JP5077910B2 - 紫外線抵抗性植物 - Google Patents

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Description

本発明は、紫外線、特にB領域紫外線、に対する抵抗性を付与する、新たな作用機序を提供することに関する。本発明はまた、新たな作用機序で紫外線、特にB領域紫外線、に対して抵抗性を示す植物を提供することにも関する。
B領域紫外線(UV-B)光は、植物にとって、日光に含まれるもののうちもっとも有害な光線である。植物は、この様な強力な紫外線により引き起こされる問題に対処するため、様々な防御メカニズムを有している。例えば、植物がUV-Bに曝露されると、UV-吸収物質の蓄積が誘導されることにより、傷害性の太陽光UV-B照射を減弱させると考えられている。この反応を欠損するシロイヌナズナ変異体またはフラボノイド合成経路を欠損するシロイヌナズナ(Arabidopsis)変異体は、UV-B光に対して感受性であることが知られている。
これらのUV-吸収物質により遮蔽されないUV-B光は、主としてシクロブタン型ピリミジン二量体(CPD)およびピリミジン(6-4)ピリミドン二量体((6-4)光産物)等の、様々なタイプのDNA損傷を生じる。UV-Bにより生じるDNA損傷を修復するメカニズムを欠損する変異体は、UV-B光に対して高い感受性を示す。
損傷乗り越えDNA合成(TLS)は、酵母などにおいて明らかにされた、未修復のDNA損傷を克服する損傷耐性機構であるが、この機構に関わると思われる因子を欠損するシロイヌナズナ(Arabidopsis)変異体が紫外線に感受性を示すことから、TLSが植物でも機能していることが近年示された。このようなUV-感受性変異体の解析から、DNA修復およびUV-吸収物質が、UV-感受性を決定する主要な因子であることが示された。
一方、UV-B光に対して高度に抵抗性の変異体の報告がわずかではあるが存在している。uvt1変異体およびrcd1-2変異体では、UV-吸収物質の蓄積が増大することが示されており、結果としてUV-B光に対する抵抗性が増大することが示された(非特許文献1;非特許文献2)。
また、本発明者らは以前に、UV-B光に対して高度の抵抗性を示すシロイヌナズナ(Arabidopsis)変異体をスクリーニングして、4種の変異体系統を単離することに成功し、このうちのuvi1変異体が、CPDに対する光回復能が増大し、そして(6-4)光産物に対する暗修復能が増大することを、報告した(非特許文献3)。
しかしながら、それ以外の作用機序でUV-B光に対して抵抗性を示す植物の存在はこれまで知られていなかった。
Bieza and Lois, (2001) Plant Physiol. 126, 1105-1115 Fujibe et al., (2004) Plant Physiol. 134, 275-285 Tanaka et al., (2002) Plant Physiol. 129, 64-71
本発明は、紫外線、特にB領域紫外線、に対する抵抗性を付与する、新たな作用機序を提供することを課題とする。本発明はまた、新たな作用機序で紫外線、特にB領域紫外線、に対して抵抗性を示す植物を提供することもまた課題とする。
本発明者らは、シロイヌナズナ(Arabidopsis)の新規のB領域紫外線(UV-B)-抵抗性変異体植物においてuvi4(UV-B非感受性4)遺伝子を特定しそして特性を解析した結果、UVI4タンパク質の機能を欠失した植物がUV-B光に対して、全く未知の作用機序により高度な抵抗性をもたらしていることを見いだし、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は、UVI4(UV-B非感受性4)タンパク質の機能を欠失した、紫外線に対して抵抗性を有する植物を提供することにより、上述した課題を解決できることを示した。上述したようなUVI4タンパク質の機能を欠失したという特徴は、UVI4遺伝子において変異を生じていることにより当該遺伝子によりコードされる野生型UVI4タンパク質の本来の機能が失われることにより、実現される。このような遺伝子上およびタンパク質上の特徴を有することにより、植物体は、細胞内ゲノムの核内倍加が野生型に比べて亢進する表現型を示し、その結果として紫外線抵抗性を賦与される。
なお、本発明においては、野生型UVI4遺伝子のことを単に「UVI4遺伝子」と、変異型UVI4遺伝子のことを単に「uvi4遺伝子」と、記載する場合がある。
本発明により、紫外線に対して抵抗性の植物を取得することができる。本発明においてはまた、植物の葉の細胞内で核内倍加が亢進するという表現型、ならびに植物の葉において多分枝した毛茸を有するという表現型に基づいて、紫外線に対して抵抗性の植物を容易に選択することができる。
発明の実施の形態
遺伝的・生化学的背景
本発明は、UVI4(UV-B非感受性4)タンパク質の機能を欠失した、紫外線抵抗性植物を提供する。本発明における紫外線抵抗性植物の植物種は、シロイヌナズナ、ムギ、トウモロコシ、ホウレンソウなど、核内倍加する性質を有する植物種であれば、特に限定されないが、好ましくは、本発明の植物の植物種は、シロイヌナズナである。
野生型UVI4タンパク質(SEQ ID NO: 2)は、これまで機能が実際には証明されていなかったタンパク質であり、アミノ酸の配列解析からも機能の推定は不可能である。本発明において、この野生型UVI4タンパク質のアミノ酸配列の一部が欠損することにより、植物の葉の細胞内で核内倍加が亢進するという表現型を示すこと、植物の葉において多分枝した毛茸を有するという表現型を示すこと、そして植物に対して紫外線に対する抵抗性を賦与すること、が明らかになった。
本発明において得られたUVI4タンパク質の機能を欠失した植物体と野生型植物体(野生型UVI4タンパク質の本来の機能を有する個体)との交配実験から、このUVI4タンパク質の機能を欠失したという特性は、劣性形質であることが明らかになった。すなわち、UVI4タンパク質の機能を欠失することにより、野生型UVI4タンパク質が本来有している機能を欠損し、その結果種々の表現型が生じたことが明らかになった。
本発明において、「UVI4タンパク質の機能を欠失した」という場合、UVI4タンパク質が変異したことによりUVI4タンパク質の機能を欠失した場合、またはUVI4タンパク質の産生が抑制されることによりUVI4タンパク質の機能を欠失した場合のいずれもが含まれる。
たとえばUVI4タンパク質が変異したことによりUVI4タンパク質の機能を欠失した場合、野生型UVI4タンパク質(SEQ ID NO: 2)のアミノ酸配列に対して、1または複数のアミノ酸の欠失、置換、または付加が生じ、その結果として、野生型UVI4タンパク質が本来有している機能が欠損していればよい。本発明においては、例えば、そのようなUVI4タンパク質が変異したタンパク質の事例として、SEQ ID NO: 4のアミノ酸配列(SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列のうち198番〜238番アミノ酸を欠失したアミノ酸配列)からなるタンパク質またはSEQ ID NO: 6(SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列のうち145番アミノ酸以降を欠失したアミノ酸配列)からなるタンパク質の様な、野生型UVI4タンパク質の一部が欠失したタンパク質を例として挙げることができる。
上述したような変異したUVI4タンパク質は、UVI4(UV-B非感受性4)遺伝子に変異を有することにより、作製することができる。このようなUVI4遺伝子の変異は、野生型UVI4遺伝子(SEQ ID NO: 1)のヌクレオチド配列に対して、1または複数のアミノ酸の欠失、置換、または付加が生じ、その結果野生型UVI4タンパク質(SEQ ID NO: 2)の本来有している機能を欠損させるものであればどのような変異であってもよい。本発明においては、例えば、SEQ ID NO: 4のアミノ酸配列をコードするSEQ ID NO: 3のヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO: 6のアミノ酸配列をコードするSEQ ID NO: 5のヌクレオチド配列などを例として挙げることができる。
このように野生型UVI4タンパク質の機能を失わせるようにUVI4遺伝子を変異させるためには、植物の種子に対して放射線を照射して変異を生じさせた後、目的とする変異を有する個体を選抜する方法、目的の遺伝子のヌクレオチド配列中に遺伝子工学的に変異を生じさせた後、目的とする個体を選抜する方法などが存在するが、いずれの方法を使用してもよい。
また、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物は、例えば、UVI4遺伝子のmRNAへの転写を抑制すること、転写されたmRNAを不安定化させることなどの方法によってUVI4タンパク質の産生を抑制することにより作出することもできる。
例えばUVI4遺伝子の発現を抑制するためには、アンチセンス法、コサプレッション法、RNAi法など、本発明の技術分野において既知の様々な方法を用いることができる。
紫外線抵抗性
本発明の植物は、上述したUVI4タンパク質の機能を欠失したこと、UVI4遺伝子において変異を生じていることにより当該遺伝子によりコードされる野生型UVI4タンパク質の本来の機能が失われたこと、により、紫外線に対して抵抗性を有する植物を提供することができる。本発明において紫外線という場合、B領域紫外線(UV-B)、A領域紫外線(UV-A)、C領域紫外線(UV-C)などが含まれるが、これらのいずれにも限定されない。これら例示した紫外線の中でも、地上に届く日光に含まれる紫外線のうち、核酸に対してもっとも変異原性が強い紫外線は、UV-B光である。本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物は、UV-B光に対して抵抗性を示したことから、地上に届く日光に含まれるすべての紫外線に対して抵抗性を有することが示唆される。
ここで、抵抗性という場合、紫外線照射の影響による生重量の低減が少ないという特性を有することを意味する。例えば、本発明において抵抗性の例としては、UV-B光を付加した環境下で生長させた場合、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物の生重量が、同じ条件下で生長させた野生型植物の生重量の2倍以上であることを挙げることができる。
紫外線吸収物質量およびシクロブタン型ピリミジン二量体(CPD)の修復活性
紫外線感受性に寄与する周知の因子である紫外線吸収物質の量に関しては、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物において、野生型植物における量よりも多いわけではなく、そして別の紫外線感受性に寄与する周知の因子である紫外線で誘発されたシクロブタン型ピリミジン二量体(CPD)の修復活性も、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物において、野生型植物における活性と何ら有意な差異は見いだされなかった。
毛茸の多分枝
本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物においては、紫外線に対する抵抗性についての表現型と、多分枝した毛茸を有する表現型を発現することとが、連鎖していたことから、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物における紫外線に対する抵抗性と多分枝した毛茸の遺伝的背景を調べた。野生型個体では一般的に3つの分枝を有する(2回の分枝を行った)毛茸を保持するのに対して、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物においては、多分枝した毛茸という場合、5つ以上の分枝を有する(4回以上の分枝を行った)毛茸を有していることを特徴とする。
毛茸が多分枝する表現型を有する既知の植物系統と本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物とのあいだでの交配から得られたF1植物体において、毛茸が多分枝する表現型が相補されないことが明らかになり、毛茸が多分枝する表現型と紫外線に対する抵抗性を示す表現型が、両方ともUVI4タンパク質のみの機能欠損変異が原因で生じることを見いだした。このことから、多分枝した毛茸を有するという表現型を、植物の紫外線抵抗性の指標の一つとすることもできる。
核内倍加
本発明において検討を行ったUVI4タンパク質の機能を欠失した植物においては、向軸側表皮の平均的な細胞の面積は、野生型植物のそれよりも大きかった。シロイヌナズナ(Arabidopsis)においては、表皮細胞サイズと倍数性レベルとのあいだで高い相関性が存在することが知られていることから(Melaragno et al., (1993) Plant Cell 5, 1661-1668)、この結果は本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物における向軸側表皮の倍数性レベルが増加することを明瞭に示すものである。
本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物においては、野生型よりも少なくとも1回余計に、核内倍加を繰り返すことが見いだされた。具体的には、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物においては、このような細胞内ゲノムが核内倍加する表現型が、胚軸細胞において顕著に見いだされた。本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物におけるUVI4遺伝子の変異はまた、葉の発生過程における核内倍加の進行を促進した。UVI4遺伝子は、主として活発に分裂している細胞で発現される。この結果から、野生型UVI4タンパク質の本来の機能が喪失されたことにより、核内倍加が促進されたことが示唆される。
野生型UVI4タンパク質の本来の機能
野生型シロイヌナズナ(Arabidopsis)の植物体中に、UVI4遺伝子のプロモータ領域の調節下で発現するGUSリポーター遺伝子を導入し、GUSの発現部位を染色したところ、このトランスジェニック植物の葉において、GUSシグナルが、葉が発生するにつれて、求基的な(構造の基部に向かっていく)様式で消失した。葉身全体の面積は、葉の発生過程を通じて、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物と野生型植物とのあいだで相違しなかったが、一方、向軸側表皮における平均的な細胞の面積は、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物において野生型よりもかなり大きかった。これらの結果から、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物の葉の表皮細胞は、数は少ないが、大きさは大きいことが明らかになった。
一方、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物の胚軸細胞は、1回よけいに核内倍加を行うことが明らかになったことから、野生型UVI4タンパク質は本来、胚軸細胞における核内倍加の抑制因子として機能することが示唆される。
また、UVI4タンパク質が有糸分裂から核内倍加サイクルへの移行を調節することに関与しているならば、2C細胞の比率は、野生型植物におけるよりも本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物において、より早く減少するはずである。しかしながら、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物体と野生型植物体とのあいだで、葉の発達過程を通じて、2C細胞の比率が同様であることが示され、このことから、UVI4タンパク質の機能の欠失にかかわらず、所定の時点で同様の割合の細胞が核内倍加サイクルにはいることが示された。
すなわち、上述の結果から、UVI4タンパク質が、有糸分裂から核内倍加サイクルへの移行においては、重要な役割を果たしていないことが示唆される。一方、上述の結果からは、野生型UVI4タンパク質の本来の機能は、有糸分裂状態の維持に必須であり、UVI4タンパク質の本来の機能を喪失する結果、細胞数の減少が生じ、そして核内倍加も誘導される、ということが示唆される。
核内倍加と紫外線抵抗性の関係
4倍体植物体は、2倍体植物体と比較して、紫外線に対して、より具体的にはUV-Bに対して非常に抵抗性であった。紫外線感受性に寄与する周知の因子である紫外線吸収物質の量、ならびに、紫外線で誘発されたシクロブタン型ピリミジン二量体(CPD)の修復活性については、4倍体植物体と2倍体植物体とあいだで何ら有意な差異は見いだされなかった。これらのことから、倍数性レベルと核内倍加とが、UV光から植物体を保護することに関与する重要な因子であり、特に核内倍加の促進が、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物の紫外線に対する抵抗性の増大の原因であることが示唆される。
この示唆は、本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物と野生型植物とのあいだで、紫外線吸収物質の量における有意な差異が無いこと、またはCPDについての修復活性において有意な差異が無いことと一致する。
実施例1:uvi4植物のUV-B抵抗性の増大
本発明のUVI4タンパク質の機能を欠失した植物(以下の実施例において、単にuvi4植物という)は、炭素イオンビームにより変異原処理されたシロイヌナズナ(Arabidopsis)の種子(生態型Columbia)から単離された4系統のUV-非感受性変異体のうちの一つである(非特許文献3)。本実施例においては、10-日齢のuvi4植物体と野生型植物体とをUV-B光を付加した条件下で2週間にわたり生長させ、そして地上部の生重量を両者のあいだで比較することにより、この変異体の特徴を明らかにした。
uvi4植物は、以前に記載したように(非特許文献3)炭素イオンビームにより変異原処理したシロイヌナズナ(Arabidopsis)種子(生態型Columbia)のM2集団から単離された。具体的には、乾燥種子に対し、AVFサイクロトロン(日本原子力研究開発機構、イオン照射研究施設)で加速した総エネルギー220 MeVの炭素イオンビームを150 Gy照射した。これらを播種して育成した1280個体のM1植物体を自殖させ、M2種子を得た。得られた種子から5100個体のM2植物体を、10〜13 kJ m-2の日線量のUV-B光を付加した条件下で育成し、比較的生育の良い個体を選抜することにより、uvi4植物を作出した。植物体は、Metro-Mix 350(Scotts-Sierra Horticultural Products)を含むポットで、3000〜4000 luxの白色蛍光灯による16/8 hrの光周期のもと、23℃の温室内で生長させた。
植物のUV-B光に対する線量依存的な感受性を調べた。ポットで生長させた10日齢のuvi4植物または野生型植物体の幼苗を、UV-B光光源を備えたグロースチャンバーに移した。312 nmに高いピークを有し280 nm以上の波長を照射するUVランプカセット(Type CSL-30B, COSMO BIO, Tokyo)を使用することにより、UV-B光を供給した。UV-B線量率は、313 nmをピークとし、半値幅12 nmのUV-Bを透過するフィルターを装備したUV-B線量計(CSV-312, COSMO BIO)により測定した。
uvi4植物および野生型植物における植物体生育量に関する線量反応曲線についての結果を図1Aに示す。植物体を16L8D条件下で生長させ、そして明期の中間の10時間のあいだ、0、7.2、7.9、9.7、11.5、13.3、17.3 kJ m-2の日線量のUV-B光に曝露した。2週間曝露した場合の、植物体の地上部の生重量を測定し、そして非照射野生型植物体の生重量に対する%として表示した。データ点は、14〜23植物体の生重量の平均±SEを示す。日線量13 kJ m-2のUV-B光に暴露した場合のuvi4植物体の生重量は、野生型植物体の生重量の2.1倍であった。3回の独立した実験で、同様の結果が得られた。図1Bにおいて、日線量13 kJ m-2のUV-B曝露のuvi4植物幼苗(右)および野生型植物幼苗(左)の生長に対する効果を示した。値は、生重量の平均±SEである。かっこ内の数は、使用した植物体数を示す。
この写真からもわかる様に、UV-B曝露を行った場合、野生型植物幼苗と比較して、uvi4植物体幼苗のUV-B抵抗性が有意に高いことが明らかになった。また、uvi4植物体は、葉および茎に、多分枝した毛茸を有することも明らかになった。具体的には、5つ以上の分枝を有する毛茸がuvi4植物の葉ではしばしば見られたが、野生型植物の葉では全く見られなかった。
実施例2:UV-B吸収物質とDNA修復
本実施例においては、UV-B吸収物質の量を、uvi4植物体と野生型植物体で比較することにより、uvi4植物におけるUV-B抵抗性の増大が、色素沈着の増大と関連しているかどうかを調べた。
2週齢のuvi4植物体および野生型植物体(Col)を、UV-B光光源を備えたグロースチャンバーに移し、3000〜4000 luxの白色蛍光灯による16/8 hrの光周期のもと、23℃の条件下で、3日間、追加的にUV-B光(日線量=9 kJ m-2)を与えながら生長させた。このようにして生長させた植物体を液体窒素で凍結し、乳鉢で破砕した後、生重量10 mgあたり1mlの90%メタノール/1%HClに懸濁し、一晩静置することにより、植物体中に蓄積したUV-B吸収物質を抽出した。抽出物を、遠心分離により清澄にした。上清の吸光度を、光度計を用いて300 nmで測定した(model DU60, Beckman Instruments, Fullerton, CA)。
表1において示されるように、uvi4植物体および野生型植物体の両方において、UV-B曝露の結果、UV-B吸収物質の蓄積が誘導された。uvi4植物体における葉抽出物の300 nmでの吸光度は、+UV条件および-UV条件の両方において、野生型植物体における吸光度よりも5〜10%少なかった。UV-B曝露の期間と線量は、uvi4植物体および野生型植物体におけるUV-B吸収物質の蓄積量の差異に対して、ほとんど影響がなかった。これらの結果から、uvi4植物体におけるUV-B抵抗性とUV-B吸収物質の蓄積とのあいだには明確な関連性が存在しなかった。
UV-B光により誘発されたDNA損傷の大部分は、シクロブタン型ピリミジン二量体(CPD)であることが知られている。そこで、本実施例においてはさらに、CPDの生成および減少を、ELISAにより測定することにより、uvi4植物のDNA修復活性を調べた。
16L8D条件下で寒天培地上で鉛直方向に生長させた7日齢の幼苗を、暗条件において2 kJ m-2の線量のUV-Bに曝露した。UV-Bへの暴露は5分間以内に終えた。幼苗(各データ点につき、約100個体)を採取し、液体窒素ですぐに凍結するか、またはUV-B曝露の後、明条件下で1時間、3時間、および5時間インキュベーションすることによってCPDの修復を行わせた後に、液体窒素で凍結した。これらの凍結した幼苗サンプルから、DNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN)を使用して、ゲノムDNAを抽出した。
ゲノムDNAに生成されたCPDの量を、CPD特異的抗体(TDM-2、松永司博士(金沢大学)より提供)を用い、ELISA法により測定した。具体的には、0.02μg/mlの濃度の50μgのゲノムDNAをマイクロプレートのウェル中に固定し、CPD特異的抗体を加えて反応させた後、抗原に結合しなかった抗体を洗い流し、その後、ビオチン標識二次抗体、ペルオキシダーゼ−ストレプトアビジン複合体および発色基質としてo-フェニレンジアミンを用いてシグナルを増強し、490 nmでの吸光度としてCPDの生成量を測定した。結果は、3回反復の平均±SEとして示す。
CPDの生成量は、UV-B線量と共に2 kJ m-2までは直線的に増大したが、この範囲内で、uvi4植物体および野生型植物体(Col)のあいだで、相違は見いだされなかった。一方、図2Aにおいて示されるように、uvi4植物体および野生型植物体(Col)の両方ともにおいて、2 kJ m-2のUV-B曝露の後、白色光を照射することによりCPDが減少した。2回の独立した実験において、uvi4植物体および野生型植物体(Col)のあいだで生じたCPDの減少には、有意な相違がなかった。これらの結果から、UV-B吸収物質量の増大またはCPDの修復活性の増大は、uvi4植物のUV-B抵抗性の増大には寄与しないことが示された。
実施例3:UVI4遺伝子のポジショナルクローニングと相補性解析
本実施例においては、uvi4植物を野生型Ws生態型植物と交配することにより、分離比解析および遺伝子マッピングした。
uvi4植物×野生型Ws生態型植物のF1植物体を自家受粉させてF2植物体を作成した。さらに個々のF2の自家受粉に由来するF3植物体(すなわち、F3系統)を、UV感受性試験に供した。F3系統の約1/4がUV-B光に対して非感受性であったため、uvi4植物体は、単一の劣勢変異を有すると考えられた。
これらの試験において、UV-非感受性の表現型が、上述したuvi4植物の別の表現型である毛茸が多分枝する表現型と連鎖していると考えられた。UV-非感受性の表現型と毛茸の表現型の分離について、20以上のF3系統を試験した結果、親となるF2植物体が多分枝した毛茸を有するF3系統は、UV-B光に対して比較的抵抗性であったことから、UV-非感受性の表現型と毛茸が多分枝する表現型は、同一の変異を原因とすることが示唆された。そこで、uvi4植物において原因遺伝子をuvi4遺伝子、そのuvi4遺伝子が局在するゲノム領域をuvi4遺伝子座として、以下の検討を行った。
毛茸が多分枝する表現型は、F2個体群において、単一の劣性形質として分離した(正常個体:多分枝した毛茸を有する個体=106:29=3:1(χ2=0.89、P>0.30))。毛茸が多分枝する表現型は、UV-非感受性の表現型よりもずっと容易に識別することができるため、CAPSマーカーおよびSSLPマーカー(Konieczny and Ausubel, (1993) Plant J. 4, 403-410;Bell and Ecker, (1994) Genomics 19, 137-144)を使用して、毛茸が多分枝する表現型に基づいて、uvi4遺伝子座のポジショナルクローニングを行った。既知のCAPSおよびSSLPマーカーに加えて、Col生態型とWs生態型とのあいだで新規に作成した10個のマーカーを用いた。Ws植物×uvi4植物の交配から得られた多分枝した毛茸を有する400以上のF2植物体個体群を使用して、毛茸の表現型とマーカーとのあいだでの連鎖を調査することにより、uvi4遺伝子座の染色体上での位置を調べた。
その結果、uvi4遺伝子は、T6D20とF7D19上に作成した2種類のマーカーとのあいだの240-kbの領域にマッピングされた(図3Aおよび図3B)。一方、T24P15、MHK10、およびF14N22上に作成した3種類のマーカーでは、組換えは観察されなかった。値は、組換えが起きた染色体数/試験した全染色体数を示す。鉛直線はマーカーの位置を示す。
本発明においてuvi4植物を作出するために変異原として使用した炭素イオンビームは、大幅なDNAの構造変化をしばしば引き起こすことが知られているため、本発明者らは、サザンブロット解析により変異部位を同定することを試みた。
染色体の構造変化を、サザンブロット解析により調べた。ゲノムDNAを、BamHIにより消化し、そしてナイロンメンブレン(Roche Diagnostics GmbH, Manheim, Germany)上にブロットした。DIGで標識したプローブを、BAC DNAから調製した。製造者のマニュアルに従って、ハイブリダイゼーションならびにメンブレンの洗浄を行った。シグナルをCDP-star(Roche)を用いて、IS8000デジタル画像化システム(Alpha Innotech, San Leandro, CA)を使用して検出した。
図3Cにおいて示されるように、uvi4植物体および野生型植物体において、BamHI-消化したゲノムDNAをT24P15 BAC DNAクローンから調製したDIG-標識プローブでハイブリダイズした場合、野生型植物(Col)とuvi4植物とのあいだで、異なるバンドパターンが見いだされた。矢印は、野生型の1834-bpのBamHI断片に対応するバンドおよびuvi4植物のより短い断片(1711-bp)に対応するバンドをそれぞれ示す。
上述した野生型の1834-bpのBamHI断片は、At2g42260遺伝子(GenBankアクセッション番号NM_129788;ヌクレオチド配列をSEQ ID NO: 1として、推定アミノ酸配列をSEQ ID NO: 2としてそれぞれ示す)を含有することが知られている。uvi4植物でのuvi4遺伝子のより短い断片の塩基配列をさらに詳細に解析した結果を、図3Dに示す。この図において、At2g42260(UVI4)遺伝子は、白い四角で示される2つのエクソンを有する(SEQ ID NO: 1を参照)。位置“1”は、開始コドンに対応し、そして390、654および1043の数字は、開始コドンからのゲノムDNA上の位置を示す。この結果、uvi4遺伝子は、斜線を付けた部分で示される第2エクソン中に123-bpの欠失を有することが示された(図3D)。鉛直線は、BamHI部位を示す。
uvi4遺伝子座における123-bpの欠失部分のDNA配列をさらに詳細に検討したところ、ゲノムDNA上の位置857のチミン(T)から位置976のアデニン(A)までの断片が欠失していた(図3E)。切断点は、AGA(箱囲み)の相同性に基づいて、再結合していた。そして、RT-PCRにより、uvi4植物体において、欠失サイズに対応する短い転写物が示された。この結果、uvi4植物における変異UVI4遺伝子(すなわち、uvi4遺伝子)として、SEQ ID NO: 3で示されるヌクレオチド配列を有する657ヌクレオチドのcDNAが作製され、218アミノ酸からなるポリペプチド(SEQ ID NO: 4)が作製されることが明らかになった。
本発明者らは、毛茸に関する変異体であることが知られるpolychome(pym)変異を有するpym植物(Perazza D., et al., (1999) Genetics 152, 461-476)が、毛茸が多分枝する表現型を有することならびにpym遺伝子が第2染色体下腕部付近に位置するという情報が提供されていることに注目し、uvi4植物体とpym植物体とのあいだでの交配により、毛茸が多分枝する表現型が相補されるか否かをさらに調べた。
pym変異体は、Jean-Marc Bonneville博士(Universite J. Fourier)から提供を受けた。pym変異体は、EMSで変異原処理したLandsberg erecta(Ler)種子から単離され、毛茸に関する変異体として特徴づけられた。この植物体は、Metro-Mix 350(Scotts-Sierra Horticultural Products)を含むポットで、3000〜4000 luxの白色蛍光灯による16/8 hrの光周期のもと、23℃の温室内で生長させた。
本発明者らはまず、pym変異体におけるAt2g42260遺伝子のヌクレオチド配列(GenBankアクセッション番号NM_129788)を調査することにより、pym対立遺伝子が第2エクソンにおける696番目の(cDNA上では433番目)CがTに変化する塩基置換を有し、そしてこの塩基置換により、新たな停止コドンが生成されるナンセンス変異を生じていることを示した(図3F;pym変異体のcDNAのヌクレオチド配列をSEQ ID NO: 5として、アミノ酸配列をSEQ ID NO: 6として、それぞれ示した)。pym変異体はまた、UV-B光に対して非感受性であった。
そして、共に毛茸が多分枝する表現型を有するuvi4植物体とpym植物体とのあいだでの交配から得られたF1植物体を検討した結果、毛茸が多分枝する表現型は、uvi4植物体とpym植物体とのあいだでの交配によっては相補されなかった。
さらに、At2g42260(UVI4)のプロモータの下で発現させた同遺伝子のcDNA(GenBankアクセッション番号NM_129788)(PUVI4::UVI4 cDNA)を、uvi4植物体に導入することにより、uvi4変異体の相補試験を行った。PUVI4::UVI4 cDNA植物体の葉は、正常な3つの分枝を有する毛茸を保持するが、5つ以上の分枝を有する毛茸は、全く見いだされなかった。
uvi4植物体とpym植物体との交配により毛茸が多分枝する表現型が相補されなかったという事実、uvi4植物体に野生型UVI4遺伝子を発現させることにより毛茸が多分枝する表現型が相補されたという事実、ならびにpym植物が紫外線に抵抗性であるという事実から、UV-非感受性の表現型と毛茸の表現型は、両方ともUVI4遺伝子のみの変異が原因であり、毛茸に関する変異体であるpym遺伝子が、uvi4遺伝子の対立遺伝子そのものであることを見いだした。
実施例4:UVI4遺伝子によりコードされる塩基性タンパク質
本実施例においては、実施例3において得られた情報に基づき、UVI4遺伝子によりコードされるUVI4(UV-B非感受性4)タンパク質の特徴を明らかにした。
UVI4遺伝子は、等電点11.48を有する259アミノ酸の塩基性タンパク質をコードすると推定された(図4)。uvi4植物においては、uvi4遺伝子座の123-bpの欠失により、C-末端付近に41アミノ酸の欠失を生じることが明らかになった(図3E)。また、pym遺伝子座におけるナンセンス変異の結果、タンパク質のほぼ後半部分を欠失することが明らかになった(図3F)。
SEQ ID NO: 1のヌクレオチド配列をクエリとしてBLAST検索を行った結果、シロイヌナズナ(Arabidopsis)におけるUVI4のホモログと推定される、At3g57860(UVI4-like遺伝子と命名)(GenBankアクセッション番号NM_115648)が見いだされ、アミノ酸レベルでUVI4と62%の相同性を有していることが示された。At3g57860(UVI4-like)タンパク質は、これまでのところ実験的には特徴が明らかにされていないが、フェレドキシンヒドロゲナーゼ活性を有するものとして注釈を付けられた。
一対のイネの仮想タンパク質、OSJNBb0022F23.8(GenBankアクセッション番号AL606447)およびOSJNBa0016G10.1(GenBankアクセッション番号AP005874)、もまた、UVI4と低い相同性を有していることが示された。図4において示される様に、C-末端領域および中間部領域が、これらのタンパク質間で保存されている様である。
図4に、At2g42260(UVI4)のアミノ酸配列と、At3g57860(UVI4-like)および2種のイネの仮想タンパク質のアミノ酸配列とのアラインメントを示す。灰色を付けて目立たせた文字は、UVI4におけるアミノ酸と同一のアミノ酸を示す。横線はuvi4対立遺伝子において欠失した41アミノ酸を示し、そして矢頭はpym対立遺伝子中で生成されたナンセンスコドンの位置を示す。UVI4-likeの箱囲みは、ヒドロゲナーゼ活性に関連する推定ペプチダーゼ_M52ドメインを示す(TAIR; http://www.arabidopsis.org)。配列は、ClustalWプログラムを使用して整列させた。図中*印はこれら4種のタンパク質で完全に保存されているアミノ酸を示す。
UVI4と顕著な相同性を示すタンパク質はこれらの他には存在しないため、UVI4は、植物特異的なタンパク質であると予想された。UVI4-likeにおけるDsトランスポゾンタグ系統(UVI4-likeの機能欠損変異体)は、毛茸が多分枝する表現型を示さなかったことから、UVI4遺伝子とUVI4-like遺伝子とは、少なくとも毛茸の発達においては、異なる機能を果たしていることが明らかになった。
実施例5:UVI4の発現の発達的な制御
本実施例においては、UVI4遺伝子のプロモータ領域の調節下で発現するGUSリポーター遺伝子(PUVI4::GUS)を使用して、UVI4発現の組織特異性を解析した。
まず、トランスジェニック植物を作製した。UVI4コード配列(SEQ ID NO: 1)の最初の39ヌクレオチドを含む1.7-kbの5'領域を、pBI101プラスミドのβ-グルクロニダーゼコード配列のすぐ上流にクローニングして、PUVI4::GUSプラスミドを作製した。この構築物を、アグロバクテリウムGV3101系統に導入し、次いで野生型植物Columbiaに対してfloral dip法(Bechtold and Pelletier, 1998)により導入した。このようにして作製したトランスジェニック植物の中から、11種類の独立した形質転換体系統をその後の実験に使用した。
トランスジェニック植物(T2)を90%アセトン中に15分間浸漬し、次いでNaPO4バッファー(pH 7.0)中1 mM X-Gluc、3 mM K3Fe(CN)6および10 mM EDTAを含有するGUS染色溶液中に、室温で一晩浸漬した。その後、GUS染色が明瞭に可視化されるまで、染色した組織を70%エタノール中で透明化した。
結果を、図5に示す。スケールバーは、(A)において1 mmを、(B)において100μmを、それぞれ示す。検討を行った11種類のトランスジェニック系統のうち、2種類は弱いPUVI4::GUSの発現パターンを示したが、同様のPUVI4::GUSの発現パターンがすべての系統で観察された。図5Aにおいて示される様に、PUVI4::GUSは、10日齢の幼苗の若い葉および維管束組織において強く発現した。葉細胞におけるGUS活性は、葉が発達するにつれて、求基的な(構造の基部に向かっていく)様式で減少した。維管束組織でのGUSシグナルもまた、徐々に減少したが、葉の中には葉の成熟後にも弱いシグナルが残存しているものもあった。隆起した若い毛茸は、弱いGUS活性を示したが、成熟した毛茸は、シグナルを示さなかった。
一方、強いGUS活性は、10日齢の幼苗の根端、特に中心柱において見いだされ、そして根端から離れるにつれて、GUSシグナルは弱くなった(図5B)。
根端から離れるにつれて、根の外側の細胞層は細胞分裂を終えて分化するが、一方、中心柱における細胞は依然として分裂状態を維持することが、報告された(Beeckman et al., (2001) J. Exp. Bot. 52, 403-411)。これらの事実から、UVI4遺伝子が分裂状態の維持のために必要とされる可能性があることが示唆された。
本実施例においてはさらに、半定量的RT-PCRを使用して、葉の発達が進行するにつれてUVI4の発現レベルがどのように変化するかを調べた。
RT-PCRは、以下のプロトコルに従って行った。2%スクロースおよび0.6%ゲランガムを含有するMS培地上で生長させた8、10、12、14、16、および18日齢の植物体の第1および第2本葉から、RNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN)を使用して全RNAを抽出した。RNAを製造者の指示に従ってDNaseIにより処理した。
1μgの全RNAを、製造者の指示に従って40μlの全反応容量中でBD Power Script RT Kit(BD Biosciences Clontech)を使用して逆転写した。30μlの全容量中、1μlのcDNA溶液、200μMのdNTP、0.75ユニットのTakara Ex Taqポリメラーゼ(TAKARA BIO Inc, Shiga, Japan)および1×Ex Taq Bufferを使用してPCRを行った。
本実施例におけるRT-PCRにおいては、細胞分裂活性の指標であるCyclinB2;2(CYCB2;2)(GenBankアクセッション番号NM_119727)の発現、および発現レベルが葉の発達過程を通して比較的一定しているElongation Factor 1-α(EF1α;GenBankアクセッション番号NM_125432)の発現を、それぞれ対照として使用した。
プライマー配列は、UVI4に関して
5'-agcgctcaatcacaaatg-3'(SEQ ID NO: 7)および
5'-aatcaccagaggatgatgaa-3'(SEQ ID NO: 8)、
UVI4-likeに関して
5'-cgagaggcctgtggattact-3'(SEQ ID NO: 9)および
5'-ctacgcttgaatcccacaga-3'(SEQ ID NO: 10)、
有糸分裂サイクリンCYCB2;2(At4g35620)に関して
5'-agacagaacaggagagcattgg-3'(SEQ ID NO: 11)および
5'-caatgcaactaaaccaacaagc-3'(SEQ ID NO: 12)、
Elongation Factor 1-α(EF1α)(At5g60390)に関して
5'-cttgctttcacccttggtgt-3'(SEQ ID NO: 13)および
5'-tccctcgaatccagagattg-3'(SEQ ID NO: 14)
であった。
PCR条件は、94℃にて5分間の最初の変性の後、94℃にて15秒間、58℃にて30秒間、そして72℃にて60秒間を1サイクルとして、UVI4およびUVI4-likeについては40サイクル、CYCB2;2については30サイクル、そしてEF1αについては24サイクル、により行った。10μlのPCR生成物を、アガロースゲル上で分離し、そしてエチジウムブロマイドにより染色し、UV-励起により可視化した。
結果を図5Cにおいて示す。図5Cにおいて記載された数字は、播種後の日数を示す。図5Cにおいて示されるように、半定量的RT-PCR解析により、葉の発達が進行するにつれてUVI4の発現レベルが減少することが示された。有糸分裂サイクリンCYCB2;2の発現レベルは、同様に減少したことから、細胞の増殖におけるUVI4の役割が示唆された。UVI4-like遺伝子は、同様の発現パターンを示した。これらの結果から、UVI4発現が発達にしたがって制御され、そしてその発現レベルが細胞増殖の停止により減少することが示された。
実施例6:uvi4遺伝子変異による核内倍加の促進
これまで、倍数性レベルと毛茸の分枝の数とのあいだの直接的な相関関係がシロイヌナズナ(Arabidopsis)において報告されたため(Hulskamp et al., (1994) Cell 76, 555-566)、本実施例においては、本発明者らは、uvi4植物体の倍数性を調べた。
uvi4植物体および野生型植物体の7日齢の幼苗の胚軸を採取し、そしてフローサイトメトリーにより解析した。フローサイトメトリーは、以下のプロトコルに従って行った。
植物体は、2%スクロースおよび0.6%ゲランガムを含有するMS培地上で生長させた。約20の胚軸を明条件で生長させた7日齢苗または暗条件で生長させた7日齢苗から採取した。8、10、12、14、16、および18日齢の植物体から、第1本葉および/または第2本葉を採取した。3個体以上の植物体から採取した葉を、各測定のために使用した。倍数性を以前に記載したように測定した(Hase et al., (2005) J. Exp. Bot. 56, 1263-1268)。具体的には、採取した組織を核抽出溶液(High Resolution Kit for Plant DNA, Partec GmbH, GermanyのA液)中でカミソリの刃を用いて刻んだ。30μmのメッシュで濾過した後、DAPIを含む染色液(上記KitのB液)を加え、フローサイトメーター(PAS型, Partec)を用いて測定した。1回の測定で3000個以上の核のシグナルを測定した。
フローサイトメトリーの結果を、図6Aにおいて示す。この図において、明条件下で生長させた、(a)野生型植物体、(b)uvi4植物体、および(c)PUVI4::UVI4cDNAトランスジェニック植物体の、そして(d)暗条件下で生長させたuvi4植物体の、7日齢の幼苗の胚軸細胞の倍数性を示す。1Cは、半数体の核DNA含量を示す。
図6A(a)において見いだされるように、野生型植物においては、16Cに至るまで4つのピークが観察され、これらにおいて、2Cより高いピークは、核内倍加の結果生じたものである。uvi4植物の胚軸は、比較的高い割合の16Cの細胞を有し、そして野生型植物の胚軸では存在しなかった32Cのピークもまた有した(図6A(b))。この表現型は、PUVI4::UVI4cDNAトランスジェニック植物では、相補された(図6A(c))。これらの結果から、uvi4遺伝子変異によって、胚軸細胞が1回多く核内倍加を起こすことが示された。
一方、暗所で生長させた胚軸細胞は、光-依存性な抑制が解除された結果、1回多く核内倍加を行うことがこれまでも知られていた(Gendreau et al., (1998) Plant J. 13, 221-230)。この暗所で生長させた場合の核内倍加の特徴は、uvi4植物においても当てはまることが明らかになった。すなわち、図6A(d)において示される様に、暗所で生長させたuvi4植物の胚軸は、64Cまで、さらに1回よけいに核内倍加をすることが示された。したがって、uvi4遺伝子変異により引き起こされる核内倍加の増加は、光の感受とは無関係であった。
引き続いて、本発明者らは、葉の発達過程における倍数性レベルの変化を経時的に研究した。すなわち、播種後8、10、12、14、16、18、20、および22日に、uvi4植物体および野生型植物体の第1および第2本葉を採取し、第1および第2本葉の発達過程における倍数性の変化をフローサイトメトリーにより解析した(図6B)。各データ点は、3個体以上の植物体から採取した葉を使用して測定を行い、独立した2回の測定の平均±SEを示す。
野生型植物(Col)において、2C細胞は、急速に減少し、そして16日後に一定レベルに到達した。4C細胞の比率は急速に上昇し、そして12日目にピークを迎え、そしてその後減衰した。この後、8C細胞が増加しはじめた。わずかな16C細胞が、16日後に観察された。16日目以降は、倍数性レベルは、一定であった。
一方、uvi4植物における倍数性分布は、8日目において、野生型植物の倍数性分布と類似していた。そして、野生型植物において観察された様に、2C細胞の比率は、急速に減少し、そして4C細胞の割合が増加しはじめた。しかしながら、12日目の4C細胞の割合は、野生型植物における4C細胞よりも少なかった(uvi4植物においては52.5±0.6%、野生型植物においては63.8±1.5%)。この減少に対応して、8C細胞および16C細胞は、野生型植物において増加するよりも早期に増加しはじめた。uvi4植物における倍数性分布は、18日後に一定レベルに到達した。解析した最後の時点では、野生型植物と比較した場合、uvi4植物では、4C細胞は少なかったが、16C細胞および32C細胞はより高い比率であった。同様の結果が、2回の独立した実験において観察された。これらの結果から、uvi4遺伝子変異が核内倍加サイクルの進行を促進することが示された。
実施例7:uvi4植物の葉における細胞数および細胞サイズ
核内倍加した細胞において、一般的に、細胞のサイズは、核のDNA量に比例することが知られている。そこで、本実施例においては、葉の発生過程において、全葉面積の変化および葉の向軸側の表皮細胞のサイズの変化を調べることにより、uvi4植物の葉における細胞数および細胞サイズを調べた。
uvi4植物体および野生型植物体を、2%スクロースおよび0.6%ゲランガムを含有するMS培地上で生長させた。播種後8〜22日に、第1および第2本葉を1日おきに採取した。全葉面積を、実体顕微鏡に取り付けたCCDカメラにより撮影した画像を使用して、Image J ver 1.33(National Institutes of Health, USA)により測定した。各データ点は、少なくとも5個体の植物体から採取した葉に基づいている。細胞の面積を測定するため、向軸側の葉表面のレプリカを、液体絆創膏を用いて作製した。レプリカを葉の表面から剥離し、葉身の中央部且つ主脈と葉縁とのあいだに位置する部分の画像を、CCDカメラを用いて撮影した。細胞の面積を、Image Jを用いて測定した。5個体以上の植物体から得た118以上の細胞を、各データ点に関して用いた。
全葉面積についてのデータを、図7Aに示す。この図7Aにおいて、各データ点は、平均±SE(n=7〜14)を示す。調べた期間のあいだ、全葉面積は、uvi4植物と野生型植物とのあいだで、顕著には相違しなかった(図7A)。また、向軸側表皮細胞の平均面積についてのデータを、図7Bに示す。各データ点は、平均±SE(n=118〜375)を示す。この図において示されるように、葉の向軸側の表皮細胞の平均サイズは、uvi4植物においてより大型であり、uvi4植物と野生型植物との相違は、18日目を除いて統計的に有意であった(p<0.05)。同時に、これらの結果から、uvi4植物では、葉の向軸側の表皮において、細胞の数が少ないことが示された。
実施例8:UV-B感受性に対する倍数性レベルの影響
uvi4植物における倍数性レベルの増加が、UV-B光に対する抵抗性の増加に関与する可能性を調べるため、本実施例においては、4倍体シロイヌナズナ(Arabidopsis)のUV感受性とその親株となった2倍体系統のUV感受性とを比較した。
Columbia生態型の4倍体系統(4n;CS5131)および4倍体系統を作出するもととなった2倍体系統(2n;CS3176)は、Arabidopsis Biological Resource Center(ABRC)から提供を受けた。2n系統(CS3176)を、4n系統(CS5131)に関する対照として使用した。また、At3g57860(UVI4-like)をDs因子の挿入により破壊したシロイヌナズナ(Arabidopsis)系統(PST15307)は、RIKEN BioResource Centerから提供を受けた。特に記載をしない限り、これらの植物体は、Metro-Mix 350(Scotts-Sierra Horticultural Products)を含むポットで、3000〜4000 luxの白色蛍光灯による16/8 hrの光周期のもと、23℃の温室内で生長させた。
UV-B光に対する感受性を調べるため、実施例1に記載された様に、2n系統(CS3176)と4n系統(CS5131)の植物体を16L8D条件下で生長させ、そして明期の中間の10時間、日線量17 kJ m-2のUV-B光を2週間曝露した後に、植物体の地上部の生重量を測定し、そして非照射野生型植物体の生重量に対する%として表示した。UV-B曝露の2n系統(CS3176)および4n系統(CS5131)の生長に対する効果を、図8Aにおいて示した。値は、生重量の平均±SEである。かっこ内の数は、使用した植物体数を示す。
UV-B感受性に対する、倍数性レベルの影響は、実施例1において記載したように調べた。UV-B感受性に対する、倍数性レベルの影響についての結果を、図8に示す。
この結果、4倍体系統(4n系統;CS5131)は、2倍体系統(2n系統;CS3176)よりも高い抵抗性を示した(図8A)。17 kJ m-2の日線量の場合、4倍体植物体の生重量は、2倍体植物体の生重量の2.6倍であった。このことから、4倍体系統(4n系統;CS5131)は、由来する2倍体系統(2n系統;CS3176)幼苗(野生型植物;左)よりもUV-B光に対する感受性が低いことを示す。
さらに、実施例2に記載した方法に従って、16L8D条件下で生長させた4倍体系統(4n系統;CS5131)および2倍体系統(2n系統;CS3176)の7日齢の幼苗を、暗黒下でUV-B光(2 kJ m-2)に曝露した後、ゲノムDNAを、すぐに、または明条件下で1時間、3時間、および5時間のインキュベーションしてCPDの修復を行わせた後に、抽出した。CPDを、特異的抗体(TDM-2)を用いて検出し、そしてCPD量を実施例2に記載したように490 nmでの吸光度として測定し、CPDについての光回復能およびUV-B吸収物質の量がどのように変化するか調べた。結果は、3回反復の平均±SEとして示す。
CPDについての光回復能およびUV-B吸収物質の量は、4倍体系統および2倍体系統のあいだで相違しなかった(図8B、表2)。そして、4倍体系統は、2倍体系統と同じ回数の核内倍加を行ったことが明らかになった。
したがって、4倍体系統の胚軸は、4C細胞〜32C細胞を含有した。これらの結果から、多倍体化の促進が、uvi4植物体のUV-B光に対する抵抗性の増加に関与している様であることが、裏付けられた。
本発明により、紫外線に対して抵抗性の植物を取得することができる。本発明においてはまた、植物の葉の細胞内で核内倍加が亢進するという表現型、ならびに植物の葉において多分枝した毛茸を有するという表現型に基づいて、紫外線に対して抵抗性の植物を容易に選択することができる。
図1は、uvi4植物は、野生型植物よりもUV-B光に対する感受性が低いことを示す。 図2は、uvi4植物および野生型植物(Col)の双方において、UV-B曝露により、形成されたCPDが同様に減少することを示す。 図3は、uvi4遺伝子座のポジショナルクローニングの結果を示す。 図4は、At2g42260(UVI4)のアミノ酸配列と、At3g57860(UVI4-like)および2種のイネの仮想タンパク質のアミノ酸配列とのアラインメントを示す。 図5は、10日齢の幼苗(A)および根端(B)におけるUVI4の発現、ならびに(C)第1および第2本葉の発達過程における半定量的RT-PCR解析結果を示す。 図6は、UVI4遺伝子の変異が、核内倍加の進行を促進することを示す。 図7は、uvi4植物および野生型植物における第1および第2本葉の生長を示す。 図8は、UV-B感受性に対する、倍数性レベルの影響について示す。

Claims (6)

  1. UVI4(UV-B非感受性4)タンパク質(SEQ ID NO: 2)の機能を欠失した、紫外線抵抗性植物。
  2. UVI4(UV-B非感受性4)遺伝子(SEQ ID NO: 1)が変異を有する、請求項1に記載の紫外線抵抗性植物。
  3. 紫外線が、B領域紫外線(UV-B)である、請求項1または2に記載の紫外線抵抗性植物。
  4. 細胞内ゲノムが核内倍加する表現型を示す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線抵抗性植物。
  5. 多分枝した毛茸を有する表現型を示す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外線抵抗性植物。
  6. 植物がシロイヌナズナである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の紫外線抵抗性植物。
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