JP5076103B2 - ヒドラジンを用いた水素化方法および酸素酸化触媒 - Google Patents

ヒドラジンを用いた水素化方法および酸素酸化触媒 Download PDF

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Description

本発明は、例えばオレフィン等の不飽和化合物を、酸素の存在下、ヒドラジンを用いて水素化する方法、およびその水素化方法に用いるヒドラジンを酸素酸化する酸素酸化触媒に関するものである。
オレフィン等の不飽和化合物を、Pd/C等の遷移金属触媒の存在下、水素ガスを用いて接触水素化(水素添加)する方法の代替手法として、従来から、塩化銅等の遷移金属触媒の存在下に分子状酸素(酸素ガス)を酸化剤として用いて、若しくは、過酸化水素を酸化剤として用いて、ヒドラジンの酸化反応によって生成するジイミドを水素源とする不飽和化合物の水素化方法(ジイミド還元法)が知られており、利用されている。
しかしながら、この水素添加法は、生成するジイミドが不安定であり、不均化分解による失活が避けられないため、ヒドラジンと、分子状酸素や過酸化水素等の酸化剤とを、何れも不飽和化合物に対して大過剰に使用しなければならないという問題点を有している。また、従来のジイミド還元法は、不飽和化合物がスルフィドやアミン等の被酸化性官能基を含む場合は、当該官能基がスルホキシドやN−オキシド等に酸化されるという問題点も有している。
一方、上記の接触水素化法は、不飽和化合物が水酸基やカルボキシル基を含み当該水酸基やカルボキシル基がそれぞれベンジルオキシ基やベンジルエステル基として保護されている場合、或いは、不飽和化合物がアミノ基を含み当該アミノ基がベンジルオキシカルボニルアミノ基として保護されている場合には、水素化反応によって保護基が脱落するという問題点を有している。
つまり、これらの方法では、被還元性官能基が還元されてしまうため、或いは、被酸化性官能基が酸化されてしまうため、適用することができる不飽和化合物(基質)が限定される。さらに、不飽和化合物が含硫黄化合物である場合には、遷移金属触媒の活性が低下するという問題点も存在する。
そこで、上記の各種問題点を解決する方法として、触媒としてのイソアロキサジニウム過塩素酸塩の存在下、ヒドラジンの酸素酸化によってジイミドを生成して、不飽和化合物を水素化(水素添加)する方法が開発されている(非特許文献1)。上記のイソアロキサジニウム過塩素酸塩は、5位にエチル基等のアルキル基を有する。
この方法では、従来は大過剰量必要としていたヒドラジンの量を不飽和化合物に対して1〜2当量に減じても、反応を効率良く進行させることができる。また、酸化剤として常圧の分子状酸素(酸素ガス)或いは空気を利用することができる。さらに、この方法では遷移金属触媒を用いないため、得られる生成物に不純物として遷移金属が混入するおそれが無く、また、副生する副生成物は分子状窒素(窒素ガス)と水だけである。従って、反応後の生成物の精製工程を簡略化することができる。
J.Am.Chem.Soc.,127,14544−14545(2005)
しかしながら、上記従来の方法は、酸素酸化触媒であるイソアロキサジニウム過塩素酸塩を工業的に入手することが困難であり、また、イソアロキサジニウム過塩素酸塩の合成には多くの煩雑な工程が必要であるため、触媒の製造コストがかさむという問題点を有している。即ち、上記従来の水素化方法では、例えばオレフィン等の不飽和化合物を安価に水素化することができないという問題点を有している。また、イソアロキサジニウム過塩素酸塩は、その取り扱いに注意を要するという問題点も有している。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、工業的に入手が容易であり、かつ、取り扱いが簡便な、ヒドラジンの酸素酸化触媒を提供すること、並びに、当該触媒を用いた安価な水素化方法を提供することにある。
本発明にかかる水素化方法は、上記の課題を解決するために、対称多重結合を有する被還元基質を、酸素の存在下、ヒドラジンを用いて水素化する方法であって、下記構造式(1)
Figure 0005076103
(式中、Rは置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表し、R〜Rはそれぞれ独立してH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基,カルボキシル基,アミド基,エステル基,シアノ基,オキソ基,ホルミル基,スルホン酸基,リン酸基,ヒドロキシル基,メルカプト基,アミノ基,アルコキシ基,アルキルチオ基,ハロゲン基を表し、RはH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表す。但し、R〜Rのうちの二つで縮合炭化水素環若しくは縮合複素環を形成していてもよい)
で表される構造を有するイソアロキサジン化合物、および/または、下記構造式(2)
Figure 0005076103
(式中、R11は置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表し、R12〜R15はそれぞれ独立してH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基,カルボキシル基,アミド基,エステル基,シアノ基,オキソ基,ホルミル基,スルホン酸基,リン酸基,ヒドロキシル基,メルカプト基,アミノ基,アルコキシ基,アルキルチオ基,ハロゲン基を表し、R16はH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表す。但し、R11〜R16のうちの二つで縮合炭化水素環若しくは縮合複素環を形成していてもよい)
で表される構造を有するアロキサジン化合物を酸素酸化触媒として用いることを特徴としている。
上記水素化方法は、被還元基質に対して上記触媒を0.0001当量以上、0.2当量以下の範囲内で用いることがより好ましい。また、上記水素化方法は、被還元基質がアルキン、アルケン、アレン、アゾ化合物、イミン、またはニトリルであることがより好ましく、被還元基質が含硫黄化合物であってもよい。さらに、上記水素化方法は、被還元基質に対してヒドラジンを1当量以上、2当量以下の範囲内で用いることがより好ましい。
上記の方法によれば、酸素酸化触媒として、工業的に入手が容易であり、かつ、取り扱いが簡便なイソアロキサジン化合物およびアロキサジン化合物を用いることができる。例えば、イソアロキサジン化合物であるリボフラビン並びにその四酢酸エステルおよび四酪酸エステルは、各種医薬品や栄養補助食品(サプリメント)等の成分として安価に市販されている。そして、上記の酸素酸化触媒は有機化合物であり、また、水素化時に副生する副生成物は分子状窒素(窒素ガス)と水だけであるので、環境に悪影響を及ぼさない。即ち、工業的に入手が容易であり、かつ、取り扱いが簡便な酸素酸化触媒を用いることができるので、対称多重結合を有するアルキン、アルケン、アレン、アゾ化合物、イミン、ニトリル等の被還元基質を、酸素の存在下、ヒドラジンを用いて簡便かつ高効率で、安価にかつ安全に水素化する水素化方法を提供することができる。
また、本発明にかかる酸素酸化触媒は、上記の課題を解決するために、ヒドラジンを酸素酸化する触媒であって、下記構造式(1)
Figure 0005076103
(式中、Rは置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表し、R〜Rはそれぞれ独立してH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基,カルボキシル基,アミド基,エステル基,シアノ基,オキソ基,ホルミル基,スルホン酸基,リン酸基,ヒドロキシル基,メルカプト基,アミノ基,アルコキシ基,アルキルチオ基,ハロゲン基を表し、RはH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表す。但し、R〜Rのうちの二つで縮合炭化水素環若しくは縮合複素環を形成していてもよい)
で表される構造を有するイソアロキサジン化合物、および/または、下記構造式(2)
Figure 0005076103
(式中、R11は置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表し、R12〜R15はそれぞれ独立してH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基,カルボキシル基,アミド基,エステル基,シアノ基,オキソ基,ホルミル基,スルホン酸基,リン酸基,ヒドロキシル基,メルカプト基,アミノ基,アルコキシ基,アルキルチオ基,ハロゲン基を表し、R16はH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表す。但し、R11〜R16のうちの二つで縮合炭化水素環若しくは縮合複素環を形成していてもよい)
で表される構造を有するアロキサジン化合物からなることを特徴としている。
上記酸素酸化触媒は、構造式(1)中のRがメチル基,フェニル基,リビチル基,リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−アセチル)基,リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−ブチリル)基,またはリビチル(2’,4’:3’,5’−ジ−O−メチレン)基であるイソアロキサジン化合物からなることがより好ましい。また、上記酸素酸化触媒は、10−メチルイソアロキサジン、3,10−ジメチルイソアロキサジン、10−メチルルミフラビン(「7,8,10−トリメチルイソアロキサジン」)、3,10−ジメチルルミフラビン(「3,7,8,10−テトラメチルイソアロキサジン」)、10−フェニルイソアロキサジン、10−フェニル−3−メチルイソアロキサジン、7−シアノ−10−メチルイソアロキサジン、7−シアノ−3,10−ジメチルイソアロキサジン、リボフラビン(「7,8−ジメチル−10−リビチルイソアロキサジン」)、四酢酸リボフラビン(「7,8−ジメチル−10−リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−アセチル)イソアロキサジン」)、四酪酸リボフラビン(「7,8−ジメチル−10−リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−ブチリル)イソアロキサジン」)、2,4:3,5−ジ−O−メチレン−3−メチルリボフラビン(「3,7,8−トリメチル−10−リビチル(2’,4’:3’,5’−ジ−O−メチレン)イソアロキサジン」)からなる群より選ばれる少なくとも一種のイソアロキサジン化合物からなることがより好ましい。
上記の酸素酸化触媒は、工業的に入手が容易であり、かつ、取り扱いが簡便である。例えば、イソアロキサジン化合物であるリボフラビン並びにその四酢酸エステルおよび四酪酸エステルは、各種医薬品や栄養補助食品(サプリメント)等の成分として安価に市販されている。そして、上記の酸素酸化触媒は有機化合物であり、また、対称多重結合を有するアルキン、アルケン、アレン、アゾ化合物、イミン、ニトリル等の被還元基質を、酸素の存在下、ヒドラジンを用いて水素化するときに副生する副生成物は分子状窒素(窒素ガス)と水だけであるので、環境に悪影響を及ぼさない。それゆえ、水素化方法に用いるヒドラジンを簡便かつ高効率で、安価にかつ安全に酸素酸化する酸素酸化触媒を提供することができる。
本発明にかかる水素化方法は、以上のように、特定の構造を有するイソアロキサジン化合物、および/または、特定の構造を有するアロキサジン化合物を酸素酸化触媒として用いる方法である。これにより、工業的に入手が容易であり、かつ、取り扱いが簡便な酸素酸化触媒を用いることができるので、対称多重結合を有するアルキン、アルケン、アレン、アゾ化合物、イミン、ニトリル等の被還元基質を、酸素の存在下、ヒドラジンを用いて簡便かつ高効率で、安価にかつ安全に水素化する水素化方法を提供することができるという効果を奏する。
一般に、ジイミド還元法は、ジスルフィドおよび極性が大きく非対称な不飽和結合等の官能基に対して、不活性な方法である。それゆえ、本発明にかかる水素化方法は、これら官能基を有するオレフィン等の不飽和化合物を選択的に水素化する方法として、特に有効である。
また、本発明にかかる酸素酸化触媒は、水素化反応に従来用いられていた遷移金属触媒では水素化反応が困難であった被還元基質に対して特に有効である。本発明にかかる酸素酸化触媒を用いることにより、例えば、被還元基質が水酸基、カルボキシ基、或いはアミノ基を含み当該水酸基、カルボキシ基、或いはアミノ基がそれぞれベンジルオキシ基、ベンジルエステル基、或いはベンジルオキシカルボニルアミノ基として保護されている場合であっても、水素化反応によって保護基が脱落することはなく、対称多重結合のみを水素化することができる。また、被還元基質が遷移金属触媒の活性を低下させる含硫黄化合物である場合も、対称多重結合を効率的に水素化することができる。
本発明の一実施形態について説明すると、以下の通りである。本発明にかかる水素化方法は、対称多重結合を有する被還元基質を、特定の構造を有するイソアロキサジン化合物、および/または、特定の構造を有するアロキサジン化合物を酸素酸化触媒として用い、酸素の存在下、ヒドラジンを用いて水素化する方法である。
本発明にかかる水素化反応によって水素化(水素添加)される被還元基質は、対称多重結合を有する被還元基質である。本発明において、対称多重結合を有する被還元基質とは、炭素−炭素二重結合を有する不飽和化合物(アルケン(オレフィン)並びにアレン)、炭素−炭素三重結合を有する不飽和化合物(アルキン(アセチレン))、窒素−窒素二重結合を有する不飽和化合物(アゾ化合物)、炭素−窒素二重結合を有する不飽和化合物(イミン)、または、炭素−窒素三重結合を有する不飽和化合物(ニトリル)が挙げられる。尚、上記炭素−炭素二重結合には芳香環の結合は含まれない。また、炭素−窒素二重結合には複素環の結合は含まれない。
被還元基質は、置換基を有していてもよく、また、窒素や酸素、硫黄等のヘテロ原子を有していてもよい。従って、被還元基質は含硫黄化合物であってもよい。また、被還元基質はいわゆるポリマーであってもよい。当該ポリマーとしては、ポリブタジエン等が挙げられる。
被還元基質は、ジイミドによって選択的に水素化(シス付加)されることにより、相当する水素化物(水素化生成物)となる。
上記アルケン(オレフィン)としては、例えば、鎖状オレフィン、環状オレフィン、オレフィン酸、α,β−不飽和エステル、α,β−不飽和アミド等が挙げられる。
より具体的には、例えば、スチレン、1−デセン、2−エキソ,3−エキソ−ジ(アセトキシメチル)ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン、リナロール(「3,7−ジメチル−オクタ−1,6−ジエン−3−オール」)、フェニル=アリル=スルフィド、3−(メチルチオ)プロパン酸アリル、桂皮酸3−(メチルチオ)プロピル、3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸アリル、1,2−エポキシ−9−デセン、アリル=ベンジル=エーテル、ポリブタジエン等が挙げられる。
これらアルケンは、水素化反応されることにより、下記式に示すように、水素化生成物(目的物)であるエチルベンゼン、デカン、2−エキソ,3−エキソ−ジ(アセトキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ジメチル−2−オクテン−6−オール、フェニル=プロピル=スルフィド、3−(メチルチオ)プロパン酸プロピル、3−フェニルプロパン酸3’−(メチルチオ)プロピル、3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸プロピル、1−デセン=オキシド、ベンジル=プロピル=エーテル、ポリブチレンに変換される。
上記アルキン(アセチレン)としては、例えば、鎖状アセチレン、環状アセチレン等が挙げられる。より具体的には、例えば、1−フェニル−2−プロピン−1−オール等が挙げられる。当該化合物は、下記式に示すように、水素化反応されることにより、水素化生成物(目的物)である1−フェニル−1−プロパノールに変換される。
上記アゾ化合物としては、具体的には、例えば、アゾベンゼン等が挙げられる。当該化合物は、下記式に示すように、水素化反応されることにより、水素化生成物(目的物)であるフェニルヒドラジンに変換される。
Figure 0005076103
Figure 0005076103
ヒドラジン(N)は、一水和物(抱水ヒドラジン)として容易に取り扱うことができる。ヒドラジンは、酸素酸化触媒によって酸素酸化されることにより、ジイミド(HN=NH)に効率的に変換され、被還元基質を選択的に水素化する。
被還元基質に対するヒドラジンの使用量は、1当量以上、5当量以下の範囲内であることが好ましく、1当量以上、3当量以下の範囲内であることがより好ましく、1当量以上、2当量以下の範囲内であることがさらに好ましく、1当量以上、1.5当量以下の範囲内であることが特に好ましい。ヒドラジンの使用量を5当量より多くしても構わないが、それに見合う程の効果は得られない。
ヒドラジンを酸化する酸化剤である酸素を反応器に供する(存在させる)方法としては、慣用の手法を採用することができるが、反応器に常圧(1気圧)の分子状酸素(酸素ガス)或いは空気を供給する方法が簡便である。但し、分子状酸素或いは空気は、加圧して反応器に供給してもよく、また、必要に応じて、反応液にバブリングすることによって供給してもよい。尚、反応器の材質は特に限定されず、一般的な汎用の反応器を用いることができる。
本発明にかかる酸素酸化触媒は、ヒドラジンを酸素酸化してジイミドに変換する触媒であって、下記構造式(1)
Figure 0005076103
(式中、Rは置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表し、R〜Rはそれぞれ独立してH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基,カルボキシル基,アミド基,エステル基,シアノ基,オキソ基,ホルミル基,スルホン酸基,リン酸基,ヒドロキシル基,メルカプト基,アミノ基,アルコキシ基,アルキルチオ基,ハロゲン基を表し、RはH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表す。但し、R〜Rのうちの二つで縮合炭化水素環若しくは縮合複素環を形成していてもよい)
で表される構造を有するイソアロキサジン化合物、および/または、下記構造式(2)
Figure 0005076103
(式中、R11は置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表し、R12〜R15はそれぞれ独立してH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基,カルボキシル基,アミド基,エステル基,シアノ基,オキソ基,ホルミル基,スルホン酸基,リン酸基,ヒドロキシル基,メルカプト基,アミノ基,アルコキシ基,アルキルチオ基,ハロゲン基を表し、R16はH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表す。但し、R11〜R16のうちの二つで縮合炭化水素環若しくは縮合複素環を形成していてもよい)
で表される構造を有するアロキサジン化合物からなる。
構造式(1)中のR〜R、および、構造式(2)中のR11〜R16がさらに有していてもよい置換基としては、炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基,カルボキシル基(−COOH),アミド基(−NHCOR),エステル基(−COOR),シアノ基(−CN),オキソ基(=O),ホルミル基(−CHO),スルホン酸基(−SOH),リン酸基(−OPO(OH)),ヒドロキシル基(−OH),メルカプト基(−SH),アミノ基(−NH),アルコキシ基(−OR),アルキルチオ基(−SR),ハロゲン基等が挙げられる。
尚、上記飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基,アミド基,エステル基,アルコキシ基,アルキルチオ基における炭素数は、特に制限は無いが、20までがより好ましい。
上記酸素酸化触媒は、構造式(1)中のRがメチル基,フェニル基,リビチル基,リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−アセチル)基,リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−ブチリル)基,またはリビチル(2’,4’:3’,5’−ジ−O−メチレン)基であるイソアロキサジン化合物からなることがより好ましい。
上記イソアロキサジン化合物としては、具体的には、例えば、下記式に示すように、10−メチルイソアロキサジン、3,10−ジメチルイソアロキサジン、10−メチルルミフラビン(「7,8,10−トリメチルイソアロキサジン」)、3,10−ジメチルルミフラビン(「3,7,8,10−テトラメチルイソアロキサジン」)、10−フェニルイソアロキサジン、10−フェニル−3−メチルイソアロキサジン、7−シアノ−10−メチルイソアロキサジン、7−シアノ−3,10−ジメチルイソアロキサジン、リボフラビン(「7,8−ジメチル−10−リビチルイソアロキサジン」)、四酢酸リボフラビン(「7,8−ジメチル−10−リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−アセチル)イソアロキサジン」)、四酪酸リボフラビン(「7,8−ジメチル−10−リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−ブチリル)イソアロキサジン」)、2,4:3,5−ジ−O−メチレン−3−メチルリボフラビン(「3,7,8−トリメチル−10−リビチル(2’,4’:3’,5’−ジ−O−メチレン)イソアロキサジン」)が挙げられる。
上記アロキサジン化合物としては、具体的には、例えば、下記式に示すように、1,3−ジメチルアロキサジンが挙げられる。
Figure 0005076103
上記例示の化合物のうち、リボフラビン、四酢酸リボフラビン、四酪酸リボフラビンがさらに好ましい。即ち、酸素酸化触媒としては、いわゆるリボフラビン誘導体が特に好ましい。
上記の酸素酸化触媒は、工業的に入手が容易であり、かつ、取り扱いが簡便である。例えば、イソアロキサジン化合物であるリボフラビン並びにその四酢酸エステルおよび四酪酸エステルは、各種医薬品や栄養補助食品(サプリメント)等の成分として安価に市販されている。特に、四酪酸リボフラビンは、脂溶性ビタミンBとして市販されている。そして、上記の酸素酸化触媒は有機化合物であり、また、対称多重結合を有するアルキン、アルケン、アレン、アゾ化合物、イミン、ニトリル等の被還元基質を、酸素の存在下、ヒドラジンを用いて水素化するときに副生する副生成物は分子状窒素(窒素ガス)と水だけであるので、環境に悪影響を及ぼさない。それゆえ、水素化方法に用いるヒドラジンを簡便かつ高効率で、安価にかつ安全に酸素酸化することができる。
尚、イソアロキサジン化合物は、前記非特許文献1に記載されているイソアロキサジニウム過塩素酸塩とはその構造が異なるだけでなく、作用機構も全く異なっている。
被還元基質に対する酸素酸化触媒の使用量は、0.0001当量以上、0.2当量以下の範囲内であることが好ましく、0.001当量以上、0.1当量以下の範囲内であることがより好ましく、0.01当量以上、0.05当量以下の範囲内であることがさらに好ましい。酸素酸化触媒は安定であり失活しないので、触媒濃度を比較的低くしても反応が効率的に進行する。酸素酸化触媒の使用量が0.0001当量未満である場合には、水素化反応に長時間を要するおそれがある。一方、使用量を0.2当量より多くしても構わないが、それに見合う程の効果は得られない。尚、水素化反応は、酸素酸化触媒が反応液に溶解していなくても進行する。
酸素酸化触媒は有機化合物であり、遷移金属を含んでいないので、被還元基質が含硫黄化合物であっても、硫黄が触媒毒となることはない。つまり、被還元基質が含硫黄化合物であっても、対称多重結合を効率的に水素化することができる。
また、本発明にかかる酸素酸化触媒は、水素化反応に従来用いられていた遷移金属触媒では水素化反応が困難であった被還元基質に対して特に有効である。本発明にかかる酸素酸化触媒を用いることにより、例えば、被還元基質が水酸基、カルボキシ基、或いはアミノ基を含み当該水酸基、カルボキシ基、或いはアミノ基がそれぞれベンジルオキシ基、ベンジルエステル基、或いはベンジルオキシカルボニルアミノ基として保護されている場合であっても、水素化反応によって保護基が脱落することはなく、対称多重結合のみを水素化することができる。また、被還元基質がアルキルチオ基やアミノ基等の被酸化性官能基を含む場合も当該被酸化性官能基が酸化されることなく、対称多重結合のみを水素化することができる。
尚、酸素酸化触媒を用いなくとも、反応液を攪拌するだけで水素化反応は或る程度進行する。しかしながら、その収率は低く、それゆえ、酸素酸化触媒を用いない反応は実用的ではない(工業的に不利である)。
本発明にかかる水素化反応は、被還元基質が反応温度で液体であれば無溶媒で行うことができるが、必要に応じて溶媒を用いることもできる。本発明にかかる水素化反応に好適な溶媒は、特に制限されるものではなく、一般的に反応溶媒として用いられている各種化合物を用いることができる。当該溶媒としては、具体的には、例えば、水、アセトニトリル等のニトリル、クロロホルム,ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素、メチルアルコール,エチルアルコール,トリフルオロエチルアルコール等のフッ素を含んでいてもよいアルコール、ジメチルエーテル,ジエチルエーテル等のエーテル、酢酸エチル等のエステル、ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド、ヘキサン等の炭化水素が挙げられる。これら溶媒は、単独で用いてもよく、適宜組み合わせて混合溶媒として用いてもよい。上記例示の溶媒のうち、非プロトン性の極性溶媒がより好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。
溶媒を用いる場合には、反応液の濃度(基質濃度)は、0.1M以上であることが好ましい。濃度が0.1M未満である場合には、反応器の使用効率が低くなる。
被還元基質、酸素酸化触媒および溶媒(但し、必要に応じて)は、反応前に反応器に一度に仕込むことができる。ヒドラジンは、反応前に反応器に一度に仕込んでもよく、反応中に数回に分けて仕込んでもよい。但し、反応器に被還元基質、酸素酸化触媒、ヒドラジンおよび溶媒を仕込む順序やタイミングは、水素化反応の進行に支障が無い限り、任意に設定することができる。
反応温度は、0℃以上、還流温度以下の範囲内であればよく、0〜50℃の範囲内がより好ましく、20〜50℃の範囲内がさらに好ましく、22〜35℃の範囲内(室温、常温)が特に好ましい。反応温度が0℃未満である場合には、反応速度が遅くなり、反応に長時間を要するおそれがある。本発明にかかる水素化反応では、比較的温和な条件下でヒドラジンの酸素酸化と、被還元基質の水素化とが進行する。
反応時間は、酸素酸化触媒の使用量や反応温度等の他の反応条件に応じて適宜設定すればよい。水素化反応が終了したか否かは、例えばガスクロマトグラフィーやTLC(薄層クロマトグラフィー)によってサンプリングすることにより、容易に知ることができる。
水素化反応によって得られる水素化生成物は、単純な蒸留操作や抽出操作、或いはカラムクロマトグラフィーによって簡単に単離することができる。
本発明にかかる水素化方法によれば、酸素酸化触媒として、工業的に入手が容易であり、かつ、取り扱いが簡便なイソアロキサジン化合物およびアロキサジン化合物を用いることができる。即ち、工業的に入手が容易であり、かつ、取り扱いが簡便な酸素酸化触媒を用いることができるので、対称多重結合を有するアルキン、アルケン、アレン、アゾ化合物、イミン、ニトリル等の被還元基質を、酸素の存在下、ヒドラジンを用いて簡便かつ高効率で、安価にかつ安全に水素化することができる。
一般に、ジイミド還元法は、ジスルフィドおよび極性が大きく非対称な不飽和結合等の官能基に対して、不活性な方法である。それゆえ、本発明にかかる水素化方法は、これら官能基を有するオレフィン等の不飽和化合物を選択的に水素化する方法として、特に有効である。本発明にかかる水素化方法は、ジイミドによる還元であり、立体障害の影響を受けるので、被還元基質が対称多重結合を複数有する場合には、立体障害のより小さい対称多重結合から選択的に水素化される。また。対称多重結合が三重結合である場合には、被還元基質に対するヒドラジンの使用量を調節する等、反応条件を適切に設定することにより、水素化反応が一段階行われた水素化生成物(二重結合を有する水素化生成物)と、水素化反応が二段階行われた水素化生成物とを選択的に得ることも可能である。
また、本発明にかかる水素化方法では、被酸化性官能基や非対称極性多重結合(カルボニル基、ニトロ基、C−S結合、S−S結合、S−O結合、C−ハロゲン結合等)、並びに、芳香環やヘテロ環が水素化されることは無いため、適用することができる被還元基質に制限は無い。つまり、本発明にかかる水素化方法は、多様な官能基を有する広範な被還元基質の水素化に利用することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明にかかる製造方法をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
磁気攪拌子を入れた10mmφガラス製試験管(反応器)に、被還元基質としてのスチレン0.1ミリモルと、酸素酸化触媒である3,10−ジメチルルミフラビン0.001ミリモル(0.01当量)と、ヒドラジン一水和物0.12ミリモル(1.2当量)と、溶媒であるアセトニトリル0.4mlとを仕込んだ。また、収率を求めるための内部基準物質としてデカンを加えた。
上記試験管に酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら8時間反応させた。反応後、ガスクロマトグラフィー分析により水素化生成物であるエチルベンゼンの収率を求めたところ、50%であった。用いた酸素酸化触媒および収率をまとめて表1に示す。
(実施例2〜13)
用いる酸素酸化触媒を変更した以外は、実施例1と同様の反応を行った。用いた酸素酸化触媒および収率をまとめて表1に示す。
Figure 0005076103
(実施例14〜20)
用いる溶媒を変更した以外は、実施例1と同様の反応を行った。用いた溶媒および収率をまとめて表2に示す。
Figure 0005076103
(実施例21)
磁気攪拌子を入れた20mlの枝付きフラスコに、スチレン1ミリモルと、四酪酸リボフラビン0.02ミリモル(0.02当量)と、ヒドラジン一水和物2ミリモル(2当量)と、アセトニトリル8mlとを仕込んだ。また、内部基準物質としてデカンを加えた。
上記フラスコに酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら24時間反応させた。反応後、ガスクロマトグラフィー分析によりエチルベンゼンの収率を求めたところ、99%であった。
水素化生成物であるエチルベンゼンとデカン(内部基準物質)とを含む反応液のガスクロマトグラフィーのチャートを図1に示すと共に、被還元基質であるスチレンのガスクロマトグラフィーのチャートを図2に示す。
(実施例22)
磁気攪拌子を入れた20mlの枝付きフラスコに、1−デセン1ミリモルと、四酪酸リボフラビン0.02ミリモル(0.02当量)と、ヒドラジン一水和物2ミリモル(2当量)と、アセトニトリル8mlとを仕込んだ。また、内部基準物質としてウンデカンを加えた。
上記フラスコに酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら24時間反応させた。反応後、ガスクロマトグラフィー分析によりデカンの収率を求めたところ、99%であった。
水素化生成物であるデカンとウンデカン(内部基準物質)とを含む反応液のガスクロマトグラフィーのチャートを図3に示すと共に、被還元基質である1−デセンのガスクロマトグラフィーのチャートを図4に示す。
(実施例23)
磁気攪拌子を入れた20mlの枝付きフラスコに、2−エキソ,3−エキソ−ジ(アセトキシメチル)ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン1ミリモル(238mg)と、四酪酸リボフラビン0.02ミリモル(0.02当量)と、ヒドラジン一水和物2ミリモル(2当量)と、アセトニトリル8mlとを仕込んだ。
上記フラスコに酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら24時間反応させた。反応後、得られた反応液からアセトニトリルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物の精製を行った。その結果、2−エキソ,3−エキソ−ジ(アセトキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンが収率97%(232mg)で得られた。
分析結果は以下の通り。1H-NMR (270MHz, CDCl3, r.t.) δ 1.05-1.13 (m, 1H), 1.19-1.29 (m, 2H), 1.43-1.52 (m, 1H), 1.53-1.63 (m, 2H), 1.93-2.03 (m, 2H), 2.05 (s, 6H), 2.13-2.18 (m, 2H), 3.90-4.10 (m, 4H); 13C-NMR (68MHz, CDCl3, r.t.) δ 21.1, 29.4, 33.4, 39.8, 44.4, 64.3, 170.7。
(実施例24)
磁気攪拌子を入れた100mlの枝付きフラスコに、フェニル=アリル=スルフィド3ミリモル(450mg)と、四酪酸リボフラビン0.06ミリモル(0.02当量)と、ヒドラジン一水和物6ミリモル(2当量)と、アセトニトリル24mlとを仕込んだ。
上記フラスコに酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら30時間反応させた。反応後、得られた反応液からアセトニトリルを減圧留去した後、クーゲルロール蒸留によって残留物の精製を行った。その結果、フェニル=プロピル=スルフィドが収率96%(439mg)で得られた。
分析結果は以下の通り。1H-NMR (270MHz, CDCl3, r.t.) δ 1.01 (t, J=7.4Hz, 3H), 1.66 (tq, J=7.4, 7.3Hz, 2H), 2.89 (t, J=7.3Hz, 2H), 7.10-7.19 (m, 1H), 7.22-7.34 (m, 4H); 13C-NMR (68MHz, CDCl3, r.t.) δ 13.5, 22.6, 35.7, 125.6, 128.7, 128.9, 136.9。
水素化生成物であるフェニル=プロピル=スルフィドのH-NMRのチャートを図5に示すと共に、13C-NMRのチャートを図6に示す。また、被還元基質であるフェニル=アリル=スルフィドのH-NMRのチャートを図7に示すと共に、13C-NMRのチャートを図8に示す。
(実施例25)
磁気攪拌子を入れた20mlの枝付きフラスコに、3−(メチルチオ)プロパン酸アリル1ミリモル(160mg)と、四酪酸リボフラビン0.02ミリモル(0.02当量)と、ヒドラジン一水和物2ミリモル(2当量)と、アセトニトリル8mlとを仕込んだ。
上記フラスコに酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら24時間反応させた。反応後、得られた反応液からアセトニトリルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物の精製を行った。その結果、3−(メチルチオ)プロパン酸プロピルが収率90%(146mg)で得られた。
分析結果は以下の通り。1H-NMR (270MHz, CDCl3, r.t.) δ 0.95 (t, J=7.30Hz, 3H), 1.66 (tq, J=7.3, 7.3Hz, 2H), 2.13 (s, 3H), 2.59-2.65 (m, 2H), 2.75-2.80 (m, 2H), 4.06 (t, J=6.8Hz, 2H); 13C-NMR (68MHz, CDCl3, r.t.) δ 10.4, 15.6, 22.0, 29.2, 34.6, 66.3, 171.8。
(実施例26)
磁気攪拌子を入れた20mlの枝付きナスフラスコに、桂皮酸3−(メチルチオ)プロピル1ミリモル(236mg)と、四酪酸リボフラビン0.02ミリモル(0.02当量)と、ヒドラジン一水和物2ミリモル(2当量)と、アセトニトリル8mlとを仕込んだ。
上記フラスコに酸素ガスを満たした風船を取り付け、50℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら36時間反応させた。反応後、得られた反応液からアセトニトリルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物の精製を行った。その結果、3−フェニルプロパン酸3’−(メチルチオ)プロピルが収率81%(192mg)で得られた。
分析結果は以下の通り。1H-NMR (270MHz, CDCl3, r.t.) δ 1.88 (tt, J=7.6, 6.3Hz, 2H), 2.08 (s, 3H), 2.49 (t, J=7.5Hz, 2H), 2.61-2.66 (m, 2H), 2.95 (t, J=7.6Hz, 2H), 4.16 (t, J=6.3Hz, 2H), 7.17-7.32 (m, 5H); 13C-NMR (68MHz, CDCl3, r.t.) δ 15.5, 28.3, 30.6, 31.0, 35.8, 63.0, 126.1, 128.1, 128.3, 140.3, 172.6。
(実施例27)
磁気攪拌子を入れた20mlの枝付きフラスコに、3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸アリル1ミリモル(263mg)と、四酪酸リボフラビン0.02ミリモル(0.02当量)と、ヒドラジン一水和物2ミリモル(2当量)と、アセトニトリル8mlとを仕込んだ。
上記フラスコに酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら24時間反応させた。反応後、得られた反応液からアセトニトリルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物の精製を行った。その結果、3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸プロピルが収率99%(262mg)で得られた。
分析結果は以下の通り。1H-NMR (270MHz, CDCl3, r.t.) δ 0.93 (t, J=7.4Hz, 3H), 1.64 (tq, J=7.4, 6.8Hz, 2H), 2.54 (t, J=6.1Hz, 2H), 3.47 (dt, J=6.1, 6.0Hz, 2H), 4.04 (t, J=6.8Hz, 2H), 5.09 (s, 2H), 5.28 (br s, 1H), 7.25-7.40 (m, 5H); 13C-NMR (68MHz, CDCl3, r.t.) δ 10.4, 22.0, 34.5, 36.7, 66.3, 66.7, 127.9, 127.9, 128.4, 136.4, 156.1, 172.1。
水素化生成物である3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸プロピルのH-NMRのチャートを図9に示すと共に、13C-NMRのチャートを図10に示す。また、被還元基質である3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸アリルのH-NMRのチャートを図11に示すと共に、13C-NMRのチャートを図12に示す。
(実施例28)
磁気攪拌子を入れた20mlの枝付きフラスコに、1,2−エポキシ−9−デセン1ミリモル(154mg)と、四酪酸リボフラビン0.02ミリモル(0.02当量)と、ヒドラジン一水和物2ミリモル(2当量)と、アセトニトリル8mlとを仕込んだ。
上記フラスコに酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら24時間反応させた。反応後、得られた反応液からアセトニトリルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物の精製を行った。その結果、1−デセン=オキシドが収率85%(132mg)で得られた。
分析結果は以下の通り。1H-NMR (270MHz, CDCl3, r.t.) δ 0.88 (t, J=6.7Hz, 3H), 1.20-1.35 (m, 10H), 1.40-1.57 (m, 4H), 2.46 (dd, J=5.1, 2.8Hz, 1H), 2.74 (dd, J=5.1, 4.1Hz, 1H), 2.90 (ddt, J=2.8, 4.1, 5.4Hz, 1H); 13C-NMR (68MHz, CDCl3, r.t.) δ 14.1, 22.7, 26.0, 29.3, 29.5, 29.6, 31.9, 32.6, 47.1, 52.4。
(実施例29)
磁気攪拌子を入れた250mlの枝付きフラスコに、ベンジル=アリル=エーテル10ミリモル(1.48g)と、四酪酸リボフラビン0.2ミリモル(0.02当量)と、ヒドラジン一水和物20ミリモル(2当量)と、アセトニトリル80mlとを仕込んだ。
上記フラスコに酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら24時間反応させた。反応後、得られた反応液からアセトニトリルを減圧留去した後、クーゲルロール蒸留によって残留物の精製を行った。その結果、ベンジル=プロピル=エーテルが収率93%(1.39g)で得られた。
分析結果は以下の通り。1H-NMR (270MHz, CDCl3, r.t.) δ 0.94 (t, J=7.4Hz, 3H), 1.63 (tq, J=6.8, 7.4Hz, 2H), 3.42 (t, J=6.8Hz, 2H), 4.49 (s, 2H), 7.20-7.35 (m, 5H); 13C-NMR (68MHz, CDCl3, r.t.) δ 10.6, 23.0, 72.1, 72.7, 127.3, 127.4, 128.2。
(実施例30)
磁気攪拌子を入れた20mlの枝付きフラスコに、1−フェニル−2−プロピン−1−オール1ミリモル(132mg)と、四酪酸リボフラビン0.02ミリモル(0.02当量)と、ヒドラジン一水和物4ミリモル(4当量)と、アセトニトリル12mlとを仕込んだ。
上記フラスコに酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら24時間反応させた。水素化反応の進行状況は、ガスクロマトグラフィーによって確認した。その後、反応液に、ヒドラジン一水和物1ミリモル(1当量)を加え、さらに、上記恒温槽内で攪拌しながら16時間反応させた。反応後、得られた反応液からアセトニトリルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物の精製を行った。その結果、1−フェニル−1−プロパノールが収率92%(125mg)で得られた。
分析結果は以下の通り。1H-NMR (270MHz, CDCl3, r.t.) δ 0.90 (t, J=7.4Hz, 3H), 1.64-1.92 (m, 2H), 4.58 (t, J=6.6Hz, 1H), 7.23-7.35 (m, 5H); 13C-NMR (68MHz, CDCl3, r.t.) δ 10.2, 31.9, 76.0, 125.9, 127.4, 128.3, 144.4。
(実施例31)
磁気攪拌子を入れた枝付きフラスコに、ポリブタジエン(数平均分子量:3,000、1,4−重合体:84%、1,2−重合体:16%)のヘキサン/アセトニトリル(1/8)溶液(濃度6g/l)を仕込むと共に、当該溶液中のポリブタジエンの炭素−炭素二重結合(対称多重結合)に対して0.02当量の四酪酸リボフラビンと、3当量のヒドラジン一水和物とを仕込んだ。
上記フラスコに酸素ガスを満たした風船を取り付け、50℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら48時間反応させた。その結果、ポリブタジエンの炭素−炭素二重結合のうち約25%が水素化された部分水素化ポリブタジエン(水素化重合体(ポリブチレン):25%、1,4−重合体:66%、1,2−重合体:9%)が得られた。
(実施例32)
磁気攪拌子を入れた枝付きフラスコに、ポリブタジエン(数平均分子量:3,000、1,4−重合体:84%、1,2−重合体:16%)108mgと、四酪酸リボフラビン0.04ミリモル(ポリブタジエンの炭素−炭素二重結合(対称多重結合)に対して0.02当量)と、ヒドラジン一水和物6ミリモル(同3当量)と、ヘキサン3mlと、アセトニトリル32mlとを仕込んだ。
上記フラスコに酸素ガスを満たした風船を取り付け、50℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら24時間反応させた。反応後、得られた反応液にヘキサンを加え、ヘキサン層を分液し、得られた溶液からヘキサンを減圧留去した。これにより、ポリブタジエンの炭素−炭素二重結合のうち約20%が水素化された部分水素化ポリブタジエン(水素化重合体(ポリブチレン):20%、1,4−重合体:67%、1,2−重合体:13%)が108mg得られた。
(実施例33)
磁気攪拌子を入れた10mmφガラス製試験管に、スチレン0.2ミリモルと、四酪酸リボフラビン0.002ミリモル(0.01当量)と、ヒドラジン一水和物0.2ミリモル(1当量)と、アセトニトリル0.8mlとを仕込んだ。また、内部基準物質としてデカンを加えた。
上記試験管に酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら12時間反応させた。その後、反応液に、ヒドラジン一水和物0.1ミリモル(0.5当量)を加え、さらに、上記恒温槽内で攪拌しながら6時間反応させた。反応後、ガスクロマトグラフィー分析によりエチルベンゼンの収率を求めたところ、99%であった。
(実施例34)
磁気攪拌子を入れた10mmφガラス製試験管に、1−デセン0.2ミリモルと、四酪酸リボフラビン0.002ミリモル(0.01当量)と、ヒドラジン一水和物0.2ミリモル(1当量)と、アセトニトリル0.8mlとを仕込んだ。
上記試験管に空気を満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら12時間反応させた。その後、反応液に、ヒドラジン一水和物0.1ミリモル(0.5当量)を加え、さらに、上記恒温槽内で攪拌しながら6時間反応させた。反応後、ガスクロマトグラフィー分析によりデカンの収率を求めたところ、99%であった。
(実施例35)
磁気攪拌子を入れた10mmφガラス製試験管に、2−エキソ,3−エキソ−ジ(アセトキシメチル)ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン0.2ミリモル(47.8mg)と、四酪酸リボフラビン0.002ミリモル(0.01当量)と、ヒドラジン一水和物0.2ミリモル(1当量)と、アセトニトリル0.8mlとを仕込んだ。
上記試験管に酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら12時間反応させた。その後、反応液に、ヒドラジン一水和物0.2ミリモル(1当量)を加え、さらに、上記恒温槽内で攪拌しながら6時間反応させた。反応後、得られた反応液をヘキサンで希釈して水洗した後、ヘキサンを減圧留去した。これにより、2−エキソ,3−エキソ−ジ(アセトキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンが収率99%(47mg)で得られた。
(実施例36)
被還元基質をリナロール0.2ミリモル(30.8mg)に変更した以外は、実施例35と同様の反応を行った。これにより、2,6−ジメチル−2−オクテン−6−オールが収率87%(27mg)で得られた。
(実施例37)
磁気攪拌子を入れた10mmφガラス製試験管に、フェニル=アリル=スルフィド0.2ミリモル(30.0mg)と、四酪酸リボフラビン0.002ミリモル(0.01当量)と、ヒドラジン一水和物0.2ミリモル(1当量)と、アセトニトリル0.8mlとを仕込んだ。
上記試験管に酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら12時間反応させた。その後、反応液に、ヒドラジン一水和物0.2ミリモル(1当量)を加え、さらに、上記恒温槽内で攪拌しながら12時間反応させた。反応後、得られた反応液をヘキサンで希釈して水洗した後、ヘキサンを減圧留去した。これにより、フェニル=プロピル=スルフィドが収率89%(27mg)で得られた。
(実施例38)
磁気攪拌子を入れた10mmφガラス製試験管に、3−(メチルチオ)プロパン酸アリル0.1ミリモル(16.0mg)と、四酪酸リボフラビン0.001ミリモル(0.01当量)と、ヒドラジン一水和物0.1ミリモル(1当量)と、アセトニトリル0.4mlとを仕込んだ。
上記試験管に酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら12時間反応させた。その後、反応液に、ヒドラジン一水和物0.1ミリモル(1当量)を加え、さらに、上記恒温槽内で攪拌しながら12時間反応させた。反応後、得られた反応液からアセトニトリルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物の精製を行った。その結果、3−(メチルチオ)プロパン酸プロピルが収率86%(14mg)で得られた。
(実施例39)
磁気攪拌子を入れた10mmφガラス製試験管に、桂皮酸3−(メチルチオ)プロピル0.2ミリモル(47.2mg)と、四酪酸リボフラビン0.002ミリモル(0.01当量)と、ヒドラジン一水和物0.2ミリモル(1当量)と、アセトニトリル0.8mlとを仕込んだ。
上記試験管に酸素ガスを満たした風船を取り付け、50℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら12時間反応させた。その後、反応液に、ヒドラジン一水和物0.2ミリモル(1当量)を加え、さらに、上記恒温槽内で攪拌しながら12時間反応させた。その後、反応液に、ヒドラジン一水和物0.08ミリモル(0.4当量)を加え、さらにまた、上記恒温槽内で攪拌しながら6時間反応させた。反応後、得られた反応液からアセトニトリルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物の精製を行った。その結果、3−フェニルプロパン酸3’−(メチルチオ)プロピルが収率97%(46mg)で得られた。
(実施例40)
磁気攪拌子を入れた10mmφガラス製試験管に、3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸アリル0.2ミリモル(52.6mg)と、四酪酸リボフラビン0.002ミリモル(0.01当量)と、ヒドラジン一水和物0.2ミリモル(1当量)と、アセトニトリル0.8mlとを仕込んだ。
上記試験管に酸素ガスを満たした風船を取り付け、30℃に温度調節した恒温槽に入れ、同温度で攪拌しながら12時間反応させた。その後、反応液に、ヒドラジン一水和物0.2ミリモル(1当量)を加え、さらに、上記恒温槽内で攪拌しながら12時間反応させた。反応後、得られた反応液からアセトニトリルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物の精製を行った。その結果、3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸プロピルが収率86%(45mg)で得られた。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る水素化方法および酸素酸化触媒は、各種医薬品およびその中間原料の製造や、機能性高分子の製造等、不飽和化合物を水素化する工程を含む各種化合物の製造に好適に利用することができる。
実施例21で得られた反応液のガスクロマトグラフィーのチャートである。 スチレンのガスクロマトグラフィーのチャートである。 実施例22で得られた反応液のガスクロマトグラフィーのチャートである。 1−デセンのガスクロマトグラフィーのチャートである。 実施例24で得られたフェニル=プロピル=スルフィドのH-NMRのチャートである。 上記フェニル=プロピル=スルフィドの13C-NMRのチャートである。 フェニル=アリル=スルフィドのH-NMRのチャートである。 上記フェニル=アリル=スルフィドの13C-NMRのチャートである。 実施例27で得られた3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸プロピルのH-NMRのチャートである。 上記3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸プロピルの13C-NMRのチャートである。 3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸アリルのH-NMRのチャートである。 上記3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸アリルの13C-NMRのチャートである。

Claims (9)

  1. 対称多重結合を有する被還元基質を、酸素の存在下、ヒドラジンを用いて水素化する方法であって、
    上記被還元基質がアルキン、アルケン、アレン、アゾ化合物、イミン、またはニトリルであり、
    下記構造式(1)
    Figure 0005076103
    (式中、Rは置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表し、R〜Rはそれぞれ独立してH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基,カルボキシル基,アミド基,エステル基,シアノ基,オキソ基,ホルミル基,スルホン酸基,リン酸基,ヒドロキシル基,メルカプト基,アミノ基,アルコキシ基,アルキルチオ基,ハロゲン基を表し、RはH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表す。但し、R〜Rのうちの二つで縮合炭化水素環若しくは縮合複素環を形成していてもよい)
    で表される構造を有するイソアロキサジン化合物、および/または、
    下記構造式(2)
    Figure 0005076103
    (式中、R11は置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表し、R12〜R15はそれぞれ独立してH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基,カルボキシル基,アミド基,エステル基,シアノ基,オキソ基,ホルミル基,スルホン酸基,リン酸基,ヒドロキシル基,メルカプト基,アミノ基,アルコキシ基,アルキルチオ基,ハロゲン基を表し、R16はH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表す。但し、R11〜R16のうちの二つで縮合炭化水素環若しくは縮合複素環を形成していてもよい)
    で表される構造を有するアロキサジン化合物を酸素酸化触媒として用いることを特徴とする水素化方法。
  2. 被還元基質に対して上記触媒を0.0001当量以上、0.2当量以下の範囲内で用いることを特徴とする請求項1記載の水素化方法。
  3. 構造式(1)中のRがメチル基,フェニル基,リビチル基,リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−アセチル)基,リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−ブチリル)基,またはリビチル(2’,4’:3’,5’−ジ−O−メチレン)基であるイソアロキサジン化合物を用いることを特徴とする請求項1または2記載の水素化方法。
  4. 上記触媒が、10−メチルイソアロキサジン、3,10−ジメチルイソアロキサジン、10−メチルルミフラビン(「7,8,10−トリメチルイソアロキサジン」)、3,10−ジメチルルミフラビン(「3,7,8,10−テトラメチルイソアロキサジン」)、10−フェニルイソアロキサジン、10−フェニル−3−メチルイソアロキサジン、7−シアノ−10−メチルイソアロキサジン、7−シアノ−3,10−ジメチルイソアロキサジン、リボフラビン(「7,8−ジメチル−10−リビチルイソアロキサジン」)、四酢酸リボフラビン(「7,8−ジメチル−10−リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−アセチル)イソアロキサジン」)、四酪酸リボフラビン(「7,8−ジメチル−10−リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−ブチリル)イソアロキサジン」)、2,4:3,5−ジ−O−メチレン−3−メチルリボフラビン(「3,7,8−トリメチル−10−リビチル(2’,4’:3’,5’−ジ−O−メチレン)イソアロキサジン」)からなる群より選ばれる少なくとも一種のイソアロキサジン化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の水素化方法。
  5. 被還元基質が含硫黄化合物であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の水素化方法。
  6. 被還元基質に対してヒドラジンを1当量以上、2当量以下の範囲内で用いることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の水素化方法。
  7. ヒドラジンを酸素酸化する触媒であって、
    下記構造式(1)
    Figure 0005076103
    (式中、Rは置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表し、R〜Rはそれぞれ独立してH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基,カルボキシル基,アミド基,エステル基,シアノ基,オキソ基,ホルミル基,スルホン酸基,リン酸基,ヒドロキシル基,メルカプト基,アミノ基,アルコキシ基,アルキルチオ基,ハロゲン基を表し、RはH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表す。但し、R〜Rのうちの二つで縮合炭化水素環若しくは縮合複素環を形成していてもよい)
    で表される構造を有するイソアロキサジン化合物、および/または、
    下記構造式(2)
    Figure 0005076103
    (式中、R11は置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表し、R12〜R15はそれぞれ独立してH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基,カルボキシル基,アミド基,エステル基,シアノ基,オキソ基,ホルミル基,スルホン酸基,リン酸基,ヒドロキシル基,メルカプト基,アミノ基,アルコキシ基,アルキルチオ基,ハロゲン基を表し、R16はH、若しくは、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の、環式炭化水素基,非環式炭化水素基,芳香族基,ヘテロ環基を表す。但し、R11〜R16のうちの二つで縮合炭化水素環若しくは縮合複素環を形成していてもよい)
    で表される構造を有するアロキサジン化合物からなる酸素酸化触媒。
  8. 構造式(1)中のRがメチル基,フェニル基,リビチル基,リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−アセチル)基,リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−ブチリル)基,またはリビチル(2’,4’:3’,5’−ジ−O−メチレン)基であるイソアロキサジン化合物からなることを特徴とする請求項7記載の酸素酸化触媒。
  9. 10−メチルイソアロキサジン、3,10−ジメチルイソアロキサジン、10−メチルルミフラビン(「7,8,10−トリメチルイソアロキサジン」)、3,10−ジメチルルミフラビン(「3,7,8,10−テトラメチルイソアロキサジン」)、10−フェニルイソアロキサジン、10−フェニル−3−メチルイソアロキサジン、7−シアノ−10−メチルイソアロキサジン、7−シアノ−3,10−ジメチルイソアロキサジン、リボフラビン(「7,8−ジメチル−10−リビチルイソアロキサジン」)、四酢酸リボフラビン(「7,8−ジメチル−10−リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−アセチル)イソアロキサジン」)、四酪酸リボフラビン(「7,8−ジメチル−10−リビチル(2’,3’,4’,5’−テトラ−O−ブチリル)イソアロキサジン」)、2,4:3,5−ジ−O−メチレン−3−メチルリボフラビン(「3,7,8−トリメチル−10−リビチル(2’,4’:3’,5’−ジ−O−メチレン)イソアロキサジン」)からなる群より選ばれる少なくとも一種のイソアロキサジン化合物からなることを特徴とする請求項7記載の酸素酸化触媒。
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