
ZはNまたはPを表し、好ましくはNである。
XはO、S、NRN1を表す。RN1は水素原子または置換基を表す。RN1で表される置換基としては、下記置換基群Bとして挙げたものが適用できる。
<置換基群B>アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)
N1で表される置換基として好ましくはアルキル基、スルホニル基である。Xとして好ましくは酸素原子、硫黄原子である。
xは0または1を表す。M2が白金イオン、金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオンを表す場合、nxは好ましくは0であり、M2がアルミニウムイオン、ガリウムイオンを表す場合、nxは好ましくは1である。
GはOまたはSを表す。Gとして好ましくはOである。
QはO、S、Se、NRN2、CRC1C2を表す。RN2としては、前記置換基群Bとして挙げたものが適用できる。RN2で表される置換基として好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基である。RC1、RC2としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。RC1、RC2として好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基である。Qとして好ましくはO、S、NRN2、CRC1C2であり、より好ましくはO、S、NRN2であり、さらに好ましくはNRN2である。
本発明の錯体は5座以上の配位子を有するが、中でも、5座〜10座の配位子を有することが好ましく、5座〜8座がより好ましく、さらに好ましくは5座又は6座であり、6座が特に好ましい。上記5座〜10座の範囲で配位子を有する錯体とすることにより、錯安定度が高くなり、それによって駆動耐久性や経時保存性が良化する。また、リン光量子収率が高くなり、その結果発光効率も高くなる。更に、5座以上の配位子を有する錯体はリン光寿命が短くなる傾向があり、これにより高電流駆動時の輝度、効率が高くなる。また、リン光寿命が短くなることにより、不安定な励起子状態になっている時間が短くなるため、耐久性も向上する。
本発明の錯体は低分子化合物であっても良く、また、オリゴマー化合物、ポリマー化合物(重量平均分子量(ポリスチレン換算)は好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000〜1000000、さらに好ましくは3000〜100000である。)であっても良い。ポリマー化合物の場合、錯体部分がポリマー主鎖中に含まれても良く、また、ポリマー側鎖に含まれていても良い。また、ポリマー化合物の場合、ホモポリマー化合物であっても良く、共重合体であっても良い。本発明の錯体は低分子化合物が好ましい。
次に本発明の錯体の化合物例を示すが、本発明はこれに限定されない。
本発明の錯体は、「Journal of Chemical Society,5008,(1952)」に記載の方法等、また後述の合成手法等を用いることにより合成することができる。
例えば、配位子、またはその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、又は溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、もしくは、塩基非存在下、室温以下、もしくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
本発明の錯体を合成する際の反応時間は反応の活性により異なり、特に限定されないが、1分以上5日以下が好ましく、5分以上3日以下がより好ましく、10分以上1日以下がさらに好ましい。
本発明の錯体を合成する際の反応温度は反応の活性により異なり、特に限定されないが、0℃以上300℃以下が好ましく、5℃以上250℃以下がより好ましく、10℃以上200℃以下がさらに好ましい。
本発明の錯体は、目的とする錯体の部分構造を形成している配位子を金属化合物に対し、好ましくは0.1当量〜20当量、より好ましくは0.3当量〜10当量、さらに好ましくは0.5当量〜6当量加えて合成することができる。前記の金属化合物としては、金属ハロゲン化物(例えば、塩化白金等)、金属アセテート(例えば、酢酸パラジウム等)、金属アセチルアセトナート(例えば、ユーロピウムアセチルアセトナート等)、又はそれらの水和物などがあげられる。
次に、本発明の錯体の代表的な合成法について6座配位子の合成を例に説明する。
前記6座配位子(上記スキームにおける化合物14−17)は、異なる3座配位子を連結することにより合成できる。
例えば、ベンゼン環上に、連結部位を有する1,3−ビス−(2−ピリジル)ベンゼン誘導体(3)は、1,3−ジブロモベンゼン誘導体(1)と2−(トリアルキルスタニル)ピリジンを出発原料として、Stilleカップリング反応を行い、メチル基を脱保護する(Journal of Organic Chemistry,741,11,(1946)に記載の方法、ピリジン塩酸塩中で加熱する等の方法を用いる)ことにより合成できる。
ピリジン環上に連結部位を有する1,3−ビス(2−ピリジル)ベンゼン誘導体(8)は、3−ヒドロキシフェニルホウ酸を出発原料にして、2−ブロモピリジンと鈴木カップリング反応を行った後、塩基存在下、無水トリフルオロメタンスルホン酸と反応させ、水酸基をトリフラート(6)へ変換、ビスピナコールボランとカップリング反応(Journal of Organic Chemistry,60,7508(1995)に記載の方法)を行い、3−(2−ピリジル)フェニルホウ酸誘導体(7)を得た後、さらに2−ブロモ−3−ヒドロキシピリジンと鈴木カップリング反応を行うことにより、合成できる。
ベンゼン環上に連結部位を有する2,6−ビフェニルピリジン誘導体(11)は、2−フェニルピリジン(9)をジメチルアミノエタノール/n−ブチルリチウムを用いて、ピリジン環上のα位をリチオ化し、4臭化炭素と反応させ、2−ブロモ−6−フェニルピリジン(10)とした後、4−ヒドロキシフェニルホウ酸と鈴木カップリング反応を行うことによって合成できる。
置換基の種類、数、及び置換基の置換位置の異なる3座配位子は、上記の方法を用いることにより合成することができる。
6座配位子(14)は、3座配位子(11)とハロアルコール類(例えば、8−ブロモオクタノールなど)を塩基(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン等)存在下で、反応させ、化合物(12)とした後、水酸基を3臭化燐で、ブロモ化、3座配位子(3)とカップリング反応(塩基存在下でのエーテル結合導入反応)を行うことにより合成できる。
同様の方法で、対応した3座配位子を出発原料に用いることにより、3座配位子を2箇所で連結した6座配位子(15〜17)も合成することができる。
[発光素子]
次に、本発明の錯体を含有する発光素子に関して説明する。
本発明の発光素子は、陽極、陰極の一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を形成した素子であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等の有機化合物層や、保護層等を有していてもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。前記有機化合物層の少なくとも一層は、前記本発明の錯体を含有する。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
該本発明の錯体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の発光素子は、前記本発明の金属錯体を電荷輸送材料として用いることが好ましく、正孔注入層及び/又は正孔輸送層に含有する態様が好ましい。
正孔注入層及び/又は正孔輸送層に含有させることにより、駆動電圧低下、耐久性向上、
発光効率向上などの効果が発現し易くなる傾向となる。
また、電子注入層及び/又は電子輸送層に含有する態様も好ましい態様である。
電子注入層及び/又は電子輸送層に含有させることにより、駆動電圧低下、耐久性向上、発光効率向上などの効果が発現し易くなる傾向となる。
本発明の発光素子は、本発明の錯体を利用する素子である点以外は通常の発光システム、駆動方法、利用形態などを用いることができる。
前記本発明の錯体を発光材料または正孔注入材料・正孔輸送材料または電子注入材料・電子輸送材料として用いる態様が好ましい。発光材料として用いる場合は、発光波長は特に限定はなく、紫外発光であっても赤外発光であっても良く、また蛍光発光であってもりん光発光であっても良い。
本発明の発光素子は、種々の公知の手法により、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、基板表面形状を加工する(例えば微細な凹凸パターンを形成する)、基板・ITO層・有機層の屈折率を制御する、基板・ITO層・有機層の膜厚を制御すること等により、光の取り出し効率を向上させ、外部量子効率を向上させることが可能である。
本発明の発光素子の外部量子効率としては、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、13%以上がさらに好ましい。
外部量子効率の数値は20℃で素子を駆動したときの外部量子効率の最大値、もしくは、20℃で素子を駆動した時の100〜300cd/m2付近(好ましくは200〜300cd/m2)での外部量子効率の値を用いることができる。
本発明における外部量子効率の数値は、20℃で素子を駆動したときの外部量子効率の最大値をその値とした。
本発明においては、東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧をEL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社製輝度計BM−8を用いて測定し、200cd/m2における外部量子効率が算出できる。
具体的には、素子の外部量子効率は、発光輝度、発光スペクトル、電流密度を測定し、その結果と比視感度曲線から算出する。すなわち、電流密度値を用い、入力した電子数を算出することができる。そして、発光スペクトルと比視感度曲線(スペクトル)を用いた積分計算により、発光輝度を発光したフォトン数に換算した。これらから外部量子効率(%)は、「(発光したフォトン数/素子に入力した電子数)×100」で計算する。
該発光スペクトルは、浜松ホトニクス社製のマルチ・チャンネル・アナライザーPMA−11を用いて測定することができる。
本発明の発光素子の発光スペクトルの発光極大波長は、450nmより短波であることが高色純度の青色りん光発光素子を得る観点から好ましく、410nm〜450nmがより好ましい。
また、本発明の発光素子の内部量子効率としては、30%以上が好ましく、50%以上がさらに好ましく、70%以上がさらに好ましい。素子の内部量子効率は「内部量子効率=外部量子効率/光取り出し効率」で算出される。
通常の有機EL素子では光取り出し効率は約20%であるが、基板の形状、電極の形状、有機層の膜厚、無機層の膜厚、有機層の屈折率、無機層の屈折率等を工夫することにより、光取り出し効率を20%以上にすることが可能で有る。
本発明の発光素子は、陽極側から発光を取り出す、いわゆる、トップエミッション方式(特開2003−208109号公報,2003−248441号公報,2003−257651号公報,2003−282261号公報などに記載)であっても良い。
また、本発明の発光素子の駆動耐久性は、例えば、東洋テクニカ製ソースメジャーユニット2400型等を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8を用いて測定して、該初期輝度が半減するまでの時間(輝度半減時間)を測定することにより評価することができる。
本発明の有機電界発光素子は、青色蛍光発光化合物を含有しても良いし、また、青色蛍光化合物を含有する青色発光素子と該青色発光素子以外の発光素子を同時に用いて、マルチカラー発光デバイス、フルカラー発光デバイスを作製しても良い。
本発明の発光素子は、ホスト材料を用いることができるが、該ホスト材料は発光層に含有することが好ましい。
ホスト材料としては、本発明の錯体の他、アリールアミン誘導体(トリフェニルアミン誘導体、ベンジジン誘導体など)、芳香族炭化水素化合物(トリフェニルベンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、フェナンスレン誘導体、ナフタレン誘導体、テトラフェニレン誘導体など)、芳香族含窒素ヘテロ環化合物(ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、ピラゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピロール誘導体など)、本発明の錯体以外の金属錯体(亜鉛錯体、アルミニウム錯体、ガリウム錯体など)が挙げられる。
本発明の発光素子は、陰極と発光層の間にイオン化ポテンシャル5.9eV以上(より好ましくは6.0eV以上)の化合物を含有する層を用いるのが好ましく、イオン化ポテンシャル5.9eV以上の電子輸送層を用いるのがより好ましい。
本発明の化合物を含有する発光素子の有機層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スプレーコート法、ディップコート法、含浸法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、スピンコート法、フローコート法、バーコート法、マイクログラビアコート法、エアードクターコート、ブレードコート法、スクイズコート法、トランスファーロールコート法、キスコート法、キャストコート法、エクストルージョンコート法、ワイヤーバーコート法、スクリ
ーンコート法等)、インクジェット法、印刷法、転写法などの方法が用いられ、特性面、製造面で抵抗加熱蒸着、コーティング法、転写法が好ましい。上記のいずれかの形成方法によって基板上に本発明の錯体を含有する有機化合物層を形成するが、その厚さは特に制限するものではない。好ましくは10nm以上、より好ましくは50nm〜5μmである。
<基材>
本発明の発光素子で用いられる基材は、特に限定されないが、ジルコニア安定化イットリウム、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、テフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン−ポリエチレン共重合体等の高分子量材料であっても良い。
<陽極>
陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。
陽極材料の具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ
(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
陽極は通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。
陽極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。
陽極は洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。
<陰極>
陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の材料としては金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K等)及びそのフッ化物または酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物または酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金またはそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属等である。陰極は、上記化合物及び混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及び混合物を含む積層構造を取ることもできる。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/酸化リチウムの積層構造が好ましい。陰極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜1μmである。
陰極の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法、転写法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
<有機化合物層>
本発明の発光素子の有機化合物層は、前記5座以上の配位子を有する金属錯体を少なくとも含有するが、一層中に含有しても、また複数層に含有してもよい。
該有機化合物層中の該金属錯体の含有量としては、特に限定されるものではないが、駆動電圧低下、耐久性向上、発光効率向上の観点から、全固形分質量に対して、1〜100質量%であることが好ましく、10〜70質量%がより好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
(発光層)
発光層の材料は、電界印加時に陽極または正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができると共に陰極または電子注入層、電子輸送層から電子を注入することができる機能や、注入された電荷を移動させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成することができるものであれば何でもよく、本発明における5座以上の配位子を有する金属錯体のほか、その他の化合物として、例えばベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペリレン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノールの金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、イリジウムトリスフェニルピリジン錯体、及び、白金ポルフィリン錯体に代表される遷移金属錯体、及び、それらの誘導体等が挙げられる。
発光層は、前記5座以上の配位子を有する金属錯体を少なくとも1種と、他の発光性化合物を含有することが耐久性向上、発光効率の点で好ましい。該他の発光性化合物としては、前記その他の化合物、及び公知の発光性化合物を必要に応じて選択することができる。
該公知の発光性化合物としては、蛍光発光性化合物、りん光発光性化合物、前記ホスト材料等が挙げられ、発光効率の点から、りん光発光性化合物であることが好ましい。
前記りん光発光化合物としては、特に限定されないが、遷移金属錯体が好ましく、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、ルテニウム錯体、パラジウム錯体、ロジウム錯体、又は希土類錯体がより好ましく、イリジウム錯体、白金錯体がさらに好ましい。
また、特開2002−235076、特開2002−170684、特開2003−123982、特開2003−133074、US6303238 B1、US6097147、WO 00/57676、WO 00/70655、WO 01/08230、WO 01/39234 A2、WO 01/41512 A1、WO 02/02714 A2、WO 02/15645 A1、WO 02/44189 A1、特開2001−247859、特願2000−33561、特開2002−117978、EP 1211257、特開2002−26495、特開2002−234894、特開2001−247859、特開2001−298470、特開2002−173674、特開2002−203678、特開2002−203679、特願2003−157066等の特許文献に記載のりん光発光化合物も好適に用いることができる。
前記5座以上の配位子を有する金属錯体をホスト材料として用いる発光素子である場合には、前記本発明の金属錯体の最低励起三重項エネルギー準位(T 1 準位)は、65kcal/mol(272.35kJ/mol)以上、95kcal/mol(398.05J/mol)以下が好ましく、より好ましくは67kcal/mol(280.73kJ/mol)以上、95kcal/mol(398.05J/mol)以下であり、さらに好ましくは69kcal/mol(289.11kJ/mol)以上、95kcal/mol(398.05J/mol)以下であり、特に好ましくは71kcal/mol(297.49kJ/mol)以上、95kcal/mol(398.05J/mol)以下である。上記範囲とすることは、特に高発光効率、高輝度のりん光発光素子を得る観点から好ましく、さらに高色純度の青色りん光発光素子を得る観点から好ましい。
蛍光発光性化合物としては、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、縮合多環芳香族化合物(アントラセン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、ペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、およびこれらの誘導体などが挙げられる。
発光層における前記ホスト材料としては、一種であってもよいが、二種以上含有することが好ましい。
該ホスト材料が錯体であることが好ましく、該錯体としては、本発明の錯体の他、金属に配位する少なくとも1つの窒素原子または酸素原子または硫黄原子を有する配位子をもつ金属錯体が好ましい。金属錯体中の金属イオンは特に限定されないが、好ましくはベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、インジウムイオン、錫イオンであり、より好ましくはベリリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオンであり、更に好ましくはアルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオンである。
前記本発明の金属錯体がホスト材料であり、該金属錯体を発光層に含有する発光素子の場合は、素子の発光効率、耐久性の観点から、発光材料は四座配位子の白金錯体であることが好ましい。該四座配位子の白金錯体としては、国際公開第04/108857号パンフレットに記載の白金錯体が挙げられる。
該金属錯体中に含まれる配位子としては種々の公知の配位子が有るが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer−Verlag社 H.Yersin著 1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」 裳華房社 山本明夫著 1982年発行 等に記載の配位子が挙げられる。
前記配位子として、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数3〜15であり、単座配位子であっても2座以上の配位子であっても良い。好ましくは2座配位子である。例えばピリジン配位子、ビピリジル配位子、キノリノール配位子、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子)などが挙げられる)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アル
キルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロアリールチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、シロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる)であり、より好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ基、シロキシ配位子であり、更に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、シロキシ配位子が挙げられる。
このような金属錯体としては、具体的には、例えば以下の材料を挙げることができる。
上記のほか、特開2002−305083号公報記載の例示化合物(H2〜H34)、特開2004−221062号公報記載の例示化合物(1−1)〜(1−67)、特開2004−221068号公報記載の例示化合物(H−1)〜(H−51)に記載の金属錯体も好適に用いることができる。
発光層中の前記5座以上の配位子を有する金属錯体の含有量としては、発光効率、耐久性の観点から、全固形分質量に対して、0.01〜50質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
発光層中のホスト材料の含有量は、駆動電圧、発光効率、耐久性 の観点から、全固形分質量に対して、10〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%がより好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。
発光層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
発光層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法、インクジェット法、印刷法、LB法、転写法などの方法が用いられ、好ましくは抵抗加熱蒸着、コーティング法である。
発光層は単一化合物で形成されても良いし、複数の化合物で形成されても良い。また、発光層は一つであっても複数であっても良く、それぞれの層が異なる発光色で発光して、例えば、白色を発光しても良い。単一の発光層から白色を発光しても良い。発光層が複数の場合は、それぞれの発光層は単一材料で形成されていても良いし、複数の化合物で形成されていても良い。
(正孔注入層、正孔輸送層)
正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、本発明の錯体の他、カルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン(膜)、本発明の一般式(1)で表される金属錯体、及び、それらの誘導体等が挙げられる。正孔注入層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5nmの範囲のものが好ましく、より好ましくは1nm〜100nmであり、更に好ましくは1nm〜10nmである。正孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送材料を溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法、インクジェット法、印刷法、転写法が用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解または分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
正孔注入層及び/又は正孔輸送層中の前記5座以上の配位子を有する金属錯体の含有量としては、駆動電圧、耐久性、発光効率の観点から、全固形分質量に対して、10〜80質量%であることが好ましく、20〜60質量%がより好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。
(電子注入層、電子輸送層)
電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、本発明の錯体の他、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノールの金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン等が挙げられる。電子注入層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送材料を溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法、インクジェット法、印刷法、転写法などが用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解または分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
電子注入層及び/又は電子輸送層中の前記5座以上の配位子を有する金属錯体の含有量としては、駆動電圧、耐久性、発光効率の観点から、全固形分質量に対して、10〜80質量%であることが好ましく、20〜60質量%がより好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。
<保護層>
保護層の材料としては水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、SiNx、SiOxyなどの窒化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
以下、本発明について実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[比較例1]
基材として厚みが0.7mmガラス板を2.5cm角に切断し、真空チャンバ−内に導入し、SnO2含有率が10重量%であるITOタ−ゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度100℃、酸素圧1×10-3Pa)により、透明電極としてのITO薄膜(厚み0.2μm)を形成した。ITO薄膜の表面抵抗は10Ω/□であった。
次に、前記透明電極を形成した基板を洗浄容器に入れ、IPA洗浄した後、これにUV−オゾン処理を30分行った。そして、該透明電極の表面に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸水分散物(BAYER社製、Baytron P:固形分1.3%)をスピンコートした後、150℃、2時間真空乾燥して厚みが100nmの正孔注入層を形成した。
次に正孔輸送材料兼ホスト材料としてのポリビニルカルバゾ−ル(Mw=63000、アルドリッチ製)とIr(ppy)3を40:1の重量比でジクロロエタンに溶解して塗布液を調製した。
この塗布液を真空ラインにより、脱酸素ガス処理を行った。脱酸素処理後は、窒素ガスで真空ライン全体を置換し保存した。
この脱酸素ガス処理をした塗布液をスピンコーターを用いて前記正孔注入層の上に塗布し、室温で乾燥させることにより厚みが50nmの発光層を形成した。
この発光層の上に、Balq2を0.5nm/秒の速度で10nm蒸着し、さらにこの上にAlq3化合物を0.5nm/秒の速度で30nm蒸着した。
さらにこの発光層上にパターニングしたマスク(発光面積が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でフッ化リチウムを0.1nm/秒の速度で1nm蒸着した後、アルミニウムを1.2nm/秒の速度で400nm蒸着して背面電極を形成した。
前記透明電極(陽極として機能する)及び前記背面電極より、それぞれアルミニウムのリ−ド線を結線し、積層構造体を形成した。
ここで得られた積層構造体を、窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れ、ガラス製の封止容器で紫外線硬化型接着剤(長瀬チバ製、XNR5493)を用いて封止した。
以上により、比較例1の有機電界発光素子を作製した。
該発光素子を用いて、以下の方法で評価した。
東洋テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8を用いて測定した。緑色の発光(519nm)が観測され、1000cd/m2時の外部量子効率(η1000)は6%であった。また初期輝度1000cd/m2で連続発光させ、輝度が500cd/m2となるまでの時間(輝度半減時間)を測定した結果、約60時間であった。
[比較例2]
比較例1における発光層中のIr(ppy)3を下記錯体R−1(三座配位子+三座配位子)に変更した以外は比較例1と同様にして発光素子を作製し、比較例1と同じ方法で評価した。緑色の発光が観測され、1000cd/m2時の外部量子効率(η1000)は6%であった。また初期輝度1000cd/m2で連続発光させ、輝度が500cd/m2となるまでの時間(輝度半減時間)を測定した結果、約80時間であった。
[実施例1]
比較例1における発光層中のIr(ppy)3を本発明の錯体K−9に変更した以外は、比較例1と同様にして実施例1の発光素子を作製し、比較例1と同じ方法で評価した。
緑色の発光(526nm)が観測され、1000cd/m2時の外部量子効率(η1000)は12%であった。また初期輝度1000cd/m2で連続発光させ、輝度が500cd/m2となるまでの時間(輝度半減時間)を測定した結果、約180時間であった。
参考例2]
比較例1における発光層中のIr(ppy)3 を錯体K−19に変更した以外は、比較例1と同様にして発光素子を作製し、比較例1と同じ方法で評価した。
青色の発光が観測され、1000cd/m2時の外部量子効率(η1000)は7%であった。また初期輝度1000cd/m2で連続発光させ、輝度が500cd/m2となるまでの時間(輝度半減時間)を測定した結果、約170時間であった。
参考例3]
比較例1における発光層中のIr(ppy)3を本発明の錯体K−43に変更した以外は、比較例1と同様にして発光素子を作製し、比較例1と同じ方法で評価した。
青色の発光が観測され、1000cd/m2時の外部量子効率(η1000)は5%であった。また初期輝度1000cd/m2で連続発光させ、輝度が500cd/m2となるまでの時間(輝度半減時間)を測定した結果、約200時間であった。
参考例4]
比較例1における発光層中のIr(ppy)3を本発明の錯体K−55に変更した以外は、比較例1と同様にして発光素子を作製し、比較例1と同じ方法で評価した。
青色の発光が観測され、1000cd/m2時の外部量子効率(η1000)は6%であった。また初期輝度1000cd/m2で連続発光させ、輝度が500cd/m2となるまでの時間(輝度半減時間)を測定した結果、約210時間であった。
参考例5]
比較例1における発光層中のIr(ppy)3を本発明の錯体K−331に変更した以外は、比較例1と同様にして発光素子を作製し、比較例1と同じ方法で評価した。
緑色の発光が観測され、1000cd/m2時の外部量子効率(η1000)は10%であった。また初期輝度1000cd/m2で連続発光させ、輝度が500cd/m2となるまでの時間(輝度半減時間)を測定した結果、約160時間であった。
参考例6]
比較例1における発光層中のIr(ppy)3を本発明の錯体K−366に変更した以外は、比較例1と同様にして発光素子を作製し、比較例1と同じ方法で評価した。
青色の発光が観測され、1000cd/m2時の外部量子効率(η1000)は11%であった。また初期輝度1000cd/m2で連続発光させ、輝度が500cd/m2となるまでの時間(輝度半減時間)を測定した結果、約180時間であった。
比較例1(二座配位子)および比較例2(三座配位子+三座配位子)に対して、実施例1、参考例2参考例6(5座以上の配位子)の発光素子は、発光効率および駆動耐久性の点で優れていることがわかる。
[比較例3]
比較例1と同様に洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、NPDを50nm蒸着し、この上にCBP及びIr(ppy)3を10:1の質量比で40nm蒸着し、さらにこの上にBalq2を10nm、さらにこの上にAlq3を30nm蒸着した。得られた有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなる)を設置し、フッ化リチウムを3nm蒸着した後アルミニウムを60nm蒸着して比較例3の有機EL素子を作製した。得られた有機EL素子に直流定電圧を印加したところ、緑色の発光(λmax=514nm)が観測され、外部量子効率は6.4%であった。
参考例7]
比較例3におけるNPDの代わりに、本発明の錯体K−31を用いた以外は比較例3と同様にして発光素子を作製した。比較例3と同様に評価したところ、緑色の発光(λmax=514nm)が観測され、外部量子効率は8%であった。また初期輝度1000cd/m2で連続発光させ、輝度が500cd/m2となるまでの時間(輝度半減時間)は比較例3の素子の3倍であった。
比較例3と参考例7の比較により、錯体を正孔輸送層に用いた素子は、発光効率および駆動耐久性の点で優れていることがわかる。
参考例8]
比較例3におけるCBPの代わりに、錯体K−127を用いた以外は比較例3と同様にして参考の発光素子を作製した。比較例3と同様に評価したところ、緑色の発光(λmax=511nm)が観測され、外部量子効率は11%であった。また初期輝度1000cd/m2で連続発光させ、輝度が500cd/m2となるまでの時間(輝度半減時間)は比較例3の素子の2倍であった。
比較例3と参考例8の比較により、錯体をホスト材料に用いた素子は、発光効率および駆動耐久性の点で優れていることがわかる。

Claims (2)

  1. 一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、下記一般式(3−A)で表される5座以上の配位子を有する金属錯体の少なくとも1種を有機層に含有することを特徴とする有機電界発光素子。

    (一般式(3−A)中、M3で表される金属イオンはイリジウムイオンを表し、L31 、L 33 、L 35 それぞれ独立にピリジン配位子を表し、L 32 、L 34 、L 36 はそれぞれ独立にベンゼン配位子からなる基を表し、Y31は、アルキレン基及び酸素原子連結基の組み合わせからなる連結基を表し、Y32、Y33、Y34、Y35は単結合を表す。)
  2. 前記金属錯体がりん光を発光する金属錯体であり、かつ該金属錯体を発光層に含有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
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