JP5071969B2 - エレベータの電動機制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータの巻上機に用いられる誘導電動機を駆動制御するための電動機制御装置に関する。
一般に、エレベータの巻上機に誘導電動機を用いる場合、所謂「すべり周波数型ベクトル制御」を行う場合が多い。このすべり周波数型ベクトル制御にて良好な制御性能を得るためには、誘導電動機の電気的定数のうち、相互インダクタンスと二次時定数の値が必要となる(例えば、非特許文献1、2参照)。
ここで、相互インダクタンスは、磁束電流指令を定めるのに必要であり、主として電動機の端子電圧に影響を与える。また、二次時定数は、すべり周波数指令を定めるのに必要であり、主として電動機の電流に影響を与える。
電気学会編「電気機械工学 改訂版」オーム社 昭和60年11月20日第367頁 田村吉章・田中茂著「エネルギー変換応用システム」丸善 平成12年12月28日第87頁および第142頁
ベクトル制御を念頭において設計された誘導電動機の場合には、上述した相互インダクタンスや二次時定数の値は設計値として容易に知ることができる。ところが、例えばリニューアル物件などで古い誘導電動機を再利用する場合には、これらの定数が不明であることが多い。このため、電動機の端子電圧と電流を規定の値に設定するためには、制御装置内部で使用する相互インダクタンスと二次時定数の値を作業員が試行錯誤で調整しなければならず、その調整作業に多大な時間と労力を費やしていた。
そこで、本発明は、作業員による面倒な調整作業を必要とせずに、電動機の端子電圧と電流を規定の値に簡単かつ正確に調整することのできるエレベータの電動機制御装置を提供することを目的とする。
本発明のエレベータの電動機制御装置は、ベクトル制御方式によって電動機を駆動制御するエレベータの電動機制御装置において、少なくとも2つの異なる運転状態で得られる上記電動機の端子電圧、電流および回転速度の実測値から所定の演算式に従って定格負荷時の端子電圧および電流が規定値となるようにベクトル制御定数を自動調整する制御定数自動調整手段を備えたものである。この制御定数自動調整手段は、無負荷運転時にて上記電動機の端子電圧に対する調整処理を行う第1の調整手段と、全負荷運転時にて上記電動機の電流に対する調整処理を行う第2の調整手段とを含む。
さらに、上記第1の調整手段は、無負荷運転時の定速領域での電圧平均値と無負荷運転時の電圧目標値から磁束電流のベクトル制御定数を演算する。
上記第1の調整手段は、上記無負荷運転時の電圧目標値として、上記電動機の定格電圧、定格電流および巻線インピーダンスの公称値から演算された値を用いる。
上記第1の調整手段は、上記電動機が無負荷状態でなかった場合に、上記電動機を無負荷状態とするためのウェイト積載量を定速時における消費電力量と回転速度から演算する。
上記第1の調整手段は、上記消費電力量および回転速度として規格化された値を用いる。
上記第1の調整手段は、上記消費電力量および回転速度を上り走行と下り走行の双方の値から求める。
上記第1の調整手段は、上記電動機を完全に無負荷にできなかった場合に、上記電動機の端子電圧の実測値を上記電動機の有効電流と巻線インピーダンスの公称値から演算された値で補正する。
上記第1の調整手段は、上記電動機を完全に無負荷にできなかった場合に、2種の負荷条件により運転したときの端子電圧の実測値から無負荷運転時の端子電圧を演算により推定する。
また、上記第1の調整手段は、上記2種の負荷条件を、同一ウェイト積載量における上り運転および下り運転とする。
上記第2の調整手段は、全負荷運転時の定速度領域でのトルク電流平均値とトルク電流定格値からすべり周波数を得るためのベクトル制御定数の値を演算する。
上記第2の調整手段は、全負荷運転時の定速度領域でのトルク電流平均値を上り走行と下り走行の双方の値を用いて演算する。
上記第2の調整手段は、全負荷運転時の定速度領域でのトルク電流平均値を定速度領域全体で演算する代わりに、ごく短時間の平均値を用いることにより、すべり周波数を得るためのベクトル制御定数の更新を定速運転中に2回以上行う。
上記制御定数自動調整手段は、上記電動機の端子電圧の実測値の代わりにインバータ電圧指令値を用いる。
本発明によれば、作業員による面倒な調整作業を必要とせずに、電動機の端子電圧と電流を規定の値に簡単かつ正確に調整することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るベクトル制御方式を用いた電動機制御装置のシステム構成を示す図である。
この電動機制御装置では、整流器などの直流電源1により得られる直流電圧を、インバータ2で可変周波数可変電圧の交流に変換して誘導電動機3を駆動する。図2に示すように、誘導電動機3にはエレベータの巻上機21が直結されている。誘導電動機3が駆動されると、それに伴い、巻上機21が回転し、その巻上機21に巻き掛けられたロープ22を介してエレベータの乗りかご23とカウンタウェイト24が昇降路内をつるべ式に昇降動作する。
誘導電動機3が駆動されているとき、速度センサ4によって誘導電動機3の回転速度が検出される。この速度センサ4によって検出された誘導電動機3の回転速度は、速度パターン生成部5によって生成される速度目標値と共に、比例積分要素などにより構成される速度制御器6へ入力される。この速度制御器6の出力がベクトル制御におけるトルク電流指令値として用いられる。
また、電流検出器7によって誘導電動機3の電流が検出される。この電流検出器7によって検出された誘導電動機3の電流は、座標変換器8によりトルク電流成分と磁束電流成分に分解され、速度制御器6の出力であるトルク電流指令値と磁束電流設定器9により得られる磁束電流指令値とともに、比例積分要素などで構成される電流制御器10へ入力される。電流制御器10の出力は、座標変換器11でインバータ2への3相電圧指令値に変換され、PWMパターン発生部12にてインバータ2のゲート信号となる。
ここで、すべり周波数型ベクトル制御では、座標変換器8、11に用いる電気角情報を以下のような手法によって求める。
まず、除算器13によりトルク電流指令値を磁束電流指令値にて除算する。その結果に二次時定数逆数設定器14にて得られる二次時定数の逆数を乗じて、すべり周波数指令値を得る。
次に、加算器15により、すべり周波数指令値に誘導電動機3の速度信号を加算してインバータ2の運転周波数指令値を求める。この運転周波数指令値を積分器16にて電気角に変換すると、座標変換器8、11に用いる電気角情報が求められる。
このようなすべり周波数型ベクトル制御において、定格負荷時に規定の端子電圧と電流を得るためには、相互インダクタンスと二次時定数を適正な値に調整しておく必要がある。通常、作業員が勘と経験で手動にて調整していたが、本実施形態の電動機制御装置には、この調整を自動化する機能として制御定数自動調整部18が設けられている。
制御定数自動調整部18は、速度センサ4、電流検出器7および電圧検出器17の各信号を入力し、少なくとも2つの異なる運転状態で得られる誘導電動機3の端子電圧、電流および回転速度の実測値から所定の演算式に従って定格負荷時の端子電圧および電流が規定値となるようにベクトル制御定数を自動調整する。
以下に、図3を参照しながら、制御定数自動調整部18による自動調整の方法について詳しく説明する。
図3は制御定数自動調整部18による自動調整の手順を示すフローチャートである。
まず、仮のベクトル制御定数を設定しておく(ステップS11)。また、定速度運転時に誘導電動機3が無負荷状態となるように、エレベータのウェイト積載量を調整しておく(ステップS12)。この状態をバランスロード(以下、BLと略す)と呼ぶ。
BL状態で誘導電動機3を運転し、定速度時の電動機端子電圧から磁束電流設定器9に対するベクトル制御定数の演算・更新を行う。そして、この更新された値で再度運転を行い、電動機端子電圧が目標値に対して所定の誤差の範囲(例えば±5%)に入るまで、運転とベクトル制御定数の更新を繰り返す(ステップS13〜S15)。
磁束電流設定器9に対する調整が終了すると、続いて、二次時定数逆数設定器14に対する調整を行うため、まず、定員相当のウェイトを搭載することにより全負荷状態とする(ステップS16)。この状態をフルロード(以下、FLと略す)と呼ぶ。
FL状態で誘導電動機3を定格負荷運転し、定速度時の電動機電流から二次時定数逆数設定器14に対するベクトル制御定数の演算・更新を行う。そして、更新された値で再度運転を行い、電動機電流が目標値に対して所定の誤差の範囲(例えば±10%)に入るまで、運転・ベクトル制御定数の更新を繰り返す(ステップS17〜S19)。
(a)BL状態での自動調整方法
BL状態での自動調整方法について詳しく説明する。
完全にBL状態にすることができた場合、定速度運転時では誘導電動機3は無負荷状態となる。この時、電動機電流はすべて磁束電流となり、電動機端子電圧の振幅は磁束電流の振幅に比例する。この状態でエレベータを走行させた時、定速度領域における電動機端子電圧平均値をVAVE0、磁束電流の仮設定値をIdref0とすると、磁束電流設定値の推奨値Idrefは、(1)式で表される
Figure 0005071969
なお、VAVE0の平均値を求める区間は必ずしも定速度領域全域に亘らなくてもよく、その一部区間でもよい。
実際には、磁束電流Idrefと無負荷運転時の端子電圧VAVE0が完全には比例関係にはなく、若干の非線形性を含んでいる。従って、上記(1)式にて磁束電流を更新した後に、その設定値で再度運転を行い、誘導電動機3の端子電圧が無負荷運転時の電圧目標値に対して許容誤差範囲内に入っていることを確認する必要がある。許容誤差範囲外であれば、許容誤差範囲内に入るまで上記の運転・定数の更新を繰り返すことになる。
ここで、注意すべき点は、電圧目標値VNRM0は誘導電動機3の(全負荷時)定格電圧VNRMではない、ということである。厳密には、定格負荷時の電流をIqNRM、誘導電動機3の巻線インダクタンス分をL、抵抗分をRとして、下記の(2)式で求められる。
Figure 0005071969
ただし、上記(2)式で求める場合、インダクタンスLや抵抗Rの値には公称値を用いざるを得ず、古い誘導電動機3の場合にはこの値そのものが不明であることが多い。実験的には、目標値VNRM0は、定格電圧VNRMの85〜90%程度にすると良いことが判っている。
(b)FL状態での自動調整方法
次に、FL状態での自動調整方法について述べる。
FL状態では、上り定速度領域にて定格負荷運転となる。この時の定速度領域でのトルク電流平均値をIqAVE、定格トルク電流をIqNRMとし、二次時定数初期値をT20とすると、二次時定数の更新値は、(3)式で表される。
Figure 0005071969
なお、IqAVEの平均値を求める区間は、必ずしも定速度領域全域である必要はなく、その一部区間でよい。
ただし、二次時定数とトルク分電流の関係は、磁束電流と端子電圧の関係よりも遥かに非線形性が強い。このため、上記(3)式にて二次時定数を更新しても、電流が定格値に対して許容誤差範囲内に収まらない可能性がある。このような場合には、トルク電流が定格値に対して許容誤差範囲内に収まるまで、エレベータの運転・定数の更新を繰り返せばよい。
以上のような手順により、必要最小限の運転回数にて、定格負荷時における電圧・電流を規定の値とするためのベクトル制御定数を自動的に定めることができる。したがって、調整時間の短縮化、作業員による作業負担の軽減を実現することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態における構成は、図1と同じであり、制御定数自動調整部18の作用のみが異なる。すなわち、上記第1の実施形態では、ウェイト量を調整してBL状態を作り出す必要があり、作業員がその調整を行っていた。これに対し、第2の実施形態では、制御定数自動調整部18がBL状態とするためのウェイト量を自動演算し、作業員へ指示を行うように構成されている。
具体的には、エレベータが空荷の状態(無積載の状態)で、仮のベクトル制御定数で運転させ、制御定数自動調整部18により定速度運転区間での平均消費電力量PAVEを求める。なお、以下では、乗りかご23が空荷の状態のことをNL(NoLoad)状態と略すものとする。
平均消費電力量PAVEは、誘導電動機3の瞬時消費電力量を定速度領域の間で平均値をとって求めるが、平均値を求める区間は必ずしも定速度領域全域に亘らなくてもよい。また、インバータ2の直流側に電流検出器がある場合には、インバータの直流入力電力の平均値を用いてもよい。この状態にて、誘導電動機3を無負荷とするBL状態とするために搭載するべきウェイト量Wは、エレベータの定速度領域での速度をv(上り運転方向を正)として、以下のように求められる。
Figure 0005071969
上記(4)式において、右辺に負号がついているのは、エレベータをNL状態で上り運転する場合は、回生運転となり平均電力が負となるためである。なお、下り運転で本演算を実施する場合は、力行運転となってPAVEは正になるが、速度vが負となって、右辺全体は正の値となる。
制御定数自動調整部18は、上記(4)式にて得られたウェイト量W[kg]の値を作業員に提示する。提示方法としては、例えば図示せぬ表示器を用いるなどの方法があるが、その方法について特に限定されるものではない。作業員がその提示された値に最も近い値のウェイトをエレベータに搭載すれば、容易にNL状態が得られる。
この時、電圧・電流を予め誘導電動機3の定格値で規格化しておけば、消費電力量も定格値に対する規格値となる。速度も定格値で規格化しておけば、重力加速度による換算を行わなくとも、搭載すべきウェイト量をFLに対する百分率で求めることができ、演算量を削減することができる。
エレベータの場合は、同じ積載量にて上り・下り運転を行うと、理論上、両者での平均電力の絶対値は等しく、その符号のみが異なるはずであるが、機械系の摩擦損やロープの長さ・重さなどの関係から、両者の値が異なる場合もある。この場合、平均電力PAVEの絶対値には、上り運転と下り運転の絶対値の平均値を用いれば、計算の精度を高めることができる。具体的には、上り運転時の平均電力をPAVE_UP、下り運転時の平均電力をPAVE_DNとすれば、両者の符号が異なることを考慮して、以下のようにして求めることができる。
Figure 0005071969
また、調整時にエレベータに搭載するウェイトは、1つ1つがある程度の大きさを持っているため、離散的にしか調整できない。したがって、上述した方法にてBL状態とするための正確なウェイト量が求められたとしても、実際にはそこから若干外れた値のウェイトを搭載して運転することになる。この場合、完全にはBL状態とならず、若干のトルク分電流が流れるため、磁束電流設定演算に用いる電動機端子電圧の振幅を補正する必要がある。この場合の補正式は、この時の電動機端子電圧の定速度領域における振幅をVAVEとすると、次式にて表される。
Figure 0005071969
この(6)式で求められるVAVE0を用いて、次式により、磁束電流を設定すればよい。
Figure 0005071969
ただし、インダクタンスLおよび抵抗Rは、上述したように公称値すら不明である場合が多い。経験的に、定格出力相当のトルク分電流Iが流れた場合には、一般的な誘導機の場合であれば、約15%程度端子電圧が上昇することが知られている。
トルク分電流が定格電流よりも1桁程度小さい領域では、ほぼ、端子電圧上昇量とトルク分電流は比例関係にあるとみなすと、例えば、定格の1割程度のトルク分電流が流れた場合には、端子電圧上昇分は1.5%程度と考えて補正を行ってもよい。
また、2種の負荷条件にて運転を行い、両者の端子電圧から外挿、もしくは、内挿することにより、無負荷運転時の端子電圧を演算により推定することもできる。トルク分電流Iq1の時に端子電圧VAVE1、トルク分電流Iq2の時に端子電圧VAVE2であったならば、(8)式にて計算できる。
Figure 0005071969
この場合、2種の負荷条件のうちの1つは、第1ステップの重量演算時のデータを用いれば、ウェイト積み下ろしの手間が省ける。
また、上記2種の負荷条件を、同一ウェイト積載量での上り運転および下り運転とすることも可能である。上り運転が力行であれば下り運転は回生となり、両者の電圧の平均とすれば無負荷運転時の端子電圧と一致する、と考えられる。
以上のような手順を用いることにより、磁束電流設定値を調整する際に、BL状態を作り出すためのウェイトの積み下ろし回数を必要最小限に抑えることができる。これにより、調整時間をさらに短縮でき、また、作業員の作業負荷をさらに軽減できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第2の実施形態における構成は、図1と同じであり、制御定数自動調整部18の作用のみが異なる。すなわち、上記第1の実施形態において、FL状態での電流値から二次時定数逆数設定器14の値を更新する際に、トルク分電流の平均値は、理論的には上り運転と下り運転にて、絶対値は等しく、その極性のみが逆になるはずである。しかし、機械系の摩擦損やロープの重さなどの関係から、両者の絶対値が異なる場合もある。
そこで、第3の実施形態では、トルク電流平均値IqAVEの絶対値として、上り運転/下り運転各々のIqAVEの絶対値の平均をとり、極性は上り運転の場合と同一のものを用いる。これにより、精度を上げることができる。
また、上記第1の実施形態では、トルク電流平均値IqAVEには、定速度領域での平均値を用いていた。しかし、すべり周波数とトルク分電流の関係は非線形性が強いため、上記(3)式による定数更新では、収束に時間がかかる場合がある。一方、トルク分電流Iは応答が速く、一般的な誘導電動機の場合、Tの値を更新した後、数m秒〜数十m秒後には整定することが知られている。従って、トルク電流平均値IqAVEにはごく短時間の平均値を用いることが可能である。
そこで、第3の実施形態では、1回の定速運転中に、2回以上のベクトル制御定数の更新を行う。これにより、ベクトル制御定数の収束のためのエレベータの運転回数を減らすことができる。この場合、上記(3)式の漸化式によらず、例えば、IqAVE−IqNRMを比例積分要素に入力して、その出力により二次時定数を連続的に更新することにより、収束の高速化を図ることができる。
以上のような手順を用いることにより、すべり周波数と電動機電流の間の非線形性が強い領域においても、短時間にてベクトル制御定数を最適値に収束させ、調整時間の短縮化を図ることができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図4は本発明の第4の実施形態に係るベクトル制御方式を用いた電動機制御装置のシステム構成を示す図である。なお、上記第1の実施形態における図1の構成と同じ部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略するものとする。
図4において、図1の構成と異なる点は、電圧検出器17を省略し、その代わりに座標変換器11から出力されるインバータ2への電圧指令値を用いた点である。この図4では、座標変換器11により3相に変換された後の値を用いているが、変換される前の磁束軸・トルク軸成分の値を用いてもよい。その他の部分の構成は、図1と同じである。
このような構成において、制御定数自動調整部18は、速度センサ4、電流検出器7および座標変換器11の各信号を入力し、定格負荷時の電動機端子電圧と電流を自動調整する。この場合、インバータ2と誘導電動機3が直結されていれば、上記第1の実施形態にて電動機端子電圧を用いた演算して部分を、そのままインバータ電圧指令値に変えれば同様の結果が得られる。
以上の構成を用いることにより、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、加えて、電動機端子電圧を検出するための検出器を省略して、その分のコストを低減することができる。
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の形態を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
図1は本発明の第1の実施形態に係るベクトル制御方式を用いた電動機制御装置のシステム構成を示す図である。 図2は同実施形態における誘導電動機が適用されるエレベータの概略構成を示す図である。 図3は同実施形態における制御定数自動調整部による自動調整の手順を示すフローチャートである。 図4は本発明の第4の実施形態に係るベクトル制御方式を用いた電動機制御装置のシステム構成を示す図である。
符号の説明
1…直流電源、2…インバータ、3…誘導電動機、4…速度センサ、5…速度パターン生成部、6…速度制御器、7…電流検出器、8…座標変換器、9…磁束電流設定器、10…電流制御器、11…座標変換器、12…PWMパターン発生器、13…除算器、14…二次時定数逆数設定器、15…加算器、16…積分器、17…電圧検出器、18…制御定数自動演算部。

Claims (13)

  1. ベクトル制御方式によって電動機を駆動制御するエレベータの電動機制御装置において、
    少なくとも2つの異なる運転状態で得られる上記電動機の端子電圧、電流および回転速度の実測値から所定の演算式に従って定格負荷時の端子電圧および電流が規定値となるようにベクトル制御定数を自動調整する制御定数自動調整手段を備え
    上記制御定数自動調整手段は、
    無負荷運転時にて上記電動機の端子電圧に対する調整処理を行う第1の調整手段と、全負荷運転時にて上記電動機の電流に対する調整処理を行う第2の調整手段とを含むことを特徴とするエレベータの電動機制御装置。
  2. 上記第1の調整手段は、
    無負荷運転時の定速領域での電圧平均値と無負荷運転時の電圧目標値から磁束電流のベクトル制御定数を演算することを特徴とする請求項記載のエレベータの電動機制御装置。
  3. 上記第1の調整手段は、
    上記無負荷運転時の電圧目標値として、上記電動機の定格電圧、定格電流および巻線インピーダンスの公称値から演算された値を用いることを特徴とする請求項記載のエレベータの電動機制御装置。
  4. 上記第1の調整手段は、
    上記電動機が無負荷状態でなかった場合に、上記電動機を無負荷状態とするためのウェイト積載量を定速時における消費電力量と回転速度から演算することを特徴とする請求項記載のエレベータの電動機制御装置。
  5. 上記第1の調整手段は、
    上記消費電力量および回転速度として規格化された値を用いることを特徴とする請求項記載のエレベータの電動機制御装置。
  6. 上記第1の調整手段は、
    上記消費電力量および回転速度を上り走行と下り走行の双方の値から求めることを特徴とする請求項記載のエレベータの電動機制御装置。
  7. 上記第1の調整手段は、
    上記電動機を完全に無負荷にできなかった場合に、上記電動機の端子電圧の実測値を上記電動機の有効電流と巻線インピーダンスの公称値から演算された値で補正することを特徴とする請求項記載のエレベータの電動機制御装置。
  8. 上記第1の調整手段は、
    上記電動機を完全に無負荷にできなかった場合に、2種の負荷条件により運転したときの端子電圧の実測値から無負荷運転時の端子電圧を演算により推定することを特徴とする請求項記載のエレベータの電動機制御装置。
  9. 上記第1の調整手段は、
    上記2種の負荷条件を、同一ウェイト積載量における上り運転および下り運転とすることを特徴とする請求項記載のエレベータの電動機制御装置。
  10. 上記第2の調整手段は、
    全負荷運転時の定速度領域でのトルク電流平均値とトルク電流定格値からすべり周波数を得るためのベクトル制御定数の値を演算することを特徴とする請求項記載のエレベータの電動機制御装置。
  11. 上記第2の調整手段は、
    全負荷運転時の定速度領域でのトルク電流平均値を上り走行と下り走行の双方の値を用いて演算することを特徴とする請求項10記載のエレベータの電動機制御装置。
  12. 上記第2の調整手段は、
    全負荷運転時の定速度領域でのトルク電流平均値を定速度領域全体で演算する代わりに、ごく短時間の平均値を用いることにより、すべり周波数を得るためのベクトル制御定数の更新を定速運転中に2回以上行うことを特徴とする請求項10記載のエレベータの電動機制御装置。
  13. 上記制御定数自動調整手段は、
    上記電動機の端子電圧の実測値の代わりにインバータ電圧指令値を用いることを特徴とする請求項1記載のエレベータの電動機制御装置。
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