JP5061401B2 - 腰部負担軽減具 - Google Patents
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Description
つまりこの腰部負担軽減具は、作業者の背部に装着しても、前記の特徴のように極めて軽量で取り扱いが簡便な構成であり、背部に装着後、前記作業における前屈姿勢の際、腰部に掛かるモ−メントを、モーメントアームの先端に掛かる紐状又はベルト状の弾性体の弾性復元力により、助力軽減するものであり、モーメントアームの後方(反腰側)に突出する長さ及び又は紐状の弾性体の弾性特性や長さ等を任意に可変設定することにより作業者の腰部実負担に応じた適切なモ−メント軽減量にして、安定した作業、安全な作業を確保するものである。
(1)、パイプ式又は板状式の背当フレーム101に、介護者の左右の肩に掛ける肩ベルト102を付設し、背当フレーム101の下端つまり人の腰部の当たる位置に背当フレーム101の下部の反腰部側に突起形成したモーメントアーム105を設け、モーメントアーム105に一対の下肢接続弾性具110の上接続ベルト111を接続する腰部負担軽減具100において、
前記モーメントアーム105と下肢接続弾性具110の上接続ベルト111とのベルト接続機構200であり、モーメントアーム105の左右両側の各々にベルト巻付軸201を設けると共に、前記ベルト巻付軸201の両側に軸受け部材202を設け、軸受け部材202に回動支持アーム203の下端をベルト巻付軸201に平行に軸支し、回動支持アーム203の上端にベルト巻付軸201と平行にループ形成軸205を設け、前記上接続ベルト111を前記ベルト巻付軸201の後部側を通して後、ループ形成軸205にループ巻きし、再びベルト巻付軸201と先に巻いた接続ベルト111Aとの間に通して挿出し、回動支持アーム203によるループ形成軸205の回動範囲を、ループ形成軸205に掛かるループ巻きベルトの後部側のベルト部111Aが、回動支持アーム203の回転軸204の中心204C位置を通過回動可能な所定の範囲にするストッパー208、207を回動支持アーム203又は軸受け部材202或いはベルト巻付軸201に設けたことを特徴とする腰部負担軽減具。
(2)、前記回動支持アーム203と軸受け部材202又はモーメントアーム105とを伸長状態の補助スプリング206で接続し、この補助スプリング206は、回動支持アーム203の回動に伴いその回転軸204の中心204C位置を前後に通過回動可能にしたことを特徴とする前記(1)に記載の腰部負担軽減具。
(3)、前記上接続ベルト111において、ループ形成軸205にベルト部分111Aとベルト部分111Bによりループ巻きしてベルト巻付軸201から挿出したベルト部分111Bに吸収スプリング120を介在しその先端を、ベルト巻付軸201下方の上接続ベルト111部分に接続固定することを特徴とする前記(1)、又は前記(2)に記載の腰部負担軽減具。
(4)、モーメントアーム105の左右両側の各々に設けるベルト巻付軸201は、逆ハの字型に配置したことを特徴とする前記(1)又は前記(2)又は前記(3)に記載の腰部負担軽減具。ベルトベルト
而して、本発明のポイントである前記ベルト接続機構による効果は、腰部負担軽減具を装着した作業者が直立の状態のとき、回動支持アームを後方に回動してベルト巻付軸へのベルト二重巻きを開放して上接続ベルトを下方に引くか、引き上げることにより、下肢接続弾性具110の長さ範囲を簡単に任意に調節することができる。その後回動支持アームを前方に所定範囲回動して回動支持アームの戻り回動を阻止して、ベルト巻付軸の外周面の一部にベルト二重巻き部分をしっかり圧接形成しておくことにより、作業者の前屈姿勢開始と同時に、二重巻き部分での滑り変位が無く、必要な弾性体の反発力つまり牽引力作用を確実に得て、腰部に掛かるモ−メントを確実且つ適切に軽減にする。以って安定した前屈姿勢を確保して、安全な前屈姿勢作業とその復帰姿勢作業を確保するものである。
また、前記回動支持アームと軸受け部材又はモーメントアームとを補助スプリングで接続し、この補助スプリングは、回動支持アームの回動に伴いその回転軸の中心位置を前後に通過回動可能にして常に張力を掛けておくことにより、前記ループ形成軸の回動を補助し、且つ前・後ストッパーへの適正な当接作用力を付与し、ストッパー当り停止状態を安定維持させるものである。
更に、前記上接続ベルトにおいて、ループ形成軸にループ巻きしてベルト巻付軸から挿出した部分に吸収スプリングを介在し、この上接続ベルトの先端を、ベルト巻付軸に巻かれていない部分に接続固定することにより、下肢接続弾性具の遊び長さを吸収して、作業者の歩行や椅子に座る等の日常動作を円滑且つ安全にする。
更に、モーメントアームの先端を逆への字型に形成し、このモーメントアームの左右両側の各々に、つまり逆への字型をした各辺に、ベルト巻付軸を逆ハの字型に配置することにより、フレ−ムの幅を小さくコンパクトにできる。またベルト巻付軸を逆ハの字型に配置することにより、腰部負担軽減具を装着した作業者が両足間隔を広げた際にも、下接続ベルト部、弾性材、上接続ベルト部とを結ぶ直線とベルト巻付軸の軸心との成す角度を、直角若しくは略直角にできるため、その摩擦押え効果を減退させることが無い。
この腰部負担軽減具100の基本形の詳細説明は、特開2005−192764号公報記載の通りであるが、本例で紹介する基本的な構成を図1により説明する。上記腰部負担軽減具100は、側面視でくの字型のパイプ式又は板状式の背当フレーム101をリュックサックのように手軽に介護作業者Hが背負うもので、背当フレーム101に、介護者Hの左右の肩に掛ける肩ベルト102と布製の網状背当て部103と、介護者の腰部(又はウエスト)にまわす腰ベルト104とを付設し、背当フレーム101の下端つまり人の腰部の当たる位置に背当フレーム101の下部の延長で反腰部側である後方に突起形成したモーメントアーム105を設け、モーメントアーム105に一対の下肢接続弾性具110を吊下げ装着したものである。
下肢接続弾性具110は、モーメントアーム105に設けたベルト接続機構200に接続する上接続ベルト111と、上接続ベルト111の下部に接続するゴムチューブ等の弾性材112と、弾性材112の下部に接続する下接続ベルト113と、下接続ベルト113の下部に接続する下肢脱着具114を有し、下肢脱着具114を下肢に装着して、(B)に示すように介護作業者Hの前屈とともに伸びる弾性材112からの反発力をモーメントアーム105によりモーメントに変換するものである。
このような構成で介護作業者Hに上記の如く装着した腰部負担軽減具100は、介護作業者Hの身体に合わせて、背当フレーム101のモーメントアーム105と接続した下肢接続弾性具110の長さをベルト接続機構200により容易に確実に可変調節して、前屈開始と同時に伸びる弾性材112からの反発力によるモ−メントを加減し、介護作業者Hの介護作業の姿勢に応じた負荷の軽減を図るものである。尚、背当フレーム101自身を弾性変形するものにすれば、この弾性撓みからの復元力を更に加えて腰部にかかる負担を軽減することができる。
図2は、上記腰部負担軽減具100の背当フレーム101とモーメントアーム105とベルト接続機構200を示す斜視説明図であり、肩ベルト102、背当て部103、腰ベルト104、下肢接続弾性具110を省略してある。
図3は、図2の矢視A-Aから見たベルト接続機構200の回動支持ア−ム203が回動中のベルト接続機構200の拡大説明図である。
図4は、図2の矢視B-Bから見た左側に配置しているベルト接続機構200をベルトロック状態にした拡大説明図である。
図5は、図2の矢視A-Aから見たベルト接続機構200に上接続ベルト111をループ形成し、二重巻き接続する状態を模式的に示す説明図である。
図6は、ベルト接続機構200に接続する上接続ベルト111に吸収スプリング120を介設した例を示す説明図である。
図7は、腰部負担軽減具100のモーメントアーム105を逆ヘの字状にして、ベルト接続機構200のベルト巻付軸201を逆ハの字に配置した形態を示す簡略説明図である。
図2において、ベルト接続機構200の構成は、逆ヘの字状のモーメントアーム105の左右両側の各々に板を曲げ加工して製作したベルト巻付軸201を逆ハの字に設けると共に、前記ベルト巻付軸201の両側にベルト巻付軸201と一体的に形成した断面コ字状の軸受け部材202を設け、軸受け部材202に回動支持アーム203の下端部をベルト巻付軸201と平行に軸ピン204で軸支し、回動支持アーム203の上端にベルト巻付軸201と平行にループ形成軸205を設ける。
回動支持アーム203によるループ形成軸205の回動範囲を、ループ形成軸205に掛かるループ巻きベルトの後部側のベルト部111Aが、回動支持アーム203の回転軸204の中心204C位置を通過回動可能な所定の範囲にする前・後ストッパー207、208を設けることにより、回動支持アーム203の回動範囲を制限する。
軸受け部材202には、それと一体的に回動支持アーム203の前部側を囲う囲い部207を設け、これを回動支持アーム203の前方回動停止用の前側ストッパーとする。また回動支持アーム203の下端後部には、ベルト巻き付け軸201と接触させることで回動支持アーム203の後回動を停止させるストッパー208を突設してある。
回動支持アーム203と軸受け部材202とは伸長状態の金属コイルスプリングかゴムバンド等の補助スプリング206で接続する。
前記補助スプリング206は、回動支持アーム203の回動に伴いその回転軸204の中心位置204Cを前後に通過回動可能にして常に張力を掛けておくことにより、補助スプリング206が回動支持アーム203の回転軸204の中心位置204Cを前方に通過すると同時に補助スプリング206は回動支持アーム203を前部側に引っ張り前記ループ形成軸205の前方回動を補助し、一方補助スプリング206が回転軸204の中心位置204Cを後方に通過すると同時に補助スプリング206は回動支持アーム203を後部側に引っ張り前記ループ形成軸205の後方回動を補助し、且つ前・後ストッパー207、208への適正な当接作用力を付与し、いずれのストッパーに対しても当接停止状態を安定維持させるものである。
これにより前記補助スプリング206と前・後ストッパー207、208は、一対の回動支持アーム203を各々独立して手等で簡単に前方又は後方に回動させるのみで、後述するベルト解除モードとベルトロックモードの二者択一の切り替えを容易に可能にしたものである。
また囲い部でもある前ストッパー207は、回動支持アーム203の前部を囲って、介護作業者Hが前屈した際にベルトロックモ−ドにある回動支持アーム203に腰等が直接触れてベルト解除モ−ドに変わる予期せぬ誤動作を防止する囲いである。
図5の状態のベルト接続機構200において、二点鎖線で示すように、回動支持アーム203の前記後ストッパー208が前記補助スプリング206によりベルト巻付軸201に当って停止している状態で上接続ベルト111が掛っているのがベルト解除モードである。つまりこのベルト解除モードの際、上接続ベルト111は、ベルト巻付軸201の後部側の周面201A近傍を通して後、ループ形成軸205にベルト部分111Aとベルト部分111Bによりループ巻きして、ベルト巻付軸201から挿出したベルト部111B(リターンベルト)を再びベルト巻付軸201の周面201Aと先に通したベルト部111A部(外側ベルト)との間に通して挿出したものである。
ベルト解除モードは、腰部負担軽減具100を装着した介護作業者Hが直立の状態のとき又は直立の状態で歩行等をするときに、下肢接続弾性具110の長さを調節する際の状態である。つまりこの状態で前記ループ形成軸205を経てベルト巻付軸201から挿出したリターンベルト部111Bを下方に引くか、ループ形成軸205の手前にある上接続ベルトの111A部を引き下げることにより、下肢接続弾性具110の長さを簡単に任意に調節することができる。
その後、実線で示すようにループ形成軸205を回動支持アーム203を前側(腰側)に回動させてループ形成軸205に掛かるループ巻きベルトの後部側のベルト部111Aが、回動支持アーム203の回転軸204の中心204C位置を通過させ更に前側(腰側)に所定範囲回動して、前ストッパー207と補助スプリング206により回動を停止した状態にして、ベルト巻付軸201の周面201Aに上接続ベルトの111A部とリターンベルト部111Bが重なり二重巻き部を形成しておく。これで回動支持アーム203は下肢接続弾性具110からの牽引力で後方に戻り回動することは無い。
この状態がベルトロックモードで、作業者が前屈姿勢を開始すると、上接続ベルト111に下方牽引力が加わり,当該二重巻き部の111A部は、リターンベルト部111Bをベルト巻付軸201の周面201Aに押し付けて、リターンベルト部111Bの両面に大きな摩擦力を作用させ、滑りを皆無にし上接続ベルト111の巻き戻りを確実に阻止するのである。
これにより作業者の前屈姿勢の際に、その開始から二重巻き部の滑り変位が無く、必要な弾性体112の牽引力作用を確実に得て、腰部に掛かるモ−メントを確実且つ適切に軽減にする。以って安定した前屈姿勢を確保して、安全な前屈姿勢作業とその復帰姿勢作業を確保するものである。
またこの際、ループ形成軸205の少なくとも周面部を摩擦係数の小さな材質にするか,転がり軸受などを利用してループ形成軸205を回転自在にすれば,接続ベルト111はベルト接続機構200内をより自在に出入り通過することができる。
これによって、腰部負担軽減具100を装着して例えば歩く際に,前に出す足の動きに伴い上接続ベルト111がベルト接続機構200内から引き出されると,吸収スプリング120が伸ばされる。その状態から後ろに送る足の動きに伴い上接続ベルト111とが弛むと、吸収スプリング120の復元力により上接続ベルト111は再びベルト接続機構200内に自動的に引き込んで、弛みを取り元の状態に戻す。
従ってこのような介護作業者Hの歩行や椅子に座る等の日常動作については殆ど拘束することがない。またこのように自由に日常動作した後でも上接続ベルト111は常に日常動作前と同じ状態に戻るため,回動支持アーム203を前記ベルトロックモ−ドにするのみで介護のための前屈作業を直ちに開始することができる。
101 背当フレーム
105 モーメントアーム
110 下肢接続弾性具
200 ベルト接続機構
201 ベルト巻付軸
202 軸受け部材
203 回動支持アーム
205 ループ形成軸
204C 回転軸204の中心
207、208 前・後ストッパー
Claims (4)
- パイプ式又は板状式の背当フレーム101に、介護者の左右の肩に掛ける肩ベルト102を付設し、背当フレーム101の下部の反腰部側に突起形成したモーメントアーム105を設け、モーメントアーム105に一対の下肢接続弾性具110の上接続ベルト111を接続する腰部負担軽減具100において、
前記モーメントアーム105と下肢接続弾性具110の上接続ベルト111とのベルト接続機構200であり、モーメントアーム105の左右両側の各々にベルト巻付軸201を設けると共に、前記ベルト巻付軸201の両側に軸受け部材202を設け、軸受け部材202に回動支持アーム203の下端をベルト巻付軸201と平行に軸支し、回動支持アーム203の上端にベルト巻付軸201と平行にループ形成軸205を設け、前記上接続ベルト111を前記ベルト巻付軸201の後部側を通して後、ループ形成軸205にループ巻きし、再びベルト巻付軸201と先に巻いた接続ベルト111Aとの間に通して挿出し、回動支持アーム203によるループ形成軸205の回動範囲を、ループ形成軸205に掛かるループ巻きベルトの後部側のベルト部111Aが、回動支持アーム203の回転軸204の中心204C位置を通過回動可能な所定の範囲にするストッパー207、208を回動支持アーム203又は軸受け部材202或いはベルト巻付軸201に設けたことを特徴とする腰部負担軽減具。 - 前記回動支持アーム203と軸受け部材202又はモーメントアーム105とを伸長状態の補助スプリング206で接続し、この補助スプリング206は、回動支持アーム203の回動に伴いその回転軸204の中心204C位置を前後に通過回動可能にしたことを特徴とする前記請求項1に記載の腰部負担軽減具。
- 前記上接続ベルト111において、ループ形成軸205にベルト部分111Aとベルト部分111Bによりループ巻きして、ベルト巻付軸201から挿出したベルト部分111Bに吸収スプリング120を介在しその先端を、ベルト巻付軸201下方の上接続ベルト111部分に接続固定することを特徴とする前記請求項1又は前記請求項2に記載の腰部負担軽減具。
- モーメントアーム105の左右両側の各々に設けるベルト巻付軸201は、逆ハの字型に配置したことを特徴とする前記請求項1又は前記請求項2又は前記請求項3に記載の腰部負担軽減具。
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