以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ説明する。実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
図3を参照しながら、本発明の実施例に係る移動局及び基地局装置を有する無線通信システムについて説明する。
無線通信システム1000は、例えばEvolved UTRA and UTRAN(別名:Long Term Evolution,或いは,Super 3G)が適用されるシステムである。無線通信システム1000は、基地局装置(eNB: eNode B)200と、基地局装置200と通信する複数の移動局100n(1001、1002、1003、・・・100n、nはn>0の整数)とを備える。基地局装置200は、上位局、例えばアクセスゲートウェイ装置300と接続され、アクセスゲートウェイ装置300は、コアネットワーク400と接続される。移動局100nはセル50において基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANにより通信を行っている。
各移動局(1001、1002、1003、・・・100n)は、同一の構成、機能、状態を有するので、以下では特段の断りがない限り移動局100nとして説明を進める。説明の便宜上、基地局装置と無線通信するのは移動局であるが、より一般的には移動端末も固定端末も含むユーザ装置(UE: User Equipment)でよい。
ここで、移動局100nの中には、セル50において基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANにより通信を行っている状態の移動局と、セル50において基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANにより通信を行っていない状態の移動局の両方が存在することとする。例えば、セル50において基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANにより通信を行っていない状態の移動局は、基地局装置200との間でランダムアクセス手順を行うことにより、通信を開始するための手順を行う。また、セル50において基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANにより通信を行っている状態の移動局も、ハンドオーバや上りリンクのスケジューリング要求、上り同期確立要求等の目的でランダムアクセス手順を行うことがある。
無線通信システム1000では、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDM(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。上述したように、OFDMは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、周波数帯域を端末毎に分割し、複数の端末が互いに異なる周波数帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
ここで、Evolved UTRA and UTRANにおける通信チャネルについて説明する。
下りリンクについては、各移動局100nで共有される物理下りリンク共有チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared Channel)と、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlinkg Control Channel)とが用いられる。物理下りリンク制御チャネルは下りL1/L2制御チャネルとも呼ばれる。上記物理下りリンク共有チャネルにより、ユーザデータ、すなわち、通常のデータ信号が伝送される。また、物理下りリンク制御チャネルにより、ダウンリンクL1/L2制御チャネルフォーマットインジケータ(DL L1/L2 Control Channel Format Indicator)、ダウンリンクスケジューリンググラント(DL Scheduling Grant)、Acknowledgement information(ACK/NACK)、アップリンクスケジューリンググラント(UL Scheduling Grant)、オーバロードインジケータ(Overload Indicator)、送信電力制御コマンドビット(Transmission Power Control Command Bit)等が伝送される。DL Scheduling Grantには、例えば、物理下りリンク共有チャネルを用いて通信を行うユーザのIDや、そのユーザデータのトランスポートフォーマットの情報、すなわち、データサイズ、変調方式、HARQに関する情報や、下りリンクのリソースブロックの割り当て情報等が含まれる。尚、上述したダウンリンクL1/L2制御チャネルフォーマットインジケータは、Physical Control Format Indicator Channel(物理制御フォーマットインジケータチャネル)(PCFICH)と呼ばれてもよい。また、上述したダウンリンクスケジューリンググラントは、ダウンリンクスケジューリングインフォメーションあるいはダウンリンクアサインメントインフォメーションと呼ばれてもよい。
また、UL Scheduling Grantには、例えば、物理上りリンク共有チャネルを用いて通信を行うユーザのIDや、そのユーザデータのトランスポートフォーマットの情報、すなわち、データサイズ、変調方式に関する情報や、上りリンクのリソースブロックの割り当て情報、上りリンクの共有チャネルの送信電力に関する情報等が含まれる。ここで、上りリンクのリソースブロックとは、周波数リソースに相当し、リソースユニットとも呼ばれる。
また、Acknowledgement information(ACK/NACK)とは、上りリンクの共有チャネルに関する送達確認情報のことである。
上りリンクについては、各移動局100nで共有して使用される物理上りリンク共有チャネル(PUSCH: Physical Uplink Shared Channel)と、物理上りリンク制御チャネルとが用いられる。上記物理上りリンク共有チャネルにより、ユーザデータ、すなわち、通常のデータ信号が伝送される。また、物理上りリンク制御チャネルにより、下りリンクにおける共有物理チャネルのスケジューリング処理や適応変復調及び符号化処理(AMCS: Adaptive Modulation and Coding Scheme)に用いるための下りリンクの品質情報(CQI: Channel Quality Indicator)、及び、物理下りリンク共有チャネルの送達確認情報(Acknowledgement Information)が伝送される。送達確認情報の内容は、送信信号が適切に受信されたことを示す肯定応答(ACK: Acknowledgement)又はそれが適切に受信されなかったことを示す否定応答(NACK: Negative Acknowledgement)の何れかで表現される。
物理上りリンク制御チャネルでは、CQIや送達確認情報に加えて、上りリンクの共有チャネルのリソース割り当てを要求するスケジューリング要求(Scheduling Request)や、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)におけるリリース要求(Release Request)等が送信されてもよい。
ここで、上りリンクの共有チャネルのリソース割り当てとは、あるサブフレームの物理下りリンク制御チャネルを用いて、後続のサブフレームにおいて上りリンクの共有チャネルを用いて通信を行ってよいことを基地局装置が移動局に通知することを意味する。
下りリンクにおいては、図4に示すように、1サブフレームは1msであり、1サブフレームの中に14個のOFDMシンボルが存在する。図4において、M(Mは、M>0の整数はリソースブロックを示す番号であり、#1−#14はOFDMシンボルを示す番号である。1サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボルには、上記物理下りリンク制御チャネルがマッピングされる。物理下りリンク制御チャネルがマッピングされるOFDMシンボルの最大数は3である。すなわち、物理下りリンク制御チャネルは、OFDMシンボル#1にマッピングされる、OFDMシンボル#1と#2にマッピングされる、OFDMシンボル#1と#2と#3にマッピングされる、の3通りでマッピングされる。
図4においては、1サブフレームの先頭の2個のOFDMシンボル、すなわち、OFDMシンボル#1及び#2に上記物理下りリンク制御チャネルがマッピングされている。そして、上記物理下りリンク制御チャネルがマッピングされるOFDMシンボル以外のOFDMシンボルにおいて、データ信号や同期用の信号Synchronization Signals、報知情報であるBroadcast channel等が送信される。
また、周波数方向においては、M個のResource Blockが定義される。ここで、1Resource Blockあたりの周波数帯域は180kHzであり、1つのResource Blockの中に12個のサブキャリアが存在する。また、Resource Blockの数Mは、システム帯域幅が5MHzの場合には25であり、システム帯域幅が10MHzの場合には50であり、システム帯域幅が20MHzの場合には100である。
図5に、図4に示すサブフレームの構成を持つ場合の、OFDMシンボル#1及び#2におけるサブキャリアマッピングを示す。尚、同図において、1OFDMシンボルのサブキャリアの数をL(Lは、L>0の整数)とし、周波数の小さい方から、サブキャリア#1、#2、…、#Lと番号付けを行っている。システム帯域幅が5MHzの場合には、L=300であり、システム帯域幅が10MHzの場合には、L=600であり、システム帯域幅が20MHzの場合には、L=1200である。同図に示すように、OFDMシンボル#1のサブキャリアには、下りリンクリファレンスシグナル(DL RS: Downlink Reference Signal)と物理下りリンク制御チャネルがマッピングされる。また、OFDMシンボル#2には、物理下りリンク制御チャネルがマッピングされる。
DL RSは、OFDMシンボル#1において、6個のサブキャリアに1個の割合で送信される。図においては、サブキャリア#6×d−5(但し、d:1、2、…)にDL RSがマッピングされている。また、上記DL RSがマッピングされているサブキャリア以外のサブキャリアに物理下りリンク制御チャネルがマッピングされる。図においては、上記物理下りリンク制御チャネルの内、Acknowledgement informationがマッピングされるサブキャリアの例を示した。図においては、サブキャリア#3と、サブキャリア#L−3にマッピングされている例を示している。Acknowlegement informationがマッピングされるサブキャリアの数は、上りリンクにおいて1サブフレームに多重される移動局数の最大数、すなわち、1サブフレームにおいて上りリンクの共有チャネルを送信する移動局の数の最大数により決定される。
尚、物理下りリンク制御チャネルがマッピングされるOFDMシンボルの数が3の場合のOFDMシンボル#3の構成は、図5におけるOFDMシンボル#2の構成と基本的に同じである。
さらに、図6にUL Scheduling Grantの情報ビットの構成例およびチャネル符号化方法の例を示し、図7に、UL Scheduling Grantのサブキャリアのマッピング例を示す。
図6において、UL Scheduling Grantは、データサイズや変調方式等に関する情報を通知する情報ビットと、リソースブロックの割当情報を通知する情報ビットと、送信電力に関する情報を通知する情報ビットと、CRCビットとから構成される。尚、CRCビットには、UE IDがマスキングされるため、UE IDの情報、すなわち、上りリンクの共有チャネルを用いて通信を行うユーザのIDが含まれることになる。尚、上述した構成例は、あくまで一例であり、上記以外の情報ビットが含まれていてもよく、あるいは、上記の情報ビットの一部が含まれていなくてもよい。そして、上記UL Scheduling Grantの情報ビットは、チャネル符号化される。チャネル符号化は、畳み込み符号化でもよいし、ターボ符号化でもよい。そして、図7に示すように、上記UL Scheduling Grantのチャネル符号化後のビットは、物理下りリンク制御チャネルの所定のサブキャリアにマッピングされる。
一般に、1サブフレームにおいて複数の移動局が上りリンクの共有チャネルを送信するため、複数のUL Scheduling Grantが存在する。よって、図7に示す、UL Scheduling Grantがマッピングされるサブキャリアにおいては、複数のUL Scheudling Grantが多重される。その多重方法は、周波数多重でもよいし、コード多重でもよいし、時間多重でもよい。また、上述した周波数多重やコード多重、時間多重のハイブリッドでもよい。あるいは、上述した例では1つのUL Scheduling Grantをチャネル符号化した後に多重を行っているが、代わりに、複数のUL Scheduling Grantをまとめてチャネル符号化した後に、サブキャリアへのマッピングを行ってもよい。
また、上述した例においては、UL Scheduling Grantのみを多重する場合を示したが、UL Scheduling Grantがマッピングされるサブキャリアに、DL Scheduling Grantがマッピングされてもよい。すなわち、DL Scheduling GrantとUL Scheduling Grantがマッピングされるサブキャリアが指定され、そのサブキャリア内で、DL Scheudling GrantとUL Scheduling Grantが多重されてもよい。
ランダムアクセス手順におけるMessage3のHARQの適用方法に関連し、図8及び図9を用いて、以下にさらに詳しく説明する。
本実施例では、基地局装置200は、初回送信のMessage3の復号結果(CRC check結果)がNGの場合に、所定のタイミングにおいて、上述した物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantを用いて、再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantを、Message3を送信した移動局100nに送信し、初回送信のMessage3の復号結果(CRC check結果)がOKの場合には、Message3を送信した移動局100nに対して送達確認情報を送信しないことにより、実現される。
以下では、ランダムアクセス手順における3つ目の手順であるScheduled Transmissionの手順に関して、さらに詳細に説明を行う。
まず、初回送信のMessage3の復号結果がNGの場合について、図8を参照して説明する。
602において、基地局装置200は、Message2に関するDL Scheduling Grantを物理下りリンク制御チャネルにより送信し、かつ、同じサブフレーム内の下りリンクの共有チャネルを用いてMessage2を移動局に送信する。そして、移動局100nは、物理下りリンク制御チャネルにおける上記Message2に関するDL Scheduling Grantを受信し、かつ、上記Message2に関するDL Scheduling Grantに基づき、上記Message2を受信する。上記Message2には、Message3に関するUL Scheduling Grantが含まれている。
604において、移動局100nは、所定のタイミング(サブフレーム#i+3)において、上記UL Scheduling Grantに基づき、Message3を送信する。そして、基地局装置200は、上記Message3を受信し、上記Message3の復号を行う。
上記Message3の復号結果(CRC check結果)がNGの場合に、基地局装置200は、所定のタイミング(サブフレーム#i+6)において、物理下りリンク制御チャネルにより、再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantを、移動局100nに送信する(606)。移動局100nは、上記再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantを受信する(606)。
そして、608において、移動局100nは、所定のタイミング(サブフレーム#i+9)において、上記再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantに基づき、再送のMessage3を送信する。そして、基地局装置200は、上記Message3を受信し、上記Message3の復号を行う。
尚、2回目に送信されるMessage3のUL Scheduling Grantは、物理下りリンク制御チャネルにマッピングされるため、2回目以降に送信されるMessage3の送達確認情報、すなわち、ACKまたはNACKは、通常の上りリンクの共有チャネルにおけるHARQと同様に、物理下りリンク制御チャネルにおけるAcknowledgement informationとして送信される。あるいは、2回目以降に送信されるMessage3に対しても、1回目に送信されるMessage3と同様に、その復号結果がNGの場合には、物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantが送信されてもよい。あるいは、上記物理下りリンク制御チャネルにおけるAcknowledgement informationと、物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantの両方が送信されてもよい。
次に、初回送信のMessage3の復号結果がOKの場合について、図9を参照して説明する。
610において、基地局装置200は、Message2に関するDL Scheduling Grantを物理下りリンク制御チャネルにより送信し、かつ、同じサブフレーム内の下りリンクの共有チャネルを用いてMessage2を移動局に送信する。そして、移動局100nは、物理下りリンク制御チャネルにおける上記Message2に関するDL Scheduling Grantを受信し、かつ、上記Message2に関するDL Scheduling Grantに基づき、上記Message2を受信する。上記Message2には、Message3に関するUL Scheduling Grantが含まれている。
612において、移動局100nは、所定のタイミング(サブフレーム#i+3)において、上記UL Scheduling Grantに基づき、Message3を送信する。そして、基地局装置200は、上記Message3を受信し、上記Message3の復号を行う。
上記Message3の復号結果(CRC check結果)がOKの場合に、基地局装置200は、所定のタイミング(サブフレーム#i+6)において、移動局100nに上記Message3に対する送達確認情報を送信しない(614)。一方、移動局100nは、所定のタイミング(サブフレーム#i+6)において、基地局装置200から、物理下りリンク制御チャネルにマッピングされた、再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantが送信されないため、上記Message3が正常に復号された、すなわち、復号結果がOKであったと判断する。この時、移動局100nは、ランダムアクセス手順における4つ目の手順であるContention Resolutionの手順に移る。すなわち、移動局100nは、基地局装置200からMessage4が送信されるのを待つ。
ここで、例えば、604において、上記Message3の復号結果(CRC check結果)がNGの場合に、基地局装置は、所定のタイミング(サブフレーム#i+6)において、物理下りリンク制御チャネルにより、再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantを、移動局100nに送信したとしても、上記UL Scheduling Grantが、移動局100nにおいて正しく復号できない場合がある。このとき、移動局100nは、614の動作と同一の動作となるため、Message3の再送を行わない(608の処理を行わない)。この場合、基地局装置200は、移動局100nからMessage3が再送されるのを期待し、移動局100nは、基地局装置200から、Message4が送信されるのを期待するというデッドロック状態になるため、問題となる。
よって、この場合には、例えば、移動局100nは、所定のタイマーを具備し、所定のタイミング、例えば、614のタイミング(サブフレーム#i+6)から、上記タイマーが経過しても、基地局装置200からのMeesage4を受信できなかった場合に、上述したデッドロック状態になったと判断し、ランダムアクセス手順の1回目の手順を再開してもよい。また、基地局装置200も、再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantを送信したにも関わらず、移動局100nより、Message3が再送されない場合には、移動局100nから、Message3は再送されないと判断してもよい。この場合、基地局装置200も、同様のタイマーを具備し、所定のタイミング(サブフレーム#i+6)から、上記タイマーが経過しても、移動局100nより、Message3が再送されない場合には、移動局100nから、Message3は再送されないと判断してもよい。この時、基地局200は、移動局100nから送信されるMessage3の無線リソース、例えば、周波数リソースやリソースブロック等を、他の移動局に割り当てることができる。
尚、一般に、1サブフレームにおける物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheudling Grantの数には上限値が設定されている。よって、606において、再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantの数が多い場合には、全ての再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantを送信できない場合がある。この場合には、例えば、基地局装置200は、再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantの一部を送信しないという処理を行ってもよい。あるいは、基地局装置200は、再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantの一部を、後送される未来のサブフレーム、例えば、次のサブフレームにおいて送信するという処理を行ってもよい。そして、移動局100nは、上記後送される未来のサブフレームも含めて、上記再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantの受信を試みる。
また、上述した図8及び図9においては、HARQのプロセス数が6である場合を示したが、HARQのプロセス数が6以外の値、例えば、8の場合にも、同様の方法を適用することが可能である。
このように、物理下りリンク制御チャネルにおいてUL Scheduling Grantが送信されない初回送信のUL Scheduling Grantに対する送達確認情報は、ACKの場合に何も送信しない、NACKの場合に、物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantを送信するという送信方法を適用することにより、効率の良い、オーバヘッドの少ないMessage3のHARQを実現することができる。
図10を参照しながら、本発明の実施例に係る移動局100nについて説明する。
同図において、移動局100nは、送受信アンテナ102と、アンプ部104と、送受信部106と、ベースバンド信号処理部108と、アプリケーション部110とを具備する。
下りリンクのデータについては、送受信アンテナ102で受信された無線周波数信号がアンプ部104で増幅され、送受信部106で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部108でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。上記下りリンクのデータの内、下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部110に転送される。アプリケーション部110は、物理レイヤーやMACレイヤーより上位のレイヤーに関する処理等を行う。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部110からベースバンド信号処理部108に入力される。ベースバンド信号処理部108では、再送制御(H−ARQ (Hybrid ARQ))の送信処理や、チャネル符号化、IFFT処理等が行われて送受信部106に転送される。送受信部106では、ベースバンド信号処理部108から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する周波数変換処理が施され、その後、アンプ部104で増幅されて送受信アンテナ102より送信される。
図8及び図9を用いて説明を行った、本発明の実施例に係る、Message3のHARQに係る移動局の処理は、図10におけるベースバンド信号処理部108において行われる。すなわち。ベースバンド信号処理部108は、基地局装置に第1の信号としてのランダムアクセス手順におけるMessage3を送信する送信部と、基地局装置から、Message3の再送のための制御信号としての下りリンクの制御チャネルにマッピングされるUL Grantを受信した場合に、Message3を再送する再送部と、基地局装置にMessage3を再送した場合に、該Message3に対する送達確認情報を受信する受信部とを備える。ここで、UL Grantとは、上りリンクのリソースブロックの割り当て情報、識別情報、データサイズ、変調方式、送信電力の少なくとも1つを示す信号である。また、ベースバンド信号処理部108は、上記Message3の再送のための制御信号としての下りリンクの制御チャネルにマッピングされるUL Grantを受信しなかった場合に、Message4を受信する受信部を備える。さらに、ベースバンド信号処理部108は、上記Message3の再送のための制御信号としての下りリンクの制御チャネルにマッピングされるUL Grantを受信せず、かつ、所定のタイマーが経過するまでにMessage4を受信しなかった場合に、ランダムアクセス手順の1つ目の手順であるランダムアクセスプリアンブルの手順を開始する送信部を備える。
次に、図11を参照しながら、本発明の実施例に係る基地局装置200について説明する。
本実施例に係る基地局装置200は、送受信アンテナ202と、アンプ部204と、送受信部206と、ベースバンド信号処理部208と、呼処理部210と、伝送路インターフェース212とを備える。
下りリンクにより基地局装置200から移動局100nに送信されるユーザデータは、基地局装置200の上位に位置する上位局、例えばアクセスゲートウェイ装置300から伝送路インターフェース212を介してベースバンド信号処理部208に入力される。
ベースバンド信号処理部208では、ユーザデータの分割・結合、RLC(radio link control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤーの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えばHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)処理が行われて、送受信部206に転送される。また、下りリンク制御チャネルである下りL1/L2制御チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われて、送受信部206に転送される。
送受信部206では、ベースバンド信号処理部208から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する周波数変換処理が施され、その後、アンプ部204で増幅されて送受信アンテナ202より送信される。
一方、上りリンクにより移動局100nから基地局装置200に送信されるデータについては、送受信アンテナ202で受信された無線周波数信号がアンプ部204で増幅され、送受信部206で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部208に入力される。
ベースバンド信号処理部208では、入力されたベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤーの受信処理がなされ、伝送路インターフェース212を介してアクセスゲートウェイ装置300に転送される。
図8及び図9を用いて説明を行った、本発明の実施例に係るMessage3のHARQの処理に係る基地局装置200の処理は、図11におけるベースバンド信号処理部208において行われる。すなわち、ベースバンド信号処理部208は、第1の信号としてのランダムアクセス手順におけるMessage3を復号する復号部と、該Message3の復号結果に基づいて、Message3を正常に受信しなかった場合に、Message3の再送のための制御信号としての下りリンクの制御チャネルにマッピングされるUL Grantを移動局に送信する送信部とを備える。また、送信部は、再送されたMessage3に対する送達確認情報を移動局に送信する。ここで、UL Grantとは、上りリンクの周波数リソースの割り当て情報、識別情報、データサイズ、変調方式、送信電力の少なくとも1つを示す信号である。
呼処理部210は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、基地局装置200の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
図12を参照しながら、本実施例による移動局で使用される通信制御方法について説明する。
移動局100nは、ランダムアクセス手順における1つ目の手順である、Random Access Preambleの手順を行う。すなわち、移動局100nは、Message1を基地局装置200に送信する(ステップS902)。
移動局100nは、ランダムアクセス手順における2つ目の手順である、Random Access Responseの手順を行う。すなわち、移動局100nは、基地局装置200から送信される、上記Message1に対するMessage2を受信する(ステップS904)。
移動局100nは、上記Message2に含まれるUL Scheduling Grantに基づき、所定のタイミング(図8及び図9におけるサブフレーム#i+3)において、Message3を、基地局装置200に送信する(ステップS906)。
移動局100nは、所定のタイミング(図8及び図9におけるサブフレーム#i+6)において、物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantの受信を試み、上記物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantを受信するか否かを判定する(ステップS908)。ここで、上記物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantを受信するとは、上記物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantを正しく復号できる、すなわち、CRC check結果がOKであることに相当してもよい。
上記物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantを受信する場合(ステップS908:YES)、移動局100nは、上記UL Scheduling Grantに基づき、Message3を再送する(ステップS910)。
そして、移動局100nは、所定のタイミングにおいて、上記再送したMessage3に対する送達確認情報がACKであるかNACKであるかを判定する。すなわち、上記再送したMessage3に対する、物理下りリンク制御チャネルにおけるAcknowlegement informationとして、NACKを受信するか否かを判定する(ステップS912)。尚、ステップS912において、移動局100nは、上記物理下りリンク制御チャネルにおけるAcknowlegement informationがNACKであるか否かに基づいて、再送のMessage3の復号結果がNGであったか否かを判定したが、代わりに、初回送信のMessage3と同様に、物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantを受信するか否かで、再送のMessage3の復号結果がNGであったか否かを判定してもよい。あるいは、上記物理下りリンク制御チャネルにおけるAcknowlegement informationがNACKであるか否かと、物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantを受信するか否かの両方に基づいて、再送のMessage3の復号結果がNGであったか否かを判定してもよい。
物理下りリンク制御チャネルにおけるAcknowlegement informationとして、NACKを受信する場合(ステップS912:YES)、移動局100nは、Message3を再送する(ステップS910)。尚、ステップS910におけるMessage3を再送する処理は、ステップS912における処理で、物理下りリンク制御チャネルにおけるAcknowlegement informationとしてACKを受信するまで、あるいは、Message3の最大再送回数が満了するまで、繰り返し行われる。
一方、ステップS908で、上記物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantを受信しない場合(ステップS908:NO)、または、ステップS912で、物理下りリンク制御チャネルにおけるAcknowlegement informationとしてNACKを受信しない(ACKを受信する)場合(ステップS912:NO)、移動局100nは、所定のタイマーが満了するまでに、Message4を受信するか否かを判定する(ステップS914)。ここで、所定のタイマーは、例えば、初回のMessage3を送信したサブフレームから起動してもよいし、上記物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantを受信しないと判定したサブフレームから起動してもよい。
所定のタイマーが満了するまでに、Message4を受信する場合(ステップ914:YES)、処理を終了する。
一方、所定のタイマーが満了するまでに、Message4を受信しない場合(ステップS914:NO)、移動局100nは、ランダムアクセス手順を、1つ目の手順からやり直すと判断し(ステップS916)、ステップS902に進む。
図13を参照しながら、本実施例による基地局装置で使用される通信制御方法について説明する。
基地局装置200は、ランダムアクセス手順における1つ目の手順である、Random Access Preambleの手順を行う。すなわち、基地局装置200は、Message1を移動局100nより受信する(ステップS1002)。
基地局装置200は、ランダムアクセス手順における2つ目の手順である、Random Access Responseの手順を行う。すなわち、基地局装置200は、移動局100nに対して、上記Message1に対するMessage2を送信する(ステップS1004)。
基地局装置200は、所定のタイミング(図8及び図9におけるサブフレーム#i+3)において、移動局100nから送信される初回送信のMessage3の受信を試み、その復号結果がNGであるか否かを判定する(ステップS1006)。
上記初回送信のMessage3の復号結果がNGである場合(ステップS1006:YES)、所定のタイミング(図8及び図9におけるサブフレーム#i+6)において、物理下りリンク制御チャネルにより、再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantを移動局100nに対して送信する(ステップS1008)。
そして、ステップS1010において、所定のタイミングにおいて、再送のMessage3の受信を試み、上記再送のMessage3の復号結果がNGであるか否かを判定する(ステップS1010)。
上記再送のMessage3の復号結果がNGである場合(ステップS1010:YES)、所定のタイミングにおいて、当該移動局100nに対して物理下りリンク制御チャネルにおけるAcknowledgement informationとしてNACKを送信する(ステップS1012)。ここで、基地局装置200は、再送のMessage3の復号結果がNGである場合に、当該移動局100nに対して物理下りリンク制御チャネルにおけるAcknowledgement informationとしてNACKを送信したが、代わりに、初回送信のMessage3の場合と同様に、当該移動局100nに対して物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantにより、再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantを送信してもよい。あるいは、基地局装置200は、再送のMessage3の復号結果がNGである場合に、物理下りリンク制御チャネルにおけるAcknowledgement informationとしてのNACKと、物理下りリンク制御チャネルにおける、再送のMessage3のためのUL Scheduling Grantの両方を送信してもよい。
そして、基地局装置200は、ステップS1012の処理の後、再びステップS1010の処理を行う。すなわち、所定のタイミングにおいて、再送のMessage3の受信を試み、上記再送のMessage3の復号結果がNGであるか否かを判定する(ステップS1010)。尚、上述したステップS1010とステップS1012の処理は、ステップS1010において、上記再送のMessage3の復号結果がNGでないと判定するまで、あるいは、Message3の最大再送回数が満了するまで、繰り返し行われる。
一方、上記再送のMessage3の復号結果がNGでない場合(ステップS1010:NO)、所定のタイミングにおいて、当該移動局100nに対して物理下りリンク制御チャネルにおけるAcknowledgement informationとしてACKを送信する(ステップS1014)。
一方、上記初回送信のMessage3の復号結果がNGでない場合(ステップS1006:NO)、あるいは、ステップS1014の処理の後、基地局装置200は、Message4を移動局100nに対して送信する(ステップS1016)。
本実施例によれば、ランダムアクセス手順において、効率が良く、かつ、高品質を保証された、Message3に関するHARQの処理を行うことのできる基地局装置、移動局、無線通信システム及び通信制御方法を実現することができる。
上述した実施例においては、Evolved UTRA and UTRAN(別名:Long Term Evolution,或いは,Super 3G)が適用されるシステムにおける例が説明されたが、本発明に係る移動局、基地局装置、移動通信システム及び通信制御方法は、共有チャネルを用いた通信を行う他のシステムにも適用可能である。
(本発明の他の実施例1)
以下に本発明の他の実施例を示す。
本実施例においては、上述した無線通信システム1000の構成や、移動局100nの構成、基地局装置200の構成は、上述した実施例と同一であるため、その説明は省略する。異なる点としては,移動局100nにおけるベースバンド信号処理部108と、基地局装置200におけるベースバンド信号処理部208に関する以下の点である。
すなわち、後述する、図14及び図15を用いて説明を行う、本発明の実施例に係る、Message3のHARQに係る移動局100nの処理は、図10におけるベースバンド信号処理部108において行われる。すなわち。ベースバンド信号処理部108は、基地局装置200に第1の信号としてのランダムアクセス手順におけるMessage3を送信する送信部と、基地局装置200から、Message4を受信するまで、上記Message3を再送する再送部と、上記基地局装置200からのMessage4を受信する受信部とを備える。また、後述する、図14及び図15を用いて説明を行う、本発明の実施例に係る、Message3のHARQに係る基地局装置200の処理は、図11におけるベースバンド信号処理部208において行われる。すなわち、ベースバンド信号処理部208は、第1の信号としてのランダムアクセス手順におけるMessage3を復号する復号部と、該Message3の復号結果に基づいて、Message3を正常に受信しなかった場合に、移動局から再送されるMessage3を受信する受信部と、Message3を正常に受信した場合に、移動局に再送されるMessage4を送信する送信部とを備える。 本実施例に係る、ランダムアクセス手順におけるMessage3のHARQの適用方法を、図14及び図15を用いて、以下に詳しく説明する。
本実施例においては、基地局装置200は、Message3の復号結果(CRC check結果)がOKの場合に、上記Message3を送信した移動局100nに対して、Message4を送信し、Message3の復号結果(CRC Check結果)がNGの場合に、Message3を送信した移動局100nに対して送達確認情報を送信しない(何も送信しない)ことにより、実現される。この場合、移動局100nは、Message4を受信するまで、所定のタイミングにおいて、上記Message3を再送する。
以下では、ランダムアクセス手順における3つ目の手順であるScheduled Transmissionの手順に関して、さらに詳細に説明を行う。
まず、Message3の復号結果がNGの場合を説明する。
1102において、基地局装置200は、Message2に関するDL Scheduling Grantを物理下りリンク制御チャネルにより送信し、かつ、同じサブフレーム内の下りリンクの共有チャネルを用いてMessage2を移動局に送信する。そして、移動局100nは、物理下りリンク制御チャネルにおける上記Message2に関するDL Scheduling Grantを受信し、かつ、上記Message2に関するDL Scheduling Grantに基づき、上記Message2を受信する。上記Message2には、Message3に関するUL Scheduling Grantが含まれている。
1104において、移動局100nは、所定のタイミング(サブフレーム#i+3)において、上記UL Scheduling Grantに基づき、Message3を送信する。そして、基地局装置200は、上記Message3を受信し、上記Message3の復号を行う。
上記Message3の復号結果(CRC check結果)がNGの場合に、基地局装置200は、所定のタイミング(サブフレーム#i+6)においては、移動局100nに対して、どのような信号も送信せず(1106)、所定のタイミング(サブフレーム#i+9)において、移動局100nから送信される再送のMessage3の受信を行う(1108)。一方、移動局100nは、基地局装置200からMessage4を受信しない限り、所定のタイミング(例えば、1108)において、Message3の再送を行う。例えば、Message3の再送が行われるタイミングは、図8及び図9における#i+3+6×m(m:任意の自然数)と設定することができる。あるいは、上述したMessage3の再送は、連続するサブフレームで行われてもよい。上記1106と1108の処理は、Message3の復号結果(CRC check結果)がOKとなり、基地局装置200から、移動局100nにMessage4が送信されるまで繰り返される。あるいは、上記1106と1108の処理は、Message3の最大再送回数が満了するまで繰り返される。Message3の復号結果(CRC check結果)がOKとなった場合の処理は後述する。
次に、Message3の復号結果がOKの場合を説明する。尚、図15においては、初回送信のMessage3の復号結果がOKの場合を記載しているが、初回送信のMessage3に限らず、再送のMessage3の復号結果がOKの場合にも、同様の処理が適用される。
1110において、基地局装置200は、Message2に関するDL Scheduling Grantを物理下りリンク制御チャネルにより送信し、かつ、同じサブフレーム内の下りリンクの共有チャネルを用いてMessage2を移動局に送信する。そして、移動局100nは、物理下りリンク制御チャネルにおける上記Message2に関するDL Scheduling Grantを受信し、かつ、上記Message2に関するDL Scheduling Grantに基づき、上記Message2を受信する。上記Message2には、Message3に関するUL Scheduling Grantが含まれている。
1112において、移動局100nは、所定のタイミング(サブフレーム#i+3)において、上記UL Scheduling Grantに基づき、Message3を送信する。そして、基地局装置200は、上記Message3を受信し、上記Message3の復号を行う。
上記Message3の復号結果(CRC check結果)がOKの場合に、基地局装置200は、所定のタイミング(サブフレーム#i+6)において、移動局100nに上記Message3に対する送達確認情報を送信しない(何も送信しない)(1114)。そして、基地局装置200は、例えば、サブフレーム#i+7において、ランダムアクセス手順の4つ目の手順におけるMessage4を移動局100nに送信する。Message4は、Message4に関するDL Scheduling Grantを含む物理下りリンク制御チャネルとともに送信される。移動局100nは、物理下りリンク制御チャネルにおける上記Message4に関するDL Scheduling Grantを受信し、かつ、上記Message4に関するDL Scheduling Grantに基づき、上記Message4を受信する。移動局100nは、Message4を受信したことにより、Message3が基地局装置200において正常に復号された(CRC checkがOKだった)と判断する。ここで、移動局100nは、全てのMessage4を受信することにより、Message3が基地局装置200において正常に復号された(CRC checkがOKだった)と判断する代わりに、上記Message4に関する、DL Scheduling Grantを含む物理下りリンク制御チャネルを受信することにより、Message3が基地局装置200において正常に復号された(CRC checkがOKだった)と判断してもよい。
この場合、移動局100nは、もはやMessage3を送信する必要はないため、1118においてMessage3の再送を行わない。
尚、上述した図14及び図15においては、HARQのプロセス数が6である場合を示したが、HARQのプロセス数が6以外の値、例えば、8の場合にも、同様の方法を適用することが可能である。
このように、物理下りリンク制御チャネルにおいてUL Scheduling Grantが送信されない初回送信のUL Scheduling Grantに対する送達確認情報は、ACKの場合に次のメッセージ、すなわち、Message4を送信する、NACKの場合に、何も送信しない、という送信方法を適用することにより、効率の良い、オーバヘッドの少ないMessage3のHARQを実現することができる。尚、上記送信方法において、移動局100nは、Message4を受信するまで、所定のタイミングでMessage3の再送を行う。
図16を参照しながら、本実施例による移動局で使用される通信制御方法について説明する。
移動局100nは、ランダムアクセス手順における1つ目の手順である、Random Access Preambleの手順を行う。すなわち、移動局100nは、Message1を基地局装置200に送信する(ステップS1202)。
移動局100nは、ランダムアクセス手順における2つ目の手順である、Random Access Responseの手順を行う。すなわち、移動局100nは、基地局装置200から送信される、上記Message1に対するMessage2を受信する(ステップS1204)。
移動局100nは、上記Message2に含まれるUL Scheduling Grantに基づき、所定のタイミング(図14及び図15におけるサブフレーム#i+3)において、Message3を、基地局装置200に送信する(ステップS1206)。
移動局100nは、所定のタイミング(図14及び図15におけるサブフレーム#i+7)において、Message4の受信を試み、上記Message4を受信するか否かを判定する(ステップS1208)。
上記Message4を受信する場合(ステップS1208:YES)、移動局100nは本処理を終了する。
上記Message4を受信しない場合(ステップS1208:NO)、移動局100nは、所定のタイミング(例えば、2回目の送信であれば、図14及び図15におけるサブフレーム#i+9)において、Message3を再送する。その後、ステップS1208の処理に進む。尚、ステップS1208とステップS1210の処理は、Message4を受信するか、Message3の最大再送回数が満了するまで行われる。
図17を参照しながら、本実施例による基地局装置で使用される通信制御方法について説明する。
基地局装置200は、ランダムアクセス手順における1つ目の手順である、Random Access Preambleの手順を行う。すなわち、基地局装置200は、Message1を移動局100nより受信する(ステップS1302)。
基地局装置200は、ランダムアクセス手順における2つ目の手順である、Random Access Responseの手順を行う。すなわち、基地局装置200は、基移動局100nに対して、上記Message1に対するMessage2を送信する(ステップS1304)。
基地局装置200は、所定のタイミングにおいて、移動局100nから送信される初回送信のMessage3を受信する(ステップS1306)。
基地局装置200は、上記Message3の復号結果がNGであるか否かを判定する(ステップS1308)。
上記Message3の復号結果がNGである場合(ステップS1308:YES)、所定のタイミングにおいて、移動局100nから再送されるMessage3を受信する。すなわち、ステップS1306に進む。ステップS1306とステップS1308の処理は、移動局100nから送信されるMessage3の復号結果がOKになるまで、あるいは、Message3の最大再送回数が満了するまで行われる。
上記Message3の復号結果がNGでない場合(ステップS1308:NO)、移動局100nに対して、Message4を送信する(ステップS1310)。
(本発明の他の実施例2)
以下に本発明の他の実施例2を示す。
本実施例においては、上述した無線通信システム1000の構成や、移動局100nの構成、基地局装置200の構成は、上述した実施例と同一であるため、その説明は省略する。異なる点としては,移動局100nにおけるベースバンド信号処理部108と、基地局装置200におけるベースバンド信号処理部208に関する以下の点である。
すなわち、後述する、図18を用いて説明を行う、本発明の実施例に係る、Message3のHARQに係る移動局100nの処理は、図10におけるベースバンド信号処理部108において行われる。すなわち。ベースバンド信号処理部108は、基地局装置200に第1の信号としてのランダムアクセス手順におけるMessage3を送信する送信部と、上記Message3に対する送達確認情報がマッピングされている、Message3のための特殊なUL Scheduling Grantを受信する受信部とを備える。また、後述する、図18を用いて説明を行う、本発明の実施例に係る、Message3のHARQに係る基地局装置200の処理は、図11におけるベースバンド信号処理部208において行われる。すなわち、ベースバンド信号処理部208は、第1の信号としてのランダムアクセス手順におけるMessage3を復号する復号部と、該Message3の復号結果に基づいて、該Message3の送達確認情報を、Message3のための特殊なUL Scheduling Grantを用いて送信する送信部とを備える。
本実施例に係る、ランダムアクセス手順におけるMessage3のHARQの適用方法を、図18を用いて、以下に詳しく説明する。
本実施例においては、基地局装置200は、Message3の送達確認情報を、物理下りリンク制御チャネルにおける特殊なUL Scheduling Grantとして移動局100nに送信することにより実現される。
以下では、ランダムアクセス手順における3つ目の手順であるScheduled Transmissionの手順に関して、さらに詳細に説明を行う。
1402において、基地局装置200は、Message2に関するDL Scheduling Grantを物理下りリンク制御チャネルにより送信し、かつ、同じサブフレーム内の下りリンクの共有チャネルを用いてMessage2を移動局に送信する。そして、移動局100nは、物理下りリンク制御チャネルにおける上記Message2に関するDL Scheduling Grantを受信し、かつ、上記Message2に関するDL Scheduling Grantに基づき、上記Message2を受信する。上記Message2には、Message3に関するUL Scheduling Grantが含まれている。
1404において、移動局100nは、所定のタイミング(サブフレーム#i+3)において、上記UL Scheduling Grantに基づき、Message3を送信する。そして、基地局装置200は、上記Message3を受信し、上記Message3の復号を行う。
1406において、基地局装置200は、上記Message3の送達確認情報を、物理下りリンク制御チャネルにおける特殊なUL Scheduling Grantとして移動局100nに送信する。
図19に、上記特殊なUL Scheduling Grantの構成例を示す。
一般に、ランダムアクセス手順の2番目の手順であるRandom Access Responseの手順におけるMessage2は複数の移動局に対して送信される。図19における、移動局1001や移動局1009、移動局10012は一例である。すなわち、図19に示すように、特殊なUL Scheduling Grantは、Message2が送信された全ての移動局に対する送達確認情報で構成され、かつ、Message2の送信の際に使用されたRA−RNTI(Random Access−radio network temporary identifier)が、UE IDとして使用される。RA−RNTIは、CRCにマスキングされる。ここで、RA−RNTIは、ランダムアクセス手順の1番目の手順における、ランダムアクセスプリアンブルが送信される周波数帯域に1対1対応する識別情報であり、Message2が送信される際の、Message2のためのDL Scheduling GrantのUE IDとして使用される。
そして、上記特殊なUL Scheduling Grantの情報ビットは、通常のUL Scheduling Grantと同一のビット数となるようにチャネル符号化される。上記特殊なUL Scheduling Grantのチャネル符号化後のビットは、通常のUL Scheduling Grantと同様に、物理下りリンク制御チャネル内のUL Scheuduling Grantがマッピングされるサブキャリアに、通常のUL Scheduling Grantと多重されて、マッピングされる。ここで、移動局100nにおける受信の処理負荷を低減するため、上記特殊なUL Scheduling Grantのチャネル符号化後のビットがマッピングされる場所を固定してもよい。例えば、上記特殊なUL Scheduling Grantは、UL Scheduling Grant番号が1番のUL Scheduling Grantとして、送信されるとしてもよい。
また、上述した、特殊なUL Scheduling Grantの構成例において、各移動局の送達確認情報の順番は、Message2にマッピングされる各移動局向けの情報がマッピングされる順番と同一にすることができる。このようにすることにより、移動局100nは、容易に、自分宛の送達確認情報を識別することができる。この場合、上記特殊なUL Scheduling Grantにおいては、たとえすでにACKを送信し、送達確認情報を送る必要がない移動局の送達確認情報であっても、未だACKを送信していない移動局が存在する限り、上記順序を崩さないために、送信されなければならない。すなわち、Message2を送信した全ての移動局に対してACKを送信するまで、上記特殊なUL Scheduling Grantを所定のタイミングで送信する。
また、上述した図18においては、HARQのプロセス数が6である場合を示したが、HARQのプロセス数が6以外の値、例えば、8の場合にも、同様の方法を適用することが可能である。
このように、Message3のための、物理下りリンク制御チャネルにおける特殊なUL Scheduling Grantを用いることにより、効率の良い、オーバヘッドの少ないMessage3のHARQを実現することができる。
(本発明の他の実施例3)
以下に本発明の他の実施例3を示す。
本実施例においては、上述した無線通信システム1000の構成や、移動局100nの構成、基地局装置200の構成は、上述した実施例と同一であるため、その説明は省略する。異なる点としては,移動局100nにおけるベースバンド信号処理部108と、基地局装置200におけるベースバンド信号処理部208に関する以下の点である。
すなわち、後述する、図20を用いて説明を行う、本発明の実施例に係る、Message3のHARQに係る移動局100nの処理は、図10におけるベースバンド信号処理部108において行われる。すなわち。ベースバンド信号処理部108は、基地局装置200に第1の信号としてのランダムアクセス手順におけるMessage3を送信する送信部と、上記Message3に対する送達確認情報がマッピングされている、Message3のための特殊なAcknowledgement Informationを受信する受信部とを備える。また、後述する、図20を用いて説明を行う、本発明の実施例に係る、Message3のHARQに係る基地局装置200の処理は、図11におけるベースバンド信号処理部208において行われる。すなわち、ベースバンド信号処理部208は、第1の信号としてのランダムアクセス手順におけるMessage3を復号する復号部と、該Message3の復号結果に基づいて、該Message3の送達確認情報を、Message3のための特殊なAcknowledgement Informationを用いて送信する送信部とを備える。
本実施例に係る、ランダムアクセス手順におけるMessage3のHARQの適用方法を、図20を用いて、以下に詳しく説明する。
本実施例においては、基地局装置200は、Message3の送達確認情報を、物理下りリンク制御チャネルにおける特殊なAcknowledgement informationとして移動局100nに送信することにより実現される。
以下では、ランダムアクセス手順における3つ目の手順であるScheduled Transmissionの手順に関して、さらに詳細に説明を行う。
1602において、基地局装置200は、Message2に関するDL Scheduling Grantを物理下りリンク制御チャネルにより送信し、かつ、同じサブフレーム内の下りリンクの共有チャネルを用いてMessage2を移動局に送信する。そして、移動局100nは、物理下りリンク制御チャネルにおける上記Message2に関するDL Scheduling Grantを受信し、かつ、上記Message2に関するDL Scheduling Grantに基づき、上記Message2を受信する。上記Message2には、Message3に関するUL Scheduling Grantが含まれている。
1604において、移動局100nは、所定のタイミング(サブフレーム#i+3)において、上記UL Scheduling Grantに基づき、Message3を送信する。そして、基地局装置200は、上記Message3を受信し、上記Message3の復号を行う。
1606において、基地局装置200は、上記Message3の送達確認情報を、物理下りリンク制御チャネルにおける特殊なAcknowledgement informationとして移動局100nに送信する。
図21に、上記特殊なAcknowledgement informationのサブキャリアマッピングの例を示す。
一般に、ランダムアクセス手順の2番目の手順であるRandom Access Responseの手順におけるMessage2は複数の移動局に対して送信される。すなわち、図21に示すように、特殊なAcknowledgement informationは、Message2が送信された全ての移動局に関する送達確認情報がマッピングされるサブキャリアが定義される。
ここで、上記Message2が送信された全ての移動局に関する送達確認情報がマッピングされるサブキャリアのサブキャリア番号を、Message2にマッピングされる各移動局向けの情報がマッピングされる順番、または、マッピングされる位置と関連付けることができる。このようにすることにより、移動局100nは、容易に、自分宛の送達確認情報を識別することができる。
また、上述した図20においては、HARQのプロセス数が6である場合を示したが、HARQのプロセス数が6以外の値、例えば、8の場合にも、同様の方法を適用することが可能である。
このように、Message3のための、物理下りリンク制御チャネルにおける特殊なAcknowledegement informationを用いることにより、効率の良い、オーバヘッドの少ないMessage3のHARQを実現することができる。
(本発明の他の実施例4)
以下に本発明の他の実施例4を示す。
本実施例においては、上述した無線通信システム1000の構成や、移動局100nの構成、基地局装置200の構成は、上述した実施例と同一であるため、その説明は省略する。
本実施例に係る、ランダムアクセス手順におけるMessage3のHARQの適用方法を、図22を用いて、以下に詳しく説明する。異なる点としては,移動局100nにおけるベースバンド信号処理部108と、基地局装置200におけるベースバンド信号処理部208に関する以下の点である。
すなわち、後述する、図22を用いて説明を行う、本発明の実施例に係る、Message3のHARQに係る移動局100nの処理は、図10におけるベースバンド信号処理部108において行われる。すなわち。ベースバンド信号処理部108は、基地局装置200から、UL Scheduling Grantが含まれないMessage2を受信する受信部と、上記Message2の後に送信される、Message3のためのUL Scheduling Grantが含まれた物理下りリンク制御チャネルを受信する受信部と、上記UL Scheduling Grantに基づいて、ランダムアクセス手順におけるMessage3を送信する送信部とを備える。また、後述する、図22を用いて説明を行う、本発明の実施例に係る、Message3のHARQに係る基地局装置200の処理は、図11におけるベースバンド信号処理部208において行われる。すなわち、ベースバンド信号処理部208は、UL Scheduling Grantが含まれないMessage2を送信する送信部と、上記Message2の後に、Message3のためのUL Scheduling Grantが含まれた物理下りリンク制御チャネルを送信する送信部と、上記UL Scheduling Grantに基づいて送信される、ランダムアクセス手順におけるMessage3を受信する受信部とを備える。 本実施例においては、基地局装置200は、Message3のためのUL Scheduling Grantを含まないMessage2を送信し、その後のサブフレームにおいて、通常の物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantにより、Message3のためのUL Scheduling Grantを、当該移動局100nに対して送信することにより、実現される。
以下では、ランダムアクセス手順における3つ目の手順であるScheduled Transmissionの手順に関して、さらに詳細に説明を行う。
1802において、基地局装置200は、Message2に関するDL Scheduling Grantを物理下りリンク制御チャネルにより送信し、かつ、同じサブフレーム内の下りリンクの共有チャネルを用いてMessage2を移動局に送信する。そして、移動局100nは、物理下りリンク制御チャネルにおける上記Message2に関するDL Scheduling Grantを受信し、かつ、上記Message2に関するDL Scheduling Grantに基づき、上記Message2を受信する。上記Message2には、Message3に関するUL Scheduling Grantが含まれない。
1804において、基地局装置200は、所定のタイミング(例えば、サブフレーム#i+1)において、通常の物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantにより、Message3のためのUL Scheduling Grantを送信する。ここで、上記所定のタイミングは、上記Message2を送信したサブフレームの次のサブフレームでもよいし、それよりもさらに後のサブフレームでもよい。
1806において、移動局100nは、所定のタイミング(サブフレーム#i+4)において、上記Message3のためのUL Scheduling Grantに基づき、Message3を送信する。そして、基地局装置200は、上記Message3を受信し、上記Message3の復号を行う。
以下のMessage3のHARQの処理は、そのUL Scheduling Grantとして、通常の物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantを使用しているため、適用されるHARQの処理は、通常の上りリンクの共有チャネルのHARQの処理と同等であるため、その説明を省略する。
また、上述した図22においては、HARQのプロセス数が6である場合を示したが、HARQのプロセス数が6以外の値、例えば、8の場合にも、同様の方法を適用することが可能である。
このように、Message3のUL Scheduling Grantを、Message2の後のサブフレームにおける、通常の物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantを用いて送信することにより、効率の良い、オーバヘッドの少ないMessage3のHARQを実現することができる。
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
すなわち、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
説明の便宜上、本発明を幾つかの実施例に分けて説明したが、各実施例の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の実施例が必要に応じて使用されてよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明したが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
本国際出願は、2007年2月5日に出願した日本国特許出願2007−026185号に基づく優先権を主張するものであり、2007−026185号の全内容を本国際出願に援用する。