JP5065944B2 - 水力機械の壊食予測方法、壊食予測装置 - Google Patents

水力機械の壊食予測方法、壊食予測装置 Download PDF

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Description

本発明は、ポンプ等の水力機械の内部流路にキャビテーションによって発生する壊食を予測する水力機械の壊食予測方法、及び壊食予測装置に関するものである。
従来、ポンプ等の水力機械の内部流路にキャビテーションによって発生する壊食を予測する方法としては、実際の水力機械を製作し、キャビテーションにより壊食を発生させたり、材料を変えて加速試験を行って、壊食を予測する方法がある。しかしこの方法は、実際の水力機械を製作する等、コストが大きくなるという問題がある。
また、内部流路のキャビテーションによって壊食が発生すると予測される位置に塗料を塗布し、この塗料の壊食状態から壊食危険個所を特定したり、内部流路のキャビテーションによって壊食が発生すると予測される位置に感圧紙を設置し、該感圧紙でキャビテーションによる衝撃荷重を測定して壊食危険個所を特定している。この方法は運転条件が変わるたびにやり直しが必要である。また、塗料の塗布では、壊食危険個所しか分からない。
また、特許文献1に示すように、ポンプの羽根車の羽根表面のように内部流路のキャビテーションによって壊食が発生すると予測される位置にキャビテーションの衝撃荷重を電気信号に変換する圧力波センサーを配置し、該圧力波センサーにより変換された電気信号からキャビテーションの衝撃荷重を計測する方法もある。
特開平11−287704号公報
上記圧力波センサーによりキャビテーションの衝撃荷重を電圧に変換して測定する方法は、キャビテーションが発生する場所が羽根車等の回転体の場合、変換された電気信号をスリップリング等で精度良く正確に静止系に取り出す必要があり、この電圧信号の静止系統への取り出しが容易でない。また、通常のテレメータでは搬送波の上限から数μ秒オーダーのキャビテーション衝撃荷重の信号を発信するのは容易ではない。また、事前にキャビテーションの発生箇所を調査し、そこにセンサーを設置する必要もある。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、水力機械の内部流路のキャビテーションによる壊食が発生する場所及び壊食速度を簡便に予測することができる水力機械の壊食予測方法、及び壊食予測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明は、水力機械の内部流路にキャビテーションによって発生する壊食を予測する水力機械の壊食予測方法であって、実機水力機械或いはモデル水力機械の内部流路面にキャビテーションの衝撃荷重を電圧信号に変換する圧電素子を設置し、該水力機械の所定位置に圧電素子が発する電圧信号を光に変換する発光素子を設置し、キャビテーション発生時に、発光素子が発する光を計測し、内部流路のキャビテーションにより壊食が発生する領域及び/又は壊食量の予測を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記水力機械の壊食予測方法において、圧電素子は水力機械の内部流路面に複数個設置され、発光素子が光を発したときの圧電素子の設置位置と発光量からキャビテーションにより壊食が発生する領域及び/又は壊食量の予測を行うことを特徴とする。
上記のように、実機水力機械或いはモデル水力機械の内部流路面に圧電素子を設置し、該水力機械の所定位置に発光素子を設置し、キャビテーション発生時に圧電素子が受ける衝撃荷重を電圧信号に変換し、該電圧信号を発光素子で光に変換するので、発光素子が発する光を外部から計測することにより、内部流路のキャビテーションが発生して壊食の危険のある領域やその壊食量を圧電素子の電圧出力信号をスリップリング等の信号送信手段を用いて外部に導くことなく、予測することができる。また、キャビテーションの発生する場所が外部から観測できないか、観測し難い場所であっても、発光素子をその発する光が外部から観測できる位置に配置すれば、壊食の危険のある領域やその壊食量を予測できる。
また、本発明は、水力機械の内部流路にキャビテーションによって発生する壊食を予測する水力機械の壊食予測装置であって、実機水力機械或いはモデル水力機械の内部流路面にキャビテーションの衝撃荷重を電圧信号に変換する圧電素子を設置すると共に、該水力機械の所定位置に圧電素子が発する電圧信号を光に変換する発光素子を設置し、キャビテーション発生時に、発光素子が発する光を計測し、内部流路のキャビテーションにより壊食が発生する領域及び/又は壊食量の予測をする壊食領域・壊食量予測手段を設けたことを特徴とする。
また、本発明は、上記水力機械の壊食予測装置において、圧電素子は水力機械の内部流路面に複数個設置され、壊食領域・壊食量予測手段は発光素子が光を発したときの圧電素子の設置位置と発光量からキャビテーションにより壊食が発生する領域及び/又は壊食量の予測を行う機能を備えたことを特徴とする。
上記のように、実機水力機械或いはモデル水力機械の内部流路面に圧電素子を設置すると共に、該水力機械の所定位置に発光素子を設置し、キャビテーション発生時に壊食領域・壊食量予測手段で発光素子が発する光を計測し、内部流路のキャビテーションにより壊食が発生する領域や壊食量の予測をするので、圧電素子の電圧出力信号をスリップリング等の信号送信手段を用いて壊食領域・壊食量予測手段に導くことなく、内部流路のキャビテーションが発生して壊食の危険のある領域やその壊食量を予測することができる。また、キャビテーションの発生する場所が外部から観測できないか、観測し難い場所であっても、発光素子をその発する光が壊食領域・壊食量予測手段の受光部が受光できる位置に配置すれば、壊食の危険のある領域やその壊食量を予測できる。
また、本発明は、上記水力機械の壊食予測装置において、発光素子の個数は圧電素子の個数より少なく、圧電素子は切り替え手段を介して発光素子に接続されるようになっていることを特徴とする。
上記のように圧電素子は切り替え手段を介して発光素子に接続されるようになっているので、例えば、1個の発光素子をその発する光が壊食領域・壊食量予測手段の受光部で受光できる位置に配置すれば、複数の圧電素子を切り替え手段を介して発光素子に接続することにより、各圧電素子が受けるキャビテーションの衝撃荷重を観測できるから、キャビテーションが発生し壊食の危険のある領域やその壊食量を予測する。
また、本発明は、上記水力機械の壊食予測装置において、複数の圧電素子は、複数の圧電素子が形成された圧電フィルムを1枚又は複数枚水力機械の内部流路面に貼り付けて構成されていることを特徴とする。
上記のように複数の圧電素子が形成された圧電フィルムを用いるので、複雑な形状をした内部流路面に複数の圧電素子を容易に設置することができる。
また、本発明は、上記水力機械の壊食予測装置において、圧電素子及び発光素子は水力機械の回転部に設置され、壊食領域・壊食量予測手段は静止部に設置され、発電素子と壊食領域・壊食量予測手段の間には該発光素子が発する光を該壊食領域・壊食量予測手段の受光部に導く光路が設けられていることを特徴とする。
上記のように回転部に設置した発光素子と静止部に設置した壊食領域・壊食量予測手段の間には発光素子が発する光を壊食領域・壊食量予測手段の受光部に導く、例えば水力機械のケーシングに発光素子が発する光を透過する材料からなる観察窓を設けるという簡単な構成の光路を設けるだけで、スリップリング等の電気信号を送信する送信手段を設ける必要なく、発光素子の光を静止部に設けた壊食領域・壊食量予測手段に送信することができる。
また、本発明は、上記水力機械の壊食予測装置において、発光素子は回転部の回転中心部に設置されていることを特徴とする。
回転部の回転中心部は静止状態に近い状態にあるから、発光素子が発するキャビテーション衝撃荷重による短いパルス状の光も容易に観測できる。
本発明によれば、内部流路のキャビテーションにより壊食が発生する領域、壊食量を簡便に予測できる水力機械の壊食予測方法、及び壊食予測装置を提供できる。
以下、本願発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。本実施形態では水力機械としてポンプを例に説明する。図1は本発明に係る壊食予測方法を実施する渦巻ポンプの吸込部及び羽根車部の一部を示す断面図である。1は羽根車、2はベルマウス(吸込ケーシング)である。羽根車1は主板11と側板12を備え、該主板11と側板12で囲まれた部分が流路13となっている。羽根車1は主軸3の先端に固定され、主軸3をモータ等の駆動機により矢印Aに示すように回転させると、ベルマウス2の吸込口から矢印Bに示すように流入した水等は流路13を通って矢印Cに示すように吐出される。
流路13の内面にはキャビテーションの衝撃荷重を電圧信号に変換する複数個の圧電素子(衝撃荷重センサ)14を設置すると共に、該圧電素子14のそれぞれに発光素子15を接続している。発光素子15は圧電素子14から出力される電圧信号を光に変換する電圧・光変換素子である。該発光素子15はその発光する光をベルマウス2やポンプケーシング4に設けた透光材料からなる観測窓5を通して外部から観測できる位置、即ち発光素子15からの光Lが観測窓5を通して外部に放射される位置、ここでは主板11や側板12の所定位置や羽根車1の回転中心部に設置している。このように外部で発光素子15から発する光を観測できるようにすることにより、発光した発光素子15からその発光素子15に接続された圧電素子14を特定でき、流路13の内面の圧電素子14が設置された位置でキャビテーションが発生し、この位置領域が壊食の危険がある領域であることがわかる。
また、発光素子15が発光する光量から壊食量を予測することが可能である。定量的に壊食量を予測するためには、図2(a)に示すように、供試液中に液没された圧電素子14に磁歪振動子20からある一定の基準衝撃荷重を加え、その時の圧電素子14からの電圧信号を発光素子15に出力する。この時の発光素子15が発する光量を基準光量とし、この基準光量と流路13の面に配置された圧電素子14の電圧信号を発光素子15で変換した光量とを比較することにより、圧電素子14に加わる衝撃荷重の大きさを知ることができる。また、図2(b)に示すように、磁気歪振動子20に替え、ウォータジェットノズル21を配置し、該ウォータジェットノズル21から圧電素子14に一定の基準衝撃荷重を与えるウォータジェットを噴射し、この時の発光素子15が発する光量を基準光量とし、この基準光量と発光素子15が発する光量とを比較することにより、圧電素子14に加わる衝撃荷重の大きさを知ることができる。
図示は省略するが、ポンプの外側に上記発光素子15が発する光を受光する受光部を備えた壊食領域及び壊食量を予測する壊食領域・壊食量予測装置を設け、自動的に壊食領域及び壊食量の予測をすることができる。この壊食領域・壊食量予測装置には演算装置や上記圧電素子14に基準衝撃荷重を加えた場合に発光素子15が発する基準光量を記憶する記憶部等を設ける。そして光を発する発光素子15からそれに接続されている圧電素子14の設置位置を特定し、更に当該発光素子15が発する光量と記憶部に記憶している基準光量を比較することにより、壊食領域及び壊食量を予測することができる。また、発光素子15からの光量の信号の時間変化を長時間観察記録する他、平均光量を多重露光の画像から計測して、壊食量を予測することができる。
衝撃荷重を電圧に変換する圧電素子14としては、通常の圧電素子が一般的である。圧電素子を構成する圧電材料の種類としては、水晶、酸化亜鉛、ロッシェル塩、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、リチウムテトラボレート、ランガサイト、窒化アルミニウム、トルマリン等、既知のいかなるものを用いても良い。また、PVDF、PVDF系共重合体、P(VDF/TrFE),P(VDCN/Vac)等の高分子圧電材を用いても良い。特に高分子圧電材は可撓性が高く、薄膜化しやすいので複雑な曲面に貼り付けやすい特徴を持っており、複雑形状の水力機械の内部流路面に設置するのに適している。高分子圧電材の中でもPVDFは、機械エネルギーから電気エネルギーへの変換効率が高い。
誘電体である圧電材料を、キャビテーション衝撃荷重の計測に用いる際は、通常は薄膜状に成型し、加圧によって厚み方向の表面に現れる電荷を薄膜の表裏面に別途設置した薄膜状の電極から取り出して電圧信号とする。電極の設置方法としてはアルミニウム等の蒸着や銀粒子の焼付けコーティングなどである。この時、圧電体薄膜の表裏面全面に電極を設置せず、部分的に設置する場合は、表面電極と裏面電極が薄膜面に対して、おおよそ重なっている箇所の電荷のみを信号として出力することになる。
このことから、図3に示すように、PVDF等の高分子圧電膜30の表面に細い(約1〜2mm幅)のリボン状の電極31を複数本、概ね平行に設置し、更に裏面に細い(約1〜2mm幅)のリボン状の電極32を複数本、前記電極31に直交させ、且つ概ね平行に設置して、高分子圧電膜30に格子状の複数の衝撃荷重センサーを設置した構成のセンサーを製作することができる。高分子圧電膜30の表面のリボン状の電極31の本数をM本、裏面のリボン状の電極32の本数をN本とすると衝撃荷重センサー(圧電素子)の個数はM×N個となる。このように広い面積に多数のセンサーを容易に設置することが可能となる。このように可撓性を有する高分子圧電膜30に複数個の衝撃荷重センサーを設置した構成のセンサーは水力機械の複雑な形状を有する内部流路に設置するのに適する。また、M×N個のセンサーを、図4に示すようにマルチプレクサ回路16を用いて発光素子15に接続する。
マルチプレクサ回路16により、複数の圧電素子14の内から1個の圧電素子14が選択され発光素子15に接続することにより、発光素子15が発光すれば、それに接続された圧電素子14にキャビテーション衝撃荷重が印加されたことになる。マルチプレクサ回路16により発光素子15に接続する圧電素子14を順次切り替えることにより、流路13内でキャビテーションによる壊食が発生する領域が特定できる。また、このようにマルチプレクサ回路16を介して発光素子15に接続する圧電素子14を順次切り替えることにより、発光素子15の数を大幅に削減できる。発光素子15で発光した光は光路17を通って壊食領域・壊食量予測手段18の受光部(図示せず)で受光されるようになっている。壊食領域・壊食量予測手段18には、図示しない演算部、データ記憶部を具備し、発光時の発光素子15に接続されている圧電素子14の特定、その光量と前記基準光量との比較等から、流路13内の壊食領域と壊食量を予測する。なお、発光素子15は1個以上数個としてもよい。
ここで、リボン状の電極31,32は等しい幅である必要はなく、一つの高分子圧電膜30に対して何種類か幅を変えたリボン状の電極を設置してもよい。また、一本のリボン状の電極において途中で幅を変えても良い。例えば交差して衝撃荷重センサーを形成する箇所のみリボン状の電極を太く(幅広く)し適切な面積のセンサーを構成し、その他の箇所でリボンを細くしても良い。徒に太いリボン状の電極を用いるとセンサーの電気容量(静電容量)が増大し、衝撃荷重センサーの電圧出力が小さくなるので望ましくない。このような面状に多数の衝撃荷重センサーを配置した構成のセンサーを製作する際はPVDFのような可撓性が高い高分子圧電材料が適している。
多数個の衝撃荷重センサーのうち、表面と裏面のリボン状の電極の組み合わせが全く異なるものに関しては同時計測が可能であるが、表面と裏面のリボン状の電極のうちどちらかが共通のセンサーは共通のリボン状の電極を通じて電荷が逃げるので同時計測はできない。また、圧電材料に印加される衝撃荷重の応力波としては圧電材内を伝播するので、各衝撃荷重センサー間のクロストークを十分低減するためにはリボン状の電極の幅と間隔を適切な値に設定する必要がある。
上記発光素子15としては、電球、発光ダイオード、半導体レーザー等いかなる電気・光変換素子を用いても良いが、小型であること、光量が大きいこと、消費電力が小さいこと、適切な応答周波数をもつこと、耐久性が高いこと(湿度の上昇、並びに遠心力や加速度、キャビテーションの衝撃荷重に対し)が必要とされる。応答周波数に関しては、十分高い場合には数μ秒のオーダーで変化する衝撃荷重の信号を時間的に一対一の光信号に変換する。そこまでの高い応答周波数のない発光素子でも、光量の時間平均出力が、衝撃荷重の時間平均量(平均方法には多様がある)と相関が取れれば使用可能である。
小型の発光素子に関しては、例えば1×0.6×0.2mmのLEDが市販されており、本発明の目的を達成する発光素子として十分小さいものが入手可能である。PVDF圧電膜の圧電素子と市販のLEDの発光素子の結線により他の素子を全く付加しなくても発光信号を得られるが、適宜、圧電素子と発光素子の間に増幅器及び増幅器駆動電源(一次電池、二次電池、スリップリングやマイクロウェーブ伝送、電磁誘導等を用いた静止系の外部電力の投入等いずれでもよい)を付加し、電圧信号の増幅やインピーダンス変換をおこなっても良い。
上記発光素子15が発する光を観察する方法としては、対象物が静止している場合では人間の目視により、発光パルスの大小や頻度から定性的に把握することができる。羽根車1のように、対象物が回転している場合には、一般には発光点が回転する。これに対し、一般にはキャビテーションによる衝撃荷重発生時には、数μ秒程度の幅のパルス信号がランダムに発生するため、一枚の写真(銀塩、ディジタルのいずれも)では正確な情報は得られない。そこで使用できる方法(図4の壊食領域・壊食量予測手段18)としては、受光部にハイスピード動画撮影装置撮影(電子画像或いは映画フィルム)を用いる方法、回転角信号に同期して静止画像(銀塩、ディジタルのいずれでも)を多数回繰り返し統計量を得る方法、回転角に同期したシャッター動作により多重露光の静止画撮影(銀塩、ディジタルのいずれでも)を行う方法が挙げられる。
このうち、ハイスピード動画撮影装置は高価なため容易に導入しにくい欠点がある。また、通常のハイスピード動画装置において数μ秒オーダーの光量変化を複数コマで撮影するのは極めて難しい。一方、回転体の回転中心、例えば羽根車1のベルマウス2側の回転中心部は回転中も一点に静止して観察されるので、例えば羽根車1の止めナット6の先端中心に発光素子15を設置すれば、通常の安価な動画撮影装置(CCDカメラやCMOSカメラ)で時間変化を観察できる(静止画の長時間露光でも良い)。また、厳密に回転中心ではなくとも発光素子15の回転時に観察される円軌道が撮影できる条件ならば、発光信号を光る円弧として撮影されるので、特別な高速動画撮影装置や回転同期装置無しに、安価な動画撮影装置や長時間露光静止画で光信号のデータを撮影できる。この時、複数の発光素子15の信号が混在しないように、各発光素子15は同一の回転体に対して、上述の円軌道又は円弧が一致する、或いは撮影条件によってそれらの一部が一致する位置には一つしか配置できない。
このような条件下で圧電素子14に対し、発光素子15の個数が相対的に少ない場合は回転体内(羽根車1内)に図4に示すように、マルチプレクサ回路を設置し、発光素子15と圧電素子14の組み合わせを切り替えることで全圧電素子14の信号を観察することができる。このマルチプレクサ回路の駆動制御は外部制止系或いは内部回転系からの信号で制御し、観察している発光素子15の光はどの圧電素子14の電圧出力信号によるものかを明確に把握できるようにする必要がある。
発光素子の光量観察の方法として上記例では、二次元的な撮像装置を用いる方法を述べたが、発光素子との位置関係(空間的、時間的)を適切に設置された一つ乃至数個の光電変換素子(受光素子)(フォトダイオード、フォトトランジスター、光電池等)で観察してもよい。この際、光ファイバー等による光信号伝送系を適宜用いてもよい。回転体に用いる場合は観察される信号に、発光素子と受光素子の位置関係の変化の影響が含まれることを考慮してデータ処理する必要がある。
圧電素子14や発光素子15は適切に絶縁する必要がある。単なる電気絶縁に関しては既知の熱収縮チューブを用いればよいが、圧電素子14に関しては、適切な衝撃荷重を伝える絶縁が必要である。一方、発光素子15に関しては光を透過する透明な絶縁処理が必要である。このような方法としては圧電素子14に関しては、例えば既知のポリイミドテープによる保護などが望ましい。また、発光素子に関しては透明プラステイックによるモールディングなどが望ましい。
通常、キャビテーションの材料壊食試験としては磁歪振動子式の試験機か、或いは水中水噴流式の試験機を用い、基準となる強さのキャビテーションを発生させ、それに各種の材料試験片をさらし、その壊食状況を計測することが一般的である(それぞれ規格ありASTM G32.ASTM G134)。ここで、対象試験装置に設置した圧電素子・発光素子系に対し、予め、これらと同等の基準となるキャビテーション衝撃を印加することによって壊食作用の強さを定量的に検定することができる。図2(a)、(b)に示すように対象とする圧電素子14を供試液中に液没させた状態で基準キャビテーション発生装置を小型化したのと同等の磁歪振動子20やウォータジェットノズル21を接近させて、基準キャビテーションを印加する。この時圧電素子14で発生した電圧信号を発光素子15で光に変換し、この発光状態を計測することによって、実際の試験状態のキャビテーションの強さを定量的に計測することができる。
これに用いる基準キャビテーションの発生装置は、計測対象装置、例えばポンプ、水車等の内部流路に挿入して作動させることから、規格化された試験機を概ね小型化し、形状にも適宜修正を加えたものとなる。このため、別途、規格化された試験装置と小型改良試験装置のキャビテーション強さの検量線を求める必要がある。
一方、検定された衝撃加重センサーの出力から壊食量を求めることが可能である。先ず基準キャビテーションの発生時の発光素子の発光状態を計測する。次に基準キャビテーションの発生時に圧電素子の出力を発光素子を接続せず、出力電圧信号を正確に計測する。圧電素子の衝撃荷重−出力電圧の検定を別途、鋼球落下法等で行った上で、電圧信号から求められたキャビテーションの強さと発光量の検量線を求める。その上で、圧電素子と発光素子を再度接続し、実際の試験状態のキャビテーションの強さを発光量から定量的に計測することができる。
なお、対象物が上記羽根車1のように回転体の場合、回転状態のままで基準キャビテーション発生装置を圧電素子に接近させることは、通常不可能である。この場合は、前述のように回転体の回転中心に設置した発光素子を用い、回転体が回転している状態でも静止している状態との光学的差異が少ない条件下で、対象物を静止したまま基準キャビテーションの測定を行い、検量線を求めることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態例では、実機水力機械であるポンプの羽根車の流路面に圧電素子を設置し、該羽根車の所定の位置に発光素子を配置しているが、実機水力機械に限定されるものではなく、モデル水力機械であってもよい。また、水力機械もポンプに限定されるものではなく、キャビテーションにより内部流路に壊食が発生する水力機械であれば本発明は適用できる。
本発明に係る壊食予測方法を実施する渦巻ポンプの吸込部及び羽根車部の一部を示す断面図である。 基準キャビテーション発生装置と圧電素子と発光素子を示す図である。 本発明に係る壊食予測方法に用いる衝撃荷重センサーの外観構成例を示す図である。 本発明に係る水力機械の壊食予測装置のシステム構成を示す図である。
符号の説明
1 羽根車
2 ベルマウス(吸込ケーシング)
3 主軸
4 ポンプケーシング
5 観測窓
11 主板
12 側板
13 流路
14 圧電素子
15 発光素子
16 マルチプレクサ回路
17 光路
18 壊食領域・壊食量予測手段
20 磁歪振動子
21 ウォータジェットノズル
30 高分子圧電膜
31 リボン状の電極
32 リボン状の電極

Claims (8)

  1. 水力機械の内部流路にキャビテーションによって発生する壊食を予測する水力機械の壊食予測方法であって、
    実機水力機械或いはモデル水力機械の前記内部流路面にキャビテーションの衝撃荷重を電圧信号に変換する圧電素子を設置し、該水力機械の所定位置に前記圧電素子が発する電圧信号を光に変換する発光素子を設置し、キャビテーション発生時に、前記発光素子が発する光を計測し、前記内部流路のキャビテーションにより壊食が発生する領域及び/又は壊食量の予測を行うことを特徴とする水力機械の壊食予測方法。
  2. 請求項1に記載の水力機械の壊食予測方法において、
    前記圧電素子は前記水力機械の内部流路面に複数個設置され、前記発光素子が光を発したときの前記圧電素子の設置位置と発光量からキャビテーションにより壊食が発生する領域及び/又は壊食量の予測を行うことを特徴とする水力機械の壊食予測方法。
  3. 水力機械の内部流路にキャビテーションによって発生する壊食を予測する水力機械の壊食予測装置であって、
    実機水力機械或いはモデル水力機械の前記内部流路面にキャビテーションの衝撃荷重を電圧信号に変換する圧電素子を設置すると共に、該水力機械の所定位置に前記圧電素子が発する電圧信号を光に変換する発光素子を設置し、キャビテーション発生時に、前記発光素子が発する光を計測し、前記内部流路のキャビテーションにより壊食が発生する領域及び/又は壊食量の予測をする壊食領域・壊食量予測手段を設けたことを特徴とする水力機械の壊食予測装置。
  4. 請求項3に記載の水力機械の壊食予測装置において、
    前記圧電素子は前記水力機械の内部流路面に複数個設置され、前記壊食領域・壊食量予測手段は前記発光素子が光を発したときの前記圧電素子の設置位置と発光量からキャビテーションにより壊食が発生する領域及び/又は壊食量の予測を行う機能を備えたことを特徴とする水力機械の壊食予測装置。
  5. 請求項4に記載の水力機械の壊食予測装置において、
    前記発光素子の個数は前記圧電素子の個数より少なく、前記圧電素子は切り替え手段を介して前記発光素子に接続されるようになっていることを特徴とする水力機械の壊食予測装置。
  6. 請求項4又は5に記載の水力機械の壊食予測装置において、
    前記複数の圧電素子は、複数の圧電素子が形成された圧電フィルムを1枚又は複数枚前記水力機械の内部流路面に貼り付けて構成されていることを特徴とする水力機械の壊食予測装置。
  7. 請求項3乃至6のいずれか1項に記載の水力機械の壊食予測装置において、
    前記圧電素子及び発光素子は前記水力機械の回転部に設置され、前記壊食領域・壊食量予測手段は静止部に設置され、前記発電素子と前記壊食領域・壊食量予測手段の間には該発光素子が発する光を該壊食領域・壊食量予測手段の受光部に導く光路が設けられていることを特徴とする水力機械の壊食予測装置。
  8. 請求項7に記載の水力機械の壊食予測装置において、
    前記発光素子は前記回転部の回転中心部に設置されていることを特徴とする水力機械の壊食予測装置。
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