JP5071345B2 - ロータ - Google Patents

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本発明は、回転翼を備えるロータに関わり、特に高温環境下で使用されるロータに関する。
回転翼を備え高温環境下で使用されるロータとして、例えばターボチャージャに用いられ、タービンインペラ(回転翼)を備えるロータが挙げられる。
ターボチャージャは、エンジンから排出される排気ガスの流動によりタービンインペラを回転させ、その回転エネルギーによりエンジンに供給される空気を過給し、エンジンの性能向上を図る装置である。タービンインペラは高温の排気ガスが直接に当たることで回転するため、タービンインペラの材質は高温に耐えうるものが選択される。また、ターボチャージャの応答性向上のため、タービンインペラを軽量化することが求められている。
そのため、タービンインペラの材質として、耐熱性に優れかつ軽量であるセラミックやチタンアルミ等の材質が用いられている。ここで、特許文献1には、略円柱状を呈する軸部を備えたセラミック製のタービンインペラと、上記軸部に接続される金属性の回転軸とを有するロータが開示されている。
セラミックやチタンアルミ等は、溶接を用いて金属と接続することができない。そこで、特許文献1には、タービンインペラの軸部は該軸部に対応した形状に形成された孔部を備える略円筒状の部材に圧入され、該円筒状部材と金属製の回転軸とを溶接することで、タービンインペラと回転軸とを一体的に接続したロータが開示されている。
特開平7−332098号公報(第4頁、第2図)
ところで、ロータは例えば10万rpm程度の高速で回転することがあり、タービンインペラと回転軸とを強固に接続することが必要となる。また、タービン効率を向上させるために、予めロータのバランスを調整することが行われている。
しかし、特許文献1に示すロータでは、円筒状部材と回転軸とは溶接で一体的に接続されているものの、タービンインペラと円筒状部材とは圧入によって接続されているため、回転方向及び回転軸方向は摩擦力のみで固定されている。そのため、回転や回転に伴う振動等によって、タービンインペラの回転軸に対する相対的な位置がずれ、ロータのバランスが崩れることでタービン効率が低下する虞があるという問題や、タービンインペラと回転軸とが分離する虞があるという問題があった。
また、セラミック製のタービンインペラにおける軸部を金属製の略円柱状部材に圧入する工程では、金属同士の圧入工程に比べ高度な技術を要するため、製造の手間やコストが上昇するといった問題もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、溶接できない材質で形成された回転翼と金属製の回転軸とを、圧入工程を用いることなく一体的に接続したロータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明のロータは、軸部を備え軸部の中心軸周りに回転する回転翼と、軸部に設けられ略リング状を呈するスリーブと、スリーブに一体的に接続される回転軸と、を有し、軸部は、周面の外側に突出する凸部と、回転方向で上記凸部と係合する凹部との一方を備え、回転軸は、周面の外側に突出する上記凸部と、回転方向で上記凸部と係合する上記凹部との他方を備え、スリーブは、中心軸方向で軸部と係合する係合部を備えるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、回転翼における軸部の中心軸周りでの回転に、回転軸が追従することができる。また、本発明では、回転翼における軸部の軸方向での移動に、スリーブ及び回転軸が追従することができる。また、本発明では、圧入工程を用いずに回転翼を備えるロータを製造することができる。
また、本発明のロータは、スリーブと回転軸とが中心軸方向で軸部を挟持するという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、回転翼における軸部の軸方向での移動に、スリーブ及び回転軸が完全に追従することができる。
また、本発明のロータは、軸部が、周面の外側に突出する第2凸部と、回転方向で第2凸部と係合する第2係合部との一方を備え、スリーブが、周面の外側に突出する第2凸部と、回転方向で第2凸部と係合する第2係合部との他方を備え、スリーブと回転軸とが軸部に対して互いに逆方向に回転させた状態で接続されるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、回転翼における軸部の中心軸周りでの回転に、スリーブ及び回転軸が完全に追従することができる。
また、本発明のロータは、凸部、凹部、係合部、第2凸部及び第2係合部は、いずれも周方向に関して略等間隔で複数設けられているという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、ロータの回転軸周りにおけるバランスを均一なものとすることができる。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
本発明によれば、溶接できない材質で形成された回転翼と金属製の回転軸とを、圧入工程を用いることなく一体的に接続することができることから、長期に亘り回転翼と回転軸との分離や相対的な位置の変化を防止することができるという効果がある。また、本発明によれば、圧入工程を用いないことから、製造の手間やコストを減少させることができるという効果がある。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係るロータを、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係るロータ5が設けられたターボチャージャTの全体構成を示す概略図、図2は、第1の実施形態に係るロータ5の概略図であり、(a)はロータ5の側面図、(b)は断面図、(c)は(a)のA−A線視断面図、(d)は(a)のB−B線視断面図、図3は、第1の実施形態におけるタービン軸6の概略図であり、(a)はタービン軸6の側面図、(b)は正面図、図4は、第1の実施形態におけるタービンインペラ7の概略図であり、(a)はタービンインペラ7の側面図、(b)は背面図、図5は、第1の実施形態におけるスリーブ9の概略図であり、(a)はスリーブ9の側面図、(b)は背面図である。なお、上記図面中の矢印Fは前方向を示す。また、上記図面中では、説明のために各構成要素の縮尺を適宜変更して記載している。
まず、本実施形態に係るロータ5が設けられたターボチャージャTの全体構成を、図1を参照して説明する。
ターボチャージャTは、不図示のエンジンから導かれる排気ガスのエネルギーを利用してエンジンに供給される空気を過給する装置である。
図1に示すように、ターボチャージャTは、タービンハウジング1と、軸受けハウジング2と、シールプレート3と、コンプレッサハウジング4とが前側より順次配置され一体的に設けられた構成となっている。
軸受けハウジング2には、前後方向で延びるロータ5がベアリング21を介して回転自在に支持されている。ロータ5は、後述するように、軸状のタービン軸(回転軸)6と、タービン軸6の前端部に接続されるタービンインペラ(回転翼)7と、タービン軸6の後端部に接続されるコンプレッサインペラ8とを有している。なお、タービンインペラ7はタービンハウジング1内に設置され、コンプレッサインペラ8はコンプレッサハウジング4内に設置されている。
タービンハウジング1は、タービンインペラ7の径方向外側で略環状に形成されるタービンスクロール流路11と、排気ガスの排気口であるタービンハウジング出口12とを有している。
タービンスクロール流路11は、排気ガスを導入するための不図示のガス流入口と連通している。また、タービンスクロール流路11は、タービンインペラ7の設置箇所を介してタービンハウジング出口12に連通している。タービンハウジング出口12は、不図示の排気ガス浄化装置に接続されている。
コンプレッサハウジング4は、後側に開口し不図示のエアクリーナに接続される吸気口41と、コンプレッサインペラ8の径方向外側で略環状に形成されるコンプレッサスクロール流路42とを有している。また、シールプレート3とコンプレッサハウジング4との間には、空気を圧縮して昇圧するディフューザ流路43がコンプレッサインペラ8の径方向外側で略環状に形成されている。
吸気口41は、コンプレッサインペラ8の設置箇所を介してディフューザ流路43に連通しており、ディフューザ流路43は、コンプレッサスクロール流路42に連通している。
次に、本実施形態に係るロータ5の構成を、図2ないし図5を参照して説明する。
図2に示すように、ロータ5は、前後方向で延びる軸状のタービン軸(回転軸)6と、タービン軸6の前端部に一体的に接続されるタービンインペラ(回転翼)7と、タービン軸6の後端部に一体的に接続されるコンプレッサインペラ8と、タービン軸6とタービンインペラ7との接続部に設けられるスリーブ9とを有している。
図3に示すように、タービン軸6は、前後方向で延びる軸61と、軸61の前端部に一体的に接続され略環状を呈するリング部62とを有している。タービン軸6の材質は強度の高いものが好ましく、例えばクロムモリブデン鋼が用いられる。
軸61の前端部には、前側に対向する垂直面である端面61Aが形成されている。リング部62の内周面には、その周方向に関して略等間隔で、軸61の軸方向に延びる凹部62Aが2つ形成されている。
図4に示すように、タービンインペラ7は、複数の翼がタービン軸6(図2参照)の回転軸周りに等間隔で配置された翼部71と、翼部71の後側から突出する略円柱状の軸部72とを有している。タービンインペラ7の材質は軽量で耐熱性及び強度の高いものが好ましく、例えばセラミック又はチタンアルミ等が用いられる。
軸部72は、タービン軸6におけるリング部62の内側に貫入できる径で形成されており、軸部72の後端部に設けられ軸部72の外周面から径方向外側に突出する凸部72Aと、凸部72Aの翼部71側に設けられ軸部72の外周面から径方向外側に突出する第2凸部72Bと、翼部71と軸部72との接続部近傍に設けられ後側に対向する垂直面72Cとを有している。
凸部72Aは、前後方向で延びる形状となっており、軸部72をタービン軸6のリング部62に貫入させた場合に、タービン軸6の回転方向でリング部62の凹部62Aに係合できる大きさに形成されている。第2凸部72Bは、前後方向で延びる形状となっており、その軸部72の外周面からの高さは凸部72Aの高さよりも低く形成されている。なお、凸部72A及び第2凸部72Bは、軸部72の外周面にその周方向に関して略等間隔で各々2つづつ形成されている。
図5に示すように、スリーブ9は、略環状を呈する部材であり、その内側に軸部72が貫通できる大きさで形成されている。スリーブ9の材質は耐熱性及び強度の高いものが好ましく、例えばインコネル等が用いられる。
スリーブ9の内周面には、第2凹部9Aと、第2凹部9Aから周方向に関して全内周の略4分の1ずれた位置に設けられる第2係合部9Bとが形成されている。なお、第2凹部9A及び第2係合部9Bは、スリーブ9の内周面にその周方向に関して略等間隔で各々2つづつ形成されている。
第2凹部9Aは、前後方向で延びる形状となっており、軸部72をスリーブ9に貫通させた場合に、凸部72Aが干渉しない大きさで形成されている。第2係合部9Bは、前後方向で延びる形状となっており、軸部72をスリーブ9に貫通させた場合に、第2凸部72Bに係合できる大きさで形成されている。
図2に示すように、コンプレッサインペラ8は、複数の翼がタービン軸6の回転軸周りに等間隔で配置された形状となっており、タービン軸6の後端部にボルト81によって一体的に接続されている。
続いて、本実施形態に係るロータ5の組立手順を、図2を参照して説明する。
まず、軸部72にスリーブ9を取り付ける。
軸部72における凸部72A及びスリーブ9における第2凹部9Aの位置を合わせた後、スリーブ9の内側に軸部72を貫通させ、垂直面72Cにスリーブ9を当接させる。
次に、軸部72にタービン軸6を取り付ける。
軸部72における凸部72A及びリング部62における凹部62Aの位置を合わせた後、リング部62の内側に軸部72を貫入させ、スリーブ9にリング部62の先端を当接させる。この時、軸部72及びリング部62は、図2(c)が示す位置関係となっており、タービン軸6の回転方向で凸部72Aと凹部62Aとが係合している。
次に、タービン軸6とスリーブ9とを接続する。
図2(c)及び(d)に示すように、リング部62を紙面右回りに回転させつつ、スリーブ9を紙面左回りに回転させ、回転の限度に到達した箇所でスリーブ9とリング部62との当接面を溶接し一体的に接続する。
溶接には電子ビーム溶接を使用する。電子ビーム溶接にて溶接した場合、溶接面と直交する方向に収縮するという効果があるため、スリーブ9とリング部62の当接面が前後方向で収縮し、結果として、タービン軸6における軸61の端面61Aとスリーブ9の凸部72Aに対向する対向面(係合部)9Cとが前後方向で凸部72Aを挟持することができる(図2(b)参照)。結果として、タービン軸6、タービンインペラ7及びスリーブ9を回転軸方向に関して遊び無く一体的に接続することができる。
また、スリーブ9とリング部62とが、軸部72を中心として、互いに逆方向に回転限度まで回転させた箇所で接合されているため、タービン軸6、タービンインペラ7及びスリーブ9を回転方向に関して遊び無く一体的に接続することができる。
以上で、ロータ5の組立が完了する。
続いて、ターボチャージャTの過給動作、すなわち、不図示のエンジンから排出される排気ガスの流動によりタービンインペラ7を回転させ、その回転エネルギーによりエンジンに供給される空気を過給する動作について説明する。
エンジンの排気口から排出された排気ガスは、タービンハウジング1のガス流入口を通ってタービンスクロール流路11へ導入される。そして、排気ガスは、タービンスクロール流路11からタービンインペラ7の設置箇所に導入される。
排気ガスは翼部71に当たることでタービンインペラ7を回転させ、その後、タービンハウジング出口12より排出される。なお、ロータ5におけるタービンインペラ7の凸部72Aやタービン軸6の凹部62A等は、何れも回転方向に関して略等間隔に2つずつ設けられているため、ロータ5の回転に関するバランスを乱さず、回転するにあたり振動等が発生する虞が少ない。
タービンインペラ7は、タービン軸6を介してコンプレッサインペラ8と連結されているため、タービンインペラ7が回転することでコンプレッサインペラ8が回転する。
コンプレッサインペラ8の回転により、吸気口41から導入された空気がディフューザ流路43に供給される。空気は、ディフューザ流路43を通ることで圧縮され昇圧される。昇圧された空気は、コンプレッサスクロール流路42を通ってエンジンの吸気口に供給される。結果として、エンジンに空気を過給し、エンジンの出力を向上させることができる。
以上で、ターボチャージャTの過給動作は終了する。
したがって、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、溶接できない材質で形成されたタービンインペラ7と金属製のタービン軸6とを、圧入工程を用いることなく一体的に接続することができることから、長期に亘りタービンインペラ7とタービン軸6との分離や相対的な位置の変化を防止することができるという効果がある。また、本発明によれば、圧入工程を用いないことから、製造の手間やコストを減少させることができるという効果がある。
〔第2実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係るロータを、図面を参照して説明する。
図6は、第2の実施形態に係るロータ5Aの概略図であり、(a)はロータ5Aの側面図、(b)は断面図、(c)は(a)のC−C線視断面図、(d)は(a)のD−D線視断面図、図7は、第2の実施形態におけるタービン軸6Aの概略図であり、(a)はタービン軸6Aの側面図、(b)は正面図、図8は、第2の実施形態におけるタービンインペラ7Aの概略図であり、(a)はタービンインペラ7Aの側面図、(b)は背面図、(c)は(a)のE−E線視断面図、図9は、第2の実施形態におけるスリーブ10の概略図であり、(a)はスリーブ10の側面図、(b)は背面図である。なお、上記図面中の矢印Fは前方向を示す。また、上記図面中では、説明のために各構成要素の縮尺を適宜変更して記載している。さらに、上記図面において、第1の実施形態の構成要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態に係るロータ5Aが設けられたターボチャージャTの全体構成及びその過給動作は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
本実施形態に係るロータ5Aの構成を、図6ないし図9を参照して説明する。
図6に示すように、ロータ5Aは、前後方向で延びる軸状のタービン軸(回転軸)6Aと、タービン軸6Aの前端部に一体的に接続されるタービンインペラ(回転翼)7Aと、タービン軸6Aの後端部に一体的に接続されるコンプレッサインペラ8と、タービン軸6Aとタービンインペラ7Aとの接続部に設けられるスリーブ10とを有している。
図7に示すように、タービン軸6Aは、前後方向で延びる軸61と、軸61の前端部に一体的に接続され略環状を呈するリング部63とを有している。タービン軸6Aの材質は強度の高いものが好ましく、例えばクロムモリブデン鋼が用いられる。
リング部63の内周面には、その周方向に関して略等間隔で、軸61の軸方向に延びる凸部63Aが2つ形成されている。
図8に示すように、タービンインペラ7Aは、複数の翼がタービン軸6A(図6参照)の回転軸周りに等間隔で配置された翼部71と、翼部71の後側から突出する略円柱状の軸部73とを有している。タービンインペラ7Aの材質は軽量で耐熱性及び強度の高いものが好ましく、例えばセラミック又はチタンアルミ等が用いられる。
軸部73は、タービン軸6Aにおけるリング部63の内側に貫入できる径で形成されており、軸部73の後端側外周面に形成される凹部73Aと、凹部73Aの翼部71側に設けられ軸部73の外周面に形成される第2凹部73Bと、翼部71と軸部73との接続部近傍に設けられ後側に対向する垂直面73Cとを有している。
凹部73Aは、前後方向で延びる形状となっており、軸部73をタービン軸6Aのリング部63に貫入させた場合に、タービン軸6Aの回転方向でリング部63の凸部63Aに係合できる大きさに形成されている。
第2凹部73Bは、前後方向及び周方向で拡張する形状となっており、周方向に関して軸部73の全周の略4分の1の長さで形成されている(図8(c)参照)。また、第2凹部73Bにおける軸部73の外周面からの深さは、凹部73Aの深さと同一に形成されている。
なお、凹部73A及び第2凹部73Bは、軸部73の外周面にその周方向に関して略等間隔で各々2つづつ形成されている。
図9に示すように、スリーブ10は、略環状を呈する部材であり、その内側に軸部73が貫通できる大きさで形成されている。スリーブ10の材質は耐熱性及び強度の高いものが好ましく、例えばインコネル等が用いられる。
スリーブ10の内周面には、その周方向に関して略等間隔で、前後方向に延びる第2凸部(係合部)10Aが2つ形成されている。第2凸部10Aは、軸部73をスリーブ10に貫通させた場合に凹部73Aと干渉しない大きさで形成され、その大きさはタービン軸6Aの凸部63Aと略同一である。
続いて、本実施形態に係るロータ5Aの組立手順を、図6を参照して説明する。
まず、軸部73にスリーブ10を取り付ける。
軸部73における凹部73A及びスリーブ10における第2凸部10Aの位置を合わせた後、スリーブ10の内側に軸部73を貫通させ、垂直面73Cにスリーブ10を当接させる。
次に、軸部73にタービン軸6Aを取り付ける。
軸部73における凹部73A及びリング部63における凸部63Aの位置を合わせた後、リング部63の内側に軸部73を貫入させ、スリーブ10にリング部63の先端を当接させる。この時、軸部73及びリング部63は、図6(c)が示す位置関係となっており、タービン軸6Aの回転方向で凸部63Aと凹部73Aとが係合している。
次に、タービン軸6Aとスリーブ10とを接続する。
図6(c)及び(d)に示すように、リング部63を紙面右回りに回転させつつ、スリーブ10を紙面左回りに回転させ、回転の限度に到達した箇所でスリーブ10とリング部63との当接面を溶接し一体的に接続する。
この時、軸部73及びスリーブ10は、図6(d)が示す位置関係となっており、第2凸部10Aが第2凹部73B内の第2係合部73Dに当接している。
溶接には第1の実施形態と同様に電子ビーム溶接を使用する。結果として、タービン軸6Aにおける軸61の端面61Aとスリーブ10の第2凸部(係合部)10Aとが前後方向で軸部73の後側端部を挟持することができる(図6(b)参照)。結果として、タービン軸6A、タービンインペラ7A及びスリーブ10を回転軸方向に関して遊び無く一体的に接続することができる。
また、スリーブ10とリング部63とが、軸部73を中心として、互いに逆方向に回転限度まで回転させた箇所で接合されているため、タービン軸6A、タービンインペラ7A及びスリーブ10を回転方向に関して遊び無く一体的に接続することができる。
以上で、ロータ5Aの組立が完了する。
したがって、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、溶接できない材質で形成されたタービンインペラ7Aと金属製のタービン軸6Aとを、圧入工程を用いることなく一体的に接続することができることから、長期に亘りタービンインペラ7Aとタービン軸6Aとの分離や相対的な位置の変化を防止することができるという効果がある。また、本発明によれば、圧入工程を用いないことから、製造の手間やコストを減少させることができるという効果がある。
なお、前述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、第1の実施形態では、対向面9Cと端面61Aとが凸部72Aを挟持しているが、タービン軸6とタービンインペラ7との間の軸方向の遊びを完全に無くす必要のない場合は挟持せずともよい。この場合の対向面9Cは、タービン軸6とタービンインペラ7とが軸方向で分離することを防ぐ効果を有する。
同様に、第2の実施形態では、第2凸部10Aと端面61Aとが軸部73の後側端部を挟持しているが、タービン軸6Aとタービンインペラ7Aとの間の軸方向の遊びを完全に無くす必要のない場合は挟持せずともよい。この場合の第2凸部10Aは、タービン軸6Aとタービンインペラ7Aとが軸方向で分離することを防ぐ効果を有する。
また、第1の実施形態では、第2凸部72B及び第2係合部9Bが形成されていたが、タービン軸6とタービンインペラ7との間の回転方向の遊びを完全に無くす必要のない場合はこれらを形成せずともよい。この場合は、回転方向は凸部72Aと凹部62Aとの係合により固定されることになる。
同様に、第2の実施形態では、第2凸部10Aを第2係合部73Dに当接させていたが、タービン軸6Aとタービンインペラ7Aとの間の回転方向の遊びを完全に無くす必要のない場合は当接させずともよい。この場合は、回転方向は凸部63Aと凹部73Aとの係合により固定されることになる。
また、上記実施形態では、タービンインペラ7の凸部72Aやタービン軸6の凹部62A等の凹凸部は、何れも回転方向に関して略等間隔に2つずつ設けられているが、3つ以上設けられていてもよい。なお、この場合でも周方向に関して略等間隔で設けられる必要がある。
また、上記実施形態では、スリーブ9又は10の材質にはインコネル等が用いられているが、排気ガスの温度又は流動方向との関係でスリーブ9又は10が耐熱性を有する必要のない場合は、他の材質を用いてもよい。例えば、クロムモリブデン鋼を用いてもよい。
また、上記実施形態では、スリーブ9とリング部62との接続又はスリーブ10とリング部63との接続は電子ビーム溶接を用いているが、他の接続方法を用いてもよい。例えば、溶接であればアーク溶接、レーザ溶接等を用いてもよい。また、溶接を用いず機械的に接続してもよい。
また、上記実施形態では、ロータ5又は5AはターボチャージャTに設けられていたが、他の装置内で用いてもよい。例えば、ターボチャージャTと同様に装置内が高温となるものとして、ガスタービンが挙げられる。
第1の実施形態に係るロータ5が設けられたターボチャージャTの全体構成を示す概略図である。 第1の実施形態に係るロータ5の概略図である。 第1の実施形態におけるタービン軸6の概略図である。 第1の実施形態におけるタービンインペラ7の概略図である。 第1の実施形態におけるスリーブ9の概略図である。 第2の実施形態に係るロータ5Aの概略図である。 第2の実施形態におけるタービン軸6Aの概略図である。 第2の実施形態におけるタービンインペラ7Aの概略図である。 第2の実施形態におけるスリーブ10の概略図である。
符号の説明
5…ロータ、5A…ロータ、6…タービン軸(回転軸)、6A…タービン軸(回転軸)62A…凹部、63A…凸部、7…タービンインペラ(回転翼)、7A…タービンインペラ(回転翼)、72…軸部、72A…凸部、72B…第2凸部、73…軸部、73A…凹部、73D…第2係合部、9…スリーブ、9B…第2係合部、9C…対向面(係合部)、10…スリーブ、10A…第2凸部、係合部

Claims (4)

  1. 軸部を備え前記軸部の中心軸周りに回転する回転翼と、
    前記軸部に設けられ略リング状を呈するスリーブと、
    前記スリーブに一体的に接続される回転軸と、を有し、
    前記軸部は、周面の外側に突出する凸部と、前記回転方向で前記凸部と係合する凹部との一方を備え、
    前記回転軸は、周面の外側に突出する前記凸部と、前記回転方向で前記凸部と係合する前記凹部との他方を備え、
    前記スリーブは、前記中心軸方向で前記軸部と係合する係合部を備えることを特徴とするロータ。
  2. 前記スリーブと前記回転軸とが、前記中心軸方向で前記軸部を挟持することを特徴とする請求項1に記載のロータ。
  3. 前記軸部は、周面の外側に突出する第2凸部と、前記回転方向で前記第2凸部と係合する第2係合部との一方を備え、
    前記スリーブは、周面の外側に突出する前記第2凸部と、前記回転方向で前記第2凸部と係合する前記第2係合部との他方を備え、
    前記スリーブと前記回転軸とが前記軸部に対して互いに逆方向に回転させた状態で接続されることを特徴とする請求項1または2に記載のロータ。
  4. 前記凸部、前記凹部、前記係合部、前記第2凸部及び前記第2係合部は、いずれも周方向に関して略等間隔で複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のロータ。
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