JP5060244B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、電力ケーブルなどの送電線路の充電電流を補償するリアクトルに係り、特に正相回路に必要な正相補償容量と、零相回路に必要な零相補償容量とを同時に設定可能なリアクトルに関するものである。
一般に、送電線路が電力ケーブルの場合、あるいは送電線路が架空系でも長距離になった場合には、送電線路の持つ対地静電容量は非常に大きくなる。このため、充電電流が大きくなって、電圧変動や地絡時の事故電流が増大する。その結果、次のような問題が生じている。すなわち、電圧変動や事故電流が増大した場合、通信線への電磁誘導障害の原因となった。また、事故電流力率が悪くなるので、事故検出精度が低下するといいった不具合も起きた。
そこで、このような問題を解消するために、送電線路と電気的に並列にリアクトルを接続して、充電電流を補償することが行われている。送電系統の信頼性を確保する観点からもリアクトルは極めて重要な装置であり、多様な技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、鉄心の断面積とギャップ長と巻回数に特定の関係を導入することにより、過電圧でも鉄心飽和することを抑制可能な分路リアクトルを実現している。
また、特許文献2に記載の中性点接地装置は、主脚と零相分磁束の帰路脚にギャップを形成するといった構成により、中性点リアクトルのコンパクト化に寄与したものである。なお、リアクトルは、分路リアクトルまたは補償リアクトルとも呼ばれるが、ここでは単にリアクトルと呼ぶこととする。
ところで、公称電圧3〜154kVの非有効接地系統では、正相回路を補償するための正相補償用リアクトルと、零相回路を補償するための零相補償用リアクトルとを、別々に配置するのが一般的である。この点に関して、図12、図13を用いて、順を追って説明する。図12は従来の変電所のケーブル送電線回路を含む3線結線図である。図12においては、a相、b相、c相からなるケーブル送電線は2回線のみを示している。図13は、図12に示したa相に1線地絡事故1があった場合の対称座標法による等価回路を示している。
図12に示すように、各ケーブル送電線は、大きなケーブル対地静電容量2a、2bを有しており、送電線遮断器9a、9bを介して各相の母線3に接続している。また、各ケーブル送電線には開閉器8a、8bを介して接地変圧器6a、6bを設けている。これら接地変圧器6a、6bは中性点を作るためのものであって、中性点に、零相回路を補償するための中性点リアクトル5a、5bを接続している。
各相の母線3には、電源13を接続すると共に、開閉器7を介して正相回路を補償するためのリアクトル4を接続している。さらに、各相の母線3には遮断器10を介して接地変圧器11を設け、その中性点に中性点接地抵抗器12を接続している。なお、図12では、図12の上側のケーブル送電線のa相に1線地絡事故1があった場合を示している。
図13において、Vaは正相電圧、Rnは零相回路に含まれる中性点接地抵抗器12の抵抗値である。また、符号Zはインピーダンスを示しており、Z、Z、Zは、それぞれ正相回路、逆相回路、零相回路の電源側インピーダンスであり、ZF1は正相回路の負荷インピーダンス、ZF2は逆相回路の負荷インピーダンスである。さらに、Xはリアクトル4、中性点リアクトル5a、5bのリアクタンス、Xはケーブル対地静電容量2a、2bのリアクタンスである。なお、零相回路には負荷は接続されない。
図12に示したケーブル対地静電容量2a、2bは、図13に示したように零相回路と正相回路および逆相回路に同じ値で入る。これにより、地絡時の進み力率の事故電流が大きくなる。その結果、前述したように、通信線への電磁誘導障害や、事故検出精度の低下といった問題が生ずることになる。したがって、遅れ力率の電流を供給するリアクトルによって、充電電流の補償が実施されている。
零相回路のの補償用として各ケーブル回線に設けた中性点リアクトル5a、5bでは、を流すようになっている。零相補償用である中性点リアクトル5a、5bは、地絡時のケーブル充電電流を補償するのが目的であり、負荷の影響を受けることはない。零相回路においてを完全に補償した場合には、で構成されるIからはなくなり、その分だけIは小さくなる。
すなわち、中性点リアクトル5a、5bによって、図13における零相回路の電流をできるだけ小さくすることが意図されている。これは、前記のように、通信線などへの電磁誘導障害を及ぼす原因は零相電流であって、正相・逆相電流は無関係だからである。なお、地絡事故を検出するための保護継電器も零相電流を用いているが、これも、その力率が悪いと方向判定を誤るという特性を持っているためである。
ところで、系統の常時運転においては、負荷が変化する。一般に重負荷では遅れ力率となり、電圧降下が大きくなる。この状態では遅れ力率のリアクトルを回路に投入することはない。一方、軽負荷ではケーブル系統や長距離送電線では進み力率になることが多い。そのため、遅れ力率のリアクトル4を投入するようになっている。すなわち、正相補償容量に関しては負荷に応じて必要な補償容量が決定される。
このような背景に基づいて、変電所母線3に正相補償用のリアクトル4を接続しており、その中性点は非接地としている。正相補償用であるリアクトル4の補償容量は、ケーブル回線数に応じて分割したり、ある程度合計した容量としたりと、さまざまである。このような用途を持つリアクトル4は、負荷によって必要となる補償容量は大きく左右されることになる。また、ZF1が遅れ力率負荷の場合には、遅れ力率であるリアクトル4は回路から切離す必要がある。
つまり、正相補償用のリアクトル4に要求される補償容量は、ケーブル充電容量だけでなく、負荷によっても大きく変化する。なお、正相および逆相回路に対しては、1つのリアクトルで同じ容量が補償されるので、以下は単に正相補償用のリアクトルとし、その容量を正相補償容量と呼称する。
以上説明したように、正相回路の必要な正相補償容量と、零相回路の必要な零相補償容量とでは通常、異なる。したがって、公称電圧3〜154kVの非有効接地系統では、正相補償用のリアクトル4と、零相補償用の中性点リアクトル5a、5bが、独立して別々に用いられている。
さらには、従来のリアクトルでは、正相補償容量と零相補償容量の比を変更することができない。この点について、図14〜図17を参照して説明する。図14は3kV〜154kV系統に使用されているリアクトルの3線結線図、図15〜図17は従来のリアクトルの構成を説明するための断面図である。リアクトルには、ギャップ付き鉄心形と、鉄心がなく巻線だけの空心形とがあり、図15はギャップ付き鉄心形リアクトルの断面図、図16は図15に示した巻線の斜視図、図17は空心形リアクトルの断面図を示している。
図14に示すように、巻線15a〜15bを有するリアクトルでは、中性点が非接地となっている。これは、3kV〜154kV系統が非有効接地系統であり、系統の1線地絡時に地絡電流が大きくならないようにするためである。系統の1線地絡時には非有効接地系統では健全相は約√3倍の過電圧になるので、仮にリアクトルの中性点が接地されていると、電源とリアクトルの間に定格電流の√3倍の電流が流れてしまう。そこでリアクトルの中性点を非接地とすることで、電流の流れる回路を構成しないようにし、健全相に定格電流の√3倍の電流が流れることを回避している。この時のリアクトルの零相インピーダンスは無限大、すなわち、零相補償容量はゼロである。
続いて、図15及び図16を参照してギャップ付き鉄心形リアクトルの構成について具体的に説明する。3相分の巻線15a〜15cは図16に示すような円筒形状であって、主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cに巻かれている。主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cは複数の主脚ギャップ17とブロック鉄心18が上下方向に積層されることにより構成されている。巻線15a〜15cの上下には磁気鋼板で構成された上部磁気シールド19と下部磁気シールド20とが設けられている。
巻線15a〜15cに3相交流電圧が印加されると磁束21が発生し、破線と矢印で示したように磁気回路が構成される。このとき巻線15a〜15cが作る磁束21は、大きさが同じで、120度ずつ位相がずれており、そのため上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20で合成された磁束21はゼロとなる。
つまり、磁束21は、主脚ギャップ付き鉄心16a〜16c、上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20以外へは流出しない。磁束21は、主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cから上部磁気シールド19を通り、再び主脚ギャップ付き鉄心16a〜16c、下部磁気シールド20という磁気回路を循環している。この構造を取るリアクトルの補償容量P1は、次の(1)式の通りである。
Figure 0005060244
また、インダクタンスL1は、下記の(2)式で表わされる。
Figure 0005060244
さらに、1相中の複数の主脚ギャップ17の個々のギャップ長をδiとすると、1相の主脚ギャップ長の合計値Daは次の(3)式で表わされる。
Figure 0005060244
上記の(1)式、(2)式及び(3)式から、リアクトルの正相補償容量P1はインダクタンスL1に反比例し、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daに比例することが分かる。すなわち、リアクトルの補償容量P1と主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daの関係は、以下の(4)式の通り、比例関係となる。
Figure 0005060244
以上説明したように、非有効接地系統のリアクトルでは、中性点が非接地のため零相補償容量はゼロであり、(1)式で与えられる補償容量のみを、正相補償容量として持つ構造となっている。したがって、以下、P1を正相補償容量と呼ぶ。
続いて、図17を参照して空心形リアクトルについて詳しく説明する。結線図は前記図13と同一である。この空心形リアクトルは、図15に示したギャップ付き鉄心形リアクトルにおいて、主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cを無くした構成であり、主脚鉄心部分が全てギャップになった状態である。すなちわ、上部磁気シールド19と下部磁気シールド20の間の距離が、主脚鉄心ギャップ長の合計値Daとなる。
したがって、上部磁気シールド19と下部磁気シールド20の間の距離を、主脚鉄心ギャップ長の合計値Daとして、インダクタンスLを上記(2)式から導くことができる。このように、非有効接地系統の空心形リアクトルの場合も、中性点が非接地のため零相補償容量はゼロであり、(1)式で与えられる正相補償容量P1のみを持つ構造に変わりはない。
特開2004−47828号公報 実開昭64−11521号公報
以上述べた従来のリアクトルには下記のような課題が指摘されていた。すなわち、従来のリアクトルでは、ギャップ付き鉄心形であっても空心形であっても、零相補償容量はゼロであり、正相補償容量と零相補償容量との比を変えることはできなかった。そのため、正相補償用のリアクトルと零相補償用のリアクトルとを個別に設ける必要があった。
したがって、2種類のリアクトル、すなわち正相補償用のリアクトルと中性点リアクトル、さらには接地変圧器という、合計3種類の装置が不可欠であった。また、それらの装置に付設される開閉設備や保護装置も必要となり、多くの装置を配置していた。したがって、経済的コストが増大し、スペース的にも不利であった。特に、敷地面積に制約のある変電設備においては、スペース性の向上が強く望まれていた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、主脚ギャップ長及び磁気シールドギャップ長の長さの比を変えて正相補償容量と零相補償容量の比を変化させることによって、1台のリアクトルだけで、異なる正相補償容量と零相補償容量の補償を実現でき、経済的でスペース性に優れたリアクトルを提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するため、本発明は、3相分の巻線が巻かれたギャップ付き鉄心を備え、前記巻線の上下に近接して磁気シールドを設け、前記巻線の左右の両端部に近接して側脚鉄心を配置したリアクトルにおいて、前記ギャップ付き鉄心は、当該ギャップの長さの合計値である第1のギャップ長が変更可能となるように設け、前記磁気シールドと側脚鉄心との間、または側脚鉄心にギャップを設け、当該ギャップ長の合計値である第2のギャップ長が変更可能となるように設け、さらには、以下の点を特徴としている。
すなわち、3相星形接続とし、中性点を接地して、前記第1のギャップ長と前記第2のギャップ長の比を変更することにより、正相回路に必要な正相補償容量と、零相回路に必要な零相補償容量との比を、1:1から0:1の範囲で変化させるように構成したことを特徴とするものである。
以上のような構成を有するリアクトルでは、3相リアクトルの結線方法を星形結線とし、中性点を接地する。そして、主脚ギャップ長及び磁気シールドギャップ長の長さの比を変更することにより、正相補償容量と零相補償容量の比を、1:1から0:1の範囲で変化させている。
このような本発明では、結線方式と磁気回路とに特定の関係を持たせることにより、1台のリアクトルにおいて、互いに異なる正相回路用の正相補償容量と零相回路用の零相補償容量の比を調整可能であり、1台のリアクトルだけで所望の容量の正相補償容量及び零相補償容量を確実に得ることができる。
本発明のリアクトルによれば、3相星形接続、中性点を接地し、主脚ギャップ長及び磁気シールドギャップ長の長さの比を変更して、正相補償容量と零相補償容量の比を、1:1から0:1の範囲で変化させることによって、1台のリアクトルで、異なる正相補償容量及び零相補償容量を補償することが可能であり、正相補償用と零相補償用に別々のリアクトルを用いていた従来技術と比べて、経済的コストを大幅に削減でき、省スペース化に大きく貢献することができる。
以下に、本発明に係るリアクトルの実施形態について、図1〜図11を参照して具体的に説明する。なお、下記の実施形態において、図12〜図17に示した従来例と同一の部材に関しては同一部材を付して説明は省略する。
[1.第1の実施形態]
[1−1.構成]
まず、図1〜図5を参照して第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態の断面図、図2は第1の実施形態によるリアクトル14a、14bを適用した場合の発変電所の一部を示す3線結線図であり、前述の図12で説明した従来のリアクトルを適用した場合と同じく、a相、b相、c相からなるケーブル送電線は2回線のみを示している。図3は、前記図13に対応するもので、図2に示したa相に1線地絡事故1があった場合の対称座標法による等価回路図である。図4は接地形リアクトル14a又は14b部分のみを取り出した結線図である。図5は第1の実施形態の作用を説明するためのグラフである。
図2に示すように、第1の実施形態では、接地形リアクトル14a、14bが、各ケーブル送電線に開閉器8a、8bを介して設けられている。図3中のXは、接地形リアクトル14a、14bのリアクタンスを示している。
ところで、非有効接地系統で使用される3相リアクトルの結線方法には、通常、三角形と星形とがあるが、既に述べたように従来ではいずれも中性点は非接地であり、この場合、零相補償容量P0はゼロとなる。前記図12に示したリアクトル4がその一例である。これに対して、第1の実施形態に係る接地形リアクトル14a、14bでは、図4にも示すように中性点を接地している。
図1に基づいて、本実施形態に係る接地形リアクトル14a、14bの構成について説明する。図1に示すように、接地形リアクトル14a、14bは、図15に示した従来のリアクトルと同様、ギャップ付き鉄心形である。主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cの左右には側脚鉄心22a、22bが設けられており、上下の磁気シールド19、20と側脚鉄心22a、22bとの間には磁気シールドギャップ23a、23bが設けられ、磁気回路が構成される。ここで、磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長の合計値をDbとする。
接地形リアクトル14a、14bにおいては、ギャップ付き鉄心16a〜16cの主脚ギャップ17のギャップ長の合計値Daと、磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長の合計値Dbは、大きさが変更可能となるように構成されている。そして、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daと、磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbの比を変更することで、正相回路に必要な正相補償容量P1と、零相回路に必要な零相補償容量P0との比であるP1:P0を、1:1から0:1の範囲で変化させるように構成したことを特徴としている。
[1−2.作用]
続いて、以上のような構成を有する第1の実施形態の作用として、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比を変える点について、詳しく説明する。3相交流リアクトルにおける正相補償容量P1とは、大きさが同じで3相の位相が120度ずつずれた通常の3相交流電圧が加わった場合の補償容量である。また、零相補償容量P0とは、大きさが同じで3相の位相も同じ交流電圧が加わった場合の補償容量である。正相補償容量P1については、従来のリアクトルと同様であることを図1により説明する。
正相電圧、すなわち位相が120度ずつずれた同じ大きさの3相電圧が巻線15a〜15cにそれぞれ加わると、磁束21は3つの主脚ギャップ付き鉄心16a〜16c中に発生する。3相の磁束21の大きさは同じであり、位相は120度ずつずれている。つまり、磁束21は、上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20で合成されるが、大きさが同じで、位相が120度ずつずれている。それゆえ、磁束21の大きさはゼロとなり、側脚鉄心22a、22bに磁束21は流れない。上述したように磁気回路は主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cと上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20で構成される。
この場合の正相補償容量P1は、前記(1)式〜(4)式のとおり、この磁気回路のギャップ長、すなわち主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cの主脚ギャップ17のギャップ長の合計値Daで決まる。Daは前記図15に示した従来のリアクトルと同じにしておけば、本実施形態に係るリアクトル14a、14bについても、正相補償容量P1は同一となる。
次に零相電圧が加わった場合の作用について図1により説明する。3相の巻線15a〜15cに同位相で同じ大きさの電圧、すなわち零相電圧が加わると各相の磁束21は破線矢印のように同方向で大きさが等しくなる。この磁束21は上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20で合成されるが、正相電圧が加わったときとは異なり、位相が同じであるため1相の3倍の大きさになり、3相の主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cを循環することはできない。
したがって、磁束21は側脚鉄心22a、22bを通ることになる。このとき、上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20と側脚鉄心22a、22bとの間には磁気シールドギャップ23a、23bを設けてあるので、各相の磁気回路のギャップ長の合計Dは下式のとおりとなる。
Figure 0005060244
この磁気回路によるインダクタンス、すなわち、零相回路のインダクタンスLは(6)式から導かれ、零相補償容量P0は(7)式から導かれる。
Figure 0005060244
Figure 0005060244
以上のとおり、正相の磁気回路は、主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cのうちのいずれかと、上部磁気シールド19、他の主脚ギャップ付き鉄心16a〜16c、下部磁気シールド20を循環する。これに対して、零相の磁気回路は、主脚ギャップ付き鉄心16a〜16c、上部磁気シールド19、磁気シールドギャップ23a、23b、側脚鉄心22a、22b、下部磁気シールド20、そして主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cへ戻る回路となる。したがって、磁気回路としては正相回路よりも零相回路の方が長くなる。また、磁気回路のギャップ長とリアクトル容量は比例するので、適宜ギャップを設けることにより、零相補償容量P0を正相補償容量P1よりも大きくすることが可能である。
上述したように、正相補償容量P1は(1)式、零相補償容量P0は(7)式で表わされるので、その比P1/P0は(2)式と(6)式から、下記の(8)式のとおりとなる。
(数8)
P1/P0=Da/(Da+Db) … (8)式
ここで、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Da及び磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbの大きさと、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比であるP1:P0の関係を見てみる。これらの関係を示したものが、図5のグラフである。
主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daの最大値は主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cがすべてギャップになった状態である。一方、磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbの最大値は、主脚鉄心ギャップ長の合計値Daの最大値と同じであり、最小値はゼロのときである。
主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cがすべてギャップの状態で、磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbをゼロとすると、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比、すなわちP1:P0は、1:1となり、P1/P0=1.0となる。この状態が図5の横軸が0.00の位置である。ここから磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbを次第に大きくしていって、Da=Dbになったとき、P1:P0は1:2となり、P1/P0=0.5となる。この変化を示したものが、図5中のAのグラフである。
次に、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daを半分にして、磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbを変化させる。その結果、(8)式から、P1/P0は最大1.0から最小0.33まで変化する。この変化を示したものが図5中のCのグラフである。
さらに、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daをほとんど零にする。リアクトルの補償容量としては小さいものになる。Db=DaのときはP1/P0も1.0である。この状態から、磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbを徐々に小さくしていくと、P1/P0も小さくなり、Db=0ではP1/P0もゼロとなる。この変化を示したものが図5中のEのグラフである。なお、図5中のB、Dのグラフはそれぞれ、AとC、CとEの中間の変化を示したグラフである。
以上説明したように、上記(8)式のP1/P0の最大値は1.0となり、最小値はゼロとなる。前記(4)式で示したように、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daと正相補償容量P1は比例するため、磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbがゼロの場合に零相補償容量P0が最小となり、正相補償容量P1とほぼ同一となる。この状態が、正相補償容量P1と零相補償容量P0が1:1の場合である。
そして、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daをゼロとすると、正相補償容量P1は、ほぼゼロとなる。この状態が、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比が0:1の場合である。このようにして、主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cの主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daと磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbとの比を変更することにより、正相補償容量P1と零相補償容量P0との比を、1:1から0:1の範囲で変化させることが可能となる。言い換えると、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daにて、正相補償容量P1を決定すると共に、零相補償容量P0の一部を決定することができる。
[1−3.効果]
このように、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比を変化させた場合の効果は次の通りである。図3に示すように、接地リアクトル14a、14bは正相回路、逆相回路、零相回路に入るが、零相回路ではケーブル対地静電容量2a、2bのリアクタンスXcをほぼ完全に補償することができる。
また、正相、逆相の各回路には負荷との関連で、ケーブル対地静電容量2a、2bのリアクタンスXcの補償を小さくすることが可能である。さらに、重負荷時には負荷ZF1は遅れ力率になることが一般的なので、その場合を考慮して、正相及び逆相の補償容量は小さくし、ケーブル対地静電容量2a、2bのリアクタンスXcを利用して、全体としての力率を改善することができる。
以上のような第1の実施形態によれば、2種類のリアクトルを用いることなく、1種類のリアクトルだけで、正相、逆相と零相とを異なる容量で補償することができる。すなわち、図2と図12の3線結線図を比べると明らかなように、正相補償用のリアクトル4、中性点リアクトル5a、5b、さらには接地変圧器6a、6bや開閉器7を備えた従来例から、接地変圧器6a、6b、リアクトル4、開閉器7を削除することが可能となる。これにより、装置の配置数を減らして、経済的コストを大幅に削減することができ、しかも省スペース化を進めることができる。したがって、敷地面積に厳しい制約のある変電設備では特に効果的である。
[2.第2の実施形態]
[2−1.構成]
図6に示すように、第2の実施形態は、前記第1の実施形態において主脚ギャップ付き鉄心16a〜16cを無くした空心形リアクトルである。
つまり、上部磁気シールド19と下部磁気シールド20との距離が主脚ギャップ17の合計値Daとなる。磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbをゼロとすると、正相補償容量P1と零相補償容量P0はほぼ同一となる。この状態が、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比が1:1の場合である。
次に、磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbを長くしていくと、零相補償容量P0は正相補償容量P1にその分の容量が加算されて行き、最大で正相補償容量P1の2倍になる。この状態が、正相補償容量P1と零相補償容量P0が0.5:1の場合である。このようにして、磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbを変更することにより、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比を1:1から0.5:1の範囲で変化させるようになっている。
[2−2.作用]
このような構造をとる第2の実施形態の空心形リアクトルでは、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比を変えることが可能である。すなわち、正相回路については、従来のリアクトルと同様であり、そのインダクタンスL1は前記(2)式と同一であり、従って、正相補償容量P1も上記(1)式と同じである。
次に零相電圧が加わった場合の作用について、図6を用いて説明する。3相の巻線15a〜15cに同位相で同じ大きさの電圧、すなわち零相電圧が加わると、各相の磁束21は破線矢印のように同方向で大きさが等しくなる。この磁束21は上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20で合成されるが、正相電圧が加わったときと異なり、位相が同じであるため1相の3倍の大きさになり、空心形の鉄心を循環することもできない。したがって、磁束21は側脚鉄心22a、22bを通る。
このとき、上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20と側脚鉄心22a、22bとの間に設けた磁気シールドギャップ23a、23bの存在により、各相の磁気回路のギャップ長の合計Dは前記(3)式の通りとなる。ただし、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daは、前述したように上部磁気シールド19と下部磁気シールド20の間の距離となる。
その結果、この磁気回路によるインダクタンス、すなわち、零相回路のインダクタンスL0は前記(6)式にて表される。従って正相補償容量と零相補償容量の比P1/P0は、前記(8)式の通りとなる。ここで、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Da及び磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbの大きさと、P1/P0の関係を見てみる。これらの関係を図7のグラフに示す。
第2の実施形態は、主脚部分の鉄心を無くした空心形なので、主脚鉄心がすべてギャップになった構造となっている。この状態の主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daを空心形リアクトルのギャップ長Da'と表記することとする。磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbの最大値は、Db=Da'のときで、Dbの最小値は、ゼロのときである。Dbを0とすると、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比は1:1となり、P1/P0=1.0となる。そして、Dbを次第に大きくしていって、Da'=Dbにすると、P1/P0=0.5となる。つまり、(8)式の最大値は1.0、最小値は0.5である。
以上説明したように、第2の実施形態では、空心形リアクトルのギャップ長Da'と磁気シールドギャップ23a、23bのギャップ長合計値Dbを変化させることにより、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比率であるP1/P0を、1.0〜0.5の間で変化させることができる。
[2−3.効果]
このように、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比を変化させた場合の効果は、前記第1の実施形態と同じく、零相回路においてケーブル対地静電容量2a、2bのリアクタンスXcをほぼ完全に補償することができる。また、正相、逆相の各回路には負荷との関連で、ケーブル対地静電容量2a、2bのリアクタンスXcの補償を小さくすることができる。したがって、2種類のリアクトルではなく、1種類のリアクトルだけで、正相、逆相と零相とを異なる容量で補償することが可能となり、経済的な面からもスペース性の面からも極めて有利である。
[3.第3の実施形態]
[3−1.構成]
続いて、第3の実施形態について、図8の断面図及び図9のグラフを参照して具体的に説明する。図8に示すように、第3の実施形態は、前記第1の実施形態と同じくギャップ付き鉄心形リアクトルであるが、側脚鉄心22a、22bを省いた点に特徴がある。このとき、側脚鉄心22a、22bを無くす前の側脚長がギャップ長となる。側脚鉄心22a、22bの磁路長は主脚部分の磁路長とほぼ同じであるから、巻線部分の鉄心がない場合、零相補償容量P0は正相補償容量P1のほぼ2倍となる。
すなわち、正相補償容量P1と零相補償容量P0との比は0.5:1となる。次に、主脚部分のギャップ付き鉄心16a〜16cの鉄心長を長くし、主脚ギャップ17の長さを小さくしていくと、正相補償容量P1は小さくなって行き、主脚ギャップ17の長さをゼロにすると正相補償容量P1はほぼゼロとなる。この状態が正相補償容量P1と零相補償容量P0が0:1の場合である。
以上のようにして、第3の実施形態では、磁気シールドの一部を構成する側脚22a、22bを無くし、主脚ギャップ17の長さを変更することにより、正相補償容量と零相補償容量とを0.5:1から0:1の範囲で変化させることができる。
[3−2.作用]
上記のような構造をとる第3の実施形態の作用、すなわち正相補償容量P1と零相補償容量P0との比を変えることについて、以下に説明する。すなわち、正相回路については、従来のリアクトルと同様であり、そのインダクタンスLは前記(2)式と同一であり、従って、正相補償容量P1も上記(1)式と同じである。
次に零相電圧が加わった場合の作用について図8に基づいて説明する。3相の巻線15a〜15cに同位相で同じ大きさの電圧、すなわち零相電圧が加わると各相の磁束21は破線矢印のように同方向で大きさが等しくなる。
この磁束21は上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20で合成されるが、正相電圧が加わったときと異なり、位相が同じであるため、1相の3倍の大きさになり、3相のギャップ付き鉄心16a〜16cを循環することもできない。このため、磁束21は、上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20から外部に流れ出す。したがって、各相の磁気回路のギャップ長の合計Dは下式のとおりとなる。
(数9)
D=Da+Db' … (9)式
D:磁気回路のギャップ長の合計(m)
Da:主脚ギャップ長の合計値(m)
Db':上部磁気シールド19と下部磁気シールド20との間のギャップ長(m)
したがって、この磁気回路によるインダクタンス、すなわち、零相回路のインダクタンスL0は前記(6)式のとおりとなる。ただし、DbはDb'と置き換える。このため、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比率P1/P0は前記(6)式と同様、次の(10)式で表される。
(数10)
P1/P0=Da/(Da+Db') … (10)式
ここで、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daおよび上部磁気シールド19と下部磁気シールド20との間のギャップ長Db'の大きさと、P1/P0の関係を見てみる。これらの関係をグラフで示したものが図9である。なお、横軸はDa/Db'としてある。
第3の実施形態の構造は、第1の実施形態において上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20と側脚鉄心22a、22bとの間のギャップがなくなり、すべてギャップになった状態である。主脚ギャップ17のギャップ長の合計値Daの最小値はゼロである。その場合、正相補償容量P1はゼロとなる。
主脚ギャップ17のギャップ長の合計値Daの最大値は、主脚鉄心がすべてギャップになった状態である。Db'は、Daの最大値と同じである。従って、P1/P0=0.5となる。次に、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daを半分にしてみる。その結果、(10)式から、P1/P0=0.33となる。
さらに、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daをほとんど零にする。リアクトルの容量としては小さいものになり、Da=Db'のときはP1/P0は0.5である。
従って、(10)式よりP1/P0の最大値は、0.5、最小値はゼロとなる。以上説明したように、主脚ギャップ17のギャップ長合計値Daを変化させることにより、リアクトルの正相補償容量P1と零相補償容量P0の比を適宜変化させることができる。
[3−3.効果]
以上のように、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比を変化させることが可能な第3の実施形態によれば、側脚鉄心22a、22bを省いたギャップ付き鉄心形リアクトルにおいて、前記第1及び第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
すなわち、零相回路においてケーブル対地静電容量2a、2bのリアクタンスXcをほぼ完全に補償することができ、正相、逆相の各回路には負荷との関連で、ケーブル対地静電容量2a、2bのリアクタンスXcの補償を小さくすることが可能である。しかも、2種類のリアクトルではなく、1種類のリアクトルだけで、正相、逆相と零相とを異なる容量で補償可能であり、経済性・スペース性に優れたリアクトルを提供することができる。
[4.第4の実施形態]
[4−1.構成]
次に、図10の断面図を用いて、第4の実施形態について説明する。図10に示すように、第4の実施形態は、前記第2の実施形態と前記第3の実施形態とを組み合わせたものであり、主脚ギャップ付き鉄心16a〜16c及び側脚鉄心22a、22bを無くした空心形リアクトルである。
第4の実施形態において、正相補償容量P1は巻線部分のギャップ長で決まり、それとほぼ同じ長さの側脚鉄心部分がギャップとして加わるので零相補償容量P0は約2倍になる。すなわち、正相補償容量P1と零相補償容量P0との比を0.5:1としている。
[4−2.作用]
以上の構造をとる第4の実施形態において、正相回路については、従来のリアクトルと同様であり、そのインダクタンスL1は前記(2)式と同一であり、従って、正相補償容量P1も上記(1)式と同じである。また、零相電圧が加わった場合、図10に示すように、3相の巻線15a〜15cに同位相で同じ大きさの電圧、すなわち零相電圧が加わると各相の磁束21は破線矢印のように同方向で大きさが等しくなる。
この磁束21は上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20で合成されるが、正相電圧が加わったときと異なり、位相が同じなため1相の3倍の大きさになり、3相のギャップ付き鉄心16a〜16cを循環することはできない。このため、磁束21は、上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20から外部に流れ出す。このため、各相の磁気回路のギャップ長の合計Dは下式のとおりとなる。
(数11)
D=Da'+Db' … (11)式
D:磁気回路のギャップ長の合計(m)
Da':主脚鉄心ギャップ長(m)
Db':上部磁気シールド19と下部磁気シールド20との間のギャップ長(m)
したがって、この磁気回路によるインダクタンス、すなわち、零相回路のインダクタンスL0は前記(6)式のとおりとなる。ただし、DaはDa'に、DbはDb'に置き換える。このため、正相容量P1と零相容量P0の比率P1/P0は前記(10)式と同様に下記の(12)式の通りとなる。
(数12)
P1/P0=Da'/(Da'+Db') … (12)式
ここで、主脚鉄心ギャップ長Da'及び上部磁気シールド19と下部磁気シールド20との間のギャップ長Db'の大きさと、P1/P0の関係を見てみる。第4の実施形態に係るリアクトルの構造は、図6にて示した第2の実施形態において上部磁気シールド19及び下部磁気シールド20と側脚鉄心22a、22bとの間のギャップがなくなり、すべてギャップになった状態である。この構造では、Da'=Db'であり(12)式からP1/P0=0.5となる。
[4−3.効果]
以上の第4の実施形態によれば、正相補償容量P1と零相補償容量P0の比を0.5:1に限定しているにせよ、異なる正相補償容量P1及び零相補償容量P0を1台のリアクトルだけで補償可能であり、経済的コスト削減と省スペース化を実現することが可能である。
[5.他の実施形態]
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、各部材の構成や配置数、正相補償容量と零相補償容量の比等は適宜変更可能であり、次のような実施形態も包含している。
例えば、図1に示した第1の実施形態では側脚鉄心22a、22bと上部及び下部磁気シールド19、20とのギャップは集中して設けたが、図11に示すように、側脚鉄心22a、22bをギャップ付き鉄心として分散させても良い。ここで側脚鉄心22a、22bは、ブロック鉄心24と側脚ギャップ25が積層されてなる。
側脚鉄心22a、22bを分散させた実施形態によれば、磁束21の広がりが小さくなり、漏れ磁束によるタンクの過熱などを防止できる。また、鉄心間距離が近くなり、鉄心の支え構造が簡略化できるなどの利点がある。さらに、図11に示した実施形態において磁気シールドギャップ23a、23bを無くして側脚ギャップ25でギャップ長を調整するようにしても構わない。また、リアクトルの中性点側を直接接地とせず、抵抗を介して接地することも可能である。この抵抗は、過渡的な直流分電流の減衰を早めるといった効果を発揮することができる。
本発明に係る第1の実施形態の断面図 第1の実施形態を適用した場合の発変電所の一部を示す3線結線図 第1の実施形態を適用した場合の1線地絡時の対称座標法による等価回路図 第1の実施形態に係るリアクトル部分のみを取り出した3線結線図 第1の実施形態において正相補償容量と零相補償容量の変化を示すグラフ 本発明に係る第2の実施形態の断面図 第2の実施形態において正相容量と零相容量の変化を示すグラフ 本発明に係る第3の実施形態の断面図 第3の実施形態において正相容量と零相容量の変化を示すグラフ 本発明に係る第4の実施形態の断面図 本発明に係る他の実施形態の断面図 従来のリアクトルを適用した場合の変電所の3線結線図 従来のリアクトルを適用した場合の1線地絡時の対称座標法による等価回路図 従来のリアクトル部分のみを取り出した3線結線図 従来のギャップ付き鉄心形リアクトルの断面図 図15に示した巻線の斜視図 従来の空心形リアクトルの断面図
符号の説明
1…地絡事故
2a〜2c…ケーブル対地静電容量
3…母線
4…リアクトル
5a、5b…中性点リアクトル
6a、6b、11…接地変圧器
7、8a、8b…開閉器
9a、9b…送電線遮断器
10…遮断器
12…中性点接地抵抗器
13…電源
14a、14b…接地形リアクトル
15a〜15c…巻線
16a〜16c…主脚ギャップ付き鉄心
17…主脚ギャップ
18、24…ブロック鉄心
19…上部磁気シールド
20…下部磁気シールド
21…磁束
22a、22b…側脚鉄心
23a、23b…磁気シールドギャップ
25…側脚ギャップ

Claims (2)

  1. 3相分の巻線が巻かれたギャップ付き鉄心を備え、前記巻線の上下に近接して磁気シールドを設け、前記巻線の左右の両端部に近接して側脚鉄心を配置したリアクトルにおいて、
    3相星形接続とし、中性点を接地して、
    前記ギャップ付き鉄心は、当該ギャップの長さの合計値である第1のギャップ長が変更可能となるように設け、
    前記磁気シールドと側脚鉄心との間、または側脚鉄心にギャップを設け、当該ギャップ長の合計値である第2のギャップ長が変更可能となるように設け、
    前記第1のギャップ長と前記第2のギャップ長の比を変更することにより、正相回路に必要な正相補償容量と、零相回路に必要な零相補償容量との比を、1:1から0:1の範囲で変化させるように構成したことを特徴とするリアクトル。
  2. 3相分の巻線部分鉄心の無い空心形とし、前記巻線の上下に近接して磁気シールドを設け、前記巻線の左右の両端部に近接して側脚鉄心を配置したリアクトルにおいて、
    3相星形接続とし、中性点を接地して、
    前記磁気シールドと側脚鉄心との間、または側脚鉄心にギャップを設け、当該ギャップ長の合計値である第2のギャップ長が変更可能となるように設け、
    前記第2のギャップ長を変更することにより、正相回路に必要な正相補償容量と、零相回路に必要な零相補償容量との比を、1:1から0.5:1の範囲で変化させるように構成したことを特徴とするリアクトル。
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