JP5066021B2 - Pfc処理装置及びpfc含有ガスの処理方法 - Google Patents

Pfc処理装置及びpfc含有ガスの処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5066021B2
JP5066021B2 JP2008179115A JP2008179115A JP5066021B2 JP 5066021 B2 JP5066021 B2 JP 5066021B2 JP 2008179115 A JP2008179115 A JP 2008179115A JP 2008179115 A JP2008179115 A JP 2008179115A JP 5066021 B2 JP5066021 B2 JP 5066021B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pfc
gas
processing apparatus
pipe
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008179115A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009034671A5 (ja
JP2009034671A (ja
Inventor
洋一 森
哲夫 駒井
日出人 郡山
豊司 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2008179115A priority Critical patent/JP5066021B2/ja
Publication of JP2009034671A publication Critical patent/JP2009034671A/ja
Publication of JP2009034671A5 publication Critical patent/JP2009034671A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5066021B2 publication Critical patent/JP5066021B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/30Capture or disposal of greenhouse gases of perfluorocarbons [PFC], hydrofluorocarbons [HFC] or sulfur hexafluoride [SF6]

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)

Description

本発明は、PFC(パーフルオロ化合物)を含むガスの処理装置及び処理方法に関し、更に詳細には、PFCを含むガスにおける該PFCを、効率的に除去できるPFC処理装置及び処理方法に関する。
半導体や液晶の製造工程中では多種類の有害ガスが使用されており、環境中への排気による環境汚染が懸念される。特に、半導体工業における半導体製造装置内面のクリーニング工程や、エッチング工程或いはCVD工程などにおいては、CHF3などのフッ化炭化水素や、CF4、C2F6、C3F8、C4F6、C4F8、C5F8、SF6、NF3などのパーフルオロ化合物(PFC)などのフッ素含有化合物が用いられており、これらのプロセスからの排ガス中に含まれるフッ素含有化合物は、地球温暖化ガスとしてその除去システムの確立が急務とされている。
フッ素含有化合物を含む排ガスの処理方法としては、例えば、酸化アルミニウム及びアルカリ土類金属の酸化物を含む処理剤を用いて排ガス中のフルオロカーボンを分解処理する方法(特許文献1);酸化アルミニウム及びアルカリ土類金属の酸化物を含む処理剤を用いて排ガス中のフッ化硫黄を分解処理する方法(特許文献2);アルミナ及びアルカリ土類金属化合物、及び場合によっては銅、錫、バナジウム等の金属の酸化物を含む処理剤を用いて排ガス中のフッ素化合物を分解処理する方法(特許文献3);水酸化アルミニウムと水酸化カルシウムとを含む処理剤を用いて排ガス中のPFCを分解処理する方法(特許文献4);などが提案されている。
しかしながら、上記のような従来の処理方法は、処理温度を800〜1000℃と高温にする必要があり、処理装置の熱による劣化が速く、装置のエネルギー消費量も大きいという問題があった。しかも、従来用いられていた処理装置では、熱効率が悪く、PFCの分解効率が低いという問題もあった。
また、従来の処理剤は、使用寿命が短くて交換頻度が高いという問題を包含していた。例えば、特許文献1〜3に開示されている方法では、PFCを酸化アルミニウム(アルミナ)と反応させてフッ化アルミニウムを生成させることによってPFCを分解している。しかし、酸化アルミニウムの反応活性が低いので、この反応を効率よく進行させるためには、高温の反応条件が必要である。さらに、生成したフッ化アルミニウムは酸化アルミニウムの表面に層を形成し、これによって酸化アルミニウムが被毒され、短時間で触媒活性を失うために、処理剤の交換頻度が高くなってしまうという問題があった。
また、PFCを水酸化アルミニウムと反応させて、水酸化アルミニウムの水酸基の水素によってフッ素をフッ化水素とし、次に生成したフッ化水素を水酸化カルシウムと反応させてフッ化カルシウムを生成させることによって、PFCなどのフッ素含有化合物を従来法よりも低い温度で効率よく分解処理することができる方法が提案されている(特許文献4)。しかし、かかる方法では、小型の装置では効果があるものの、実際にスケールアップした実機では、処理時に発生する水分によってアルミニウムの活性が阻害され、十分な除去効果を示さない場合があるという問題がある。
特開2002−224565号公報 特開2002−370013号公報 特開2001−190959号公報 特開2005−262128号公報
そこで、本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、PFC含有ガスを低温でも効率よく分解することができ、熱効率に優れたPFCガス処理装置、及び当該PFCガス処理装置を用いたPFC分解処理剤の寿命を長くして効率的な処理を可能とする処理方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決する新規な排ガス処理方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、処理装置をその外周側のみでなく内部からも加熱することにより、上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、PFC含有ガスを処理するPFC処理装置であって、棒状の内部ヒーターと、該内部ヒーターから所定間隔をおいて、筒状に配された外部ヒーターとを具備する装置本体からなり、該内部ヒーター及び該外部ヒーターとの間にPFC分解処理剤を充填する処理剤配置部が形成されていることを特徴とするPFC処理装置を提供するものである。
また、本発明は、上記PFC処理装置を用いて行うPFC含有ガスの処理方法であって、上記処理剤配置部に、別に製造したPFC分解処理剤を充填し、PFCを含有するガスを装置本体に導入し、処理温度550〜850℃で処理することを特徴とするPFC含有ガスの処理方法を提供するものである。
本発明の処理装置により処理することのできるフッ素含有化合物としては、CHF3等のフッ化炭化水素、CF4、C2F6、C3F8、SF6、NF3などのパーフルオロ化合物(PFC)等を挙げることができる。このようなフッ素含有化合物を含むガスとしては、半導体工業で半導体製造装置の内面等をドライクリーニングする工程や、各種製膜をエッチングする工程で排出される排ガスなどを挙げることができる。
また、本発明の処理装置は、PFCなどに加えて、酸化性ガス、酸性ガスなども分解処理することができる。したがって、本発明の他の態様は、フッ素含有化合物及び/又は酸化性ガス及び/又は酸性ガスを含む被処理ガスを除害処理することができる。
半導体製造工程から排出される排ガス中には、PFCばかりでなく、他にF2、Cl2、Br2等の酸化性ガス、HF、SiF4、COF2、HCl、HBr、SiCl4、SiBr4等の酸性ガスなどが含まれる場合がある。F2、Cl2、Br2等の酸化性ガスは、湿式処理しようとした場合には水だけでは完全に処理することができず、アルカリ剤や還元剤を使用する必要があり、管理や装置が複雑になる上にコストがかかる等の問題点があった。本発明の処理装置によれば、これらの酸化性ガスや酸性ガスも、PFC等のフッ素含有化合物と共に分解処理することができる。
また、半導体製造工程から排出される排ガス中には、COが含まれる場合もあり、更にCOはPFCの分解時に副生成物として発生する場合があるため、これを分解除去する必要がある。本発明の処理装置によれば、フッ素含有化合物、酸化性ガス、酸性ガスに加えて、COをも分解除去することができる。
また、被処理ガス中若しくは処理反応中に生成するCOを分解する場合には、被処理ガスをPFC分解処理剤と接触させる前、或いは被処理ガスとPFC分解処理剤とを接触させる際に、被処理ガスに酸素を加える。COは、接触反応器内において酸素によって酸化分解されてCO2となる(下式参照)。
Figure 0005066021
本発明において、後述するAl2O3とCaOとの複合酸化物であるPFC分解処理剤を用いる場合には、以下のように酸素を介して緩やかに結合していると考えられる。
Figure 0005066021
PFC分解処理剤をフッ素化合物と接触させると、(Al_O)部分の触媒作用により
Figure 0005066021
の分解反応が進み、(O_Ca)部分からの酸素(O)とカルシウム(Ca)とにより
Figure 0005066021
の酸化還元反応が進むと考えられる。
また、上記の式から理解できるように、PFC分解処理剤を用いて、フッ素含有化合物を含む排ガスを処理すると、PFCや酸性ガスなどが分解して、フッ化カルシウム(CaF2)が生成する。フッ化カルシウムは、フッ素製造の原料として知られる蛍石の主成分であり、酸で処理することによってフッ素ガスを発生させることができる。したがって、本発明方法によれば、極めて効率的にフッ素含有化合物を含むガスからフッ素を再利用可能な形態で回収することができるという利点もある。
このように、本発明のPFC処理装置にはガス中の種々成分を処理できる処理剤を用いることが好ましい。具体的には、平均粒子径(メディアン径)55μm以上、好ましくは60μm以上160μm以下、より好ましくは90μm以上120μm以下のAl(OH)3と、好ましくは平均粒子径(メディアン径)1μm以上10μm以下、より好ましくは3μm以上8μm以下、最も好ましくは4μm以上6μm以下のCa(OH)2とのモル比が3:7〜5:5、好ましくは3:7〜4:6である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲、好ましくは580℃〜850℃の温度範囲、より好ましくは650℃〜780℃の温度範囲で、窒素流又は空気流の対向流中で焼成することにより得られるPFC分解処理剤を用いることが特に好ましい。なお、平均粒子径とは、メディアン径を意味し、粒子径ごとに頻度(含有量)を積算し、含有量の累積が最小粒子径からはじめて50%になる点での粒子径である。このPFC分解処理剤は、非晶質Al2O3とCaOとの複合酸化物である。非晶質Al2O3とCaOとの含有比は、モル比でAl2O3:CaO=1:10.5〜1:12.5、より好ましくは1:10.5〜1:12である。また、このPFC分解処理剤は、その調製工程中に発生する水分がすべて除去されるので、過剰の水分を含まない。水分含量は5wt%よりも低いことが好ましく、0.8wt%以上5wt%以下であることがより好ましく、1.5wt%以上3.5wt%以下であることが特に好ましい。また、Al(OH)3とCa(OH)2の混合物の焼成品のNa含有量が0.03wt%以下であることが好ましい。Naが多量に存在すると、PFC(パーフルオロ化合物)の分解作用を起こす活性点にNaが選択的に吸着してしまい、PFCの分解反応を阻害するので好ましくない。
さらに、PFC分解処理剤には、ZrO2、Laなどの耐熱性向上剤や、Pd、Pt、Rh、Ruなどの酸化力向上助剤を混合して用いてもよい。耐熱性向上剤の配合比率は、好ましくはAl(OH)31モルに対して0.01〜0.5モルであり、より好ましくはAl(OH)31モルに対して0.05〜0.4モルであり、最も好ましくはAl(OH)31モルに対して0.08〜0.35モルである。酸化力向上助剤の配合割合は、好ましくはAl(OH)31モルに対して0.005〜0.1モルであり、より好ましくはAl(OH)31モルに対して0.01〜0.07モルであり、最も好ましくはAl(OH)31モルに対して0.02〜0.05モルである。
また、本発明のPFC処理装置において、被処理ガス導入部に近い部分(後述する実施形態においては反応槽の上部)にCa(OH)2、Mg(OH)2又はこれらの焼成品からなるアルカリ剤を充填し、被処理ガスの出口側(後述する実施形態においては反応槽の下部)に上記PFC分解処理剤を充填してもよい。被処理ガスの導入部近傍にアルカリ剤を充填することによって700℃以下の被処理ガスのうち酸性成分のガスを反応除去することができる。アルカリ剤としては、Ca(OH)2、Mg(OH)2を主成分とする処理剤が適用可能であるが、特にCa(OH)2を予め焼成したもの、及びMg(OH)2を予め焼成したものが適している。Ca(OH)2を焼成して精製したCaOによる中和反応は、以下の反応式のとおりである。
Figure 0005066021
アルカリ剤とPFC分解処理剤との充填比率は、反応槽内部の温度分布により変動するが、好ましくは容積比でアルカリ剤:PFC分解処理剤=0.25:9.75〜1.75:8.25、より好ましくは0.5:9.5〜1.5:8.5、最も好ましくは0.75:9.25〜1.25:8.75である。
また、本発明によれば、被処理ガス流れの上流から順に、PFC分解処理剤を充填してなる2つのPFC処理装置を直列接続してなるPFC処理システムであって、2つの該PFC処理装置には、各PFC処理装置に被処理ガスを導入する導入配管、及び、各PFC処理装置から処理後の処理済みガスを導出する導出配管が連結されており、第1のPFC処理装置の導入配管と第2のPFC処理装置の導出配管とを連結する連絡配管と、第2のPFC処理装置の導入配管と第1のPFC処理装置の導出配管とを連結する連絡配管とが設けられており、各配管にはそれぞれ配管開閉用のバルブが設けられているPFC処理システムも提供される。
さらに、上述のPFC処理装置を用いて行うPFC含有ガスの処理方法も本発明により提供される。本発明のPFC含有ガスの処理方法は、本発明のPFC処理装置の処理剤配置部に、別に製造したPFC分解処理剤を充填し、PFCを含有するガスを装置本体に導入し、処理温度550〜850℃で処理することを特徴とする。
また、本発明によれば、複数個の直列配置された装置本体を含むPFC処理装置を用いて行うPFC含有ガスの処理方法も提供される。本処理方法は、各装置本体から使用済みのPFC分解処理剤を回収し、被処理ガスが最初に導入される装置本体ではない装置本体から回収したPFC分解処理剤を、被処理ガスが最初に導入される装置本体に再度充填し、被処理ガスが最初に導入される装置本体の処理温度を750〜850℃、好ましくは650〜750℃とし、以降の装置本体の処理温度を順次直前の処理温度と同じか又は低くなるようにし、最後に導入される装置本体の処理温度を550〜750℃として、被処理ガスを処理することを特徴とする。
さらにまた本発明によれば、被処理ガス流れの上流から順に、PFC分解処理剤を充填してなる2つのPFC処理装置を直列接続してなるPFC処理システムであって、2つの該PFC処理装置には、各PFC処理装置に被処理ガスを導入する導入配管、及び、各PFC処理装置から処理後の処理済みガスを導出する導出配管が連結されており、第1のPFC処理装置の導入配管と第2のPFC処理装置の導出配管とを連結する連絡配管と、第2のPFC処理装置の導入配管と第1のPFC処理装置の導出配管とを連結する連絡配管とが設けられており、各配管にはそれぞれ配管開閉用のバルブが設けられているPFC処理システムを用いるPFC含有ガスの処理方法であって、排ガスの除去率が所定値を下回った時点を検出して第1のPFC処理装置の稼働を停止し、新しいPFC分解処理剤に交換し、この交換の間、第2のPFC処理装置のみを稼働させ、交換完了後は、第2のPFC処理装置が上流側となり、新しいPFC分解処理剤を充填したPFC処理装置が下流側となるように各配管のバルブを切り替えて、続けて二段直列運転を行うことを特徴とするPFC含有ガスの処理方法も提供される。
本発明の処理装置は、PFCを低温でも効率よく分解することができる、熱効率に優れたものである。
また、本発明の処理方法によれば、本発明の処理装置を用いてPFC含有ガスを効率よく処理することができる。
実施形態
以下、図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
ここで、図1は、本発明の処理装置の1実施形態を示す模式断面図である。
本実施形態の処理装置1は、PFC含有ガスを処理するPFC処理装置であって、棒状の内部ヒーター11と、内部ヒーター11から所定間隔をおいて、筒状に配された外部ヒーター12とを具備する装置本体10からなり、内部ヒーター11及び外部ヒーター12との間にPFC分解処理剤を充填する処理剤配置部13が形成されている。
更に詳述すると、本実施形態の処理装置1は、装置本体10と、装置本体10に被処理ガスを導入するガス導入管20、及び装置本体10から反応後の処理済みガスを排出する排気管30を具備する。装置本体10は、円柱状の形状であり、その両端にはそれぞれガス導入管11と連結するための開口が中央部に形成されてガス導入部18及びガス排出部19がそれぞれ形成された蓋体10a,10bが設けられている。また、装置本体10内の処理剤配置部13には、上述の好ましく用いられるPFC分解処理剤が充填されている。
蓋体の形成材料は特に制限されず、ステンレスなどこの種のガス処理装置に通常用いられる材料を適宜用いることができる。
外部ヒーター12の外周に空気層15が形成されるように外部ヒーター12を覆って保温材14が配されている。保温材14は、蓋体10a,10bの周囲にも配されている。このように、装置本体10の外周全体に亘って配することで外部ヒーター12と所定の間隔を開けることができるようになされている。
保温材14の形成材料としては、無機質ファイバ−(SiO2 55%、Al2O3 15%、CaO 17%、B2O38%、その他酸化物5%)で補強したセラミック粉末(SiO260〜65%、TiO2 30〜35%、Al2O3 2〜3%,その他酸化物<1%)等を挙げることができる。
空気層の厚さは、0.6〜1cmとするのが好ましい。
本実施形態において、内部ヒーター11はその長手方向に2分割されて第1の内部ヒーター11a及び第2の内部ヒーター11bが形成されている。すなわち、本実施形態において、内部ヒーターは、被処理ガスが流れる方向に沿って、その長手方向に分割配置されている。また、外部ヒーター12は、その幅方向に2分割されて第1の外部ヒーター12a及び第2の外部ヒーター12bが形成されている。そして、第1及び第2の内部ヒーター11a,11b並びに第1及び第2の外部ヒーター12a,12bは、それぞれ独立して制御可能になされている。
具体的には、第1内部ヒーター11a、第2の内部ヒーター11b、第1外部ヒーター12a及び第2の外部ヒーター12bは、それぞれ電源に接続されており(図示せず)、各電源から供給する電流量を制御することにより各ヒーターの温度をそれぞれ独立して制御することができる。このように処理剤配置部の内部と外周にヒーターを分割して配置し、装置本体10内部の温度を場所により微調節して、内部の温度をより容易に均一にすることができる。
PFC処理装置内に被処理ガスを導入するガス導入部18にアルカリ剤が配されてアルカリ剤配置部16が形成されている。
この際用いることができるアルカリ剤としては、Ca(OH)2、Mg(OH)2、CaO、MgO等を挙げることができる。
PFC処理装置内に被処理ガスを導入するガス導入部18側に整流板17が配されている。整流板17は、好ましくは耐化学薬品性及び耐熱性を有する板状部材、好ましくは円盤状の板状体であり、ニッケル合金であるインコネル600(インコ社商標)またはハステロイX(ヘインズ社商標)等の耐熱耐食性材料により形成されている。
本実施形態においては、同一の装置本体における被処理ガスを導入する被処理ガス導入部18側(図1の上側)にアルカリ剤を、被処理ガスの排出口側(図1の下側)にPFC分解処理剤を充填している。本実施形態において、PFC分解処理剤に対するアルカリ剤の充填比率は、アルカリ剤:PFC分解処理剤=1:9(容積比)である。本実施形態においては、被処理ガスは、反応槽の上部から供給されるため、被処理ガスの導入部43の近くでは、被処理ガスの温度が十分上昇していないため、当該箇所に充填する処理剤の温度も十分上昇しない。そこで、被処理ガスの導入部近傍(装置本体の上部)にアルカリ剤を配置する。アルカリ剤は、500℃近傍でも十分な酸性ガスの処理能力を有するため、充填剤及び被処理ガスが十分に加熱されていない装置本体の上層部においても、酸性ガスを分解することができ、これにより700℃以下の被処理ガスのうち酸性成分のガスを反応除去できる。このように、本発明の装置では、装置本体の上部における第1段階の処理で酸性成分を除去することができ、装置本体の下方におけるPFC分解処理剤充填部では、PFCのみを処理すればよく、PFC分解処理剤の負荷が減り、結果として処理剤の寿命が延びる。また、ここで使用したアルカリ剤は、PFC分解処理剤よりも安価に製造でき、処理剤にかかるコストも低減できる。
次に、本実施形態の処理装置を用いた処理方法について説明する。
本実施形態の処理装置によるPFC含有ガスの処理方法は、処理剤配置部13に、別に製造したPFC分解処理剤を充填し、PFC含有ガスを装置本体10に導入し、処理温度550〜850℃で処理する。
更に詳細に説明する。
まず、アルカリ剤をアルカリ剤配置部16に充填し、PFC分解処理剤を装置本体内の処理剤配置部13に充填して、PFC含有ガス処理装置を組み立てる。一実施形態として、Al(OH)3とCa(OH)2との混合微粒子を本PFC含有ガス処理装置とは別の手段であらかじめ焼成することによって調製したPFC分解処理剤を装置本体内に充填して、装置内部ヒーター及び外部ヒーターによりPFC分解処理剤全体に均一な熱エネルギーを与えることによって、PFC含有ガスの分解処理が効率よく進行する。
被処理ガスであるPFC含有ガスは、ガス導入管20を通ってガス導入部18から装置本体10内に導入される。
導入されたPFC含有ガスは、まずアルカリ剤配置部16に導入され充填されたアルカリ剤と接触する。アルカリ剤の作用により、被処理ガス中に含まれている酸性ガス成分が中和されて除去される。
次いで、PFC含有ガスは整流板17と接触することにより、装置内部に均一に拡散される。次に、PFC含有ガスは、処理剤配置部13に配置されたPFC分解処理剤に接触して、最終的に分解処理される。この際、別に設けたセンサー(図示せず)により内部の温度を複数個所モニタリングしながら、各内部ヒーター11a,11b、外部ヒーター12a,12bへの電流量を調節して各ヒーターの温度を制御し、その結果として装置本体10の内部の温度を微調節して均一な温度に保持する。
この際の処理温度は、約550〜約850℃であり、好ましくは約600〜約850℃であり、約650℃〜約750℃が最も好ましい。約550℃未満であると、PFCのうちCF4の分解率が低下し、約850℃を超えると、PFC分解処理剤の結晶化が徐々に進み、熱劣化してしまう。
また、装置本体の大きさにもよるが、装置本体の内部容量が99リットルであれば、ガスの導入量は、50〜250リットル/分とするのが、処理反応を効率よく行うために好ましい。
処理により被処理ガス中のPFCなどのフッ素含有化合物、酸性ガス、酸化性ガスが分解される。被処理ガス中にCOが含まれる場合や、処理反応によってCOが発生することが考えられる場合には、酸素供給管(図示せず)より酸素を被処理ガスに加えて、反応カラム2内でCOのCO2への酸化を同時に行うことができる。反応によって発生したCO2、H2Oなどは、排気管30を通って排出される。
また、処理後、PFC分解処理剤は、装置本体10内に残留する。使用後のPFC分解処理剤を取出して、フッ化カルシウムを分離回収し、これを酸などで処理することによって、フッ化カルシウムからフッ素を生成させることができる。
次に、図2を参照して本発明の処理装置の他の実施形態を説明する。
以下の説明においては、上述した実施形態と同じ部分については、符号を統一し重複した説明を省略する。
ここで、図2は、本発明のPFC処理装置の他の実施形態を示す模式断面図である。
図2に示す本実施形態の処理装置1は、第1筒10及び第2筒10’が直列に連結されてなる。第1筒10及び第2筒10’は、図1において説明した装置本体である。このように装置本体を複数個連結してなる装置では、第1筒から被処理ガスが未処理のままリークした場合にも第2筒で処理することができ、最終的に排出される処理ガス中にPFCガスを含まない。また、第1筒又は第2筒のいずれかが故障した場合でも相互補完によりPFC含有ガス処理に支障がない。
また別の使用態様として、第1筒10と第2筒10’とで、充填するPFC分解処理剤を異ならせてもよい。すなわち、被処理ガスが最初に導入される第1筒10には、使用済みのPFC分解処理剤を充填し、第2筒10’には未使用のPFC分解処理剤を充填して運転することもできる。このような構成とすることにより、処理温度を、装置本体を単体で用いたときよりも高くすることなく、より大量のガスを処理することができる。また、処理剤を有効に活用することができる。具体的には、第1筒10は処理温度を低く設定して、低い温度でも十分に分解が可能なCF4、C2F6などのPFCや、CO及び酸性ガスなどを分解し、第2筒10’では処理温度を高く設定して、第1筒10で分解できなかったC4F8などを分解処理するようにすれば、PFC分解処理剤を無駄なく使用し、処理に必要な熱エネルギーを抑制し、分解対象物を効率よく分解処理することができる。更に、このように装置本体を2段構成とすることにより、第1筒10中のPFC分解処理剤が疲弊して分解対象物が未分解のまま少量リークしてきた場合でも、第2筒10’で十分に分解処理することができる。したがって、PFC分解処理剤を、その能力を完全に使い切るまで使用することができ、交換頻度を大幅に減少させることができ、ランニングコストの大幅な低減を図ることができる。
次に、本実施形態の処理装置を用いた処理方法について説明する。
装置本体を1段構成とした上述の実施形態で説明したように、PFC含有ガスを分解処理する。所定時間の処理後に、第1筒10及び第2筒10’から使用済みのPFC分解処理剤を回収し、第2筒10’から回収した使用済みのPFC分解処理剤を第1筒10に再度充填し、第1筒10の処理温度を600〜850℃、好ましくは750〜850℃とし、第2筒10’の処理温度を600〜750℃、好ましくは650〜750℃として、PFC含有ガス処理を行う。なお、2個以上の装置本体を連結して用いる場合には、第2筒以降の装置本体の処理温度を直前の処理温度と同じか又は低くなるようにし、最後に導入される装置本体10’の処理温度を550〜750℃として、被処理ガスを処理すればよい。
第1筒10の処理温度が600℃未満であると、処理剤の消耗によりPFCの分解活性が低く、PFCの高い除去率が得られず、850℃を超えると、PFC分解処理剤の結晶化が徐々に進み、熱劣化する。
最後に導入される装置本体10’の処理温度が550℃未満であると、PFCの分解活性が低く、PFCの高い除去率が得られず、750℃を超えると、ヒ−タ−の電力消費量が増え、経済的ではない。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、以下の説明においては、上述した実施形態と異なる点を中心に説明する。上述した実施形態と同じ部材には同じ番号を付す。特に説明しない点については上述の実施形態においてした説明が適宜適用される。ここで、図3は、他の実施形態の装置本体を示す内部透視側面図である。図4は、図3に示す上部ヒーターを示す上面図である。図5は、図3に示す上部ヒーター及び整流板を示す斜視図である。図6は、本実施形態の装置の全体構造を示す概略図である。
図3に示す本実施形態において、装置本体101は、内部ヒーター31を内蔵する反応槽32と、反応槽32の外周に設けられた外部ヒーター34と、反応槽32に被処理ガスを予熱しながら導入する被処理ガス予熱配管42と、処理後のガス(以後「処理済みガス」という)を導出する処理済みガス導出配管54と、を具備する。
反応槽32内部には、内部ヒーター31の上方に整流板17が設けられ、さらに整流板17の上方に上部ヒーター33が設けられている。本実施形態において、被処理ガス予熱配管42は処理済みガス導出配管54の周囲を取り巻くように位置づけられており、被処理ガスと処理済みガスとの間で熱交換を行う。反応槽32下部に位置づけられている被処理ガス導入部40を介して導入された被処理ガスを上向流として被処理ガス予熱配管42内を流し反応槽32上部の導入部43から内部に導入する。処理後の熱い処理済みガスは反応槽32下部に位置づけられている処理済みガス導出部52から処理済みガス導出配管54を通って上向き流として流れる。こうして、被処理ガス予熱配管42内の被処理ガスは処理済みガス導出配管52を流れる処理済みガスと熱交換して加温される。
反応槽32内の上部には4枚の板状部材(図示した実施形態では円盤状部材)からなる整流板17が配置され、整流板17の上方には上部ヒーター33が設けられており、円筒状の反応槽32の外方にはその外周面を囲って外部ヒーター34が設けられている。
上部ヒーター33は、図4に示すように、円板33aの上面に加熱用パイプヒーター33bを装着することにより形成されている。そして反応槽32の使用時には、このパイプヒーター33bに通電することにより上部ヒーター33を加熱し、整流板17を加熱する。使用時においては、上部ヒーター33は500〜700℃に制御される。上部ヒーター33により被処理ガス導入部側で被処理ガスが加熱されるため、反応槽32内の温度を所望の温度に保ちやすくなる。
整流板17は、図5に示すように、小径の円盤状金属板17aと、中心部に通気用孔が開いた大径の板状部材(図示した実施形態では円環状金属板)17bとが、上下に一定の間隔を空けて交互に積層されて形成されている。本実施形態の整流板は、被処理ガスが、円盤状金属板17aの径方向外方と、円環状金属板17bの内部開口を通ることにより、均一で速やかな加熱が実現されるように構成されている。ここで、円盤状金属板17aの直径は、反応槽32の内径を100とした場合に、90.0〜99.2とするのが好ましく、円環状金属板17bの中心の通気用孔の直径は、反応槽32の内径を100とした場合に、8.0〜10.0とするのが好ましい。整流板における各円盤状金属板17aと円環状金属板17bとの間隔は、反応槽32の深さを100とした場合に、2.0〜2.7とするのが好ましい。本発明において、整流板は4〜8枚設けられるのが好ましく、本実施例では、4枚設けられている。また、反応槽32における整流板17より下方に存在する空間にPFC分解処理剤が充填されており、最も下流に配置された整流板17より上部にアルカリ剤が充填されている。
図3に示す充填部51の底部には、通気板52が配置されている。通気板52にはその全面に渡り多数の貫通孔が設けられており、被処理ガスの通気性を保っている。
次に図3〜6に示す形態の処理装置を用いた処理方法について説明する。
この形態の処理装置を用いた場合には、被処理ガスは、まず、被処理ガス導入部40に導入され、反応槽32の底部外面側を通過した後、被処理ガス予熱配管42に導入される。この際、被処理ガスは、加熱処理された処理済みガスが通過する処理済みガス導出配管54からの熱伝導により、250〜300℃まで予熱される。その後、被処理ガスは反応槽32の上部の導入部43から反応槽32内に供給される。なお、本実施形態では、被処理ガス予熱配管42と処理済みガス導出配管54とは被処理ガスと処理済ガスとを同方向に並流として流しているが、向流にして熱交換効率を高めてもよい。
反応槽32内に導入された被処理ガスは、反応層32内を下降流として流れ、まず反応槽32上部に充填されているアルカリ剤で酸性成分が除去された後、反応槽32内を下降するにつれてPFC分解処理剤でPFCが分解処理される。処理済みガスは、処理済みガス導出配管54を通って被処理ガス予熱配管42との熱交換によって300℃近くまで冷却され、その後、冷却部44(図6参照)で水により冷却される。
次に、2槽直列運転をする場合について説明する。まず、2つのPFC処理装置を直列接続して処理システムを構成する。直列接続した例を図6に示す。図6に示すPFC処理システムは、図3に示す装置本体を2つ設置しており、2つの装置本体101、101’は、それぞれ被処理ガスを導入排出する配管に連結されている。
配管は、被処理ガスを導入する導入管d10、導入管d10を2つに分岐した導入管d11及び導入管d13、導入管d11から延長されて一方の装置本体101の被処理ガス導入部に連結された導入管d12、導入管d13から延長されて他方の装置本体101の被処理ガス導入部に連結された導入管d14、装置本体の処理済みガス排出部に連結された導出管d21及び導出管d22、導出管d21と導出管d22とが連結された処理済みのガスを放出するための導出管d20、導入管d10と導出管d20とを連結するバイパス管d31、2つの装置本体101と101’とを連結する連絡管d32及び連絡管d33、導入管d14と導出管d21とを連結するバイパス管d34、並びに、導入管d12と導出管d23とを連結するバイパス管d35からなる。
また、導入管d11にはバルブV003が、導入管d13にはバルブV004が、導入管d12にはバルブV016が、導入管d14にはバルブV018が、導出管d21にはバルブV008及び熱交換器HEX2が、導出管d23にはバルブV009及び熱交換器HEX3が、導出管d20には熱交換器HEX1、CF4センサとしてのガス検知器46及び吸引ファンFが、バイパス管d31にはバルブV001が、連絡管d32にはバルブV005が、連絡管d33にはバルブV006が、バイパス管d34にはバルブV017が、バイパス管d35にはバルブV015が、それぞれ設けられている。なお、図6においては、装置本体101→101’での順で運転する際の開放状態のバルブを白抜きで示し、閉鎖状態のバルブを黒塗りで示す。また、導入管d11と導入管d12との連結部分には、希釈用空気を導入する空気導入管が連結されている(図示せず)。
かかるシステムを用いて2槽直列運転をする場合で、2槽共に新しい処理剤を充填した初期状態では、各1槽での処理能力が十分高いため単段処理でも十分な処理性能を満たす。このような場合は、最初の数日〜数週間は2槽目のヒーターは切っておき、片方の反応槽は機能させずに実質的に1槽での運転としても良い。ガス検知器46での未処理ガス成分(たとえばCF)の流出の計測値が所定の数値まで上がってきたら、2槽目のヒーターも昇温を開始し、2槽直列処理を開始するのが好ましい。2槽目に不必要な加熱を行わないようにすることにより、2槽目内の処理剤が熱劣化するのを防ぎ、またヒーター加熱による余分なエネルギー消費も抑えることができる。ここで、「所定の値」は、計測対象ガスをPFCガスとして非分散型赤外線ガス分析法(NDIR)によるPFCガスセンサーを使用して計測した場合にPFCガスの除害効率95%相当の検知濃度により設定することができ、CFとして50ppmを例示することができる。
図6に示す形態では、バルブV003及びV016が開放されていると共にバルブV004及びV006が閉鎖されており、図6における左側の処理装置101には導入管d10に導入された未処理の被処理ガスが導入されるが、右側の装置本体101’には導入されないように構成されている。また、バルブV005及びV018は開放されており、バルブV009は閉鎖されて処理装置101から排出された被処理ガスが処理装置101’に導入されるように構成されている。また、バルブV008は開放されており、処理装置101’で処理された処理済みのガスは導出管d20を介して排出されるようになされている。これにより、被処理ガスを導入管d10に導入すると、まず、第1の処理装置101で処理した後、第2の処理装置101’で処理することが可能となり、より完全に被処理ガスの処理を行うことが出来る。
なお、一方の処理装置におけるPFC分解処理剤を交換する際に、ヒーターの運転を停止し、被処理ガスが反応槽へ流れないようにする。その場合に、希釈用空気を反応槽内に導入するが、その際被処理ガス予熱配管42(図3参照)を通過することで希釈用空気が加熱され、反応槽内部の冷却に時間がかかってしまう。そこで、クールダウン用のバイパス管d34、d35に設けられたバルブV015又はV017を開放し、V016又はV018を閉じることで、冷却したい方の反応槽を迅速に冷却することができる。2槽直列処理を行う場合、本実施形態では、いずれの反応槽もヒーター設定温度が700±50℃になるように制御し、二槽目の処理温度は一槽目の処理温度と同じか又は低く設定するのが好ましい。
次に、2槽直列運転の場合の反応槽の交換について説明する。図7に本実施形態の運転方法を概略図示する。
反応槽におけるPFC分解処理剤の破過検知は、通常は、ガス検知器46でPFC(たとえばCF4)濃度を測定することにより行う。具体的には、ガス検知器46が所定の濃度を超えた場合に、PFC分解処理剤の破過(寿命)とする。ここで「所定の濃度」とは、たとえば、予め設定した本発明のPFC処理装置の性能保障値であるCF4濃度よりも低いCF4濃度である。この場合、PFC分解処理剤が破過すると、処理済ガス中のCO及びHFの濃度が上昇するため、CF4等のPFC濃度センサに変えてCO及び/又はHFセンサ等のより安価なセンサで代替することもできる。PFC分解処理剤の破過を検知したら、1槽目の反応槽である左側の処理装置101における反応槽を交換する。交換に際しては、処理装置101の各ヒーターの運転を中止し、バルブV003を閉め、V004を開けて、被処理ガスを右の処理装置101’に導入し、右側の装置本体101’のみでの単段処理に切り替える。この時点で、それまで二槽目として使用していた処理装置101’の反応槽はまだ処理可能であるため、単段処理としても問題ない。処理装置101’による単段処理の間に、処理装置101のアルカリ剤及びPFC分解処理剤を交換して、交換後の処理装置101を二槽目として使う。すなわち、V005、V008を閉め、V006、V009を開け、被処理ガスが、処理装置101’から処理装置101に流れるようにする。このように運転することで、反応槽の交換中でも装置全体の運転を停止することなく、連続処理が可能となる。
特に、2つの反応槽を直列に接続した場合は、ある程度使用された処理装置を一段目に、処理剤を交換した処置装置を二段目に接続して処理を行うこともできる。この場合、二段目の処理装置の下流(センサ46)でのみPFC分解処理剤の破過を検知することにより、一段目のPFC分解処理剤の除去能力を使い切ることができる。また、バルブの開閉を行うのみで反応槽自体の配置は変えなくてもこのような連続運転が可能となる。
なお、各処理装置それぞれの下流にそれぞれガス検知器を設置しても良い。その場合は、各処理装置でのPFC除去率を測定することができるため、より早めに破過を検知することができる。しかし、二槽目の下流のみで破過検知する構成は、センサの数を減らすことができると共に制御工程を一つにして処理工程を簡略化できるので、好ましい。
本実施形態のように2つの装置本体を設けた場合には、ガス流量は50〜250リットル/分とするのが好ましく、100〜200リットル/分とするのが更に好ましい。
本発明の2槽直列運転の別の実施形態を図8に示す。図8においては、装置本体内中央部にヒーター及び整流板が設けられていない点を除いて(装置本体内部の上部にはヒーターが設けられている)、図6に示す実施形態と同じである。2槽直列運転の運転方法に変更はない。2槽直列運転の各処理装置の加熱に関しては、内部ヒーター、外部ヒーター、上部ヒーター、整流板の取り付けの組合せは種々考えられる。
また、本発明においては装置本体内部にアルカリ剤とPFC処理剤とを充填しても、PFC処理剤を単独で充填してもよい。
なお、本発明は、上述の実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、装置本体を複数個設ける場合、上述の実施形態では2つ設けた場合をもって説明したが、3個以上設けることもできる。
別の実施態様として下記の実施態様も含む。
[1]PFC含有ガスを処理するPFC処理装置であって、
被処理ガスを分解処理する反応槽と、
当該反応槽内に被処理ガスを導入するガス導入部側に設けられている上部ヒーターと、
当該反応槽の外周に設けられた筒状の外部ヒーターと、
を具備する装置本体からなり、
当該反応槽内にPFC分解処理剤を充填する処理剤配置部が形成されている
ことを特徴とするPFC処理装置。
[2]PFC処理装置内に被処理ガスを導入するガス導入部にアルカリ剤が配されてアル
カリ剤配置部が形成されていることを特徴とする[1]のPFC処理装置。
[3]上記装置本体に充填される上記PFC分解処理剤が、平均粒子径60μm以上160μm以下のAl(OH) 3 と、Ca(OH) 2 とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲、窒素流又は空気流の対向流中で焼成して得られるPFC分解処理剤である[1]又は[2]に記載のPFC処理装置
[4]被処理ガス流れの上流から順に[1]〜[3]の何れかに記載のPFC処理装置を2個直列接続してなるPFC処理システムであって、
2つの該PFC処理装置には、各PFC処理装置に被処理ガスを導入する導入配管、及び、各PFC処理装置から処理後の処理済みガスを導出する導出配管が連結されており、第1のPFC処理装置の導入配管と第2のPFC処理装置の導出配管とを連結する連絡配管と、第2のPFC処理装置の導入配管と第1のPFC処理装置の導出配管とを連結する連絡配管とが設けられており、各配管にはそれぞれ開閉用バルブが設けられているPFC処理システム。
[5][4]に記載のPFC処理システムを用いて行うPFC含有ガスの処理方法であって、
上記処理剤配置部に、別に製造したPFC分解処理剤を充填し、PFCを含有するガスを装置本体に導入し、処理温度550〜850℃で処理することを特徴とするPFC含有ガスの処理方法。
[6][4]に記載のPFC処理システムを用いるPFC含有ガスの処理方法であって、
第1のPFC処理装置からの処理済みガスを第2のPFC処理装置に導入し、
排ガスの除去率が所定値を下回った時点を検出して第1のPFC処理装置の稼働を停止し、新しいPFC分解処理剤に交換し、この交換の間、第2のPFC処理装置のみを稼働させ、
交換完了後は、第2のPFC処理装置が上流側となり、新しいPFC分解処理剤を充填したPFC処理装置が下流側となるように各配管のバルブを切り替えて、続けて二段直列運転を行うことを特徴とするPFC含有ガスの処理方法。
図1は、本発明のPFC処理装置の一実施形態を示す模式断面図である。 図2は、本発明のPFC処理装置の他の実施形態を示す模式断面図である。 図3は、他の実施形態の装置本体を示す内部透視側面図である。 図4は、図3に示す上部ヒーターを示す上面図である。 図5は、図3に示す上部ヒーター及び整流板を示す斜視図である。 図6は、2槽直列接続した実施形態の装置の全体構造を示す概略図である。 図7は、2槽直列運転の概略を模式的に示した説明図である。 図8は、2槽直接接続した別の実施形態の装置の全体構造を示す概略図である。

Claims (10)

  1. パーフルオロ化合物(以下「PFC」と表す)含有ガスを処理するPFC処理装置であって、
    棒状の内部ヒーターと、該内部ヒーターから所定間隔をおいて、筒状に配された外部ヒーターとを具備する装置本体からなり、
    該内部ヒーター及び該外部ヒーターとの間に、平均粒子径60μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲、窒素流又は空気流中で焼成して得られるPFC分解処理剤を充填する処理剤配置部が形成されている
    ことを特徴とするPFC処理装置。
  2. PFC処理装置内に被処理ガスを導入するガス導入部にアルカリ剤が配されてアルカリ剤配置部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のPFC処理装置。
  3. 上記装置本体に充填される上記PFC分解処理剤が、平均粒子径60μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲、窒素流又は空気流の対向流中で焼成して得られるPFC分解処理剤である請求項1又は2に記載のPFC処理装置。
  4. 上記内部ヒーターがその長手方向に2分割されて第1及び第2の内部ヒーターが形成されており、また、上記外部ヒーターが2分割されて第1及び第2の外部ヒーターが形成されており、第1及び第2の内部ヒーター並びに第1及び第2の外部ヒーターそれぞれの温度が独立して制御可能になされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のPFC処理装置。
  5. PFC処理装置内に被処理ガスを導入するガス導入部側に整流板が配されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のPFC処理装置。
  6. 上記整流板の上方には、上部ヒーターがさらに設けられていることを特徴とする請求項5に記載のPFC処理装置。
  7. 上記整流板は、上記内部ヒーターの上方に、小径の板状部材と、中心部に通気用孔を有する大径の板状部材とが、上下に一定の間隔を空けて交互に積層されてなることを特徴とする請求項5又は6に記載のPFC処理装置。
  8. 被処理ガス流れの上流から順に請求項1〜7の何れかに記載のPFC処理装置を2個直列接続してなるPFC処理システムであって、
    2つの該PFC処理装置には、各PFC処理装置に被処理ガスを導入する導入配管、及び、各PFC処理装置から処理後の処理済みガスを導出する導出配管が連結されており、第1のPFC処理装置の導入配管と第2のPFC処理装置の導出配管とを連結する連絡配管と、第2のPFC処理装置の導入配管と第1のPFC処理装置の導出配管とを連結する連絡配管とが設けられており、各配管にはそれぞれ開閉用バルブが設けられているPFC処理システム。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のPFC処理装置又は請求項に記載のPFC処理システムを用いて行うPFC含有ガスの処理方法であって、
    上記処理剤配置部に、別に製造したPFC分解処理剤を充填し、PFCを含有するガスを装置本体に導入し、処理温度550〜850℃で処理することを特徴とするPFC含有ガスの処理方法。
  10. 請求項8に記載のPFC処理システムを用いるPFC含有ガスの処理方法であって、
    第1のPFC処理装置からの処理済みガスを第2のPFC処理装置に導入し、
    排ガスの除去率が所定値を下回った時点を検出して第1のPFC処理装置の稼働を停止し、新しいPFC分解処理剤に交換し、この交換の間、第2のPFC処理装置のみを稼働させ、
    交換完了後は、第2のPFC処理装置が上流側となり、新しいPFC分解処理剤を充填したPFC処理装置が下流側となるように各配管のバルブを切り替えて、続けて二段直列運転を行うことを特徴とするPFC含有ガスの処理方法。
JP2008179115A 2007-07-10 2008-07-09 Pfc処理装置及びpfc含有ガスの処理方法 Active JP5066021B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008179115A JP5066021B2 (ja) 2007-07-10 2008-07-09 Pfc処理装置及びpfc含有ガスの処理方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007181528 2007-07-10
JP2007181528 2007-07-10
JP2008179115A JP5066021B2 (ja) 2007-07-10 2008-07-09 Pfc処理装置及びpfc含有ガスの処理方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009034671A JP2009034671A (ja) 2009-02-19
JP2009034671A5 JP2009034671A5 (ja) 2011-08-04
JP5066021B2 true JP5066021B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=40437096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008179115A Active JP5066021B2 (ja) 2007-07-10 2008-07-09 Pfc処理装置及びpfc含有ガスの処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5066021B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5020136B2 (ja) * 2007-07-10 2012-09-05 株式会社荏原製作所 フッ素固定剤及びpfc分解処理剤並びにこれらの調製方法
JP5284773B2 (ja) * 2008-12-26 2013-09-11 株式会社荏原製作所 処理温度を上昇させる排ガス処理方法、排ガス処理装置の運転方法、および排ガス処理装置
JP5498752B2 (ja) * 2009-10-07 2014-05-21 大陽日酸株式会社 排ガス処理方法及び排ガス処理装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3264453B2 (ja) * 1992-09-02 2002-03-11 セントラル硝子株式会社 Nf▲3▼ガスの前処理方法
JP3713333B2 (ja) * 1996-07-04 2005-11-09 同和鉱業株式会社 弗化炭素類の分解法
JPH1176742A (ja) * 1997-09-05 1999-03-23 Sony Corp 排ガス処理装置および排ガス処理方法
JP3789277B2 (ja) * 1999-04-28 2006-06-21 昭和電工株式会社 フッ素化合物の分解用反応剤、分解方法及びその用途
JP2002224565A (ja) * 2000-12-01 2002-08-13 Japan Pionics Co Ltd フルオロカーボンの分解処理剤及び分解処理方法
JP4211467B2 (ja) * 2003-04-16 2009-01-21 株式会社日立製作所 触媒式排ガス処理装置及び排ガス処理方法
JP4413040B2 (ja) * 2004-03-03 2010-02-10 株式会社コロナ シフト反応装置
JP5048208B2 (ja) * 2004-03-19 2012-10-17 株式会社荏原製作所 フッ素含有化合物を含むガスの処理方法及び装置
JP4715991B2 (ja) * 2004-03-24 2011-07-06 戸田工業株式会社 フッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤
JP4673780B2 (ja) * 2006-03-24 2011-04-20 大陽日酸株式会社 有害ガスの除害装置
JP5020136B2 (ja) * 2007-07-10 2012-09-05 株式会社荏原製作所 フッ素固定剤及びpfc分解処理剤並びにこれらの調製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009034671A (ja) 2009-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100507735B1 (ko) 과불화물처리장치
JP5284873B2 (ja) ガス処理装置および半導体製造装置
JP5066021B2 (ja) Pfc処理装置及びpfc含有ガスの処理方法
CN1195573C (zh) 用于分解氟化合物的反应剂和方法及其用途
JP6071892B2 (ja) 過弗化物の分解処理方法および処理装置
JP6343120B2 (ja) 過弗化物の処理装置、過弗化物の処理方法およびプログラム
KR100808618B1 (ko) 플루오르-함유 화합물 및 co를 함유하는 가스의처리방법 및 처리장치
JP5016616B2 (ja) フッ素化合物を含有する排ガスの処理方法及び処理用反応槽
JP5350809B2 (ja) 予備処理槽を備えた排ガス処理装置
WO2010101073A1 (ja) 反応装置および反応方法
JP6097625B2 (ja) 弗化カルシウムの製造方法および弗化カルシウムの製造装置
JP6085203B2 (ja) 過弗化物の処理装置および過弗化物の処理方法
JP5284773B2 (ja) 処理温度を上昇させる排ガス処理方法、排ガス処理装置の運転方法、および排ガス処理装置
CN218012071U (zh) 锂电池负极材料热处理尾气净化系统
KR100968089B1 (ko) 불소화합물 가스의 흡착처리제, 그를 이용한 불소화합물 가스 처리방법 및 불소화합물 가스 처리장치
WO2014129050A1 (ja) 過弗化物の処理装置および過弗化物の処理方法
WO2014129051A1 (ja) 過弗化物の処理装置および過弗化物の処理方法
JP2008155070A (ja) ハロゲン化合物の分解処理方法及び装置
JP5476043B2 (ja) フッ素化合物を含有する排ガスの処理方法及び装置
JP2010162475A (ja) Sf6を含む排ガスの処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110617

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120810

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5066021

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250