JP5072307B2 - 電力取引リスク管理装置及び電力取引リスク管理方法 - Google Patents
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Description
また、本発明は、電力取引リスク管理装置であって、各発電機のヒートレート、各発電機の出力、電力価格及び入札価格の差と入札量とに応じた落札確率の分布である落札確率分布、デリバティブ契約並びに約定価格を取得するデータ取得部と、少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含む電力取引のリスク要因に関するデータを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータを用いてモデルのパラメータを設定することによって、少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含むリスク要因を予測するための予測モデルを作成する予測モデル作成部と、前記予測モデル作成部によって作成された各予測モデル及び前記パラメータの1つであるかく乱項を特定するための乱数発生手段を用いて、少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含むリスク要因を予測するリスク要因予測部と、前記データ取得部によって取得された各発電機のヒートレートと、前記リスク要因予測部によって予測された燃料価格とから各発電機の発電コストを予測する発電コスト予測部と、前記リスク要因予測部によって予測された電力需要を満たすように、前記発電コスト予測部によって予測された発電コストの小さい発電機から順に出力を積み上げるとともに、前記データ取得部によって取得された各発電機の出力の合計から前記積み上げた出力を差し引くことによって余剰出力を計算し、前記余剰出力に対応した発電コストにマージンを加えることによってスポット売り入札曲線を設定する、又は、前記積み上げた発電コストからマージンを差し引くことによってスポット買い入札曲線を設定するスポット入札曲線設定部と、前記リスク要因予測部によって予測された電力価格と、前記スポット入札曲線設定部によって設定されたスポット売り入札曲線又はスポット買い入札曲線による入札価格と前記電力価格との差分と、前記スポット売り入札曲線又はスポット買い入札曲線による各入札価格に対応する入札量とから、前記データ取得部によって取得された落札確率分布に基づいてスポット落札量を予測するスポット落札量予測部と、前記リスク要因予測部によって予測された電力価格と、前記発電コスト予測部によって予測された発電コストと、前記スポット落札量予測部によって予測されたスポット落札量とからスポット契約収支を計算するスポット契約収支計算部と、前記データ取得部によって取得されたデリバティブ契約及び約定価格と、前記発電コスト予測部によって予測された発電コストとからデリバティブ契約収支を計算するデリバティブ契約収支計算部と、前記スポット契約収支計算部によって計算されたスポット契約収支と、前記デリバティブ契約収支計算部によって計算されたデリバティブ契約収支とから電力取引収支を計算する電力取引収支計算部と、を備えることを特徴とする。
図1は、電力取引リスク管理装置1の構成を示す図である。電力取引リスク管理装置1は、電力取引収支を予測し、リスク指標を計算するものであり、例えば、PC(Personal Computer)やサーバなどのコンピュータによって実現される。電力取引リスク管理装置1は、記憶部2、処理部3及び入力部(データ取得部)4を備える。記憶部2は、電力取引収支の予測やリスク指標の計算に必要なデータを記憶するものであり、ハードディスク装置やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置によって実現される。処理部3は、電力取引収支の予測やリスク指標の計算に必要な処理を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。入力部4は、電力取引収支の予測やリスク指標の計算に必要なデータ(各発電機のヒートレート、各発電機の出力、電力価格及び入札価格の差と入札量と落札確率との分布である落札確率分布、デリバティブ契約並びに約定価格を含む)を入力するものであり、キーボードやマウスなどによって実現される。なお、電力取引リスク管理装置1に表示部を設けて、処理部3による処理の結果や入力部4による入力の内容を表示するようにしてもよい。
図4は、電力取引リスク管理装置1の処理概要を示すフローチャートである。電力取引リスク管理装置1では、まず、データ編集処理部31が、記憶部2に記憶された各DBのデータを編集する処理を行う(S401)。次に、モデルパラメータ設定部32が、データ編集処理部31によって編集されたデータを用いてモデルのパラメータを設定することによって、各リスク要因を予測するモデルを作成する(S402)。そして、各リスク要因の予測部(電力価格予測部33〜燃料価格予測部38)が、モデルパラメータ設定部32によって作成された予測モデルを用いて、各リスク要因を予測する(S403)。ここでは、乱数発生方法の使用や、燃料価格予測方法の設定が行われる。続いて、発電コスト予測部42が発電コストを予測し、スポット入札曲線設定部43がスポット入札曲線を設定する(S404)。続いて、スポット落札量予測部44が、スポット入札曲線設定部43によって設定されたスポット入札曲線を用いて、スポット落札量を予測する(S405)。そして、電力取引収支計算部47が、スポット契約収支及びデリバティブ契約収支から電力取引収支を計算する(S406)。S403の各リスク要因の予測〜S406の電力取引収支計算は、シミュレーション処理として所定回数行われる。さらに、リスク指標計算部48が、所定回数のシミュレーション処理によって求められた電力取引収支の分布からリスク指標を計算する(S407)。これ以降、各ステップの処理の詳細について説明する。
図5は、データ編集処理(S401)の詳細を示すフローチャートである。図6及び図7は、データ編集処理(S401)の結果を示す図である。図5〜図7を参照しながら、データ編集処理(S401)の詳細について説明する。
以上の各処理によって作成されたDBを用いて、各リスク要因の予測モデル作成処理(S402)が行われる。図8は、予測モデル作成処理(S402)の詳細を示すフローチャートである。図8を参照しながら、予測モデル作成処理(S402)の詳細について説明する。
電力価格=定数S1+係数A1×平日+係数A2×休日+係数A3×CDD+係数A4×原油価格O1+係数A5×前期までの電力価格E1+かく乱項R1
かく乱項R1=N(0,σ1 2)
・・・式1
なお、「前期までの電力価格E1」について何期までの電力価格を用いるかは適宜決定される。また、かく乱項R1について式1では正規分布を想定しているが、他の分布であってもよく、これは以下の式2〜式6についても同様である。
電力需要=定数S2+係数B1×曜日+係数B2×休日+係数B3×CDD+係数B4×HDD+係数B5×前日までの電力需要+かく乱項R2
かく乱項R2=N(0,σ2 2)
・・・式2
なお、「曜日」には、曜日を示すダミー変数が設定される。どの曜日をダミー変数として設定するかは、統計的信頼度によって決定される。また、「前日までの電力需要」として何日前までの電力需要を用いるかは適宜決定される。
気温=基準気温T1+係数C1×(前日における基準気温との差)+かく乱項R3
かく乱項R3=N(0,σ3 2)
・・・式3
なお、「前日における基準気温との差」として何日前の基準気温を用いるかは、適宜決定される。
水力発電電力量=定数S4+係数D1×曜日+係数D2×降水量+係数D3×前日の発電電力量+かく乱項R4
かく乱項R4=N(0,σ4 2)
・・・式4
なお、「曜日」には、曜日を示すダミー変数が設定される。どの曜日をダミー変数として設定するかは、統計的信頼度によって決定される。
降水量=0 (晴れ)
定数S5+かく乱項R5 (雨)
かく乱項R5=N(0,σ5 2)
・・・式5
ここで、降水量を予測すべき日の天気が晴れであると予測される場合には、無条件に降水量は0になる。一方、降水量を予測すべき日の天気が雨であると予測される場合には、式5に示すように定数及びかく乱項によって、降水量が求められる。なお、式5では、晴れや雨は、確率的にスイッチするようにモデル化しているが、過去の実績経験分布を適用することも可能である。
燃料価格=前期価格+定数S6+かく乱項R6
かく乱項R6=N(0,σ6 2)
・・・式6
ここで、前期価格は、燃料の場合には、前日の価格である。予測する価格が終値であるならば、前日の終値価格を使用することになる。ちなみに、電力スポット取引の場合には、30分単位の商品であるので、30分前の価格が前期価格になる。
以上により求めたモデル(式)を用いて、各リスク要因の予測処理(S403)が行われる。すなわち、電力価格予測部33は、式1の電力価格モデルを用いて電力価格を予測する。電力需要予測部34は、式2の電力需要モデルを用いて電力需要を予測する。気温予測部35は、式3の気温モデルを用いて気温を予測する。水力発電電力量予測部36は、式4の水力発電電力量モデルを用いて水力発電電力量を予測する。降水量予測部37は、式5の降水量モデルを用いて降水量を予測する。燃料価格予測部38は、式6の燃料価格モデルを用いて燃料価格を予測する。
以上により予測された各リスク要因を用いて、発電コストの予測及びスポット入札曲線の設定の処理(S404)が行われる。図10は、その処理を示すフローチャートであり、図11は、その処理を説明するためのグラフである。図10及び図11を参照しながら、発電コストの予測及びスポット入札曲線の設定の処理(S404)について説明する。
発電合計=電力需要−水力発電電力量+その他 ・・・式7
ここで、(電力需要−水力発電電力量)は、水力発電以外で賄うべき電力需要を示す。その他は、これまでの電力量の貸し借りの経緯などから、今回融通すべき電力量である。それらの合計が発電合計であり、その発電合計を水力の次にコストの小さい原子力から順に割り当てていく。図11(b)は、発電合計が各発電機に割り当てられた状態を示すグラフである。ここで、海外炭の発電機については、発電コスト分すべてが割り当てられていない。これは、LNGの発電機の最低出力という出力制約によって、海外炭の発電機の発電コストが抑えられ、その分の発電コストがLNGの発電機に割り当てられているのである。
以上により設定されたスポット入札曲線を用いて、スポット落札量の予測処理(S405)が行われる。図12は、その処理を示すフローチャートであり、図13は、その処理を説明するためのグラフである。図12及び図13を参照しながら、スポット落札量の予測処理(S405)について説明する。
次に、電力取引収支計算の処理(S406)が行われる。図14は、その処理を示すフローチャートであり、図15、図16及び図17は、その処理を説明する図である。図14〜図17を参照しながら、電力取引収支計算の処理(S406)について説明する。なお、図15は、売り入札の場合の電力取引収支計算の処理について示す図である。
1万回のシミュレーションによって求められた電力取引収支のデータから、リスク指標計算の処理(S407)が行われる。図18は、その処理を示すフローチャートであり、図19及び図20は、その処理を説明するための図である。図18〜図20を参照しながら、リスク指標計算の処理(S407)について説明する。なお、図18のS1801〜S1803はリスク量計算の処理であり、S1804〜S1806はリスク感応度計算の処理である。
2 記憶部
3 処理部
4 入力部(データ取得部)
31 データ編集処理部(予測モデル作成部)
32 モデルパラメータ設定部(予測モデル作成部)
33 電力価格予測部(リスク要因予測部)
34 電力需要予測部(リスク要因予測部)
38 燃料価格予測部(リスク要因予測部)
40 乱数発生部(乱数発生手段)
42 発電コスト予測部
43 スポット入札曲線設定部
44 スポット落札量予測部
45 スポット契約収支計算部
46 デリバティブ契約収支計算部
47 電力取引収支計算部
48 リスク指標計算部(リスク量計算部、リスク感応度計算部)
Claims (8)
- 各発電機のヒートレート、各発電機の出力、電力価格及び入札価格の差と入札量と落札確率との分布である落札確率分布、デリバティブ契約並びに約定価格を取得するデータ取得部と、
少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含む電力取引のリスク要因に関するデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたデータを用いてモデルのパラメータを設定することによって、少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含むリスク要因を予測するための予測モデルを作成する予測モデル作成部と、
前記予測モデル作成部によって作成された各予測モデル及び前記パラメータの1つであるかく乱項を特定するための乱数発生手段を用いて、少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含むリスク要因を予測するリスク要因予測部と、
前記データ取得部によって取得された各発電機のヒートレートと、前記リスク要因予測部によって予測された燃料価格とから各発電機の発電コストを予測する発電コスト予測部と、
前記リスク要因予測部によって予測された電力需要を満たすように、前記発電コスト予測部によって予測された発電コストの小さい発電機から順に出力を積み上げるとともに、前記データ取得部によって取得された各発電機の出力の合計から前記積み上げた出力を差し引くことによって求められる余剰出力に対応する複数の発電機の各発電コストを計算し、前記各発電コストにマージンを加えることによってスポット売り入札曲線を設定する、又は、前記各発電機の発電コストからマージンを差し引くことによってスポット買い入札曲線を設定するスポット入札曲線設定部と、
前記リスク要因予測部によって予測された電力価格と、前記スポット入札曲線設定部によって設定されたスポット売り入札曲線又はスポット買い入札曲線による入札価格とから、前記データ取得部によって取得された落札確率分布に基づいてスポット落札量を予測するスポット落札量予測部と、
前記リスク要因予測部によって予測された電力価格と、前記発電コスト予測部によって予測された発電コストと、前記スポット落札量予測部によって予測されたスポット落札量とからスポット契約収支を計算するスポット契約収支計算部と、
前記データ取得部によって取得されたデリバティブ契約及び約定価格と、前記発電コスト予測部によって予測された発電コストとからデリバティブ契約収支を計算するデリバティブ契約収支計算部と、
前記スポット契約収支計算部によって計算されたスポット契約収支と、前記デリバティブ契約収支計算部によって計算されたデリバティブ契約収支とから電力取引収支を計算する電力取引収支計算部と、
を備えることを特徴とする電力取引リスク管理装置。 - 各発電機のヒートレート、各発電機の出力、電力価格及び入札価格の差と入札量とに応じた落札確率の分布である落札確率分布、デリバティブ契約並びに約定価格を取得するデータ取得部と、
少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含む電力取引のリスク要因に関するデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたデータを用いてモデルのパラメータを設定することによって、少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含むリスク要因を予測するための予測モデルを作成する予測モデル作成部と、
前記予測モデル作成部によって作成された各予測モデル及び前記パラメータの1つであるかく乱項を特定するための乱数発生手段を用いて、少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含むリスク要因を予測するリスク要因予測部と、
前記データ取得部によって取得された各発電機のヒートレートと、前記リスク要因予測部によって予測された燃料価格とから各発電機の発電コストを予測する発電コスト予測部と、
前記リスク要因予測部によって予測された電力需要を満たすように、前記発電コスト予測部によって予測された発電コストの小さい発電機から順に出力を積み上げるとともに、前記データ取得部によって取得された各発電機の出力の合計から前記積み上げた出力を差し引くことによって余剰出力を計算し、前記余剰出力に対応した発電コストにマージンを加えることによってスポット売り入札曲線を設定する、又は、前記積み上げた発電コストからマージンを差し引くことによってスポット買い入札曲線を設定するスポット入札曲線設定部と、
前記リスク要因予測部によって予測された電力価格と、前記スポット入札曲線設定部によって設定されたスポット売り入札曲線又はスポット買い入札曲線による入札価格と前記電力価格との差分と、前記スポット売り入札曲線又はスポット買い入札曲線による各入札価格に対応する入札量とから、前記データ取得部によって取得された落札確率分布に基づいてスポット落札量を予測するスポット落札量予測部と、
前記リスク要因予測部によって予測された電力価格と、前記発電コスト予測部によって予測された発電コストと、前記スポット落札量予測部によって予測されたスポット落札量とからスポット契約収支を計算するスポット契約収支計算部と、
前記データ取得部によって取得されたデリバティブ契約及び約定価格と、前記発電コスト予測部によって予測された発電コストとからデリバティブ契約収支を計算するデリバティブ契約収支計算部と、
前記スポット契約収支計算部によって計算されたスポット契約収支と、前記デリバティブ契約収支計算部によって計算されたデリバティブ契約収支とから電力取引収支を計算する電力取引収支計算部と、
を備えることを特徴とする電力取引リスク管理装置。 - 前記リスク要因予測部、前記発電コスト予測部、前記スポット入札曲線設定部、前記スポット落札量予測部、前記スポット契約収支計算部、前記デリバティブ契約収支計算部及び前記電力取引収支計算部によって電力取引収支を所定の回数だけ計算し、当該所定の回数分の電力取引収支を大きい順に並び替え、中央付近の順位の電力取引収支及び末尾付近の順位の電力取引収支を抽出し、抽出した2つの電力取引収支から電力取引のリスク量を計算するリスク量計算部
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力取引リスク管理装置。 - 前記リスク要因予測部、前記発電コスト予測部、前記スポット入札曲線設定部、前記スポット落札量予測部、前記スポット契約収支計算部、前記デリバティブ契約収支計算部及び前記電力取引収支計算部によって、所定のリスク要因だけを変化させた場合の電力取引収支の変化を計算し、リスク感応度として当該電力取引収支の変化率及び当該変化率の変化率を計算するリスク感応度計算部
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力取引リスク管理装置。 - 各発電機のヒートレート、各発電機の出力、電力価格及び入札価格の差と入札量と落札確率との分布である落札確率分布、デリバティブ契約並びに約定価格を取得するデータ取得部と、
少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含む電力取引のリスク要因に関するデータを記憶する記憶部と、
を備えるコンピュータによる電力取引リスク管理方法であって、
前記記憶部に記憶されたデータを用いてモデルのパラメータを設定することによって、少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含むリスク要因を予測するための予測モデルを作成する第1のステップと、
前記第1のステップによって作成された各予測モデル及び前記パラメータの1つであるかく乱項を特定するための乱数発生手段を用いて、少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含むリスク要因を予測する第2のステップと、
前記データ取得部によって取得された発電機のヒートレートと、前記第2のステップによって予測された燃料価格とから各発電機の発電コストを予測する第3のステップと、
前記第2のステップによって予測された電力需要を満たすように、前記第3のステップによって予測された発電コストの小さい発電機から順に出力を積み上げるとともに、前記データ取得部によって取得された各発電機の出力の合計から前記積み上げた出力を差し引くことによって求められる余剰出力に対応する複数の発電機の各発電コストを計算し、前記各発電コストにマージンを加えることによってスポット売り入札曲線を設定する、又は、前記各発電機の発電コストからマージンを差し引くことによってスポット買い入札曲線を設定する第4のステップと、
前記第2のステップによって予測された電力価格と、前記第4のステップによって設定されたスポット売り入札曲線又はスポット買い入札曲線による入札価格とから、前記データ取得部によって取得された落札確率分布に基づいてスポット落札量を予測する第5のステップと、
前記第2のステップによって予測された電力価格と、前記第3のステップによって予測された発電コストと、前記第5のステップによって予測されたスポット落札量とからスポット契約収支を計算する第6のステップと、
前記データ取得部によって取得されたデリバティブ契約及び約定価格と、前記第3のステップによって予測された発電コストとからデリバティブ契約収支を計算する第7のステップと、
前記第6のステップによって計算されたスポット契約収支と、前記第7のステップによって計算されたデリバティブ契約収支とから電力取引収支を計算する第8のステップと、
を備えることを特徴とする電力取引リスク管理方法。 - 各発電機のヒートレート、各発電機の出力、電力価格及び入札価格の差と入札量とに応じた落札確率の分布である落札確率分布、デリバティブ契約並びに約定価格を取得するデータ取得部と、
少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含む電力取引のリスク要因に関するデータを記憶する記憶部と、
を備えるコンピュータによる電力取引リスク管理方法であって、
前記記憶部に記憶されたデータを用いてモデルのパラメータを設定することによって、少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含むリスク要因を予測するための予測モデルを作成する第1のステップと、
前記第1のステップによって作成された各予測モデル及び前記パラメータの1つであるかく乱項を特定するための乱数発生手段を用いて、少なくとも燃料価格、電力需要及び電力価格を含むリスク要因を予測する第2のステップと、
前記データ取得部によって取得された発電機のヒートレートと、前記第2のステップによって予測された燃料価格とから各発電機の発電コストを予測する第3のステップと、
前記第2のステップによって予測された電力需要を満たすように、前記第3のステップによって予測された発電コストの小さい発電機から順に出力を積み上げるとともに、前記データ取得部によって取得された各発電機の出力の合計から前記積み上げた出力を差し引くことによって余剰出力を計算し、前記余剰出力に対応した発電コストマージンを加えることによってスポット売り入札曲線を設定する、又は、前記積み上げた発電コストからマージンを差し引くことによってスポット買い入札曲線を設定する第4のステップと、
前記第2のステップによって予測された電力価格と、前記第4のステップによって設定されたスポット売り入札曲線又はスポット買い入札曲線による入札価格と前記電力価格との差分と、前記スポット売り入札曲線又はスポット買い入札曲線による各入札価格に対応する入札量とから、前記データ取得部によって取得された落札確率分布に基づいてスポット落札量を予測する第5のステップと、
前記第2のステップによって予測された電力価格と、前記第3のステップによって予測された発電コストと、前記第5のステップによって予測されたスポット落札量とからスポット契約収支を計算する第6のステップと、
前記データ取得部によって取得されたデリバティブ契約及び約定価格と、前記第3のステップによって予測された発電コストとからデリバティブ契約収支を計算する第7のステップと、
前記第6のステップによって計算されたスポット契約収支と、前記第7のステップによって計算されたデリバティブ契約収支とから電力取引収支を計算する第8のステップと、
を備えることを特徴とする電力取引リスク管理方法。 - 前記第2のステップないし前記第8のステップの処理によって電力取引収支を所定の回数だけ計算し、当該所定の回数分の電力取引収支を大きい順に並び替え、中央付近の順位の電力取引収支及び末尾付近の順位の電力取引収支を抽出し、抽出した2つの電力取引収支から電力取引のリスク量を計算する第9のステップ
を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の電力取引リスク管理方法。 - 前記第2のステップないし前記第8のステップの処理によって、所定のリスク要因だけを変化させた場合の電力取引収支の変化を計算し、リスク感応度として当該電力取引収支の変化率及び当該変化率の変化率を計算する第10のステップ
を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の電力取引リスク管理方法。
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