JP5062108B2 - イヤホン - Google Patents

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Description

本発明はイヤホンに関し、特に外耳道に挿入される挿入部を有するイヤホンに関する。
例えば、イヤーピースなどを外耳道に挿入して、音声出力部から出力される音声を聞くカナル型イヤホンが知られている。このようなカナル型イヤホンにおいて、外部への音漏れを抑制すべく、細長く構成されたイヤホンを防音性の弾性体で包み込んだ防音イヤホンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、外耳道から外に配置される音響発生部分を小さくすべく、例えば外耳道に送入される挿入チューブ内に圧電音響体を配置した圧電式イヤホンが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−237786号公報 特開平09−252496号公報
近年、ポータブルミュージックプレーヤの普及に伴い、良好な音質で音声出力可能なカナル型イヤホンの開発が益々求められている。しかしながら、例えば上述の特許文献に記載されるように音声出力部を外耳道の内部に配置するためには、音声出力部を小さく設ける必要がある。一般的に音声出力部は、小さくするほど良好な音質で音声を出力することが困難となるため、音声出力部を外耳道の内部に配置するときは、出力される音声の音質低下の抑制が課題となる。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、音質低下を抑制しつつ音声出力部を外耳道に包含させたイヤホンを提供することにある。
上記課題を解決するために、筒状部(116a)と、一面から音声を出力する音声出力部(130)と、イヤーピース(118)と、を備え、前記音声出力部(130)は、その他面(130b)が前記筒状部(116a)の前記一端部の端面(116a1)に当接して前記筒状部(116a)に対して固定され、前記イヤーピース(118)は、前記筒状部(116a)の一部及び前記音声出力部(130)の一部を覆い、前記筒状部(116a)及び前記イヤーピース(118)の少なくとも一部及び前記音声出力部(130)が外耳道内に収納可能とされているイヤホン(110)を提供する。
本発明によれば、音質低下を抑制しつつ音声出力部を外耳道に包含させたイヤホンを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)は、第1の実施形態に係るイヤホン10の正面図であり、図1(b)は、第1の実施形態に係るイヤホン10の左側面図であり、図1(c)は、第1の実施形態に係るイヤホン10の上面図である。図1(a)〜図1(c)は、左耳用のイヤホン10を示す。
イヤホン10は、ステレオ音声出力用のイヤホンユニット(図示せず)に含まれる。イヤホンユニットは、右耳用のイヤホン、接続プラグ、およびケーブルをさらに備える。右耳用のイヤホン(図示せず)は、イヤホン10と面対称に形成されている。ケーブルは途中から二股に分かれるように設けられる。二股に分かれていない端部に接続プラグが結合され、二股に分かれた端部の各々に左耳用のイヤホン10および右耳用のイヤホンがそれぞれ結合される。
接続プラグは、ポータブルミュージックプレーヤなどの音声出力機器のヘッドホン端子(図示せず)に挿入される。このとき接続プラグに音声出力に利用される電気信号が入力されると、ケーブルを介して、左側音声出力に利用される電気信号は左耳用のイヤホン10に伝達され、右側音声出力に利用される電気信号は右耳用のイヤホンに伝達される。なお、イヤホンユニットがモノラル音声出力用として設けられてもよい。また、イヤホンユニットが、2つのイヤホンを有しておらず片耳用の単一のイヤホンを有していてもよい。
以下、図1(a)〜図1(c)に関連してイヤホン10の構成について説明する。なお、左耳用のイヤホン10を説明することで、右耳用のイヤホンの説明は省略する。
また、図8はイヤホン10の分解斜視図であり、この図8も参照しながら説明する。
イヤホン10は、本体16、イヤーピース18、クッション22、オーナメント24、およびブッシング26を有する。本体16は樹脂によって形成され、筒部16aと筒部16aから径外向きに突出する傾斜部16bとによって構成される。筒部16aの軸方向がイヤホン10の外耳道への挿入方向D1となる。筒部16aの先端にはイヤーピース18が取り付けられる。また、傾斜部16bにおける筒部16aが延在する方の側面にクッション22が取り付けられる。本体16の前面にはオーナメント24が取り付けられ、本体16の下面にはブッシング26が下方に延在するよう取り付けられる。
以下、筒部16aおよびイヤーピース18など、イヤホン10の外耳道への挿入方向D1に延在するイヤホン10の構成要素を挿入部12という。また、傾斜部16bやクッション22など、挿入部12から径外向きに突出するイヤホン10の構成要素を挿入規制部14という。挿入部12は、使用時にユーザの外耳道に先端の一部が挿入される。挿入規制部14は、挿入部12が想定挿入位置まで挿入されたときに、耳介の一部に当接して想定挿入位置より奧への挿入部12の挿入を規制する。
図2(a)は、第1の実施形態に係るイヤホン10の下方向から見た断面図であり、図2(b)は、オーナメント24を取り外したときのイヤホン10を、図2(a)の視点Pから見た図である。以下、図2(a)および図2(b)の双方に関連してイヤホン10の構造について詳細に説明する。
イヤホン10は、ドライバユニット30、ユニットホルダ32、および制振ジェル34をさらに有する。ドライバユニット30は、筒部16aと同一の外径を有する、高さの低い円柱状に形成される。ドライバユニット30は、ボイスコイル(図示せず)に電気信号が供給されることにより駆動される振動板(図示せず)の振動音を外耳道内に出力する。
したがって、ドライバユニット30は音声出力部として機能する。ドライバユニット30は、端面の一方が、振動板から発せられる音声が出力される音声出力面30aとなる。
また、裏面30b側には、外部から供給される電気信号を伝達するリード線が接続される一対の端子30tが設けられている。
ユニットホルダ32は、内径がドライバユニット30の外径と同一になるよう形成される。また、ユニットホルダ32の底部には、音声が良好に通過するよう、微小な円形の貫通孔32b(図11参照)が多数設けられている。ユニットホルダ32の開口部近傍には、径内向きに突出する係止突部32aが組み立て工程におけるかしめ作業により設けられる。
一方、筒部16aの先端近傍には、径内向きに凹む第1係止溝16hが設けられている。ユニットホルダ32は、音声出力面30aが底部に突き当たるようドライバユニット30を内部に収容し、筒部16aの開口端部16a1がドライバユニット30の裏面30bに当接した状態で、係止突部32aが第1係止溝16hに係止されることにより、ドライバユニット30を本体16に固定する。
この係止はカシメ加工で係止突部32aを形成することでなされる。
ユニットホルダ32は、金属によって有底の薄い円筒状に形成される。このようにユニットホルダ32を金属で形成することにより、ユニットホルダ32を薄く形成することができ、挿入部12の太さを抑制することができる。第1の実施形態では、ユニットホルダ32はアルミニウム材によって形成される。なお、ユニットホルダ32を形成する材料はアルミニウム材料に限られないことは勿論であり、例えば銅合金や鉄系材料、ステンレス材料など他の金属材料が用いられてもよい。また、ユニットホルダ32の表面に、例えばクロムメッキなどの表面処理が施されても良い。
ここで、後述するように、ドライバユニット30は外耳道の想定挿入位置まで挿入部12が挿入されたときに、外耳道にその全体が包含される。このようにドライバユニット30を外耳道に包含可能とするためには、ドライバユニット30の径を小さくする必要がある。一方、ドライバユニット30の径を小さくすると、内蔵されたボイスコイルや永久磁石などのサイズも小さくする必要が生じる。したがって、ドライバユニット30を小型化していくと、出力される音声の音質低下を抑制するのは次第に困難となる。
このため、本体16の筒部16aには、先端部に開口部を有する空隙部であるバックキャビティBCを形成するための筒状の内面を有するバックキャビティ部16cが設けられている。この実施例では、バックキャビティ部16cは円筒状とされる。バックキャビティBCは、筒部16aにおける開口部を有する開口端部16a1がドライバユニット30の裏面30bに当接することにより画定される。このようなバックキャビティBCを設けることにより、ドライバユニット30を小型化することによる音質の低下を抑制できる。なお、バックキャビティBCを設けることにより、ドライバユニット30を小型化することによる低音域の出力低下を特に補完する効果があることが発明者の研究開発の結果明らかになっている。
さらに、バックキャビティBCとバックキャビティ部16cは、外耳道の想定挿入位置まで挿入部12が挿入されたときに、その一部が外耳道に包含されるよう形成される。これにより、バックキャビティ部16cを設けることに起因して耳介の外部に突出する部分の大きさを抑制することができる。
イヤーピース18は、ゴムなどの弾性材料によって形成される。イヤーピース18は有底の円筒部を有し、当該底部には円形の貫通孔である音声出力孔18aが設けられる。また、イヤーピース18には、当該筒状部の底部に一体的に結合する傘状部18bが設けられる。イヤーピース18の筒状部の開口部近傍には、径内向きに突出する係止突部18cが設けられている。一方、第1係止溝16hよりも開口部から微小に離間した筒部16aの表面には、径内向きに凹む第2係止溝16iが設けられている。この第2係止溝16iに係止突部18cが係止されることにより、筒状部によってユニットホルダ32の全体を包み込むようにイヤーピース18が本体16に取り付けられる。以上により、ドライバユニット30の音声出力面30aからの音声は、ユニットホルダ32の多数の貫通孔およびイヤーピース18の音声出力孔18aを通過して外部に出力される。
本体16には、バックキャビティ部16cと底部16lを挟んで同軸に延在し、本体16の前面において開口するジェル挿入孔16fが設けられている。バックキャビティ部16cとジェル挿入孔16fとに介在する底部16lには、貫通孔であるワイヤ挿通孔16dおよび同じく貫通孔である複数の通気孔16eが設けられている。ワイヤ挿通孔16dには、ドライバユニット30に接続されて電気信号を供給するワイヤ(リード線)が挿通される。通気孔16eは、ドライバユニット30に内蔵された振動板が円滑に振動できるよう、バックキャビティBCと外気とを連通させる。
ジェル挿入孔16fには、ジェル挿入孔16fの内径と略同一の外径を有する円盤状の制振ジェル34が配置される。制振ジェル34は、例えばケーブルと衣服とがこすれて生じた音の鼓膜への伝達を抑制し、また、ドライバユニット30によって発生した振動を吸収して外部への音漏れを抑制する。このため制振ジェル34は、制振性能の高い材料によって形成されている。制振ジェル34は、それぞれワイヤ挿通孔16dおよび通気孔16eと同じ形状および同じ位置に形成されるワイヤ挿通孔34aおよび通気孔34bが設けられている。制振ジェル34は、底部に突き当たるまでジェル挿入孔16fに挿入される。また、ジェル挿入孔16fの側壁には、ブッシング26を取り付けるためのブッシング挿入孔16gが設けられている。
本体16の前面には、オーナメント24を取り付けるためのオーナメント取付部16kが設けられている。オーナメント取付部16kは、本体16の前面から一定の深さでくり抜かれたように形成される。このオーナメント取付部16kにオーナメント24が嵌め込まれて固定される。オーナメント24はアルミニウム材料によって形成される。なお、オーナメント24が他の材料によって形成されてもよいことは勿論である。
また、本体16の傾斜部16bには、オーナメント取付部16kとその裏面とに貫通するクッション取付孔16jが設けられている。クッション22は、耳介当接部22aおよび取付突部22bによって構成される。耳介当接部22aは、イヤホン10がユーザの耳に装着されたときに耳介に当接する。取付突部22bは、クッション22を本体16に取り付けるべく、耳介当接部22aから外部に突出するよう形成される。この取付突部22bがクッション取付孔16jに嵌め込まれることによりクッション22が本体16に固定される。
なお、第1の実施形態では、挿入規制部14は、挿入部12が外耳道に挿入されるときの挿入方向D1と垂直な面(以下、「垂直面PL1」という)に対して角度θをもって延在する。具体的には、開口部近傍における耳介と外耳道の延在方向とが成す角度を考慮し、挿入規制部14は、垂直面PL1に対してθ=23.5度を成す方向に延在する。このような角度に設定することで、イヤホン10がユーザの耳に装着されたときに、オーナメント24が前後方向に延在するよう配置することができ、装着時におけるイヤホン10の快適な装着感とイヤホン10の高いデザイン性の双方を実現することができる。なお、挿入規制部14は、垂直面PL1に対して例えば20度以上30度以下の角度を成す方向に延在してもよい。このような角度の範囲で挿入規制部14が延在しても、装着時におけるイヤホン10の装着感およびデザイン性を維持することができる。
図3は、ユーザの右耳に右耳用のイヤホン10が装着されたときの状態を示す外観図である。なお、図3に示すイヤホン10は、図1および図2に示す左耳用のイヤホン10に対して線対称に形成されたものである。耳介94は、外耳道の開口部周辺において椀状部94aを有する。傾斜部16bは、イヤホン10がユーザの耳に装着されたときに、この椀状部94aの内壁に先端部16mが当接する長さに形成されている。上述のように挿入規制部14は、垂直面PL1に対して角度θをもって延在している。したがって、傾斜部16bが椀状部94aの内壁に当接することで、挿入部12を外耳道の内部に挿入させる方向に反力が与えられる。このため、取れにくく良好な装着感をユーザに与えることができる。
図2に戻る。クッション22は、先端部16mの位置まで延在していてもよい。また、クッション22とは別の弾性部材が先端部16mの位置に設けられてもよい。このとき当該別の弾性部材はクッション22よりも柔らかい部材で形成されてもよい。これにより、イヤホン10の装着感をより向上させることができる。
さらに、挿入規制部14は、自身の延在方向および挿入部12が外耳道に挿入されるときの挿入方向D1の双方に直交する方向の幅、すなわち図2(b)における左右方向の第2幅W2が、挿入部12のうちユニットホルダ32の当該方向の第1幅W1と略同一に形成される。第1の実施形態では、ドライバユニット30を挿入部12に収容している。したがって、挿入規制部14にドライバユニット30を収容する必要がないため、挿入規制部14の幅を挿入部12の幅と容易に略同一にすることができる。
挿入規制部14の幅が大きくなると、挿入規制部14が椀状部94aに配置されたときに、挿入規制部14を着脱するための指のスペースが不足する可能性がある。このように挿入規制部14の幅を挿入部12の幅と略同一とすることにより、ユーザの耳にイヤホン10が装着されたときに、挿入規制部14の周辺に指のスペースを確保することができ、イヤホン10の耳への着脱を容易なものとすることができる。
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係るイヤーピース50の外観を示す斜視図である。なお、イヤーピース18に代えてイヤーピース50が採用される点以外は、第2の実施形態に係るイヤホンの構成は、第1の実施形態に係るイヤホン10と同様である。
ドライバユニット30の裏面30bは、通気孔16eおよび通気孔34bを介して外気に連通している。しかし、ドライバユニット30が外耳道に包含されているため、ドライバユニット30が外耳道の外部に配置される場合に比べ、ドライバユニット30の音声出力面30aを外気との連通が困難となる。
このため、イヤーピース50の傘状部50bには、傘状部50bの先端から後端に伸びる溝50cが設けられている。これにより、ユーザがイヤーピース50を外耳道に挿入したときに、溝50cを介して外耳道の内部と外気とを連通させることができる。このため、さらにイヤーピース50の先端に設けられた音声出力孔50aを介して音声出力面30aと外気とを連通させることができ、振動板40をさらに円滑に振動させることができる。
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態に係るイヤーピース52の外観を示す斜視図である。なお、イヤーピース18に代えてイヤーピース52が採用される点以外は、第3の実施形態に係るイヤホンの構成は、第1の実施形態に係るイヤホン10と同様である。
イヤーピース52の傘状部52bには、外面全域にわたって厚み方向に凹凸するシボが設けられる。これにより、ユーザがイヤーピース52を外耳道に挿入したときに、外耳道の壁面と傘状部52b外面との間に空気が流動する微小な経路が多数できるため、外耳道の内部と外気とを傘状部52bの外面を介して連通させることができる。このため、さらにイヤーピース52の先端に設けられた音声出力孔52aを介して音声出力面30aと外気とを連通させることができ、振動板40をさらに円滑に振動させることができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1の実施形態に対して、後述の吸音シート170、防塵シート172、吸音片174、リング176、およびウエイト178をさらに備えたものであり、以下、イヤホン110として図9〜図11を用いて説明する。
図9(a)は、第4の実施形態に係るイヤホン110の正面図であり、図9(b)は、第4の実施形態に係るイヤホン110の左側面図であり、図9(c)は、第4の実施形態に係るイヤホン110の上面図である。図9(a)〜図9(c)は、左耳用のイヤホン110を示す。
イヤホン110は、ステレオ音声出力用のイヤホンユニット(図示せず)に含まれる。イヤホンユニットは、右耳用のイヤホン、接続プラグ、およびケーブルをさらに備える。右耳用のイヤホン(図示せず)は、イヤホン110と面対称に形成されている。ケーブルは途中から二股に分かれるように設けられる。二股に分かれていない端部に接続プラグが結合され、二股に分かれた端部の各々に左耳用のイヤホン110および右耳用のイヤホンがそれぞれ結合される。
接続プラグは、ポータブルミュージックプレーヤなどの音声出力機器のヘッドホン端子(図示せず)に挿入される。このとき接続プラグに音声出力に利用される電気信号が入力されると、ケーブルを介して、左側音声出力に利用される電気信号は左耳用のイヤホン110に伝達され、右側音声出力に利用される電気信号は右耳用のイヤホンに伝達される。なお、イヤホンユニットがモノラル音声出力用として設けられてもよい。また、イヤホンユニットが、2つのイヤホンを有しておらず片耳用の単一のイヤホンを有していてもよい。
以下、図9(a)〜図9(c)に関連してイヤホン110の構成について説明する。なお、左耳用のイヤホン110を説明することで、右耳用のイヤホンの説明は省略する。
イヤホン110は、本体116、イヤーピース118、クッション122、オーナメント124、およびブッシング126を有する。本体116は樹脂によって形成され、筒部116aと筒部116aから径外向きに突出する傾斜部116bとによって構成される。筒部116aの軸方向がイヤホン110の外耳道への挿入方向D1となる。筒部116aの先端にはイヤーピース118が取り付けられる。また、傾斜部116bにおける筒部116aが延在する方の側面にクッション122が取り付けられる。本体116の前面にはオーナメント124が取り付けられ、本体116の下面にはブッシング126が下方に延在するよう取り付けられる。
以下、筒部116aおよびイヤーピース118など、イヤホン110の外耳道への挿入方向D1に延在するイヤホン110の構成要素を挿入部112という。また、傾斜部116bやクッション122など、挿入部112から径外向きに突出するイヤホン110の構成要素を挿入規制部114という。挿入部112は、使用時にユーザの外耳道に先端の一部が挿入される。挿入規制部114は、挿入部112が想定挿入位置まで挿入されたときに、耳介の一部に当接して想定挿入位置より奧への挿入部112の挿入を規制する。
図10(a)は、第4の実施形態に係るイヤホン110の下方向から見た断面図であり、図10(b)は、オーナメント124を取り外したときのイヤホン110を、図10(a)の視点Pから見た図である。
また、図11は、イヤホン110の分解斜視図である。以下、図10(a)および図10(b)の双方に関連し、図11を参照しながらイヤホン110の構造について詳細に説明する。
イヤホン110は、ドライバユニット130、ユニットホルダ132、および制振ジェル134をさらに有する。また、加えて、吸音シート170、防塵シート172、吸音片174、リング176、およびウエイト178を有する。
ドライバユニット130は、筒部116aと同一の外径を有する、高さの低い円柱状に形成される。ドライバユニット130は、ボイスコイル(図示せず)に電気信号が供給されることにより駆動される振動板(図示せず)の振動音を外耳道内に出力する。
したがって、ドライバユニット130は音声出力部として機能する。ドライバユニット130は、端面の一方が、振動板から発せられる音声が出力される音声出力面130aとなる。
また、端面の他方である裏面130bには、外部から供給される電気信号を伝達するリード線180,180(図10では一点鎖線で図示)が接続される一対の端子130tが設けられている。
吸音シート170は、吸音ウールを用い円板状に形成される。
中央には、外径に対して約21%の径で開口部170aが形成されている。
具体的な寸法例としては、外径φ5.6mm、開口部径φ1.2mm、厚さ0.5mmである。
開口部170aの径は、比率約21%のものに限定されるものではない。
この開口部170aの開口面積を変えることで、主に再生音の高音域の音質を調整することができる。聴感上、特に高音域の滑らかさを調整することができる。
防塵シート172は、不織布を用いて形成されており、ドライバユニット130からの再生音に影響を及ぼすことなく外部からの塵や埃がドライバユニット130内に進入するのを防止する。
ユニットホルダ132は、内径がドライバユニット130の外径と同一になるよう形成される。また、ユニットホルダ132の底部には、音声が良好に通過するよう、微小な円形の貫通孔が多数設けられている。
一方、筒部116aの先端近傍には、径内向きに凹む第1係止溝116hが設けられている。ユニットホルダ132の開口部近傍には、径内向きに突出する係止突部132aが組み立て工程におけるカシメ作業により設けられる。
具体的には、カシメ作業により、ユニットホルダ132は、その一部が内方に突き出されて第1係止溝116hに嵌入し、筒部116aに固定されている。
このユニットホルダ132を用いたドライバユニット130の組み付けは、次の作業により行われる。
まず、ユニットホルダ132の底部に、吸音シート170及び防塵シート172をその順に挿入し、次に、ドライバユニット130を、その音声出力面130aが防塵シート172に突き当たるよう内部に収容する。
そして、筒部116aの開口端部116a1にドライバユニット130の裏面130bを当接させ、さらに、吸音シート170が所定量つぶれるようにユニットホルダ132を筒部116a側に付勢する。
この状態で、第1係止溝116hに対応する位置のユニットホルダ132の外周面を、内方にカシメ加工することで係止突部132aを形成し、その係止突部132aが第1係止溝116hに嵌入して係止されることにより、ドライバユニット130を本体116に固定する。
この組み付け工程における吸音シートの所定量は、例えば吸音シートの厚さの半分程度とすればよい。このつぶし量は、ドライバユニット130がガタなく本体116に固定できる量であればよく、限定されるものではない。
ユニットホルダ132は、金属によって有底の薄い円筒状に形成される。このようにユニットホルダ132を金属で形成することにより、ユニットホルダ132を薄く形成することができ、挿入部112の太さを抑制することができる。第4の実施形態では、ユニットホルダ132は黄銅(真鍮)材によって形成される。
なお、ユニットホルダ132を形成する材料は真鍮のような銅系材料に限られないことは勿論であり、例えばアルミニウム系やステンレスなどの鉄系材料など、他の金属材料が用いられてもよい。また、ユニットホルダ132の表面に、例えばニッケルメッキやクロムメッキなどの表面処理が施されても良い。
ユニットホルダ132をこのように金属で形成することで、板厚を例えば0.15mmの薄肉とすることができる。
従って、この場合、筒部116aの外径に対し僅か0.3mmの外径増加のみで、ドライバユニット130を本体116に固定することができ、挿入部112の太さの増加が抑制される。
ここで、後述するように、ドライバユニット130は外耳道の想定挿入位置まで挿入部112が挿入されたときに、外耳道にその全体が包含される。このようにドライバユニット130を外耳道に包含可能とするためには、ドライバユニット130の径を小さくする必要がある。一方、ドライバユニット130の径を小さくすると、内蔵されたボイスコイルや永久磁石などのサイズも小さくする必要が生じる。したがって、ドライバユニット130を小型化していくと、出力される音声の音質低下を抑制するのは次第に困難となる。
このため、本体116の筒部116aには、先端部に開口部を有する空隙部であるバックキャビティBCを形成するための筒状の内面を有するバックキャビティ部116cが設けられている。
この実施例では、バックキャビティBCは円筒状の空間として設けられる。
バックキャビティBCは、筒部116aにおける開口部を有する開口端部116a1がドライバユニット130の裏面130bに当接することにより画定される。このようなバックキャビティBCを設けることにより、ドライバユニット130を小型化することによる音質の低下を抑制できる。なお、バックキャビティBCを設けることにより、ドライバユニット130を小型化することによる低音域の出力低下を特に補完する効果があることが発明者の研究開発の結果明らかになっている。
さらに、バックキャビティBC及びバックキャビティ部116cは、外耳道の想定挿入位置まで挿入部112が挿入されたときに、その一部が外耳道に包含されるよう形成される。これにより、バックキャビティ部116cを設けることに起因して耳介の外部に突出する部分の大きさを抑制することができる。
また、この実施例では、バックキャビティ部116cの内側の空間に、吸音片174とリング176とが収容されている。
まず、先にリング176について詳述する。
リング176は、金属のパイプ状部材である。用いる金属の例としては黄銅(真鍮)がある。具体的な寸法例としては、厚さ0.25mm、外径φ4mm、長さ5.5mmである。
このリング176は、再生音の音質をより向上させるものであり、少なくとも本体116の材料よりも比重の大きい材料を用いると良い。この材料の比重が大きい程、音質向上のより顕著な効果が期待できる。
従って、黄銅(真鍮)はその比重や加工容易性などから好適である。
リング176は、その外径がバックキャビティ部116cの内径とほぼ同じに形成されており、バックキャビティ部116c内にほとんどガタなく収容される。
そして、リング176の外周面はバックキャビティ部116cの内周面に対して、接着剤により固定される。
この実施例では、バックキャビティ部116cの奥隅部に、いわゆるR付けがされている。
従って、リング176のバックキャビティ部116c内でのその軸方向位置は、リング176の先端がバックキャビティ部116cの奥隅部におけるRエンド位置で決定される。
具体的に説明すると、図10(a)において、リング176の長さをLrgとした際に、リング176は、先端がバックキャビティ部116cの底面116pから開口側にRだけ寄った所に位置し、他端(後端)が、底面116pからR+Lrgの位置となる。
ここで望ましくは、筒部116aの軸方向において、その筒部116aの薄肉部がリング176の存在する範囲に含まれることである。
すなわち、図10(a)に示されるように、この実施例における筒部116aの薄肉部は、第1係止溝116h及び第2係止溝116iであるが、底面116pから遠い側にある第1係止溝116hにおける開口側端部の、底面116pからの距離をLmzとすると、Lmz≦Lrg+R の関係になるように各寸法を設定してある。
実施例において、筒部116aの平均肉厚は1.05mmとされ、第1及び第2係止溝はその溝の深さが0.6mmとされているので、残存肉厚は0.45mmである。
すなわち、筒部116aは、各溝部の肉厚が平均肉厚の約43%の薄肉となっている。
この実施例では、筒部116aの先端に、振動源であり、また、重量物であるドライバユニット130が配設されていることから、筒部116aの剛性はできるだけ高い方が好ましい。
それは、筒部116aの剛性が充分でないと、ドライバユニット130の音声出力時に筒部116aが少なからず変形し、また、筒部116aの肉厚が大きく変化するとドライバユニット130から直接伝搬する振動がスムーズに本体116に伝達されず、再生音に何らかの影響が付与される虞があって再生音の向上が難しくなるからである。
これに対し、実施例はリング176を筒部116aと一体になるように配設しているので、筒部116aの剛性が高くなっており、ドライバユニット130の音声出力時に筒部116aが極めて変形し難くなっている。
また、リング176を、筒部116aの軸方向において、その薄肉部である第1係止溝116h及び第2係止溝116iを含むように配設しているので、剛性が高くなるばかりでなく、筒部116aの振動伝搬がスムーズになっている。
従って、再生音への何らかの影響を懸念することなく、再生音をより向上させることが可能となっている。
聴感上、このリング176を配設することにより、再生音の音像がよりはっきりするという効果が得られる。
次に、吸音片174について詳述する。
吸音片174は、吸音ウール材を用いて直方体に形成されている。具体的寸法例としては、縦x横x高さ=2x2x1mmである。吸音片74の形状は直方体に限るものではなく、少なくともバックキャビティBC内に収容できる形状できる形状であればよい。
この吸音片74は、バックキャビティBC内において強固には固定されず、バックキャビティ部116cの底面116p,リング176の内周面(リング176が配設されていない場合はバックキャビティ部116cの内周面),及びドライバユニット130の裏面130bに接してこれらに囲まれた空間(バックキャビティBC)内に自然な状態で収容されている。
この空間には、スピーカユニット130の裏面130bの端子130tから本体116の底部116lに向けて2本のリード線180,180が通されており、これらのリード線180,180は、吸音片174とリング176の内周面(リング176が配設されていない場合はバックキャビティ部116cの内周面)との隙間に通されるようになっている。
実施例において、バックキャビティBCの実容積Vzは概略次のように求められる。具体的には、バックキャビティ部116cの内側の空間容積から、リング176および2本のリード線180,180の体積を減じた容積である。
バックキャビティ部116cの深さLbc
バックキャビティ部116cの断面積Sbc
リング176の体積Vrg
リード線180の半径φr
とすると、
Vz=SbcxLbc−Vrg−πr2xLbcx2 である。
具体的数値例を当てはめると、
Lbc=7.2mm、Sbc=2.052xπ=13.2mm2
Vrg=16.7mm3 、r=0.03mm である。
従って、
Vz=95−16.7−0.02x2(本)=78.26mm3
である。
一方、吸音片176の体積Vkは、Vk=2x2x1=4mm3 であるから、
バックキャビティBCの実容積Vzに対する吸音片174の体積比率Vk/Vzは、
4/78.26=0.051
となる。
バックキャビティBC内に吸音片174を配置することで、再生音の音質を調整することができる。具体的には、聴感上、再生音を引き締め明瞭感が向上するという効果が得られる。特に低音域及び中音域について効果が発揮される。
吸音片174を過多に配置すると、低音域のボリューム感を減少する方向に影響が出る。これは、低音域の出力増加をもたらすバックキャビティBCの実容積Vzが実質的に減少することによる影響と考えられる。
配置する吸音片174の体積は、実施例の体積比率Vk/Vz=0.051に限定されるものではない。この比率は0.02〜0.20の範囲にするとよい。
イヤーピース118は、ゴムなどの弾性材料によって形成される。イヤーピース118は有底の円筒部を有し、当該底部には円形の貫通孔である音声出力孔118aが設けられる。また、イヤーピース118には、当該筒状部の底部に一体的に結合する傘状部118bが設けられる。イヤーピース118の筒状部の開口部近傍には、径内向きに突出する係止突部118cが設けられている。一方、第1係止溝116hよりも開口部から微小に離間した筒部116aの表面には、径内向きに凹む第2係止溝116iが設けられている。この第2係止溝116iに係止突部118cが係止されることにより、筒状部によってユニットホルダ132の全体を包み込むようにイヤーピース118が本体116に取り付けられる。以上により、ドライバユニット130の音声出力面130aからの音声は、ユニットホルダ132の多数の貫通孔132b(図11参照)およびイヤーピース118の音声出力孔118aを通過して外部に出力される。
本体116には、バックキャビティ部116cに対して底部16lを挟んで同軸に延在し、本体116の前面において開口するジェル挿入孔116fが設けられている。バックキャビティ部116cとジェル挿入孔116fとに介在する底部116lには、貫通孔であるワイヤ挿通孔116dおよび同じく貫通孔である複数の通気孔116eが設けられている。ワイヤ挿通孔116dには、ドライバユニット30に接続されて電気信号を供給するワイヤ(リード線180,180)が挿通される。通気孔116eは、ドライバユニット130に内蔵された振動板140が円滑に振動できるよう、バックキャビティBCと外気とを連通させる。
ジェル挿入孔116fには、ジェル挿入孔116fの内径と略同一の外径を有する円盤状の制振ジェル134が配置される。制振ジェル134は、例えばケーブルと衣服とがこすれて生じた音の鼓膜への伝達を抑制し、また、ドライバユニット130によって発生した振動を吸収して外部への音漏れを抑制する。このため制振ジェル134は、制振性能の高い材料によって形成されている。制振ジェル134は、それぞれワイヤ挿通孔116dおよび通気孔116eと同じ形状および同じ位置に形成されるワイヤ挿通孔134aおよび通気孔134bが設けられている。制振ジェル134は、底部に突き当たるまでジェル挿入孔116fに挿入される。また、ジェル挿入孔116fの側壁には、ブッシング126を取り付けるためのブッシング挿入孔116gが設けられている。
本体116の前面には、オーナメント124を取り付けるためのオーナメント取付部116kが設けられている。オーナメント取付部116kは、本体116の前面から一定の深さでくり抜かれたように形成される。このオーナメント取付部116kにオーナメント124が嵌め込まれて固定される。オーナメント124はステンレス(SUS304)の板材をプレス加工して形成される。なお、オーナメント24が他の材料(アルミニウムや黄銅など)によって形成されてもよいことは勿論である。
オーナメント124の裏面(内側面)には、ウエイト178が接着剤などにより固定されている。
ウエイト178は、例えばステンレス材(SUS304など)により形成される。
このウエイト178は重量物としての錘の役割を果たし、ドライバユニット130からの不要な振動を吸収して再生音質をよりクリアにする方向で向上させる効果を発揮する。
本体16の傾斜部116bには、オーナメント取付部116kとその裏面とに貫通するクッション取付孔116jが設けられている。クッション122は、耳介当接部122aおよび取付突部122bによって構成される。耳介当接部122aは、イヤホン110がユーザの耳に装着されたときに耳介に当接する。取付突部122bは、クッション122を本体116に取り付けるべく、耳介当接部122aから外部に突出するよう形成される。この取付突部122bがクッション取付孔116jに嵌め込まれることによりクッション122が本体116に固定される。
なお、第4の実施形態でも、挿入規制部114は、挿入部112が外耳道に挿入されるときの挿入方向D1と垂直な面(垂直面PL1)に対して角度θをもって延在する。具体的には、開口部近傍における耳介と外耳道の延在方向とが成す角度を考慮し、挿入規制部114は、垂直面PL1に対してθ=23.5度を成す方向に延在する。このような角度に設定することで、イヤホン110がユーザの耳に装着されたときに、オーナメント124が前後方向に延在するよう配置することができ、装着時におけるイヤホン110の快適な装着感とイヤホン110の高いデザイン性の双方を実現することができる。なお、挿入規制部114は、垂直面PL1に対して例えば20度以上30度以下の角度を成す方向に延在してもよい。このような角度の範囲で挿入規制部114が延在しても、装着時におけるイヤホン110の装着感およびデザイン性を維持することができる。
この第4実施例も第1実施例と同様の耳への装着を行う。
一部繰り返しになるが図3を用いて説明する。図3は、ユーザの右耳に右耳用のイヤホン110が装着されたときの状態を示す外観図である。なお、図3に示すイヤホン110は、図9及び図10に示す左耳用のイヤホン110に対して面対称に形成されたものである。耳介94は、外耳道の開口部周辺において椀状部94aを有する。傾斜部116bは、イヤホン110がユーザの耳に装着されたときに、この椀状部94aの内壁に先端部116mが当接する長さに形成されている。上述のように挿入規制部114は、垂直面PL1に対して角度θをもって延在している。したがって、傾斜部116bが椀状部94aの内壁に当接することで、挿入部112を外耳道の内部に挿入させる方向に反力が与えられる。このため、取れにくく良好な装着感をユーザに与えることができる。
図10に戻る。クッション122は、先端部116mの位置まで延在していてもよい。また、クッション122とは別の弾性部材が先端部116mの位置に設けられてもよい。このとき当該別の弾性部材はクッション122よりも柔らかい部材で形成されてもよい。これにより、イヤホン110の装着感をより向上させることができる。
さらに、挿入規制部114は、自身の延在方向および挿入部112が外耳道に挿入されるときの挿入方向D1の双方に直交する方向の幅、すなわち図10(b)における左右方向の第2幅W2が、挿入部112のうちユニットホルダ132の当該方向の第1幅W1と略同一に形成される。第1の実施形態では、ドライバユニット130を挿入部112に収容している。したがって、挿入規制部114にドライバユニット130を収容する必要がないため、挿入規制部114の幅を挿入部112の幅と容易に略同一にすることができる。
挿入規制部114の幅が大きくなると、挿入規制部114が椀状部94aに配置されたときに、挿入規制部114を着脱するための指のスペースが不足する可能性がある。このように挿入規制部114の幅を挿入部112の幅と略同一とすることにより、ユーザの耳にイヤホン110が装着されたときに、挿入規制部114の周辺に指のスペースを確保することができ、イヤホン110の耳への着脱を容易なものとすることができる。
図4は、第1及び第4の実施形態に係るイヤホン10がユーザの耳に装着された状態を示す図である。ここでは、説明を簡単にするため、代表として第1の実施形態に係るイヤホン10について説明するが、第4の実施形態に係るイヤホン110についても同様である。
また、理解が容易になるよう、図4は外耳道周辺の断面図を示す。図4において、外耳道、および鼓膜を、それぞれ外耳道100および鼓膜102として示す。図4において、L1は外耳道開口部100aから鼓膜102までの、中心線に沿った外耳道100の長さを示す。また、L2はイヤホン10が想定挿入位置に挿入されたときの、外耳道開口部100aからイヤーピース18の先端までの想定挿入深さを示す。なお、外耳道開口部100aとは、外耳道100と椀状部94aとの境界をいう。外耳道長さL1はユーザによって変動するが、一般的に25mm以上30mm以下であることが知られている。第1の実施形態では、イヤホン10の想定挿入深さL2は6mmとされている。
図5(a)は、第1の実施形態に係るイヤホン10がユーザの耳に装着された状態を模式的に示す図であり、図5(b)は、イヤホン10との比較に用いたイヤホン120がユーザの耳に装着された状態を模式的に示す図である。以下、図5(a)および図5(b)の双方に関連して説明する。
一般にイヤホンにより鼓膜に与えられる音圧は、音源である振動板から鼓膜までの距離の2乗に反比例する。このため、振動板から鼓膜までの距離が短くなれば、最大出力が小さいドライバユニットを用いた場合においても、鼓膜に近い位置にドライバユニットを配置することによって、鼓膜における音圧の低下を抑制することができる。
一方、想定挿入位置に挿入部12が挿入されたときにドライバユニット30が外耳道100に包含されるようにするためには、ドライバユニット30を小型化する必要がある。しかし、このようにドライバユニット30を小型化すると、出力可能な最大音圧が低下するおそれがある。そこで本発明者は、このようにドライバユニット30を小型化することにより低下する最大音圧を補完すべく、振動板40を適度に鼓膜102に近づけることを想到するに至った。具体的には、振動板〜鼓膜間距離L3を、ユーザによって適切に知覚可能な適正音圧以上の音圧で鼓膜に伝わる距離とした。
図5(a)において、ドライバユニット30に含まれる振動板を振動板40として示す。L3は、振動板40から鼓膜102までの外耳道100の中心線に沿った距離を示す。イヤホン10では、振動板40からイヤーピース18の先端までの距離が1.9mmとなっている。このため、振動板〜鼓膜間距離L3は20.9mm以上25.9mm以下となる。また、外耳道開口部100aから振動板40までの距離L4は4.1mmとなっている。
発明者は、イヤホン10によって出力される音声がユーザに適切に知覚されるかを評価すべく、比較例であるイヤホン220との比較実験を実施した。イヤホン220は、出力される音声がユーザに適切に知覚されることが既に確認されている。イヤホン220は、本体部222、イヤーピース224、およびドライバユニット226を有する。本体部222は、互いに一体的に連結されたユニット収容部222aおよびイヤーピース取付部222bを有する。ユニット収容部222aは外耳道100よりも径が大きい円筒状に形成される。イヤーピース取付部222bは、外耳道100よりも径が小さい円筒状に形成される。ユニット収容部222aの内部には、ドライバユニット30よりも径が大きいドライバユニット226が収容される。イヤーピース取付部222bには、イヤーピース224が装着される。イヤホン220が仮想挿入位置まで挿入されたとき、ドライバユニット226は外耳道100の外部に配置される。なお、イヤホン220の想定挿入深さL2も同様に6mmとされている。
ドライバユニット226は、振動することにより音声が出力される振動板228を有する。図5(b)において、L5は振動板228から鼓膜102までの外耳道100の中心線に沿った距離を示す。イヤホン220では、振動板228からイヤーピース224先端までの距離が11.2mmとされている。このため、振動板〜鼓膜間距離L5は、30.2mm以上35.2mm以下となる。
以上より、同一人の比較においてL3/L5は0.69以上0.74以下となる。したがって、仮にドライバユニット30も振動板128も最大音圧が同一の場合、鼓膜102に到達する音声の音圧は、イヤホン220よりもイヤホン10の方が2.6dB以上3.2dB以下音圧が高くなる。逆に、鼓膜102に到達する音声の音圧がイヤホン220と同様にするためには、イヤホン10が出力可能な最大音圧は、イヤホン220より2.6dB以上3.2dB以下低くてもよいことになる。
発明者による確認の結果、このように振動板40を配置することにより、外耳道100に包含させるべくドライバユニット30を小型化したにもかかわらず、イヤホン220と同様に、ユーザによって適切に知覚可能な適正音圧以上の音圧で鼓膜に伝わることが確認された。なお、外耳道開口部100aから振動板40までの距離L4は3mm以上であれば、外耳道100に包含させるようドライバユニット30を小型化した場合であっても、振動板40から出力された音声がユーザによって適切に知覚可能な適正音圧以上の音圧で鼓膜に伝わることが確認されている。
上述した各実施例において、本体16,116に使用できる樹脂の例としては熱可塑性樹脂があり、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂を用いることができる。また、本体16,116の剛性を高めるためにガラス繊維を混ぜてもよい。その場合のガラス繊維の混合比率は20%程度とすることができる。
第4の実施形態で説明した吸音片174,リング176,及びウエイト178は、第1の実施形態に対してそれぞれ単独で備えられたものでもよい。
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
ドライバユニット30,130の裏面30a,130aが当接する筒状部16,116の端部は、前面が開口しているものに限らない。少なくとも一部が開口していればよい。その開口からリード線180を通過させることができる。
従って、バックキャビティBCは、少なくとも、ドライバユニット30,130の裏面13b,130bと筒部16a,116aの内面(または、後述するリング176)と、裏面30b,130bに対向するバックキャビティ部16c,116cの底面16l,116lとに接して設けられる。
(a)は、第1の実施形態に係るイヤホンの正面図であり、(b)は、第1の実施形態に係るイヤホンの左側面図であり、(c)は、第1の実施形態に係るイヤホンの上面図である。 (a)は、第1の実施形態に係るイヤホンの下方向から見た断面図であり、(b)は、オーナメントを取り外したときのイヤホンを、(a)の視点Pから見た図である。 ユーザの右耳に右耳用のイヤホンが装着されたときの状態を示す外観図である。 第1の実施形態に係るイヤホンがユーザの耳に装着された状態を示す図である。 (a)は、第1の実施形態に係るイヤホンがユーザの耳に装着された状態を模式的に示す図であり、(b)は、イヤホンとの比較に用いたイヤホンがユーザの耳に装着された状態を模式的に示す図である。 第2の実施形態に係るイヤーピースの外観を示す斜視図である。 第3の実施形態に係るイヤーピースの外観を示す斜視図である。 第1の実施形態に係るイヤホンの分解斜視図である。 (a)は、第4の実施形態に係るイヤホンの正面図であり、(b)は、第4の実施形態に係るイヤホンの左側面図であり、(c)は、第4の実施形態に係るイヤホンの上面図である。 (a)は、第4の実施形態に係るイヤホンの下方向から見た断面図であり、(b)は、オーナメントを取り外したときのイヤホンを、(a)の視点Pから見た図である。 は、第4の実施形態に係るイヤホンの分解斜視図である。
符号の説明
10,110 イヤホン
12,112 挿入部
14,114 挿入規制部
16,116 本体
16a,116a 筒部
16a1,16a1 開口端部
16b,116b 傾斜部
16c,116c バックキャビティ部
16d,116d ワイヤ挿通孔
16e,116e 通気孔
16f,116f ジェル挿入孔
16g,116g ブッシング挿入孔
16h,116h 第1係止溝
16i,116i 第2係止溝
16j,116j クッション取付孔
16k,116k オーナメント取付部
18,50,52,118 イヤーピース
18a,118a 音声出力孔
18c,118c 係止突部
18l,118l 底部
22,122 クッション
24,124 オーナメント
26,126 ブッシング
30,130 ドライバユニット
30a,130a 音声出力面
30b,130b 裏面
30t,130t 端子
32,132 ユニットホルダ
32a,132a 係止突部
32b,132b 貫通孔
34,134 制振ジェル
34a,134a ワイヤ挿通孔
34b,134b 通気孔
40 振動板
50a,52a 音声出力孔
50b,52b 傘状部
50c 溝
116p 底面
170 吸音シート
172 防塵シート
174 吸音片
176 リング
178 ウエイト
180 リード線(ワイヤ)
BC バックキャビティ

Claims (7)

  1. 状部と、
    一面から音声を出力する音声出力部と、
    イヤーピースと、
    を備え、
    前記音声出力部は、その他面が前記筒状部の一端部の端に当接して前記筒状部に対して固定され、
    前記イヤーピースは、前記筒状部の一部及び前記音声出力部の一部を覆い、
    前記筒状部及び前記イヤーピースの少なくとも一部及び前記音声出力部が外耳道内に収納可能とされているイヤホン。
  2. 前記筒状部は、前記一端部に開口部を有することを特徴とする請求項1記載のイヤホン。
  3. 前記筒状部に設けられた薄肉部と、
    前記筒状部よりも比重の大きい材料で形成され前記筒状部の内面に固定されたリングと、を有し、
    前記リングは、前記薄肉部に対し、前記筒状部の軸方向において重なる位置に固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のイヤホン。
  4. 前記筒状部には前記音声出力部の他面と対向する底面が設けられており、
    前記音声出力部の他面と前記底面とに挟まれた空間の中に吸音材が収容されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載のイヤホン。
  5. 前記音声出力部を収容するユニットホルダを備え、
    前記薄肉部は前記筒状部の外面に設けられた環状の溝であり、
    前記ユニットホルダの一部が前記溝に嵌入していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載のイヤホン。
  6. 前記筒状部は樹脂であり、前記比重の大きい材料は金属であることを特徴とする請求項3記載のイヤホン。
  7. 前記ユニットホルダは金属であることを特徴とする請求項5記載のイヤホン。
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