JP5073039B2 - ガスエンジンのガス供給装置及び該ガス供給装置をそなえたガスエンジン - Google Patents
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Description
かかる希薄燃焼ガスエンジンのうち、排気ターボ過給機(以下過給機という)を備えたガスエンジンにおいては、次のような2種類の燃料ガスの供給方法が用いられている。
(1)各シリンダの給気枝管に、ガスコンプレッサによって過給空気圧よりも高圧に加圧された燃料ガスを各シリンダの直前で噴射する。
(2)燃料ガスを過給機入口空気と混合してこの混合気を過給機に供給し、過給機にてこの混合気を圧縮してエンジンに供給する。
かかる技術においては、ガスコンプレッサによって加圧された燃料ガスを給気通路のシリンダ入口またはシリンダ内に供給するとともに、前記ガスコンプレッサにて加圧する前の燃料ガスを過給機上流側の空気通路に供給して空気と混合し、この混合気を過給機のコンプレッサで圧縮して給気通路のシリンダ入口またはシリンダ内に供給するようにし、さらに前記シリンダ側給気通路への燃料ガスの直接供給と燃料ガスの過給機上流側空気通路への供給とを切換弁により切換え可能に構成している。
即ち、ガスコンプレッサによって加圧された燃料ガスを給気通路のシリンダ入口またはシリンダ内に供給する直接燃料ガス供給系では、燃料ガスを過給空気圧よりも高圧に圧縮する必要があるが、かかる従来技術の直接燃料ガス供給系にあっては専用のガスコンプレッサを設置しているため、燃料ガスとして炭鉱メタンガス等の低カロリーガス(低発熱量のガス)を用いる場合には、低圧で大流量のガスを圧縮するために大型で大容量のガスコンプレッサを必要とする。
一方、かかる従来技術における、前記ガスコンプレッサにて加圧する前の燃料ガスを過給機上流側の空気通路に供給して空気と混合し、該混合気を過給機のコンプレッサで圧縮して給気通路側に供給する過給機圧縮の混合ガス供給系では、燃料ガスと空気が混合して可燃性が高くなっている混合ガスを過給機で高温、高圧に加圧するため、過給機出口で混合ガスが爆発する危険性を内包している。
前記第1タービンと第2タービンを合一化し、合一化した一台のタービンと燃料ガスコンプレッサとの連結軸あるいは空気コンプレッサとの連結軸のいずれか一方に前記燃料ガスコンプレッサあるいは空気コンプレッサに前記タービン回転数を変速して伝達する変速装置とをそなえたことを特徴とする。
また、1台の排気タービンで、燃料ガスコンプレッサ及び空気コンプレッサを駆動するので、排気タービンの台数が最少限で済み、機器数が少なく構造が簡単になる。
以上の構成からなるガス供給装置は、ガスエンジン全般に適用できる。
従って本発明によれば、排気ガスのエネルギーを利用して燃料ガスを圧縮することにより、燃料ガス圧縮のためのエネルギー損失を低減できるとともに、排気ターボ過給機の機能を利用して燃料ガスを圧縮することにより燃料ガスの圧縮用の専用ガスコンプレッサを設ける場合よりも構造が簡単かつ低コストとなる。
また、1台の排気タービンで、燃料ガスコンプレッサ及び空気コンプレッサを駆動するので、排気タービンの台数が最少限で済み、機器数が少なく構造が簡単になる。
5は前記各シリンダヘッドの排気出口に接続される排気管、6は前記各排気管5に接続される排気集合管である。
51は空気用過給機で、大気から吸入した空気を圧縮する空気コンプレッサ9、及び前記エンジン1からの排気ガスのエネルギーにより空気コンプレッサ9を直結駆動する第2タービン10をそなえており、該第2タービン10は前記排気集合管6から第2タービン入口通路62を通して導入される排気ガスによって駆動される。
12は排気バイパス通路で、前記排気集合管6の前記第1タービン入口通路61及び第2タービン入口通路62の入口手前部位から分岐されて前記該第1タービン8及び第2タービン10をバイパスし、排出管(図示省略)に接続されている。13は該排気バイパス通路12の通路面積を変化せしめる排気バイパス弁である。
24は回転数コントローラ、23は空燃比コントローラ、22はガス量コントローラで、前記回転数センサ15からのエンジン回転数の検出値は前記回転数コントローラ24及びガス量コントローラ22に入力され、前記負荷検出器013からのエンジン負荷の検出値は空燃比コントローラ23に入力され、前記給気圧力センサ17からの給気圧力の検出値は空燃比コントローラ23及びガス量コントローラ22に入力され、前記給気温度センサ18からの給気温度の検出値は空燃比コントローラ23及びガス量コントローラ22に入力される。
前記空燃比コントローラ23は、前記負荷検出器013からのエンジン負荷の検出値、給気圧力センサ17からの給気圧力の検出値、及び給気温度センサ18からの給気温度の検出値に基づき、後述する手段で前記排気バイパス弁12の開度及び前記排気ガス流量調整弁30の開度を制御する。
前記ガス量コントローラ22は、前記回転数センサ15からのエンジン回転数の検出値、給気圧力センサ17からの給気圧力の検出値、及び給気温度センサ18からの給気温度の検出値に基づき、後述する手段で前記過給機側ガス量調整弁19の開度を制御する。
一方、前記ガス供給管21からの燃料ガスは前記燃料ガス用過給機50の燃料ガスコンプレッサ7で圧縮され、燃料ガス管210及び過給機側ガス量調整弁19を通り、各シリンダの各ガス供給枝管213に分岐して、前記各給気枝管3に入り、該給気枝管3内において前記空気コンプレッサ9からの空気に混入され、この混合気が各シリンダ内に送り込まれる。
また、前記空燃比コントローラ23からの後述するような制御操作信号によって排気バイパス弁13が開かれると、前記排気集合管6内の排気ガスの一部は前記排気バイパス通路12を通って図示しない排出管に排出される。
また、前記空燃比コントローラ23においては、エンジン負荷の検出値、給気圧力の検出値、及び給気温度の検出値に基づき、これらの検出値に適合する空燃比、及びこの空燃比になるような前記燃料ガス用過給機50の第1タービン8の排気流量と空気用過給機51の第2タービン10の排気流量との流量比を算出して、この流量比になるように前記排気ガス流量調整弁30の開度を制御する。
[参考例1]
かかる第1参考例は、図1の基本構成のように、エンジンからの排気通路を、燃料ガス用過給機50の第1タービン8入口に接続される第1タービン側排気通路61、及び空気用過給機51の第2タービン10入口に接続される第2タービン側排気通路62に分岐したうえで、前記第1タービン側排気通路61の通路面積及び第2タービン側排気通路62の通路面積を、前記燃料ガス用過給機50及び空気用過給機51の容量に適合した、異なる通路面積に構成している。
かかる第1参考例によれば、燃料ガス用過給機50の第1タービン8への排気ガス量と空気用過給機51の第2タービン10の排気ガス量とに流量差を設けて、燃料ガス用過給機50及び空気用過給機51の容量を、必要燃料ガス量及び必要空気量に適応した容量に設定できる。
その他の構成は前記図1と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
[参考例2]
かかる第2参考例においては、第2参考例に係る図1にも示されているように、燃料ガス用過給機50の第1タービン8入口に接続される第1タービン側排気通路61、及び空気用過給機51の第2タービン10入口に接続される第2タービン側排気通路62に排気ガス流量調整弁30を設け(該排気ガス流量調整弁30は前記第2タービン入口通路62に設けることもでき、また前記第1タービン入口通路61及び第2タービン入口通路62の双方に設けることもできる)、前記空燃比コントローラ23にて、エンジン負荷の検出値、給気圧力の検出値、及び給気温度の検出値に適合する空燃比、及びこの空燃比になるような前記燃料ガス用過給機50の第1タービン8の排気流量と空気用過給機51の第2タービン10の排気流量との流量比を算出し、該空燃比コントローラ23によって前記流量比になるように開度を制御している。
かかる第2参考例によれば、排気ガス流量調整弁30の開度を制御することにより、燃料ガス用過給機50の第1タービン8への排気ガス量、及び空気用過給機51の第2タービン10の排気ガス量の流量割合(流量比)を、エンジン負荷、給気圧力、給気温度等のガスエンジンの運転条件によって自在に変化できて、エンジンの運転中、必要燃料ガス量及び必要空気量が常時得られる。
その他の構成は前図1と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
[参考例3]
かかる第3参考例においては、前記燃料ガス用過給機50の第1タービン8と空気用過給機51の第2タービン10とを排気通路において直列に接続し、前記第1タービン8あるいは第2タービン10のいずれか一方のタービンを駆動した後の排気ガスで他方のタービンを駆動するように構成している。
かかる第3参考例によれば、燃料ガス用過給機50用の第1タービン8と空気用過給機51用の第2タービン10とを排気通路に直列に接続して配置することにより、エンジンの排気エネルギーを効率的に利用できる。
その他の構成は前記図1と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
[参考例4]
かかる第4参考例においては、基本構成に係る図1にも示されているように、燃料ガス用過給機50の第1タービン8入口及び空気用過給機51の第2タービン10入口に接続される排気通路から第1タービン8及び第2タービン10をバイパスして排気出口側に解放される排気バイパス通路12を設けている。
そして、前記空燃比コントローラ23にて、エンジン負荷の検出値、給気圧力の検出値、及び給気温度の検出値等のエンジンの運転条件に適合する空燃比になるような排気バイパス弁13の開度を算出して、かかる算出開度に該排気バイパス弁13の開度を制御する。
かかる第4参考例によれば、エンジンの運転条件により排気バイパス弁13の開度を制御することにより、燃料ガス用過給機50及び空気用過給機51に供給される排気ガス量を当該運転条件に適合した排気ガス量に調整し、エンジンへの混合気量を運転条件毎の所要混合気量に制御でき、空気過剰率をほぼ一定に保持してエンジンを運転することが可能となる。
その他の構成は前図1と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
[実施例1]
かかる第1実施例においては、燃料ガスを圧縮する燃料ガスコンプレッサ7と、空気を圧縮する空気コンプレッサ9と、前記燃料ガスコンプレッサ7及び空気コンプレッサ9に連結されて該燃料ガスコンプレッサ7及び空気コンプレッサ9を回転駆動する1台の排気タービン8aとを備え、前記排気タービン8aと燃料ガスコンプレッサ7との連結軸310に前記排気タービン8aの回転を変速(増速あるいは減速)して前記燃料ガスコンプレッサ7に伝達する変速装置31を設けている。尚、前記変速装置31は排気タービン8aと空気コンプレッサ9との連結軸311に設けてもよく、あるいは前記連結軸310及び連結軸311の双方に設けてもよい。
また、1台の排気タービン8aで、燃料ガスコンプレッサ7及び空気コンプレッサ9を駆動するので、排気タービン8aの台数が最少限で済み、機器数が少なく構造が簡単になる。
その他の構成は前記図1と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
[実施例2]
かかる第2実施例においては、前記第1実施例に加えて、排気タービン8a入口の排気通路から該排気タービン8aをバイパスして排気出口側に解放される排気バイパス通路12を設けるとともに、該排気バイパス通路12を開閉する排気バイパス弁13を設けている。
そして、前記空燃比コントローラ23にて、エンジン負荷の検出値、給気圧力の検出値、及び給気温度の検出値等のエンジンの運転条件に適合する空燃比になるような排気バイパス弁13の開度を算出して、かかる算出開度に該排気バイパス弁13の開度を制御する。
その他の構成は前記図1と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
[参考例5]
かかる第5参考例においては、基本構成に係る図1にも示されているように、燃料ガス用過給機50の燃料ガスコンプレッサ7から燃料ガス管210を通してシリンダ毎のガス供給枝管213II分岐し、各シリンダの燃焼室36に接続される燃料ガス通路の、給気枝管3との合流部位の上流側に、前記各シリンダへの燃料ガス流量を調整するシリンダ側燃料ガス量調整弁20を設けて、該シリンダ側燃料ガス量調整弁20の開度を前記回転数コントローラ24により制御するように構成している。35はピストンである。
かかる第5参考例によれば、各シリンダの燃料ガス通路に設けたシリンダ側燃料ガス量調整弁20によって各シリンダ毎に燃料ガス流量を調整することにより、排気温度や空燃比のシリンダ間のばらつきを少なくすることができる。
その他の構成は前記図1と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
2 給気管
3 給気枝管
6 排気集合管
7 燃料ガスコンプレッサ
8 第1タービン
9 空気コンプレッサ
10 第2タービン
7a 排気タービン
12 排気バイパス通路
13 排気バイパス弁
013 負荷検出器
15 回転数センサ
17 給気圧力センサ
18 給気温度センサ
19 過給機側ガス量調整弁
20 シリンダ側ガス量調整弁
21 燃料ガス入口管
22 ガス量コントローラ
23 空燃比コントローラ
24 回転数コントローラ
31 変速装置
30 排気ガス流量調整弁
50 燃料ガス用過給機
51 空気用過給機
61 第1タービン入口通路
62 第2タービン入口通路
210 燃料ガス管
213 ガス供給枝管
Claims (3)
- エンジンからの排気ガスにより駆動される排気ターボ過給機を備え、燃料ガス通路を通して供給される燃料ガスと空気とを混合し、この混合気を各シリンダ内に供給して着火燃焼せしめるガスエンジンにおいて、
前記排気ターボ過給機を、前記燃料ガスを圧縮する燃料ガスコンプレッサ及び前記排気ガスのエネルギーにより燃料ガスコンプレッサを駆動する第1タービンをそなえた燃料ガス用過給機と、前記空気を圧縮する空気コンプレッサ及び前記排気ガスのエネルギーにより空気コンプレッサを駆動する第2タービンをそなえた空気用過給機とにより構成し、前記燃料ガス用過給機で圧縮された燃料ガスと前記空気用過給機で圧縮された空気とを混合して前記各シリンダに供給するように構成され、
前記第1タービンと第2タービンを合一化し、合一化した一台のタービンと燃料ガスコンプレッサとの連結軸あるいは空気コンプレッサとの連結軸のいずれか一方に前記燃料ガスコンプレッサあるいは空気コンプレッサに前記タービン回転数を変速して伝達する変速装置とをそなえたことを特徴とするガスエンジンのガス供給装置。 - 前記排気タービン入口の排気通路から該排気タービンをバイパスして排気出口側に解放される排気バイパス通路を設けるとともに、該排気バイパス通路を開閉する排気バイパス弁を設け、前記エンジンへの混合気量が目標混合気量になるように前記排気バイパス弁の開度を制御するコントローラをそなえたことを特徴とする請求項1記載のガスエンジンのガス供給装置。
- 請求項1または2のいずれかの項に記載のガス供給装置を備えたことを特徴とするガスエンジン。
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