以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置としてのMFP(Multi Function Peripheral)の概略構成を示す模式的断面図である。本実施の形態にかかるMFP1は、タンデム式のカラー印字を行なうものとする。なお、本発明にかかる画像形成装置はタンデム式のカラー印字を行なうMFPに限定されず、モノクロ印字を行なうものであってもよい。また、MFPに限定されず、プリンタや複写機であってもよい。
図1を参照して、MFP1には、大きくは、スキャナ装置10と、作像部20と、印字媒体である用紙の搬送部30と、後処理装置40と、排紙装置50と、制御部60と、図示されないコンピュータ等の外部機器と通信を行なうための外部機器IF(インタフェース)70と、ファクシミリ(FAX)通信を行なうための回線に接続するFAX回線IF80とを含んで構成される。また、MFP1の正面には、図示されない操作パネルが設けられ、使用者に各種情報を提供したり、操作ボタンを表示して使用者からの操作を受付けたりする。
スキャナ装置10には、スキャナモータにより原稿に沿って移動して原稿全体を走査するスキャナが含まれ、原稿台上に載置された原稿が、図示しない露光ランプにより照射されて走査される。原稿面からの反射光は、スキャナに含まれるCCD(Charge Coupled Device)によってRGBの色データ(アナログ信号)に変換されて、図示されないスキャナ制御部に出力される。CCDがスキャナ制御部に出力する色データを、画像データという。スキャナ制御部は、CCDから入力される画像データに所定の画像処理を施して作像部20にデジタル信号を出力する。スキャナ制御部から出力されるデジタル信号は、シアン用の画像色データCと、マゼンタ用の画像色データMと、イエロー用の画像色データYと、ブラック用の画像色データKとである。
制御部60は、シリアル通信を行なうための回線と画像バスとで接続された、エンジン制御部61とプリンタコントローラ部65とを含んで構成され、MFP1全体の制御を行なう。制御部60については後述する。
作像部20は、印刷制御部21と、中間転写ベルト22と、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれの感光体ドラム23C,23M,23Y,23K(これらを代表させて感光体ドラム23と称する)と、定着部24とを備えて構成される。
感光体ドラム23はその表面が一様に帯電される。印刷制御部21は、エンジン制御部61からの制御信号に従って、入力された画像色データC,M,Y,Kに基づいて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれの感光体ドラム23C,23M,23Y,23Kにレーザビームを出力する。これにより、感光体ドラム23表面が露光されて潜像が形成され、トナーが供給されることで各色のトナー画像が現像される。感光体ドラム23表面に現像されたトナー画像は中間転写ベルト22に転写される。
搬送部30は、印刷用紙を格納するカセット31と、カセット31から中間転写ベルト22および定着部24を経て後処理装置40まで用紙を搬送する搬送路32とを含んで構成される。搬送路32に沿って複数のローラが備えられ、エンジン制御部61からの制御信号に従ってこれらが回転することで搬送路32内を印刷用紙が搬送される。中間転写ベルト22まで搬送された印刷用紙には、中間転写ベルト22上のトナー画像が転写される。トナー画像が転写された印刷用紙はさらに定着部24まで搬送されて、定着部24で熱圧着される。
後処理装置40は、印字後の用紙にパンチ穴を空けるパンチユニット41、折加工する折ユニット42、およびステープル加工するステープラ43を含んで構成される。印字後の用紙は、エンジン制御部61からの制御信号に従ってこれらの後処理が施される。
排紙装置50は、複数の排紙トレーと、エンジン制御部61からの制御信号に従って後処理装置40から搬送されてきた用紙をこれら複数の排紙トレーに振り分けて排出するための機構とを含んで構成される。
図2は、MFP1の制御構成を示すブロック図であり、主に、上記エンジン制御部61およびプリンタコントローラ部65の構成を示すブロック図である。図2を参照して、エンジン制御部61は、CPU(Central Processing Unit)611、ROM(Read Only Memory)612、RAM(Random Access Memory)613、IF制御部614、不揮発性メモリ615、拡張I/O(Input/Output)616、温度センサや湿度センサなどの環境条件を検出するための環境センサ617、モータやソレノイドやクラッチや高圧電源やリレーなどの画像形成動作や安定化動作に必要な構成を動作させるための機構618、中間転写ベルト22上のトナー画像の濃度を検出するトナー濃度センサ(IDC(Image Density Control)センサ)619、各色の感光体ドラム23を露光するためのレーザダイオード620、各色の感光体ドラム23が格納される図示しないトナーカートリッジに関する情報を記憶するためのトナーカートリッジメモリ621を含んで構成される。プリンタコントローラ部65は、画像処理コントローラ651とパネルコントローラ653とを含んで構成される。
画像処理コントローラ651は、外部機器IF70およびFAX回線IF80に接続されて、これらから印字指示と画像データとを受け取る。さらに、画像処理コントローラ651は、パネルコントローラ653およびスキャン装置10に接続されて、パネルコントローラ653から入力される図示しない操作パネルからの操作信号に従って、スキャン装置10で読取った画像データを受け取る。画像処理コントローラ651は、さらに、パネルコントローラ653から入力される図示しない操作パネルからの操作信号に従って、取得した画像データに対して指定された画像処理を行なう。画像処理が施された画像データには印字指示などがデータの管理情報として関連付けられて、画像バスを介してエンジン制御部61のIF制御部614に入力される。そして、画像メモリとして機能するRAM613に管理情報と共に格納される。または、データ量に応じては、順次、HDD(Hard Disk Drive)などの他の記憶装置に移されて記憶されてもよい。
エンジン制御部61のCPU611は、ROM612に記憶されているプログラムを読み出して実行し、MFP1の駆動構成を制御する。具体的には、不揮発性メモリ615には、安定化動作を実施するか否かを判断するために用いるしきい値が記憶されている。このしきい値については後述する。CPU611は、環境センサ617やトナー濃度センサ(IDCセンサ)619から得られるセンサ信号、トナーカートリッジメモリ621に記憶されているトナーカートリッジに関する情報などと上記しきい値とを用いて安定化動作を実施するか否かを判断する。そして、その結果に応じてレーザダイオード620に対して発光制御信号を出力する。また、モータ等の安定化動作に必要な構成を動作させるための機構618に対して制御信号を出力する。この制御によって、これらを動作させて安定化処理を実施させる。
MFP1のエンジン制御部61は、所定のタイミングで安定化動作を実施するか否かを判断し、その結果に応じて安定化動作を実施する。本発明において具体的な安定化動作の内容は特定の動作内容には限定されないが、一例として、先に図26に示された動作と同様のものとする。上記所定のタイミングとしては、MFP1に電源が投入されたりスリープ状態から復帰したりした際に行なわれるウォームアップ動作に関連したタイミングと、MFP1の稼動中のタイミングとがある。さらに、稼動中に実施される安定化動作としては、印字動作中に安定化動作を実施すると判断されて自動的に行なわれる動作と、操作パネルなどによって使用者から指示されると行なわれる動作とがある。ウォームアップ動作に関連したタイミングとしては、具体的にはウォームアップ動作後が挙げられる。以降の説明では、ウォームアップ動作に関連したタイミングをウォームアップ動作後として説明するが、ウォームアップ動作前であってもよいし、ウォームアップ動作中であってもよい。これらすべてを含むものとする。なお、以降の説明において、ウォームアップ動作の後に実施される安定化動作を第1安定化動作と称し、印字動作中に実施要と判断されて自動的に実施される安定化動作を第2安定化動作と称し、稼動中に使用者からの指示によって実施される安定化動作を第3安定化動作と称する。
MFP1では、複数の条件を用いて、第1安定化動作を実施するタイミングであるか否か、および第2安定化動作を実施するタイミングであるか否かが判断される。上記複数の条件は画質に影響する条件であり、たとえば、先述のように、感光体や現像材の経時変化、温度や湿度などの環境の変化などを表わす条件が該当する。本実施の形態では、具体的に、環境値を用いた条件、印字枚数を用いた条件、および時間経過を用いた条件の3条件であるものとし、以降の説明では、各々を、第1条件、第2条件、および第3条件と称する。なお、環境値とは機内環境値であり、具体的に温度が挙げられる。その他、湿度であってもよいし、気圧であってもよいし、これらの組合せであってもよい。
さらにMFP1では、上記複数の条件について、当該条件に基づいて第1安定化動作および第2安定化動作が実施される頻度のレベル(以下、頻度レベルと称される)が調整される。上記ROM612や不揮発性メモリ615には、上記判断や上記調整に用いるためのカウンタやしきい値などの変数が記憶されている。以下の説明では、これらの変数が不揮発性メモリ615に記憶されているものとするが、後述する処理等によって変更されるものではないいくつかの変数はROM612に記憶されていてもよい。
図3は、MFP1のROM612や不揮発性メモリ615などの記憶装置に記憶されている変数の具体例を示す図である。図3を参照して、MFP1の記憶装置は、カウンタCTPRINT1,CTPRINT2,CTSTABI1,CTSTABI2,CTSTABI3,CTSTABI4,CTWUPと、タイマTIMECOUNTERと、値T0,T,TM0,TM1,FQSTABI,FQSTABIREQ,FQSTABI1,FQSTABI2,FQSTABI4と、しきい値△T2,CT2,△TMと、レベルL1,L2とを記憶する。
カウンタCTPRINT1は、印字頻度計測用の印字枚数を計測するために用いられるカウンタであって、後述の、安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの印字枚数を計測するために用いられるカウンタである。カウンタCTPRINT1は、後述する、安定化動作の頻度レベルを変更するか否かを判断する処理において用いられる。CPU611が印字ごとに所定値をカウントアップすることで印字枚数が計測される。カウンタCTPRINT1の値は、安定化動作の頻度レベルを変更すると判断された際にリセットされる。
カウンタCTPRINT2もまた印字枚数を計測するために用いられるカウンタであって、前回の安定化動作時からの印字枚数を計測するために用いられるカウンタである。カウンタCTPRINT2は、後述する、印字動作中に、所定の印字枚数に達するごとに安定化動作を実施する際に、安定化動作を実施すると判断するために用いられる。CPU611が印字ごとに所定値をカウントアップすることで印字枚数が計測される。カウンタCTPRINT2の値は、安定化動作が実施された際にリセットされる。
カウンタCTSTABI1は、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの、環境値の条件、すなわち第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施回数を計測するために用いられるカウンタである。カウンタCTSTABI2は、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの、印字枚数の条件、すなわち第2条件に基づいて実施された安定化動作の実施回数を計測するために用いられるカウンタである。カウンタCTSTABI3は、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの第3安定化動作の実施回数を計測するために用いられるカウンタである。カウンタCTSTABI4は、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの、経過時間の条件、すなわち第3条件に基づいて実施された安定化動作の実施回数を計測するために用いられるカウンタである。
カウンタCTWUPは、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの、MFP1の起動回数を計測するために用いられるカウンタであって、電源投入による起動やスリープモードからの復帰の回数を計測するために用いられるカウンタである。言い換えると、起動後や復帰後のウォームアップ動作の回数を計測するために用いられるカウンタとも言える。
タイマTIMECOUNTERは、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの、MFP1の稼働時間を計測するために用いられるタイマであって、印字中や待機中などの、MFP1が動作可能な時間を計測するタイマである。
値T0は前回の安定化動作時の環境値であり、値Tは現在の環境値である。値TM0は前回の安定化動作の実施時刻であり、値TM1は現在時刻である。しきい値△T2は安定化動作を環境値を用いて実施するか否かを判断する、つまり第1条件で実施するか否かを判断する際に用いられるしきい値である。しきい値CT2は安定化動作を印字枚数を用いて実施するか否かを判断する際、つまり、第2条件として所定の印字枚数ごとに安定化動作を行なう場合に、上記所定の印字枚数に達したか否かを判断するために用いられるしきい値である。しきい値△TMは安定化動作を経過時間を用いて実施するか否かを判断する、つまり第3条件で実施するか否かを判断する際に用いられるしきい値である。
レベルL1は、安定化動作を環境値の変化に基づいて実施する頻度レベル、つまり第1条件で実施する頻度レベルであり、レベルL2は、安定化動作を印字枚数に基づいて実施する頻度レベル、つまり第2条件で実施する頻度レベルである。
値FQSTABIは、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルであり、値FQSTABIREQは、後述する、図示しない操作パネルなどによって設定された安定化動作の頻度レベルである。値FQSTABI1は、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの、環境値の条件、すなわち第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度であり、後述するように、CTSTABI1/CTPRINT1またはCTSTABI1/TIMECOUNTERで算出される値である。値FQSTABI2は、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの、印字枚数の条件、すなわち第2条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度であり、後述するように、CTSTABI2/CTPRINT1またはCTSTABI2/TIMECOUNTERで算出される値である。値FQSTABI4は、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの、経過時間の条件、すなわち第3条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度であり、後述するように、CTSTABI4/CTPRINT1またはCTSTABI4/TIMECOUNTERで算出される値である。
図4は、エンジン制御部61で実行される処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図4を参照して、ステップS101で各種初期動作が行なわれて、ステップS103で不揮発性メモリ615から必要なデータの読み込みがなされた後、ステップS105で、CPU611において、ウォームアップ動作の制御が実行される。ウォームアップ動作が終了すると、ステップS107でCPU611は、後述する、起動時のウォームアップ動作後の安定化動作である第1安定化動作を実施するか否かを判断する処理を行なう。ステップS107での判断の結果、第1安定化動作を実施する場合(ステップS109でYES)、ステップS111でCPU611は、後述する、第1安定化動作を実施するための処理を実行する。その際、CPU611は、第1安定化動作の実施要求をプリンタコントローラ部65に送信し、後述する、プリンタコントローラ部65での処理によって送信される、安定化動作に用いられる画像パターンおよび安定化実施の指示をIF制御部614を介して受信し、それらに基づいてCPU611は第1安定化動作を実施する。
第1安定化動作が実施された場合(ステップS109でYES)であっても、されなかった場合(ステップS109でNO)であっても、上記ステップS105で起動時のウォームアップ動作が行なわれた後に、ステップS113でCPU611は、上述の、起動回数を計測するためのカウンタCTWUPを更新し、さらにステップS115で稼動時間を計測するためのタイマTIMECOUNTERを更新する。その後、ステップS117でCP611は、後述する、安定化動作を実施するか否かを判断する際に用いられるしきい値等の条件を変更するための処理を実行し、さらに、ステップS119で必要に応じてその他の制御を実行する。上記他の制御については本発明において特定の制御には限定されない。
その後、CPU611は、ステップS121で、所定の、スリープ状態に移行するための条件が成立するか否かを判断する。ここでの判断の方法は本発明において特定の方法には限定されない。そして、スリープ状態に移行する条件が成立したと判断されると(ステップS121でYES)、ステップS123でCPU611はMFP1をスリープ状態とするための制御を実行し、スリープ状態中において、ステップS125でスリープ状態を解除する条件が成立したか否かを判断する。ここでの判断の方法も本発明において特定の方法には限定されない。スリープ状態を解除する条件が成立したと判断されると(ステップS125でYES)、ステップS127でCPU611はスリープ状態を解除するための制御を実行する。
スリープ状態ではない状態、つまり、稼動状態において、後述する、プリンタコントローラ部65における処理によって送信される印字要求をIF制御部614を介して受信すると(ステップS129でYES)、ステップS133でCPU611は、後述する印字制御を実行する。その後、ステップS131でCPU611は、後述する、印字状態における安定化動作である第2安定化動作を実施するか否かを判断する処理を行なう。ステップS133での判断の結果、第2安定化動作を実施する場合(ステップS135でYES)、ステップS137でCPU611は、後述する、第2安定化動作を実施するための処理を実行する。一方、稼動状態において、後述する、プリンタコントローラ部65における処理によって送信される、使用者の指示による安定化動作の実施要求をIF制御部614を介して受信すると(ステップS139でYES)、ステップS141でCPU611は、後述する、使用者の指示による安定化動作である第3安定化動作を実施するための処理を実行する。第2安定化動作または第3安定化動作を実施する際、CPU611は、第2安定化動作または第3安定化動作の実施要求をプリンタコントローラ部65に送信し、後述する、プリンタコントローラ部65での処理によって送信される、安定化動作に用いられる画像パターンおよび安定化動作の実施の指示をIF制御部614を介して受信し、それらに基づいてCPU611は第2安定化動作または第3安定化動作を実施する。
図5は、プリンタコントローラ部65で実行される処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図5を参照して、ステップS201で各種初期動作が行なわれた後、ステップS203でパネルコントローラ653において図示しない操作パネルで情報を入出力するための処理が実行される。ステップS204でパネルコントローラ653において、後述する、図示しない操作パネルで受付けた頻度レベルの指示に基づいて、エンジン制御部61に安定化動作を実施する頻度レベルを設定させるための処理が行なわれる。
操作パネルから入力された操作信号がコピー開始を指示する信号である場合(ステップS205でYES)、ステップS207で画像処理コントローラ651はスキャナ装置10に対して制御信号を出力することで原稿を読取らせて画像データを取得し、ステップS209で取得した画像データをエンジン制御部61のRAM613に転送する。PCなどである外部機器から送信された画像データを印字(PCプリント)するための指示が外部機器IF70から入力された場合(ステップS211でYES)、ステップS213で画像処理コントローラ651は外部機器IF70を介して外部機器から画像データを受信し、ステップS209で受信した画像データをエンジン制御部61のRAM613に転送する。FAX回線を介して送信された画像データを印字するための指示がFAX回線IF80から入力された場合(ステップS217でYES)、ステップS219で画像処理コントローラ651はFAX回線IF80を介して画像データをFAX送信元の装置から受信し、ステップS221で受信した画像データをエンジン制御部61のRAM613に転送する。
ステップS209、ステップS215、またはステップS221でRAM613に転送された画像データはRAM613に一時的に保存される。または、必要に応じて、図示しないHDDなどの他の記憶装置に転送されて保存されてもよい。これは、ページ数の多い文書データなどのデータ量の大きい画像データが取得された場合に行なわれる。この場合、好ましくは、RAM613に保存された画像データの量が所定以下になった場合には、HDDからRAM613に順次画像データが戻される。
エンジン制御部61または操作パネルから安定化動作の実施を要求する信号が入力されていない場合、つまり、エンジン制御部61において安定化動作を実施するタイミングと判断されていない場合には(ステップS223でNO)、ステップS233で上述の、RAM613とHDDとの間の画像データの転送処理が実行され、RAM613上に印字すべき画像データがある場合には(ステップS235でYES)、ステップS237で画像処理コントローラ651はエンジン制御部61のIF制御部614を介してRAM613から画像データを取り出し、ステップS239で、画像データに関連付けられている上述の管理情報を参照して、カラー設定や給紙設定や片面または両面印刷の設定などの印字モードを適したモードに切り替えるための情報を生成する。そして、ステップS241で画像処理コントローラ651は、エンジン制御部61に対してステップS239で生成した情報と印字コマンドとを送信した後、ステップS243でシリアル通信を行なって、所定のタイミングで画像データをエンジン制御部61に転送する。エンジン制御部61では、上記印字コマンドで印字動作が開始されて、上記ステップS243で転送された画像データの画像形成動作が行なわれる。
エンジン制御部61または操作パネルから安定化動作の実施を要求する信号が入力された場合、つまり、エンジン制御部61において安定化動作を実施するタイミングと判断された場合または使用者が安定化動作の実施を指示した場合には(ステップS223でYES)、上記ステップS225で上記信号に応じて画像処理コントローラ651において予め記憶されている安定化動作に用いられるパターン画像の画像データが準備されて、ステップS227でエンジン制御部61に対して上記画像データが転送されると共に安定化動作を実施させるコマンドが送信される。エンジン制御部651では、上記コマンドで安定化動作が実施され、その結果がプリントコントローラ部65に入力される。ステップS229で画像処理コントローラ651は、エンジン制御部61から、後述する安定化動作の結果を受け取り、ステップS231で結果を内部パラメータに反映させる。
図6は、上記ステップS204での処理の流れの具体例を示す図である。また、図7(A),図7(B)、図8(A),図8(B)は、操作パネルの表示の具体例を示す図である。図7(A)は指示入力を待機している際の操作パネルの具体例であって、基本の表示状態の具体例を示している。図7(A)に示される各ボタンのうちの、ユーティリティ設定を行なうための「Utility」ボタンを押下することで、図7(A)の画面表示が図7(B)に切り替わる。図7(B)の画面に表示されたユーティリティ設定のうち、様々な設定を行なうための「管理者設定」ボタンを押下することで、図7(B)の画面表示が図8(A)に切り替わる。図8(A)の画面に表示された管理者設定のうち、第2安定化動作の頻度レベルを設定するための「安定化頻度設定」ボタンを押下することで、図8(A)の画面表示が図8(B)に切り替わる。
図6を参照して、ステップS1でプリンタコントローラ部65のパネルコントローラ653は、図示しない操作パネルから図7(A)〜図8(A)の一連の操作による操作信号の入力を受付けると頻度レベルを設定するための画面を表示するものと判断し(ステップS1でYES)、図8(B)の画面を表示するため、画像処理コントローラ651を介してエンジン制御部61に対して必要な情報を要求する。
ステップS3で上記要求を受けたエンジン制御部61のCPU611は、不揮発性メモリ615から現在の頻度レベルFQSTABIを取得する。ステップS5で、設定された安定化動作の頻度レベルFQSTABIREQにステップS3で取得した頻度レベルFQSTABIを代入して、プリンタコントローラ部65に返す。
ステップS7でプリンタコントローラ部65のパネルコントローラ653は、頻度レベルFQSTABIREQの値を提示する、図8(B)の画面を操作パネルに表示するための処理を実行する。図8(B)に示されるように、設定画面には、現在設定されている頻度レベルとして頻度レベルFQSTABIREQの値が表示されると共に、その値を増加させるための手段であるUPキーとその値を減少させるための手段であるDOWNキーと表示中の頻度レベルを設定することを指示する手段であるOKキーとが表示される。
設定画面のUPキーが押下されると(ステップS9でYES)、その旨を示す信号がプリンタコントローラ部65からエンジン制御部61に渡される。ステップS11で、エンジン制御部61のCPU611は、設定中の頻度レベルFQSTABIREQが最高レベルである「2」よりも小なる場合には(ステップS11でYES)、ステップS13で頻度レベルFQSTABIREQを1増加させて、プリンタコントローラ部65に渡す。これにより、図8(B)の設定画面において、現在設定されている頻度レベルがUPキーの押下に伴って上昇する。
設定画面のDOWNキーが押下されると(ステップS9でNO、かつステップS15でYES)、その旨を示す信号がプリンタコントローラ部65からエンジン制御部61に渡される。ステップS17で、エンジン制御部61のCPU611は、設定中の頻度レベルFQSTABIREQが最低レベルである「−2」よりも大なる場合には(ステップS17でYES)、ステップS19で頻度レベルFQSTABIREQを1減少させて、プリンタコントローラ部65に渡す。これにより、図8(B)の設定画面において、現在設定されている頻度レベルがDOWNキーの押下に伴って下降する。
そして、OKキーが押下されると(ステップS9でNO、ステップS15でNO、ステップS21かつYES)、その旨を示す信号がプリンタコントローラ部65からエンジン制御部61に渡され、処理が終了する。
図9は、上記ステップS107でエンジン制御部61で実行される、第1安定化動作を実施するか否かを判断する処理の流れの具体例を示すフローチャートである。ステップ107では、不揮発性メモリ615に記憶されている、前回安定化動作を実施した際の環境値およびそのときの時刻と、現在の環境値および現在時刻とに基づいて第1安定化動作を実施するか否かを判断する。すなわち、第1安定化動作は、第1条件または第3条件に基づいて、実施するか否かが判断される。
詳しくは、図9を参照して、ステップS301でCPU611は不揮発性メモリ615から、前回の安定化動作時の環境値T0を取得する。ステップS303でCPU611は、拡張I/O616を介して環境センサ617から現在の環境値Tを取得する。さらに、ステップS305でCPU611は不揮発性メモリ615から上述のしきい値△T2を取得する。また、ステップS307でCPU611は不揮発性メモリ615から、前回の安定化動作の実施時刻TM0を取得する。さらに、ステップS309でCPU611は不揮発性メモリ615から上述のしきい値△TMを取得する。
ステップS311でCPU611は、環境値T0と環境値Tとの差分としきい値△T2とを比較する。その結果、上記差分がしきい値△T2よりも大なる場合(ステップS311でYES)、ステップS313でCPU611は第1安定化動作を実施すると判断し、環境値の条件、すなわち第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施回数を計測するカウンタCTSTABI1を1加算する。そして、ステップS319で実施要求をセットする。
上記差分がしきい値△T2以下である場合(ステップS311でNO)、ステップS315でCPU611は、現在時刻TM1と前回の安定化動作の実施時刻TM0との差分、つまり、前回の安定化動作の実施からの経過時間としきい値△TMとを比較する。その結果、上記経過時間がしきい値△TMよりも大なる場合(ステップS315でYES)、ステップS317でCPU611は第1安定化動作を実施すると判断し、時間経過の条件、すなわち第3条件に基づいて実施された安定化動作の実施回数を計測するカウンタCTSTABI4を1加算する。そして、ステップS319で実施要求をセットする。
つまり、第1安定化動作を実施するか否かの判断においては、CPU611は、現在の機内環境値である機内温度(T)が前回の安定化動作時の機内温度(T0)からしきい値(△T2)以上に変化した場合に、自動的に第1安定化動作を実施すると判断する。さらに、しきい値以上に環境値が変化していない場合であっても、前回の安定化動作の実施からしきい値以上の時間が経過した場合に、自動的に第1安定化動作を実施すると判断する。そのいずれでもない場合には(ステップS311でNO、かつステップS315でNO)、CPU611は第1安定化動作を実施しないものと判断する。
図10は、上記ステップS111でエンジン制御部61で実行される、第1安定化動作を実施するための処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図10を参照して、ステップS401でCPU611は各部に必要な制御信号を出力して、図26に示されたような安定化動作を行なうように制御する。その後、ステップS403でCUP611は、拡張I/O616を介して環境センサ617で検出される現在の機内温度等の環境値Tを取得し、現在の環境値Tを前回安定動作時の環境値T0として不揮発性メモリ615に記憶させる。また、ステップS407で、上述の、安定化動作実施以降の印字枚数を計測するためのカウンタCTPRINT2をリセットする。さらに、ステップS408でCUP611は、拡張I/O616を介して図示しない時計から現在時刻TM1を取得し、現在時刻TM1を前回安定動作を実施した時刻TM0として不揮発性メモリ615に記憶させる。そして、ステップS409でCPU611は、第1安定化動作の実施要求をリセットする。
図11は、上記ステップS131でエンジン制御部61で実行される、印字制御の流れの具体例を示すフローチャートである。図11を参照して、ステップS501でCPU611は各部に必要な制御信号を出力して、印字動作を行なうように制御する。その後、ステップS503でCPU611は、上述の、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの印字枚数を計測するためのカウンタCTPRINT1を加算し、ステップS505で、上述の、前回の安定化動作時からの印字枚数を計測するためカウンタCTPRINT2を加算する。
図12は、上記ステップS133でエンジン制御部61で実行される、第2安定化動作を実施するか否かを判断する処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図12を参照して、ステップS601でCPU611は不揮発性メモリ615から、前回の安定化動作時の環境値T0を取得する。ステップS603でCPU611は、拡張I/O616を介して環境センサ617から現在の環境値Tを取得する。さらに、ステップS605でCPU611は不揮発性メモリ615から上述のしきい値△T2を取得する。ステップS607でCPU611は、不揮発性メモリ615に記憶されているカウンタCTPRINT2から、前回の安定化動作時からの印字枚数であるカウント値を取得する。また、ステップS609でCPU611は、不揮発性メモリ615から上述のしきい値CT2を取得する。
ステップS611でCPU611は、環境値T0と環境値Tとの差分としきい値△T2とを比較する。その結果、上記差分がしきい値△T2以上である場合(ステップS611でYES)、ステップS615でCPU611は第2安定化動作を実施すると判断し、実施要求をセットする。さらに、ステップS615でCPU611は、環境値の条件、すなわち第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施回数を計測するカウンタCTSTABI1を1加算する。
また、上記差分がしきい値△T2より小なる場合であっても(ステップS611でNO)、カウンタCTPRINT2のカウント値がしきい値CT2以上である場合も(ステップS617でYES)、ステップS619でCPU611は第2安定化動作を実施すると判断し、実施要求をセットする。さらに、ステップS621でCPU611は、印字枚数の条件、すなわち第2条件に基づいて実施された安定化動作の実施回数を計測するカウンタCTSTABI2を1加算する。
つまり、第2安定化動作を実施するか否かの判断においては、CPU611は、現在の機内環境値である機内温度(T)が前回の安定化動作時の機内温度(T0)からしきい値(△T2)以上に変化した場合に、自動的に第2安定化動作を実施すると判断する。さらに、しきい値以上に環境値が変化していない場合であっても、前回の安定化動作時からの印字枚数(CTPTINT2)がしきい値である枚数(CT2)に達した場合に、自動的に第2安定化動作を実施すると判断する。そのいずれでもない場合には(ステップS611でNO、かつステップS617でNO)、CPU611は第2安定化動作を実施しないものと判断する。
図13は、上記ステップS137でエンジン制御部61で実行される、第2安定化動作を実施するための処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図13を参照して、ステップS701でCPU611は各部に必要な制御信号を出力して、図26に示されたような安定化動作を行なうように制御する。その後、ステップS703でCUP611は、拡張I/O616を介して環境センサ617で検出される現在の機内温度等の環境値Tを取得し、現在の環境値Tを前回安定動作時の環境値T0として不揮発性メモリ615に記憶させる。また、ステップS707でCUP611は、上述の、前回の安定化動作時からの印字枚数を計測するためのカウンタCTPRINT2をリセットする。さらに、ステップS708でCUP611は、拡張I/O616を介して図示しない時計から現在時刻TM1を取得し、現在時刻TM1を前回安定動作を実施した時刻TM0として不揮発性メモリ615に記憶させる。そして、ステップS709でCPU611は、第2安定化動作の実施要求をリセットする。
上記ステップS223における動作には、プリンタコントローラ部65は図1には図示されない操作パネルから使用者の操作による安定化動作の実施要求の受付けが含まれ、上記ステップS227でその指示がエンジン制御部61に渡される。エンジン制御部61ではその指示を解析することで、上記ステップS139で使用者からの安定化動作の実施要求がなされたことを判断する。図14は、操作パネルにおいて安定化動作の実施を指示する操作の具体例を説明する図であり、図7(B)に示された表示画面において、安定化動作の実施を指示するための「画像安定化」ボタンを押下することで、図7(B)の表示が切り替わって表示される画面の具体例である。図14の画面においては、安定化動作の種類として、安定化動作のみを行なうものと、初期化動作に加えて安定化動作を行なうものとが示されている。この画面において安定化動作のみを行なうボタンを選択して押下することで、操作パネルから安定化動作の実施要求がプリンタコントローラ部65に入力される。
図15は、上記ステップS141でエンジン制御部61で実行される、使用者からの指示に従った安定化動作である、第3安定化動作を実施するための処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図15を参照して、ステップS801でCPU611は各部に必要な制御信号を出力して、図24に示されたような安定化動作を行なうように制御する。その後、ステップS803でCUP611は、拡張I/O616を介して環境センサ617で検出される現在の機内温度等の環境値Tを取得し、現在の環境値Tを前回安定動作時の環境値T0として不揮発性メモリ615に記憶させる。また、ステップS805でCPU611は、上述の、第3安定化動作の実施回数を計測するためのカウンタCTSTABI3を加算し、ステップS807で、上述の、安定化動作実施以降の印字枚数を計測するためのカウンタCTPRINT2をリセットする。さらに、ステップS808でCUP611は、拡張I/O616を介して図示しない時計から現在時刻TM1を取得し、現在時刻TM1を前回安定動作を実施した時刻TM0として不揮発性メモリ615に記憶させる。そして、ステップS809でCPU611は、第3安定化動作の実施要求をリセットする。
MFP1においては、先述のように、操作パネル等からの指示に基づいて安定化動作の実施の頻度レベルが変更されるものであるが、上記指示がない場合であっても、定期的に、上記ステップS117でエンジン制御部61において実行される。つまり、操作パネル等からの安定化動作の実施頻度を変更するための指示、または第3安定化動作の実施要求の回数に基づいて、安定化動作の実施の頻度レベルを変更するための処理が行なわれる。当該処理は、安定化動作の実施頻度を変更するための指示、または使用者からの第3安定化動作の実施要求の回数に基づいて、自動で行なわれる第1安定化動作および第2安定化動作の実施の頻度レベルを、増加させるか、減少させるか、または現状維持とするか、について判断する処理である。なお、現状維持とする場合も含め「実施の頻度レベル(条件)を変更するための処理」と称するものとする。
図16は、上記処理の流れの第1の具体例を示すフローチャートである。第1の具体例では、所定枚数印字するごとの、第3安定化動作の実施回数(CTSTABI3)に基づいて判断する。上記所定枚数としては、たとえば10000枚が相当する。この「10000枚」は、約1ヶ月の間の印字枚数と想定される枚数である。具体的に、1ヶ月の間に第3安定化動作が3回以上実施された場合、使用者が画質に不満を持っているとして、安定化動作の頻度レベルを増加すると判断する。逆に、1ヶ月の間の第3安定化動作の実施回数が2回未満であった場合には、使用者の所望する画質よりも過剰な画質としているとして、安定化動作の頻度レベルを減少させると判断する。なお、上の枚数や回数のしきい値は一例であり、本発明においてこれらの値に限定されない。特に、上記「所定枚数」はMFP1の印字速度や使用環境によって異なるものである。
図16を参照して、始めにCPU611は、印字枚数あたりの安定化動作の実施回数でとして、第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI1、印字枚数の条件、すなわち第2条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI2、および経過時間の条件、すなわち第3条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI4を算出する(ステップS901〜S905)。これらの値は、先述のように、各々、CTSTABI1/CTPRINT1、CTSTABI2/CTPRINT1、およびCTSTABI4/CTPRINT1で算出される。
不揮発性メモリ615に記憶されている、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIと操作パネルなどによって設定された安定化動作の頻度レベルFQSTABIREQとが一致している場合、つまり、操作パネルで頻度レベルを設定する操作がなされていない場合(ステップS907でYES)、CPU611は、不揮発性メモリ615に記憶されているカウンタCTPRINT1から、前回安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの印字枚数であるカウント値を取得する。ステップS909でカウンタCTPRINT1のカウント値と上記「所定枚数」である10000とを比較し、カウンタCTPRINT1のカウント値が所定枚数以上である場合(ステップS909でYES)、CPU611は安定化動作を実施する条件を変更するものと判断し、以降の処理を実行する。カウンタCTPRINT1のカウント値が所定枚数未満である場合(ステップS909でNO)、CPU611は安定化動作を実施する条件を変更しないと判断し、以降の処理をスキップして、本処理を終了する。すなわち、CPU611は、前回安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの印字枚数が予め設定されている印字枚数に達するごとに、ステップS911以降の処理を実行して、安定化動作の頻度レベルを増加させる、減少させる、または現状維持とする、かについて判断する。
ステップS911で、CPU611は、不揮発性メモリ615に記憶されているカウンタCTSTABI3から、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの第3安定化動作の実施回数であるカウント値を取得する。ステップS913でCPU611は、上記ステップS911で取得した、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの第3安定化動作の実施回数であるカウンタCTSTABI3のカウント値と、上述の、安定化動作の頻度レベルを減少させるか否かを判断するためのしきい値である「2」とを比較する。上記カウント値が2未満でない場合、つまり、2以上である場合(ステップS913でNO)、ステップS915でCPU611は、さらに上記カウント値と、上述の、安定化動作の頻度レベルを増加させるか否かを判断するためのしきい値である「3」とを比較する。
以上の比較の結果、上記カウント値が3以上である場合、つまり、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの第3安定化動作の実施回数が3回以上である場合には(ステップS913でNO、かつステップS915でYES)、CPU611は安定化動作の頻度レベルを増加すると判断し、ステップS917で、後述する、安定化動作の頻度レベルを増加させるための処理を実行する。上記カウント値が2未満である場合、つまり、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの第3安定化動作の実施回数が2回未満である場合には(ステップS913でYES)、CPU611は安定化動作の頻度レベルを減少させると判断し、ステップS919で、後述する、安定化動作の実施頻度を抑制する処理を実行する。上記カウント値が2である場合(ステップS913でNO、かつステップS915でNO)、CPU611は安定化動作の実施頻度を現状維持させると判断し、ステップS917,S919の処理を行なわない。
なお、不揮発性メモリ615に記憶されている、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIと操作パネルなどによって設定された安定化動作の頻度レベルFQSTABIREQとが一致していない場合、つまり、操作パネルで頻度レベルを設定する操作がなされた場合(ステップS907でNO)、CPU611は、その操作に従った処理を行なう。すなわち、上記操作が、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIを増加させる指示である場合(ステップS921でNO)、ステップS917でCPU611は、後述する、安定化動作の頻度レベルを増加させるための処理を実行する。現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIを減少させる指示である場合(ステップS921でYES)、ステップS919でCPU611は、後述する、安定化動作の実施頻度を抑制する処理を実行する。
以上の処理が終わると、CPU611は、カウンタCTSTABI1,CTSTABI2,CTSTABI3,CTSTABI4,CTPRINT1,CTWUPをリセットし、タイマTIMECOUNTERをリセットする(ステップS923)。そして、ステップS925でCPU611は、操作パネルなどによって設定された安定化動作の頻度レベルFQSTABIREQを、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIとして、不揮発性メモリ615に記憶させる。
図17は、上記処理の流れの第2の具体例を示すフローチャートである。第2の具体例では、所定の稼働時間ごとの、第3安定化動作の実施回数(CTSTABI3)に基づいて判断する。上記所定の稼動時間としては、たとえば稼動時間としては200時間が相当し、スリープ状態で休止している時間をその50%とし、スリープ状態ではない稼動状態での稼動時間(実稼働時間)を100時間する。この「100時間」は、約1ヶ月の間の稼働時間と想定される時間である。第1の具体例と同様に、第2の具体例においても、1ヶ月の間に第3安定化動作が3回以上実施された場合、使用者が画質に不満を持っているとして、安定化動作の頻度レベルを増加すると判断する。逆に、1ヶ月の間の第3安定化動作の実施回数が2回未満であった場合には、使用者の所望する画質よりも過剰な画質としているとして、安定化動作の頻度レベルを減少させると判断する。そのため、図17に示される第2の具体例処理は、図16に示される第1の具体例での処理のステップS909のみ異なる。なお、上の稼働時間のしきい値は一例であり、本発明においてこれらの値に限定されない。
すなわち、図17を参照して、第2の具体例でCPU611は、上記ステップS901〜S903と同様に、各条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度を算出する。不揮発性メモリ615に記憶されている、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIと操作パネルなどによって設定された安定化動作の頻度レベルFQSTABIREQとが一致している場合、つまり、操作パネルで頻度レベルを設定する操作がなされていない場合(ステップS907でYES)、不揮発性メモリ615に記憶されているタイマTIMECOUNTERから、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの、MFP1の稼働時間であるカウント値を取得する。ステップS1009でタイマTIMECOUNTERのカウント値と上記「所定の稼働時間」である100時間とを比較し、タイマTIMECOUNTERのカウント値が所定の稼働時間以上である場合(ステップS1009でYES)、CPU611は安定化動作を実施する条件を変更するものと判断し、第1の具体例と同様の以降の処理を実行する。タイマTIMECOUNTERのカウント値が所定の稼働時間未満である場合(ステップS1009でNO)、CPU611は安定化動作を実施する条件を変更しないと判断し、以降の処理をスキップして、本処理を終了する。すなわち、CPU611は、前回安定化動作の頻度レベルを変更するための処理が実行されてからの実稼動時間が予め設定されている時間に達するごとに、第1の具体例と同様のステップS911以降の処理を実行して、実施の頻度レベルを増加させる、減少させる、または現状維持とする、かについて判断する。
上記ステップS917または図8(B)の操作パネルのUPキーが操作された場合の、安定化動作の頻度レベルを増加させるための処理については、具体的な処理の方法としていくつかの方法が挙げられる。本発明において、同処理はいずれか1つの方法にのみ限定されるのではなく、いずれの処理であってもよい。具体例としては、第1条件および第2条件について、安定化動作の実施の判断における貢献度を考慮して、いずれかの条件での頻度レベルを増加させる、という考え方に基づく方法が挙げられる。この考え方に基づく処理の第1の具体例および第2の具体例として、各々、図18および図19を用いて説明する。さらに、図18に示される処理の具体例では、安定化動作の実施の判断における貢献度に加えて、第1条件での安定化動作の頻度と第2条件での安定化動作の頻度とのバランスも考慮して頻度レベルを増加させている。
図18は、上記ステップS917の、安定化動作の頻度レベルを増加させるための処理の流れの上記第1の具体例を示すフローチャートである。第1の具体例においては、安定化動作を実施する頻度レベルとしては−2〜+2まである、すなわち、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIは−2〜+2までの値をとり得るとする。標準の頻度レベルを0とし、+側が頻度を増加させる値とする。
安定化動作の頻度レベルを増加させるために、第1の具体例では、第1条件および第2条件のうち、安定化動作の実施の判断において貢献度の高い方の条件での頻度レベルを増加させる。つまり、その条件における実施頻度がしきい値以上である方の条件での頻度レベルを増加させる。その際、現在の安定化動作の実施の頻度レベル(FQSTABI)によって、実施回数に基づいて判断される実施頻度が高いか低いかは異なる。すなわち、安定化動作の実施の頻度レベルFQSTABIが高い場合には、標準の場合や低い場合よりも多くの回数の安定化動作が実施されることで「実施頻度が高い」ことに該当する。従って、好ましくは、各条件における実施頻度としきい値とを比較する際には、安定化動作の実施の頻度レベルFQSTABIが考慮される。そこで、エンジン制御部61が安定化動作の頻度レベルを増加させるための処理を行なう際には、いずれかの条件での頻度(たとえばFQSTABI1)を必ず用いる。その際、現在の安定化動作の実施の頻度レベルFQSTABIを用いることは必須ではない。しかしながら、実質的な「実施頻度」の高低を判断するためには、頻度レベルFQSTABIを用いることは好ましい。
図18を参照して、不揮発性メモリ615に記憶されている、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIが最高レベルである2よりも小さく、かつ1よりも小なる場合、すなわち、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIが標準「0」以下である場合(ステップS1101でYES、かつステップS1103でYES)、第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI1が予め規定されたしきい値16以上のときには(ステップS1105でYES)、安定化動作の実施の判断において第1条件の方が第2条件よりも貢献度が高く、第1条件での頻度レベルを増加させた方が安定化動作の実施頻度を増加させるための効果が高い。そこで、この場合、CPU611は、ステップS1109で安定化動作の頻度レベルを増加させるために、第1条件、つまり環境値を条件とする安定化動作の実施頻度を増加させるための処理を実行する。
第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI1が予め規定されたしきい値16よりも小なる場合(ステップS1105でNO)、安定化動作の実施の判断において第2条件の方が第1条件よりも貢献度が高く、第2条件での頻度レベルを増加させた方が安定化動作の実施頻度を増加させるための効果が高い。そこで、この場合、CPU611は、ステップS1111で安定化動作の頻度レベルを増加させるために、第2条件、つまり印字枚数を条件とする安定化動作の実施頻度を増加させるための処理を実行する。
現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIが「1」である場合(ステップS1101でYES、かつステップS1103でNO)、実施頻度FQSTABI1と比較されるしきい値は、先述の理由で、頻度レベルFQSTABIが標準「0」以下である場合に用いられたしきい値16よりも大きく設定されている。すなわち、第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI1が予め規定されたしきい値25よりも小なる場合(ステップS1107でYES)、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理において変更された、環境値を条件とした安定化動作の実施頻度が所定未満である場合に、さらにユーザによって安定化動作の頻度を増加させる指示がなされることで、前回の処理で変更された環境値を条件とした安定化動作の実施頻度が低いと考えられる。そこで、CPU611は、ステップS1109で安定化動作の頻度レベルを増加させるために、第1条件、つまり環境値を条件とする安定化動作の実施頻度を増加させるための処理を実行する。
第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI1が予め規定されたしきい値25以上のときには(ステップS1107でNO)、所定以上の頻度で環境値を条件とした安定化動作が実施されている場合に安定化動作の頻度を増加させる指示がなされることで、前回の安定化動作の頻度レベルを変更するための処理において変更された、環境値を条件とした安定化動作の実施頻度は適切であるが、印字枚数を条件とした安定化動作の実施頻度が低いと考えられる。そこで、CPU611は、ステップS1111で安定化動作の頻度レベルを増加させるために、第2条件、つまり印字枚数を条件とする安定化動作の実施頻度を増加させるための処理を実行する。
その後、ステップS1113でCPU611は、不揮発性メモリ615に記憶されている、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIを1増加させる。
図19は、上記ステップS917の、安定化動作の頻度レベルを増加させるための処理の流れの上記第2の具体例を示すフローチャートである。第2の具体例においては、安定化動作を実施する頻度レベルとしては−1〜+2まである、すなわち、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIは−1〜+2までの値をとり得るとする。標準の頻度レベルを0とし、+側が頻度を増加させる値とする。
安定化動作の頻度レベルを増加させるために、第2の具体例では、第1条件および第2条件のうち、安定化動作の実施頻度の低い方の条件での頻度レベルを増加させる。図19を参照して、不揮発性メモリ615に記憶されている、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIが最高レベルである2よりも小なる場合であって(ステップS1201でYES)、第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI1が予め規定されたしきい値4以上、かつ第2条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI2が予め規定されたしきい値16未満である場合(ステップS1203でYES、かつステップS1205でNO)、CPU611は、印字枚数が少なく、かつ環境値の変動が多いと判断し得る。そこで、CPU611は、安定化動作の実施頻度を増加させるためには、印字枚数を条件とした安定化動作の実施頻度、つまり第2条件での頻度レベルを増加させるよりも、環境値を条件とした安定化動作の実施頻度、つまり第1条件での頻度レベルを増加させる方が貢献度が高いと判断し、ステップS1207で安定化動作の頻度レベルを増加させるために、第1条件、つまり環境値を条件とする安定化動作の実施頻度を増加させるための処理を実行する。
第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI1が予め規定されたしきい値4以上、かつ第2条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI2が予め規定されたしきい値16以上である場合(ステップS1203でYES、かつステップS1205でYES)、印字枚数が多く、かつ環境値の変動も多い。環境値の変動の要因としては、MFP1の設置環境自体の環境値の変動と、連続印字による機内環境値の変動との両方が考えられる。従って、安定化動作の頻度を変更する際に第1条件での頻度レベルを調整しても、前者の影響により頻度レベルの調整に見合う効果が得られないことも有り得る。そのため、安定化動作の実施頻度を増加させるためには、環境値を条件とした安定化動作の実施頻度を増加させるよりも、印字枚数を条件とした安定化動作の実施頻度を増加させる方が貢献度が高い。そこで、CPU611は、ステップS1209で安定化動作の頻度レベルを増加させるために、第2条件、つまり印字枚数を条件とする安定化動作の実施頻度を増加させるための処理を実行する。
第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI1が予め規定されたしきい値4未満である場合であって(ステップS1203でNO)、第2条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI2が予め規定されたしきい値16以上の場合(ステップS1211でYES)、環境値の変動が少なく、かつ印字枚数が多い。そのため、確実に安定化動作の実施頻度を増加させるためには、環境値を条件とした安定化動作の実施頻度を増加させるよりも、印字枚数を条件とした安定化動作の実施頻度を増加させる方が貢献度が高い。そこで、CPU611は、ステップS1209で安定化動作の頻度レベルを増加させるために、第2条件、つまり印字枚数を条件とする安定化動作の実施頻度を増加させるための処理を実行する。
第2条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI2が予め規定されたしきい値16未満の場合(ステップS1211でYES)、環境値の変動が少なく、かつ印字枚数も少ない。この場合に、環境値を条件とする安定化動作の頻度レベルを増加させると、印字1枚あたりの平均安定化回数が急激に増加し、過剰な安定化動作の実施となる可能性がある。そこで、PCU611は、ステップS1209で安定化動作の頻度レベルを増加させるために、第2条件、つまり印字枚数を条件とする安定化動作の実施頻度を増加させるための処理を実行する。
なお、図19を参照すると、上記ステップS1203で第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI1が予め規定されたしきい値4未満であると判断された場合には(ステップS1203でNO)、第2条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI2が予め規定されたしきい値16以上の場合であっても未満の場合であっても、共に、CPU611はステップS1209の処理を行なう。そこで、CPU611は、図20に示されるように、上記ステップS1211での第2条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI2としきい値16との比較を行なわないようにしてもよい。
その後、ステップS1213でCPU611は、不揮発性メモリ615に記憶されている、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIを1増加させる。
図21は、上記ステップS919または図8(B)の操作パネルのDOWNキーが操作された場合の、安定化動作の実施頻度を抑制する処理の流れの具体例を示すフローチャートである。安定化動作の実施頻度を抑制する場合、第1条件での実施頻度と第2条件での実施頻度とのうち、所定以上の実施頻度である方の条件が、安定化動作の実施の判断において貢献度が高い。そのため、安定化動作の実施頻度を抑制する処理では、所定以上の実施頻度である方の条件での頻度レベルを変更する。
図21を参照して、不揮発性メモリ615に記憶されている、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIが最低レベルである−2よりも大なる場合であって(ステップS1301でYES)、第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI1が予め規定されたしきい値16以上である場合(ステップS1303でYES)、ステップS1305でCPU611は、安定化動作の頻度レベルを抑制するために、第1条件、つまり環境値を条件とする安定化動作の実施頻度を減少させるための処理を実行する。第1条件に基づいて実施された安定化動作の実施頻度FQSTABI1が予め規定されたしきい値16未満である場合(ステップS1303でNO)、第1条件での頻度レベルを変更しても、安定化動作の実施頻度の抑制に効果的であるか否かが不明である。そこで、CPU611は、ステップS1307で安定化動作の頻度レベルを抑制するために、第2条件、つまり印字枚数を条件とする安定化動作の実施頻度を減少させるための処理を実行する。
その後、ステップS1309でCPU611は、不揮発性メモリ615に記憶されている、現在の、安定化動作を実施する頻度レベルFQSTABIを1減少させる。
上記ステップS1109,S1111,S1207,S1209,S1305,S1307で実行される、第1条件または第2条件での安定化動作の頻度レベルL1,L2を変更する処理は、具体的には、安定化動作を実施するか否かを判断するために用いられるしきい値を変更することによって行なわれる。すなわち、しきい値を引き下げることで実施すると判断される機会が増え、実施頻度が増加する。逆に、しきい値を引き上げることで実施すると判断される機会が減り、実施頻度が減少する。
第1条件である環境値を条件として実施される安定化動作は、判断時の機内温度等の環境値Tに応じて実施するか否かが判断される。そこで、第1条件での頻度レベルL1を変更する際には、しきい値として環境値のしきい値△T2を変更する。環境値のしきい値△T2を引き下げることで、機内温度の変動がより小さいうちに安定化動作が実施されるため、安定化動作の実施頻度が増加する。逆に、環境値のしきい値△T2を引き上げることで、機内温度の変動が大きな変動に達するまで安定化動作が実施されないため、安定化動作の実施頻度が減少する。
同様に、第2条件である印字枚数を条件として実施される安定化動作は、判断時の印字枚数がしきい値に達したか否かに応じて実施するか否かが判断される。そこで、第2条件での頻度レベルL2を変更する際にはしきい値として印字枚数のしきい値CT2を変更する。印字枚数のしきい値CT2を引き下げることで、印字枚数がより少ないうちに安定化動作が実施されるため、安定化動作の実施頻度が増加する。逆に、印字枚数のしきい値CT2を引き上げることで、印字枚数が多くなるまで安定化動作が実施されないため、安定化動作の実施頻度が減少する。
具体的に、図22は、上記ステップS1109またはS1207での第1条件での頻度レベルL1を増加させるための処理の流れの具体例を示し、図23は上記ステップS1305での第1条件での頻度レベルL1を減じるための処理の流れの具体例を示し、図24は上記ステップS1111またはS1209での第2条件での頻度レベルL2を増加させるための処理の流れの具体例を示し、図25は上記ステップS1307での第2条件での頻度レベルL2を減じるための処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
第1条件での頻度レベルL1を増加させる場合、図22を参照して、ステップS1401でCPU611は、不揮発性メモリ615に記憶されている第1条件での頻度レベルL1を読み出す。頻度レベルL1が「−2」に設定されている場合には(ステップS1403でYES)、ステップS1405でCPU611は、頻度レベルL1を1ランク上のレベルである「−1」に変更し、ステップS1407で環境値のしきい値△T2を、レベル「−1」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば10℃)よりも小さい8℃に設定する。
頻度レベルL1が「−1」に設定されている場合には(ステップS1403でNO、かつステップS1409でYES)、ステップS1411でCPU611は、頻度レベルL1を1ランク上のレベルである「0」に変更し、ステップS1412で、上記しきい値△T2をレベル「0」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば8℃)よりも小さい6℃に設定する。
頻度レベルL1が「0」に設定されている場合には(ステップS1403でNO、ステップS1409でNO、かつステップS1413でYES)、ステップS1415でCPU611は、頻度レベルL1を1ランク上のレベルである「1」に変更し、ステップS1417で環境値のしきい値△T2を、レベル「1」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば6℃)よりも小さい4℃に設定する。
頻度レベルL1が「1」に設定されている場合には(ステップS1403でNO、ステップS1409でNO、ステップS1413でNO、かつステップS1419でYES)、ステップS1421でCPU611は、頻度レベルL1を1ランク上のレベルである「2」に変更し、ステップS1422で、上記しきい値△T2をレベル「2」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば4℃)よりも小さい2℃に設定する。
頻度レベルL1が「2」に設定されている場合には(ステップS1403でNO、ステップS1409でNO、ステップS1413でNO、かつステップS1419でNO)、現レベルより上の頻度レベルが存在しないことから、頻度レベルを増加させるための処理を行なうことなく、本処理を終了する。
以上の処理によって、第1条件での実施頻度として現在設定されているレベルよりも上のレベルが存在する場合には、1ランク上のレベルに設定されると共に、第1条件で安定化処理を実施するか否かを判断するために用いられる環境値のしきい値△T2が引き下げられる。これにより、第1条件での頻度レベルL1が増加される。
第1条件での頻度レベルL1を減じる場合、図23を参照して、ステップS1501でCPU611は、不揮発性メモリ615に記憶されている第1条件での頻度レベルL1を読み出す。頻度レベルL1が「2」に設定されている場合には(ステップS1503でYES)、ステップS1505でCPU611は、頻度レベルL1を1ランク下のレベルである「1」に変更し、ステップS1507で、環境値のしきい値△T2を、レベル「1」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば2℃)よりも大きい4℃に設定する。
頻度レベルL1が「1」に設定されている場合には(ステップS1503でNO、かつステップS1509でYES)、ステップS1511でCPU611は、頻度レベルL1を1ランク下のレベルである「0」に変更し、ステップS1512で、上記しきい値△T2をレベル「0」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば4℃)よりも大きい6℃に設定する。
頻度レベルL1が「0」に設定されている場合には(ステップS1503でNO、ステップS1509でNO、かつステップS1513でYES)、ステップS1515でCPU611は、頻度レベルL1を1ランク下のレベルである「−1」に変更し、ステップS1517で、環境値のしきい値△T2を、レベル「−1」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば6℃)よりも大きい8℃に設定する。
頻度レベルL1が「−1」に設定されている場合には(ステップS1503でNO、ステップS1509でNO、ステップS1513でNO、かつステップS1519でYES)、ステップS1521でCPU611は、頻度レベルL1を1ランク下のレベルである「−2」に変更し、ステップS1522で、上記しきい値△T2をレベル「−2」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば8℃)よりも大きい10℃に設定する。
頻度レベルL1が「−2」に設定されている場合には(ステップS1503でNO、ステップS1509でNO、ステップS1513でNO、かつステップS1519でNO)、現レベルよりも下の頻度レベルが存在しないことから、頻度レベルを減じるための処理を行なうことなく、本処理を終了する。
以上の処理によって、第1条件での頻度レベルとして現在設定されているレベルよりも下のレベルが存在する場合には、1ランク下のレベルに設定されると共に、第1条件で安定化処理を実施するか否かを判断するために用いられる環境値のしきい値△T2が引き上げられる。これにより、第1条件での頻度レベルL1が減じられる。
第2条件の頻度レベルL2を増加させる場合、図24を参照して、ステップS1601でCPU611は、不揮発性メモリ615に記憶されている第2条件での頻度レベルL2を読み出す。頻度レベルL2が「−2」に設定されている場合には(ステップS1603でYES)、ステップS1605でCPU611は、頻度レベルL2を1ランク上のレベルである「−1」に変更し、ステップS1607で、印字枚数のしきい値CT2を、レベル「−1」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば1000枚)よりも小さい800枚に設定する。
頻度レベルL2が「−1」に設定されている場合には(ステップS1603でNO、かつステップS1609でYES)、ステップS1611でCPU611は、頻度レベルL2を1ランク上のレベルである「0」に変更し、ステップS1612で、上記しきい値CT2をレベル「0」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば800枚)よりも小さい600枚に設定する。
頻度レベルL2が「0」に設定されている場合には(ステップS1603でNO、ステップS1609でNO、かつステップS1613でYES)、ステップS1615でCPU611は、頻度レベルL2を1ランク上のレベルである「1」に変更し、ステップS1617で、印字枚数のしきい値CT2を、レベル「1」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば600枚)よりも小さい400枚に設定する。
頻度レベルL2が「1」に設定されている場合には(ステップS1603でNO、ステップS1609でNO、ステップS1613でNO、かつステップS1619でYES)、ステップS1621でCPU611は、頻度レベルL2を1ランク上のレベルである「2」に変更し、ステップS1622で、上記しきい値CT2をレベル「2」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば400枚)よりも小さい200枚に設定する。
頻度レベルL2が「2」に設定されている場合には(ステップS1603でNO、ステップS1609でNO、ステップS1613でNO、ステップS1619でNO、かつステップS1619でNO)、現レベルより上の頻度レベルが存在しないことから、頻度レベルL2を増加させるための処理を行なうことなく、本処理を終了する。
以上の処理によって、第2条件での頻度レベルとして現在設定されているレベルよりも上のレベルが存在する場合には、1ランク上のレベルに設定されると共に、第2条件で安定化処理を実施するか否かを判断するために用いられる環境値のしきい値CT2が引き下げられる。これにより、第2条件の頻度レベルL2が増加される。
第2条件の頻度レベルL2を減じる場合、図25を参照して、ステップS1701でCPU611は、不揮発性メモリ615に記憶されている第2条件での頻度レベルL2を読み出す。頻度レベルL2が「2」に設定されている場合には(ステップS1703でYES)、ステップS1705でCPU611は、頻度レベルL2を1ランク下のレベルである「1」に変更し、ステップS1707で、印字枚数のしきい値CT2を、レベル「1」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば200枚)よりも大きい400枚に設定する。
頻度レベルL2が「1」に設定されている場合には(ステップS1703でNO、かつステップS1709でYES)、ステップS1711でCPU611は、頻度レベルL2を1ランク下のレベルである「0」に変更し、ステップS1712で、上記しきい値CT2をレベル「0」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば400枚)よりも大きい600枚に設定する。
頻度レベルL2が「0」に設定されている場合には(ステップS1703でNO、ステップS1709でNO、かつステップS1713でYES)、ステップS1715でCPU611は、頻度レベルL2を1ランク下のレベルである「−1」に変更し、ステップS1717で、印字枚数のしきい値CT2を、レベル「−1」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば600枚)よりも大きい800枚に設定する。
頻度レベルL2が「−1」に設定されている場合には(ステップS1703でNO、ステップS1709でNO、ステップS1713でNO、かつステップS1719でYES)、ステップS1721でCPU611は、頻度レベルL2を1ランク下のレベルである「−2」に変更し、ステップS1722で、上記しきい値CT2をレベル「−2」に対応付けて予めROM612等に記憶されている値であって、現在のしきい値の値(たとえば800枚)よりも大きい1000枚に設定する。
頻度レベルL2が「−2」に設定されている場合には(ステップS1703でNO、ステップS1709でNO、ステップS1713でNO、かつステップS1719でNO)、現レベルよりも下の頻度レベルが存在しないことから、頻度レベルL2を減じるための処理を行なうことなく、本処理を終了する。
以上の処理によって、第2条件の頻度レベルとして現在設定されているレベルよりも下のレベルが存在する場合には、1ランク下のレベルに設定されると共に、第2条件で安定化処理を実施するか否かを判断するために用いられる印字枚数のしきい値CT2が引き上げられる。これにより、第2条件での頻度レベルL2が減じられる。
MFP1において以上の処理が行なわれることで、操作パネルを用いた使用者からの頻度レベルの変更指示、または使用者の指示によってなされた安定化動作の頻度に基づいて、自動的に行なわれる安定化動作の頻度を適切にすることができる。すなわち、MFP1において、使用者に満足する画質を提供しつつ、安定化動作の実施頻度を最適化できる。これにより、画像形成動作が中断されて安定化動作が実施される際に、使用者が画像形成動作の再開を待ったり、過剰な頻度で安定化動作が行なわれることで消耗品が過剰に消耗したり、することを防止することができる。また、MFP1では、複数の条件のうち、自動的に行なわれる安定化動作の頻度レベルを変更する条件としてより効果的な条件を選択して頻度レベルが調整される。これにより、全体の安定化動作の実施頻度を効果的に変更することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 MFP、10 スキャナ装置、20 作像部、21 印刷制御部、22 中間転写ベルト、23,23C,23M,23Y,23K 感光体ドラム、24 定着部、30 搬送部、31 カセット、32 搬送路、40 後処理装置、41 パンチユニット、42 折ユニット、43 ステープラ、50 排紙装置、60 制御部、61 エンジン制御部、65 プリンタコントローラ部、70 外部機器IF、80 FAX回線IF、611 CPU、612 ROM、613 RAM、614 IF制御部、615 不揮発性メモリ、616 拡張I/O、617 環境センサ、618 モータやソレノイドやクラッチや高圧電源やリレーなどの画像形成動作や安定化動作に必要な構成を動作させるための機構、619 トナー濃度センサ、620 レーザダイオード、621 トナーカートリッジメモリ、651 画像処理コントローラ、653 パネルコントローラ。