JP5077657B2 - レーダ装置及びレーダ装置における電力切換方法 - Google Patents
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Description
本図に示すレーダ装置は、第一の信号発生部100と、第一の信号発生部100からの信号が入力される第一の電力増幅部101と、第一の電力増幅部101で電力が増幅された信号が入力される第一の空中線装置102とを備えている。また、第二の信号発生部103と、第二の信号発生部103からの信号が入力される第二の電力増幅部104と、第二の電力増幅部104で電力が増幅された信号が入力される第二の空中線装置105とを備えている。
そして、各信号発生部100,103において、パルス信号を交互に発生して、各空中線装置から水平偏波の電磁波、垂直偏波の電磁波をそれぞれ放射する。
このようなレーダ装置においては、二系統の独立した空中線装置102,105を備えているので、各空中線装置102,105から放射する電磁波の特性を安定させるには、第一及び第二の電力増幅部101,104の双方の信号の増幅特性を一致させる必要があった。このため、レーダ装置の製造が難しくなり、製造コストが高くなるという問題があった。
図6に示すように、特許文献1記載のレーダ装置は、信号発生部100aと、信号発生部100aからの信号が入力される電力増幅部101aと、第一及び第二の空中線装置102a,105aと、電力増幅部101aと各空中線装置102a,105aの間に設けられ、電力増幅部101aからの信号を第一又は第二の空中線装置102a,105aに切り換えて出力可能な電力切換部106を備えている。
電力切換部106は、例えば、ダイオードスイッチなどが用いられる。
第一及び第二の空中線装置102a,105aは、上記のものと同様に構成されている。
このレーダ装置は、電力増幅部101aから出力された信号を電力切換部106で切り換えて、第一及び第二の空中線装置102a,105a双方に送るので、各空中線装置102a,105aから放射される電磁波の特性が安定する。
そのため、このようなスイッチは、電力増幅部101aに応じた仕様に適合するように、新たに試作設計して対応しなければならなくなるので、製造が難しいという問題があった。
特に、レーダ装置では、空中線装置102a,105aから放射する電磁波を強くして測定範囲を大きくするなどのために、電力増幅部101aで非常に大きな電力に増幅することもあり、レーダ装置の電力切換部106に用いる電力切換装置の製造が極めて難しかった。そのため、最悪の場合には、試作結果から電力切換装置の耐電力性能が不足して、レーダ装置が製造できないこともあった。
このレーダ装置は、電磁波を放射し、これが対象物で反射してなる反射波から対象物を測定するものである。
このレーダ装置の具体的構成は、所定の送信信号を発生して出力可能な信号発生部1と、信号発生部1から出力された送信信号が入力され、送信信号を、その電力を増幅して出力可能な電力増幅部2と、電力増幅部2から出力された送信信号が入力されるとともに、送信信号を切り換えて出力可能な電力切換部3と、電力切換部3から出力された送信信号が入力され、送信信号に基づく電磁波を放射可能な空中線装置K1,K2とを備えている。
また、本発明の実施形態に係る電力切換装置は、このレーダ装置の電力切換部3として用いられている。
電力増幅部2は、信号発生部1からの送信信号が入力され、これの電力を増幅して出力する。
また、電力増幅部2は、例えば、アンプ及びクライストロンを備えており、送信信号を大電力に増幅する。
また、分配部30は、各分配出力路30a〜30nに、分配部30に入力された送信信号の電力をほぼ等しく分配する構成としている。すなわち、各分配出力路30a〜30nを介して出力される送信信号の電力pと、電力切換部3に入力された送信信号の電力Pとの関係が、p≒P/nとなる。
また、分配部30は、例えば、一つの入力及びn個の出力を備える既存の電力分配・合成器を使用してもよい。この電力分配・合成器には、高周波信号の電力の分配に適したものを用いることが好ましい。
そして、スイッチ部31は、入力310に入力される送信信号を、第一及び第二の切換出力路31a,31bのいずれかに切り換えて出力する。
この各スイッチ部31は、例えば、既存のダイオードスイッチで構成されており、全て同様の構成としてもよい。
スイッチ部31は、その耐電力Tと各分配出力路30a〜30nを介して出力される送信信号の電力pとの関係において、T≧p(≒P/n)の関係を満たす構成となっている。
このうち、一方の第一の合成部C1には、各スイッチ部31の第一の切換出力路31aが接続されている。また、他方の第二の合成部C2には、各スイッチ部31の第二の切換出力路31bが接続されている。
また、各合成部C1,C2には、n個の入力及び一つの出力を備える既存の電力分配・合成器を使用してもよい。この電力分配・合成器には、高周波信号の電力の分配に適したものを用いることが好ましい。
また、第一及び第二の合成部C1,C2の出力35a,35bは、電力切換部3の出力として、空中線装置K1,K2側に接続されている。
この二つの空中線装置K1,K2のうち、第一の空中線装置K1には、電力切換部3の出力35aが接続されている。
また、第一の空中線装置K1は、電力切換部3の出力35aを介して送信信号が入力されると、送信信号に基づく水平偏波の電磁波を放射する。
また、第二の空中線装置K2には、電力切換部3の出力35bが接続されている。
また、第二の空中線装置K2は、電力切換部3の出力35bを介して、送信信号が入力されると、送信信号に基づく垂直偏波の電磁波を放射する。
制御部4は、第一又は第二の空中線装置K1,K2から電磁波を放射させるときに、信号発生部1にRF信号を発生させる信号を出力する。
また、制御部4は、n個のスイッチ部31のそれぞれに、所定の切換信号を出力して、これらのスイッチ部31を同期して第一及び第二の切換出力路31a,31bのいずれかに切り換えさせる。
受信装置8は、信号発生部1で発生したRF信号が入力され、これに基づいて周囲の対象物の形状、距離などを測定する。
送受信切換部7は、電力切換部3と第一及び第二の空中線装置K1,K2の間に設けられている。
また、この送受信切換部7は、例えば、各電力切換部の出力35a,35bごとに設けられるサーキュレータで構成されている。
この状態で、制御部4が、信号発生部1にRF信号を発生させる(C1−3)。
信号発生部1で発生させたRF信号は、送信信号として信号発生部1から出力され、電力増幅部2に入力される。
電力増幅部2においては、入力された送信信号の電力が増幅される。
分配部30で電力が分配された送信信号は、分配部30の分配出力路30a〜30nから出力されて、それぞれスイッチ部31に入力される。
第一の合成部C1で電力が合成された送信信号は、電力切換部3に入力された送信信号とほぼ同等のものとなる。
次に、第一の合成部C1から出力された送信信号は、電力切換部3の出力35aとして出力され、第一の空中線装置K1に入力される。
また、第一の空中線装置K1は、電磁波を受信してこれを受信信号に変換するとともに、この受信信号を送受信切換部7を介して受信装置8側に出力する。
この状態で、制御部4は、上記と同様にして、信号発生部1にRF信号を発生させ(C1−3)、送信信号として出力させる。
また、電力増幅部2は、入力された送信信号の電力を増幅して出力し、これを電力切換部3に入力する。
分配部30で電力が分配された送信信号は、分配部30から出力されて、それぞれスイッチ部31に入力される。
第二の合成部C2は、各スイッチ部31からの送信信号の電力を合成する。
第二の合成部C2で電力が合成された送信信号は、電力切換部3に入力された送信信号とほぼ同等のものとなる。
そして、第二の空中線装置K2からは、垂直偏波の電磁波が放射される。
また、第二の空中線装置K2は、電磁波を受信してこれを受信信号に変換するとともに、この受信信号を送受信切換部7を介して受信装置8側に出力する。
そのため、各スイッチ部31においては、電力切換部3に入力された送信信号の電力Pに耐えうる耐電力が必要なくなるので、スイッチ部に既存のものを用いることもできる。
これにより、電力切換部3は、既存の部材を用いても大電力の切り換え動作を行なうことができるようになるので、この電力切換部3の製造を容易に行うことができる。また、電力切換部3の製造コストも低減することもできる。
また、レーダ装置は、一つの電力増幅部2からの送信信号を電力切換部3で切り換えて、各空中線装置K1,K2に出力するので、これらから放射される電磁波の特性を安定させることができる。
そのため、電力切換部3が、壊れることなく、送信信号を、第一又は第二の空中線装置K1,K2側に切り換えて出力することができる。
図3は、本実施形態に係るレーダ装置を示すブロック図である。
図4は、本実施形態に係るレーダ装置の電力切換部3を示すブロック図である。
このスイッチ部32は、入力320に入力された送信信号を、第1〜第mの切換出力路32a〜32mのいずれかに切り換えて出力する。
第1〜第mの合成部C1〜Cmの出力35a〜35mは、電力切換部3のm個の出力として出力される。
また、制御部4は、スイッチ部32の切換方向を同期して切り換える。
その他の構成部分は、上記第一実施形態と同様となっており、同様の構成部分については、図中で第一実施形態と同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
そして、制御部4が、信号発生部1に、送信信号を発生させて、この送信信号を空中線装置K1に供給する。
このようにして、一つの電力増幅部2から電力切換部3で切り換えて、各空中線装置K1〜Kmのそれぞれに送信信号を出力するので、これらから放射される電磁波の特性を安定させることができる。
なお、本実施形態の電力切換装置においても、上記第一実施形態と同様に、分配部30を合成部に、合成部K1〜Kmを分配部にそれぞれ反転させて用いることもできる。
例えば、電力増幅部は、アンプ及びクライストロンで構成したが、これに限定されるものでなく、例えば、マグネトロンやTWTなどの各種大電力増幅源を備えていてもよく適宜設計変更して差し支えない。
2 電力増幅部
3 電力切換部(電力切換装置)
30 分配部
30a〜30n 分配出力路
31,32 スイッチ部
31a,31b,32a〜32m 切換出力路
C1〜Cm 合成部
4 制御部
K1〜Km 空中線装置
7 送受信切換部
8 受信装置
Claims (4)
- 増幅された一系統の入力信号の出力を切り替えて複数系統の電磁波として放射するレーダ装置であって、
一系統の送信信号を発生して出力する信号発生部と、
該信号発生部から出力された一系統の送信信号を入力し、該送信信号の電力を増幅して出力する電力増幅部と、
該電力増幅部から出力された一系統の送信信号を入力し、該送信信号の出力を切り換えて複数系統に出力する電力切換部と、
該電力切換部から複数系統に出力された各送信信号を入力し、該送信信号に基づく電磁波を放射する複数の空中線装置とを備え、
前記電力切換部が、
前記電力増幅部で増幅された一系統の送信信号の電力を所定の複数に分配するとともに、該分配された各電力を出力する複数の分配出力路を有した分配部と、
該分配部の分配出力路が個別に接続されるとともに、該分配出力路を介して入力された電力を、前記複数の空中線装置に対応して切り換えて出力する切換出力路を有した複数のスイッチ部と、
該各スイッチ部の切換出力路に対応して複数備えられ、各スイッチ部の複数の切換出力路が個別に接続されて、該切換出力路を介して入力された電力を合成して前記増幅された一系統の送信信号とほぼ同等の電力の送信信号を出力する、前記複数の空中線装置に対応する複数の合成部とを備え、
前記複数の各空中線装置が、対応する前記各合成部からの送信信号を入力して、該送信信号に基づく電磁波を放射することを特徴とするレーダ装置。 - 前記各スイッチ部の切換方向を同期して切り換えさせる制御部を備えることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 前記分配部が、前記各分配出力路に、前記分配部に入力された電力をほぼ等しく分配する構成とすることを特徴とする請求項1又は2記載のレーダ装置。
- 増幅された一系統の入力信号の出力を切り替えて複数系統の電磁波として放射するレーダ装置における電力切換方法であって、
一系統の送信信号を発生する信号発生ステップと、
該信号発生ステップにより出力された一系統の送信信号を入力し、該送信信号の電力を増幅して出力する電力増幅ステップと、
該電力増幅ステップにより出力された一系統の送信信号を入力し、該送信信号の出力を切り換えて複数系統に出力する電力切換ステップと、
該電力切換ステップから複数系統に出力された各送信信号を入力し、該送信信号に基づいて複数系統の電磁波を放射する電磁波放射ステップとを有し、
前記電力切換ステップは、
前記電力増幅ステップで増幅された一系統の送信信号の電力を所定の複数に分配するとともに、該分配された各電力を出力する分配ステップと、
該分配ステップで出力された複数の各電力を個別に、前記複数系統の電磁波放射に対応する複数の出力に切り換えて出力する切換ステップと、
該各切換ステップで出力される電力を合成して前記増幅された一系統の送信信号とほぼ同等の電力の送信信号を出力する合成ステップとを備え、
前記電磁波放射ステップが、対応する前記合成ステップからの送信信号を入力して、該送信信号に基づく電磁波を放射することを特徴とするレーダ装置における電力切換方法。
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