JP5062108B2 - イヤホン - Google Patents
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Description
図1(a)は、第1の実施形態に係るイヤホン10の正面図であり、図1(b)は、第1の実施形態に係るイヤホン10の左側面図であり、図1(c)は、第1の実施形態に係るイヤホン10の上面図である。図1(a)〜図1(c)は、左耳用のイヤホン10を示す。
また、図8はイヤホン10の分解斜視図であり、この図8も参照しながら説明する。
したがって、ドライバユニット30は音声出力部として機能する。ドライバユニット30は、端面の一方が、振動板から発せられる音声が出力される音声出力面30aとなる。
また、裏面30b側には、外部から供給される電気信号を伝達するリード線が接続される一対の端子30tが設けられている。
一方、筒部16aの先端近傍には、径内向きに凹む第1係止溝16hが設けられている。ユニットホルダ32は、音声出力面30aが底部に突き当たるようドライバユニット30を内部に収容し、筒部16aの開口端部16a1がドライバユニット30の裏面30bに当接した状態で、係止突部32aが第1係止溝16hに係止されることにより、ドライバユニット30を本体16に固定する。
この係止はカシメ加工で係止突部32aを形成することでなされる。
図6は、第2の実施形態に係るイヤーピース50の外観を示す斜視図である。なお、イヤーピース18に代えてイヤーピース50が採用される点以外は、第2の実施形態に係るイヤホンの構成は、第1の実施形態に係るイヤホン10と同様である。
図7は、第3の実施形態に係るイヤーピース52の外観を示す斜視図である。なお、イヤーピース18に代えてイヤーピース52が採用される点以外は、第3の実施形態に係るイヤホンの構成は、第1の実施形態に係るイヤホン10と同様である。
第4の実施形態は、第1の実施形態に対して、後述の吸音シート170、防塵シート172、吸音片174、リング176、およびウエイト178をさらに備えたものであり、以下、イヤホン110として図9〜図11を用いて説明する。
また、図11は、イヤホン110の分解斜視図である。以下、図10(a)および図10(b)の双方に関連し、図11を参照しながらイヤホン110の構造について詳細に説明する。
したがって、ドライバユニット130は音声出力部として機能する。ドライバユニット130は、端面の一方が、振動板から発せられる音声が出力される音声出力面130aとなる。
中央には、外径に対して約21%の径で開口部170aが形成されている。
具体的な寸法例としては、外径φ5.6mm、開口部径φ1.2mm、厚さ0.5mmである。
開口部170aの径は、比率約21%のものに限定されるものではない。
この開口部170aの開口面積を変えることで、主に再生音の高音域の音質を調整することができる。聴感上、特に高音域の滑らかさを調整することができる。
一方、筒部116aの先端近傍には、径内向きに凹む第1係止溝116hが設けられている。ユニットホルダ132の開口部近傍には、径内向きに突出する係止突部132aが組み立て工程におけるカシメ作業により設けられる。
具体的には、カシメ作業により、ユニットホルダ132は、その一部が内方に突き出されて第1係止溝116hに嵌入し、筒部116aに固定されている。
まず、ユニットホルダ132の底部に、吸音シート170及び防塵シート172をその順に挿入し、次に、ドライバユニット130を、その音声出力面130aが防塵シート172に突き当たるよう内部に収容する。
そして、筒部116aの開口端部116a1にドライバユニット130の裏面130bを当接させ、さらに、吸音シート170が所定量つぶれるようにユニットホルダ132を筒部116a側に付勢する。
この状態で、第1係止溝116hに対応する位置のユニットホルダ132の外周面を、内方にカシメ加工することで係止突部132aを形成し、その係止突部132aが第1係止溝116hに嵌入して係止されることにより、ドライバユニット130を本体116に固定する。
なお、ユニットホルダ132を形成する材料は真鍮のような銅系材料に限られないことは勿論であり、例えばアルミニウム系やステンレスなどの鉄系材料など、他の金属材料が用いられてもよい。また、ユニットホルダ132の表面に、例えばニッケルメッキやクロムメッキなどの表面処理が施されても良い。
従って、この場合、筒部116aの外径に対し僅か0.3mmの外径増加のみで、ドライバユニット130を本体116に固定することができ、挿入部112の太さの増加が抑制される。
バックキャビティBCは、筒部116aにおける開口部を有する開口端部116a1がドライバユニット130の裏面130bに当接することにより画定される。このようなバックキャビティBCを設けることにより、ドライバユニット130を小型化することによる音質の低下を抑制できる。なお、バックキャビティBCを設けることにより、ドライバユニット130を小型化することによる低音域の出力低下を特に補完する効果があることが発明者の研究開発の結果明らかになっている。
リング176は、金属のパイプ状部材である。用いる金属の例としては黄銅(真鍮)がある。具体的な寸法例としては、厚さ0.25mm、外径φ4mm、長さ5.5mmである。
このリング176は、再生音の音質をより向上させるものであり、少なくとも本体116の材料よりも比重の大きい材料を用いると良い。この材料の比重が大きい程、音質向上のより顕著な効果が期待できる。
従って、黄銅(真鍮)はその比重や加工容易性などから好適である。
そして、リング176の外周面はバックキャビティ部116cの内周面に対して、接着剤により固定される。
従って、リング176のバックキャビティ部116c内でのその軸方向位置は、リング176の先端がバックキャビティ部116cの奥隅部におけるRエンド位置で決定される。
すなわち、図10(a)に示されるように、この実施例における筒部116aの薄肉部は、第1係止溝116h及び第2係止溝116iであるが、底面116pから遠い側にある第1係止溝116hにおける開口側端部の、底面116pからの距離をLmzとすると、Lmz≦Lrg+R の関係になるように各寸法を設定してある。
すなわち、筒部116aは、各溝部の肉厚が平均肉厚の約43%の薄肉となっている。
それは、筒部116aの剛性が充分でないと、ドライバユニット130の音声出力時に筒部116aが少なからず変形し、また、筒部116aの肉厚が大きく変化するとドライバユニット130から直接伝搬する振動がスムーズに本体116に伝達されず、再生音に何らかの影響が付与される虞があって再生音の向上が難しくなるからである。
また、リング176を、筒部116aの軸方向において、その薄肉部である第1係止溝116h及び第2係止溝116iを含むように配設しているので、剛性が高くなるばかりでなく、筒部116aの振動伝搬がスムーズになっている。
従って、再生音への何らかの影響を懸念することなく、再生音をより向上させることが可能となっている。
聴感上、このリング176を配設することにより、再生音の音像がよりはっきりするという効果が得られる。
吸音片174は、吸音ウール材を用いて直方体に形成されている。具体的寸法例としては、縦x横x高さ=2x2x1mmである。吸音片74の形状は直方体に限るものではなく、少なくともバックキャビティBC内に収容できる形状できる形状であればよい。
この空間には、スピーカユニット130の裏面130bの端子130tから本体116の底部116lに向けて2本のリード線180,180が通されており、これらのリード線180,180は、吸音片174とリング176の内周面(リング176が配設されていない場合はバックキャビティ部116cの内周面)との隙間に通されるようになっている。
バックキャビティ部116cの深さLbc
バックキャビティ部116cの断面積Sbc
リング176の体積Vrg
リード線180の半径φr
とすると、
Vz=SbcxLbc−Vrg−πr2xLbcx2 である。
Lbc=7.2mm、Sbc=2.052xπ=13.2mm2
Vrg=16.7mm3 、r=0.03mm である。
従って、
Vz=95−16.7−0.02x2(本)=78.26mm3
である。
バックキャビティBCの実容積Vzに対する吸音片174の体積比率Vk/Vzは、
4/78.26=0.051
となる。
吸音片174を過多に配置すると、低音域のボリューム感を減少する方向に影響が出る。これは、低音域の出力増加をもたらすバックキャビティBCの実容積Vzが実質的に減少することによる影響と考えられる。
配置する吸音片174の体積は、実施例の体積比率Vk/Vz=0.051に限定されるものではない。この比率は0.02〜0.20の範囲にするとよい。
ウエイト178は、例えばステンレス材(SUS304など)により形成される。
このウエイト178は重量物としての錘の役割を果たし、ドライバユニット130からの不要な振動を吸収して再生音質をよりクリアにする方向で向上させる効果を発揮する。
一部繰り返しになるが図3を用いて説明する。図3は、ユーザの右耳に右耳用のイヤホン110が装着されたときの状態を示す外観図である。なお、図3に示すイヤホン110は、図9及び図10に示す左耳用のイヤホン110に対して面対称に形成されたものである。耳介94は、外耳道の開口部周辺において椀状部94aを有する。傾斜部116bは、イヤホン110がユーザの耳に装着されたときに、この椀状部94aの内壁に先端部116mが当接する長さに形成されている。上述のように挿入規制部114は、垂直面PL1に対して角度θをもって延在している。したがって、傾斜部116bが椀状部94aの内壁に当接することで、挿入部112を外耳道の内部に挿入させる方向に反力が与えられる。このため、取れにくく良好な装着感をユーザに与えることができる。
また、理解が容易になるよう、図4は外耳道周辺の断面図を示す。図4において、外耳道、および鼓膜を、それぞれ外耳道100および鼓膜102として示す。図4において、L1は外耳道開口部100aから鼓膜102までの、中心線に沿った外耳道100の長さを示す。また、L2はイヤホン10が想定挿入位置に挿入されたときの、外耳道開口部100aからイヤーピース18の先端までの想定挿入深さを示す。なお、外耳道開口部100aとは、外耳道100と椀状部94aとの境界をいう。外耳道長さL1はユーザによって変動するが、一般的に25mm以上30mm以下であることが知られている。第1の実施形態では、イヤホン10の想定挿入深さL2は6mmとされている。
ドライバユニット30,130の裏面30a,130aが当接する筒状部16,116の端部は、前面が開口しているものに限らない。少なくとも一部が開口していればよい。その開口からリード線180を通過させることができる。
従って、バックキャビティBCは、少なくとも、ドライバユニット30,130の裏面13b,130bと筒部16a,116aの内面(または、後述するリング176)と、裏面30b,130bに対向するバックキャビティ部16c,116cの底面16l,116lとに接して設けられる。
12,112 挿入部
14,114 挿入規制部
16,116 本体
16a,116a 筒部
16a1,16a1 開口端部
16b,116b 傾斜部
16c,116c バックキャビティ部
16d,116d ワイヤ挿通孔
16e,116e 通気孔
16f,116f ジェル挿入孔
16g,116g ブッシング挿入孔
16h,116h 第1係止溝
16i,116i 第2係止溝
16j,116j クッション取付孔
16k,116k オーナメント取付部
18,50,52,118 イヤーピース
18a,118a 音声出力孔
18c,118c 係止突部
18l,118l 底部
22,122 クッション
24,124 オーナメント
26,126 ブッシング
30,130 ドライバユニット
30a,130a 音声出力面
30b,130b 裏面
30t,130t 端子
32,132 ユニットホルダ
32a,132a 係止突部
32b,132b 貫通孔
34,134 制振ジェル
34a,134a ワイヤ挿通孔
34b,134b 通気孔
40 振動板
50a,52a 音声出力孔
50b,52b 傘状部
50c 溝
116p 底面
170 吸音シート
172 防塵シート
174 吸音片
176 リング
178 ウエイト
180 リード線(ワイヤ)
BC バックキャビティ
Claims (7)
- 筒状部と、
一面から音声を出力する音声出力部と、
イヤーピースと、
を備え、
前記音声出力部は、その他面が前記筒状部の一端部の端に当接して前記筒状部に対して固定され、
前記イヤーピースは、前記筒状部の一部及び前記音声出力部の一部を覆い、
前記筒状部及び前記イヤーピースの少なくとも一部及び前記音声出力部が外耳道内に収納可能とされているイヤホン。 - 前記筒状部は、前記一端部に開口部を有することを特徴とする請求項1記載のイヤホン。
- 前記筒状部に設けられた薄肉部と、
前記筒状部よりも比重の大きい材料で形成され前記筒状部の内面に固定されたリングと、を有し、
前記リングは、前記薄肉部に対し、前記筒状部の軸方向において重なる位置に固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のイヤホン。 - 前記筒状部には前記音声出力部の他面と対向する底面が設けられており、
前記音声出力部の他面と前記底面とに挟まれた空間の中に吸音材が収容されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載のイヤホン。 - 前記音声出力部を収容するユニットホルダを備え、
前記薄肉部は前記筒状部の外面に設けられた環状の溝であり、
前記ユニットホルダの一部が前記溝に嵌入していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載のイヤホン。 - 前記筒状部は樹脂であり、前記比重の大きい材料は金属であることを特徴とする請求項3記載のイヤホン。
- 前記ユニットホルダは金属であることを特徴とする請求項5記載のイヤホン。
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