JP5078018B2 - 遠心抽出方法及び遠心抽出装置 - Google Patents

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本発明は、生化学物質の分離、環境汚染物質の除去、放射性廃棄物の処理、化学分析などの溶媒抽出に適用される遠心抽出方法及び遠心抽出装置に関する。
近年、生化学物質の分離、環境汚染物質の除去、放射性廃棄物の処理などに適用される新規な抽出剤の開発とともに、高機能抽出装置の開発が望まれており、また、化学分析の高度化、核燃料再処理、核種分離技術、生化学物質分離、新薬開発、希少金属リサイクル等において行われる抽出技術の高度化も要求されている。しかし、現状において、高機能抽出剤の開発が進められているものの、高価な抽出剤を少量で効率よく利用するための抽出方法の研究開発はほとんど行われていない。
これまで一般的に行われてきた抽出方法として、ミキサセトラ抽出装置等の遠心抽出装置内において並流(油相と水相の2相を同じ方向に流す)で油水を流すことによって行う方法がある。具体的には、油相と水相をミキサセトラ抽出装置内に流入し、装置内部に設けられた回転手段(例えば、プロペラ部)によって、油相と水相との間でエマルジョンを形成させ、そしてこのエマルジョンをセトリング部に移行させることにより、水と油を分離し、水相中に含まれていた有害物質等を油相に移行することによって抽出するというものである。
この抽出方法によれば、抽出平衡を短時間で達成でき、油水の滞留時間も短くすることができることから、原子力施設などで広く実用使用されている。しかし、この抽出方法では、油水の流れが並流であるため、一台の抽出装置で1段の抽出平衡を達成するだけであり、高度分離には抽出装置の多段化が必要になる。
また、マイクロリアクターを用いた抽出技術がある。このマイクロリアクターは主に化学合成等の技術分野において利用されているものであるが、現在、超小型のリアクターを用いて、分析化学分野や薬剤などの少量生産への利用が研究されている。マイクロリアクターを用いた油水抽出操作においては、狭い流路(100μm程度の幅)を並流操作で油水を流すことによって行われる。この抽出方法によれば、油水を効率的に狭い流路で接触させることが可能であることから、上述の抽出方法と比べてより効率的な抽出が期待できる。
また、これらの抽出技術とは異なり、向流操作によって抽出を行う方法として、例えば、米国ウィスコンシン大学のBairらによって開発された遠心抽出装置を利用した遠心抽出方法がある。この抽出方法は、内筒と外筒とからなる二重円管筒からなる遠心抽出装置を利用し、内筒と外筒の両方を回転させることによって行う抽出方法である。より具体的には、内筒と外筒の両方の回転数を制御して、二筒の隙間に油相と水相の2重テイラー渦列を形成させ、油水を分液した状態で向流に流すように制御するというものである。この抽出方法によれば、テイラー渦列を形成させて、油水を向流接触させるようにしているので、多段抽出を行うことが可能となり、並流操作によって行う抽出方法に比して、その抽出性能を向上させることが可能になる(例えば、特許文献1乃至3参照。)。
Baier, G., and M. D. Graham, "Two−Fluid Taylor−Couette Flow: Experiments and Linear Theory for Immiscible Liquids Between Corotating Cylinders," Phys.Fluids, 10, 3045 (1998) Baier, G., and M. D. Graham, "Two−Fluid Taylor−Couette Flow: Experiments and Linear Theory for Immiscible Liquids Between Corotating Cylinders with Countercurrent Axial Flow," Phys. Flnids,12, 294 (2000) Baier, G., M. D. Graham, and E. N. Lightfoot, "Mass Transport in a Novel Two−Fluid Taylor Vortex Extractor", AIChE J, 46, 2395 (2000) Y.Okada, K.Takeshita and Y.Usui,Proc. of International Workshop on Process Intensification in Fluid and Particle Engineering、66−67(2006)
しかしながら、これまでに数多くの研究者がマイクロ反応器を用いた液々抽出について検討を行ってきているものの、マイクロ反応器の微細流路(50μm〜数mm)に油相と水相を同時に安定に流すには、たとえ操作的に容易な並流操作であっても、流速等の操作条件と使用流体の物性(表面張力、粘度等)が厳しく制限されてしまう。
具体的には、低流速では有機相と水相間の表面張力差のために、また高流速では粘度差のために、安定した二相界面を形成させることができず、界面は振動し、分裂してしまい、二相流動の安定域は狭い範囲に限定される。ある研究者からは、油相にリン酸エステルとトルエンを用い、水相にはCuを含む硝酸水溶液を用いて従来型マイクロ抽出器(微細流路幅0.1mm、流路長3cm)でCu抽出実験を行ったが、1つの抽出器での段効率は0.2にも満たないとの結果が報告されている(平成15年第22回溶媒抽出討論会予稿集B-6)。したがって、高い段効率を達成するには、長い流路で安定した二相流れを達成しなければならないこととなる。
このように、マイクロリアクター等のマイクロ反応器を用いた抽出方法は、油水を効率的に狭い流路で接触させることが可能であるものの、油水流動が不安定であり、安定した流れの確保には流速などの操作条件と使用流体の物性が厳しく制限され、簡便かつ汎用的に利用可能な抽出方法とはいえない。さらに、この抽出方法は、基本的に油水の並流操作であることから1つのリアクターで1段の抽出平衡が達成できるのみであり、高度分離を行うには、マイクロリアクターを多数結合する必要があり、多数の送液ポンプを設置するために装置構成及び操作が大変に複雑となる。
また一方で、内筒と外筒の二重円筒管からなる遠心出装置において、二筒を回転させて二重のテイラー渦列を形成させる抽出方法では、向流接触を可能とし、多段抽出を実現することができるようになっているものの、分液状態で安定に油水を向流で流すための制御が極めて難しく、安定した抽出性能を維持することが大変困難となっており、実用的な遠心抽出方法とは言えない。
本発明は、このような事情に鑑みて提案されたものであり、連続相と分散相のとの間における向流接触を可能とし、高度な多段抽出を簡便かつ安定的に行うことが可能な遠心抽出方法及び遠心抽出装置を提供することを目的とする。
本件発明者らは、様々な観点から鋭意研究を重ねてきた結果、油水間においてエマルジョン状態を形成させ、このエマルジョン状態を維持したままテイラー・クエット流を形成させることによって、高度な多段抽出を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る遠心抽出方法は、連続相と分散相とを向流接触させる遠心抽出方法において、上記連続相と上記分散相との相の間で、エマルジョンを形成させるエマルジョン形成工程と、上記エマルジョン形成工程にて形成されたエマルジョンを維持させたまま、テイラー・クエット流を発生させるテイラー・クエット流発生工程とを有することを特徴としている。
また、本発明に係る遠心抽出装置は、連続相と分散相とを向流接触させる遠心分離装置において、外筒と、上記外筒の内側に間隙を設けて配置され、該間隙に接する表面が疎水性を有する素材によって構成された内筒と、上記内筒を回転させる回転駆動手段とを備え、上記内筒の間隙において、該内筒を回転させて上記連続相と上記分散相との二相の間でエマルジョンを形成させ、形成されたエマルジョンを維持させたまま、該エマルジョンを形成させた回転数よりも低い回転数で上記内筒を回転させてテイラー・クエット流を発生させることを特徴としている。
本発明によれば、エマルジョン状態を形成させ、このエマルジョン状態を維持したままでテイラー・クエット流を発生させるようにしているので、エマルジョンによる高い物質移動速度を維持しながら、高度な多段抽出を行うことが可能となる。
以下、本発明について、図面を参照にしながら詳細に説明する。
本実施の形態に係る抽出方法は、連続相と分散相との相の間において、エマルジョンを形成させるエマルジョン形成工程と、エマルジョン形成工程にて形成されたエマルジョン状態を維持させたまま、テイラー・クエット流を発生させるテイラー・クエット流発生工程とを有する。このように、本実施の形態に係る抽出方法は、抽出性能及び抽出剤利用効率の大幅向上を目的として、エマルジョンを利用し、そしてエマルジョン状態を維持させたまま、テイラー・クエット流において抽出を行っている。
図1は、本発明に係る遠心抽出方法に好適に使用される遠心抽出装置の一例を示すものである。この図1に示すように、本実施の形態に係る遠心抽出装置10は、外筒11と、内筒12と、内筒を回転させる回転駆動手段(図示せず)とから構成されている。なお、本実施の形態に係る遠心抽出方法を実行するための遠心抽出装置は、下記に詳細に説明する遠心抽出装置10に限られるものではなく、また装置の各構成の寸法や表面素材等は、その一例を示しており、下記に限定されるものではない。
外筒11は、円筒形状をなし、その表面素材は、樹脂、ガラス、金属鋼等、特に限定されないが、好ましくは、親水性の樹脂等の親水性材料であることが望ましい。例えば、アクリルアミド系重合体、メタクリルアミド系重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、セルロース等またはこれらの混合物等を用いることができる。また、例えば、金属鋼に上記の親水性樹脂をコーティングするようにしてもよい。なお、親水性の素材を用いることが好ましい点については、後述する。
内筒12は、外筒11と同心的な円筒形状をなし、外筒11との間に所定の間隙13を設けて、外筒11内に配置されている。内筒12の表面素材は、樹脂やガラス等、特に限定されないが、疎水性を有していることが好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロペン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、モリブデンジスルフィド、窒化ホウ素、酸化コバルト、グラファイト等、又はこれらの混合物等を用いることができる。なお、ここで詳細に説明する例においては、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン:登録商標)の表面を有した内筒が用いられているものとする。外筒11との間における間隙13は、特に限定されないが、例えば約5mm程度の隙間(空間)であり、この間隙13に連続相と分散相とが流入され、二相間において向流接触するようになっている。
回転駆動手段は、内筒12に設けられており、内筒の回転速度を制御可能に構成されている。この回転駆動手段は、例えば、動力を発生するモータ部と、このモータ部の動力を伝達する動力伝達部とを備えており、モータ部は、タイミングプーリやタイミングベルト等を介して、動力伝達部に動力を伝えるようになっている。この回転駆動手段は、内筒を1500rpm以上の高速で回転させることが可能となっており、また、回転制御部を備え、回転速度を600rpm未満、600rpm〜1200rpm、1200rpm以上と、適宜、所望とする回転速度に調整することが可能となっている。なお、この回転駆動手段の内部構成や動力伝達機構に関しては、上記に限られるものではない。
また、本実施の形態に係る遠心抽出装置10は、その装置上部に、連続相流入口14と、分散相流出口15とを備え、装置下部には、分散相流入口16と、連続相流出口17とを備えている。連続相流入口14からは、例えば重金属や環境汚染物質等の分離抽出したい物質を含んだ連続相が外筒11と内筒12との間に設けられた間隙13に流入され、一方、分散相流入口16からは、上記の重金属や環境汚染物質等の分離抽出したい物質を抽出するための抽出剤を含んだ分散相が間隙13に流入され、遠心抽出装置10の上部及び下部から流入された連続相と分散相とが、間隙13において向流接触されるように構成されている。そして、下記で詳細に説明する遠心抽出方法によって、分散相流出口15から、連続相に含有されていた重金属等の抽出対象物質を抽出剤によって分離抽出した分散相が流出され、その分散相が捕集される。一方、連続相流出口17からは、分散相との向流接触によって重金属等が除去された連続相が流出され、その連続相が捕集されるようになっている。なお、これらの分散相及び連続相の流入・流出は、各流入口14,16及び流出口15,17に設けられたポンプによって駆動されるようになっているが、ポンプ機構によって駆動されるものに限られるものではない。
より具体的に基本的な操作手順について説明すると、まず、外筒11と内筒12との二重円管筒からなる遠心抽出装置10の間隙13を連続相で満たし、回転駆動手段のモータを駆動させることによって円筒12を回転させる。内筒を回転し、その回転速度を徐々に上昇させていくと、間隙13に充填した水相の流れが層流から乱流への遷移域(テイラー・クエット流領域)に移行し、この遷移域の状態で遠心抽出装置10内の流れを保つことによって、内筒12の回転軸方向にテイラー渦が多段に並んだテイラー渦列が形成されるようになる。図2は、本実施の形態に係る遠心抽出装置10における、テイラー・クエット流状態におけるテイラー渦列が生成されている様子の概略的に示した図である。このテイラー渦列が形成されるのは、層流状態(内筒回転速度600rpm未満)からテイラー・クエット流状態(600〜1200rpm)へ徐々に内筒12の回転速度を上げていくことにより、回転している内筒12の表面にせん断力が生じるとともに、内筒12付近を回転する流体の遠心力の方が、外筒11付近を回転する流体の遠心力よりも大きくなることによって、ドーナツ状のテイラー渦が列をなしたテイラー渦列が形成される。本実施の形態に係る遠心抽出方法においては、上述のようにテイラー渦列が形成された状態で、遠心抽出装置10上部より連続相を、遠心抽出装置10下部より分散相を、それぞれ流入させ、二相を向流接触させる。
なお、図1中に記載の各構成部材の寸法等は、これに限定されるものではなく、適宜変更することができることは言うまでもない。
本件発明者らによる、これまでの研究では、二重円管筒からなる遠心抽出装置において、内筒の回転速度を増加させ、装置内に層流から乱流への遷移領域におけるテイラー・クエット流を発生させることによって、連続相(水相)と分散相(有機相)の液液(油水)向流操作において多段抽出が可能となり、抽出効率を向上させることが可能であることが明らかになっている(例えば、非特許文献4参照)。これは、内筒回転速度を上昇させることによって、遠心抽出装置の内筒表面のせん断応力が増加し、また有機相の装置内保持量(ホールドアップ)が増加することによるものと考えられる。より具体的には、旋回流を層流からテイラー・クエット流へ遷移させることよって、有機相が、回転している内筒表面によってせん断されて微粒化し、微粒化された有機相が内筒表面のテイラー渦の吸い込み位置に集められるとともに、旋回流を遷移させることによる流量の増加に伴って油相のホールドアップが増加することによって、抽出性能が向上したものと考えられる。
しかしながら、油水向流を安定した状態のまま運転させるには、連続相(水相)が乱流化せず、フラッディングを起こさない程度の内筒回転数で運転を制御する必要があり、性能の向上には限界がある。また、小型の装置を用いて、より高性能な抽出を可能にするためには、物質移動速度を上昇させる必要があり、テイラー・クエット流領域における抽出操作では、その物質移動速度に限界があり、そのままでは高度な分離抽出を実現することはできない。
内筒回転速度を上昇させ、装置内の流れを乱流化することにより、有機相と水相の相はエマルジョン状態に移行する。この状態においては、二相の接触面積が大きくなるとともに、高速回転によってエマルジョンが微粒化されて大きな物質移動速度が期待できることから、抽出効率を大幅に向上させることができるものの、乱流状態での運転となるため、内筒の軸方向の混合拡散が大きくなり、テイラー・クエット流領域下において実現された、きれいな向流接触を維持することができなくなる。すなわち、向流多段抽出操作に必要な装置内における目的物質の濃度勾配を形成させることができなくなり、高度な分離抽出を実現することができなくなる。
そこで、本実施の形態に係る遠心抽出方法においては、まず高回転数で連続相(水相)と分散相(有機相)との間にエマルジョンを形成させたのち、そのエマルジョン状態を維持させたまま、多段抽出を達成するために内筒回転数をテイラー・クエット流領域まで低下させるように制御する。これにより、エマルジョンの高い物質移動速度と二相の接触面積の増大を実現するとともに、テイラー・クエット流における安定した油水向流を同時に実現することが可能となり、従来のテイラー・クエット流領域での抽出方法に比べて大幅な抽出性能の向上を実現することが可能となる。
また、テイラー・クエット流領域での抽出であるため、内筒の軸方向における混合拡散を抑えることが可能となり、より栓流(Prug Flow)に近い流れをエマルジョン状態で発生させるようにしているため、油水向流によって効率的な多段抽出を行うことができる。以下、本実施の形態に係る遠心抽出方法について、上記の遠心抽出装置10を利用した例を用いて、さらに詳細に説明する。
本実施の形態に係る抽出方法は、連続相(水相)と分散相(有機相)との間において、エマルジョンを形成させる。具体的に説明すると、まず外筒11と内筒12とからなる二重円管筒の間隙13を水相で満たし、内筒12を回転させて水相の流れの状態を層流(600rpm未満の内筒回転速度)から乱流(1200rpm以上の内筒回転速度)への遷移域、すなわち、テイラー・クエット流に保つことによって、回転軸方向にテイラー渦列を形成させる。なお、内筒12の回転速度を600〜1200rpm程度にすることによって、テイラー・クエット流を発生させる。そして、この状態で装置上部の連続相流入口14より連続相を、下部の分散相流入口16より分散相を、それぞれ外筒11と内筒12との間の間隙13に流入させて二相を向流接触させる。
なお、ここで使用される分散相は、装置内において液滴状に分散するものであり、一方、連続相は、液滴状の分散相の周囲を取り囲む溶液であり、分散相と連続相とは、互いに混ざり合わない液体であることが必要となる。例えば、分散相または連続相のうちの一方が水相である場合には、他方は水に不溶な有機相(油相)であることが必要となる。なお、本実施の形態においては、上記したように、連続相を、抽出目的の重金属等が含有された水相とし、分散相を、抽出剤が含有された有機相(油相)とする例について説明する。
続いて、二相を向流接触させた状態において、内筒12の回転速度を上昇させていく。内筒12の回転速度を上昇させていくと、テイラー渦と内筒12表面のせん断応力の増加と共に、有機相のホールドアップが増加し、抽出性能が向上していく。すなわち、内筒12の回転速度の増加により、テイラー渦の吸い込みが起こる部位に有機相が蓄積されていき、そして、内筒12表面に複数の円環状の油相構造が形成され、高回転数においては内筒12の表面で大きなせん断力が働き、これにより有機相が細かく分散(微粒化)され、さらに有機相のホールドアップが増加していくことによって、抽出性能が向上していく。
そして、本実施の形態に係る遠心抽出方法では、さらに高度な分離抽出を可能にするために、内筒12の回転速度を上昇させていき、約1200rpm以上に内筒12の回転速度を上昇させていくことによって、装置内を乱流状態にする。このようにすることによって、油水相間においてエマルジョンが形成させていく。
このエマルジョン状態においては、水相と有機相(油相)の相の接触面積が大きくなり、また油水間の高い物質移動速度を実現することが可能となり、これによって、抽出性能を大幅に向上させることが可能になる。本実施の形態に係る遠心抽出方法は、このように、水相と有機相が流入された装置内を乱流化し、油水相間においてエマルジョンを形成させることによって、抽出性能の向上を図っている。
ここで、エマルジョンを形成させるために内筒12の回転速度を約1200rpm以上に上昇させて乱流化させたが、この乱流状態における運転では、徐々に内筒12の軸方向への混合拡散が大きくなっていき、完全混合に近い流れとなってしまうために、エマルジョン状態における高い物質移動速度は発揮させることができるものの、テイラー・クエット流領域下においてみられたテイラー渦列は形成されず、多段抽出に必要なきれいな目的物質の濃度勾配を得ることができなくなり、効果的に抽出操作を行うことができなくなってしまう。さらに、乱流状態における運転であるために、遠心抽出装置に対する機械的な負担も大きくなっていき、長時間に亘って運転させることが難しくなっていく。
そこで、本実施の形態に係る遠心抽出方法では、上述のようにして形成されたエマルジョン状態を維持させつつ、内筒12の回転数を低下させるように制御するようにしている。すなわち、乱流状態にしてエマルジョンを形成させた後、その形成したエマルジョン状態を維持させたまま、混合拡散を回避し、きれいな濃度勾配が得られるテイラー・クエット流領域まで、その内筒12の回転速度を低下させる制御を行うようにしている。具体的には、1200rpm以上の内筒回転速度を、600〜1200rpm未満の回転速度に、より好ましくは、600〜800rpmの回転速度に内筒12の回転速度を低下させるようにする。
このように、テイラー・クエット流領域においてエマルジョン状態を維持させたまま抽出させることによって、効果的な多段抽出を実現することができ、抽出剤の利用効率を大幅に向上させることが可能となる。また、少ない油相の量で高度な抽出性能を発揮させることが可能であることから、本実施の形態に係る遠心抽出方法に適用される抽出装置への機械的負担を大きく低減させることが可能となり、より小型の遠心抽出装置を作成することが可能となる。
しかし、テイラー・クエット流領域まで内筒回転速度を低下させる制御を行っているので、乱流状態において形成されたエマルジョンを、そのテイラー・クエット流領域下で、長い時間に亘って維持させることができず、効果的な抽出操作を行うことができなくなってしまう虞がある。つまり、テイラー・クエット流とすることによって、形成されていたエマルジョンが消滅してしまう虞がある。
そこで、本実施の形態に係る遠心抽出方法では、適用される遠心抽出装置10の内筒11の表面を、疎水性を有する素材、例えばポリテトラフルオロエチレン等の疎水性樹脂等によって構成させるようにしている。テイラー・クエット流領域において内筒を回転させると、もともと所定のせん断力をその回転によって働かせることが可能となっているが、この状況において、内筒12を疎水性を有する素材によって構成させることにより、内筒表面とエマルジョンとの間において疎水性相互作用を発揮させることが可能となり、さらに大きなせん断力をその内筒表面に働かせることができる。本実施の形態に係る遠心抽出方法では、このようにして内筒表面のせん断力を効果的に働かせるようにしているので、乱流状態において形成されるエマルジョン状態を、長時間に亘って維持させることが可能となっている。なお、疎水性樹脂としては、上述したように、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロペン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、モリブデンジスルフィド、窒化ホウ素、酸化コバルト、グラファイト、又はこれらの混合物等を用いることができるが、特に限定されない。また、その中でも特に疎水度が高いものほど、より疎水性相互作用を発揮させることができることから、好ましい。
また、本実施の形態に係る遠心抽出方法では、適用される遠心抽出装置10の外筒12の表面を、親水性を有する素材によって構成させるようにすることが、より好ましい。このように、外筒11と内筒12とからなる二重円筒管において、内筒12の間隙13に接する表面は疎水性を有する表面素材で構成し、並びに外筒11の内壁表面は親水性を有する表面素材で構成することにより、外筒11と内筒12との間における相互作用により、より効率的にテイラー渦列を形成させることが可能となり、組織的な流れに基づく多段抽出を効果的に実現させることでき、抽出性能を大幅に向上させることが可能となる。
なお、上述のエマルジョン状態をより長時間に亘って維持させることを目的として、水相と有機相を供給する部位において、エマルジョンを形成さる分散器を設けるようにしてもよい。このようにして供給部において分散器を設けることで、テイラー・クエット流領域において消失したエマルジョンを随時補うことができるようになり、より長時間に亘ってエマルジョン状態を維持させ、エマルジョンの高い物質移動速度と接触面積の増大を発揮させて、抽出性能の向上を図ることが可能となる。
以上のように、本実施の形態に係る遠心抽出方法によれば、内筒の回転速度を高め、エマルジョンを形成させ、このエマルジョン状態において効果的に分離抽出を行うようにしているので、エマルジョン状態での接触面積の増大を実現することができ、また内筒の高回転速度により、内筒の表面でエマルジョンが微粒化されて高い物質移動速度を発揮させることが可能となり、抽出性能を大幅に向上させることができる。
また、本実施の形態に係る遠心抽出方法によれば、エマルジョンを形成させた後に、そのエマルジョン状態を維持したまま、内筒の回転速度をテイラー・クエット流領域まで低下させるように制御しているので、エマルジョン状態における抽出効果を発揮させつつ、内筒の軸方向における混合拡散を低下させ、より栓流に近い流れを発生させることが可能となり、テイラー・クエット流領域における効率的な油水間における向流接触に基づく多段抽出を実現することが可能となる。
さらにまた、本実施の形態に係る遠心抽出方法によれば、疎水度の高い素材で表面を構成させた内筒を備えた遠心抽出装置を用いることによって、テイラー・クエット流領域下において、内筒の回転に伴うせん断力と共に、内筒の疎水性相互作用に基づくせん断力の大幅な向上を図ることが可能となり、長時間に亘って乱流化で形成させたエマルジョンを、テイラー・クエット流領域下において維持させることが可能となり、分析装置や薬剤製造等の抽出剤の利用効率を高め、素早く高度な抽出が求められる場において、好適に使用することが可能となる。
また、本実施の形態に係る遠心抽出方法によれば、より緩やかな内筒回転速度で、高度な抽出が可能となるので、当該抽出方法に適用した抽出装置への機械的負担を大幅に低減させることができ、さらに、抽出装置の小型化、並びに簡便かつ迅速な抽出操作が可能となる。
以下、さらに具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
<内筒回転速度に対するZnイオンの抽出率についての実験>
本実施例における基本となる抽出操作は、内筒と外筒の間隙にZnイオン濃度が65ppm(=65mg/L)の硝酸亜鉛(Zn(NO)溶液を含む水相を満たし、内筒を回転させてテイラー渦を発生させた。テイラー渦が安定した後、装置上部よりZnイオン濃度が65ppm(=65mg/L)のZn(NO溶液を含む水相を、装置下部より10mmol/Lのリン酸エステル抽出剤(D2EHPA:di-2-ethylhexylphosphoric acid)を含むドデカン溶液(有機相)を、それぞれ10ml/minの一定流量で、内筒と外筒との間隙に流入させ、油水向流操作を行った。温度は室温(25℃)で行った。なお、以下の実験に用いた遠心抽出装置は、図1に寸法等を付して示した装置と同じ装置を用い、その間隙に接する内筒表面がポリテトラフルオロエチレンからなる遠心抽出装置を使用した。
(実施例1)
(エマルジョン状態での抽出操作)
上記基本操作により、装置上部より水相を、装置下部より有機相をそれぞれ流入させて向流接触させたのち、はじめに内筒の回転数を上げて1500rpmとし、水相及び有機相間のエマルジョンを形成させた。そして、形成したエマルジョンの状態のまま、内筒回転速度を目的とする所定の回転数に低下させ、各回転数における流出する油水中のZn抽出量の経時変化を測定した。
(比較例1)
(エマルジョンを形成させない状態での抽出操作)
上記基本操作により、装置上部より水相を、装置下部より有機相をそれぞれ流入させて向流接触させたのち、実施例1とは異なり、エマルジョンを形成させないで抽出し、装置から流出する有機相と水相を採取して、内筒の回転数とZn抽出性能の関係を調べた。
(実施例1及び比較例1における抽出実験結果)
図3は、実施例1と比較例1のZn抽出実験の、各内筒回転速度における抽出性能の実験結果を示すグラフである。
このグラフからも判るように、実施例1の実験における、エマルジョン状態を維持したままでの運転では1000rpm以上の高回転域よりも800rpm以下の低回転域で高い抽出率を示し、通常のテイラー・クエット流での抽出操作に比べてはるかに大きな抽出率を示した。特に、800rpmの回転速度においては、約96%、理論段解析を行った結果では、理論段数30段以上の極めて高い抽出率を示した。この結果から、エマルジョン状態を維持しながら低回転数で運転させることによって、大きな油水接触面積と、安定した油水向流が同時に達成されることを示唆していることがわかる。また、図1に示すように、実可動長18cmという小型の回転部を備えた装置に、単純に油水を向流接触させただけにもかかわらず、約96%という高抽出率を可能にしたことから、小型の装置を使用して簡便に高度な抽出を実現できることが判った。なお、1000rpm以上で急速に抽出性能が低下するが、これは塔内の乱流化によって軸方向の混合拡散効果が大きくなり、装置内の流れが管型反応器としてよりも完全混合相の性質に近くなり、油水向流による多段抽出効果が小さくなるためと考えられる。
一方、比較例1のエマルジョンを形成させずに単純にテイラー・クエット流で運転させた抽出操作では、内筒の回転数を増加すると抽出率が増加し、特に1200rpm以上では装置内の有機相のホールドアップが増加して抽出性能が向上していることがわかる。しかし、この方法での理論段解析の結果では、最大でもおおよそ理論段数3段(回転速度1400rpmにおいて)が得られたのみであり、実施例1に比して抽出率ははるかに低かった。また、内筒を1400rpm以上の回転数にすると、塔内が乱流化してエマルジョンを形成し、安定したテイラー・クエット流は維持できず、装置の負担も大きくなり、継続して理論段数3段の抽出率を示すことは困難であることがわかった。
<エマルジョン状態におけるZnの抽出性能の持続性についての実験>
(実施例2)
実施例1と同様の条件(有機相、水相の流量:10mL/min)で油水を向流で流し、1500rpmで油水をエマルジョン化した後、内筒回転数を600rpmに調整した。装置上部から65ppm(=65mg/L)のZnイオン濃度を含むZn(NO溶液からなる水相を、装置下部より10mmol/LのD2EHPAを含むドデカン溶液(有機相)を流入させ、油水向流操作を行った。内筒回転数を600rpmに変化させたときを0分として、Zn抽出性能の時間変化を調べた。
(実験結果)
図4は、時間に対するZnの抽出性能の変化についての本実施例の結果を示すグラフである。グラフ中の白抜き丸印で示すプロットは、装置上部より流出する有機相中のZn濃度を表し、黒抜き丸印で示すプロットは、装置下部より流出する水相中のZn濃度を表している。このグラフからも判るように、Znの抽出性能は150分程度の長時間に亘って、安定的に維持されており、化学分析や物質精製などにおいて、本抽出方法を有効に利用することが可能であることが判明した。150分以降の流れは、油水エマルジョンから通常のテイラー・クエット流れに急激に変化し、それに伴ってZn抽出性能が大きく低下したものと考えられる。この流れの変化は装置内の流れの目視観察でも確認できた。すなわち、この結果から、乱流状態で形成したエマルジョンを、テイラー・クエット流領域において150分程度まで持続させて、安定的な抽出性能を実現できると結論付けることができる。
<エマルジョン形成後の油相のトレーサー応答についての実験>
(実施例3)
装置内での油相の流れを調べるために、エマルジョン状態で微量のトレーサー(ベータカロテン)を含む有機相(ドデカンで希釈された10mmol/L D2EHPA溶液)を連続的(ステップ状)に流入させて、その応答曲線を調べた。
まず、実施例1,2と同様にして、水相と有機相を10ml/minの流量で向流に流し、内筒回転数1500rpmで油水エマルジョンを形成させた。その後、内筒回転数を800rpm、1000rpm、1500rpmに調整して、トレーサーを含む有機相を連続的(ステップ状)に投入した。
(実験結果)
図5は、エマルジョン状態でトレーサー実験の結果を示すグラフである。このグラフの横軸は、有機相の平均滞留時間で規格化した運転時間(t/T)を示す。また、縦軸は、流出される有機相中のトレーサー濃度を表し、供給された有機相中のトレーサー濃度で規格化した値(C/C)である。なお、このグラフでは、トレーサー投入時を時間0(ゼロ)とした。装置の軸方向における混合拡散が無視できれば、連続的に投入したトレーサーは規格時間1のところでステップ状に現れると考えられ(栓流)、混合拡散が大きい場合は完全混合流の応答曲線、すなわち時間0(ゼロ)から徐々に濃度を上げながら流出していくと考えられる。
実験結果は、800rpmで内筒を回転させた場合、軸方向の混合拡散効果が小さかった。完全混合槽列モデルによる応答曲線の解析の結果、完全混合槽列数は800rpmで10槽であり、かなり栓流に近い流れであることがわかった。1000rpmから1500rpmに回転数を上げると、完全混合槽列数は1000rpmで4槽、1500rpmで2槽と少なくなり(軸方向の混合拡散の影響が大きくなり)、装置内の流れは完全混合流に近くなっていることがわかる。したがって、実施例1に示すように本抽出方法では、800rpmで最大の抽出性能を発揮することがわかった。このことは、有機相の流れが最も栓流に近い800rpmにおいて油水間の多段抽出効果が効率的に発現されたためと考えられる。また、800rpmにおいて多段抽出効果を効率的に発揮することができたことから、本抽出方法を適用した遠心抽出装置の運転も効率的に行うことができ、かつ機械的な負担を低減した抽出を実現できることがわかった。
本実施の形態に係る遠心抽出方法に適用可能な遠心抽出装置の構造を概略的に示した図である。 本実施の形態に係る遠心抽出方法に適用可能な遠心抽出装置においてテイラー渦列は形成された状態を説明するための図である。 内筒回転速度に対するZnイオンの抽出率についての実験結果を示すグラフである。 エマルジョン状態におけるZnイオンの抽出性能の持続性についての実験結果を示すグラフである。 エマルジョン形成後の油相のトレーサー応答についての実験結果を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 連続相と分散相とを向流接触させる遠心抽出方法において、
    上記連続相と上記分散相との相の間で、エマルジョンを形成させるエマルジョン形成工程と、
    上記エマルジョン形成工程にて形成されたエマルジョンを維持させたまま、テイラー・クエット流を発生させるテイラー・クエット流発生工程と
    を有することを特徴とする遠心抽出方法。
  2. 当該遠心抽出方法は、外筒と、該外筒の内側に間隙を設けて配置された内筒と、該内筒を回転させる回転駆動手段とを備えた遠心抽出装置を用いて行われ、
    上記エマルジョン形成工程では、上記内筒を回転させて、エマルジョンを形成させることを特徴とする請求項1記載の遠心抽出方法。
  3. 上記テイラー・クエット流発生工程では、上記円筒を、上記エマルジョン形成工程における回転数よりも低い回転数で回転させて、テイラー・クエット流を発生させることを特徴とする請求項2記載の遠心抽出方法。
  4. 連続相と分散相とを向流接触させる遠心分離装置において、
    外筒と、
    上記外筒の内側に間隙を設けて配置され、該間隙に接する表面が疎水性を有する素材によって構成された内筒と、
    上記内筒を回転させる回転駆動手段とを備え、
    上記内筒の間隙において、該内筒を回転させて上記連続相と上記分散相との二相の間でエマルジョンを形成させ、
    形成されたエマルジョンを維持させたまま、該エマルジョンを形成させた回転数よりも低い回転数で上記内筒を回転させてテイラー・クエット流を発生させる
    ことを特徴とする遠心抽出装置。
  5. 上記外筒は、内壁が親水性を有する素材によって構成されることを特徴とする請求項4記載の遠心抽出装置。
  6. 上記内筒の表面は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロペン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、モリブデンジスルフィド、窒化ホウ素、酸化コバルト、グラファイトより選択される素材より構成されることを特徴とする請求項4記載の遠心抽出装置。
  7. 上記内筒の表面は、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項6記載の遠心抽出装置。
  8. 上記連続相と上記分散相とを供給する部位に分散器をさらに備えることを特徴とする請求項4記載の遠心抽出装置。
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