JP5075045B2 - 試料観察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、筒状体の内側に配された試料を観察するための試料観察装置に関する。
従来、軸方向に開口する開口部を有する筒状体の内側に配された試料を当該筒状体の外部で観察するための試料観察装置がある。
例えば、高磁場を発生可能な超電導マグネットの円筒状のケーシング部(筒状体)の内側に常磁性または反磁性試料を配して、磁気力による低重力または過重力環境における試料の状態や挙動を調べる試料観察装置が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1では、超電導コイルの内側に円筒状のケーシングを配し、そのケーシングの内部に当該コイルの軸方向に互いに並ぶように2つの試料支持部が設けられている。また、各試料支持部の径方向外側の対向位置には、ケーシングの軸方向一端の開口から軸方向に平行に入射した光を軸方向と直交方向に反射して試料支持部に支持される試料に向かわせるための反射ミラーと、試料を通過した光を軸方向に反射してケーシングの開口に向かわせるための反射ミラーとが設けられている。そして、これらの反射ミラーにより試料を通過してケーシングの開口から外方に進行した光を捕らえることにより前記試料を観察するようになっている。
また、各試料支持部に対応する一対の反射ミラーは、軸方向から見た対向方向が互いに周方向にずれるように配設されている(特許文献1では前記対向方向が周方向に90度ずれている。)。これにより、奥側の試料支持部に保持される試料を、手前側の試料支持部の反射ミラーに干渉されることなく観察することが可能であり、各試料支持部の試料を一度に観察可能となっている。
特許第3711386号
ところで、従来から、一度により多くの試料を観察したいという要望がある。
例えば、上述の試料観察装置の観察対象である試料の一例として、反磁性体であるタンパク質がある。近年、創薬分野や生命工学分野においてタンパク質の構造解析ニーズが非常に高まっている。
構造解析手法の一つに、タンパク質を結晶化し、X線回折を用いて構造を決定する手法が知られている。タンパク質を結晶化する際に、磁気力による擬似無重力が効果的であり、超電導マグネット内での結晶化技術が提案されている。
ところが、タンパク質が効率良く結晶化するための条件が未だ十分に把握されておらず、当該タンパク質結晶化に適した条件を見出すために、観察数量の増大(好ましくは数百個以上)がより強く要望されている。
なお、前記特許文献1では、軸方向に並ぶ試料支持部の数を増やすことで、観察試料の数を増大することが可能であるが、この場合、それらの試料支持部の各々に対応する一対の反射ミラーを、軸方向から見た状態で互いに周方向にずらして設置するのが極めて困難である。また、ケーシングを、多数の試料支持部を収容するために、軸方向に長くする必要がある。
本発明は、上記のような要望に応えるためになされたものであり、筒状体の内側に配された多数の試料を全て観察可能な試料観察装置を提供することを目的とする。
上記要望に応えるために、本発明の請求項1に記載の試料観察装置は、軸方向の少なくとも一方に開口する開口部を有する筒状体の内側に配された複数の試料を当該筒状体の外部で観察するための試料観察装置であって、前記筒状体の内側に設けられ、当該筒状体の軸方向と略直交する方向に並ぶ複数の位置に試料を保持するための試料保持部をそれぞれ有し、前記筒状体の軸方向に互いに並ぶ複数の試料保持ユニットと、前記各試料保持ユニットの試料保持部にそれぞれ保持された試料から特定方向に向かう光を形成する照明部とを備え、前記開口部から数えて2番目以降の試料保持ユニットは、前記開口部から前記筒状体の軸方向に見て当該試料保持ユニットよりも手前側の試料保持ユニットと重なる位置であって互いに前記筒状体の周方向に並ぶ複数の位置にそれぞれ前記試料保持部を有する試料保持部材と、この試料保持部材の各試料保持部に対して順次対向可能となるように前記筒状体の中心軸回りに前記試料保持部材に対して相対回転可能に配置され、その対向する試料保持部に保持される試料からの光を前記手前側の試料保持ユニットの外周面と前記筒状体の内周面との隙間から前記開口部へ導く導光部とを含むことを特徴とする。
この請求項1に記載の試料観察装置では、筒状体の内側に、当該筒状体の軸方向と略直交する方向に並ぶ複数の試料保持部を有する試料保持ユニットを、前記筒状体の軸方向に複数並べることによって、筒状体の内側の限られた空間に多数の試料を保持することができる。しかも、開口部から数えて2番目以降の試料保持ユニットに、当該試料保持ユニットの試料保持部に対向しその対向する試料保持部に保持される試料からの光を手前側の試料保持ユニットを迂回させて開口部へ導く導光部を設け、さらに、その導光部が、当該試料保持ユニットの試料保持部材に対して相対回転して前記試料保持部材の各試料保持部に対して順次対向するように構成したので、開口部から数えて2番目以降の試料保持ユニット、すなわち、開口部から見て最も手前側の試料保持ユニットの後ろに隠れる試料保持ユニットについても、当該試料保持ユニットの複数の試料保持部に各々保持される試料を全て観察することができる。従って、本発明によれば、筒状体の内側に配された多数の試料を全て観察することができる。
請求項2に記載の試料観察装置は、請求項1に記載の試料観察装置において、前記導光部は、当該導光部が含まれる試料保持ユニットの試料保持部材の前記筒状体の軸方向のいずれか一方側に、当該試料保持部材の各試料保持部に対向するように配置され、その対向する試料保持部に保持される試料から前記筒状体の軸方向に平行に進む光を前記筒状体の径方向の外側に導き、かつ、前記手前側の試料保持ユニットの外周面と前記筒状体の内周面との隙間から前記開口部へ導くことを特徴とする。
この請求項2に記載の試料観察装置では、試料保持部に保持される試料から筒状体の軸方向に平行に進む光を導光部によって開口部へと導くので、試料保持部同士が筒状体の径方向に見て互いに重なる位置に設けられていても、それらの試料保持部にそれぞれ保持されるいずれの試料も十分に観察することができる。これにより、観察可能な試料の数を増やすことができる。
請求項3に記載の試料観察装置は、請求項2に記載の試料観察装置において、前記導光部が対向する試料保持部が順次切換えられるように、当該導光部をこの導光部が含まれる試料保持ユニットの試料保持部材に対して相対回転させる切換手段を備えることを特徴とする。
この請求項3に記載の試料観察装置では、切換手段によって導光部を試料保持部材に対して容易に相対回転させることができる。
請求項4に記載の試料観察装置は、請求項3に記載の試料観察装置において、前記試料保持ユニットは、前記筒状体の軸方向に並ぶ3つ以上の位置にそれぞれ配され、前記切換手段は、前記開口部から数えて2番目以降の試料保持ユニットがそれぞれ有する導光部をこれらの導光部が互いに周方向にずれる相対位置に保持されるように結合する結合部材と、この結合部材により相互連結される導光部からなる結合体を当該導光部が含まれる試料保持ユニットの各試料保持部材に対して相対回転させる回転駆動手段とを含むことを特徴とする。
この請求項4に記載の試料観察装置では、筒状体の内側に3つ以上の試料保持ユニットが配されている場合でも、開口部から数えて2番目以降の試料保持ユニットにそれぞれ導光部を設けることによって、2番目以降の各試料保持ユニットに保持される複数の試料を観察することができる。また、各試料保持ユニットの導光部が互いに筒状体の周方向にずれた位置に保持されるようにそれらの導光部を結合部材によって結合し、その結合状態のまま導光部を各試料保持部材に対して相対回転させたので、開口部から見て奥側の試料保持ユニットの導光部が手前側の試料保持ユニットの導光部に遮られるのが防がれる。これにより、2番目以降の各試料保持ユニットに保持される複数の試料を全て観察することができる。
請求項5に記載の試料観察装置は、請求項4に記載の試料観察装置において、前記結合部材は、前記筒状体の中心軸に一致するように配されて、前記各導光部が軸方向の互いに異なる位置に取付けられる軸部材であることを特徴とする。
この請求項5に記載の試料観察装置では、導光部が筒状体の中心軸を中心に回転するので、試料保持部材を動かすことなく、各導光部を同時にそれぞれ対応する試料保持部材に対して筒状体の周方向に相対回転させることができる。これにより、回転に伴う衝撃をなるべく与えずに試料保持部に保持される試料を観察することができる。
請求項6に記載の試料観察装置は、請求項4または5に記載の試料観察装置において、前記複数の試料保持部は、前記筒状体の中心軸を中心とし、かつ、互いに径の異なる複数の円環上にそれぞれ並んでおり、前記導光部は、前記各円環上の試料保持部に同時に対向し、それらの試料保持部に保持される試料からの光をそれぞれ前記筒状体の径方向に異なる光路で前記開口部へ導くことを特徴とする。
この請求項6に記載の試料観察装置では、導光部を試料保持部材に対して筒状体の中心軸を中心に相対回転させれば、各円環上の試料保持部に保持される試料を同時に観察することができるので、一度に観察可能な試料の数を増やして観察効率を上げることができる。
請求項7に記載の試料観察装置は、請求項6に記載の試料観察装置において、前記複数の試料保持部は、前記筒状体の周方向に所定角度間隔で設けられており、前記複数の試料保持ユニットの各導光部は、前記所定角度の整数倍の角度で互いに前記筒状体の周方向にずれる位置に保持されていることを特徴とする。
この請求項7に記載の試料観察装置では、いずれかの試料保持ユニットの導光部を、当該導光部が含まれる試料保持ユニットの試料保持部材の試料保持部に対向させれば、他の試料保持ユニットの導光部も、それらの導光部が各々対応する試料保持部材の試料保持部に対向するようになるので、同時に複数の試料保持ユニットの試料保持部材に保持される試料を観察することができる。これにより、観察動作の効率が上がる。
請求項8に記載の試料観察装置は、請求項2〜7のいずれか一項に記載の試料観察装置において、前記導光部は、当該導光部が対向する試料保持部に保持される試料からの光を前記筒状体の径方向の外側に向けて反射する第1のミラーと、この第1のミラーの前記筒状体の径方向の外側位置に設けられて第1のミラーで反射された光を前記開口部に向かう方向に反射する第2のミラーと、これらのミラーを保持し前記筒状体の中心軸を中心に回転する支持部とを有していることを特徴とする。
この請求項8に記載の試料観察装置では、第1のミラーおよび第2のミラーにより、筒状体の軸方向に平行に進む試料からの光を、手前側の試料保持ユニットを迂回させて開口部まで確実に導くことができる。また、第1のミラーおよび第2のミラーを支持部に支持させることで、当該ミラーを筒状体の中心軸回りに容易に回転させることができる。
請求項9に記載の試料観察装置は、請求項8に記載の試料観察装置において、前記導光部は、前記筒状体の中心軸を基準とする対称位置に前記第1のミラーおよび第2のミラーをそれぞれ有していることを特徴とする。
この請求項9に記載の試料観察装置では、導光部を中心軸の回りに略180度回転させるだけで、試料保持部材の複数の試料保持部に保持されている試料を全て観察することができる。
請求項10に記載の試料観察装置は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の試料観察装置において、前記照明部は、前記筒状体の外部に設けられる光源と、この光源から発射され各試料保持ユニットの導光部で導かれて当該試料保持ユニットの試料保持部に保持される試料を通過した光を、当該試料に向けて折り返す反射部材とを含み、前記導光部が前記照明部の一部を兼ねていることを特徴とする。
この請求項10に記載の試料観察装置では、筒状体の外部の光源から発射された光を、試料からの光を開口部へ導くための導光部を利用して筒状体の内側の試料へ導くようにしたので、筒状体の内側に光源からの光を試料へと導くための導光手段を別途設ける必要がない。これにより、筒状体の内側の構成が複雑になるのを防ぐことができる。
請求項11に記載の試料観察装置は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の試料観察装置において、前記照明部は、前記試料保持部材の前記導光部の配置位置とは反対側の位置に、前記試料保持部材の試料保持部に臨むように設けられて、当該試料保持部に保持される試料を照らす光源を含むことを特徴とする。
この請求項11に記載の試料観察装置では、光源からの光を容易に試料へ導くことができる。
本発明の試料観察装置によれば、筒状体の内側に配された多数の試料を全て観察することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるタンパク質結晶化装置の全体構成を概略的に示した正面図である。また、図2および図3は、図1に示したタンパク質結晶化装置の結晶育成部の試料保持ユニットを示した図である。また、図4は、軸方向に並んだ8つの試料保持ユニットを軸方向から見た状態を示した平面図である。以下、第1実施形態のタンパク質結晶化装置100について説明する。なお、本実施形態では、本発明の「試料観察装置」をタンパク質結晶化装置100に適用した例について説明する。
第1実施形態のタンパク質結晶化装置100は、高磁場中でタンパク質が結晶化する様子を観察することが可能なように構成されている。これにより、タンパク質結晶化に及ぼす磁場の影響を明らかにすることができる。そして、結晶化の途中で磁場強度や温度などを変化させたり、最適結晶化状態で試料を取り出したりする等、結晶化プロセスを最適化することができる。さらには、観察された結晶化途中の像をデジタル化して取り込み、画像処理を施すことで、上記プロセスを自動化することも可能である。このように、タンパク質の結晶化の様子を観察することで、タンパク質の構造解析に必要な結晶の高品質化を実現することができる。そして、タンパク質の構造が判明すれば、例えば以下のような利点がある。(1)当該タンパク質の働きが明らかになる。(2)特定のタンパク質に作用する薬を作製する手がかりになる。(3)未知のタンパク質の構造が明らかになれば、新たな生命工学的知見を得ることができるようになる。(4)タンパク質を使った有機系工業材料を新たに生み出すことができるようになる。
タンパク質結晶化装置100は、図1に示すように、ハロゲンランプ1と、照射光学系2と、ハーフミラー3と、結晶育成部4と、撮像光学系5と、撮像部6と、制御装置7とを備えている。なお、ハロゲンランプ1は、本発明の「光源」の一例である。また、ハロゲンランプ1、照射光学系2およびハーフミラー3は、本発明の「照明部」の一部を構成するものである。
このタンパク質結晶化装置100は、いわゆる落射照明型の装置であり、結晶育成部4の外部に配されたハロゲンランプ1からの光で結晶育成部4の試料(本実施形態ではタンパク質の種結晶)を照明し、当該試料を結晶育成部4の外部で観察するように構成されている。
ハロゲンランプ1は、結晶育成部4内の試料を照明する光を発射するためのものであり、結晶育成部4の上方に設けられている。なお、ハロゲンランプ1以外の照明手段を用いて試料を照明するようにしてもよい。
照射光学系2は、ハロゲンランプ1の下方に配されており、ハロゲンランプ1から発射された光を直線光に変換してハーフミラー3へ導くためのものである。
ハーフミラー3は、上方から入射した光を下方へ透過する一方で、下方から入射した光を図1では右方に反射するように構成されるものである。照射光学系2を通過してハーフミラー3に上方から入射した光は、結晶育成部4に向けて進行する。
結晶育成部4は、試料であるタンパク質の種結晶を育成する、つまりタンパク質を結晶化するための構成を有している。
具体的には、結晶育成部4は、超電導マグネット8と、複数(本実施形態では8つ)の試料保持ユニット10と、モータ9とを含んでいる。なお、モータ9は、本発明の「回転駆動手段」の一例である。
超電導マグネット8は、その円筒状のボア部8aの内側空間に強い磁場を発生するものである。なお、ボア部8aは、本発明の「筒状体」に相当する。ハーフミラー3から下方へ導かれた光は、ボア部8aの上端に位置する開口部8bを通ってボア部8a内に導かれる。
複数の試料保持ユニット10は、試料を保持するものであり、ボア部8aの内側に当該ボア部8aの軸方向に互いに並ぶように設けられている。つまり、前記複数の試料保持ユニット10は、開口部8bからボア部8aの軸方向に見て互いに重なり合っている。そのため、開口部8bから数えて2番目以降の試料保持ユニット10B〜10Hは、開口部8bから見て最も手前側の試料保持ユニット10Aの後ろに隠れるようになる。なお、試料保持ユニット10には、試料保持ユニット10同士を区別するために、開口部8bに近い順に10A〜10Hの符号を付している。
本実施形態のタンパク質結晶化装置100では、高磁場を発生可能な超電導マグネット8のボア部8aの内側に試料を配して、超電導マグネット8の磁場の作用による擬似無重力状態におけるタンパク質結晶化の様子を観察することが可能なように構成されている。これにより、タンパク質結晶化の妨げとなる重力の影響を極力少なくすることができる。
試料保持ユニット10は、試料保持部材20と、導光ユニット(導光部)30とを有している。
試料保持部材20は、ボア部8aの軸方向と略直交する当該ボア部8aの周方向に互いに並ぶ複数の位置にそれぞれ試料を保持することが可能なように構成されている。この試料保持部材20に保持される複数の試料は、開口部8bからボア部8aの軸方向に見て当該試料保持ユニット10よりも手前側の試料保持ユニット10と重なる位置にそれぞれ配されることとなる。
詳細には、試料保持部材20は、図2および図3に示すように、円形平板状の本体部21と、試料を保持する複数の試料保持部22,23とを有している。
本体部21は、その中心がボア部8aの中心軸上に位置するように配されている。本体部21の外周面とボア部8aの内周面との間には、所定隙間dが設けられており、この隙間dを観察のための光が通過するようになっている。
また、本体部21は、その中心に貫通孔21aが形成されている。この貫通孔21aには、後述の回転軸91が挿入される。
試料保持部22,23は、それぞれ、一対のタンパク質溶液収容セル22a,23aからなる。本実施形態では、溶液収容セルに収容される溶液の条件を各試料保持部22,23で異ならせている。
試料保持部22,23は、本体部21の中心、つまりボア部8aの中心軸を中心とし、かつ、互いに径の異なる2つの円環上にそれぞれ並ぶように設けられている。本実施形態では、試料保持部22が本体部21の外端縁近傍に設けられ、試料保持部23が試料保持部22よりも径方向内側に設けられている。なお、試料保持部23よりも径方向内側の位置にさらに複数の試料保持部を設けてもよい。また、試料保持部22,23のいずれか一方のみを設ける構成であってもよい。
また、本実施形態では、試料保持部22,23は、ボア部8aの周方向に約15度の角度間隔で、ボア部8aの中心から径方向外側に見て互いに重なる位置に、24個ずつ設けられている。
また、本体部21の下面の試料保持部22,23に対応する部位には、Al(アルミニウム)膜やAg(銀)膜からなる反射部材24が設けられている。この反射部材24は、試料保持部22,23に保持される試料を通過した光を当該試料に向けて折り返し反射するために設けられている。反射部材24は、本発明の「照明部」の一部を構成するものである。
導光ユニット30は、当該導光ユニット30が含まれる試料保持ユニット10の試料保持部材20の上方に、当該試料保持部材20に対向するように配置されている。
この導光ユニット30は、開口部8bから下向きに入射した光を当該導光ユニット30と対向する試料保持部材20の試料保持部22,23に保持される試料へと導くとともに、当該導光ユニット30と対向する試料保持部材20の試料保持部22,23に保持される試料からの光を開口部8bへと導くように構成されている。すなわち、本実施形態の導光ユニット30は、本発明の「照明部」の一部としても機能する。
また、導光ユニット30は、前記各円環上の試料保持部22,23に同時に対向し、それらの試料保持部22,23に保持される試料からの光をそれぞれボア部8aの径方向に異なる光路(図3の点線の光路および一点鎖線の光路を参照)で開口部8bへ導くことが可能なように構成されている。
また、導光ユニット30は、モータ9によって、当該導光ユニット30が含まれる試料保持ユニット10の試料保持部材20に対してボア部8aの中心軸回りに回転するように構成されている。これにより、導光ユニット30と対向する試料保持部材20の試料保持部22,23が順次切換わるようになっている。
また、図4に示すように、試料保持ユニット10(10A〜10H)の各導光ユニット30は、次述する互いの反射ミラー35が重ならないように、試料保持部材20の試料保持部22,23の設置間隔角度(約15度)に等しい角度で互いにボア部8aの周方向にずれる相対位置に保持されている。なお、各導光ユニット30を、試料保持部22,23の設置間隔角度の2倍以上の整数倍の角度でボア部8aの周方向にずれる相対位置に保持するようにしてもよい。
導光ユニット30は、支持部31,32と、一対の反射ミラー33〜35とを有している。なお、反射ミラー33,34は、本発明の「第1のミラー」に相当し、反射ミラー35は、本発明の「第2のミラー」に相当する。
支持部31は、長板状に形成され、その長手方向両端にそれぞれ反射ミラー33が取付けられている。支持部31の中央には、軸部材91に取り付けられる固定部31aが設けられている。
支持部32は、長板状に形成され、その長手方向両端にそれぞれ反射ミラー34が取付けられている。支持部32の中央には、軸部材91に取り付けられる固定部32aが設けられている。支持部32は、支持部31の下方に当該支持部31に密接状態で配されている。
これらの支持部31,32は、ボア部8aの中心軸を中心に回転する。
反射ミラー33は、試料保持部22に対向可能な位置に、その反射面が径方向外向きの斜め下45度に傾斜する姿勢で設けられている。これにより、反射ミラー33と対向する試料保持部22に保持される試料からボア部8aの軸方向上向き(特定方向)に進む光が、当該反射ミラー33によってボア部8aの径方向の外側に導かれる。
反射ミラー34は、試料保持部23に対向可能な位置に、その反射面が径方向外向きの斜め下45度に傾斜する姿勢で設けられている。これにより、反射ミラー34と対向する試料保持部23に保持される試料からボア部8aの軸方向上向きに進む光が、当該反射ミラー34によってボア部8aの径方向の外側に導かれる。
反射ミラー35は、反射ミラー33の径方向の外側面に、その反射面が径方向内向きの斜め上45度に傾斜する姿勢で取り付けられている。これにより、反射ミラー33,34で反射されてボア部8aの径方向の外向きに進む光が、反射ミラー35によって上方に導かれる。そして、反射ミラー35で反射された光は、当該導光ユニット30が含まれる試料保持ユニット10よりも開口部8b側の試料保持ユニット10の試料保持部材20の外周面とボア部8aの内周面との隙間dから開口部8bへ導かれる。
これら一対の反射ミラー33〜35は、ボア部8aの中心軸を基準とする対称位置にそれぞれ設けられている。
モータ9は、軸部材91を回転駆動するためのものである。なお、軸部材91は、本発明の「結合部材」の一例である。また、モータ9と軸部材91とで本発明の「切換手段」が構成される。
軸部材91は、ボア部8aの中心軸に一致するように配されており、各導光ユニット30が軸方向の互いに異なる位置に取付けられている。
本実施形態では、各試料保持ユニット10の導光ユニット30が互いに周方向にずれる相対位置に保持されるように軸部材91に取り付けられている。そして、その軸部材91により相互連結される導光ユニット30からなる結合体が、モータ9の駆動力によって、当該導光ユニット30が含まれる試料保持ユニット10の各試料保持部材20に対してボア部8aの周方向に回転するようになっている。
また、モータ9は、制御装置7に電気的に接続されており、制御装置7からの制御信号によって動作するように構成されている。なお、モータ9には、図示しないエンコーダが備えられており、制御装置7からの制御信号によって当該モータ9に接続される軸部材91の回転角度等が制御されるようになっている。
撮像光学系5は、例えば複数のレンズを束ねて構成されるものであり、ハーフミラー3で反射された結晶育成部4からの複数の光を調整して撮像部6に向かわせるためのものである。
撮像部6は、複数の撮像カメラからなり、撮像光学系5を通過した光を撮像するためのものである。撮像部6は、制御装置7に電気的に接続されており、撮像データを送信するようになっている。
制御装置7は、撮像部6からの撮像データを基に画像処理を行ったり、モータ9の駆動等のシステム制御処理を行ったりするものである。
次に、上記構成のタンパク質結晶化装置100による観察動作について説明する。
まず、ハロゲンランプ1から発射された光は、照射光学系2およびハーフミラー3を通って結晶育成部4の超電導マグネット8の開口部8bからボア部8a内に入射する。
その入射光は、試料保持ユニット10の試料保持部材20の外周面とボア部8aの内周面との隙間dを通過して、複数の試料保持ユニット10の各導光ユニット30に導かれる。そして、当該光は、各導光ユニット30によって、当該導光ユニット30が含まれる試料保持ユニット10の試料保持部材20の導光ユニット30が対向する試料保持部22,23へ導かれる。
試料保持部22,23に保持される試料を通過した光は、反射部材24で当該試料に向けて折り返し反射され、試料を再度通過する。そして、その光は、前記導光ユニット30によって、試料保持ユニット10の試料保持部材20の外周面とボア部8aの内周面との隙間dを通して開口部8bへと導かれる。
結晶育成部4の超電導マグネット8の開口部8bから上方に出射した光は、ハーフミラー3で右方に向けて反射され、撮像光学系5を通過して撮像部6で撮像される。この撮像部6で得られた撮像データは、制御装置7に送られ、画像処理に供される。
以上により、試料保持部材20の導光ユニット30が対向する試料保持部22,23に保持される試料の観察が、各試料保持ユニット10について行われる。
また、制御装置7からの制御信号によってモータ9が駆動され、軸部材91がボア部8aの中心軸回りに回転することによって、各試料保持ユニット10において導光ユニット30が対向する試料保持部材20の試料保持部22,23が順次切換わる。これによって、試料保持部材20の全ての試料保持部22,23に保持される試料を観察することができる。
第1実施形態のタンパク質結晶化装置100では、上記のように、超電導マグネット8のボア部8aの内側に、当該ボア部8aの軸方向と略直交する方向に並ぶ複数の試料保持部22,23を有する試料保持ユニット10を、前記ボア部8aの軸方向に複数並べることによって、ボア部8a(当該ボア部8aの直径は50mm〜80mm程度)の内側の限られた空間に多数の試料を保持することができる。しかも、開口部8bから数えて2番目以降の試料保持ユニット10B〜10Hに、当該試料保持ユニット10の試料保持部22,23に対向しその対向する試料保持部22,23に保持される試料からボア部8aの軸方向に平行に進む光を手前側の試料保持ユニット10Aを迂回させるように試料保持ユニット10の外周面とボア部8aの内周面との隙間dから開口部8bへ導く導光ユニット30を設け、さらに、その導光ユニット30が、当該試料保持ユニット10の試料保持部材20に対して相対回転して前記試料保持部材20の各試料保持部22,23に対して順次対向するように構成したので、開口部8bから数えて2番目以降の試料保持ユニット10B〜10H、すなわち、開口部8bから見て最も手前側の試料保持ユニット10Aの後ろに隠れる試料保持ユニット10についても、当該試料保持ユニット10の複数の試料保持部22,23に各々保持される試料を全て観察することができる。従って、本発明によれば、ボア部8aの内側に配された多数の試料を全て観察することができる。
また、第1実施形態のタンパク質結晶化装置100では、上記のように、試料保持部22,23に保持される試料からボア部8aの軸方向に平行に進む光を導光ユニット30によって開口部8bへと導くので、試料保持部22,23同士がボア部8aの径方向に見て互いに重なる位置に設けられていても、それらの試料保持部22,23にそれぞれ保持されるいずれの試料も十分に観察することができる。これにより、観察可能な試料の数を増やすことができる。
また、第1実施形態のタンパク質結晶化装置100では、上記のように、導光ユニット30が取付けられた軸部材91をモータ9によって回転駆動する構成としたので、導光ユニット30を試料保持部材20に対して容易に相対回転させることができる。
また、第1実施形態のタンパク質結晶化装置100では、上記のように、各試料保持ユニット10の導光ユニット30が互いにボア部8aの周方向にずれた位置に保持されるようにそれらの導光ユニット30を軸部材91によって結合し、その結合状態のまま導光ユニット30を各試料保持部材20に対して相対回転させたので、開口部8bから見て奥側の試料保持ユニット10の導光ユニット30が手前側の試料保持ユニット10の導光ユニット30に遮られるのが防がれる。これにより、2番目以降の各試料保持ユニット10に保持される複数の試料を全て観察することができる。
また、第1実施形態のタンパク質結晶化装置100では、上記のように、導光ユニット30がボア部8aの中心軸を中心に回転するように構成したので、試料保持部材20を動かすことなく、各導光ユニット30を同時にそれぞれ対応する試料保持部材20に対してボア部8aの周方向に相対回転させることができる。これにより、回転に伴う衝撃をなるべく与えずに試料保持部22,23に保持される試料を観察することができる。
また、第1実施形態のタンパク質結晶化装置100では、上記のように、試料保持部22,23をボア部8aの中心軸を中心とし、かつ、互いに径の異なる2つの円環上にそれぞれ並設したので、導光ユニット30を試料保持部材20に対してボア部8aの中心軸を中心に相対回転させれば、各円環上の試料保持部22,23に保持される試料を同時に観察することができる。これにより、一度に観察可能な試料の数を増やして観察効率を上げることができる。
また、第1実施形態のタンパク質結晶化装置100では、上記のように、複数の試料保持ユニット10の導光ユニット30同士を、試料保持部材20の試料保持部22(23)の設置間隔角度と同じ角度で互いにボア部8aの周方向にずれる位置に保持したので、いずれかの試料保持ユニット10の導光ユニット30を、当該導光ユニット30が含まれる試料保持ユニット10の試料保持部材20の試料保持部22,23に対向させれば、他の試料保持ユニット10の導光ユニット30も、それらの導光ユニット30が各々対応する試料保持部材20の試料保持部22,23に対向するようになる。これにより、同時に複数の試料保持ユニット10の試料保持部材20に保持される試料を観察することができるので、観察動作の効率が上がる。
また、第1実施形態のタンパク質結晶化装置100では、導光ユニット30が対向する試料保持部22,23に保持される試料からの光をボア部8aの径方向の外側に向けて反射する反射ミラー33,34と、これらの反射ミラーのボア部8aの径方向の外側位置に設けられて反射ミラー33,34で反射された各光を開口部8bに向かう方向に反射する反射ミラー35とにより、ボア部8aの軸方向に平行に進む試料からの光を、手前側の試料保持ユニット10を迂回させて開口部8bまで確実に導くことができる。
また、第1実施形態のタンパク質結晶化装置100では、反射ミラー33〜35を支持部31,32に支持させることで、当該ミラー33〜35をボア部8aの中心軸回りに容易に回転させることができる。
また、第1実施形態のタンパク質結晶化装置100では、上記のように、ボア部8aの中心軸を基準とする対称位置にそれぞれ反射ミラー33〜35を設けたので、導光ユニット30を中心軸の回りに略180度回転させるだけで、試料保持部材20の複数の試料保持部22,23に保持されている試料を全て観察することができる。
また、第1実施形態のタンパク質結晶化装置100では、上記のように、ボア部8aの外部のハロゲンランプ1から発射された光を、試料からの光を開口部8bへ導くための導光ユニット30を利用してボア部8aの内側の試料へ導くようにしたので、ボア部8aの内側にハロゲンランプ1からの光を試料へと導くための導光手段を別途設ける必要がない。これにより、ボア部8aの内側の構成が複雑になるのを防ぐことができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態によるタンパク質結晶化装置の全体構成を概略的に示した正面図である。また、図6は、図5に示したタンパク質結晶化装置の結晶育成部の試料保持ユニットを示した正面断面図である。また、図7は、図6に示した試料保持ユニットの光源ユニットの分解斜視図である。以下、第2実施形態のタンパク質結晶化装置200について説明する。
第2実施形態のタンパク質結晶化装置200は、図5に示すように、前記第1実施形態のタンパク質結晶化装置100とは異なる構成の結晶育成部204を備えており、当該結晶育成部204に含まれる光源ユニット40からの光で結晶育成部204の試料を照明するように構成された、いわゆる透過照明型の装置である。
従って、タンパク質結晶化装置200では、第1実施形態におけるハロゲンランプ1および照射光学系2が省略され、結晶育成部204の上方には第1実施形態のハーフミラー3に代えて全反射型のミラー203が配されている。
また、前記結晶育成部204に含まれる複数(本実施形態では8つ)の試料保持ユニット210は、図5および図6に示すように、それぞれ、試料保持部材20および導光ユニット30に加えて、光源ユニット40を有している。なお、試料保持部材20および導光ユニット30は、第1実施形態のものと同一構成である。
光源ユニット40は、試料保持部材20の試料保持部22,23に保持される試料を照らすためのものであり、試料保持部材20の本体部21の下方の試料保持部22,23に対応する位置に設けられている。
この光源ユニット40は、図7に示すように、円形平板状の本体部41と、複数のLED(光源)42と、円環状の拡散部材43とを有している。
本体部41は、その中心がボア部8aの中心軸上に位置するように配されている。また、本体部41は、その中心に貫通孔41aが形成されている。この貫通孔41aには、回転軸91が挿入される。
LED42は、本体部21の中心、つまりボア部8aの中心軸を中心とする円環上にそれぞれ並ぶように、本体部41の内部に埋設されている。本実施形態では、LED42は、ボア部8aの周方向に約30度の角度間隔で12個設けられている。それらのLED42は、各々個別に点灯・消灯の制御が行われるように構成されている。なお、LED42を1つだけ設けて、導光ユニット30とともにボア部8aの中心軸回りに回転させる構成であってもよい。
拡散部材43は、LED42からの光を拡散しながら上方に導くためのものである。このような拡散部材43として、例えばすりガラスが挙げられる。本実施形態では、拡散部材43により拡散された光を試料保持部材20に照射するように構成されているため、LED42の設置数は、試料保持部材20の試料保持部22(23)の数に対応させることなく任意に設定可能である。なお、LED42以外の蛍光灯等の照明手段を用いて試料を照明するようにしてもよい。
第2実施形態のタンパク質結晶化装置200のその他の構成は、上記第1実施形態におけるものと同じである。
また、タンパク質結晶化装置200では、各試料保持ユニット210の光源ユニット40のLED42から発射された光が、当該光源ユニット40が含まれる試料保持ユニット210の試料保持部材20の導光ユニット30が対向する試料保持部22,23に保持される試料に直接照射される。
そして、試料保持部22,23に保持される試料を通過した光は、前記導光ユニット30によって、試料保持ユニット210の試料保持部材20の外周面とボア部8aの内周面との隙間dを通して開口部8bへと導かれる。
結晶育成部4の超電導マグネット8の開口部8bから上方に出射した光は、ミラー203で右方に向けて反射され、撮像光学系5を通過して撮像部6で撮像される。この撮像部6で得られた撮像データは、制御装置7に送られ、画像処理に供される。
第2実施形態のタンパク質結晶化装置200では、上記のように、試料保持部材20の本体部21の下方の試料保持部22,23に対応する位置に、試料保持部22,23に保持される試料を照らすための光源ユニット40を設けたので、光源ユニット40からの光を容易に試料へ導くことができる。
なお、上記第1実施形態では、導光ユニット30を当該導光ユニット30が含まれる試料保持ユニット10の試料保持部材20の上方に配したが、これに限らず、図8に示すように、試料保持部材20の下方に配した導光ユニット330によって、試料保持部22,23に保持される試料からの光を開口部8bへ導くように構成してもよい。
この場合、ボア部8a内に入射した光は、当該試料保持ユニット310の試料保持部材20の外周面とボア部8aの内周面との隙間dを通過して導光ユニット330の反射ミラー(第2のミラー)335に導かれる。そして、その光は、反射ミラー335と反射ミラー(第1のミラー)333,334とで順次反射されることによって、当該導光ユニット330が含まれる試料保持ユニット310の試料保持部材20の導光ユニット330が対向する試料保持部22,23へ導かれる。なお、図8中の符号331,332は、反射ミラー333〜335を支持するための支持部である。
試料保持部22,23に保持される試料を通過した光は、試料保持部材20の上面に設けられた反射部材24で当該試料に向けて折り返し反射され、試料をボア部8aの軸方向下向き(特定方向)に通過する。そして、当該光は、前記導光ユニット330によって、試料保持ユニット310の試料保持部材20の外周面とボア部8aの内周面との隙間dを通して開口部8bへと導かれる。
なお、この変形例の構成は、第2実施形態のタンパク質結晶化装置200において、試料保持部材20の上方に光源ユニット40を配することによって当該タンパク質結晶化装置200にも適用可能である。
また、導光ユニット30,330を試料保持部材20の上下のいずれかに配する構成以外に、図9および図10に示すように、試料保持部材420の径方向の外側に配した導光ユニット430によって、試料保持部材420の試料保持部22に保持される試料からの光を開口部8bへ導くように構成してもよい。
この場合、ボア部8a内に入射した光は、試料保持ユニット410の試料保持部材420の外周面とボア部8aの内周面との隙間dを通過して導光ユニット430の反射ミラー432に導かれ、反射ミラー432で径方向内向きに反射されることによって、当該導光ユニット430が含まれる試料保持ユニット410の試料保持部材420の導光ユニット430が対向する試料保持部22,23へ導かれる。なお、図9,図10中の符号431は、反射ミラー432を支持するための支持部である。
試料保持部22に保持される試料を通過した光は、試料保持部材420の本体部21の貫通孔21a内に当該本体部21に密接して設けられた反射部材424で当該試料に向けて折り返し反射され、試料を径方向外向き(特定方向)に通過する。そして、その光は、前記導光ユニット430によって上方に向かうように反射され、試料保持ユニット410の試料保持部材20の外周面とボア部8aの内周面との隙間dを通して開口部8bへと導かれる。
なお、この変形例の構成は、反射部材424に代えて照明手段を設けることによって、透過照明型のタンパク質結晶化装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、導光ユニットのみをボア部の中心軸回りに回転させることで、試料保持部材と導光ユニットとをボア部の中心軸回りに相対回転させ、当該導光ユニットが対向する試料保持部材の試料保持部を順次切り換える構成について示したが、これに限らず、試料保持部材のみをボア部の中心軸回りに回転させて、導光ユニットが対向する試料保持部材の試料保持部を順次切り換えるようにしてもよい。また、試料保持部材および導光ユニットの両方をボア部の中心軸回りに回転させて、導光ユニットが対向する試料保持部材の試料保持部を順次切り換えるようにしてもよい。
また、超電導マグネットの開口部から入射した光を試料保持部へ導くための第1の導光ユニットを、試料保持部に保持された試料からの光を開口部へ導くための第2の導光ユニット(上記実施形態における導光ユニット30,330)とは別に設けてもよい。この変形例の構成を利用すれば、例えば、結晶育成部の下方に配した光源から発射され、ボア部の下端側の開口部を通ってボア部内に入射した光を、試料保持部材の下方に設けた前記第1の導光ユニットで試料保持部へ導き、かつ、当該試料保持部に保持された試料を通過した光を、試料保持部材の上方に設けた前記第2の導光ユニットで開口部へ導くといった構成の透過照明型のタンパク質結晶化装置を実現させることができる。
また、上記実施形態では、試料保持部をボア部の中心軸を中心とする円環上に並ぶように配置する例について示したが、これに限らず、試料保持部がボア部の周方向に千鳥状に配列されていてもよい。
また、上記実施形態では、長手方向両端にそれぞれ反射ミラーを有する構成の導光ユニットを示したが、これに限らず、一方の端部が軸部材に取り付けられ、他方の端部に反射ミラーを有する構成の導光ユニットであってもよい。
また、上記実施形態では、8つ全ての試料保持ユニットが導光ユニットを備える構成について示したが、これに限らず、開口部に最も近い試料保持ユニットには導光ユニットを設けない構成とすることもできる。
また、本発明は、上記実施形態のタンパク質結晶化装置以外の、例えば、加熱冷却炉等の筒状の反応炉を備え、その外側方にコイルやヒータ、耐熱材等が設けられることにより当該反応炉の側面にのぞき窓を設置することが困難な装置にも適用可能である。
本発明の第1実施形態によるタンパク質結晶化装置の全体構成を概略的に示した正面図である。 図1に示したタンパク質結晶化装置の結晶育成部の試料保持ユニットを示した平面図である。 図2に示した試料保持ユニットの正面断面図である。 軸方向に並んだ8つの試料保持ユニットを軸方向から見た状態を示した平面図である。 本発明の第2実施形態によるタンパク質結晶化装置の全体構成を概略的に示した正面図である。 図5に示したタンパク質結晶化装置の結晶育成部の試料保持ユニットを示した正面断面図である。 図6に示した試料保持ユニットの光源ユニットの分解斜視図である。 本発明の変形例1による試料保持ユニットを示した正面断面図である。 本発明の変形例2による試料保持ユニットを示した平面図である。 図9に示した試料保持ユニットの正面断面図である。
符号の説明
1 ハロゲンランプ(光源、照明部)
2 照射光学系(照明部)
3 ハーフミラー(照明部)
8a ボア部(筒状体)
8b 開口部
9 モータ(回転駆動手段、切換手段)
10,10A〜10H,210,310,410 試料保持ユニット
20,420 試料保持部材
22,23 試料保持部
24,424 反射部材(照明部)
30,330,430 導光ユニット(導光部、照明部)
31,32,331,332,431 支持部
33,34,333,334 反射ミラー(第1のミラー)
35,335 反射ミラー(第2のミラー)
42 LED(光源)
91 軸部材(結合部材、切換手段)
100,200 タンパク質結晶化装置(試料観察装置)
d 隙間

Claims (11)

  1. 軸方向の少なくとも一方に開口する開口部を有する筒状体の内側に配された複数の試料を当該筒状体の外部で観察するための試料観察装置であって、
    前記筒状体の内側に設けられ、当該筒状体の軸方向と略直交する方向に並ぶ複数の位置に試料を保持するための試料保持部をそれぞれ有し、前記筒状体の軸方向に互いに並ぶ複数の試料保持ユニットと、
    前記各試料保持ユニットの試料保持部にそれぞれ保持された試料から特定方向に向かう光を形成する照明部とを備え、
    前記開口部から数えて2番目以降の試料保持ユニットは、前記開口部から前記筒状体の軸方向に見て当該試料保持ユニットよりも手前側の試料保持ユニットと重なる位置であって互いに前記筒状体の周方向に並ぶ複数の位置にそれぞれ前記試料保持部を有する試料保持部材と、この試料保持部材の各試料保持部に対して順次対向可能となるように前記筒状体の中心軸回りに前記試料保持部材に対して相対回転可能に配置され、その対向する試料保持部に保持される試料からの光を前記手前側の試料保持ユニットの外周面と前記筒状体の内周面との隙間から前記開口部へ導く導光部とを含むことを特徴とする試料観察装置。
  2. 前記導光部は、当該導光部が含まれる試料保持ユニットの試料保持部材の前記筒状体の軸方向のいずれか一方側に、当該試料保持部材の各試料保持部に対向するように配置され、その対向する試料保持部に保持される試料から前記筒状体の軸方向に平行に進む光を前記筒状体の径方向の外側に導き、かつ、前記手前側の試料保持ユニットの外周面と前記筒状体の内周面との隙間から前記開口部へ導くことを特徴とする請求項1に記載の試料観察装置。
  3. 前記導光部が対向する試料保持部が順次切換えられるように、当該導光部をこの導光部が含まれる試料保持ユニットの試料保持部材に対して相対回転させる切換手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の試料観察装置。
  4. 前記試料保持ユニットは、前記筒状体の軸方向に並ぶ3つ以上の位置にそれぞれ配され、
    前記切換手段は、前記開口部から数えて2番目以降の試料保持ユニットがそれぞれ有する導光部をこれらの導光部が互いに周方向にずれる相対位置に保持されるように結合する結合部材と、この結合部材により相互連結される導光部からなる結合体を当該導光部が含まれる試料保持ユニットの各試料保持部材に対して相対回転させる回転駆動手段とを含むことを特徴とする請求項3に記載の試料観察装置。
  5. 前記結合部材は、前記筒状体の中心軸に一致するように配されて、前記各導光部が軸方向の互いに異なる位置に取付けられる軸部材であることを特徴とする請求項4に記載の試料観察装置。
  6. 前記複数の試料保持部は、前記筒状体の中心軸を中心とし、かつ、互いに径の異なる複数の円環上にそれぞれ並んでおり、
    前記導光部は、前記各円環上の試料保持部に同時に対向し、それらの試料保持部に保持される試料からの光をそれぞれ前記筒状体の径方向に異なる光路で前記開口部へ導くことを特徴とする請求項4または5に記載の試料観察装置。
  7. 前記複数の試料保持部は、前記筒状体の周方向に所定角度間隔で設けられており、
    前記複数の試料保持ユニットの各導光部は、前記所定角度の整数倍の角度で互いに前記筒状体の周方向にずれる位置に保持されていることを特徴とする請求項6に記載の試料観察装置。
  8. 前記導光部は、当該導光部が対向する試料保持部に保持される試料からの光を前記筒状体の径方向の外側に向けて反射する第1のミラーと、この第1のミラーの前記筒状体の径方向の外側位置に設けられて第1のミラーで反射された光を前記開口部に向かう方向に反射する第2のミラーと、これらのミラーを保持し前記筒状体の中心軸を中心に回転する支持部とを有していることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の試料観察装置。
  9. 前記導光部は、前記筒状体の中心軸を基準とする対称位置に前記第1のミラーおよび第2のミラーをそれぞれ有していることを特徴とする請求項8に記載の試料観察装置。
  10. 前記照明部は、前記筒状体の外部に設けられる光源と、この光源から発射され各試料保持ユニットの導光部で導かれて当該試料保持ユニットの試料保持部に保持される試料を通過した光を、当該試料に向けて折り返す反射部材とを含み、
    前記導光部が前記照明部の一部を兼ねていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の試料観察装置。
  11. 前記照明部は、前記試料保持部材の前記導光部の配置位置とは反対側の位置に、前記試料保持部材の試料保持部に臨むように設けられて、当該試料保持部に保持される試料を照らす光源を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の試料観察装置。
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